JP2011198589A - 固体電解質型燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、要求電力に応じた可変の電力を発電する固体電解質型燃料電池(1)であって、燃料電池モジュール(2)と、燃料電池モジュールから電流を取り出すインバータ(54)と、燃料供給手段(38)と、要求電力に応じて指令電流を設定する指令電流設定手段(110a)と、指令電流よりも高い追従性で要求電力に応答して実発電電流を決定し、この実発電電流を取り出すようにインバータを制御するインバータ制御手段(110b)と、実発電電流に基づいて、指令電流と実発電電流の差が減少されるように、指令電流を減少方向に補正する指令電流補正手段(110c)と、この補正された指令電流に基づいて燃料供給手段を制御する燃料制御手段(110d)と、を有することを特徴としている。
【選択図】図9
Description
特開平7−307163号公報(特許文献1)には、燃料電池発電装置が記載されている。この燃料電池は、発電する電力が負荷に応じて変更されるように構成されている。
このように構成された本発明によれば、指令電流補正手段は、指令電流と実発電電流の間に所定の偏差電流が残存するように、指令電流と実発電電流の差を減少させるので、再度出力電力を上昇させる際に燃料電池モジュールの温度上昇が遅れ、要求電力の上昇に対する応答が大幅に遅れるのを防止することができる。
このように構成された本発明によれば、偏差電流の値が燃料電池モジュールの運転状態に応じて変更されるので、運転の様々な局面において適切な偏差電流を設定することができる。この結果、偏差電流を減少させることにより不要な燃料消費を減少させる省エネ効果と、要求電力が上昇した際に、燃料電池モジュールが比較的迅速に要求電力に追従して、系統電力の消費を抑制する省エネ効果を両立することができる。
このように構成された本発明によれば、指令電流が小さいほど偏差電流が減少されるので、燃料電池モジュールの温度が低く、温度を維持するために燃料が必要になる燃料利用率の低い運転状態における運転効率のより一層の低下を防止することができる。
このように構成された本発明によれば、要求電力の変化が急激な場合には偏差電流が大きくなるので、要求電力の増加局面において、燃料電池モジュールの温度上昇を促進することができ、燃料電池モジュールが比較的迅速に要求電力に追従して、系統電力の消費を抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)を示す全体構成図である。この図1に示すように、本発明の一実施形態による固体電解質型燃料電池(SOFC)1は、燃料電池モジュール2と、補機ユニット4を備えている。
また、この燃焼室18の上方には、燃料ガスを改質する改質器20が配置され、前記残余ガスの燃焼熱によって改質器20を改質反応が可能な温度となるように加熱している。さらに、この改質器20の上方には、改質器20の熱を受けて空気を加熱し、改質器20の温度低下を抑制するための空気用熱交換器22が配置されている。
また、燃料電池モジュール2には、燃料ガスの供給量等を制御するための制御ボックス52が取り付けられている。
さらに、燃料電池モジュール2には、燃料電池モジュールにより発電された電力を外部に供給するための電力取出部(電力変換部)であるインバータ54が接続されている。
図2及び図3に示すように、燃料電池モジュール2のハウジング6内の密閉空間8には、上述したように、下方から順に、燃料電池セル集合体12、改質器20、空気用熱交換器22が配置されている。
空気分配室72のそれぞれには、空気導入管76が接続され、この空気導入管76は、下方に延び、その下端側が、発電室10の下方空間に連通し、発電室10に余熱された空気を導入する。
図2に示すように、燃料ガスと空気との燃焼を開始するための点火装置83が、燃焼室18に設けられている。
図4に示すように、燃料電池セルユニット16は、燃料電池セル84と、この燃料電池セル84の上下方向端部にそれぞれ接続された内側電極端子86とを備えている。
燃料電池セル84は、上下方向に延びる管状構造体であり、内部に燃料ガス流路88を形成する円筒形の内側電極層90と、円筒形の外側電極層92と、内側電極層90と外側電極層92との間にある電解質層94とを備えている。この内側電極層90は、燃料ガスが通過する燃料極であり、(−)極となり、一方、外側電極層92は、空気と接触する空気極であり、(+)極となっている。
図5に示すように、燃料電池セルスタック14は、16本の燃料電池セルユニット16を備え、これらの燃料電池セルユニット16の下端側及び上端側が、それぞれ、セラミック製の下支持板68及び上支持板100により支持されている。これらの下支持板68及び上支持板100には、内側電極端子86が貫通可能な貫通穴68a及び100aがそれぞれ形成されている。
図6に示すように、固体電解質型燃料電池1は、制御部110を備え、この制御部110には、使用者が操作するための「ON」や「OFF」等の操作ボタンを備えた操作装置112、発電出力値(ワット数)等の種々のデータを表示するための表示装置114、及び、異常状態のとき等に警報(ワーニング)を発する報知装置116が接続されている。なお、この報知装置116は、遠隔地にある管理センタに接続され、この管理センタに異常状態を通知するようなものであっても良い。
先ず、可燃ガス検出センサ120は、ガス漏れを検知するためのもので、燃料電池モジュール2及び補機ユニット4に取り付けられている。
CO検出センサ122は、本来排気ガス通路80等を経て外部に排出される排気ガス中のCOが、燃料電池モジュール2及び補機ユニット4を覆う外部ハウジング(図示せず)へ漏れたかどうかを検知するためのものである。
貯湯状態検出センサ124は、図示しない給湯器におけるお湯の温度や水量を検知するためのものである。
発電用空気流量検出センサ128は、発電室10に供給される発電用空気の流量を検出するためのものである。
改質用空気流量センサ130は、改質器20に供給される改質用空気の流量を検出するためのものである。
燃料流量センサ132は、改質器20に供給される燃料ガスの流量を検出するためのものである。
水位センサ136は、純水タンク26の水位を検出するためのものである。
圧力センサ138は、改質器20の外部の上流側の圧力を検出するためのものである。
排気温度センサ140は、温水製造装置50に流入する排気ガスの温度を検出するためのものである。
燃焼室温度センサ144は、燃焼室18の温度を検出するためのものである。
排気ガス室温度センサ146は、排気ガス室78の排気ガスの温度を検出するためのものである。
改質器温度センサ148は、改質器20の温度を検出するためのものであり、改質器20の入口温度と出口温度から改質器20の温度を算出する。
外気温度センサ150は、固体電解質型燃料電池(SOFC)が屋外に配置された場合、外気の温度を検出するためのものである。また、外気の湿度等を測定するセンサを設けるようにしても良い。
また、制御ユニット110は、インバータ54に、制御信号を送り、電力供給量を制御するようになっている。
最初は、燃料電池モジュール2を温めるために、無負荷状態で、即ち、燃料電池モジュール2を含む回路を開いた状態で、運転を開始する。このとき、回路に電流が流れないので、燃料電池モジュール2は発電を行わない。
この直ぐ後、燃料流量調整ユニット38からも燃料ガスが供給され、改質用空気が混合された燃料ガスが、改質器20及び燃料電池セルスタック14、燃料電池セルユニット16を通過して、燃焼室18に到達する。
CmHn+xH2O → aCO2+bCO+cH2 (3)
図8に示すように、燃料電池モジュール2の運転停止を行う場合には、先ず、燃料流量調整ユニット38及び水流量調整ユニット28を操作して、燃料ガス及び水蒸気の改質器20への供給量を減少させる。
まず、ステップS1においては、指令電流設定手段110aに、総需要電力が総需要電力モニター信号Msとして入力される。次に、ステップS2においては、指令電流設定手段110aは、入力された総需要電力に基づいて指令電流Iiを決定する。指令電流設定手段110aは、過去に入力された総需要電力の積分計算等により、極めて緩やかに変化するように指令電流Iiを決定する。また、指令電流Iiは、燃料電池モジュール2の最大定格電流以下の値に決定される。
2 燃料電池モジュール
4 補機ユニット
8 密封空間
10 発電室
12 燃料電池セル集合体
14 燃料電池セルスタック
16 燃料電池セルユニット(固体電解質型燃料電池セル)
18 燃焼室
20 改質器
22 空気用熱交換器
24 水供給源
26 純水タンク
28 水流量調整ユニット(水供給手段)
30 燃料供給源
38 燃料流量調整ユニット(燃料供給手段)
40 空気供給源
44 改質用空気流量調整ユニット
45 発電用空気流量調整ユニット(改質用空気供給手段)
46 第1ヒータ
48 第2ヒータ
50 温水製造装置
52 制御ボックス
54 インバータ
83 点火装置
84 燃料電池セル
110 制御部
110a 指令電流設定手段
110b インバータ制御手段
110c 指令電流補正手段
110d 燃料制御手段
112 操作装置
114 表示装置
116 警報装置
126 電力状態検出センサ
132 燃料流量センサ(燃料供給量検出センサ)
138 圧力センサ(改質器圧力センサ)
142 発電室温度センサ(温度検出手段)
150 外気温度センサ
200 住宅
202 燃料電池
204 系統電力
206 カレントトランス
208 燃料電池モジュール
210 フィルター
212 インバータ
Claims (5)
- 要求電力に応じた可変の電力を発電する固体電解質型燃料電池であって、
供給された燃料により発電する燃料電池モジュールと、
この燃料電池モジュールから電流を取り出し、交流に変換するインバータと、
上記燃料電池モジュールに燃料を供給する燃料供給手段と、
上記要求電力の変化に応答して指令電流を設定する指令電流設定手段と、
上記要求電力の変化に対して上記指令電流よりも高い追従性で上記要求電力に応答し、且つ上記指令電流以下の値になるように実発電電流を決定し、この実発電電流が上記燃料電池モジュールから取り出されるように上記インバータを制御するインバータ制御手段と、
上記実発電電流に基づいて、上記指令電流と上記実発電電流の差が減少されるように、上記指令電流を減少方向に補正する指令電流補正手段と、
この補正された指令電流を発生可能な燃料が上記燃料電池モジュールに供給されるように、上記燃料供給手段を制御する燃料制御手段と、
を有することを特徴とする固体電解質型燃料電池。 - 上記指令電流補正手段は、上記指令電流と上記実発電電流の差が所定の偏差電流以上残存するように、上記指令電流を補正する請求項1記載の固体電解質型燃料電池。
- 上記指令電流補正手段は、上記燃料電池モジュールの運転状態に応じて、上記所定の偏差電流を変更する請求項2記載の固体電解質型燃料電池。
- 上記指令電流補正手段は、上記指令電流が小さいほど、上記所定の偏差電流を減少させる請求項3記載の固体電解質型燃料電池。
- 上記指令電流補正手段は、上記要求電力の変化が急激なほど、上記所定の偏差電流を増大させる請求項3記載の固体電解質型燃料電池。
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