JP2011200956A - 研削加工方法及び研削加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易かつ確実に電解ドレッシング用電極に付着した付着物を除去する効率的なクリーニングが得られる研削加工方法及び研削加工装置を提供する。
【解決手段】メタルボンド砥石3でワークWを研削すると共にメタルボンド砥石3及び電解ドレッシング用電極5がそれぞれ陽極及び陰極となるように印加してメタルボンド砥石5を電解ドレッシングする加工時間と非加工時間とを繰り返す研削加工装置1において、非加工時間にメタルボンド砥石3と電解ドレッシング用電極5の極性を反転して電解ドレッシング用電極5のクリーニングを行い、続いて電極ドレッシング用電極5とメタルボンド砥石3との間の電流測定値と電流閾値との比較結果に基づいてクリーニング完了として加工時間に移行し、電流測定値が電流閾値以下の場合は電解ドレッシング電極5のクリーニングを電流測定値が電流閾値より大きくなるまで繰り返す。
【選択図】図1

Description

本発明は、研削加工方法及び研削加工装置に関し、特にメタルボンド砥石を回転させてワークを研削すると共にメタルボンド砥石を電解ドレッシングする研削加工方法及び研削加工装置に関する。
例えば、鉄系材料を超精密に研削する鏡面研削を可能にする研削法として電解インプロセスドレッシング研削法(以下「ELID研削法」という)がある。このELID研削法は、微細な砥粒を鋳鉄等の導電性を有するボンド材によって結合したメタルボンド砥石を使用し、研削中にメタルボンド砥石を電解ドレッシングする研削加工方法であって、メタルボンド砥石の研削面に電解ドレッシング用電極の電極面を対向配置し、このメタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極との間に水性クーラント等の導電性を有する研削液を供給しながらメタルボンド砥石と電解ドレッシング電極との間に通電して研削面のボンド材だけを取り除き砥粒の切れ刃を露出させる電解ドレッシングを行う。
このELID研削法による研削加工装置は、メタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極との間に研削液を供給しながらメタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極間に通電して電気分解による電解ドレッシングを行うことから、メタルボンド砥石と対向する電解ドレッシング用電極の電極面が汚れ、特に研削液に溶解する炭酸カルシウムや水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の絶縁性を有する析出物が電極面に付着する。この絶縁性を有する析出物等の付着物が電極面に付着すると電気抵抗が増加して通電電流量が低下するために電解効率が悪化し、電解ドレッシング性能が低下して研削性能の低下を招き、加工品質及び加工作業効率の低下を招く要因となることから電解ドレッシング用電極を定期的に取り外して付着物を除去する清浄、即ち電解ドレッシング用電極をクリーニングする必要がある。
しかしながら、サンドペーパ等で電解ドレッシング用電極の電極面を研磨して付着物を除去するクリーニング作業は厄介で多くの作業時間を要し、かつ電極面の研磨にバラツキや微細な傷が生じることが懸念される。更に、メタルボンド砥石の研削面と電解ドレッシング用電極の電極面は高精度の間隙が要求されることから、電解ドレッシング用電極を取り外してクリーニングした後再び装着する際に、メタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極との間隙を高精度に設定することが困難である。このため、電解ドレッシング用電極の装着には多くの作業時間がかかり作業能率が著しく低下する。また、電極面の研磨のバラツキ、発傷や電解ドレッシング用電極の装着精度等により電解ドレッシングの条件が微妙に変化して、電解ドレッシング効果にバラツキが発生して研削加工精度に影響を及ぼすことが懸念される。
一方、電解ドレッシング用電極をクリーニングする機能を備えた研削加工装置として特許文献1がある。この特許文献1に開示される研削加工装置は、対向するメタルボンド砥石の研削面と電解ドレッシング用電極の電極面との間隙を維持した状態で電解ドレッシング用電極を移動させる駆動手段と、電解ドレッシング用電極の電極面の汚れを払拭するブラシを駆動する駆動手段を備え、メタルボンド砥石の研削面と電解ドレッシング用電極の電極面との間隙を維持した状態で電解ドレッシング用電極を移動させて、電解ドレッシング用電極の電極面をブラシにより払拭する。
特開平10−44036号公報
上記特許文献1に記載された研削加工装置によると、メタルボンド砥石の研削面と電解ドレッシング用電極の電極面との間隙を維持した状態で電解ドレッシング用電極の電極面をブラシにより払拭することから、クリーニング後のメタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極との間隙が容易に維持できる。
しかし、付着物が強固に付着した電極面をブラシにより払拭して付着物を除去するには多くの作業時間を要するばかりでなく、完全に除去することは極めて困難である。更に、メタルボンド砥石の研削面との間隙を維持した状態で電解ドレッシング用電極を移動させる駆動手段及びブラシを駆動する駆動手段等を備えることから、研削加工装置の構成が複雑になると共に、研削加工装置のメンテナンスが複雑になる。
かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、容易かつ確実に電解ドレッシング用電極に付着した付着物を除去する効率的なクリーニングが得られる研削加工方法及び研削加工装置を提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1に記載の研削加工方法は、回転してワークを研削加工する砥粒を導電性のボンド材によって結合したメタルボンド砥石と、該メタルボンド砥石の研削面と研削液を介在させる間隔を隔てて電極面が対向する電解ドレッシング用電極と、上記メタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極との間に研削液を介在して上記メタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極を通電する電源とを備え、回転する上記メタルボンド砥石でワークを研削すると共に研削液の存在下で回転する上記メタルボンド砥石及び電解ドレッシング用電極にそれぞれ陽極及び陰極となるように印加して上記メタルボンド砥石を電解ドレッシングする加工時間と非加工時間とを繰り返して連続的に順次ワークを研削する研削加工サイクルを有し、上記非加工時間において研削液存在下で回転する上記メタルボンド砥石と共に電解ドレッシング用電極の極性を反転して電解ドレッシング用電極をクリーニングし、続いて上記電極ドレッシング用電極とメタルボンド砥石との間の電流測定値と予め設定された電流閾値との比較結果に基づいてクリーニングを完了して上記メタルボンド砥石と共に電解ドレッシング用電極の極性を反転して加工時間に移行することを特徴とする。
これによると、加工時間の電解ドレッシングに伴いメタルボンド砥石と対向する電解ドレッシング用電極の電極面には研削液に溶解する炭酸カルシウム等の付着物が僅かずつ付着するが、非加工時間において、研削液存在下で回転するメタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極の極性を反転して電解ドレッシング用電極をクリーニングし、電極ドレッシング用電極とメタルボンド砥石との間の電流測定値と予め設定された電流閾値との比較結果に基づいてクリーニングを完了してメタルボンド砥石と共に電解ドレッシング用電極の極性を反転して加工時間に移行することで、電解ドレッシング用電極の電極面の発傷を伴うことなく全面に亘り均一に、かつ良好に付着物が除去され、効率的にクリーニングできる。
従って、加工時間におけるメタルボンド砥石の電解ドレッシングに要する通電電流量が確保されて電解効率が保持されて良好に電解ドレッシングされたメタルボンド砥石による研削が維持され、研削加工品質の向上が図れると共に加工時間の短縮が可能になり、研削加工サイクルの効率化がえられる。
請求項2に記載の発明は、請求項1の研削加工方法において、上記非加工時間において電解ドレッシング用電極をクリーニングしているときに上記電極ドレッシング用電極とメタルボンド砥石との間の上記電流測定値が上記電流閾値以下の場合には上記電解ドレッシングのクリーニングを上記電流測定値が上記電流閾値より大きくなるまで繰り返すことを特徴とする。
これによると、非加工時間において電解ドレッシング用電極をクリーニングしているときに電極ドレッシング用電極とメタルボンド砥石との間の電流測定値が電流閾値以下の場合には電解ドレッシングのクリーニングを電流測定値が電流閾値より大きくなるまで繰り返すことで、全面に亘り均一に、かつ良好に付着物が除去され、効率的にクリーニングができる。
上記課題を解決するための請求項3に記載の研削加工方法は、回転してワークを研削加工する砥粒を導電性のボンド材によって結合したメタルボンド砥石と、該メタルボンド砥石の研削面と研削液を介在させる間隔を隔てて電極面が対向する電解ドレッシング用電極と、上記メタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極との間に研削液を介在して上記メタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極を通電する電源とを備え、回転する上記メタルボンド砥石でワークを研削すると共に研削液の存在下で回転する上記メタルボンド砥石及び電解ドレッシング用電極にそれぞれ陽極及び陰極となるように印加して上記メタルボンド砥石を電解ドレッシングする加工時間と非加工時間とを繰り返して連続的に順次ワークを研削する研削加工サイクルを有し、上記非加工時間において研削液存在下で回転する上記メタルボンド砥石と共に電解ドレッシング用電極の極性を反転して電解ドレッシング用電極をクリーニングするものにおいて、上記非加工時間において、上記クリーニングを開始する前に上記電極ドレッシング用電極と上記メタルボンド砥石との間の上記電流測定値と上記電流閾値とを比較して上記クリーニングを開始するか否かを決定することを特徴とする。
これによると、非加工時間においてクリーニングを開始する前に電極ドレッシング用電極とメタルボンド砥石との間の電流測定値と電流閾値とを比較してクリーニングを開始するか否かを決定することで、加工時間におけるメタルボンド砥石の電解ドレッシングに要する通電電流量が確保されて電解効率が保持されて良好に電解ドレッシングされたメタルボンド砥石による研削性能が維持されると共に、不要時のクリーニングを省略することが可能になり、構成の簡素かがえられる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の研削加工方法において、上記非加工時間において電極ドレッシング用電極とメタルボンド砥石との間の電流測定値と上記電流閾値と比較して該電流測定値が電流閾値より大きい場合にはクリーニング完了としてメタルボンド砥石と共に電解ドレッシング用電極の極性を反転して加工時間に移行し、電流測定値が電流閾値以下の場合には上記クリーニングを開始することを特徴とする。
これによると、請求項3の構成に加え、非加工時間において、メタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極の極性を反転による電解ドレッシング用電極のクリーニングの前に、予め電極クリーニング判定手段により電極ドレッシング用電極とメタルボンド砥石との間の電流測定値と予め設定された電流閾値とを比較し、電流測定値が電流閾値より大きい場合にはクリーニング完了とし、電流測定値が電流閾値以下の場合にはクリーニングを開始することで、不要時の電解ドレッシング電極のクリーニングが省略されて作動の簡素化が得られる。
上記課題を解決するための請求項5に記載の研削加工装置は、回転してワークを研削加工する砥粒を導電性のボンド材によって結合したメタルボンド砥石と、該メタルボンド砥石の研削面と研削液を介在させる間隔を隔てて電極面が対向する電解ドレッシング用電極と、上記メタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極との間に研削液を介在して上記メタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極を極性反転手段を介して通電する電源と、上記電極ドレッシング用電極とメタルボンド砥石との間の電流測定値と予め設定された電流閾値とを比較して上記電解ドレッシング用電極のクリーニング状態を判定する電極クリーニング判定手段と、を備え、回転する上記メタルボンド砥石でワークを研削すると共にメタルボンド砥石及び電解ドレッシング用電極にそれぞれ陽極及び陰極となるように印加してメタルボンド砥石を電解ドレッシングする加工時間と非加工時間とを繰り返して連続的に順次ワークを研削する研削加工サイクルを有する研削加工装置において、上記非加工時間において研削液存在下で回転する上記メタルボンド砥石と共に電解ドレッシング用電極の極性を反転して電解ドレッシング用電極のクリーニングを行い、続いて上記電極ドレッシング用電極とメタルボンド砥石との間の電流測定値と予め設定された電流閾値との比較結果に基づいてクリーニングを完了して上記メタルボンド砥石と共に電解ドレッシング用電極の極性を反転して加工時間に移行することを特徴とする。
これによると、加工時間に電解ドレッシングに伴いメタルボンド砥石と対向する電解ドレッシング用電極の電極面には研削液に溶解する炭酸カルシウム等の付着物が僅かずつ付着するが、非加工時間において、研削液存在下で回転するメタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極の極性を反転して電解ドレッシング用電極をクリーニングし、電極クリーニング判定手段により電極ドレッシング用電極とメタルボンド砥石との間の電流測定値と予め設定された電流閾値との比較結果に基づいてクリーニングを完了してメタルボンド砥石と共に電解ドレッシング用電極の極性を反転して加工時間に移行することで、電解ドレッシング用電極の電極面が全面に亘り均一で研削加工サイクルの効率化が得られる。
また、電解ドレッシングにおける電源から電解ドレッシング用電極及びメタルボンド砥石に供給する電圧を極性反転手段によって極性反転して電解ドレッシング用電極及びメタルボンド砥石に供給する簡単な構造で電解ドレッシング用電極のクリーニングが得られ、かつ電極ドレッシング用電極とメタルボンド砥石との間の電流測定値と予め設定された電流閾値とを比較してクリーニング状態を判断する簡単な構成であり、研削加工装置の構成が複雑になることがなく厄介なメンテナンスを招くことがない。
上記課題を解決するための請求項6に記載の研削加工装置は、回転してワークを研削加工する砥粒を導電性のボンド材によって結合したメタルボンド砥石と、該メタルボンド砥石の研削面と研削液を介在させる間隔を隔てて電極面が対向する電解ドレッシング用電極と、上記メタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極との間に研削液を介在して上記メタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極を極性反転手段を介して通電する電源と、上記電極ドレッシング用電極とメタルボンド砥石との間の電流測定値と予め設定された電流閾値とを比較して上記電解ドレッシング用電極のクリーニング状態を判定する電極クリーニング判定手段と、を備え、回転する上記メタルボンド砥石でワークを研削すると共にメタルボンド砥石及び電解ドレッシング用電極にそれぞれ陽極及び陰極となるように印加してメタルボンド砥石を電解ドレッシングする加工時間と非加工時間とを繰り返して連続的に順次ワークを研削する研削加工サイクルを有し、上記非加工時間において研削液存在下で回転する上記メタルボンド砥石と共に電解ドレッシング用電極の極性を反転して電解ドレッシング用電極をクリーニングする研削加工装置において、上記非加工時間において、上記クリーニングを開始する前に上記電極ドレッシング用電極と上記メタルボンド砥石との間の上記電流測定値と上記電流閾値とを比較して上記クリーニングを開始するか否かを決定することを特徴とする。
これによると、非加工時間においてクリーニングを開始する前に電極ドレッシング用電極とメタルボンド砥石との間の電流測定値と電流閾値とを比較してクリーニングを開始するか否かを決定することで、加工時間におけるメタルボンド砥石の電解ドレッシングに要する通電電流量が確保されて電解効率が保持されて良好に電解ドレッシングされたメタルボンド砥石による研削性能が維持されると共に、不要時のクリーニングを省略することが可能になり、構成の簡素かがえられる。
本発明によると、非加工時間において、研削液存在下で回転するメタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極の極性を反転して電解ドレッシング用電極をクリーニングし、電極ドレッシング用電極とメタルボンド砥石との間の電流測定値と予め設定された電流閾値との比較結果に基づいてクリーニング完了してメタルボンド砥石と共に電解ドレッシング用電極の極性を反転して加工時間に移行することで、電解ドレッシング用電極の電極面の発傷を伴うことなく全面に亘り均一に、かつ良好に付着物が除去され、効率的にクリーニングできる。これにより加工時間におけるメタルボンド砥石の電解ドレッシングに要する通電電流量が確保されて電解効率が保持されて良好に電解ドレッシングされたメタルボンド砥石による研削性能が維持され、研削加工品質の向上が図れると共に加工時間の短縮が可能になり、研削加工サイクルの効率化がえられる。
実施の形態に係る研削加工装置の概要を模式的に示す図である。 電解ドレッシング用電極のクリーニングの概要を模式的に示す図である。 電極クリーニング判定手段の構成ブロック図である。 経過時間と電流測定値との相関図である。 研削加工サイクルのタイムチャートである。 電解ドレッシング用電極のクリーニングのフローチャートである。 電解ドレッシング用電極のクリーニングのフローチャートである。
本発明による一実施の形態を、エンジンのカムシャフト等の軸状ワークWの外周面を研削する場合を例に、図1乃至図7を参照して説明する。
図1は研削加工装置の概略を模式的に示す図、図2は電解ドレッシング用電極のクリーニングの概要を模式的に示す図である。
研削加工装置1は、図示しないフレーム等の装置本体に支持された回転軸2によって回転駆動されるメタルボンド砥石3、このメタルボンド砥石3の研削面となる外周面3aと所定の間隙を介して電極面5aが対向配置された電解ドレッシング用電極5、メタルボンド砥石3の外周面3aと電解ドレッシング用電極5の電極面5aとの間に導電性を有する水性クーラント等の研削液を供給するノズル6を備えた研削液供給手段、メタルボンド砥石3及び電解ドレッシング用電極5に接続されてメタルボンド砥石3と電解ドレッシング用電極5との間に研削液を介在して通電する電源10、及びワークWを回転自在に保持する図示しないワーク保持軸を備え、回転するメタルボンド砥石3でワークWの外周面を研削すると共にメタルボンド砥石3を電解ドレッシングする加工時間と非加工時間とを繰り返して連続的に順次ワークWを研削する研削加工サイクルを有する。
回転軸2に固定されるメタルボンド砥石3は、例えば、ダイヤモンド、CBN(立方晶窒化硼素)、結晶質の酸化アルミニウム、炭化珪素等の微細な砥粒を青銅や鋳鉄からなる導電性を有するボンド材によって結合して構成され、研削面となる外周面3aを備えた円柱状に形成される。
電解ドレッシング用電極5は、導電性に優れた例えば鉄製からなるブロック状であって、先端面に断面円弧状の電極面5aが形成される。この電極面5aはメタルボンド砥石3の外周面3aと対向する長い矩形で、かつメタルボンド砥石3の外周面3aとの間に研削液の介在を許容する隙間、例えば0.5〜5mm程度の間隙が形成される円筒内周面状に形成される。
電源10の陽極10a及び陰極10bは、それぞれ配線11a、11bを介して極性反転手段である極性反転スイッチ12の第1入力端子12a及び第2入力端子12bに接続される。一方、極性反転スイッチ12の第1出力端子12c及び第4出力端子12fがそれぞれ配線11c、11fによりメタルボンド砥石3を支持する回転軸2に接続され、第2出力端子12d及び第3出力端子12eが配線11d、11eを介して電解ドレッシング用電極5に接続される。
ここで、図1に示すように極性反転スイッチ12が第1入力端子12aと第1出力端子12c、及び第2入力端子12bと第3出力端子12eが接続する電解ドレッシング状態において、電源10の陽極10aが配線11a及び11cを介してメタルボンド砥石3に接続され、陰極10bが配線11b及び11eを介して電解ドレッシング用電極5に接続されてメタルボンド砥石3と電解ドレッシング用電極5との間に研削液を介して通電される。即ち、電解ドレッシング用電極5が陰極となるように電圧が印加され、メタルボンド砥石3が陽極となるように電圧が印加される。
この電解ドレッシング用電極5が陰極となるように電圧が印加され、メタルボンド砥石3が陽極となるように電圧が印加された電解ドレッシング状態で、研削液供給手段のノズル6から対向するメタルボンド砥石3の外周面3aと電解ドレッシング用電極5の電極面5aとの間に研削液を供給しつつ、回転軸2が所定の回転速度で駆動してメタルボンド砥石3を回転させると共にワークWをメタルボンド砥石3に圧接及び回転させることで、ワークWの周面を研削加工しつつ対向するメタルボンド砥石3の外周面3aと電解ドレッシング用電極5の電極面5aとの間に介在する研削液により電解ドレッシングされる。
即ち、電解ドレッシング用電極5の電極面5aとメタルボンド砥石3の外周面3aとの間に導電性の研削液が存在し、電解ドレッシング用電極5及びメタルボンド砥石3間に通電することで電解ドレッシング用電極5が陰極となり、メタルボンド砥石3が陽極となり、メタルボンド砥石3の外周面3aが電解ドレッシングされる。ここで、電解ドレッシングに伴いメタルボンド砥石3の外周面3aと対向する電解ドレッシング用電極5の電極面5aには研削液に溶解する炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が析出されて僅かずつ付着物として付着する。
一方、図2に示すように極性反転スイッチ12が第1入力端子12aと第2出力端子12d、第2入力端子12bと第4出力端子12fを接続する電極クリーニング状態において、電源10の陽極10bが配線11a及び11dを介して電解ドレッシング用電極5に接続され、陰極10bが配線11b及び11fを介してメタルボンド砥石3に接続されてメタルボンド砥石3と電解ドレッシング用電極5との間に研削液を介して通電される。即ち、電解ドレッシング用電極5が陽極となるように電圧が印加され、メタルボンド砥石3が陰極となるように電圧が印加される。
これにより、メタルボンド砥石3が陰極となる一方、炭酸カルシウム等の付着物が付着した電解ドレッシング用電極5が陽極となり、電解ドレッシング用電極5の電極面5aに付着した炭酸カルシウム等の付着物がイオンとなって研削液に再び溶解する、いわゆる逆電解クリーニングによって電解ドレッシング用電極5の電極面5aから付着物が除去されて電極面5aがクリーニングされる。
ここで、電解ドレッシング用電極5の電極面5aに付着する付着物と電解ドレッシング用電極5及びメタルボンド砥石3との間における電流値には相関関係があり、電解ドレッシング用電極5の電極面5aに絶縁性を有する付着物があると、付着物が電気抵抗となって電極ドレッシング用電極5とメタルボンド砥石3との間を流れる電流値が低下し、付着物が除去されると電流値の低下が減少することから、電解ドレッシング用電極5とメタルボンド砥石3との間の電流測定値に基づいて電解ドレッシング用電極5に対する付着物の付着状態、即ちクリーニング状態が推測できる。
この電解ドレッシング用電極5とメタルボンド砥石3との間の電流測定値に基づいて電解ドレッシング用電極5の電極面5aのクリーニング状態、即ち電極面5aに付着した付着物の残存状態を判定する電極クリーニング判定手段20を電源10に備え、電極面5aに残存する付着物が予め設定された基準より多くクリーニング未完了と判断した際には、電極面5aの付着物が基準より少ないクリーニング完了状態となるまで電極面5aのクリーニングが繰り返される。
この電極クリーニング判定手段20の説明に先立ち、図4を参照して電解ドレッシング用電極5とメタルボンド砥石3との間の電流測定値Iと測定経過時間との相関関係を説明する。図4は電解ドレッシング用電極5の電極面5aに付着物がない完全なクリーニング状態の場合と、電解ドレッシング用電極5の電極面5aに付着物がある場合における測定開始からの測定時間経過と電流測定値Iとの相関関係の一例を示す。
電解ドレッシング用電極5の電極面5aに付着物がない状態においては、図4に実線aで示すように電解ドレッシング用電極5とメタルボンド砥石3との間の電流測定値Iは、測定開始直後において若干乱れるがほぼ一定値、即ち直線状に移行する。一方、電解ドレッシング用電極5の電極面5aに絶縁性の付着物がある場合には、破線bで示すように測定開始直後に若干増大した後、測定時間経過に伴い漸次低下し、測定開始からの経過時間T、例えば15秒後にほぼ安定した一定値に移行する。
図3は、電解クリーニング判定手段20の構成概要を示す構成ブロック図である。電解クリーニング判定手段20は、電流測定部21、タイマ22、電流閾値記憶部23、比較部24及び判定部25を備える。電流測定部21は図2に示すように極性反転スイッチ12が第1入力端子12aと第2出力端子12d、第2入力端子12bと第4出力端子12fを接続する電極クリーニング状態おける電解ドレッシング用電極5とメタルボンド砥石3との間の電流値を測定し、タイマ22は電流測定部21による測定開始からの経過時間Tを測定する。この経過時間Tは、電流測定部21により測定された電流測定値Iが安定するのに要する時間、例えば15秒に設定される。
電流閾値記憶部23には、クリーニングが目的とする残存が許容される最大量の付着物が電解ドレッシング用電極5の電極面5aに付着した状態における電解ドレッシング用電極5とメタルボンド砥石3との間の電流値を閾値とする電流閾値Isが記憶される。この電流閾値Isは予め実験やシミュレーションにより設定することが好ましい。
比較部24は、電流測定部21において測定された測定開始から経過時間T後の電流測定値Iと電流閾値記憶部23からの電流閾値Isとを比較する。この比較に基づいて判定部25において電流測定値Iが電流閾値Isよりも大きい(電流測定値I>電流閾値Is)のときは残存する付着物がなく或いは基準より少ないクーニング完了状態と判断し、電流測定値Iが電流閾値Is以下(電流測定値I≦電流閾値Is)のときには付着物が基準より多く過剰に残存するクリーニング未完了状態と判断する。これら電流測定部21、タイマ22、電流閾値記憶部23、比較部24、及び判定部25からなる電解クリーニング判定手段20は例えばパーソナルコンピュータ(PC)によって構成することができる。
次に、上記のように構成された研削加工装置1の作動について図5の研削加工サイクルのタイムチャート及び図6の電解ドレッシング用電極のクリーニングのフローチャートを参照して作用を説明する。
メタルボンド砥石3により研削を開始する前に、電解ドレッシング用電極5を移動させ、電解ドレッシング用電極5の電極面5aをメタルボンド砥石3の外周面3aと所定の間隙、例えば0.5〜5mm程度を有して対向する電解ドレッシング位置に保持する。そして、ワークWを搬入し、かつワーク保持軸にクランプ保持して研削加工装置1に取り付ける。
一方、極性反転スイッチ12は、図1に示すように電解ドレッシング状態であって、第1入力端子12aと第1出力端子12c、及び第2入力端子12bと第3出力端子12eが接続され、電源10の陽極10aが配線11a及び11cを介してメタルボンド砥石3に接続され、陰極10bが配線11b及び11eを介して電解ドレッシング用電極5に接続される。
次いで、研削液供給手段のノズル6から研削液を対向するメタルボンド砥石3の外周面3aと電解ドレッシング用電極5の電極面5aとの間に供給すると共に電源を投入する。これにより加工時間が開始し電源10から出力される電流は配線11a及び11cを介してメタルボンド砥石3、研削液、電解ドレッシング用電極5、配線11e、11b、電源10の経路で流れ、電解ドレッシングが開始すると共に回転軸2が所定の回転速度で駆動し、メタルボンド砥石3を回転させると共にワークWをメタルボンド砥石3に圧接及び回転させて研削加工を開始する。
ワークWの研削加工に伴いメタルボンド砥石3の研削面となる外周面3aは、この対向するメタルボンド砥石3の外周面3aと電解ドレッシング用電極5の電極面5aとの間に介在する研削液により電解ドレッシングされて目詰まりが解消される。即ち、研削中に亘り電解ドレッシング用電極5の電極5aとメタルボンド砥石3の外周面3aとの間に導電性の研削液が存在し、電解ドレッシング用電極5及びメタルボンド砥石3間に通電することで電解ドレッシング用電極5が陰極となるよう印加され、メタルボンド砥石3が陽極となるように印加されてメタルボンド砥石3の外周面3aが電気分解により電解ドレッシングされる。
この加工時間に亘り、回転するメタルボンド砥石3によるワークWの研削、及び研削液存在下における電解ドレッシング用電極5によるメタルボンド砥石3の電解ドレッシングが続行される。ここで、電解ドレッシングに伴いメタルボンド砥石3の外周面3aと対向する電解ドレッシング用電極5の電極面5aには、研削液に溶解する炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が析出されて付着物として僅かずつ付着する。
ワークWの研削に伴いワークWを回転支持するワーク保持軸がメタルボンド砥石3を回転自在に支持する回転軸2に接近し、ワーク保持軸と回転軸2が予め設定された離間距離に達するとメタルボンド砥石3によるワークWの研削加工終了が検知され、加工時間が終了して非加工時間となる。非加工時間においてワーク保持軸が回転軸2から離反してメタルボンド砥石3からワークWを離間させ、研削加工したワークWをワーク保持軸から取り外し搬出し、かつ次の研削加工すべきワークWを搬入してワーク保持軸に装着する。
一方、ワークWの研削加工終了が検知されると、非加工時間においてワークWの取り外し搬出及び搬入取り付け動作と並行して極性反転スイッチ12を図2に示す電極クリーニング状態に切り換えると共にメタルボンド砥石3の回転速度を低下させる。極性反転スイッチ12の切り換えにより、電源10の陽極10aが配線11a及び11dを介して電解ドレッシング用電極3に接続されて電解ドレッシング用電極3が陽極となるように印加され、陰極10bが配線11b及び11fを介してメタルボンド砥石3に接続されてメタルボンド砥石3に陰極となるように印加される。
これにより、メタルボンド砥石3が陰極となると共に炭酸カルシウム等の付着物が付着した電解ドレッシング用電極5が陽極となり、かつメタルボンド砥石3が低速で回転することから対向するメタルボンド砥石3と電解ドレッシング用電極5の電極面5aとの間にノズル6から供給される研削液が十分に保持され、電解ドレッシング用電極5の電極面5aに付着した炭酸カルシウム等の付着物が効率的にイオンとなって研削液に再び溶解する、いわゆる逆電解クリーニングによって電解ドレッシング用電極5の電極面5aから付着物が除去されて電極面5aがクリーニングされる。
この電解ドレッシング用電極5のクリーニングについて図6のフローチャートを参照して説明する。
ワークWの研削加工終了を検知する(ステップS101)と、非加工時間となりワーク保持軸が回転軸2から離れ、研削加工したワークWをワーク保持軸から取り外して搬出し(ステップS102)、かつ次の研削加工すべきワークWを搬入してワーク保持軸に取り付ける(ステップS103)。
一方、ステップS101においてワークWの研削加工終了が検知されると、極性反転スイッチ12が電極クリーニング状態に切り換えられると共にメタルボンド砥石3の回転速度を低下させる(ステップS111)。
この極性反転スイッチ12の切り換えにより、メタルボンド砥石3が陰極となると共に炭酸カルシウム等の付着物が付着した電解ドレッシング用電極5が陽極となり、かつメタルボンド砥石3と電解ドレッシング用電極5の電極面5aとの間にノズル6から供給される研削液が十分に保持され、逆電解クリーニングによって電解ドレッシング用電極5の電極面5aから付着物を除去するクリーニングが予め設定された時間続行される(ステップS112)。
電解ドレッシング用電極5のクリーニングが終了すると、しかる後、電解クリーニング判定手段20によりクリーニング度合い、換言すると残存する付着物が少ないクリーニング完了状態か否かを判定する(ステップS113)。即ち電流測定部21により電解ドレッシング用電極5とメタルボンド砥石3との間の電流値を測定し、比較部23において電流測定部21において測定された測定開始から経過時間T後における測定電流値Iと電流閾値部23からの電流閾値Isとを比較する。この比較に基づいて電流測定値Iが電流閾値Isより大きい(電流測定値I>電流閾値Is)か否(電流測定値≦電流閾値Is)か判定する。ステップS113においてOK、即ち電流測定値Iが電流閾値Isより大きい(電流測定値I>電流閾値Is)ときには、極性反転スイッチ12の切り換えにより、メタルボンド砥石3が陽極となると共に電解ドレッシング用電極5が陰極となる電解ドレッシング状態に切り換える(ステップS114)。そして、メタルボンド砥石3によるワークWの研削、及び研削液存在下における電解ドレッシング用電極5によるメタルボンド砥石3の電解ドレッシングが開始する(ステップS104)。
一方、ステップS113においてNGの場合、即ち測定電流値Iが電流閾値Is以下、即ち電解ドレッシング用電極5の電極面5aに残存する付着物が過剰でクリーニング未完了と判定した場合には、ステップS112に戻り、逆電解クリーニングによって電解ドレッシング用電極5の電極面5aから付着物を除去するクリーニングが繰り返される。即ちステップS113においてOK、即ち電流測定値Iが電流閾値Isより大きく(電流測定値I>電流閾値Is)なるまでステップS112における逆電解クリーニングによって電解ドレッシング用電極5の電極面5aから付着物を除去するクリーニング及びステップS113におけるクリーニング完了状態か否かの判定が繰り返される。
この電解ドレッシング用電極5の電極面5aに付着した付着物のクリーニングは、電解ドレッシング用電極5の劣化が発生する前で付着物の付着が極めて少なく、逆電解クリーニングにより極めて短時間かつ十分に除去されるまで繰り返すことで、電極面5aが発傷することなく全面に亘り過不足なく均一にかつ良好に付着物が除去され、ワークWの搬入及び搬出等の非加工時間内に設定することができる。なお、電流測定値Iが電流閾値Isに達した際にクリーニング完了することから、過剰な逆電解クリーニングによって電解ドレッシング用電極5の電極面5aが電解によって発傷する等の不具合が未然に防止できる。
電解ドレッシング用電極5のクリーニングが終了すると、極性反転スイッチ12が電解ドレッシング状態に切り換えられ、次の加工時間となり電源10の陽極10aが配線11a及び11cを介してメタルボンド砥石3に接続し、陰極10bが配線11b及び11eを介して電解ドレッシング用電極5に接続して上記のように再びワークWの研削が開始され、同様にこれら回転するメタルボンド砥石3でワークWを研削すると共にメタルボンド砥石3を電解ドレッシングする加工時間と非加工時間におけるワークWの搬入、搬出及び電解ドレッシング用電極5の洗浄等を繰り返して連続的に順次ワークWを研削する。この研削加工サイクルにおけるタイムチャートを図5に示す。
従って、本実施の形態によると、付着物が極めて少ない電解ドレッシング用電極5が付着物により劣化発生前に、電源10から電解ドレッシング用電極5及びメタルボンド砥石3に供給する電圧を、極性反転して電解ドレッシング用電極5及びメタルボンド砥石3に供給して電解ドレッシング用電極5をクリーニングし、かつ電解ドレッシング用電極5とメタルボンド砥石3との間の電流測定値Iに基づいて電解ドレッシング5の電極面5aのクリーニング度合いを判定し、クリーニング未完了の場合はクリーニング完了となるまで電解ドレッシング用電極5のクリーニングを繰り返すことで、電解ドレッシング用電極5の電極面5aに付着した付着物が除去され、良好にクリーニングされる。
これにより、メタルボンド砥石3の電解ドレッシングに要する通電電流量が確保されて電解効率が保持されて良好な電解ドレッシングが得られ、電解ドレッシングされた目詰まり等のない良好なメタルボンド砥石3による研削性能が維持され、研削加工品質の向上が図れると共に加工サイクルの短縮が可能になる。
また、電解ドレッシング用電極5とメタルボンド砥石3との相対位置を保持した状態で、電解ドレッシングにおける電源10から電解ドレッシング用電極5及びメタルボンド砥石3に供給する電圧を、極性反転して電解ドレッシング用電極5及びメタルボンド砥石3に供給する簡単な構成で電解ドレッシング用電極5の洗浄を行うことから、既存の研削加工装置に極性反転スイッチ12及び電極クリーニング判定手段20等を付加する簡単な変更で構成することが可能であり、研削加工装置の構成が複雑になることがなく、また厄介なメンテナンスを招くことがない。
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記各実施の形態ではワークWを研削加工する毎に電解ドレッシング用電極5をクリーニングしたが、研削加工時間を計測する加工時間計測手段を設けて研削加工時間を計測して、予め設定された研削加工時間に達したとき、或いは予め設定された研削加工回数毎に電解ドレッシング用電極5をクリーニングすることもできる。また、電解ドレッシング用電極5に絶縁性を有する付着物が電極面に付着すると電気抵抗が増加して通電電流量が低下するために電解効率が悪化して電解ドレッシング性能が低下して研削加工時間が増大することから、ワークWあたり研削加工時間を計測して、予め設定されたワークWあたりの研削加工時間が達したときに電解ドレッシング用電極5をクリーニングすることもできる。
また、図7に図6に対応する電解ドレッシング用電極のクリーニングのフローチャートを示すように、ステップS112の前に予め電極クリーニング判定手段20によりクリーニング度合い、換言すると電解ドレッシング用電極5の電極面5aに付着した付着物が少ない状態か否かを判定するステップS115を介在させ、ステップS113と同様に電流測定部21により電解ドレッシング用電極5とメタルボンド砥石3との間の電流測定値Iが電流閾値Isより大きい(電流測定値I>電流閾値Is)か否(電流測定値≦電流閾値Is)か判定するように構成することもできる。なお、ここで極性を反転した後に判定を行うのは、電極面5aに付着した付着物による電流低下を検出するためである。極性を反転せずに判定を行うと電流低下の原因がメタルボンド砥石3の酸化によるものであるのか、電極面5aに付着した付着物によるものであるのかを判別できないからである。これにより、ステップS115においてOKの場合には、ステップS116にて極性を反転した後に、ステップS112に移行することなく研削加工開始のステップS104に移行し、ステップS112〜ステップS114を省略するように構成することもでき、不要時のクリーニングが省略でき、研削加工装置の作動の簡素化が得られる。
1 研削加工装置
2 回転軸
3 メタルボンド砥石
3a 外周面(研削面)
5 電解ドレッシング用電極
5a 電極面
6 ノズル(研削液供給手段)
10 電源
12 極性反転スイッチ(極性反転手段)
20 電極クリーニング判定手段
21 電流計測部
23 電流閾値記憶部
24 比較部
25 判定部

Claims (6)

  1. 回転してワークを研削加工する砥粒を導電性のボンド材によって結合したメタルボンド砥石と、該メタルボンド砥石の研削面と研削液を介在させる間隔を隔てて電極面が対向する電解ドレッシング用電極と、上記メタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極との間に研削液を介在して上記メタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極を通電する電源とを備え、
    回転する上記メタルボンド砥石でワークを研削すると共に研削液の存在下で回転する上記メタルボンド砥石及び電解ドレッシング用電極にそれぞれ陽極及び陰極となるように印加して上記メタルボンド砥石を電解ドレッシングする加工時間と非加工時間とを繰り返して連続的に順次ワークを研削する研削加工サイクルを有し、
    上記非加工時間において研削液存在下で回転する上記メタルボンド砥石と共に電解ドレッシング用電極の極性を反転して電解ドレッシング用電極をクリーニングし、
    続いて上記電極ドレッシング用電極とメタルボンド砥石との間の電流測定値と予め設定された電流閾値との比較結果に基づいてクリーニングを完了して上記メタルボンド砥石と共に電解ドレッシング用電極の極性を反転して加工時間に移行することを特徴とする研削加工方法。
  2. 上記非加工時間において電解ドレッシング用電極をクリーニングしているときに上記電極ドレッシング用電極とメタルボンド砥石との間の上記電流測定値が上記電流閾値以下の場合には上記電解ドレッシングのクリーニングを上記電流測定値が上記電流閾値より大きくなるまで繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の研削加工方法。
  3. 回転してワークを研削加工する砥粒を導電性のボンド材によって結合したメタルボンド砥石と、該メタルボンド砥石の研削面と研削液を介在させる間隔を隔てて電極面が対向する電解ドレッシング用電極と、上記メタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極との間に研削液を介在して上記メタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極を通電する電源とを備え、
    回転する上記メタルボンド砥石でワークを研削すると共に研削液の存在下で回転する上記メタルボンド砥石及び電解ドレッシング用電極にそれぞれ陽極及び陰極となるように印加して上記メタルボンド砥石を電解ドレッシングする加工時間と非加工時間とを繰り返して連続的に順次ワークを研削する研削加工サイクルを有し、
    上記非加工時間において研削液存在下で回転する上記メタルボンド砥石と共に電解ドレッシング用電極の極性を反転して電解ドレッシング用電極をクリーニングするものにおいて、
    上記非加工時間において、上記クリーニングを開始する前に上記電極ドレッシング用電極と上記メタルボンド砥石との間の上記電流測定値と上記電流閾値とを比較して上記クリーニングを開始するか否かを決定することを特徴とする研削加工方法。
  4. 上記非加工時間において電極ドレッシング用電極とメタルボンド砥石との間の電流測定値と上記電流閾値と比較して該電流測定値が電流閾値より大きい場合にはクリーニング完了としてメタルボンド砥石と共に電解ドレッシング用電極の極性を反転して加工時間に移行し、電流測定値が電流閾値以下の場合には上記クリーニングを開始することを特徴とする請求項3に記載の研削加工方法。
  5. 回転してワークを研削加工する砥粒を導電性のボンド材によって結合したメタルボンド砥石と、該メタルボンド砥石の研削面と研削液を介在させる間隔を隔てて電極面が対向する電解ドレッシング用電極と、上記メタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極との間に研削液を介在して上記メタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極を極性反転手段を介して通電する電源と、
    上記電極ドレッシング用電極とメタルボンド砥石との間の電流測定値と予め設定された電流閾値とを比較して上記電解ドレッシング用電極のクリーニング状態を判定する電極クリーニング判定手段と、
    を備え、
    回転する上記メタルボンド砥石でワークを研削すると共にメタルボンド砥石及び電解ドレッシング用電極にそれぞれ陽極及び陰極となるように印加してメタルボンド砥石を電解ドレッシングする加工時間と非加工時間とを繰り返して連続的に順次ワークを研削する研削加工サイクルを有する研削加工装置において、
    上記非加工時間において研削液存在下で回転する上記メタルボンド砥石と共に電解ドレッシング用電極の極性を反転して電解ドレッシング用電極のクリーニングを行い、
    続いて上記電極ドレッシング用電極とメタルボンド砥石との間の電流測定値と予め設定された電流閾値との比較結果に基づいてクリーニングを完了して上記メタルボンド砥石と共に電解ドレッシング用電極の極性を反転して加工時間に移行することを特徴とする研削加工装置。
  6. 回転してワークを研削加工する砥粒を導電性のボンド材によって結合したメタルボンド砥石と、該メタルボンド砥石の研削面と研削液を介在させる間隔を隔てて電極面が対向する電解ドレッシング用電極と、上記メタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極との間に研削液を介在して上記メタルボンド砥石と電解ドレッシング用電極を極性反転手段を介して通電する電源と、
    上記電極ドレッシング用電極とメタルボンド砥石との間の電流測定値と予め設定された電流閾値とを比較して上記電解ドレッシング用電極のクリーニング状態を判定する電極クリーニング判定手段と、
    を備え、
    回転する上記メタルボンド砥石でワークを研削すると共にメタルボンド砥石及び電解ドレッシング用電極にそれぞれ陽極及び陰極となるように印加してメタルボンド砥石を電解ドレッシングする加工時間と非加工時間とを繰り返して連続的に順次ワークを研削する研削加工サイクルを有し、
    上記非加工時間において研削液存在下で回転する上記メタルボンド砥石と共に電解ドレッシング用電極の極性を反転して電解ドレッシング用電極をクリーニングする研削加工装置において、
    上記非加工時間において、上記クリーニングを開始する前に上記電極ドレッシング用電極と上記メタルボンド砥石との間の上記電流測定値と上記電流閾値とを比較して上記クリーニングを開始するか否かを決定する
    ことを特徴とする研削加工装置。
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