以下、図面を用いて、本発明に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。
[実施形態1]
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、所定条件が成立すると遊技者が利益を獲得することができる遊技台であって、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面(遊技者側)に備える。
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
本体104は、外枠102の内部に備えられ、施錠機能付きで且つ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる扉部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。このパチンコ機100を設置した店舗(遊技店)の店員は、この本体104を開閉操作することが可能であり、本体104が開いたことを検出する本体開放センサ1041が設けられている。
前面枠扉106は、施錠機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部116とした扉部材である。遊技店の店員は、この前面枠扉106も開閉操作することが可能であり、前面枠扉106が開いたことを検出する前面枠扉センサ1061も設けられている。なお、この前面枠扉106には、開口部116にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124が設けられる空間を区画形成する。なお、本実施形態では、光源をLEDとするものもランプと称する。
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、施錠機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。この球貯留皿付扉108は、前面枠扉106を開放した状態で操作可能となる開放レバー1081を押すことによって開く。また、球貯留皿付扉108が開いたことを検出する球貯留皿付扉センサ1082も設けられている。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206(図2参照)の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136に内蔵され、そのチャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、図1に示すパチンコ機100には、下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサ(不図示)が設けられている。
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。この発射装置110は、遊技者に球発射ハンドル134が継続的に発射操作されている間は、所定の発射期間(例えば0.6秒)の経過ごとに遊技球を遊技盤の遊技領域124へ向けて発射し、発射手段の一例に相当する。
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部116から観察することができる。なお、図1では遊技領域124の具体的構成は図示省略してあり、その具体的構成は図3に示す。
図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。この払出装置152は、着脱自在なものであり、所定位置に装着されると、タンクレール154の下流端に接続する。
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。すなわち、払出装置152は、遊技球に駆動力を与えてその遊技球を搬送する球送り装置の一種である。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の前面側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、所定の付与条件が成立したことに基づいて遊技者にその付与条件に応じた量の遊技価値(遊技球)をこの構成により付与する(払い出す)。
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300(図4参照)を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400(図4参照)を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500(図4参照)を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630(図4参照)を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源管理部660(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRAMクリア信号を主制御部300に出力するRAMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。
遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。
遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。この演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」と称する場合があり、特別図柄、第1特別図柄、第2特別図柄のうちの一つまたは複数を「特図」と称する場合がある。
演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための画像表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。これらの普図表示装置210、第1特図表示装置212、および第2特図表示装置214は、図柄表示手段あるいは報知手段の一例に相当する。なお、装飾図柄表示装置208に表示される装飾図柄は、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214に表示される図柄を、演出を高めた形で表す図柄である。
なお、普図表示装置210、第1特図表示装置212、および第2特図表示装置214(図柄表示装置)の表示領域(ここでは7ゼグメントの大きさが相当)と装飾図柄表示装置208(演出表示手段)の表示領域(ここでは表示画面の大きさが相当)とでは、装飾図柄表示装置208の表示領域の方が大きい。また、この実施形態では、普図表示装置210、第1特図表示装置212、および第2特図表示装置214は、動画の表示が不可能であるのに対して、装飾図柄表示装置208は動画の表示が可能である。
普図保留ランプ216は、保留している所定の第1の変動遊技(詳細は後述する普図変動遊技)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ218および第2特図保留ランプ220は、保留している所定の第2の変動遊技(詳細は後述する特図変動遊技)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ、第1特図用と第2特図用を合わせると8つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ222は、現在の図柄制御状態を示す報知を行なうためのランプ(報知手段)である。この高確中ランプ222は、電源が投入されてから大当り遊技の開始まで、現在の図柄制御状態を示す報知を行ない、それ以降は、現在の図柄制御状態を示す報知をしないように構成している。また図柄制御状態では、電源が再投入された場合には、電源が遮断される直前の図柄制御状態に復帰する。
また、この演出装置206の周囲には、一般入賞口226と、普図始動口228と、第1特図始動口230と、第2特図始動口232と、可変入賞口234を配設している。
一般入賞口226は、本実施形態では遊技盤200に複数配設しており、この一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として図1に示す上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤200の左側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口230は、本実施形態では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口230は、遊技球が進入する入り口の大きさが変化しない第1の始動領域である。第1特図始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第1特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。この第1特図始動口230は、始動領域の一つであり、自身の大きさが変化しない固定始動領域の一例に相当する。
第2特図始動口232は、本実施形態では第1特図始動口230の真下に1つだけ配設している。第2特図始動口232の近傍には、ソレノイドによって左右に開閉自在な一対の羽根部材2321が設けられており、一対の羽根部材2321と第2特図始動口232を併せたものが、可変始動手段に相当し、一般には、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれる。一対の羽根部材2321は、第2特図始動口232への入賞の難易度を変更する部材である。すなわち、一対の羽根部材1281が閉じたままでは第2特図始動口128への入球は不可能であり、一対の羽根部材1281が閉じた態様は入賞困難な開閉態様である。一方、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当り図柄を停止表示した場合に一対の羽根部材2321が所定の時間間隔、所定の回数で開閉し、第2特図始動口232への球の入球が可能(入賞容易状態)になり、一対の羽根部材1281が開いた態様は入賞容易な開閉態様である。すなわち、第2特図始動口232は、入り口の大きさが小サイズ(第1の大きさに相当)と大サイズ(第2の大きさに相当)のうちのいずれか一方のサイズからいずれか他方のサイズに変化する可変始動領域である。この大サイズの大きさは、第1特図始動口230の入り口の大きさよりも大きい。一対の羽根部材1281が開いた状態では、遊技領域124に進入した遊技球のうち、固定始動領域である第1特図始動口230に進入する遊技球よりも、可変始動領域である第2特図始動口232に進入する遊技球の方が多い。一方、小サイズの大きさは、第1特図始動口230の入り口の大きさよりも小さいか、あるいは第1特図始動口230の入り口の大きさ以下である。第2特図始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口234は、本実施形態では遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口234は、入賞開口と、ソレノイドによってその入賞開口を開閉自在な扉部材2341とを備えている。入賞開口は大入賞口と呼ばれることがあり、可変入賞口234はアタッカと呼ばれることがある。可変入賞口234は、後述する大当り遊技が開始されるまでは閉状態を維持し、大当り遊技が開始されると、開状態と閉状態との間で状態変更を繰り返す。すなわち、可変入賞口234は、所定の第1の開閉状態(ここでは閉状態)およびその第1の開閉状態よりも遊技球の入賞が容易な第2の開閉状態(ここでは開状態)のうちの一方から他方に開閉状態を変化可能な可変入賞手段であり、特図変動遊技に当選して第1特図表示装置212あるいは第2特図表示装置214が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材2341が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。なお、可変入賞口234における閉状態は必ずしも完全に閉塞した状態である必要はなく、少し開いていても、遊技級の入球が不可能あるいは困難な状態であればよい。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
上皿126に収容されている球は発射レールの発射位置に供給される。このパチンコ機100では、遊技者の球発射ハンドル134の操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(第1特図始動口230、第2特図始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
<演出装置206>
次に、パチンコ機100の演出装置206について説明する。
この演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体224を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246(以下、扉と称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246は、ワープ装置242、ステージ244、および演出可動体224の後方に位置することとなる。
ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244にワープ出口242bから排出する。
ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技釘238などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244の中央部には、通過した球が第1特図始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。
演出可動体224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部224aと前腕部224bとからなり、肩の位置に上腕部224aを回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部224bを回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置208の前方を移動する。
遮蔽装置246は、格子状の左扉246aおよび右扉246bからなり、装飾図柄表示装置208および前面ステージ244の間に配設する。左扉246aおよび右扉246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉246aおよび右扉246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽装置246は、左扉246aおよび右扉246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。左扉246aおよび右扉246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、左扉246aおよび右扉246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉246aおよび右扉246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208を全く視認不可にしてもよい。
図1に示すスピーカ120や枠ランプ122等の装飾ランプ、図3に示す装飾図柄表示装置208、演出可動体224、および遮蔽装置246は、演出手段に相当し、これらの中でも装飾図柄表示装置208は、演出表示手段の一例に相当する。
<制御部>
次に、図4を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部660と、によって構成している。本実施形態では、主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500はそれぞれ別の回路基板からなるものであるが、これら3つの制御部(300,400,500)は、共通の一つの回路基板からなるものであってもよいし、第1副制御部400と第2副制御部500が、主制御部300の回路基板とは別の共通の一つの回路基板からなるものであってもよい。したがって、主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500それぞれを所定の制御手段ととらえることもできるし、これら3つの制御部(300,400,500)を併せた一つのものを所定の制御手段ととらえることもできるし、第1副制御部400および第2副制御部500を併せた一つのものを所定の制御手段ととらえることもできる。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を導出する乱数値生成回路318(この回路には3つの乱数値生成回路を内蔵しているものとする)と、本体開放センサ1041、前面枠扉センサ1061、球貯留皿付扉センサ1082、および図1に示す下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサや、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果を乱数値生成回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、第1特図保留ランプ218、第2特図保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、第2特図始動口232や可変入賞口234等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
乱数値生成回路318は、基本回路302で使用する乱数値を生成する。この乱数値生成回路318における乱数の生成には、大別するとカウンタモードと乱数モードとの2種類の方法がある。カウンタモードでは、所定の時間間隔でカウントアップ(ダウン)する数値を取得して、その数値を乱数として導出する。乱数モードには、さらに2つの方法がある。乱数モードにおける一つ目の方法は、乱数の種を用いて所定関数(例えばモジュラス関数)による演算を行い、この演算結果を乱数として導出する。二つ目の方法は、0〜65535の範囲の数値がランダムに配列された乱数テーブルから数値を読み出し、その読み出した数値を乱数として導出する。乱数値生成回路318では、各種センサ320からセンサ回路322に入力される信号に重畳しているホワイトノイズを利用して不規則な値を取得する。乱数値生成回路318は、こうして取得した値を、カウンタモードでカウントアップ(ダウン)させるカウンタの初期値として用いたり、乱数の種として用いたり、あるいは乱数テーブルの読み出し開始位置を決定する際に用いる。
なお、第1特図始動口230に球が入賞したことを、各種センサ320のうちの球検出センサが検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号を乱数値生成回路318に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路318は、第1特図始動口230に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、第1特図始動口230に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。また、乱数値生成回路318は、第2特図始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口232に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、第2特図始動口232に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。さらに、乱数値生成回路318は、普図始動口228に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、普図始動口228に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、普図始動口228に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。
また、この明細書にいう球検出センサとしては、具体的には、一般入賞口226、第1特図始動口230、第2特図始動口232、可変入賞口234など所定の入賞口に入賞した球を検出するセンサや、普図始動口228を通過する球を検出するセンサがあげられる。
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、制御状態を表す情報等)を出力する。
また、主制御部300には、電源管理部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。低電圧信号は、主制御部300のCPU304を動作させるための電気系統に異常があることを表す電気系統異常信号であり、電圧監視回路338は電気系統異常信号出力手段の一例に相当する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。主制御部300のCPU304は、遊技制御手段の一例に相当する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路402には、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406が接続されている。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418の制御を行うための駆動回路420と、演出可動体224の駆動制御を行うための駆動回路422と、演出可動体224の現在位置を検出する演出可動体センサ424と、図1に示すチャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、演出可動体センサ424やチャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、を接続している。
さらに、第1副制御部400には、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)208および遮蔽装置246の制御を行うための第2副制御部500が接続されている。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源管理部660について説明する。
払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて図2に示す払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、図1に示す発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
電源管理部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給する。主制御部300、第1副制御部400、および発射制御部630は、払出制御部600から所定電圧の供給を受ける。また、電源管理部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源管理部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第1副制御部400と発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
<図柄の種類>
次に、図5(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、装飾図柄表示装置208、普通図柄表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
図5(a)は特図の停止図柄態様(第1の図柄態様)の一例を示したものである。第1特図始動口230に球が入球したことを球検出センサである第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、第2特図始動口232に球が入球したことを球検出センサである第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」(特図変動遊技)を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」(特図変動遊技)を行う。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を特図の変動停止表示と称することがある。この特図の変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。
図5(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図C」の3種類の特図が示されている。図5(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
本実施形態では、特図の停止図柄態様として、2種類の大当り図柄(「特図A」および「特図B」)が用意されている。「特図A」は15ラウンド(R)特別大当り図柄(大当り図柄1)であり、「特図B」は2R特別大当り図柄(大当り図柄2)である。ここにいうラウンドとは、所定量の遊技価値(所定球数)を獲得することができるチャンスの回数をいう。本実施形態では、図3に示す可変入賞口234の作動回数を表すものであり、15ラウンドとは、可変入賞口234の1または複数回の開閉動作を1回(1回の作動)として、この作動が15回続くことを意味する。すなわち、1回の作動が、開閉状態が第1の開閉状態(ここでは閉状態)から第2の開閉状態(ここでは開状態)に変化する特定変化の一例に相当し、可変入賞口234は、大当り遊技中に、この特定変化を複数の定数回(15ラウンドの場合であれば15回)行うものである。各ラウンドは所定のラウンド終了条件(例えば所定球数(一例として10球)の遊技球の進入、所定量の遊技価値(所定球数)の獲得、ラウンド開始から所定時間の経過などのうちのうちの1または複数)が成立することにより終了する。本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。本実施形態では、大当り遊技終了後、特図変動遊技が100回行われる間、特図高確率状態が維持される。特図低確率状態は第1の確率制御状態の一例に相当する。また、大当り遊技終了後に特図高確率状態になることを特図確変と称することもあり、大当り遊技終了後に大当りに当選する確率が高くなっている状態(特図高確率状態)は、遊技者の有利度が高くなる制御状態であって第2の確率制御状態の一例に相当する。この特図高確率状態を確変状態と称することがある。なお、本明細書では制御状態という遊技台(パチンコ機100)の内部における状態をさす文言を用いて説明するが、この制御状態という文言にはいわゆる遊技状態の概念が含まれる。この確率制御状態の移行は主制御部300が行い、主制御部300は、確率制御状態移行手段の一例に相当する。
また、15R特別大当り遊技終了後および2R特別大当り遊技終了後はいずれも電チューサポート(電サポ)有りの状態(以下、電サポ状態と称する)に移行する。電サポ状態とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くする等して、遊技者の有利度が非電サポ状態より高い所定状態のことをいう。この電サポ状態は、このパチンコ機100に用意された制御状態の一つであり、時短状態と称されることもある。すなわち、電サポ状態(時短状態)は、大当り遊技の終了を条件に開始される。なお、厳密にいえば、「電サポ状態」はあくまでも普図がらみの状態であり、「時短状態」は特図がらみの状態または普図および特図がらみの状態である。主制御部300のRAM308には時短フラグが用意されており、その時短フラグがオンに設定されていると、電サポ状態であり、普図高確率状態である。
普図始動口228に遊技球が進入すると、可変始動領域である第2特図始動口232の一対の羽根部材2321は、電サポ状態(普図高確率状態)であれば必ず1又は複数回開閉し、非電サポ状態(普図低確率状態)であれば必ず閉じた状態を維持する。本実施形態では、普図始動口228に遊技球が進入すると、可変始動領域である第2特図始動口232の一対の羽根部材2321は、電サポ状態であれば1回だけ4秒間開放したあと閉じた状態に戻るが、4秒開放して0.1秒閉鎖することを所定回繰り返してもよい。さらに、本実施形態では、電サポ状態の方が、非電サポ状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。例えば、非電サポ状態では1.3秒の普図変動遊技の変動時間が電サポ状態では1.2秒に僅かながら短縮される。ただし、電サポ状態になったとしても、この普図変短は必ずしも行わなくてもよい。
また、時短フラグは、大当り遊技状態中(第2の制御状態中)にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、非電サポ状態が維持される。これは、大当り遊技中に電サポ状態であると、大当り遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に第2特図始動口232に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。
一方、非電サポ状態では、電サポ状態よりも遊技球が第2特図始動口232に進入し難い。上述のごとく、第2特図始動口232は、遊技球が進入する入り口の大きさが小サイズと大サイズのうちのいずれか一方のサイズからいずれか他方のサイズに変化するものである。この第2特図始動口232は、入り口が、非電サポ状態では小サイズに維持されるが、電サポ状態では大サイズになり、遊技球の進入率が高められる。すなわち、非電サポ状態では、遊技球が可変始動領域である第2特図始動口232に第1の進入率で進入するのに対して、電サポ状態では、遊技球が第2特図始動口232に上記第1の進入率よりも進入率が高い第2の進入率で進入する。したがって、非電サポ状態が第1の進入率制御状態あるいは所定の第1の制御状態の一例に相当し、電サポ状態が第2の進入率制御状態あるいは特別な第1の制御状態の一例に相当する。
本実施形態では、「特図A」の15R特別大当り図柄(大当り図柄1)および「特図B」の2R大当り図柄(大当り図柄2)いずれも、大当り遊技終了後、特図変動遊技が100回行われる間、電サポ状態が維持される。
15R特別大当り図柄(大当り図柄1)である「特図A」や2R特別大当り図柄(大当り図柄2)である「特図B」は、特図高確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に付与する利益量が相対的に大きな利益量になる図柄である。なお、特図低確率普図高確率状態の大当り(確変無しの大当り)や、特図高確率普図低確率状態の大当り(電サポなしの大当り)を設けてもよい。
さらに、本実施形態では、特図の停止図柄態様として、ハズレ図柄(「特図C」)も用意されている。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機100では、遊技者の有利度が高い第2の有利度の大当り制御状態(第2の制御状態と称する)と、第2の有利度よりは有利度が低い第1の有利度の非当り制御状態(第1の制御状態)とが用意され、パチンコ機100は第2の制御状態と第1の制御状態のうちのいずれか一方の制御状態をとる。これらの制御状態の移行も主制御部300が行い、主制御部300は、制御状態移行手段の一例にも相当する。
なお、本実施形態のパチンコ機100には、大当り図柄1として「特図A」以外の図柄も用意されており、大当り図柄2等の他の図柄についても同様である。
第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、当否決定結果(抽選結果)を報知する図柄表示手段に相当する。
図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口230または第2特図始動口232に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。すなわち、装飾図柄表示装置208は、第1特別図柄表示装置212および第2特別図柄表示装置214とは別に、装飾図柄を変動表示するものである。そして、装飾図柄の組合せである停止図柄態様(第2の図柄態様)を停止表示する。「特図A」である大当り図柄1を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ2”(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾7−装飾7−装飾7」等)を停止表示する。また、「特図B」である大当り図柄2を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、同じ偶数の装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ1”(例えば「装飾2−装飾2−装飾2」や「装飾4−装飾4−装飾4」等)を停止表示する。また、「特図C」であるハズレ図柄を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、“装飾図柄の組合せ1”〜“装飾図柄の組合せ4”以外の装飾図柄の組合せ(例えば、ばらけ目)を停止表示する。以下、装飾図柄表示装置208において、この「装飾図柄の変動表示」を開始してから装飾図柄の停止図柄態様(例えば、“装飾図柄の組合せ2”)を停止表示するまでの一連の表示を装飾図柄の変動停止表示と称することがある。
なお、特図1や特図2の停止図柄態様(図5(a)参照)と、装飾図柄表示装置208の左中右の各図柄表示領域208a〜cに表示される一つの装飾図柄の停止図柄態様(同図(b)参照)は、装飾図柄(同図(b)参照)の方が大きい。
図5(c)は普図の停止図柄態様(第2の図柄態様)の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当り図柄である「普図A」と、はずれ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを球検出センサであるゲートセンサが検出したことに基づいて、普図表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」(普図変動遊技)を行う。そして、変動時間が経過した後に、当り図柄である「普図A」とはずれ図柄である「普図B」の内のいずれか一方の図柄を停止表示する。この図5(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
以下、この「普図の変動表示」を開始してから普図の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を普図の変動停止表示と称することがある。普図表示装置210は、本発明にいう図柄表示手段の一例に相当する。
<主制御部メイン処理>
次に、図6(a)を用いて、図4に示す主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示す主制御部300のRAM308には、大当り時特図1判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、大当り時特図2判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、大当り時特図1判定用乱数カウンタ、大当り時特図2判定用乱数カウンタ、特図タイマ番号決定用乱数カウンタ、および特図事前予告カウンタの各カウンタが設けられている。また、そのRAM308には、特図1および特図2ごとに、保留数、大当り判定用乱数値、大当り時特図判定用乱数値、当否事前判定結果、特図事前判定結果、当否判定結果、特図決定結果、および特図タイマ決定結果それぞれが記憶される。さらにRAM308には、当否判定(抽選)の開始を保留することができる最大数(この例では4つ)の領域に区分けされた特図の保留記憶部が特図1と特図2で別々に用意されている。特図1の保留記憶部には、特図1大当り判定用乱数値および大当り時特図1判定用乱数値の2つの乱数値を1セットにしてこれら2つの乱数値が入賞順(保留順)に1セットずつ1領域ごとに格納される。また、特図2の保留記憶部には、特図2大当り判定用乱数値および大当り時特図2判定用乱数値の2つの乱数値を1セットにしてこれら2つの乱数値が入賞順(保留順)に1セットずつ1領域ごとに格納される。
上述したように、図4に示す主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図6に示す主制御部メイン処理を実行する。
ステップS101では、初期化処理を行う。この初期化処理では、まず、初期設定1として、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、およびWDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。次に、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する(以下、この処理をWDT処理と称する)。WDT処理に続いて、ステップS101の初期化処理では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660が第2副制御部500を介して主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはWDT処理に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)には初期設定2を行う。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
次いで、ステップS103では、割り込み禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。ここでの基本乱数初期値更新処理では、大当り時特図判定用乱数カウンタそれぞれの初期値を生成するための2つの初期値生成用カウンタを更新する。この基本乱数初期値更新処理の終了後にステップS105に進む。
ステップS105では、演出乱数更新処理を行う。主制御部300のRAM308には、特図用および普図用それぞれのタイマ番号決定用乱数カウンタが設けられており、これらのカウンタはいずれも、0から99の範囲の値を取り得るタイマ番号決定用乱数値を生成する。ステップS105では、このカウンタの値を更新する。この演出乱数更新処理の終了後に割り込み許可の設定を行ってステップS103に戻る。
主制御部300は、所定の周期(例えば4ms)ごとに開始するタイマ割り込み処理を行っている間を除いて、ステップS103およびS105の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図6(b)を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。図6(b)は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示す主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約4msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。なお、このタイマ割込処理スタート時には、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避したり、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行ったりする。
まず、ステップS201では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種の球検出センサを含む図4に示す各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、このステップS201では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、第1特図始動口230、および第2特図始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口226、234やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
基本乱数初期値更新処理(ステップS203)では、大当り時特図1判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタの値を0〜99の範囲で更新し、続く基本乱数更新処理(ステップS205)では、大当り時特図1判定用乱数カウンタの値、および大当り時特図2判定用乱数カウンタの値それぞれを0〜99の範囲で更新し、大当り時特図1判定用乱数カウンタが1周するごとに、その生成用カウンタの値を、大当り時特図1判定用乱数カウンタにセットする。また、大当り時特図2判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタおよび大当り時特図2判定用乱数カウンタも、特図1のそれらと同様に処理する。
ステップS207では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特図表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、第2特図表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
続いて、入賞判定処理(ステップS209)を行う。
図7は、図6(b)に示す入賞判定処理(ステップS209)の流れを示すフローチャートである。
まず、第1特図始動口230に関する処理を行う。図7に示すステップS209aでは、第1特図始動口230への入賞があったか否かを判定する。ここでは、図6に示すステップS201における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。入賞があった場合にはステップS209bに進み、入賞がなかった場合にはステップS209gに進む。主制御部300のRAM308には特図1保留数記憶領域が設けられている。特図1保留数記憶領域は、特図1の当否判定が未だ行われていない未判定回数を、所定の上限回数(ここでは4)まで記憶する第1の未判定回数記憶手段の一例に相当する。ステップS209bでは、RAM308の特図1保留数記憶領域を参照し、保留している特図1変動遊技の数が所定の上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定し、所定数未満の場合はステップS209cに進む。
ステップS209cでは、所定の始動情報を取得する。すなわち、このステップS209cでは、所定の始動情報として、特図1大当り判定用乱数値および大当り時特図1判定用乱数値を取得する。特図1大当り判定用乱数値は、図4に示す乱数値生成回路318の、第1特図始動口230に対応した乱数値記憶用レジスタから取得した値を加工した値(例えば、取得した値+Rレジスタの値+1)である。一方、大当り時特図1判定用乱数値は、RAM308に設けられた大当り時特図1判定用乱数カウンタから導出されたソフトウェア乱数を加工した値(ソフトウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)である。図4に示す乱数値生成回路318の、第1特図始動口230に対応した乱数値記憶用レジスタ、RAM308に設けられた大当り時特図1判定用乱数カウンタ、および乱数加工を施す主制御部300を併せたものが、第1の始動情報導出手段の一例に相当する。さらに、このステップS209cでは、RAM308に設けた特図1保留数記憶領域の値を更新する。すなわち、特図1保留数記憶領域の値に1を加算し、特図1の保留数が1増加する。したがって、主制御部300のCPU304が第1保留手段の一例に相当する。ステップS209cの実行が終了すると、ステップS209dに進む。
一方、保留している特図1変動遊技の数が所定数以上の場合は、ステップS209gに進み、RAM308の特図1保留数記憶領域の値に1を加算することは行われない。
ステップS209dでは、RAM308に設けた特図1の保留記憶部の、入賞順(保留順)に応じた空いている領域に、ステップS209cで取得した特図1大当り判定用乱数値および大当り時特図1判定用乱数値を、1セットの始動情報として記憶する。この特図1の保留記憶部は、第1特図始動口230(固定始動領域)に遊技球が進入したことに基づいて導出された始動情報を所定の第1上限数(ここでは4個)まで記憶可能な第1始動情報記憶手段の一例に相当する。このとき1セットの始動情報をRAM308に設けた一時領域に一旦記憶し、その一時領域に記憶された値を特図1の保留記憶部に記憶してもよく、この場合、一時領域を第1始動情報記憶手段としてもよいし、特図1の保留記憶部および一時領域を第1始動情報記憶手段としてもよい。
ステップS209dに続いて実行されるステップS209eでは、RAM308に設けた送信情報記憶領域に、特図変動遊技の保留の増加(特図保留増加)を示す情報を追加記憶し、ステップS209fでは、送信用情報として特図1を示す情報を追加記憶する。後述するコマンド設定送信処理(図6(b)に示すステップS215)で実行される一般コマンド回転開始設定送信処理では、この送信情報記憶領域に記憶された特図1についての保留増加を示す情報を参照することにより、図柄変動開始コマンドを前回送信してから今回送信するまでの間(後述する特図1関連抽選処理において前回抽選してから今回抽選するまでの間)に増加した第1特図変動遊技の保留数を得ることができる。
次に、第2特図始動口232に関する処理を行う。図7に示すステップS209gからステップS209lまでの各ステップは、上述のステップS209aからステップS209fまでの各ステップにおける「第1」を「第2」に読み替えるとともに「特図1」を「特図2」に読み替えたステップと同一である。ここでは、保留に関する事項を中心に説明し、他の事項についての説明は省略する。
主制御部300のRAM308には特図2保留数記憶領域も設けられており、この特図2保留数記憶領域は、特図2の当否判定が未だ行われていない未判定回数を、所定の上限回数(ここでは4)まで記憶する第2の未判定回数記憶手段の一例に相当する。ステップS209hでは、RAM308の特図2保留数記憶領域を参照し、保留している特図2変動遊技の数が所定の上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定し、所定数未満の場合はステップS209iに進む。
ステップS209iでは、特図2大当り判定用乱数値、および大当り時特図2判定用乱数値を取得するとともに、RAM308に設けた特図2保留数記憶領域の値を更新する。特図2大当り判定用乱数値は、図4に示す乱数値生成回路318の、第2特図始動口232に対応した乱数値記憶用レジスタから取得した値を加工した値(例えば、取得した値+Rレジスタの値+1)である。一方、大当り時特図2判定用乱数値は、RAM308に設けられた大当り時特図2判定用乱数カウンタから導出されたソフトウェア乱数を加工した値(ソフトウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)である。乱数値生成回路318の、第2特図始動口232に対応した乱数値記憶用レジスタ、RAM308に設けられた大当り時特図2判定用乱数カウンタ、および乱数加工を施す主制御部300を併せたものが、第2の始動情報導出手段の一例に相当する。
ステップS209jでは、RAM308に設けた特図2の保留記憶部に、ステップS209iで取得した特図2大当り判定用乱数値および大当り時特図2判定用乱数値を、1セットの始動情報として記憶する。この特図2の保留記憶部は、第2特図始動口232(可動始動領域)に遊技球が進入したことに基づいて導出された始動情報を所定の第2上限数(ここでは4個)まで記憶可能な第2始動情報記憶手段の一例に相当する。
第2特図始動口232に関する処理が終了すると、今度は、普図始動口228および可変入賞口234に関する処理を行う。まず、普図始動口228に関する処理では、普図始動口228への入賞があったか否かを判定する(ステップS209m)。ここでも、上述のステップS201における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。入賞があった場合にはステップS209nに進み、入賞がなかった場合にはステップS209rに進む。ステップS209nでは、RAM308に設けた普図保留数記憶領域を参照し、保留している普図変動遊技の数が所定数(本実施形態では2)未満であるか否かを判定し、所定数未満の場合はステップS209qに進む。一方、所定数以上の場合は、ステップS209rに進む。ここで説明したステップS209mおよびステップS209nの判定条件が、本発明にいう所定の判定条件の一例に相当し、ステップS209oへ進む場合が、その判定条件を満足した場合の一例に相当する。
ステップS209qでは、後述するコマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド普図保留増加設定処理を実行させるために、RAM308に設けた送信情報記憶領域に、普図保留増加を示す情報を送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
次に、可変入賞口234に関する処理を行う。まず、ステップS209rでは、可変入賞口234への入賞があったか否かを判定する。ここでも、ステップS201における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。入賞があった場合にはステップS209sに進み、入賞がなかった場合には図6(b)に示す主制御部タイマ割り込み処理に復帰する。
主制御部300のRAM308には、可変入賞口用の入賞記憶領域も設けられている。ステップS209sでは、RAM308に設けた可変入賞口用の入賞記憶領域に、可変入賞口234に球が入球したことを示す情報を格納する。
ステップS209tでは、後述するコマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド可変入賞口入賞処理を実行させるために、RAM308に設けた送信情報記憶領域に、可変入賞口入賞を示す情報であるDHを送信情報(コマンド種別)として追加記憶した後、図6(b)に示す主制御部タイマ割り込み処理に復帰する。
また、この入賞判定処理(ステップS209)が終了すると特図先読み処理が呼び出される。
図8は、主制御部300のCPU304が実行する特図先読み処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS221では、特図2の始動情報の増加があったか否か、すなわちRAM308に設けた保留記憶部に、特図2についての始動情報(1セット分の乱数値である特図2大当り判定用乱数値および大当り時特図2判定用乱数値)が追加されたか否かを判定し、増加していれば(追加されていれば)、増加した特図2の始動情報を先読みして特図2の停止図柄を事前判定する(ステップS222)。このステップS222では、特図2の保留記憶部(第2の始動情報記憶手段)が始動情報を記憶したタイミングに応じてその特図2の保留記憶部からその始動情報を先読みし、将来行われる後述する特図2関連抽選処理における当否判定結果と停止する図柄を、図9(a)および(b)に示す判定テーブルを用いて事前に判定する。
図9(a)は、先読み処理で用いられる当否事前判定用テーブルを示す図であり、同図(b)は、同じく先読み処理で用いられる特図事前判定用テーブルを示す図である。これらのテーブルは、主制御部300のROM306に記憶されている。
本実施形態のパチンコ機100では、大当りに当選する確率が相対的に低い特図低確率状態と、相対的に高い特図高確率状態のいずれか一方の制御状態にある。特図高確率状態であることは確率変動中と呼ばれる。主制御部300のRAM308には、確変フラグが用意されている。この確率変動グラグがオンに設定されていると、特図高確率状態(確率変動中)であり、確率変動グラグがオフに設定されていると、特図低確率状態である。
図9(a)に示す当否事前判定用テーブルには、特図高確率状態と特図低確率状態とに分けて乱数範囲が規定されている。まず、特図2大当り判定用乱数値を先読みし、その特図2大当り判定用乱数値が、図9(a)に示す当否事前判定用テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかについて判定する。すなわち、RAM308に用意された確変フラグを参照し、特図低確率状態の場合には、先読みした特図2大当り判定用乱数値が、1000〜1163であるときには、特図2当否事前判定結果は「大当り」と判定し、それ以外(0〜999,1164〜65535)であるときには、特図2当否事前判定結果は「ハズレ」と判定する。また、確変フラグを参照し、特図高確率状態の場合には、先読みした特図2大当り判定用乱数値が、1000〜2639であるときには、特図2当否事前判定結果は「大当り」と判定し、それ以外(0〜999,2640〜65535)であるときには、特図2当否事前判定結果は「ハズレ」と判定する。したがって、特図2大当り判定用乱数値が、1000〜1163であれば、特図高確率状態であっても特図低確率状態であっても、大当りになる。なお、後述する特図2関連処理(図6(b)に示すステップS213)でも、図9(a)に示す当否事前判定用テーブルの内容と同じ内容の当否判定用テーブルを用いて特図2変動遊技の当否判定を改めて行い、ここでの判定結果は、あくまで事前判定の結果である。
特図2当否事前判定結果が、「大当り」の場合には、RAM308に設けられた特図2の保留記憶部内の大当り時特図2判定用乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)を先読みし、その大当り時特図2判定用乱数値が図9(b)に示す特図事前判定用テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかについて判定する。図9(b)に示す特図事前判定用テーブルには、特図事前判定結果として、図5(a)に示す「特図A」(大当り図柄1である15R特別大当り図柄)と「特図B」(大当り図柄2である2R特別大当り図柄)それぞれに対応した乱数範囲が規定されている。先読みした大当り時特図2判定用乱数値が、0〜59であるときには特図2の特図事前判定結果を「大当り図柄1」と判定し、60〜99であるときには特図2の特図事前判定結果を「大当り図柄2」と判定する。なお、本実施形態では、大当図柄1も大当り図柄2もいずれも、確変付きの大当り図柄であるが、大当り図柄2を確変なしの大当り図柄にした場合には、特別大当り(確変付き大当り)か否かを事前判定していることにもなる。なお、図5(a)を用いて説明したように、ハズレ図柄は「特図C」の1種類しかないため、特図2当否事前判定結果が「ハズレ」の場合には、特図2の停止図柄の事前判定は行わない。また、ここでの判定結果も、あくまで事前判定の結果であり、特図の停止図柄の判定も後述する特図2関連処理(図6(b)に示すステップS213)において改めて行われる。
ステップS222に続くステップS223では、ステップS222で得た特図2の停止図柄情報(特図事前判定結果)を、RAM308に用意された特図2事前判定結果記憶領域に記憶する。一方、ステップS221における判定で増加していなければステップS224に進み、特図2の始動情報の先読みや事前判定は行わない。
ステップS224では、今度は、特図1の始動情報の増加があったか否か、すなわちRAM308に設けた保留記憶部に、1セット分の乱数値である、特図1大当り判定用乱数値および大当り時特図1判定用乱数値が追加されたか否かを判定し、増加していれば(追加されていれば)、大当り遊技状態中(例えば第2の制御状態中)であるか否かを判定する(ステップS225)。大当り遊技中でなければ、今度は、現在の制御状態が電サポ状態であるか否かを、RAM308に用意された、時短フラグを参照して判定し(ステップS226)、現在の制御状態が非電サポ状態であれば(時短フラグがオフ状態であれば)、ステップS227に進む。このステップS227では、まず、増加した特図1の始動情報のうちの特図1大当り判定用乱数値を先読みする。すなわち、特図1の保留記憶部(第1の始動情報記憶手段)が始動情報を記憶したタイミングに応じてその特図1の保留記憶部からその始動情報を先読みする。ステップS227でも、先のステップS222と同様に、現在の制御状態が特図確変ありの状態か否かに基づいて、図9に示す判定テーブルを用いて事前判定を行う。すなわち、特図1の事前判定でも、特図2の事前判定で用いた図9に示す判定テーブルを用いて、特図1当否事前判定結果および特図1の特図事前判定結果を得る。なお、ここでの判定結果も、あくまで事前判定の結果であり、特図1関連抽選処理(図6(b)に示すステップS213)でも別途、特図1の当否判定および停止図柄の判定を行う。
以上説明したステップS222およびステップS227を実行する主制御部300のCPU304が先読手段および事前判定手段に相当する。
ステップS227に続くステップS228では、ステップS227で得た特図1の停止図柄情報(特図事前判定結果)を、RAM308に用意された特図1事前判定結果記憶領域に記憶し、ステップS230へ進む。
一方、ステップS224における判定で増加していなければ図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理に復帰し、特図1の始動情報の先読みや事前判定は行わない。また、ステップS225において大当り遊技中であった場合、および現在の制御状態が電サポ状態(時短フラグがオン状態)であった場合にも、特図1の始動情報の先読みや事前判定は行わず、これらの場合には、先読みした特図1の始動情報に基づく停止図柄の事前判定が行われていないことを表す「未判定」情報を、特図1事前判定結果記憶領域に記憶し(ステップS229)、図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理に復帰する。すなわち、一対の羽根部材2321が設けられていない始動口(状態が固定的な始動領域である第1特図始動口230)へ入球したことに基づいて、大当り遊技中および電サポ中に取得した始動情報に基づく事前判定は行われず、その事前判定結果の報知も行われない。こうすることによって、遊技者の公平性が担保される。なお、本実施形態では、始動情報自体の先読みも行わないが、先読みは行って事前判定およびその結果報知は行わない態様であってもよく、さらには、先読みおよび事前判定は行うが、事前判定結果の報知は行わない態様であってもよい。
図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理では、ステップS209の入賞判定処理に続いて普図関連処理を行う(ステップS211)。この普図関連処理では、まず、普図状態更新処理として、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における処理では、普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における処理では、当り図柄(図5(c)に示す普図A)およびハズレ図柄(図5(c)に示す普図B)のいずれか一方の表示態様となるように普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、ここでの普図関連処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は、当り図柄およびハズレ図柄のいずれか一方の図柄態様の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば0.6秒間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を必ず設定する。この設定により、確定表示された当り図柄が所定期間、必ず停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。このようにして普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う主制御部300のCPU304が、図柄表示制御手段の一例に相当する。
また、上記所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図関連処理では、電サポ状態であれば、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(本実施形態では4秒間)、第2特図始動口232の羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を開放状態に保持する信号を必ず出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を必ず設定する。このようにして一対の羽根部材2321の開放制御を行う主制御部300のCPU304が、可変始動領域制御手段の一例に相当する。一方、非電サポ状態であれば、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定するとともに、第2特図始動口232の羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)には、何ら信号を出力しない。こうすることで、羽根部材2321は閉じた状態のままになる。なお、羽根部材2321を閉じた状態に維持するための信号を必ず出力するようにしてもよい。
また、電サポ状態であった場合には、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する処理では、所定の閉鎖期間(例えば0.1秒間)、羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、電サポ状態であった場合には、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図関連処理において、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。
図10は、これまで説明した普図状態更新処理の一部を含ませて普図関連抽選処理の流れを示してみたフローチャートである。
まず、普図変動遊技を行っておらず(普図非変動表示中)、第2特図始動口232の開閉制御も行っていない(普図非作動中)か否かを判定する(ステップS211a)。主制御部300のCPU304は、RAM308の設定領域を参照して判定し、普図非変動表示中あるいは普図非作動中であれば、ステップS211bに進み、今度は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域を参照し、普図変動遊技の保留数が0より大きいか否かを判定する。すなわち、保留している普図変動遊技の数が1以上であるか否かを判定し、1以上であれば、ステップS211cへ進む。
ステップS211cでは、現在の制御状態が電サポ状態であるか否かを判定し、電サポ状態であれば、図5(c)に示す当り図柄(普図A)を表すデータを普図決定結果としてRAM306の所定領域に設定するとともに、一対の羽根部材2321の開放パターン(1回4秒開放して閉じた状態を維持する開閉情報)を表すデータもRAM306の所定領域に設定し(ステップS211d)、ステップS211fに進む。ここで設定された普図の停止図柄を表すデータは、後述するデバイス監視処理(ステップS219)が実行されることで、普図表示装置210を駆動する駆動回路326に出力される。また、ここで設定された開放パターンを表すデータは、普図の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)においてデバイス監視処理(ステップS219)が実行されることで、第2特図始動口232の一対の羽根部材2321を駆動するソレノイド(332)に出力され、一対の羽根部材2321は開放パターンを表すデータに基づいて開閉する。一方、非電サポ状態であれば、図5(c)に示すハズレ図柄(普図B)を表すデータを普図決定結果としてRAM306の所定領域に設定し(ステップS211e)、ステップS211fに進む。このステップS211eでは、開閉パターンを表すデータを設定することはなく、開放パターンを表すデータはソレノイド(332)に出力されず、羽根部材2321は閉じた状態のままになる。なお、羽根部材2321を閉じた状態に維持することを表すデータを設定し、ソレノイド(332)に出力するようにしてもよい。
なお、電差ポ状態であれば、開放パターンを設定するとともに、RAM308の設定領域に普図作動中を予約設定(仮設定)しておき、普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミングで、普図作動中を設定(本設定)する。一方、非電サポ状態であれば、RAM308の設定領域に普図非作動中を予約設定(仮設定)しておき、普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミングで、普図非作動中を設定(本設定)する。
ステップS211fでは、普図変動時間および普図停止時間を判定し、普図変動時間を設定する。
図11は、普図関連処理で用いられる普図タイマ番号決定用テーブルを示す図である。このテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。この図11に示すテーブルには、参考までにタイマ番号に対応した、普図変動表示時間(変動時間)および停止図柄の表示時間(停止時間)が示されている。
ステップS211fでは、図11に示す普図タイマ番号決定用テーブルを用いて普図のタイマ番号を選択し、普図タイマ番号決定結果、すなわち普図変動時間を表す値を、普図表示図柄更新タイマに設定する。すなわち、先のステップS211eにおいて、図5(c)に示す当り図柄(普図A)を表すデータを普図決定結果としてRAM306の所定領域に設定した場合には、普図タイマ番号決定結果は普図タイマ1に決定し、先のステップS211dにおいて、図5(c)に示すハズレ図柄(普図B)を表すデータを普図決定結果としてRAM306の所定領域に設定した場合には、普図タイマ番号決定結果は普図タイマ2に決定する。普図タイマ1に決定されると普図変動表示が0.6秒行われ、相対的に短い変動時間になり、普図タイマ2に決定されると普図変動表示が0.7行われず、相対的に長い変動時間になる。この結果、普図の変動表示停止時間は、普図タイマ1に決定されると1.2秒になり、普図タイマ2に決定されると1.3秒になる。なお、普図停止時間は、タイマ番号ごと、0.5秒以上の異なる値にしてもよい。なお、普図停止時間を表す値は、RAM308の設定領域に一旦設定され、上述の普図状態更新処理において、普図停止時間管理用タイマに設定される。
ステップS211fに続くステップS211gでは、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶されている値から1をデクリメントする。また、このステップS211gでは、使用した乱数をRAM308上から消去することも行う。次いで、RAM308の設定領域に普図変動表示中を設定し(ステップS211h)、図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理に復帰する。
一方、ステップS211aにおける判定で、普図変動表示中であった場合や普図作動中であった場合、およびステップS211bにおける判定で、普図変動遊技の保留数が0であった場合には、普図の停止図柄や普図変動時間を設定することなく、図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理に復帰する。
以上説明したように、ステップS211の普図関連処理では、ステップS209の入賞受付処理におけるステップS209mおよびステップS209nの判定条件が成立した場合には、電サポ状態であれば必ず、普図の図柄変動表示を行なってから普図の図柄態様として当り図柄を停止表示するとともに可変始動領域である第2特図始動口232の大きさを小サイズである第1の大きさから大サイズである第2の大きさに変化させる。一方、ステップS209の入賞受付処理におけるステップS209mおよびステップS209nの判定条件が成立した場合には、非電サポ状態であれば必ず、普図の図柄変動表示を行なってから普図の図柄態様としてハズレ図柄を停止表示するとともに可変始動領域である第2特図始動口232の大きさを小サイズの大きさのまま維持する。
図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理では、以上説明したステップS211の普図関連処理に続いて特図関連処理(ステップS213)を行う。この特図関連処理では、まず最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う。この特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、第2特図表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、第2特図表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。
また、主制御部300のRAM308には、15R大当りフラグ、および確変フラグが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、15R大当りフラグはオン、確変フラグもオンの場合には図5(a)に示す特図A、15R大当りフラグはオフ、確変フラグはオンの場合には特図B、15R大当りフラグも確変フラグもオフの場合には特図Cそれぞれの態様となるように、第2特図表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、第2特図表示装置214は、大当り図柄1(特図A)、大当り図柄2(特図B)、およびハズレ図柄(特図C)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた電サポ回数記憶部に記憶された電サポ回数が1以上であれば、その電サポ回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図高確率状態でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中にも、時短フラグをオフする。すなわち、主制御部300のCPU304は、大当り遊技状態中(第2の制御状態中)である場合に、非電サポ状態(第1の進入率制御状態)にする。
また、後述するコマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に4Hを送信情報(一般情報)として追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、特図2変動遊技の開始時に大当りフラグがオンされている。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に5Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで。)図3に示す可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に7Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に8Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、この扉部材2341の開放・閉鎖制御を所定回数(例えば15ラウンドや2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。
以上説明したように、主制御部300のCPU304は、大当り遊技状態中(第2の制御状態中)に、可変入賞口234の扉部材2341の開閉状態の変化制御を行う可変入賞制御手段の一例に相当する。なお、主制御部300のROM306には、可変入賞口234の扉部材2341の開閉パターンが記憶されており、主制御部300のCPU304は、そのROM306から、特図変動遊技の当否判定に応じた開閉パターンを取得する。
また、本実施形態では、確変付きであれば電サポも付いているため、確変フラグがオンに設定されていれば、大当り遊技の終了と同時に、主制御部300のCPU304は、RAM308に設けられた電サポ回数記憶部に電サポ回数100回をセットするともに、RAM308に設けられた時短フラグをオンする。なお、確変フラグがオフに設定されていれば、電サポ回数記憶部に電サポ回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンすることもない。なお、上述したように、時短フラグがオンに設定されていると、電サポ状態(普図高確率状態)である。主制御部300のCPU304は、遊技球の、第2特図始動口232(可変始動領域)への進入率を制御した状態である進入率制御状態を、第1の進入率制御状態である非電サポ状態から第2の進入率制御状態である電サポ状態に移行させる進入率制御手段の一例に相当する。また、確変フラグがオンに設定されていること、言い換えれば、特図の当否判定で大当りに当選したことが本発明にいう特定の条件の一例に相当する。以上のことから、本実施形態のパチンコ機100では、特図の当否判定で大当りに不当選の場合(特定の条件が未成立の場合)には、大当り遊技状態(第2の制御状態)から非大当り遊技状態(第1の制御状態)に移行しても、非電サポ状態(第1の進入率制御状態あるいは所定の第1の制御状態)から電サポ状態(第2の進入率制御状態あるいは特別な第1の制御状態)に移行させずに非電サポ状態(第1の進入率制御状態あるいは所定の第1の制御状態)を継続させ、特図の当否判定で大当りに当選(特定の条件が成立)していて、かつ大当り遊技状態(第2の制御状態)から非大当り遊技状態(第1の制御状態)に移行した場合には、非電サポ状態(第1の進入率制御状態あるいは所定の第1の制御状態)から電サポ状態(第2の進入率制御状態あるいは特別な第1の制御状態)に移行させる。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に6Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果がハズレであれば、ハズレフラグがオンされる。このハズレフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次の処理に移行するようにしている。
続いて、特図関連処理では、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
特図2状態更新処理および特図1状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。この特図関連抽選処理では、抽選(当否判定)の実行、停止表示する特図の決定、およびタイマ番号の決定を行う。特図関連抽選処理を実行する主制御部300のCPU304が当否判定手段の一例に相当する。この特図関連抽選処理では、まず、所定の当否判定禁止条件が不成立であるか否かの判定を行う。ここでは、第2特図表示装置214が特図変動表示中であるか、または停止表示中であるか否かを判定し、いずれかの表示中である場合には主制御部タイマ割り込み処理に戻り、いずれの表示中でもない場合には、特図作動中に設定されているか特図非作動中に設定されているかを判定し、特図作動中に設定されていれば主制御部タイマ割り込み処理に戻り、特図非作動中に設定されていれば、当否判定禁止条件が不成立であったことになり、今度は、所定の当否判定条件が成立しているか否かの判定を行う。ここでの判定は、RAM308に設けた特図2の保留記憶部を参照し、特図2変動遊技の保留数が0より大きいか否かを判定する。保留数が0であれば、主制御部タイマ割り込み処理に戻り、1以上であれば、所定の当否判定条件が成立していることになり、RAM308に設けられた保留記憶部から、最も過去に格納した始動情報である1セット分の乱数値(大当り判定用乱数値および大当り時特図判定用乱数値)を取り出し、その保留記憶部にまだ格納されている始動情報(乱数値のセット)を、今記憶されている領域から隣の領域に移し替える。すなわち、最も過去に格納した始動情報を保留記憶部から取り出し、さらに保留記憶部に始動情報が格納されていれば、N番目に古い始動情報を保留記憶部におけるN−1番目に古い始動情報として設定したことになる。また、RAM308に記憶している保留数を1減算する。RAM308の保留記憶部から1セット分の乱数値(大当り判定用乱数値および大当り時特図判定用乱数値)を取り出す処理を行う主制御部300が、始動情報取得手段の一例に相当する。
特図関連抽選処理では、最初に特図2についての処理(特図2関連抽選処理)が行われ、その後、特図1についての処理(特図1関連抽選処理)が行われる。このように、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、同じタイミング(所定の契機で開始した主制御部タイマ割込処理における入賞判定処理S209)で第1特図始動口230に遊技球が進入したことに基づいて始動情報を取得し、かつ第2特図始動口232に遊技球が進入したことに基づいて始動情報を取得した場合や、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合や、特図2変動遊技の開始条件と特図1変動遊技の開始条件の両方が成立している場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、第1特図表示装置212あるいは第2特図表示装置214による特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、主制御部300で行われ、第2特図始動口232への入賞に基づく抽選の結果報知が、第1特図始動口230への入賞に基づく抽選の結果報知よりも優先して行われ、抽選が行われていない始動情報として、特図1の始動情報と特図2の始動情報のうちの特図1の始動情報のみが残って鋳る状態で、特図2の始動情報が新たに記憶された場合には、新たに記憶された特図2の始動情報に基づく抽選の結果の報知が、既に記憶されていた特図1の始動情報に基づく抽選の結果の報知よりも先に行われる。したがって、この主制御部300が当否判定結果報知手段の一例に相当する。
特図2関連抽選処理と特図1関連抽選処理との違いは、特図2の保留記憶部に記憶されている始動情報を用いるか、特図1の保留記憶部に記憶されている始動情報を用いるかの違いだけであり、以下の説明では、特図2と特図1を特に区別しないで説明する。
図12(a)は、特図関連抽選処理で用いられる当否決定用テーブルを示す図であり、同図(b)は、特図関連抽選処理で用いられる特図決定用テーブルを示す図である。これらのテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。図12(a)に示す当否決定用テーブルの内容は図7(a)に示す当否先読み用テーブルの内容と同じであり、図12(b)に示す特図決定用テーブルの内容は図7(b)に示す特図先読み用テーブルの内容と同じである。
主制御部300のCPU304は、RAM308の保留記憶部から、始動情報すわなち1セット分の乱数値(大当り判定用乱数値および大当り時特図判定用乱数値)を取り出すと、まず、大当り判定用乱数値(取り得る数値範囲は0〜65535)が同図(a)に示す当否判定用テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、当否決定結果として「大当り」または「ハズレ」を導出する。この「大当り」または「ハズレ」を導出することが抽選(当否判定)に相当する。大当りの当選確率は、特図低確率状態では約1/400であるのに対して、特図高確率状態では1/40である。大当りは、第1の当否判定結果の一例に相当する。
当否決定結果が、「大当り」の場合には、今度は、大当り時特図判定用乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)が同図(b)に示す特図決定用テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、特図決定結果として「大当り図柄1」または「大当り図柄2」を導出する。なお、当否判定結果が、「ハズレ」の場合には、ハズレ用の特図は1種類であるため判定は行わない。特図決定結果は、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214によって停止表示されることになる図柄を表す情報である。上述のごとく、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214に「大当り図柄1」が停止表示されると、その後に行われる15Rの大当り遊技終了後、特図変動遊技が100回行われる間、確変状態と電サポ状態が維持される。また、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214に「大当り図柄2」が停止表示されると、その後に行われる2Rの大当り遊技終了後、特図変動遊技が100回行われる間、確変状態と電サポ状態が維持される。
図12(c)は、主制御部300のROM306に記憶されているテーブルセット選択テーブルを示す図である。
主制御部300のRAM308には、タイマ選択テーブルを表す情報を格納する領域(タイマ選択テーブル情報格納領域)が設けられている。また、本実施形態では、タイマ選択テーブルとして3種類のテーブルが用意されている。さらに、RAM308には、特図変動遊技の実行回数をカウントするカウンタが設けられている。この特図変動遊技実行回数カウンタの値が0より大きな値であれば、上述の特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング、すなわち第2特図表示装置214あるいは第1特図表示装置212による変動表示が終了し、確定した特図が所定期間停止表示された後、CPU304によってそれらの特図変動遊技実行回数カウンタの値が1減算される。
RAM308には、図12(c)に示す、ROM306に記憶されているテーブルセット選択テーブルのアドレスをさすポインタが用意されている。特図関連処理において大当り図柄1の特図決定結果が得られ、第1特図表示装置212あるいは第2特図表示装置214が図5(a)に示す「特図A」を停止表示させた場合、大当りの終了演出期間が終了したタイミングにおける特図状態更新処理では、テーブルセット選択テーブルの、大当り図柄1のデータが格納されている先頭アドレスに上記ポインタをセットし、特図変動遊技実行回数カウンタに90の値を設定するとともに、上記タイマ選択テーブル情報格納領域にテーブル2を表す情報を格納する。また、特図の停止表示が終了したタイミングにおける特図状態更新処理では、特図変動遊技実行回数カウンタの値が0より大きければ、そのカウンタの値を1だけ減算し、そのカウンタの値が0になるまでタイマ選択テーブル情報格納領域にテーブル2を表す情報を格納し続ける。特図変動遊技実行回数カウンタの値が1から0になった場合に、RAM308上の上記ポインタを進め、今度は、特図変動遊技実行回数カウンタに10の値をセットするとともに、タイマ選択テーブル情報格納領域にテーブル3を表す情報を格納する。特図の停止表示が終了したタイミングにおける特図状態更新処理では、特図変動遊技実行回数カウンタの値が0より大きければ、そのカウンタの値を1だけ減算し、そのカウンタの値が0になるまでタイマ選択テーブル情報格納領域にテーブル3を表す情報を格納し続ける。特図変動遊技実行回数カウンタの値が1から0になった場合に、RAM308上の上記ポインタをさらに進め、特図変動遊技実行回数カウンタに0の値をセットするとともに、タイマ選択テーブル情報格納領域に再びテーブル2を表す情報を格納する。そして、特図決定結果が切り替わるまで、特図の停止表示が終了したタイミングにおける特図状態更新処理では、特図変動遊技実行回数カウンタの値に0をセットし続け、タイマ選択テーブル情報格納領域にはテーブル2を表す情報を格納し続ける。
特図関連処理において大当り図柄2の特図決定結果が得られ、第1特図表示装置212あるいは第2特図表示装置214が図5(a)に示す「特図B」を停止表示させた場合にも同様にして、図12(c)に示すテーブルセット選択テーブルに従った処理が行われる。
なお、パチンコ機100のRAMクリア時には、上記タイマ選択テーブル情報格納領域にテーブル1を表す情報が格納される。
図13は、主制御部300のROM306に記憶されているタイマ番号決定用テーブルを示す図である。
図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理における特図関連処理(ステップS213)では、図12に示すテーブルを用いて当否決定結果や特図決定結果が得られると、RAM308に設けられたタイマ番号決定用乱数カウンタから、0から99の範囲の値を取り得るタイマ番号決定用乱数を取得する。このタイマ番号決定用乱数の取得タイミングは、特図変動開始直前のタイミングであるが、始動情報を取得するタイミングであってもよい。
主制御部300のCPU304は、取得したタイマ番号決定用乱数に基づいて、図13に示すタイマ番号決定用テーブルに規定されているタイマ番号を判定する。
タイマ番号は、第2特図表示装置214あるいは第1特図表示装置212が、図柄の変動を開始してから当否判定の結果を表す停止図柄を表示するまでの時間、すなわち特図の変動表示する時間(特図変動時間)を表すものであるが、装飾図柄の変動時間としてもよい。
図14は、タイマ番号と特図変動時間の関係を示す図である。
タイマ1は特図変動時間が2秒になる超短縮された変動時間になることを表し、タイマ2は特図変動時間が5秒になる短縮された変動時間になることを表す。なお、タイマ1あるいはタイマ2に決定されることを特図変短と称することがある。タイマ3は特図変動時間が10秒の通常の変動時間(基準となる変動時間)になることを表す。また、タイマ1〜タイマ3では図3に示す装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンはリーチなしになる。タイマ4は特図変動時間が12秒の変動時間になることを表し、タイマ4に決定されると装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンはノーマルリーチが選択される。ノーマルリーチとは、一般に2つの図柄表示領域(例えば、図3に示す左右図柄表示領域208a、208c)が等しい装飾図柄を停止表示し、残りの1つの図柄表示領域(例えば中図柄表示領域208b)が変動表示している状態のこと、すなわち、変動表示している図柄表示領域が特定の図柄(停止表示している図柄表示領域と等しい図柄)を停止表示すれば所定の大当り図柄の組合せ(図5(b)に示す“装飾図柄の組合せ1”や“装飾図柄の組合せ2”)を停止表示することとなる状態のことである。タイマ5は特図変動時間が40秒の変動時間になることを表し、タイマ6は特図変動時間が50秒の変動時間になることを表し、タイマ7は特図変動時間が20秒の変動時間になることを表す。タイマ5〜7に決定されると装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンはスーパーリーチが選択される。スーパーリーチは、ノーマルリーチにさらに特殊な変動表示等を加味して演出効果を向上させたもの(ロングリーチ、ノーマル逆転リーチ、ダブルラインリーチ等)である。なお、リーチにはこの他、特別マルチラインリーチ、全回転リーチ、特別全回転リーチ等の特殊変動もあり、単にリーチというときには、ノーマルリーチとスーパーリーチと特殊変動を含んだ装飾図柄の変動パターンを意味する。
このリーチは、特図関連処理(S213)の当否判定(本抽選)の結果が特定の当否判定結果(遊技者の有利度が高い所定の結果)になることを、その当否判定を行った後であってその当否判定の結果を報知する前に遊技者に事前に報知する予告演出であり、リーチを行うか否かは、その当否判定を行った後に決定される。
図13に示すように、特図決定結果がハズレ図柄(図5(a)に示す「特図C」)であったときには、タイマ選択テーブルとしてテーブル1が選択され、かつ保留数が0から2であれば、タイマ3が多くの場合は選択され、タイマ4が稀に選択され、タイマ5又はタイマ6がごく稀に選択される。一方、保留数が3であれば、タイマ2がほとんどの場合は選択され、タイマ5又はタイマ6がごく稀に選択される。また、タイマ選択テーブルとしてテーブル2が選択され、かつ保留数が0から2であれば、タイマ2がほとんどの場合は選択され、タイマ5又はタイマ6がごく稀に選択され、保留数が3であれば、タイマ1がほとんどの場合は選択され、タイマ5又はタイマ6がごく稀に選択される。さらに、タイマ選択テーブルとしてテーブル3が選択されていれば、保留数に関係なく、必ずタイマ7が選択される。
一方、特図決定結果が、大当り図柄1(図5(a)に示す「特図A」)であったり、あるいは大当り図柄2(図5(a)に示す「特図B」)であったときには、タイマ選択テーブルとしてテーブル1またはテーブル2が選択されていれば、保留数に関わらず、タイマ6がかなりの確率で選択され、タイマ5が時々選択され、タイマ4が稀に選択される。また、タイマ選択テーブルとしてテーブル3が選択されていれば、保留数に関係なく、必ずタイマ7が選択される。したがって、特図決定結果が大当り図柄1や大当り図柄2であったときには、必ず、リーチ演出が行われ10秒を越える相対的に長い特図変動時間になる。
続いて、図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理におけるコマンド設定送信処理(ステップS215)について説明する。このコマンド設定送信処理では、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンド、特図保留増加コマンド、普図保留増加コマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、特図停止図柄を表す情報、制御状態を表す情報(時短フラグおよび確変フラグの設定状態を表す情報)、上述のタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、制御状態を表す情報などを含み、当りラウンド数指定コマンドの場合であれば制御状態を表す情報、当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口230への入賞の有無、第2特図始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報、上述のタイマ番号、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している当りラウンド数、現在のラウンド数、制御状態を表す情報などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している現在のラウンド数、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
また、このステップS215では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、特図保留増加コマンドのコマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、制御状態を表す情報、事前判定した特図1あるいは特図2の停止図柄を表す情報(特図事前判定結果)を設定する。
さらに、このステップS215では一般コマンド普図保留増加処理も行われる。この一般コマンド普図保留増加処理では、普図保留増加コマンドのコマンドデータに、制御状態を表す情報等を設定する。また、主制御部300から第1副制御部400には、普図絡みのコマンドとして、普図の変動表示が開始した(する)ことを表す普図変動開始コマンドも送信される。なお、主制御部300から第1副制御部400には、普図の変動表示が停止した(する)ことを表す普図変動停止コマンドや、一対の羽根部材2321が開放を開始した(する)ことを表す電チュー開放開始コマンドや、一対の羽根部材2321が閉鎖した(する)ことを表す電チュー閉鎖コマンドを送信するようにしてもよい。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。また、第1副制御部400では、コマンドに含まれている当りラウンド数と現在のラウンド数に基づき、当り全ラウンドが終了するまでの残りラウンド数を取得する。
また、このコマンド設定送信処理では、図4に示す払出制御部600にもコマンドを送信する。払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
次に、図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理では、外部出力信号設定処理(ステップS217)を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、図4に示す情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
ステップS219では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、上述のステップS201において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。ここで設定したデバイス情報は基本コマンドに含められて、第1副制御部400に送信される。また、図4に示す各種ソレノイド332を駆動して第2特図始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、表示回路324、326、330を介して普通図柄表示装置210、第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。
ステップS219のデバイス監視処理が終了すると、図6(a)に示す主制御部メイン処理に復帰するが、復帰前には、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行う。また、復帰前に、低電圧信号がオンであるか否かを監視して、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)には、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行って、その後、主制御部メイン処理に復帰するようにしてもよい。
<第1副制御部400の処理>
図15を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、ステップS301の初期設定が実行される。この初期設定では、図4に示すI/Oポート410の初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。
ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、S307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。この演出制御処理についてはさらに詳しく後述する。
ステップS311では、図1に示すチャンスボタン136の押下を検出していた場合、ステップS309で更新した演出データをチャンスボタン136の押下に応じた演出データに変更する処理を行う。
ステップS313では、S309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。
ステップS315では、S309で読み出した演出データの中に各種ランプ418の駆動回路420への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。
ステップS317では、S309で読み出した演出データの中に演出可動体224の駆動回路422への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS319では、S309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、S303へ戻る。
次に、図15(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。図15(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS331では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶し、このコマンド受信割込処理が終了する。
次に、図15(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。図15(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS341では、図15(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS343では、ステップS319で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行い、このタイマ割込処理が終了する。
続いて、図15(d)を用いて、第1副制御部400のメイン処理における演出制御処理(ステップS309)について詳述する。図15(d)は、第1副制御部400における演出制御処理の流れを示すフローチャートである。
まず、電サポ終了時からの特図変動回数が所定回未満であるか否かを判定する(ステップS3091)。ここにいう所定回の数は、電サポ終了後の1回目の特図変動遊技の最中に貯まる可能性がある特図2の最大保留数に1を加えた数にすることが好ましい。本実施形態では、特図2の最大保留数は4つであるため所定回を“5”にすることが好ましい。こうすることで、電サポ終了時から5回の特図変動遊技の間は、特図予告報知を行わないことになる。この点については詳しくは後述する。なお、電サポ中の普図の変動時間(1.3s)と一対の羽根部材2321の開放時間(4s)の合計時間よりも特図変動時間が短い場合は所定回+n回にすることがさらに好ましい。
電サポ終了時からの特図変動回数が所定回未満でなければ、予告報知画像設定処理を行う(S3092)。第1副制御部400が、特図保留増加コマンドを受信した場合、その特図保留増加コマンドに含まれている事前判定した特図の停止図柄を表す情報(特図事前判定結果)に基づいて、第1副制御部400のCPU404は特図の事前予告報知を行うか否かを決定する。すなわち、特図事前判定結果に基づいて特定の当否決定結果(ここでは大当り)になることを遊技者に事前に報知(以下、特図予告報知と称する)するか否かを専用乱数を用いて所定の乱数抽選によって決定する。本実施形態では、特図事前判定結果が特定の事前判定結果(大当り図柄1または2)である場合でも、特図予告報知は所定確率で行われず、反対に特図事前判定結果が特定の事前判定結果とは異なる結果(ハズレ図柄)である場合であっても、特図予告報知は所定確率で行われる(偽特図予告報知に相当)。ここでの決定は、特図事前判定結果を得るための事前判定に用いた始動情報に基づく特図関連処理(S213)の当否判定(本抽選)が行われる前に実行されるものである。特図予告報知を行うと決定した場合には、装飾図柄表示装置208を用いて特図予告報知を行う場合の画像設定処理をRAM408に用意された送信情報記憶領域に行い、ステップS3093に進む。なお、特図予告報知を行わないと決定した場合には、画像設定処理を行わずにステップS3093に進む。
一方、電サポ終了時からの特図変動回数が所定回未満であれば、ステップS3092を飛ばしてステップS3093に進む。なお、電サポ終了時からの特図変動回数が所定回未満であった場合には、特図事前判定結果をRAM408に一時記憶しておき、所定回を超えた時点のステップS3092において特図予告報知を行うか否かを決定し、行う場合には、画像設定処理を実行する。
ステップS3093では、その他の画像設定処理を行う。ここでは、例えば、第1副制御部400が図柄変動開始コマンドを受信した場合には、その図柄変動開始コマンドに含まれている特図タイマ番号を表す情報に基づく変動パターン(図14参照)に応じた画像を指示する情報を、RAM408に用意された送信情報記憶領域に設定する。
最後に、第1副制御部400が受信したコマンドに含まれている情報に基づいて、音源IC416への命令や、各種ランプ418の駆動回路420への命令等をRAM408の所定領域に設定し(ステップS3094)、図15(a)に示す第1副制御部メイン処理に復帰する。
図16は、特図予告報知を連続して行う連続予告の一例を示す図である。
図16では(a)から(t)のアルファベット順に時間が経過していく。同図(a)に示す装飾図柄表示装置208には、電サポ(時短)状態が終了したことを告げる「時短END」という文字表示がなされている。この状態では、特図1には保留が3つ貯まり、特図2には保留が1つしか貯まっていない。ここで電サポ状態は終了したが、電サポ状態が終了する直前に普図始動口228に遊技球が進入したことにより、不図示の普図表示装置は変動表示を続けている。特図2優先変動であるため、まず、1つ残っている特図2の保留について消化される。すなわち、特図2変動遊技が行われる(同図(b)参照)。この特図2変動遊技が行われている最中に、普図表示装置における変動停止表示が終了する。普図表示装置が変動停止表示を開始した時点では電サポ状態であったため、現在は非電サポ状態であっても、一対の羽根部材2321の開放が開始する(同図(c)参照)。また、特図2変動遊技が行われている最中に、第1特図始動口230に1球入賞があり、特図1の保留が満タンになる(同図(d)参照)。さらに、開放を開始した一対の羽根部材2321は4秒間開放し、この4秒の間に、遊技球が第2特図始動口232に4球入賞し、特図2の保留も満タンになる(同図(e)参照)。やがて、特図2変動遊技が終了し、ハズレが報知される(同図(f)参照)。続いて、特図2優先変動のため、特図1よりも入賞が後である特図2の4つの保留についての消化が始まる。すなわち、特図2変動遊技が4回繰り返される(同図(g)〜同図(n)。ここで、同図(d)のタイミングで増えた保留(一番新しい保留)について、特図事前判定結果が特定の事前判定結果(大当り図柄1)であった場合には、特図予告報知を開始することも考えられるが、本実施形態では、図15(d)に示すステップS3091における判定で、電サポ終了時からの特図変動回数が所定回(ここでは5回)未満であることから、特図予告報知は行われない。
そして、4回目の特図2変動遊技が終了すると、電サポ終了時からの特図変動回数が合計5回に達し、特図1の保留の内、同図(d)のタイミングで増えた保留(一番新しい保留)について特図予告報知を行うことを決定し、同図(o)に示すように、最も古い保留に基づく特図1変動遊技が開始されると特図予告報知が行われる。ここでは、装飾図柄の変動表示中の装飾図柄表示装置208に、お姫様のキャラクタが登場し、カウントダウンを告げる数字(同図(o)では“3”)とともに「アタリ?」という文字が吹き出し内に表示される。やがて、特図1変動遊技のハズレが報知され(同図(p)参照)、次に、特図1の保留のうち、同図(n)の時点で2番目に古かった保留に基づいて特図1変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、ここでも、一番新しい保留についての特図予告報知が連続予告として、カウントダウンを告げる数字を“2”にして行われる(同図(q)参照)。やがて、特図1変動遊技のハズレが報知され(同図(r)参照)、続いて、特図1の保留のうち、同図(n)の時点で3番目に古かった保留に基づいて特図1変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、ここでも、一番新しい保留についての特図予告報知が連続予告として、カウントダウンを告げる数字を“1”にして行われる(同図(s)参照)。やがて、特図1変動遊技のハズレが報知され(同図(t)参照)、特図1の保留のうち、同図(n)の時点で最も新しかった保留に基づいて特図1変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、ここでは、現在変動表示している保留についての特図予告報知が連続予告の最後として、カウントダウンを告げる数字を“0”にして行われる(同図(u)参照)。そして、特図1表示装置212が特図Aを停止表示するとともに装飾図柄表示装置208には装飾図柄の組み合わせ2(「装飾7」−「装飾7」−「装飾7」)が停止表示され、特図1変動遊技の大当りが報知される(同図(v)参照)。
本実施形態では、非電サポ状態において普図始動口228に遊技球が進入しても、第2特図始動口232の一対の羽根部材2321は開かず、特図1の変動遊技に特図2の変動遊技が割り込むことはないが、電サポ状態における普図始動口228への入球に基づく羽根部材2321の開放が非電サポ状態に持ち越されると、図16を用いて説明したように、特図始動口232に入球して特図2変動遊技の割り込みが発生する。この場合、同図(d)における特図1変動遊技の最中に連続予告を開始してしまうと、割り込んだ特図2変動遊技によって、連続予告の連続性が乱れ、遊技の興趣が低下してしまう。すなわち、図16に示す例では、カウントダウンを告げる数字の意味がでたらめになり、遊技の興趣が低下してしまう。例えば、同図(d)における特図1変動遊技の最中に連続予告を開始してしまうと、カウントダウンを告げる数字が“4”→“4”→“4”→“4”→“4”→“3”→“2”→“1”→“0”となってしまう場合がある。そこで、本実施形態では、図15(d)に示すステップS3091における判定を行い、特図2の変動遊技が割り込む可能性がある間は、連続予告を開始させないようにしている。
なお、本実施形態では、主制御部300が、特図1の始動情報について先読みを行い、先読みした結果に基づく事前判定まで行って、特図2の変動遊技が割り込む可能性がある間は、連続予告を開始させないようにしているが、特図2の変動遊技が割り込む可能性がある間は、特図1の始動情報についての先読み自体を行わないようにして、結果的に連続予告を開始させないようにしてもよく、あるいは特図1の始動情報についての先読みは行い、先読みした結果に基づく事前判定は行わないようにして、結果的に連続予告を開始させないようにしてもよい。
図17は、本実施形態のパチンコ機における普図表示装置210における普図の変動停止表示と、第2特図始動口における一対の羽根部材の開閉状態との関係の一例を示す図である。この図では、図の左から右に向かって時間(t)が経過していく。
図17の上方には、普図の変動停止表示が大当り遊技の終了を跨ぐ例が示されている。上述のごとく、大当り遊技中には、非電サポ状態が維持され、本実施形態では、大当り遊技が終了すると電サポ状態へ移行し、大当り遊技終了後、特図変動遊技が100回行われる間、電サポ状態が維持され、その後、非電サポ状態へ移行する。
まず、図17の上方に示す図を参考にして従来のパチンコ機の問題点を指摘する。普図の変動停止表示が、非電サポ状態である大当り遊技の終了直前に開始された場合、大当り遊技が終了して電サポ状態へ移行してからも図17の情報に太線で示すように普図の変動停止表示は継続し、やがて普図の変動停止表示(以下、継続変動停止表示と称する)が終了すると、普図の変動遊技における当否判定の結果に基づいて、第2特図始動口における一対の羽根部材が、開いたりあるいは開かなかったりする。一対の羽根部材が、開いたときと開かなかったときでは、遊技球の、第2特図始動口への進入率は大きく異なり、遊技者は、一対の羽根部材が開くのを待っている。従来のパチンコ機では、非電サポ状態のときに開始した普図変動遊技では、非電サポ状態であることによって普図変動遊技の当選確率が低く(例えば1/101の当選確率)、一対の羽根部材が開くことにほとんど期待することができない。一方、電サポ状態のときに開始した普図変動遊技では、電サポ状態であることによって普図変動遊技の当選確率が高く(例えば100/101の当選確率)、一対の羽根部材が開くことに大きな期待がもてる。こうなると、大当り遊技が終了した時点で普図の保留が残っていれば、継続変動停止表示が終了してから電サポ状態において開始される最初の、普図の保留に基づく変動停止表示(以下、初変動停止表示と称する)に期待が集まり、大当り遊技が終了してから継続変動停止表示を経て初変動停止表示が終了するまでは、遊技球の発射を止める打ち方(いわゆる止め打ち)が、遊技球を無駄に消費しない打ち方として知られるようになってきている。ここで、非電サポ状態における普図変動遊技の当選確率は、低いとはいっても当たる確率があるため、第2特図始動口232の一対の羽根部材2321が開くことがある。遊技台の設計者は、出玉量にメリハリを付けた遊技台を設計したく、非電サポ状態の普図の変動停止表示時間は可能な限り長くとり、非電サポ状態における第2特図始動口232への進入を抑え、電サポ状態で第2特図始動口232を開けて大きな出玉の塊を作りたい。また、普図の変動停止表示時間は、普図の変動表示を開始する時点の遊技状態(電サポ状態か非電サポ状態か)に従う。このため、非電サポ状態の普図の変動停止表示時間を長くすればするほど、非電サポ状態で変動表示を開始する上記継続変動停止表示の変動停止表示時間も長くなり、止め打ち期間も長くなって、遊技台の稼働率が低下してしまう。
しかしながら、本実施形態のパチンコ機100では、非電サポ状態では、普図始動口228に遊技球が進入しても、必ず一対の羽根部材2321は閉じた状態を維持するため、非電サポ状態の普図の変動停止表示時間を短くすることができ、本実施形態では、1.3秒とかなり短時間である。このため、止め打ち期間も短くなり、遊技台の稼働率が向上する。また、遊技者は、一対の羽根部材2321が開放したことによって電サポ状態へ移行したことを知ることができ、普図の変動停止表示時間を短くすることで、遊技者に電サポ状態へ移行したことを早く分からせることができる。このことは、特図の大当りに、電サポ付きと電サポ無しの大当りが用意されている場合に、特に効果が高い。
図17の下方には、普図の変動停止表示が電サポ状態から非電サポ状態を跨ぐ例(図中の太線参照)が示されている。本実施形態では、上述のごとく、一対の羽根部材2321の開放パターンは、普図の停止図柄を決定する段階(普図の変動停止表示時間を決定する段階)、すなわち普図の変動停止表示の開始前に、その時点の遊技状態(電サポ状態か非電サポ状態か)に基づいて決定される(図10に示す普図関連処理のステップS211d)。このため、電サポ状態で普図の変動停止表示が開始された場合には、その変動停止表示の終了後に、非電サポ状態であっても、一対の羽根部材2321は4秒間開放し、遊技者に最後のチャンスを与えることができ、遊技の興趣が向上する。
図18は、パチンコ機で大きな出玉の塊を作ろうとした場合の問題点とその解決方法を検討した図である。図の横軸は時間(t)の経過を表し、縦軸は始動口への進入率(e)を表す。
出玉の塊を作るには、第1特図始動口または第2特図始動口に入賞して特図変動遊技に大当りする必要がある。従来の、第1特図始動口と第2特図始動口を有するパチンコ機で、大きな出玉の塊を作ろうとすると、第1特図始動口および第2特図始動口が、出玉の塊を作るためのベースになる。図18の上方に示す図のように、一般的なパチンコ機では、遊技球の、第1特図始動口への入賞(進入)率と、第2特図始動口への入賞(進入)率を合わせた値は、1/25程度であり、遊技球は、1分間に最大100球程度発射される。これらのことからすると、第1特図始動口か第2特図始動口に入賞する遊技球は、1分間に最大4球程度になる。また、一般的なパチンコ機では、特図変動遊技における大当り確率は1/400程度のものが多い。したがって、1万球発射しないと大当りにならないことになり、時間にするとおよそ100分程度必要になる。これでは、チャンスが薄すぎていまい、遊技客が耐えられない。すなわち、大当りになるまで遊技客の「間」を持たせることができないといった問題がある。そこで、どうやって遊技客の「間」を持たせるかを考えてみると、図18の下方に示す図のように、遊技球の、第2特図始動口への進入率を一時的に高めて、特図変動遊技の抽選を受けるチャンスにメリハリをもたせることが考えられる。図18の下方に示す図では、電サポ状態と非電サポ状態を用意し、電サポ状態中は、10秒間のうち、0.6秒間だけ第2特図始動口への進入率を高めている。固定始動領域である第1特図始動口では、始動領域の大きさが一定のため、遊技球の進入率も一定である。一般的なパチンコ機では、第1特図始動口への遊技球の進入率は、1/100程度(1分に1球入賞する程度)であり、出玉の塊を作るためのベースとしてはかなり低い。一方、可動始動領域である第2特図始動口は、自身の大きさが、第1の大きさと、第1の大きさ(一対の羽根部材が閉じた場合の大きさ)よりも大きい第2の大きさ(一対の羽部部材が開いた場合の大きさ)との間で変化するものであり、第1の大きさでは、遊技球の進入率がほぼ0%であるのに対して、第2の大きさでは、第1特図始動口である固定始動領域よりも大きくなり、遊技球の進入率が50%(1/2)に上昇する。この第2特図始動口への進入率が上昇した期間(ここでは0.6秒)では、特図変動遊技の抽選を受ける権利を獲得しやすく、さらには、大当りすることも期待することができる。さらに、第2特図始動口への進入率が上昇した期間は、遊技客の「間」をより長く持たせるため、遊技客の気を、第2特図始動口(いわゆる電チュー)周辺の遊技球の動きに注目させることが好ましい。一方、第2特図始動口への進入率が上昇した期間以外では、第1特図始動口頼みになり、特図変動遊技の抽選を受ける権利を獲得しにくく、大当りすることも期待することがでない。このようにして、電サポ状態の中でも、特図変動遊技の抽選を受けるチャンスにメリハリをつけ、遊技客の「間」を持たせることが考えられる。
図18の下方に示す図では、電サポ状態中は、10秒ごとに0.6秒間だけ第2特図始動口への進入率が高くなっている。すなわち、電サポ状態中は、第2特図始動口への進入率が定期的に高まっているが、第2特図始動口は普図変動遊技に当選しないと一対の羽部部材が開かず、進入率は高くならない。そこで、普図変動遊技の当選確率について検討してみる。
図19は、普図変動遊技の当選確率について検討した結果を示す図である。この図19でも、横軸は時間(t)の経過を表し、縦軸は始動口への進入率(e)を表す。
ここでは、普図変動遊技の当選確率を50%(1/2)にしてみた。こうすると、理論上は、図19の上方に示す図のように、普図変動遊技の2回に1回は普図変動遊技に当り、当りとハズレが交互に出現するはずである。
しかしながら、実際には、図19の下方に示す図のように、抽選に用いる乱数の偏りによって、普図変動遊技のハズレが続くこともあり、普図変動遊技のハズレが続くと、第2特図始動口への進入率がいつまでたっても高まらず、結局、電サポ状態中であってもノーチャンス期間になって、遊技者の「間」がもたなくなってしまう。
図20は、普図変動遊技の当選確率について検討した他の結果を示す図である。この図20でも、横軸は時間(t)の経過を表し、縦軸は始動口への進入率(e)を表す。
図20の上方に示す図は、普図変動遊技の当選確率を超高確率(例えば1999/2000)にしてみたときの図である。こうすると、電サポ状態中は、ごくまれに普図変動遊技のハズレが出現し、これまで連続して当たることで繰り返し開いていた第2特図始動口の一対の羽根部材が、突然、1回だけ開かなくなる。電サポ状態中は、普図始動口に遊技球が進入すれば、一対の羽根部材が開くことに慣れた遊技客には、ごくまれに出現する普図変動遊技のハズレは、普図変動遊技にハズレた。とは伝わらず、違和感や疑問を与えたり、バグや不具合ではないかといった不信感を与えてしまう恐れがある。また、人の心理として、ごくまれに出現する事象は見た者に強く印象付けられ、この例であれば、パチンコ機に対する悪い印象が強く残ってしまう恐れもある。なお、図19に示す普図変動遊技の当選確率が50%(1/2)である場合には、この恐れが生じることはなく、普図変動遊技のハズレは遊技客にしっかりと伝わるが、上述のごとく、ノーチャンス期間が生じてしまう。
このように、普図変動遊技の当選確率を1/2から超高確率の間のいずれの確率にしても、何らかの問題が生じる。また、普図変動遊技の当選確率を1/2未満にすると、図18の上方に示す図のような状態に近づき、遊技者の「間」がもたなくなってしまう。
このような状況の中、電サポ状態中は、普図変動遊技の当選確率を必ず当たる(100%当選)にしてみると、図20の下方に示す図のように、第2特図始動口の一対の羽根部材は繰り返し必ず開き、遊技球の、第2特図始動口への進入率が繰り返し必ず高くなる。この結果、遊技客に違和感や疑問、さらには不信感を与えてしまうこともなく、また、人の心理によるパチンコ機に対する悪い印象が強く残ってしまうことも防止することができる。また、普図変動遊技の当選確率を50%(1/2)にした場合には、遊技客は、一対の羽根部材が「開け」と願い、一対の羽根部材が開くと、次に、第2特図始動口に「入れ」と願うのに対して、普図変動遊技の当選確率を100%にした場合には、遊技客は、第2特図始動口に「入れ」とだけ願い、遊技客の注意が、第2特図始動口周辺の遊技球の動きに集まる。あるいは、第2特図始動口周辺の遊技球の動きに注目している結果、遊技客は、一対の羽根部材が「今開け」と願うようになる。
図20の下方に示す図では、遊技球の、第2特図始動口への進入率が定期的にリズムよく高くなっており、遊技客が期待できる期間もこれに合わせて定期的にリズムよく発生する。ここで、このパチンコ機は、遊技客が、第2特図始動口を狙えば遊技球が普図始動口を通過する可能性があるものである。すなわち、遊技球が、所定のエリアを通過した場合にその遊技球が第2特図始動口に進入する、言い換えれば所定のエリアを通過しなければ遊技球が第2特図始動口に進入しないように構成されており、そのエリアと第2特図始動口を結ぶ、遊技球の転動経路の途中に普図始動口が配置されている。第2特図始動口を狙って発射された遊技球が普図始動口(特定始動領域)に進入する確率(普図始動口への進入率)で考えると、まず、この確率は、普図の変動時間の平均値(期待値)、普図の停止表時間の平均値(期待値)、および一対の羽根部材の開放時間(第2の大きさを維持する時間)の平均値(期待値)から求められる。例えば、普図の変動時間の平均値が0.65秒であり、普図の停止表時間の平均値が0.6秒であり、一対の羽根部材の開放時間の平均値が4.0秒であった場合には、普図変動遊技の保留は、5.25秒間に1個獲得できることが好ましい。こうすると、普図変動遊技と一対の羽根部材の開放が間を空けずに連続して繰り返され、普図変動遊技→一対の羽根部材の開放→普図変動遊技→一対の羽根部材の開放→・・・となって、第2特図始動口への進入率が定期的にリズムよく高くなる。要するに、普図変動遊技の保留は常に1個以上獲得している状態が好ましい。1分間に最大100球程度発射されるパチンコ機であれば、100球のうち13球以上が普図始動口へ進入することが好ましく、この場合、普図始動口への進入率は、13/100(13%)以上であることが好ましい。したがって、普図変動遊技の当選確率を100%にするとともに、普図始動口への進入率を所定の進入率以上にすることで、遊技客は上記所定のエリアさえ狙っていれば、普図始動口を気にする必要がなくなり、遊技客の気を、第2特図始動口(電チュー)周辺の遊技球の動きに注目させることができ、「期待できる」期間(第2特図始動口への進入率が高くなった期間)に、第2特図始動口へ遊技球が進入するか否かといったゲーム性を高められる。
本実施形態のパチンコ機100では、電サポ状態中は、必ず普図変動遊技に当選した状態と同じ状態になり、非電サポ状態中は、普図変動遊技にハズレた状態と同じ状態に必ずなるため、普図変動遊技の抽選処理は行わないが、特図変動遊技の抽選を受けるチャンスにメリハリをつけ、電サポ状態中は、遊技客の気を、可変始動領域である第2特図始動口232周辺の遊技球の動きに注目させることができ、第2特図始動口232への進入率が高くなった期間にゲーム性を高めることができる場合がある。なお、普図変動遊技には必ず当選する、あるいはハズレることがわかっていても、普図変動遊技の抽選処理を行うようにして、必ず当選結果を導出するようにしてもよい。また、本実施形態のパチンコ機100では、普図表示装置210を用いて普図変動表示を必ず行う。こうすることで、電サポ状態中は、遊技者に自力で抽選に当選させ続けている、すなわち強運だと思わせることで、気分良く遊技を進行させられ、興趣を向上させられる場合がある。一方、非電サポ中は、遊技者が自力で抽選に外れさせ続けている、すなわち運がないと思わせることで、必ずハズレることを分り難くし、気分良く遊技を進行させられ、興趣を向上させられる場合がある。
続いて、特図の変動開始の波を荒波にしたあら波マシンについて考えてみる。
図21は、あら波マシンについて検討した図である。この図21では、横軸は時間(t)の経過を表し、特図変動遊技の抽選を受ける権利の、単位時間当たりの取得回数(n)を表す。
図21の上方に示す図は、従来の1種の遊技台について非電サポ状態で検討した図である。従来の1種の遊技台は、非電サポ状態では、電サポ状態に比べて、普図の変動表示時間は長く、電チュー(一対の羽根部材)の開放時間は短く、普図変動遊技の当選確率は低い。固定始動領域である第1特図始動口は、可変始動領域である第2特図始動口の大きさを大きくするか否かを抽選する普図変動遊技の抽選には無関係である。このため、普図変動遊技の抽選に用いられる乱数(以下、普図乱数と称する)の偏りの影響は受けず、特図変動遊技の抽選を受ける権利の、単位時間当たりの取得回数は一定になる。一方、可変始動領域である第2特図始動口は、普図変動遊技の抽選結果によって遊技球の進入率が変わるため、普図乱数の偏りに影響される。ただし、特図変動遊技の抽選を受ける権利を取得するには、普図変動遊技に当選して、開いた電チュー(一対の羽根部材)に遊技球が進入しなければならず、非電サポ状態では、普図変動遊技の当選確率自体が低く、加えて電チュー(一対の羽根部材)の開放時間が短いため、普図乱数の偏りによる影響度合いは小さい。
以上のことからすると、図21の上方に示す図では、特図変動遊技の抽選を受ける権利を取得するためのベースは、固定始動領域である第1特図始動口になり、可変始動領域である第2特図始動口は、補助的なものに留まる。図21の上方に示す図のように、従来の1種の遊技台は、非電サポ状態では、設計通りになった場合(期待値(平均値)の場合)の、特図変動遊技の抽選を受ける権利の取得回数に対して、普図乱数が遊技者に有利に偏った場合(普図変動遊技の当選が続いた場合)の取得回数と、普図乱数が遊技者に不利に偏った場合(普図変動遊技のハズレが続いた場合)の取得回数との差は、さほど開かず、従来の1種の遊技台は、特図変動遊技の抽選を受ける権利を取得するチャンスの到来が安定している遊技台、いわゆるさざ波マシンであるといえる。
一方、図21の下方に示す図は、本実施形態のパチンコ機について電サポ状態で検討した図である。本実施形態のパチンコ機は、電サポ状態では、普図の変動表示時間が短く、電チュー(一対の羽根部材)の開放時間は長い。また、普図変動遊技には必ず当選する、あるいは普図変動遊技に当選した状態と同じ状態に必ずなる。このため、第2特図始動口は、普図乱数の偏りの影響は受けず、電チュー(一対の羽根部材)は必ず開放する。以上のことからすると、図21の下方に示す図では、特図変動遊技の抽選を受ける権利を取得するためのベースは、可動始動領域である第2特図始動口になる。また、こうなると、特図変動遊技の抽選を受ける権利の取得には、あとは遊技者の技量が問題になるだけであり、いかにして遊技球を普図始動口へ進入させるか、および、いかにして遊技球を開放した第2特図始動口へ進入させるかが問題になってくる。遊技者の技量が平均的な場合は、設計通りにある程度、特図変動遊技の抽選を受ける権利を取得することができるのに対して、遊技者の技量が低い場合には、遊技球を普図始動口へ進入させることができないか、あるいは遊技球を普図始動口へは進入させることができても第2特図始動口へは進入させることができず、特図変動遊技の抽選を受ける権利を、第2特図始動口を用いて取得することはできず、遊技者に不利になる。反対に、遊技者の技量が高い場合には、遊技球を普図始動口へ次々と進入させ、さらに遊技球を第2特図始動口へも次々と進入させることができ、特図変動遊技の抽選を受ける権利を、第2特図始動口を用いて数多く取得することができ、遊技者に有利になる。この結果、遊技者の技量が高い場合と低い場合とでは、特図変動遊技の抽選を受ける権利の、単位時間当たりの取得数に大きな差が生じ、本実施形態のパチンコ機は、電サポ状態では、特図変動遊技の抽選を受ける権利を取得するチャンスの到来が不安定なパチンコ機、いわゆるあら波マシンであるといえる。
さらに、第1特図始動口(第1の始動口)に遊技球が入賞した場合に第1の始動情報記憶領域に始動情報(乱数値)を最大保留数まで格納し、第2の始動口(第2特図始動口)に遊技球が入賞した場合に第2の始動情報記憶領域に始動情報(乱数値)を最大保留数まで格納する遊技台であって、上記第1の始動情報記憶領域および上記第2の始動情報記憶領域の両方に始動情報が記憶されている場合に、上記第1の始動情報記憶領域に始動情報が記憶された時期および上記第2の始動情報記憶領域に始動情報が記憶された時期とは無関係に第2の始動情報記憶領域に記憶されている始動情報に基づいて遊技者に付与する利益量の抽選(特図変動遊技の当否判定)を行うとともに、上記第1の始動情報記憶領域に始動情報が記憶されておらず、かつ上記第2の始動情報記憶領域に始動情報が記憶されている場合には、その第2の始動情報記憶領域に記憶されている始動情報に基づいて上記抽選を行い、上記第2の始動情報記憶領域に始動情報が記憶されておらず、かつ上記第1の始動情報記憶領域に始動情報が記憶されている場合には、その第1の始動情報記憶領域に記憶されている始動情報に基づいて上記抽選を行う、いわゆる特図2優先変動のパチンコ機について考えてみる。
図22は、特図2優先変動のパチンコ機について検討した図である。
図22の上方には、このパチンコ機における特図の大当りの内訳を示す表が記載されている。このパチンコ機では、第1特図始動口に遊技球が進入すると行われる当否判定で大当りに当選した場合、80%の確率で電サポ付きの2ラウンド(R)特別大当りになり、20%の確率で電サポ無しの2R通常大当りになる。すなわち、大当り遊技終了後に80%の確率で特図高確率状態(確変状態)かつ普図高確率状態(電サポ状態)へ移行する。一方、第2特図始動口に遊技球が進入すると行われる当否判定で大当りに当選した場合、80%の確率で電サポ付きの15R特別大当りになり、20%の確率で電サポ無しの2R通常大当りになる。すなわち、ここでも大当り遊技終了後に80%の確率で特図高確率状態かつ普図高確率状態へ移行する。なおこの検討例におけるパチンコ機では、上述した実施形態のパチンコ機100とは異なり、特図高確率状態も普図高確率状態も次回大当りするまで継続されるものとする。第1特図始動口に遊技球が進入すると行われる当否判定で大当りに当選した場合と、第2特図始動口に遊技球が進入すると行われる当否判定で大当りに当選した場合とを比較すると、第1特図始動口の方は2R大当りしか用意されていないのに対し、第2特図始動口の方は15R大当りも用意されていることから、優先して変動する第2特図始動口へ入賞した方が遊技者の利益は大きくなりやすいといえる。すなわち、非優先側の固定始動領域に遊技球が進入した場合よりも優先側の可変始動領域に遊技球が進入した場合の方が、遊技者には大きな利益が付与されやすいといえる。
図22の下方には、遊技者にとって不利な状態と有利な状態との変遷推移図が示されている。ここでは、遊技者にとって不利な状態を非電サポ状態とし、有利な状態を電サポ状態とする。なお、遊技状態とは、作動(特図や普図の抽選(当否判定)や一対の羽根部材の開放や非開放等)の条件になるものである。不利な状態(非電サポ状態)で第1特図始動口に遊技球が進入して、20%の相対的低確率で電サポ無しの2R通常大当りに当選しても不利な状態は変わらず、80%の相対的高確率で電サポ付きの2ラウンド(R)特別大当りに当選すると、初めて有利な状態に昇格する。相対的な確率で見れば、電サポ付きの2ラウンド(R)特別大当りに当選しやすく、有利な状態に昇格しやすい。
一方、有利な状態(電サポ状態)では、電チュー(一対の羽根部材)は長時間にわたって開きやすく、電チュー(一対の羽根部材)が開いた状態では、遊技球の、第2特図始動口への進入率は、第2特図始動口への進入率よりも高くなる。第2特図始動口に遊技球が進入すると、この検討例では、電サポ付きの15R特別大当りが、電サポ無しの2R通常大当りよりも高い確率で当選する設計になっているため、電サポ付きの15R特別大当りに当選することが期待される。大当り遊技中は非電サポ状態に移行するが、電サポ付きの大当りに当選すると、大当り遊技終了後には再び有利な状態である電サポ状態に移行するため、有利な状態が継続される。さらにこの検討例では、特図2優先変動のため、電サポ付きの15R特別大当りに繰り返し当選しやすく、電サポ状態がループされやすいといえ、大量の出玉を獲得することが期待できる。なお、20%の相対的低確率で電サポ無しの2R通常大当りに当選してしまうと、不利な状態へ転落してしまう。以上のことからすると、非優先側の固定始動領域である第1特図始動口は、小さな大当り(2Rの大当り)しか獲得することができず、電サポ状態という有利な状態へ移行する状態移行手段ととらえることができ、これに対して、優先側の可変始動領域である第2特図始動口は、大きな大当り(15Rの大当り)を獲得することができ、電サポ状態のループも手伝って、大量の出玉獲得手段ととらえることができる。
図23は、図22を用いて説明したパチンコ機で普図乱数に偏りが発生した場合の、不利な状態と有利な状態との変遷推移図である。
第1特図始動口に遊技球が進入すると行われる当否判定で大当りに当選した場合でも、第2特図始動口に遊技球が進入すると行われる当否判定で大当りに当選した場合でも、電サポ無しの2R通常大当りに当選する確率は、相対的低確率の20%と同じであるため、電サポ無しの2R通常大当りに当選した場合の状態の変遷は省略してある。なお、この状態の変遷は、図22に示す変遷推移図と同じである。
従来のパチンコ機では、不利な状態(非電サポ状態)でも、普図始動口に遊技球が進入すると、低確率(例えば1/101)ではあるが、電チュー(一対の羽根部材)が1回開放する。普図乱数の偏りが発生し、不利な状態(非電サポ状態)でも、電チュー(一対の羽根部材)が複数回開放すると、特図2始動口に遊技球が進入し、80%の相対的高確率で電サポ付きの15ラウンド(R)特別大当りに当選することがある。こうなると、大きな大当り(15R)を獲得する前に設けた、特図1で電サポ付きの2R特別大当りに当選して大きな大当りを獲得しやすい有利な状態(電サポ状態)に移行するといったステップが飛ばされ、いきなり大きな大当りを獲得することができるようになり、せっかく有利な状態(電サポ状態)と不利な状態(非電サポ状態)を設けて、出玉の量にメリハリをつけようとした設計が、台無しになってしまう。
また、有利な状態(電サポ状態)では、本来であれば、普図変動遊技に当選しやすく電チュー(一対の羽根部材)が長時間にわたって開くことで第2特図始動口へ遊技球が進入しやすいはずであるが、普図乱数に偏りが発生すると、普図変動遊技はハズレが続き、電チュー(一対の羽根部材)は閉じたままの状態になり、遊技球が、第1特図始動口に進入して相対的確率から電サポ付きの2R特別大当りに当選し、電サポ状態はループされることがある。こうなった場合にも、有利な状態(電サポ状態)で大きな大当りを獲得するといった設計が、台無しになってしまう。
ここで、有利な状態(電サポ状態)では、普図変動遊技には必ず当選する、あるいは普図変動遊技に当選した状態と同じ状態に必ずすれば、普図乱数の偏りの問題はなくなる。すなわち、普図始動口に遊技球を進入させているのに、電チュー(一対の羽根部材)が開かない。といったことはなくなり、電サポ付きの15R特別大当りに繰り返し当選して、大量の出玉を獲得することができるようになる。しかも、普図表示装置は繰り返し変動表示を行い、当り図柄を停止表示するため、遊技客には、その遊技客の自力で普図変動遊技の当りを引き続けているように見せられ、遊技の興趣が大幅に向上する。一方、大量の出玉を獲得することができなかったとすれば、それは、普図始動口へ遊技球を進入させることができなかった遊技客の技量不足であり、あるいは、電チュー(一対の羽根部材)が開いているにもかかわらず第2特図始動口へ遊技球を進入させることができなかった遊技客の技量不足であり、遊技者自身の責任であり、非常に悪い遊技台という印象が強く植え付けられてしまうことが低減される。
また、不利な状態(電サポ状態)では、普図変動遊技には必ずハズレる、あるいは普図変動遊技にハズレた状態と同じ状態に必ずすれば、普図乱数の偏りの問題はなくなり、いきなり大きな大当りを獲得することができるといったことを防止することができる。
さらに、普図表示装置210が、遊技状態(電サポ状態か非電サポ状態か)を確実に報知するものになる。
これまでの説明においては、遊技領域124に設けられた始動領域に遊技球が進入した場合に当否判定を行ない、その当否判定の結果が第1の当否判定結果(大当り)である場合に、遊技者に対する有利度が第1の有利度である第1の制御状態(非大当り遊技状態)から上記第1の有利度よりも有利度が高い第2の有利度である第2の制御状態(大当り遊技状態)に制御状態を移行させる遊技台において、上記始動領域は、自身の大きさが可変の可変始動領域(第2特図始動口232)を含み、図柄変動表示を行なってから図柄態様を停止表示する図柄表示手段(普図表示装置210)と、所定の判定条件(S209m,S209n)が成立した場合に、図柄表示手段(普図表示装置210)における上記図柄変動表示の制御を行なう図柄表示制御手段(主制御部300のCPU304)と、上記図柄表示手段(普図表示装置210)が所定の当り図柄態様(普図A(当り図柄))を停止表示した場合に、可変始動領域(第1特図始動口230)の大きさを第1の大きさ(小サイズ)から、その第1の大きさ(小サイズ)よりも大きい第2の大きさ(大サイズ)に変化させる可変始動領域制御手段(主制御部300のCPU304)と、を備え、上記図柄表示制御手段(主制御部300のCPU304)および上記可変始動領域制御手段(主制御部300のCPU304)は、所定の判定条件(S209m,S209n)が成立した場合には必ず、上記図柄変動表示を行なってから当り図柄態様(普図A(当り図柄)とは異なるハズレ図柄態様(普図B(ハズレ図柄))を停止表示するとともに可変始動領域(第2特図始動口232)の大きさを第1の大きさ(小サイズ)のまま維持するものである
ことを特徴とする遊技台の説明がなされている。
この遊技台によれば、「上記所定の判定条件が成立すると、必ず図柄変動し、必ずハズレ図柄態様を表示して、必ず上記可変始動領域の大きさを第1の大きさのまま維持する」ことが予め決まっており、上記可変始動領域が連続して第2の大きさになることを防止することが可能となり、遊技者に異常に遊技価値が付与されてしまうことを防止できる。
またこれまでの説明においては、上記始動領域は、上記可変始動領域(第2特図始動口232)とは異なる、自身の大きさが一定の固定始動領域(第1特図始動口230)も含み、上記可変始動領域(第2特図始動口232)に遊技球が進入した場合に当否判定を行なうとともに上記固定始動領域(第1特図始動口230)に遊技球が進入した場合にも当否判定を行なう当否判定手段(主制御部300のCPU304)と、を備えたことを特徴とする遊技台の説明もなされている。
またこれまでの説明においては、上記始動領域に遊技球が進入したにも関わらず、当否判定手段(主制御部300のCPU304)による上記当否判定が未だ行なわれていない未判定回数を所定の上限回数まで記憶する未判定回数記憶手段(主制御部300のRAM308)を備え、当否判定手段(主制御部300のCPU304)は、第2の制御状態(大当り遊技状態)中であり、かつ未判定回数記憶手段(主制御部300のRAM308)に記憶されている上記未判定回数がゼロより大きくても、上記当否判定を行なわず、第1の制御状態(非大当り遊技状態)中であり、かつ上記未判定回数記憶手段(主制御部300のRAM308)に記憶されている上記未判定回数がゼロより大きい場合に上記当否判定を行なうように構成され、上記第1の制御状態(非大当り遊技状態)は、遊技者に対する有利度が所定の有利度である所定の第1の制御状態(非電サポ状態)と、所定の第1の制御状態(非電サポ状態)よりも上記有利度が高い特別な第1の制御状態(電サポ状態)を含み、図柄表示手段(普図表示装置210)は、所定の第1の制御状態(非電サポ状態)中には、図柄変動表示を行なってから必ずハズレ図柄態様(普図B(ハズレ図柄)を停止表示する一方、特別な第1の制御状態中(電サポ状態)には、図柄変動表示を行なってから必ず当り図柄態様(普図A(当り図柄)を停止表示し、可変始動領域制御手段(主制御部300のCPU304)は、図柄表示手段(普図表示装置210)が図柄変動表示を行なってから当り図柄態様(普図A(当り図柄)を停止表示した場合には必ず、可変始動領域(第1特図始動口230)の大きさを第1の大きさ(小サイズ)から第2の大きさ(大サイズ)に変化させることを特徴とする遊技台の説明もなされている。
この遊技台によれば、遊技者に有利な状態(特別な第1の制御状態)中に、上記所定の判定条件が成立しても上記可変始動領域は第2の大きさにならずに第1の大きさが維持されてしまう未開放状態が連続して発生することを防止することが可能となり、遊技者に常にチャンスを与えることで興趣を向上できる場合がある。さらに、上記可変始動領域を必ず第2の大きさにするにしても、上記図柄変動表示を行ってから当り図柄態様を停止表示することで、遊技者に自力で抽選に当選させ続けている、すなわち強運だと思わせることで、気分良く遊技を進行させられ、興趣を向上させられる場合がある。
またこれまでの説明においては、遊技球が可変始動領域(第1特図始動口230)に第1の進入率で進入する第1の進入率制御状態(非電サポ状態)から上記第1の進入率よりも進入率が高い第2の進入率で遊技球が可変始動領域(第1特図始動口230)に進入する第2の進入率制御状態(電サポ状態)に進入率制御状態を移行させる進入率制御手段(主制御部300のCPU304)を備え、上記第2の進入率制御状態(電サポ状態)は、上記特別な第1の制御状態であることを特徴とする遊技台の説明もなされている。
この遊技台によれば、遊技者に有利な期間(第2の進入率制御状態)中に、上記所定の判定条件が成立したことに基づいて必ず上記可変始動領域が第2の大きさになるので、遊技者に有利な期間中にも関わらず、乱数の偏りなどによって、遊技者に有利ではない状態(上記可変始動領域が第1の大きさに維持された状態)となってしまい、遊技者を興冷めさせてしまい、遊技への集中力の低下や遊技機に対する好感度の低下を防止できる場合がある。
またこれまでの説明においては、上記進入率制御手段(主制御部300のCPU304)は、特定の条件が未成立の場合(特図の当否判定で大当りに不当選の場合)には、上記制御状態が上記第2の制御状態(大当り遊技状態)から上記第1の制御状態(非大当り遊技状態)に移行しても、上記進入率制御状態を上記第1の進入率制御状態(非電サポ状態)から上記第2の進入率制御状態(電サポ状態)に移行させずに上記第1の進入率制御状態(非電サポ状態)を継続させ、上記特定の条件が成立(特図の当否判定で大当りに当選)しており、かつ上記制御状態が上記第2の制御状態(大当り遊技状態)から上記第1の制御状態(非大当り遊技状態)に移行した場合には、上記進入率制御状態を上記第1の進入率制御状態(非電サポ状態)から上記第2の進入率制御状態(電サポ状態)に移行させることを特徴とする遊技台の説明もなされている。
この遊技台によれば、上記第2の制御状態終了後に上記第2の進入率制御状態に移行するかどうかを上記図柄表示手段による停止図柄態様によって報知することができ、興趣を向上できる場合がある。すなわち、大当り遊技状態終了後に電サポ状態に入るかどうかを普図の変動表示によって報知することがきで、興趣を向上できる場合がある。
またこれまでの説明においては、特別な第1の制御状態(電サポ状態)中は、遊技領域124に進入した遊技球のうち、固定始動領域(第1特図始動口230)に進入する遊技球よりも、可変始動領域(第2特図始動口232)に進入する遊技球の方が多い、ことを特徴とする遊技台の説明もなされている。
なお、遊技領域124に進入した遊技球のうち、所定の第1の制御状態(非電サポ状態)中は、遊技領域124に進入した遊技球のうち、可変始動領域(第2特図始動口232)に進入する遊技球よりも、固定始動領域(第1特図始動口230)に進入する遊技球の方が多くてもよい。
当否判定が行なわれる条件のうちの半分以上が可変始動領域への遊技球進入となる遊技台では、可変始動領域に遊技球を進入させられるかどうかが遊技の進行に大きな影響を与えることになる。このため、乱数の偏りにより可変始動領域(電チュー)が開放しない期間が連続すると当否判定が行なわれにくくなり、遊技者を興冷めさせてしまう。しかし、ここで説明した遊技台によれば、この可変始動領域(電チュー)が開放しない期間が連続的に発生してしまう現象を防止することができ、遊技者の興趣を向上させられる場合がある。
また、遊技領域に設けられた始動領域に遊技球が進入した場合に当否判定を行ない、該当否判定の結果が第1の当否判定結果である場合に、遊技者に対する有利度が第1の有利度である第1の制御状態から該第1の有利度よりも前記有利度が高い第2の有利度である第2の制御状態に制御状態を移行させる遊技台において、前記始動領域は、自身の大きさが可変の可変始動領域を含み、前記可変始動領域の大きさを第1の大きさから、該第1の大きさよりも大きい第2の大きさに変化させる可変始動領域制御手段と、所定の判定条件が成立した場合に、図柄変動表示を行なってから当り図柄態様とハズレ図柄態様のうちのいずれか一方の図柄態様を停止表示する図柄表示手段とを備え、前記可変始動領域制御手段は、前記図柄表示手段が図柄変動表示を行なってから前記ハズレ図柄態様を停止表示した場合には必ず、前記可変始動領域の大きさを前記第1の大きさに維持するものである
ことを特徴とする遊技台であってもよい。
以上説明したパチンコ機によれば、開放判定条件が成立して第2特図始動口232の一対の羽根部材2321(電動チューリップ)が開放状態が連続して発生することを防止することが可能となり、遊技者に異常に遊技価値が付与されてしまうことを防止できる。また、第2特図始動口232の一対の羽根部材2321(電動チューリップ)を必ず開放させないが、普図を変動させてからハズレ図柄態様を確定表示することで、遊技者が自力で抽選に外れさせ続けている、すなわち運がないと思わせることで、必ずハズレることを分り難くし、気分良く遊技を進行させられ、興趣を向上させられる場合がある。
なお、ここで説明した技術的思想は、特図の当否判定が必ず当選する遊技台には不向きであり、特図の当否判定における当選確率が所定確率(例えば、0.5%以下の当選確率)の遊技台に好適である。また、特図の当否判定を受ける権利を獲得できるか否かは、固定始動領域である第1特図始動口230よりも可変始動領域232である第2特図始動口232の方に大きく影響されるため、固定始動領域である第1特図始動口230については釘調整が不要になる場合がある。
また、これまでの説明においては、第1の状態中に所定条件成立に基づいて図柄が変動した場合は必ず当りとなる図柄組み合わせで停止表示して開閉する可変始動領域を開放し、第2の状態中に所定条件成立に基づいて図柄が変動した場合は必ずハズレとなる図柄組み合わせで停止表示して該可変始動領域を開放しないことを特徴とする遊技台の説明もなされている。
従来より、非電サポ時に普図変動後、高確率で電チュー無開放ハズレ、低確率で電チュー開放当りに当選する遊技台が知られている。しかし、従来では、殆どがハズレとなるが低確率で当りとなるため、非電サポ中は普図が当選するか否かを気に留めておかなければならず、遊技者が遊技に集中できないという問題が生じる。また、電サポ時に普図変動後、高確率で電チュー開放当り、低確率で電チュー無開放ハズレになる遊技台も知られている。しかし、この遊技台では、殆どが当りとなるが低確率でハズレとなるため、有利な状態にも係らずハズレることにより、遊技者の興趣が低下してしまう。
一方、上記遊技台によれば、第2の状態中は図柄(普図)が変動しても必ずハズレるため、遊技者は、可変始動領域が開放するか否かを気に留める事無く他の入球口(へそなどの固定始動領域)へ遊技球が入球する様や他の演出(液晶の図柄変動など)についてより集中して楽しむことができる。また、第1の状態では図柄がハズレることがないため、遊技者の興趣の低下を従来よりも防止することができる。また、図柄(普図)の決定に必要な処理の一部(例えば抽選処理)を省略でき、制御処理を単純にできる。また、第2の状態中では図柄の変動は必ずハズレ図柄で停止するため、ハズレ図柄を停止表示する図柄表示部が正常に機能していることを確認することができる。
なお、状態変化条件成立に基づいて第1の状態(電サポ状態)と第2の状態(非電サポ状態)の一方から他方または他方から一方へ状態を変化させ、第2の状態中の図柄(普図)の変動時間は、第1の状態中の図柄(普図)の変動時間よりも長く、第1の状態中の図柄(普図)の変動時間の2倍以下であってもよい。こうすることで、第2の状態中に開始した普図の変動が第2の状態から第1の状態への状態変化を跨ぐ場合に、第1の状態開始時の変動時間を短くでき、遊技者の止め打ちを防止して遊技台の稼働を向上させることができる場合がある。
また、状態変化条件成立に基づいて第1の状態(電サポ状態)から第2の状態(非電サポ状態)に図柄(普図)の変動中に状態変化した場合、当りとなる図柄組み合わせで停止表示して開閉する可変始動領域を開放するようにしてもよい。第2の状態にも係らず可変始動領域が開放するため、遊技者はお得に感じ、興趣が向上する。
また、特図2優先変動の遊技台であって、電サポ状態(時短状態)終了後に所定回数(例えば5回)特図が変動し終わるまでは特図の事前予告報知を行わないようにしてもよい。特図2の変動を割り込ませずに特図1のみの連続予告を行うことができ、特図2が割り込んだ連続予告を見せることが無いので遊技者の興趣の低下を防ぐことができる場合がある。また、特図2が割り込んだときの処理を行う必要がなく、制御処理をシンプルにできる。
さらに、電サポ中に普図の図柄変動を開始し、該図柄変動中に特図変動遊技の回数が所定回に達して電サポ状態が終了し非電サポ状態へ移行した場合、あるいは大当り遊技が開始された場合には、非電サポ状態中に一対の羽根部材(電チュー)を開放してもよい。
以下、これまで説明したことも含めて付記する。
(付記1)
遊技領域に設けられた始動領域に遊技球が進入した場合に当否判定を行なう第1の当否判定手段と、
前記第1の当否判定手段による当否判定の結果が第1の当否判定結果である場合に、遊技者に対する有利度が第1の有利度である第1の制御状態から該第1の有利度よりも前記有利度が高い第2の有利度である第2の制御状態に制御状態を移行させる制御状態移行手段と、
所定の当否判定条件が成立した場合に当否判定を行なう第2の当否判定手段と、
前記始動領域のうち、大きさが変化しない第1の始動領域と、
前記第2の当否判定手段による当否判定の結果が第2の当否判定結果である場合に、前記始動領域のうち前記第2の始動領域の大きさを第1の大きさから、該第1の大きさよりも大きい第2の大きさに変化させる始動領域制御手段と、
前記第2の当否判定手段が前記当否判定を行なった場合に、図柄を変動表示させた後、前記第2の当否判定手段による当否判定の結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄変動停止表示を行なう図柄表示手段と、
を備えた遊技台であって、
前記第2の当否判定手段は、前記当否判定の結果として必ず前記第2の当否判定結果とは異なる当否判定結果を導出する
ことを特徴とする遊技台。
(付記2)
付記1に記載の遊技台において、
前記始動領域に遊技球が進入したにも関わらず、前記第1の当否判定手段による前記当否判定が未だ行なわれていない未判定回数を所定の上限回数まで記憶する未判定回数記憶手段を備え、
前記第1の当否判定手段は、前記第2の制御状態中であり、かつ前記未判定回数記憶手段に記憶されている前記未判定回数がゼロより大きくても、前記当否判定を行なわず、
前記第1の制御状態中であり、かつ前記未判定回数記憶手段に記憶されている前記未判定回数がゼロより大きい場合に前記当否判定を行なうように構成され、
前記第1の制御状態は、遊技者に対する有利度が所定の有利度である所定の第1の制御状態と、該所定の第1の制御状態よりも前記有利度が高い特別な第1の制御状態を含み、
前記第2の当否判定手段は、前記所定の第1の制御状態中に、前記当否判定の結果として必ず前記第2の当否判定結果とは異なる当否判定結果を導出し、
前記第2の当否判定手段は、前記特別な第1の制御状態中に、前記当否判定の結果として必ず前記第2の当否判定結果を導出し、
前記始動領域制御手段は、前記第2の当否判定結果ニ対応する前記図柄態様を前記図柄表示手段が停止表示した後で、前記始動領域の大きさを前記第1の大きさから前記第2の大きさに必ず変化させる
ことを特徴とする遊技台。
(付記3)
付記2に記載の遊技台において、
遊技球が前記第2の始動領域に第1の進入率で進入する第1の進入率制御状態から前記第1の進入率よりも進入率が高い第2の進入率で遊技球が前記第2の始動領域に進入する第2の進入率制御状態に進入率制御状態を移行させる進入率制御手段を備え、
前記進入率制御状態は、前記特別な第1の制御状態である
ことを特徴とする遊技台。
(付記4)
付記3に記載の遊技台において、
前記進入率制御状態は、特定の条件が成立してなければ、前記制御状態が前記第2の制御状態から前記第1の制御状態に移行しても、前記進入率制御状態を前記第1の進入率制御状態から前記第2の進入率制御状態に移行せずに、前記第1の進入率制御状態を継続し、前記特定の条件が成立しており、かつ前記制御状態が前記第2の制御状態から前記第1の制御状態に移行した場合に、前記進入率制御状態を前記第1の進入率制御状態から前記第2の進入率制御状態に移行する
ことを特徴とする遊技台。
(付記5)
付記2乃至付記4のいずれかに記載の遊技台において、
前記特別な第1の制御状態中は、遊技領域に進入した遊技球のうち、前記第1の始動領域に進入する遊技球よりも、前記第2の始動領域に進入する遊技球の方が多い、
ことを特徴とする遊技台。
(付記6)
付記2乃至付記5のいずれかに記載の遊技台において、
前記未判定回数記憶手段は、
前記第1の始動領域に遊技球が進入したにも関わらず、前記第1の当否判定手段による前記当否判定が未だ行なわれていない未判定回数を所定の上限回数まで記憶する第1の未判定回数記憶手段と、
前記第2の始動領域に遊技球が進入したにも関わらず、前記第1の当否判定手段による前記当否判定が未だ行なわれていない未判定回数を所定の上限回数まで記憶する第2の未判定回数記憶手段と、を含み、
前記第1の当否判定手段は、前記第2の未判定回数記憶手段がゼロより大きく、かつ前記第1の未判定回数記憶手段がゼロ以上である場合に、前記第2の始動領域に遊技球が進入したことに基づいて前記当否判定を行ない、
前記第2の未判定回数記憶手段がゼロであり、かつ前記第1の未判定回数記憶手段がゼロより大きい場合に、前記第1の始動領域に遊技球が進入したことに基づいて前記当否判定を行なうように構成され、
前記第1の当否判定手段による前記当否判定は、以前に行なわれた前記第1の当否判定手段による前記当否判定の報知が終了してから行なわれる
ことを特徴とする遊技台。
第2の始動領域を優先して変動する遊技台(優先変動機)の場合は、遊技者はできるだけ第1の始動領域に入賞させたことに基づく当否判定の権利を温存するために、遊技者はできるだけ第2の始動領域に入賞させたいところだが、乱数の偏りにより第2の始動領域が開放しない期間が連続すると当否判定が行なわれにくくなり、温存したい当否判定が消化されてしまい、遊技者を興冷めさせてしまう。付記6記載の遊技台によれば、この第2の始動領域が開放しない期間が連続的に発生してしまう現象を防止することで遊技者の興趣を向上させられる場合がある。
(付記7)
前記制御状態移行手段は、前記第1の当否判定手段による当否判定の結果が前記第1の当否判定結果のうちの特別な第1の当否判定結果であることに基づいて、前記第1の制御状態から前記第2の制御状態に前記制御状態を移行させる場合に、遊技者に対する有利度が所定の有利度である所定の第2の制御状態とは別の、該所定の第2の制御状態よりも前記有利度が高い特別な第2の制御状態に前記制御状態を移行させるように構成し、
前記第1の当否判定手段は、前記第1の始動領域に遊技球が進入したことに基づいて行なわれる前記第1の当否判定の場合よりも、前記第2の始動領域に遊技球が進入したことに基づいて行なわれる前記第1の当否判定の場合の方が、前記特別な第1の当否判定結果を導出しやすい
ことを特徴とする遊技台。
第1の始動領域入賞に基づいて行なわれる当否判定よりも、第2の始動領域入賞に基づいて行なわれる当否判定の方が有利な優先変動機の場合は、遊技者はできるだけ第2の始動領域に入賞させたいところだが、乱数の偏りにより第2の始動領域が開放しない期間が連続すると当否判定が行なわれにくくなり、不利な当否判定が行なわれてしまうことで、遊技者を興冷めさせてしまう。付記7記載の遊技台によれば、この第2の始動領域が開放しない期間が連続的に発生してしまう現象を防止することで遊技者の興趣を向上させられる場合がある。