JP2011204651A - 電気接点の端子構造およびこれを備えた有接点スイッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】接点部の接触面を安定化させ、デバイスの信頼性を向上させることが可能な電気接点の端子構造およびこれを備えた有接点スイッチを提供する。
【解決手段】有接点スイッチ1は2つの端子(可動部10Aおよび固定部10B)を有する。可動部10Aおよび固定部10Bでは、それぞれ基板11(支持基板17)上に絶縁膜12、下地層13、密着層14、電極15がこの順に形成されている。電極15は、Auなどの金属母材中にCNTなどの補強材が分散された複合材料層15Aと、複合材料層15Aの少なくとも一部を覆う金属膜15Bとから構成されている。複合材料層15A上を金属膜15Bによって覆うことにより、電極15の表面の硬度を均質化し、可動部10Aおよび固定部10Bの接触面を安定化する。
【選択図】図2

Description

本発明は、高周波(特にミリ波帯)を用いた高密度大容量通信に用いられる電子デバイス、発電または変電を行う電子デバイスなどに用いて好適な電気接点の端子構造およびこれを備えた有接点スイッチに関する。
高周波デバイスの接点には、電気的特性(低抵抗)と機械的特性(放熱性、高硬度)を両立した材料が望ましい。古くは合金開発によって望ましい材料が探索されてきた。例えば、有接点スイッチで一般的に用いられるAu系接点を有するものは、金(Au)にニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)などを添加したAu合金が活用されている。合金化によって硬度の上昇、耐腐食性の向上および融点の上昇などの効果が得られ、接点としての耐久性が向上する。一方で、Au合金は純Auと比較すると抵抗率の上昇および密着性の低下などの特性のトレードオフがあり、合金化では真の両立化は達成されない。
この問題を解決する方法として、例えば特許文献1では、基板上に硬度の異なる薄膜を3層以上積層した接点の端子構造が開示されている。表面から2層目の金属層をビッカース高度で200以上の硬度を有する材料を用いて形成し、表面の金属層を2層目の金属層より柔らかい材料により形成する。硬い材料は端子全体の硬度を確保し、接点の磨耗耐性を向上させることによりデバイスの信頼性を向上させている。また柔らかい表面層は、接触面積を確保して接触の信頼性を向上させている。この方法では接点の硬度、耐久性および接触の信頼性は得られるが、各層に異なる材料を積層させるために各層間の密着性が低下するという問題があった。また、複数の材料を用いることが必須となるため、接点の低抵抗化および放熱特性を効率的に図ることは困難であった。
一方、90年代にカーボンナノチューブ(CNT)が実用化されると、このCNTが電気接点材料の候補としても注目されるようになった。CNTは高い電気特性、機械特性を有しており、例えば特許文献2ではCNTを用いた端子構造が開示されている。これは、基板上にCNTを積層させたのちに、Au薄膜をCNTの先端部に真空蒸着させることにより接点として用いる際のCNTの欠点である硬度の高さを低減し、接点としての実用性を確保したものである。このように、CNT自身を接点材料として用いることは原理的には可能であるが、CNTを積層する際のCNTの直立性や並列性の制御、表面平坦性の制御、蒸着するAuとの密着性の確保および蒸着後のAu表面の平坦性の確保など、製造上、種々の課題があった。
また、CNTを金属、例えば純Au中に分散させると、Auに比べて低抵抗となり、また高熱伝導性および高硬度化が得られると報告されている。例えばAuにCNTを分散させ、めっき法によって作られた配線が報告されている(高集積・複合MEMS製造技術開発プロジェクト、NEDO、2007)。CNTの複合材料は、従来の合金がなしえなかった電気的特性と機械的特性との両立を実現する材料として期待されている。
特願2001−386814号公報 特願2004−370850号公報
前述のように電気接点における硬度は、接点部の継断時における磨耗および変形を防ぐためには高いほど良い。この点でCNTの複合材料による特性変化は望ましい。しかしながら、接点部の硬度が上昇すると接触抵抗の増大を招くという問題がある。また、材料表面は完全に平坦ではないので、接触圧力と硬度との兼ね合いによって接触面積が増減する。接圧が等しければ、高硬度の接点材料では接触抵抗は上昇する。さらに分散材料の場合には分散密度の分布によって硬度にばらつきが生じる。すなわち、CNTの密度が高い領域ではより硬く、低い領域では母材金属の硬度に近く軟らかくなる。CNTを均一に分散させる技術は非常に難しく、製造後の分散材料表面にはこの硬度のばらつきが生じることが問題となっていた。表面高度にばらつきがあると、接点部の接触が不安定になる。このようなことから、従来のCNTの分散材料を用いた接点ではデバイスの信頼性が低いという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、接点部の接触面を安定化させ、デバイスの信頼性を向上させることが可能な電気接点の端子構造およびこれを備えた有接点スイッチを提供することにある。
本発明による電気接点の端子構造は、基板と、金属母材に補強材を分散して含むと共に、基板上に設けられた複合材料層と、複合材料層上の少なくとも接点部を覆う金属膜とを備えたものである。
本発明による有接点スイッチは、信号線路を有すると共に、信号線路に接続された固定電極と、固定電極と対をなす可動電極と、固定電極と前記可動電極とを接触または非接触のいずれかの状態に切り替える駆動部とを有するものであり、固定電極および可動電極の少なくとも一方の電気接点の端子構造を上記本発明の電気接点の端子構造としたものである。
本発明の電気接点の端子構造またはこれを備えた有接点スイッチでは、金属母材に補強材を分散させた複合材料層を設けることにより電気接点の強度が向上し、複合材料層上のうちの少なくとも一部を金属膜で覆うことにより接点表面の硬度が均質化する。
本発明の電気接点の端子構造またはこれを備えた有接点スイッチによれば、金属母材に補強材を分散させた複合材料層を設けると共に、この複合材料層上の少なくとも一部を金属膜で覆うようにしたので、電気接点の強度を向上させつつ、複合材料層上の接点表面の硬度を均質化することができる。従って、接点の接触が安定化し、有接点スイッチの信頼性を向上させることが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る有接点スイッチを備えた静電アクチュエータの全体構成を表す平面図および断面図である。 図1に示した有接点スイッチの接点部の斜視図である。 図1に示した有接点スイッチの電気接点の端子構造を表す平面図および断面図である。 図1に示した有接点スイッチの製造方法の一例を表す断面図である。 第2の実施の形態に係る電気接点の端子構造を表す平面図および断面図である。 第3の実施の形態に係る電気接点の端子構造を表す平面図である。 第4の実施の形態に係る電気接点の端子構造を表す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
[第1の実施の形態]
ストライプ状電気接点の端子構造を備えたスイッチ
(1)全体構成
(2)製造方法
[第2の実施の形態]
円柱状電気接点の端子構造
[第3の実施の形態]
半球状電気接点の端子構造
[第4の実施の形態]
積層数を減らした円柱状電気接点の端子構造
[第1の実施の形態]
(全体構成)
図1(A)は、MEMSスイッチデバイスに含まれる静電アクチュエータ100の平面構成を表したものである。この静電アクチュエータ100には、有接点スイッチ1が含まれている。図1(B)はこの静電アクチュエータ100の断面構成を表したものである。この静電アクチュエータ100は、有接点スイッチ1を備えた接点部10と、この接点部10の接触、非接触の切り替えを制御する駆動部20(20A,20B)と、接点部10および駆動部20の可動側を支持するアンカー部24(24A,24B)とから構成されている。
接点部10(有接点スイッチ1)は、図2に拡大して表したように2つの端子(可動部10Aおよび固定部10B)を有している。可動部10Aは、支持基板17上に絶縁膜12、下地層13、密着層14および電極15をこの順に積層して構成したものである。可動部10Aには、一方向に延在する突部16Aが設けられている。固定部10Bは基板11上に、可動部10Aと同様に、絶縁膜12、下地層13、密着層14および電極15がこの順に積層されたものである。この固定部10Bには、可動部10Aの突部16Aに対して交差方向、例えば直交方向に延在するストライプ状の突部16Bが設けられている。
以下に本実施の形態の有接点スイッチ1の構成について述べるが、可動部10Aと固定部10Bは同一構成であるため、ここでは固定部10Bを例に挙げて説明する。
図3(A)は固定部10Bの平面構成を表したものである。図3(B)は固定部10Bを図3(A)のI−I線における断面構成の一部を表したものである。
基板11は固定部10Bを支持するものであり、シリコン(Si)の他、例えばシリコン・カーバイト(SiC)、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)およびシリコン・ゲルマニウム・カーボン(SiGeC)などのSi系基板が用いられる。基板11としては、また、ガラス、樹脂およびプラスチックなどの非Si系基板を用いてもよい。絶縁層12は、電極15を基板11から電気的に分離するものであり、例えば、酸化ケイ素(SiO2)または窒化ケイ素(SiN)などの絶縁性材料により形成される。
絶縁膜12上の下地層13は固定部10Bの表面に可動部10Aとの接点となる突部16Bを形成するためのものである。下地層13は例えばSiNなどの絶縁性材料によりストライプ状に形成したものである。このように固定部10Bの表面に突部16Bを形成することにより、可動部10Aの突部16Aとの接触の精度や信頼性が向上する。
密着層14は絶縁膜12と電極15との密着性を確保するためのものであり、例えばTi、WおよびCrなどが用いられる。
電極15は複合材料層15Aを金属膜15Bで被膜したものである。この複合材料層15Aは、金属を母材とし、これに電極15の強度を向上させるための補強材を分散させたものである。複合材料層15Aの母材となる金属としては、AuまたはW,Pd,Cr等を添加したAu合金が用いられる。この他、銀(Ag),銅(Cu),ロジウム(Rh)、白金(Pt)、あるいはそれらにW,Pd,Cr等を添加したAg合金,Cu合金,Rh合金,Pt合金を用いてもよい。これらの金属または合金はいずれも汎用のメッキ工法が確立されており、後述する本実施の形態の製造方法における複合材料形成工程への展開が容易である。
補強材としては二重結合を有するカーボンポリマー系材料、具体的には、例えばCNT、フラーレンまたはグラフェンが用いられる。上記金属または合金を母材としてこのような補強材を均質に分散した状態で複合材料層15Aを形成することにより電極15の強度が向上し、接点部10の耐久性が向上する。母材に対する補強材の分散割合は、補強材の選択、最小単位のスケールへの依存性はあるが、数重量%分散させることで電極15の硬度の向上が期待される。また、補強材の重量比の決定は複合材料層15Aの膜厚も合わせて考慮する必要がある。例えば、複合材料層15Aを薄膜化したい場合には補強材の重量比を上げ、逆に厚膜化したい場合には重量比を下げることで接点表面の硬度のバランスを得ることができる。また、膜厚の決定は同材料によって形成される線路の伝送信号のキャリア周波数と電力とを考慮する必要がある。例えば、周波数が高く、電力が小さいほど薄膜化が可能である。具体的には、キャリア周波数が数GHzの場合には2μmの膜厚が必要であるが、ミリ波帯である60GHzの場合には1μm以下の膜厚で信号品質を確保することができる。
なお、CNTまたはフラーレンを分散させた電極はめっきによって形成されるが、グラフェンを用いる場合にはAuやAu合金中に埋め込んで形成する。また、この複合材料層15Aは、次に記述する金属膜15Bと同一金属またはその合金を母材とすることが好ましい。同一金属またはその合金を用いることにより複合材料層15Aと金属膜15Bとの密着性が向上し、さらに熱膨張係数が近いことにより膜剥がれなども起こりにくくなり、より信頼性が向上する。
金属膜15Bは補強材を分散させたことによる複合材料層15Aの硬度のばらつきを低減するためのものであり、Au,Ag,Cu,Ru,Pt等の金属、あるいはそれらにW,Pd,Cr等を添加した合金が用いられる。金属膜15Bの厚みは、接触部の押し込み深さを目安に設計するが、押し込み深さと同程度の厚みがあればよい。この押し込み深さは、金属膜15Bの硬度、複合材料層15Aの硬度、接点部面積および接点部加圧量から推定される。マイクロデバイスでは、約10nmが目安となる。金属膜15Bは複合材料層15Aの全面を覆う必要はなく、少なくとも可動部10Aとの接触部に金属膜15Bが形成されていればよく、接触部以外は複合材料層15Aが露出していてもよい。
(製造方法)
本実施の形態の有接点スイッチ1の固定部10Bは、図4(A)〜(D)のようにして製造することができる。
まず、図4(A)に示したように、例えばSi等の基板11上に、例えば熱酸化によりSiO2よりなる厚さ10nmの絶縁膜12Aを形成する。続いて、図4(B)に示したように、下地層13として絶縁膜12上に例えばプラズマCVD法により厚さ100nmの窒化シリコン(SiNx)膜を形成したのち、例えばフォトリソグラフィ法およびエッチング法を用いて所定の形状(ストライプ状)に絶縁膜12Aおよび下地層13を加工する。次いで、図4(C)に示したように基板11および下地層13上に例えば、LP−CVDによりSiO2よりなる厚さ100nmの絶縁膜12Bを形成したのち、例えばスパッタリング法により厚さ20nmのTiよりなる密着層14を形成する。
続いて、図4(D)に示したように電極15を形成する。具体的には、例えば有機レジストを用いたリフトオフとメッキ法により複合材料層15Aを形成したのち、メタルマスクとスパッタによって金属層15Bを形成することにより、図3に示した有接点スイッチ1が完成する。
次に、静電アクチュエータ100のうちの接点部10以外の構成について説明する。
静電アクチュエータ100は、前述のように接点部10と、その両脇に設けられた駆動部20と、アンカー部24とから構成されている。駆動部20は、接点部10の可動部10Aが形成された支持基板17を中空に保持すると共に、駆動用可動電極21Aの一部をなす接点梁23と、接点梁23に対向する面の基板11上に形成された駆動用固定電極21Bとから構成されている。基板11にはさらに接点梁23を固定するアンカー部24が形成されている。
この静電アクチュエータ100では、外部電源(図示なし)の正極を駆動用可動電極21Aに、負極を駆動用固定電極21Bにそれぞれ接続して電圧を印加すると、駆動用可動電極21Aと駆動用固定電極21Bとの間に静電引力が発生する。この静電引力によって接点梁23は基板11側に引き込まれる。これにより接点部10の可動部10Aと固定部10Bとが接続される。また、外部電源から切り離されることにより、接点梁23自身の弾性力によって可動部10Aと固定部10Bとの間が離れる。信号線路(図示なし)は並列された固定部10Bの電極15の一方と他方とにそれぞれ接続されており、可動部10Aと固定部10Bとが接続されているときに閉回路状態に、非接触時に開回路状態に制御される。
前述のように高周波デバイスの接点の電気的特性や放熱性、密着性、あるいは硬度および耐久性等の機械的特性などの間には互いにトレードオフの関係があり、これらの特性を両立して向上させることは困難であった。これらを解決する方法としてCNTの複合材料を用いた接点が開発されているが、CNTを均一に分散させることが難しく、CNTの分散密度の違いから接点表面の硬度のばらつきが問題となっていた。
これに対して本実施の形態では、電極15が、AuまたはAu合金に補強材としてCNTを分散させた複合材料層15Aと、この複合材料層15A上の少なくとも一部を覆う金属膜15Aとにより構成されている。これにより電極15の強度が向上すると共に、接点表面の硬度のばらつきが低減される。
このように本実施の形態の有接点スイッチ1では、基板11上に補強材(CNT)が分散された複合材料層15Aを形成し、この複合材料層15A上の少なくとも一部を金属膜15Bによって被覆することにより電極15を形成した。これにより、電極15すなわち可動部10Aおよび固定部10Bの接点の強度が向上すると共に、CNTを分散させたことによる接点表面の硬度のばらつきを均質化することが可能となる。よって、有接点スイッチ1の信頼性が向上する。
また、電極15は構成する複合材料層15Aの母材と金属膜15Bの材料に同一金属または同一金属を含む合金を用いるようにしたので、CNTの単独層と金属層の積層構造を有する従来の電極よりも抵抗が小さくなり、さらに熱伝導率も向上する。また、複合材料層15Aと金属膜15Bとの密着性も向上する。すなわち、従来の接点において問題となっていた電気特性や機械特性などのトレードオフの関係が改善され、各特性の向上を両立させることが可能となる。
さらに、本実施の形態では、CNTを分散させたAu溶液の調製以外は従来のAuめっき技術を広く応用できる。よって有接点スイッチ1は従来の手法によって容易に実現可能である。
以下、本発明の他の実施の形態を説明する。なお、第1の実施の形態と同一の構成要素については同一符号を付してその説明を適宜省略する。また、基本的な作用および効果については第1の実施の形態と同様である。
[第2の実施の形態]
図5(A)は第2の実施の形態に係る有接点スイッチ2の固定部10Bの平面構成を表したものである。図5(B)は固定部10Bを図5(A)のII−II線における断面構成を表したものである。本実施の形態における有接点スイッチ2では、突部16Cの形状が第1の実施の形態と異なるが、基板11上に形成される絶縁膜12、下地層13、密着層14および電極15(複合材料層15A,金属層15B)の層構造は第1の実施の形態と同様である。
有接点スイッチ2における突部16Cは、例えば千鳥状に複数個(ここでは6個)配置されている。この突部16Cの形状は円柱形状となっており、突部16Cの全体が接点となっている。この突部16Cは下地層13を円柱状に加工することにより形成される。なお、突部16Cは少なくとも3個以上形成し、突部16Cの上面の中点を結ぶことで一義的に一つの面が定義されるように配置する。端的には、一直線上に配置しないことで実現される。
本実施の形態の有接点スイッチ2では、円柱状の突部16Cを設け、千鳥状に配置するようにしたので、第1の実施の形態の効果に加えて、接触部が確実に定義されると共に、可動接点側の押し込みによる接点部の接触を確保できるという効果を奏する。よって、駆動部変位の非対称性、例えば可動接点電極のロールの影響が吸収され、これにより接点の開閉動作の信頼性が向上する。また、第1の実施の形態のストライプ状の突部16Bと比較して、より小さな面積の接点対を形成することができるため、デバイスを小型化することも可能となる。
[第3の実施の形態]
図6(A)は第3の実施の形態に係る有接点スイッチ3の固定部10Bの平面構成を表したものである。図6(B)は固定部10Bを図6(A)のIII−III線における断面構成を表したものである。本実施の形態では、突部16Dの形状が第1の実施の形態と異なるが、基板11上に形成される絶縁膜12、下地層13、密着層14、電極15(複合材料層15A,金属層15B)の層構造は第1の実施の形態と同様である。
有接点スイッチ3における突部16Dの形状は半球形状であり、例えば千鳥状に複数個(ここでは6個)配置されている。この突部16Dは下地層13を半球状に加工することにより形成される。
このように本実施の形態の有接点スイッチ3においても、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。更に、本実施の形態では、突部16Dの形状がストライプ状や円柱状のようなエッジを有していない半球状であるので、可動接点1Aと固定接点1Bとの角当たりが防止され、接点対の信頼性がさらに向上する。
[第4の実施の形態]
図7(A)は第4の実施の形態に係る有接点スイッチ4の固定部10Bの平面構成を表したものである。図7(B)は固定部10Bを図7(A)のIV−IV線における断面構成を表している。本実施の形態の有接点スイッチ4では、上記実施の形態の下地層13は省略されており、基板11上には絶縁膜12、密着層14および電極15(複合材料層15A,金属層15B)がこの順に積層されている。突部16Eは金属膜15Bによって円柱状に形成されている。電極15では突部16E以外の表面は複合材料層15Aが露出している。
有接点スイッチ4における突部16Eは、例えば千鳥状に複数個(ここでは6個)配置されており、第2の実施の形態の突部16Cと同様に突部全体が接点となっている。本実施の形態では、上記他の実施の形態のように突部を形成するための下地層13が不要であるため、電気接点の端子構造を形成するための工程数を減らすことが可能となる。但し、金属膜15Bからなる突部16Eの加工はエッチングによって行うため、複合材料層15Aと金属膜15Bにはエッチングレートの差を有する材料を組み合わせて用いる必要がある。また、複合材料層15Aおよび金属膜15Bの表面は凹凸の小さな平坦面とすることが望ましい。
このように本実施の形態の有接点スイッチ4では、電気接点の端子構造を形成するための工程数が短縮されるため、上記実施の形態と比較して製造コストを抑えることが可能となる。
以上、第1〜第4の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態では電気接点の端子構造の構成を具体的に挙げて説明したが、他の層を更に備えていてもよい。
また、上記実施の形態では、可動部10Aを固定部10Bと同様の構成および形状を有するものとしたが、これに限らない。例えば、複合材料層15Aが金属膜15Bにより覆われた電極構造は可動部10Aまたは固定部10Bのいずれか一方に適用するようにしてもよい。また、例えば可動部10A側の突部16Aは形成されていなくてもよい。但し、可動部10Aおよび固定部10Bを上記実施の形態のように同様の構成および形状とすることにより、接点部の接触が最も安定化され、これを用いたデバイスの信頼性が向上する。
1,2,3,4…有接点スイッチ、10…接点部、10A…可動部、10B…固定部、11…基板、12,22…絶縁膜、13…下地層、14…密着層、15…電極、15A…複合材料層、15B…金属膜、16A,16B,16C,16D,16E…突部、17…支持基板、20(20A,20B)…駆動部、21A…駆動用可動電極、21B…駆動用可動電極、23…接点梁、24(24A,24B)…アンカー部、100…静電アクチュエータ。

Claims (7)

  1. 基板と、
    金属母材に補強材を分散して構成されると共に、前記基板上に設けられた複合材料層と、
    前記複合材料層上の少なくとも一部を覆う金属膜と
    を備えた電気接点の端子構造。
  2. 前記補強材は二重結合を有するカーボンポリマー系材料である、請求項1に記載の電気接点の端子構造。
  3. 前記カーボンポリマー系材料は、カーボンナノチューブ、グラフェンまたはフラーレンである、請求項2に記載の電気接点の端子構造。
  4. 前記金属膜と前記金属母材とは同一金属またはその合金により形成されている、請求項1に記載の電気接点の端子構造。
  5. 前記金属膜および前記金属母材は金または金合金により形成されている、請求項4に記載の電気接点の端子構造。
  6. 前記基板と前記複合材料層との間に絶縁膜および密着層をこの順に有する、請求項1に記載の電気接点の端子構造。
  7. 信号線路に接続された固定電極と、前記固定電極と対をなす可動電極と、前記固定電極と前記可動電極とを接触または非接触のいずれかの状態に切り替える駆動部とを有し、
    前記固定電極および前記可動電極の少なくとも一方の電気接点の端子構造は、
    基板と、
    金属母材に補強材を分散して構成されると共に、前記基板上に設けられた複合材料層と、
    前記複合材料層の少なくとも一部を覆う金属膜と
    を備えた有接点スイッチ。
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DE112017004743T5 (de) 2016-09-21 2019-06-06 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Elektrischer Kontakt, Steckverbinder und Verfahren zum Erzeugen des elektrischen Kontakts

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