JP2011204701A - 燃料電池型発電装置及び燃料の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼器から未燃焼の燃料が排出されないようにする。
【解決手段】カートリッジ2に貯留された原燃料と水がポンプ3によって蒸発器4に送液される。原燃料と水が蒸発器4によって蒸発し、原燃料と水の混合気が改質器5に供給される。改質器5では原燃料と水から水素が生成され、その水素が一酸化炭素除去器6を介して発電セル(燃料電池本体)8へ送られ、水素の電気化学反応により発電セル8で電力が取り出される。発電セル8から排出される未反応の水素が第1の触媒燃焼器9で燃焼され、第1の触媒燃焼器9で燃焼されずに残る水素が第2の触媒燃焼器10で全て燃焼される。電気ヒータ兼温度センサ91の測定温度がコントローラ30に入力され、コントローラ30が測定温度に応じてエアポンプ31の空気供給量を制御する。これにより、第1の触媒燃焼器9の燃焼量が制御される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料を発電セル(燃料電池本体)で電気化学反応させることで電力を取り出す燃料電池型発電装置に関するとともに、発電セルから排出される未反応の燃料の処理方法に関する。
燃料電池は燃料の電気化学反応により電力を取り出すものであり、燃料電池の研究・開発が広く行われている。燃料電池に用いる燃料は水素ガスであり、メタノール等の原燃料を改質器で改質することでその水素ガスを生成している(特許文献1、特許文献2参照。)。また、エネルギーの利用効率を高めるために、発電セル(燃料電池本体)から排出される未反応の水素ガスをバーナー等の燃焼器で燃焼させ、その燃焼熱によって改質器を加熱することが行われている(特許文献1、特許文献2参照。)。また、発電セルから排出される燃料を分岐させて別の燃焼器に送り、その別の燃焼器への燃料の供給量を制御することによって、改質器加熱用の燃焼器の燃焼量を制御することで改質器の温度制御を行っている(特許文献1、特許文献2参照)。
特開平9−45349号公報 特開平7−192742号公報
しかしながら、発電セル(燃料電池本体)から別の燃焼器への燃料の供給量を制御したものとしても、その別の燃焼器や改質器加熱用燃焼器から未燃焼の燃料が排出されてしまうことがある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、燃焼器から未燃焼の燃料が排出されないようにすることを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明では、燃料電池型発電装置が、燃料の電気化学反応により電力を取り出す発電セルと、前記発電セルから排出される未反応の燃料を燃焼させる第1の燃焼器と、前記第1の燃焼器から排出される未燃焼の燃料を燃焼させる第2の燃焼器と、を備えるという構成を採った。
上記発明において、好ましくは、前記燃料電池型発電装置が、原燃料を改質することで燃料を生成して、生成した燃料を前記発電セルに送る改質器と、前記改質器及び前記第1の燃焼器を収容する断熱パッケージと、を更に備え、前記第2の燃焼器が前記断熱パッケージの外に設けられている。
また、好ましくは、前記燃料電池型発電装置が、酸化剤を含む気体を前記第1の燃焼器に供給するポンプと、前記第1の燃焼器の温度を測定する温度センサと、前記温度センサの測定温度に応じて前記ポンプにより供給される酸化剤を含む気体の供給量を制御するコントローラと、を更に備える。
また、好ましくは、前記コントローラは、前記測定温度が所定値未満である場合に前記ポンプによる酸化剤を含む気体の供給量を所定の量よりも増やし、前記測定温度が前記所定値より高い場合に前記ポンプによる酸化剤を含む気体の供給量を前記所定の量よりも減らす。
本発明では、燃料の処理方法は、燃料の電気化学反応により電力を取り出す発電セルから排出される未反応の燃料の処理方法であって、前記発電セルから排出される未反応の燃料を第1の燃焼器で燃焼させ、前記第1の燃焼器から排出される未燃焼の燃料を第2の燃焼器で燃焼させるという構成を採った。
好ましくは、前記燃料の処理方法において、原燃料を改質することで燃料を生成して、生成した燃料を前記発電セルに送る改質器と前記第1の燃焼器とを断熱パッケージ内に収容し、前記第2の燃焼器を前記断熱パッケージの外に設ける。
好ましくは、前記燃料の処理方法において、酸化剤を含む気体を前記第1の燃焼器に供給するとともに、前記第1の燃焼器の温度に応じて、コントローラが供給される酸化剤を含む気体の供給量を制御する。
好ましくは、前記燃料の処理方法において、前記コントローラは、前記第1の燃焼器の温度が所定値未満である場合に酸化剤を含む気体の供給量を所定の量よりも増やし、前記第1の燃焼器の温度が前記所定値より高い場合に酸化剤を含む気体の供給量を前記所定の量よりも減らす。
本発明によれば、第1の燃焼器で未燃焼だった燃料が第2の燃焼器で燃焼されるので、第2の燃焼器から可燃性の排ガスが排出しないようにすることができる。
第1実施形態の燃料電池型発電装置のブロック図である。 上記燃料電池型発電装置の概略断面図である。 第2実施形態の燃料電池型発電装置のブロック図である。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
〔第1の実施の形態〕
図1は、燃料電池型発電装置1のブロック図であり、図2は、燃料電池型発電装置1の概略断面図である。この燃料電池型発電装置1は、カートリッジ2、ポンプ3、蒸発器4、改質器5、一酸化炭素除去器6、発電セル(燃料電池本体)8、第1の触媒燃焼器9、第2の触媒燃焼器10、コントローラ30、エアポンプ31及びエアポンプ32を備える。この燃料電池型発電装置1はノート型パーソナルコンピュータ、PDA、電子手帳、デジタルカメラ、携帯電話機、腕時計、レジスタ及びプロジェクタ等といった電子機器に搭載されている。ポンプ3、蒸発器4、改質器5、一酸化炭素除去器6、発電セル8、第1の触媒燃焼器9、第2の触媒燃焼器10、コントローラ30、第1のエアポンプ31及び第2のエアポンプ32が電子機器本体に内蔵され、カートリッジ2が電子機器本体に対して着脱可能とされ、カートリッジ2が電子機器本体に装着されるとカートリッジ2とポンプ3が接続される。
カートリッジ2は、液体の原燃料(例えば、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル)と水が混合した状態又は別々に貯留されている。
ポンプ3は、カートリッジ2内の原燃料と水を吸引して、原燃料と水の混合液を蒸発器4に送液するものである。
蒸発器4には電熱材からなる電気ヒータ兼温度センサ41が設けられている。電気ヒータ兼温度センサ41は、電気抵抗値が温度に依存するものであり、温度センサとしても機能する。ポンプ3から蒸発器4に送られた混合液は電気ヒータ兼温度センサ41の熱や第1の触媒燃焼器9の熱により蒸発される。蒸発器4で気化した混合気は改質器5へ送られる。
改質器5には、電気抵抗値が温度に依存する電熱材からなる電気ヒータ兼温度センサ51が設けられている。改質器5の内部には流路が形成され、その流路の壁面に触媒が担持されている。蒸発器4から改質器5に送られる混合気は、改質器5の流路を流れ、電気ヒータ兼温度センサ51や第1の触媒燃焼器9により加熱されて、触媒により反応を起こす。原燃料と水の触媒反応によって燃料としての水素、二酸化炭素(及び、後述の副生成物である微量な一酸化炭素等)が生成される。なお、原燃料がメタノールの場合、改質器5では主に次式(1)に示すような反応が起こる。
CH3OH+H2O→3H2+CO2 …(1)
一酸化炭素は化学反応式(1)についで逐次的に起こる次式(2)のような式によって微量に副生される。
2+CO2→H2O+CO …(2)
一酸化炭素除去器6には、電気抵抗値が温度に依存する電熱材からなる電気ヒータ兼温度センサ61が設けられている。一酸化炭素除去器6の内部には流路が形成され、その流路の壁面に触媒が担持されている。改質器5で生成された改質ガスは一酸化炭素除去器6へ送られる。更に、外部の空気が一酸化炭素除去器6へ送られる。改質器5から一酸化炭素除去器6に送られた改質ガスが空気と混合して一酸化炭素除去器6の流路を流れ、電気ヒータ兼温度センサ61や第1の触媒燃焼器9により加熱される。そして、改質ガスのうち一酸化炭素が触媒により次式(3)のように優先的に酸化される。これにより二酸化炭素が生成され、改質ガスから一酸化炭素が除去される。例えば、改質ガス中の一酸化炭素の濃度が10ppm以下になる。
2CO+O2→2CO2 …(3)
上記蒸発器4、改質器5及び一酸化炭素除去器6は箱状の断熱パッケージ20内に収容されている。断熱パッケージ20内の気圧は真空圧(例えば、10Pa以下)に保たれている。
発電セル8は、電解質膜82と、電解質膜82の一方の面に接合された燃料極膜81と、電解質膜82の他方の面に接合された酸素極膜83と、燃料極膜81に接合してその接合面に流路を形成した燃料極セパレータ85と、酸素極膜83に接合してその接合面に流路を形成した酸素極セパレータ86とを備える。電解質膜82、燃料極膜81、酸素極膜83を接合したものが膜電極接合体84である。
一酸化炭素除去器6から排出された改質ガスは発電セル8の燃料極セパレータ85の流路に送られる。もう一方の酸素極セパレータ86の流路には空気が送られる。そして、燃料極膜81に供給された改質ガス中の水素が、酸素極膜83を介して、酸素極膜83に供給された空気中の酸素と電気化学反応することによって、燃料極膜81と酸素極膜83との間で電力が生じる。なお、電解質膜82が水素イオン透過性の電解質膜(例えば、固体高分子電解質膜)の場合には、燃料極膜81では次式(4)のような反応が起き、燃料極膜81で生成された水素イオンが電解質膜82を透過し、酸素極膜83では次式(5)のような反応が起こる。
2→2H++2e- …(4)
2H++1/2O2+2e-→H2O …(5)
燃料極膜81と酸素極膜83は負荷(例えば、モータ、DC−DCコンバータ、二次電池等)7に接続され、発電セル8で取り出された電力により負荷7が動作する。
燃料極セパレータ85の流路を通過した改質ガスには、未反応の水素も含まれている。そして、燃料極セパレータ85の流路を通過して排出される排改質ガスは、第1の触媒燃焼器9に供給される。更に、外部の空気がエアポンプ31によって吸引されて第1の触媒燃焼器9に供給される。エアポンプ31としては電動ファン等が用いられる。
第1の触媒燃焼器9には、電熱材からなる電気ヒータ兼温度センサ91が設けられている。電気ヒータ兼温度センサ91の電気抵抗値が温度に依存するので、この電気ヒータ兼温度センサ91が第1の触媒燃焼器9の温度を測定する温度センサとしても機能し、その電気ヒータ兼温度センサ91による測定温度が電気信号としてコントローラ30に入力される。
また、第1の触媒燃焼器9の内部には流路が形成され、その流路の壁面に触媒が担持されている。燃料極セパレータ85から第1の触媒燃焼器9に送られた排改質ガスが空気と混合して第1の触媒燃焼器9の流路を流れ、電気ヒータ兼温度センサ91により加熱される。第1の触媒燃焼器9の流路を流れている排改質ガスのうち水素が触媒により燃焼され、これにより燃焼熱が発生する。この第1の触媒燃焼器9が断熱パッケージ20内に収容され、第1の触媒燃焼器9で発生した燃焼熱は蒸発器4における蒸発、改質器5における改質反応、一酸化炭素除去器6における選択酸化反応に用いられる。また、断熱パッケージ20内では、蒸発器4、改質器5、一酸化炭素除去器6及び第1の触媒燃焼器9が熱伝導材21に接するように搭載され、第1の触媒燃焼器9の燃焼熱が熱伝導材21によって蒸発器4、改質器5、一酸化炭素除去器6に伝導される。
第1の触媒燃焼器9から第2の触媒燃焼器10に排改質ガスが供給され、更に外部の空気がエアポンプ32によって第2の触媒燃焼器10に供給される。エアポンプ32としては電動ファン等が用いられる。第2の触媒燃焼器10には、電気抵抗値が温度に依存する電熱材からなる電気ヒータ兼温度センサ11が設けられ、この電気ヒータ兼温度センサ11が温度センサとしても機能する。第2の触媒燃焼器10の内部には流路が形成され、その流路の壁面に触媒が担持されている。また、この第2の触媒燃焼器10は、断熱パッケージ20の外にある。
第1の触媒燃焼器9から第2の触媒燃焼器10に送られた排改質ガスが空気と混合して第2の触媒燃焼器10の流路を流れ、電気ヒータ兼温度センサ11により加熱される。第2の触媒燃焼器10の流路を流れている排改質ガスのうち水素が触媒により燃焼される。これにより、第1の触媒燃焼器9から送られてきた排改質ガス中に含まれる微量な水素が除去され、第2の触媒燃焼器10の流路を流れた排改質ガスは外部に放出される。
コントローラ30は、電気ヒータ兼温度センサ91の測定温度を表す電気信号を電気ヒータ兼温度センサ91から入力する機能と、電気ヒータ兼温度センサ91から入力した測定温度に応じてエアポンプ31の空気の供給量を制御する制御機能とを有する。コントローラ30の制御機能は、電気ヒータ兼温度センサ91の測定温度を所定値と比較する比較機能と、その比較の結果、電気ヒータ兼温度センサ91の測定温度が所定値未満である場合にはエアポンプ31の空気の供給量を所定の一定量よりも増やす機能と、比較の結果、電気ヒータ兼温度センサ91の測定温度が所定値より高い場合にはエアポンプ31の空気の供給量をその一定量より低くする機能とを有する。なお、コントローラ30がコンピュータである場合には、コントローラ30の各機能は、記憶媒体に記憶されたプログラムをコントローラ30が読み込むことで実現される。各種の論理回路を組み合わせてコントローラ30の各機能を実現しても良い。
次に、燃料電池型発電装置1の動作について説明するとともに、発電セル8の燃料極から排出された排改質ガス中の水素の処理方法について説明する。
電気ヒータ兼温度センサ41、電気ヒータ兼温度センサ51、電気ヒータ兼温度センサ61、電気ヒータ兼温度センサ91及び電気ヒータ兼温度センサ11に電力が供給されて、電気ヒータ兼温度センサ41、電気ヒータ兼温度センサ51、電気ヒータ兼温度センサ61、電気ヒータ兼温度センサ91及び電気ヒータ兼温度センサ11が発熱した状態で、ポンプ3が作動し、更にエアポンプ32が作動し、更にコントローラ30によってエアポンプ31が作動する。ポンプ3によって原燃料と水が送液され、蒸発器4から改質器5、一酸化炭素除去器6、発電セル8の燃料極(燃料極セパレータ85)及び第1の触媒燃焼器9を経由して第2の触媒燃焼器10への流れが生じる。蒸発器4においては原燃料と水が蒸発し、改質器5では原燃料と水から改質ガスが生成され、一酸化炭素除去器6では改質ガス中の一酸化炭素が除去され、発電セル8では改質ガス中の水素の電気化学反応により電力が取り出され、第1の触媒燃焼器9では排改質ガス中の発電に使われずに残った水素が燃焼され、第1の触媒燃焼器9で燃焼されずに残った微量の水素が第2の触媒燃焼器10で燃焼される。
そして、蒸発器4、改質器5、一酸化炭素除去器6、発電セル8、第1の触媒燃焼器9及び第2の触媒燃焼器10の動作状態が安定し、改質ガス等の流れも安定し、発電セル8が定常発電状態で動作する。この定常発電状態では、電気ヒータ兼温度センサ41、電気ヒータ兼温度センサ51、電気ヒータ兼温度センサ61、電気ヒータ兼温度センサ91及び電気ヒータ兼温度センサ11にヒータとして動作させるための電力供給を止めることができる。このような安定状態では電気ヒータ兼温度センサ91の測定温度は所定値(設計値)であり、その測定温度を入力したコントローラ30がエアポンプ31の空気の供給量を所定の一定量に保つ。その一定量は、発電セル8から第1の触媒燃焼器9に送られる排改質ガス中の水素を全て燃焼させる量よりも少ないものとしておく。そのため、エアポンプ31によって供給される空気中の酸素がほぼ100%水素の燃焼に用いられても、第1の触媒燃焼器9では排改質ガス中の一部の水素が燃焼されずに残る。例えば、発電セル8がある発電状態で動作している場合に水素の消費率を80%で行うとすると、20%の未反応の水素が第1の触媒燃焼器9に送られる。そして、例えば18%の水素が第1の触媒燃焼器9で燃焼されるように一定量の空気を送り、残りの2%の水素が第2の触媒燃焼器10に送られる。
以上のように、コントローラ30によって定常発電状態で、エアポンプ31の空気供給量が一定量に制御されることで、第1の触媒燃焼器9における水素の燃焼量が制御され、断熱パッケージ20内の温度制御を容易に行うことができる。また、その安定状態では、第2の触媒燃焼器10に送られる排改質ガス中の水素を全て燃焼するために、十分な量の空気がエアポンプ32によって第2の触媒燃焼器10に供給される。そのため、外部に排出される混合気に水素は含まれず、不燃性ガスとなる。
また、発電セル8が定常発電量で動作して系が安定している時に、負荷7の消費電力量が低下すると、発電セル8の発電量が低下し、発電セル8で消費される水素の割合(消費率)が減る。そのため、発電セル8から第1の触媒燃焼器9に送られる排改質ガス中の水素の濃度が高まる。しかし、エアポンプ31によって第1の触媒燃焼器9に供給される空気は一定量(定常発電時分)しか供給されないので、第1の触媒燃焼器9に送られる水素濃度が高まっても、その水素の燃焼量は変わらず、第1の触媒燃焼器9が昇温することがない。そして、第1の触媒燃焼器9から第2の触媒燃焼器10に供給される排改質ガス中の水素濃度は高まる。例えば、発電セル8の水素の消費率が80%から60%に低下すると、40%の未反応の水素が第1の触媒燃焼器9に送られ、18%の水素が第1の触媒燃焼器9で燃焼され、残りの22%の水素が第2の触媒燃焼器10に送られるが、第2の触媒燃焼器10には十分な量の空気が供給されているので、水素は第2の触媒燃焼器10で全て燃焼される。
逆に、発電セル8がある発電量で動作して系が安定している時に、負荷7の消費電力量が増加すると、発電セル8の発電量が増加し、発電セル8で消費される水素の割合(消費率)が増える。そのため、発電セル8から第1の触媒燃焼器9に送られる排改質ガス中の水素の濃度が下がる。しかし、その水素の濃度が許容範囲内(エアポンプ31によって第1の触媒燃焼器9に供給される一定量の空気を消費できる分以上)であれば、水素の燃焼量を変えないようにでき、第1の触媒燃焼器9の温度が変わることはない。そして、第1の触媒燃焼器9で燃焼されずに残った水素は第2の触媒燃焼器10に送られ、第2の触媒燃焼器10には十分な量の空気が供給されているので、水素は第2の触媒燃焼器10で全て燃焼される。
以上のように、第1の触媒燃焼器9及び第2の触媒燃焼器10に送られる水素濃度が変化しても、コントローラ30によってエアポンプ31の空気供給量が一定量に制御されることで、第1の触媒燃焼器9における水素の燃焼量が制御され、断熱パッケージ20内の温度制御を容易に行うことができる。また、第1の触媒燃焼器9及び第2の触媒燃焼器10に送られる水素濃度が高くなっても、第2の触媒燃焼器10には十分な量の空気が供給されているので、水素は第2の触媒燃焼器10で全て燃焼される。このとき、第2の触媒燃焼器10は断熱パッケージ20の外にあるので、改質器を含む改質部の温度制御に影響を及ぼさない。
また、発電セル8がある発電量で動作して系が安定している時に、ポンプ3の送液量を低下させる場合を考えると、蒸発器4、改質器5、一酸化炭素除去器6全体では吸熱反応なので、断熱パッケージ20内の温度が上昇する。その結果、電気ヒータ兼温度センサ91の測定温度が所定値より高くなり、その測定温度を入力したコントローラ30がエアポンプ31の空気の供給量を一定量よりも低くする。すると、燃焼による熱量を減らすことができ、断熱パッケージ20内の温度上昇を抑えることができる。また、第1の触媒燃焼器9で燃焼される水素が減り、第1の触媒燃焼器9から第2の触媒燃焼器10に供給される水素濃度が高くなるが、第2の触媒燃焼器10に送られる水素濃度が高くなっても、第2の触媒燃焼器10には十分な量の空気が供給されているので、第2の触媒燃焼器10に送られる水素は第2の触媒燃焼器10で全て燃焼される。また、水素の生成量が少なくなって断熱パッケージ20内の温度が上昇しても、上記のようにコントローラ30によってエアポンプ31の空気供給量が一定量よりも低く制御されるので、第1の触媒燃焼器9における水素の燃焼量が制御され、断熱パッケージ20内の温度上昇を抑え、温度制御を容易に行うことができる。
逆に、発電セル8がある発電量で動作して系が安定している時に、ポンプ3の送液量を増加させる場合を考えると、蒸発器4、改質器5、一酸化炭素除去器6全体では吸熱反応なので、断熱パッケージ20内の温度が低下する。その結果、電気ヒータ兼温度センサ91の測定温度が所定値未満となり、その測定温度を入力したコントローラ30がエアポンプ31の空気の供給量を一定量よりも多くする。すると、燃焼による熱量を増やすことができ、断熱パッケージ20内の温度低下を抑えることができる。そして、第1の触媒燃焼器9で燃焼されずに残った水素は第2の触媒燃焼器10に送られ、第2の触媒燃焼器10には十分な量の空気が供給されているので、水素は第2の触媒燃焼器10で全て燃焼される。
本実施形態においては、第1の触媒燃焼器9で未燃焼だった水素が第2の触媒燃焼器10で全て燃焼されるので、第2の触媒燃焼器10から可燃性の排ガスが排出しないようにすることができ、安全性が向上する。また、第2の触媒燃焼器10は断熱パッケージ20の外にあるので、改質器を含む改質部の温度制御に影響がないようにでき、安定した発電を行うことができる。
また、発電セル8から第1の触媒燃焼器9に送られる排改質ガスの流量を制御することなく、エアポンプ31の空気供給量を制御することによって第1の触媒燃焼器9における水素の燃焼量を制御したので、簡単な仕組みにて断熱パッケージ20内の温度制御を行うことができる。
また、発電セル8における発電量に合わせて、必要に応じてポンプ3の送液量を変更すると、水素の生成量が変動し、発電セル8の燃料極から第1の触媒燃焼器9に送られる水素濃度も変動するが、発電セル8の燃料極から第1の触媒燃焼器9に送られる水素濃度の変動とは無関係に、エアポンプ31の空気供給量の制御だけで第1の触媒燃焼器9における水素の燃焼量を制御することができるので、断熱パッケージ20内の温度制御の制御性が良く、ポンプ3による原燃料・水の供給量を短時間に変更することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の改良及び設計の変更をおこなっても良い。
〔第2の実施の形態〕
上記第1実施形態では、断熱パッケージ20内に設けられる触媒燃焼器は第1の触媒燃焼器の1つである場合の例で説明したが、例えば、蒸発器4用、改質器5用、一酸化炭素除去器6用といったように別々に設けられるような構成であっても良い。
図3に断熱パッケージ20内に設けられる触媒燃焼器が2つある場合の構成例を示す。なお、図3において、図1と共通する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を簡略化する。
第1の触媒燃焼器は改質器5、一酸化炭素除去器6専用のものとし、もうひとつ蒸発器4用の第3の触媒燃焼器12が断熱パッケージ20内に設けられ、熱伝導材は21a、21bのように別々となっている。
第3の触媒燃焼器12には、他の触媒燃焼器と同様に、電熱材からなる電気ヒータ兼温度センサ13が設けられている。電気ヒータ兼温度センサ13の電気抵抗値が温度に依存するので、この電気ヒータ兼温度センサ13が第3の触媒燃焼器12の温度を測定する温度センサとしても機能し、その電気ヒータ兼温度センサ13による測定温度が電気信号としてコントローラ33に入力される。
燃料極セパレータ85の流路を通過して排出される排改質ガスは、第1の触媒燃焼器9に供給されるが、排改質ガスのうち、第1の触媒燃焼器9では改質器5、一酸化炭素除去器6のための熱量を供給する分の水素が、コントローラ30の制御により、適量の空気と混合されることで、燃焼される。
そして、そこからの排改質ガスは未燃焼の水素を残し、第3の触媒燃焼器12に供給される。第3の触媒燃焼器12には、更に、外部の空気がエアポンプ34によって吸引されて第3の触媒燃焼器33に供給される。
コントローラ33は、第1の触媒燃焼器の場合と同様に、電気ヒータ兼温度センサ13の測定温度を表す電気信号を電気ヒータ兼温度センサ13から入力する機能と、電気ヒータ兼温度センサ13から入力した測定温度に応じてエアポンプ34の空気の供給量を制御する制御機能とを有する。コントローラ33の制御機能は、電気ヒータ兼温度センサ13の測定温度を所定値と比較する比較機能と、その比較の結果、電気ヒータ兼温度センサ13の測定温度が所定値未満である場合にはエアポンプ34の空気の供給量を所定の一定量よりも増やす機能と、比較の結果、電気ヒータ兼温度センサ13の測定温度が所定値より高い場合にはエアポンプ34の空気の供給量をその一定量より低くする機能とを有する。
第3の触媒燃焼器12では、第1の触媒燃焼器から供給された未燃焼の水素が残った状況の排改質ガスが蒸発器4のための熱量を供給する分だけ、コントローラ33の制御により、適量の空気と混合されることで、燃焼される。
第1実施形態ではひとつの第1の触媒燃焼器9で蒸発器、改質器、CO除去器の熱量を制御していたが、第2実施形態では、第1の触媒燃焼器9と第3の触媒燃焼器12を直列に配置し、個別に熱量を制御できるようにしている。
このような構成にすれば、蒸発器4の温度と、改質器5、一酸化炭素除去器6の温度をより精度よく管理できるようになる。
そして、上記2つの触媒燃焼器でも燃焼されずに残った余剰の水素を含む排改質ガスが断熱パッケージ20の外に設けられる第2の触媒燃焼器10に送られるようにしている。
第2の触媒燃焼器10には十分な量の空気が供給されているので、水素は第2の触媒燃焼器10で全て燃焼される。
したがって、第1実施形態と同様に、第2の触媒燃焼器10から可燃性の排ガスが排出しないようにすることができ、安全性が向上する。
なお、上記各実施形態では、触媒燃焼器には簡単のために空気を供給する場合について説明したが、空気に限らず酸素等の酸化剤を含む気体であればよい。
8 発電セル(燃料電池本体)
9 第1の触媒燃焼器
10 第2の触媒燃焼器
12 第3の触媒燃焼器
20 断熱パッケージ
30、33 コントローラ
31、32、34 エアポンプ
51 改質器
91 電気ヒータ兼温度センサ

Claims (8)

  1. 燃料の電気化学反応により電力を取り出す発電セルと、
    前記発電セルから排出される未反応の燃料を燃焼させる第1の燃焼器と、
    前記第1の燃焼器から排出される未燃焼の燃料を燃焼させる第2の燃焼器と、
    を備えることを特徴とする燃料電池型発電装置。
  2. 原燃料を改質することで燃料を生成して、生成した燃料を前記発電セルに送る改質器と、
    前記改質器及び前記第1の燃焼器を収容する断熱パッケージと、を更に備え、
    前記第2の燃焼器が前記断熱パッケージの外に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池型発電装置。
  3. 酸化剤を含む気体を前記第1の燃焼器に供給するポンプと、
    前記第1の燃焼器の温度を測定する温度センサと、
    前記温度センサの測定温度に応じて前記ポンプにより供給される酸化剤を含む気体の供給量を制御するコントローラと、を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池型発電装置。
  4. 前記コントローラは、前記測定温度が所定値未満である場合に前記ポンプによる酸化剤を含む気体の供給量を所定の量よりも増やし、前記測定温度が前記所定値より高い場合に前記ポンプによる酸化剤を含む気体の供給量を前記所定の量よりも減らすことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池型発電装置。
  5. 燃料の電気化学反応により電力を取り出す発電セルから排出される未反応の燃料の処理方法であって、
    前記発電セルから排出される未反応の燃料を第1の燃焼器で燃焼させ、
    前記第1の燃焼器から排出される未燃焼の燃料を第2の燃焼器で燃焼させることを特徴とする燃料の処理方法。
  6. 原燃料を改質することで燃料を生成して、生成した燃料を前記発電セルに送る改質器と前記第1の燃焼器とを断熱パッケージ内に収容し、
    前記第2の燃焼器を前記断熱パッケージの外に設けることを特徴とする請求項5に記載の燃料の処理方法。
  7. 酸化剤を含む気体を前記第1の燃焼器に供給するとともに、前記第1の燃焼器の温度に応じて、コントローラが供給される酸化剤を含む気体の供給量を制御することを特徴とする請求項5又は6に記載の燃料の処理方法。
  8. 前記コントローラは、前記第1の燃焼器の温度が所定値未満である場合に酸化剤を含む気体の供給量を所定の量よりも増やし、前記第1の燃焼器の温度が前記所定値より高い場合に酸化剤を含む気体の供給量を前記所定の量よりも減らすことを特徴とする請求項7に記載の燃料の処理方法。
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