JP2011200955A - 切削工具 - Google Patents

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正和 坂本
Toshiya Nakata
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Abstract

【課題】 鋼等の硬い被削材に対しても、コーナー部が角状になった角穴等の平面角状の切削加工が安定して行える切削工具を提供する。
【解決手段】 回転軸の回転運動を少なくとも2種のカムにより角軸状運動に変換する機構を備えた切削加工装置Xに取り付ける切削工具100において、略正三角柱形状の工具保持部101から延出された切削部102の先端に3つの底刃103を設け、各底刃の外周先端を同一円周上に位置させると共に、軸中心Oと各底刃の外周先端とを結ぶ線と、軸中心と工具保持部の各頂角部とを結ぶ線とを平面上一致させ、外周刃の外周逃げ角θを45°を超え60°以下、外周すくい角αを-10°以上-40°以下にすると共に、この外周刃に0.02mm以上のマージンMを設けた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、被削材にコーナー部が角状になった角穴等の平面角状の切削加工を行うのに使用する切削工具に関するものである。特に、回転軸の回転運動を少なくとも2種のカムにより角軸運動に変換する機構を備えた切削加工装置に取り付けて、被削材に上記のような平面角状の切削加工を行う切削工具において、被削材が鋼等の硬い材料であっても、平面角状の切削加工が安定して行えるようにした点に特徴を有するものである。
従来から、ドリルやエンドミルを使って被削材に対して様々な切削加工がおこなわれている。
ここで、ドリルやエンドミルを使って被削材にコーナー部が角状になった角穴等の平面角状の切削加工を行う場合、ドリルやエンドミルが回転して切削加工を行うため、切削された被削材の表面にはコーナー部が円弧状になった部分が残ることになる。
このため、従来においては、上記のようにドリルやエンドミルを使って切削加工を行った後、円弧状になったコーナー部を小径のドリルやエンドミルを使用して切削加工するようにしている。
しかし、このようにした場合においても、依然として、コーナー部には円弧状になった部分が残り、この円弧状の部分を小さくするためには、非常に径の小さいドリルやエンドミルを使用しなければならず、加工効率が大幅に低下すると共に、このようにドリルやエンドミルの径の非常に小さくした場合、その剛性が大きく低下して、その刃先等が破損しやすくなるなどの問題があった。
また、従来において、被削材に平面角状の加工を行うにあたっては、型彫り放電加工や、加工箇所が貫通加工の場合にはワイヤーカット放電加工等も行われていた。
しかし、これらの場合においても、段取り変えが必要となり、かつワークの着脱芯出し作業による段取り時間が増加すると共に、加工速度も切削加工と比較すると大幅に遅くなるなど、加工効率が大幅に低下すると共に、コストも大幅にアップする等の問題があった。
このため、近年においては、特許文献1,2に示されるように、回転軸の回転運動を少なくとも2種のカムにより角軸運動に変換する機構を備えた切削加工装置を用い、この切削加工装置に三角柱状になった切削工具を取り付け、被削材に四角形や多角形になった角穴の切削加工や、被削材の表面に角張ったコーナー部を有するような切削加工を行うことが提案されている。
ここで、上記のような切削加工装置に三角柱状になった切削工具を取り付けて、特許文献1の図10(a)〜(i)や特許文献2の図13(a)〜(i)に示されるように、被削材に四角形の穴加工を行う場合、90°のコーナー部を加工するためには、切削工具36の刃先の角度を90°未満にすることが必要になり、この切削工具36にエンドミルを使用した場合には、切削工具36の外周刃の外周逃げ角を45°以上にすることが必要になる。
しかし、このように外周刃の外周逃げ角を45°以上にしたエンドミルにおいては、一般に刃先の強度が低くなり、金属等の硬度の高い被削材を切削加工する際に、その外周刃がすぐに欠けたりするという問題があった。
特開2006−68881号公報 特開2008−290167号公報
本発明は、上記のように回転軸の回転運動を少なくとも2種のカムにより角軸運動に変換する機構を備えた切削加工装置に切削工具を取り付けて、被削材にコーナー部が角状になった角穴等の平面角状の切削加工を行う場合において、被削材が鋼等の硬い材料であっても、平面角状の切削加工が安定して行えるようにすることを課題とするものである。
本発明においては、上記のような課題を解決するため、回転軸の回転運動を少なくとも2種のカムにより角軸状運動に変換する機構を備えた切削加工装置に取り付けられて、被削材に平面角状の切削加工を行う切削工具において、上記の切削加工装置に取り付けられる工具後端側の工具保持部を略正三角柱形状に形成すると共に、工具保持部から延出された切削部の先端に3つの底刃を設け、各底刃の外周先端が同一円周上に位置するように形成すると共に、軸中心と各底刃の外周先端とを結ぶ線と、軸中心と上記の工具保持部の各頂角部とを結ぶ線とが平面上一致するように配置し、上記の底刃の外周先端から軸方向に外周刃を形成し、この外周刃における外周逃げ角を45°を超え60°以下、外周すくい角を−10°以上−40°以下にすると共に、この外周刃に0.02mm以上のマージンを設けるようにした。
ここで、上記の切削加工装置としては、前記の特許文献1,2に示されるようなものを用いることができる。
具体的には、特許文献1に示されるように、機械に対し不回転状態に接続するケーシングと、このケーシングの末端から挿入してフリーに回転するように軸承すると共に、上記機械側から回転伝達を受けるように設けた入力軸と、この入力軸の先端側に末端側を屈曲及び屈曲による軸方向変位が生じても回転伝達可能な自在継手を介し連結した中間軸と、この中間軸の外側に軸承すると共に、適宜のガイド手段により前後方向にスライドするように設けた第1スライダと、この第1スライダの端面に対向させて上記入力軸の先端に共に回転するように設けたX軸用カムと、上記第1スライダに軸支してX軸用カムの周面に接触させたカムフォロアと、上記中間軸の先端側に末端側を屈曲及び屈曲による軸方向変位が生じても回転伝達可能な自在継手を介し連結した先軸と、この先軸の外側に軸承すると共に、適宜のガイド手段により左右方向にスライドするように設けた第2スライダと、この第2スライダの端面に対向させて上記中間軸と共に回転するように設けたY軸用カムと、上記第2スライダに軸支してY軸用カムの周面に接触させたカムフォロアとを備え、上記先軸の先端ホルダに上記の切削工具を保持させ、上記入力軸の回転運動を上記X軸用カム及びY軸用カムにより角軸状運動に変換すると共に、変換にともない第1及び第2スライダを追従スライドさせて上記切削工具による角孔形状や内コーナーをRが存在しないよう切削するようにしたものを用いることができる。
また、特許文献2に示されるように、機械に対し不回転状態に接続するケーシングと、このケーシングの末端から挿入してフリーに回転するように軸承すると共に、上記機械側から回転伝達を受けるように設けた入力軸と、この入力軸の先端側に末端側を屈曲及び屈曲による軸方向変位が生じても回転伝達可能な自在継手を介し連結した中間軸と、この中間軸の外側に軸承すると共に、ガイド手段により前後方向にスライドするように設けた第1スライダと、この第1スライダの端面に対向させて上記入力軸の先端に共に回転するように設けたX軸用カムと、このX軸用カムの回転にともない上記第1スライダを前後方向にスライドさせるように設けた第1連動手段と、上記第1スライダの外側に配置してガイド手段により前後方向にスライドするように設けた第1バランスウエイトと、上記第1スライダのスライドの反対方向に上記第1バランスウエイトをスライドさせる第1スライド変換手段と、上記中間軸の先端側に末端側を屈曲及び屈曲による軸方向変位が生じても回転伝達可能な自在継手を介し連結した先軸と、この先軸の外側に軸承すると共に、ガイド手段により左右方向にスライドするように設けた第2スライダと、この第2スライダの端面に対向させて上記中間軸と共に回転するように設けたY軸用カムと、このY軸用カムの回転にともない上記第2スライダを左右方向にスライドさせるように設けた第2連動手段と、上記第2スライダの外側に配置してガイド手段により左右方向にスライドするように設けた第2バランスウエイトと、上記第2スライダのスライドの反対方向に上記第2バランスウエイトをスライドさせる第2スライド変換手段とを備え、上記先軸の先端ホルダに上記の切削工具を保持させるようにしたものを用いることができる。
そして、本発明の切削工具のように、切削加工装置に取り付けられる工具後端側の工具保持部を略正三角柱形状に形成すると共に、工具保持部から延出された切削部の先端に3つの底刃を設け、軸中心と各底刃の外周先端とを結ぶ線と、軸中心と上記の工具保持部の各頂角部とを結ぶ線とが平面上一致するように配置させると、上記の切削加工装置に対して、上記の切削工具を適切にセットすることが容易に行えるようになると共に、各底刃及び底刃の外周先端から軸方向に形成された外周刃が、上記の切削加工装置により適切な軌道を描きながら回転され、被削材に対して平面角状になった適切な切削加工が行えるようになる。なお、工具後端側の工具保持部を略正三角柱形状に形成するとは、工具保持部を正三角柱形状に形成する他、正三角柱の各角部の面取りしたものも含める意味である。
また、本発明の切削工具のように、各底刃の外周先端が同一円周上に位置するように形成すると、3枚の底刃が均等に軸方向の切削に寄与し、各底刃の欠損などが抑制されて工具寿命を長くすることができる。
また、上記の切削工具によって被削材に四角形や多角形になった角穴の切削加工を行う場合、各底刃の外周先端から軸方向に形成された各外周刃の中の1つの外周刃が、主刃となって角穴の切削が行われるようになると共に、他の外周刃が角穴に接してガイドとなり、角穴の切削加工時に、切削工具が被加工面からの反力で倒れたり、反ったりするのが防止されるようになる。さらに、上記の各底刃の外周先端から軸方向に形成された各外周刃を順々に主刃として使用することもでき、この切削工具を長く使用することもできるようになる。
また、本発明の切削工具のように、外周刃における外周逃げ角を45°を超えるようにするのは、被削材にコーナー部の角度が90°の切削加工を行うことができるようにするためである。一方、外周逃げ角を60°以下にするのは、外周刃の刃先角が小さくなりすぎて、刃先強度が低下するのを防止するためである。
また、本発明の切削工具において、外周刃における外周すくい角が大きくなると、外周刃の刃先角が小さくなりすぎて、刃先強度が低下する一方、外周すくい角が小さくなりすぎると、切削抵抗が大きくなると共に、切屑の排出も悪くなる。このため、本発明の切削工具においては、外周刃の外周すくい角を−10°以上−40°以下にしている。
さらに、本発明の切削工具においては、外周刃の刃先強度を高めるために、この外周刃に0.02mm以上のマージンを設けるようにしている。なお、外周刃に設けるマージンが大きくなりすぎると、切削抵抗が大きくなると共に、被削材に平面角状の切削加工を行った場合に、コーナー部に残る円弧状の部分が大きくなるため、外周刃に設けるマージンを0.2mm以下にすることが好ましい。
また、本発明の切削工具を上記のような切削加工装置に取り付けて、被削材にコーナー部が角状になった角穴等の平面角状の切削加工を行うにあたり、上記の3つの底刃のうち少なくとも一つを、軸中心まで形成すると、下穴を設けなくても、被削材に平面角状の切削加工を行うことができるようになる。
本発明においては、回転軸の回転運動を少なくとも2種のカムにより角軸状運動に変換する機構を備えた切削加工装置に取り付ける切削工具を上記のように構成したため、被削材が鋼等の硬い材料であっても、被削材に対して、コーナー部が角状になった角穴等の平面角状の切削加工が安定して行えるようになる。
本発明の一実施形態に係る切削工具の概略側面図である。 同実施形態に係る切削工具を先端の底刃側から見た概略正面図である。 同実施形態に係る切削工具において、外周刃にマージンを設けた状態を示した部分説明図である。 上記の実施形態に係る切削工具を取り付ける切削加工装置を示した概略断面説明図である。 図4に示した切削加工装置の概略底面図である。 図4に示した切削加工装置の部分拡大断面図である。 図6に示したI−I線に沿う断面説明図である。 図6に示したII−II線に沿う断面説明図である。 (a)〜(j)は、上記の実施形態に係る切削工具を上記の切削加工装置に取り付けて、被削材に正方形状の角穴を切削加工する工程を示した概略説明図である。 (a),(b)は、上記の実施形態に係る切削工具により被削材に正方形状の角穴を切削加工するにあたり、被削材に予め適当な大きさの下穴を設け、この下穴の部分に角穴の切削加工する状態を示した概略説明図である。 (a),(b)は、上記の実施形態に係る切削工具により被削材に大きな角穴を切削加工するにあたり、被削材に予め所定の形状になった下穴を設け、この下穴における円弧状になった各コーナーを、上記の切削工具により順々に角状に切削加工する状態を示した概略説明図である。
以下、この発明の実施形態に係る切削工具を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この発明における切削工具は、特に下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
この実施形態の切削工具100においては、図1及び図2に示すように、工具後端側の工具保持部101を、各角部が角取りされた略正三角柱形状に形成すると共に、この工具保持部101から延出された切削部102の先端に、底刃103として、3つの底刃103a〜103cを設けており、この3つの底刃103a〜103c中の1つの底刃103aを軸中心Oまで形成している。
そして、上記の3つの底刃103a〜103cの外周先端が同一円周上に位置するように形成すると共に、軸中心Oと各底刃103a〜103cの外周先端とを結ぶ線と、軸中心Oと上記の工具保持部101の角取りされた仮想の各頂角部とを結ぶ線とが平面上一致するように配置させている。また、外周刃104として、上記の各底刃103a〜103cの外周先端から軸方向に伸びた3つの外周刃104a〜104cが形成されている。
そして、この実施形態における切削工具100においては、上記の各外周刃104a〜104cにおける外周逃げ角θが45°を超え60°以下になるようにすると共に、各外周刃104a〜104cおける外周すくい角αが負になるようにし、各外周刃104a〜104cにおける外周すくい角αが、−10°以上−40°以下の範囲なるように設定している。また、上記の各外周刃104a〜104cにおいては、図3に示すように、各外周刃104a〜104cにおけるマージンMが0.02mm以上になるようにしている。
また、この実施形態における切削工具100においては、図1に示すように、上記の外周刃104のすくい面側に、適当なギャッシュ角βになったギャッシュ105を設けると共に、上記の底刃103が僅かな逃げ角を持つように形成している。
そして、この実施形態における切削工具100を取り付ける切削加工装置Xとしては、前記の特許文献1に示されるものを用いるようにした。
ここで、上記の切削加工装置Xは、図4〜図8に示すように、回転装置Aに対して不回転状態に接続するケーシング1には、ケーシング1の末端から挿入してベアリング14を介しフリーに回転するように軸承すると共に、回転装置側から回転伝達を受ける入力軸2が設けてある。
上記回転装置Aに対するケーシング1の不回転状態の接続及び入力軸2の回転伝達は、図4に示すように、周知方式の回転装置Aの回転スピンドル3に設けてあるテーパー孔4に入力軸2の末端から突出するテーパーシャンク5を嵌入して回転の伝達を行ない、上記テーパーシャンク5の嵌入状況下にケーシング1の外側に設けてある固定ブロック6の位置決めピン7の先端が回転装置Aに設けてあるブロック8のテーパー孔9に嵌入して位置決めピン7を突出力の付与バネ10に抗して押し戻しながら、押し戻しにともない位置決めピン7から突出する突出部材11の透孔12に固定ブロック6から突出するピン13を嵌入させた構成になっている。
また、入力軸2の先端に中間軸17の末端を屈曲及び屈曲による軸方向変位が生じても回転伝達可能な自在継手18を介し連結し、この中間軸17の外側には、ベアリング19を介し軸承すると共に、ガイド手段20により前後方向にスライドする第1スライダ21が設けてある。
上記のガイド手段20は、第1スライダ21の外周対向位置で、両端が前後方向に向く平行なガイド溝22と、この両ガイド溝22をスライド自在に抱き込むガイドベース23(このガイドベース23は、ケーシング1にボルトを介し固定してある)と押え板24との組み合わせにより(ガイドベース23に押え板24をボルト止めする)構成している。
さらに、入力軸2の先端には、入力軸2と共に回転するように固定ボルト25により固定すると共に、周面に第1スライダ21に軸支したカムフォロア26を接触させたX軸用カム27が設けてある。
また、中間軸17の先端に先軸29の末端を屈曲及び屈曲による軸方向変位が生じても回転伝達可能な自在継手18を介して連結すると共に、この先軸29の外側には、先軸29に対しベアリング30を介し軸承すると共に、ガイド手段20を介し左右方向にスライドする第2スライダ31が第1スライダ21上に設けてある。
上記第2スライダ31のガイド手段20は、第1スライダ21のガイド手段と同様につき説明を省略する。
さらに、第2スライダ31の端面に対向させて中間軸17と共にキー32を介して回転するY軸用カム33が設けてあり、第2スライダ31には、軸支してY軸用カム33の周面の接触させたカムフォロア34が設けてある。
上記のカムフォロア26、34は、第1スライダ21及び第2スライダ31の1箇所に軸支して、バネ28により第1スライダ21、第2スライダ31に付与してある押圧力によりX軸用カム27、Y軸用カム33の周面にカムフォロア26、34を押し付けて、第1スライダ21及び第2スライダ31のスライド伝達を行なうようにしている。
そして、先軸29の先端ホルダ35に、上記の切削工具100の工具後端側における工具保持部101を保持させるようにしている。
ここで、先端ホルダ35に切削工具100を保持させるにあたっては、図4に示すように、ホルダ35の先端面から内方に向けて設けた穴37に切削工具100の工具保持部101を挿入し、ホルダ35の外周面から穴37に貫通するネジ孔38にネジ軸39をねじ込んで取付けるようにしている。
そして、この切削加工装置Xに上記の切削工具100を取り付けて、被削材Wに正方形状の角穴を切削加工する工程を、図9(a)〜(j)に基づいて説明する。なお、図9(a)〜(j)においては、切削工具100の先端における底刃側から見た状態を示している。
ここで、上記の切削工具100においては、上記の3つの底刃103a〜103c中で軸中心Oまで伸びた1つの底刃103aの外周先端から軸方向に伸びた外周刃104aが主刃となるようにして切削を行うようになっている。
そして、上記の主刃となる外周刃104aが角穴の一辺の辺長の中央に位置するようにして、上記の切削工具100を切削開始位置にセットし、上記の切削加工装置Xにより切削工具100を回転駆動させるようにする。
ここで、上記の切削加工装置Xにより切削工具100を回転駆動させると、切削加工装置Xにより切削工具100における軸中心Oの位置が移動しながら、この切削工具100が回転されるようになる。
そして、図9(a)に示す切削開始位置から切削工具100が20°回転された状態を図9(b)に、45°回転された状態を図9(c)に、90°回転された状態を図9(d)に、135°回転された状態を図9(e)に、180°回転された状態を図9(f)に、225°回転された状態を図9(g)に、270°回転された状態を図9(h)に、315°回転された状態を図9(i)に、360°回転された状態を図9(j)に示した。また、上記の主刃となる外周刃104aによって切削された軌跡を太線で示した。
ここで、図9(a)〜(c)に示すように、切削開始位置から切削工具100が45°回転するまでは、主刃となる外周刃104aが、セットされた角穴の第1辺の中央位置からこの第1辺の一端部まで移動して切削が行われ、45°回転した時点で、上記の外周刃104aの移動方向が90°変更される。
次いで、図9(c)〜(e)に示すように、切削工具100が45°から135°回転するまでは、上記の外周刃104aが上記の一辺と直角に交差する第2辺に沿って移動して切削が行われ、135°回転した時点で、上記の外周刃104aの移動方向がさらに90°変更される。
次いで、図9(e)〜(g)に示すように、切削工具100が135°から225°回転するまでは、上記の外周刃104aが上記の第2辺と直角に交差する次の第3辺に沿って移動して切削が行われ、225°回転した時点で、上記の外周刃104aの移動方向がさらに90°変更される。
次いで、図9(g)〜(i)に示すように、切削工具100が225°から315°回転するまでは、上記の外周刃104aが上記の第3辺と直角に交差する次の第4辺に沿って移動して切削が行われ、315°回転した時点で、上記の外周刃104aの移動方向がさらに90°変更される。
次いで、図9(i)〜(j)に示すように、切削工具100が315°回転した後は、上記の外周刃104aが上記の第4辺と直角に交差する最初の第1辺に沿って移動し、切削工具100が360°回転した時点において、切削開始位置に戻るようになる。
そして、切削工具100を被削材Wに対して軸方向に送りながら、上記の操作を繰り返して行い、被削材Wに対して所定深さになった角穴を切削加工する。
ここで、上記のようにして被削材Wに正方形状の角穴を切削加工するにあたり、上記の被削材Wが樹脂等の軟質材料である場合には、上記のように切削工具100により、被削材Wに対して直接正方形状の角穴を切削加工することができるが、被削材Wが鋼材等の硬質材料である場合には、切削工具100に欠損などが生じるおそれがある。
このため、鋼材等の硬質材料からなる被削材Wに対して、上記の切削工具100により、長期にわたって安定した角穴の切削加工を行うためには、図10(a)に示すように、被削材Wに予めエンドミル(図示せず)により適当な大きさの下穴hを設け、図10(b)に示すように、この下穴hの部分に上記の切削工具100を用いて角穴の切削加工を行うようにすることが好ましい。
また、上記のように切削加工装置Xに切削工具100を取り付けて、被削材Wに大きな角穴を切削加工する場合には、エンドミル(図示せず)を用いて、図11(a)に示すように、被削材Wに所定の形状になった下穴hを形成した後、図11(b)に示すように、この下穴hにおける円弧状になった各コーナー部を、上記の切削工具100により順々に切削加工して、円弧状になった各コーナー部が角状になった大きな角穴を切削加工させるようにすることができる。
次に、この発明に係る切削工具を用いた具体的な実施例を挙げ、この実施例に係る切削工具を用いて角穴の切削加工を行った場合、切削工具に欠損などが発生することなく、安定した角穴の切削加工が適切に行えることを、比較例を挙げて明らかにする。
ここで、切削工具としては、超硬合金製で、表面にTiAlN被膜を形成した10mm角穴加工用のものを用いるようにした。
そして、実施例1〜4及び比較例1〜3の各切削工具においては、外周刃における外周逃げ角θを50°、ギャッシュ角βを30°、底刃の逃げ角を3°にする一方、外周刃における外周すくい角α、外周刃におけるマージンMを、下記の表1に示すように変更させた。そして、実施例1の切削工具では、外周刃における外周すくい角αを−25°、外周刃におけるマージンMを0.19mmに、実施例2の切削工具では、外周刃における外周すくい角αを−25°、外周刃におけるマージンMを0.09mmに、実施例3の切削工具では、外周刃における外周すくい角αを−25°、外周刃におけるマージンMを0.04mmに、実施例4の切削工具では、外周刃における外周すくい角αを−15°、外周刃におけるマージンMを0.04mmにした。一方、比較例1の切削工具では、外周刃における外周すくい角αを−15°、外周刃におけるマージンMを0mmに、比較例2の切削工具では、外周刃における外周すくい角αを0°、外周刃におけるマージンMを0.04mmに、比較例3の切削工具では、外周刃における外周すくい角αを0°、外周刃におけるマージンMを0mmにした。
一方、被削材としては、S50Cの鋼材と、アルミニウム材と、エポキシ樹脂材と、アクリル樹脂材とを用い、それぞれ10mm角穴の切削を行う部分に、予め直径8.5mm、深さ10mmの下穴を切削させた。
そして、切削加工装置として、株式会社戸田精機製のインコーナ加工ホルダを使用し、この切削加工装置に上記の実施例1〜4及び比較例1〜3の各切削工具を装着させて、それぞれ10mm角穴の切削加工を行うようにした。
ここで、10mm角穴の切削加工を行うにあたっては、各切削工具の回転速度Nを200回転/分にし、S50Cの鋼材とアルミニウム材とからなる被削材については、各切削工具の軸方向の送り速度Vfを5mm/分にする一方、エポキシ樹脂材とアクリル樹脂材とからなる被削材については、各切削工具の軸方向の送り速度Vfを10mm/分にして、それぞれ30個の角穴加工を行うようにした。
そして、実施例1〜4及び比較例1〜3の各切削工具を用いた上記の角穴加工において、初期欠損が生じて加工が行えなくなった場合を×、30個の角穴加工までに切削工具にチッピングが発生した場合を△、30個の角穴加工時においても切削工具にチッピングが発生しなかった場合を○として評価し、その結果を、下記の表1に示した。
Figure 2011200955
この結果、外周刃における外周すくい角αを−10°〜−40°の範囲にすると共に、外周刃におけるマージンMを0.02mm以上にした実施例1〜4の各切削工具は、上記の条件を満たしていない比較例1〜3の各切削工具と比較すると、硬度の低いアクリル樹脂材では差が殆どなかったが、硬度の高いエポキシ樹脂材、アルミニウム材、S50Cの鋼材からなる被削材に対して角穴加工を行った場合には、切削工具におけるチッピングの発生が抑制されることが分かる。特に、外周刃における外周すくい角αを−25°にすると共に、外周刃におけるマージンMを0.09mm以上にした実施例1,2の切削工具においては、S50Cの鋼材からなる被削材に対して、30個の角穴加工を行った場合においても、切削工具にチッピングが発生するということがなく、角穴の切削加工が安定して行えた。
また、上記の実施例1〜4の各切削工具を用いた場合、切削工具の軸方向の送り速度Vfを5mm/分にして、アクリル樹脂材やエポキシ樹脂材からなる被削材に対して角穴の切削加工を行うようにすると、これらの被削材に下穴を設けなくても、角穴の切削加工が安定して行えた。
100 切削工具
101 工具保持部
102 切削部
103,103a〜103c 底刃
104,104a〜104c 外周刃
105 ギャッシュ
h 下穴
O 軸中心
θ 外周逃げ角
α 外周すくい角
β ギャッシュ角
X 切削加工装置

Claims (2)

  1. 回転軸の回転運動を少なくとも2種のカムにより角軸状運動に変換する機構を備えた切削加工装置に取り付けられて、被削材に平面角状の切削加工を行う切削工具において、上記の切削加工装置に取り付けられる工具後端側の工具保持部が略正三角柱形状に形成されると共に、工具保持部から延出された切削部の先端に3つの底刃が設けられ、各底刃の外周先端が同一円周上に位置するように形成されると共に、軸中心と各底刃の外周先端とを結ぶ線と、軸中心と上記の工具保持部の各頂角部とを結ぶ線とが平面上一致するように配置され、上記の底刃の外周先端から軸方向に外周刃が形成され、この外周刃における外周逃げ角が45°を超え60°以下、外周すくい角が−10°以上−40°以下であると共に、この外周刃に0.02mm以上のマージンが設けられていることを特徴とする切削工具。
  2. 請求項1に記載の切削工具において、上記の3つの底刃のうち少なくとも一つが、軸中心まで形成されていることを特徴とする切削工具。
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