JP2011198408A - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置 Download PDF

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Abstract

【課題】多値データとともに書き込まれる2値データの信頼性の向上を図る。
【解決手段】不揮発性半導体記憶装置は、複数のビット線、複数のワード線、および異なる閾値レベルにより規定されるデータを記憶する複数のメモリセルで構成されるメモリセルアレイを有する。前記メモリセルアレイの第1領域における第1メモリセルは、n(2より大きい自然数)値の異なる閾値レベルにより規定されるデータを記憶し、前記メモリセルアレイの前記第1領域と異なる第2領域における第2メモリセルは、前記n値の異なる閾値レベルのうち、最下位の第1閾値レベルと最上位の第2閾値レベルとによって、2値の異なる閾値レベルにより規定されるデータを記憶する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、例えば多値データを記憶することが可能な不揮発性半導体記憶装置に関する。
EEPROMの1つとして、NAND型フラッシュメモリが知られている。NAND型フラッシュメモリは、直列接続された複数のメモリセルを有する、単位面積の小さいNANDセルユニットにより、メモリセルアレイを構成する。したがって、NAND型フラッシュメモリは、NOR型フラッシュメモリと比べて、大きな記憶容量を実現することが可能である。
近年、さらに大容量のNAND型フラッシュメモリを実現するために、1つのメモリセルに多ビットを記憶する多値メモリ(MLC:multi level cell)が提案されている。
NAND型フラッシュメモリにおいて、記憶されるデータは、メモリセルの閾値電圧レベルにより規定される。このため、多値を記憶する場合、多くの閾値レベルが用いられる。限られた電圧の範囲において、多くの閾値レベル設定する場合、閾値レベル間のマージンが小さくなり、信頼性が低下する。
そこで、MLCのNAND型フラッシュメモリにおいて、高信頼性が要求されるデータ(例えば、ROMFUSEデータ、FAT(File Allocation Table)データ、システムデータ等)は、多値より閾値レベル間のマージンが大きい2値(SLC:single level cell)で記憶することにより信頼性を確保していた。しかし、フラッシュメモリの微細化に伴い、データリテンション特性の低下やセル間の干渉が増加している。このため、2値データで記憶しても信頼性を確保できないという問題がある。
これに対し、特許文献1では、多値(例えば8値)データにおける複数の閾値レベル(例えばレベル0〜7)のうち、最下位の閾値レベル(レベル0)と、最上位の閾値レベル(レベル7)以外の中間閾値レベルより高い閾値レベル(レベル4〜6)とで、擬似的な2値データを書き込んでいる。これにより、閾値レベル間のマージンを大きくとることができる。しかしながら、フラッシュメモリの微細化に伴い、より高い信頼性が求められる。
特開2006−277785号公報
本発明は、多値データとともに書き込まれる2値データの信頼性の向上を図る不揮発性半導体記憶装置を提供する。
本発明の第1の視点による不揮発性半導体記憶装置は、複数のビット線、複数のワード線、および異なる閾値レベルにより規定されるデータを記憶する複数のメモリセルで構成されるメモリセルアレイを有する不揮発性半導体記憶装置であって、前記メモリセルアレイの第1領域における第1メモリセルは、n(2より大きい自然数)値の異なる閾値レベルにより規定されるデータを記憶し、前記メモリセルアレイの前記第1領域と異なる第2領域における第2メモリセルは、前記n値の異なる閾値レベルのうち、最下位の第1閾値レベルと最上位の第2閾値レベルとによって、2値の異なる閾値レベルにより規定されるデータを記憶する。
本発明によれば、多値データとともに書き込まれる2値データの信頼性の向上を図る不揮発性半導体記憶装置を提供できる。
本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のブロック図。 図1におけるメモリセルアレイの一例を示す回路図。 図1におけるメモリセルアレイの他の例を示す回路図。 本実施形態に関連する不揮発性半導体記憶装置におけるセルの閾値分布図。 本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置におけるセルの閾値分布図。 本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の書き込み動作を示す図。 本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の書き込み動作を示すフローチャート。 本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の変形例1における書き込み動作を示す図。 図9(a)は、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の変形例1における書き込み動作のフローチャート、図9(b)は、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の変形例1における書き込み動作のフローチャート。 本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の変形例2における書き込み動作を示す図。 本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の変形例3における書き込み動作を示す図。 図12(a)は、本実施形態に関連する不揮発性半導体記憶装置の書き込み動作を示す図、図12(b)は、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の変形例3における書き込み動作を示す図。
本発明の実施の形態を以下に図面を参照して説明する。図面において、同一部分には同一の参照符号を付す。
[全体構成例]
まず、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の全体構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のブロック図を示している。図1に示すように、不揮発性半導体記憶装置は、メモリセルアレイ1、ビット線制御回路2、カラムデコーダ3、データ入出力バッファ4、データ入出力端子5、ワード線制御回路6、制御信号及び制御電圧発生回路7、および制御信号入力端子8を備えている。
メモリセルアレイ1は、複数のビット線と複数のワード線と共通ソース線を含み、マトリクス状に配置された複数のメモリセルを備えている。メモリセルは、例えばEEPROMセルからなり、カラム方向に配置された複数のメモリセルによりNANDユニットが構成される。また、メモリセルアレイ1は、多値領域、2値領域、および擬似2値領域で構成される。多値領域におけるメモリセルは多値データを記憶し、2値領域におけるメモリセルは2値データを記憶する。擬似2値領域におけるメモリセルは、多値データにおける複数の閾値レベルのうち、最下位の閾値レベルと、中間閾値レベルより高い閾値レベルのいずれかとで、擬似的な2値データを記憶する。このメモリセルアレイ1には、ビット線を制御するためのビット線制御回路2およびワード線制御回路6が接続されている。
ビット線制御回路2は、ビット線を介してメモリセルアレイ1中のメモリセルのデータを読み出したり、ビット線を介してメモリセルアレイ1中のメモリセルの状態を検出したり、ビット線を介してメモリセルアレイ1中のメモリセルに書き込み制御電圧を印加してメモリセルにデータを書き込んだりする。ビット線制御回路2には、カラムデコーダ3、データ入出力バッファ4が接続されている。ビット線制御回路2内のデータ記憶回路は、カラムデコーダ3によって選択される。データ記憶回路に読み出されたメモリセルのデータは、データ入出力バッファ4を介してデータ入出力端子5から外部へ出力される。データ入出力端子5は、メモリチップ外部の図示せぬホストに接続される。このホストは、例えばマイクロコンピュータにより構成され、データ入出力端子5から出力されたデータを受ける。さらに、ホストは、NAND型フラッシュメモリの動作を制御する各種コマンドCMD、アドレスADD、およびデータDTを出力する。ホストからデータ入出力端子5に入力された書き込みデータは、データ入出力バッファ4を介して、カラムデコーダ3によって選択されたデータ記憶回路に供給され、コマンドおよびアドレスは制御信号及び制御電圧発生回路7に供給される。
ワード線制御回路6は、メモリセルアレイ1に接続されている。このワード線制御回路6は、メモリセルアレイ1中のワード線を選択し、選択されたワード線に読み出し、書き込み、または消去に必要な電圧を印加する。
制御信号及び制御電圧発生回路7は、メモリセルアレイ1、ビット線制御回路2、カラムデコーダ3、データ入出力バッファ4、およびワード線制御回路6に接続され、これらを制御する。制御信号及び制御電圧発生回路7は、制御信号入力端子8に接続され、ホストから制御信号入力端子8を介して入力される制御信号ALE(アドレス・ラッチ・イネーブル)、CLE(コマンド・ラッチ・イネーブル)、WE(ライト・イネーブル)、RE(リード・イネーブル)によって制御される。この制御信号及び制御電圧発生回路7は、データの書き込み時にワード線やビット線の電圧を発生するとともに、ウェルに供給される電圧を発生する。制御信号及び制御電圧発生回路7は、例えばチャージポンプ回路のような昇圧回路を含み、プログラム電圧やその他高電圧を生成可能である。また、制御信号及び制御電圧発生回路7は、メモリセルアレイ1中の各領域に応じて、発生する電圧を制御することもできる。
ビット線制御回路2、カラムデコーダ3、ワード線制御回路6、制御信号及び制御電圧発生回路7は書き込み回路、および読み出し回路を構成している。
図2は、図1に示すメモリセルアレイ1およびビット線制御回路2の構成の一例を示している。図2に示すように、メモリセルアレイ1には複数のNANDユニットが配置されている。1つのNANDユニットは、例えば直列接続された例えば64個のEEPROMからなるメモリセルMCと、選択ゲートS1、S2とにより構成されている。選択ゲートS2はビット線BL0eに接続され、選択ゲートS1はソース線SRCに接続されている。各ロウに配置されたメモリセルMCの制御ゲートはワード線WL0〜WL63に共通に接続されている。また、選択ゲートS2はセレクト線SGDに共通に接続され、選択ゲートS1はセレクト線SGSに共通に接続されている。
ビット線制御回路2は複数のデータ記憶回路10を有している。各データ記憶回路10には、一対のビット線(BL0e、BL0o)、(BL1e、BL1o)…(BLie、BLio)…(BLne、BLno)が接続されている。
メモリセルアレイ1は、破線で示すように、複数のブロックを含んでいる。各ブロックは、複数のNANDユニットにより構成され、例えばこのブロック単位でデータが消去される。また、消去動作は、データ記憶回路10に接続されている2本のビット線について同時に行なわれる。
また、ビット線の1つおきに配置され、1つのワード線に接続された複数のメモリセル(破線で囲まれた範囲のメモリセル)は、1セクタを構成する。このセクタ毎にデータが書き込まれ、読み出される。すなわち、ロウ方向に配置された複数のメモリセルのうち半数のメモリセルが対応するビット線に接続される。このため、ロウ方向に配置された複数のメモリセルの半数ずつに対して書き込み又は読み出し動作が実行される。
リード動作、プログラムベリファイ動作およびプログラム動作時において、データ記憶回路10に接続されている2本のビット線(BLie、BLio)のうち外部より供給されるアドレス信号(YA0、YA1…YAi…YAn)に応じて1本のビット線が選択される。さらに、外部アドレスに応じて、1本のワード線が選択され、破線で示す、2ページが選択される。この2ページの切り替えはアドレスによって行われる。
1セルに2ビット記憶する場合は2ページであるが、1セルに1ビット記憶する場合は1ページ、1セルに3ビット記憶する場合は3ページ、1セルに4ビット記憶する場合は4ページとなる。
図3は、図1に示すメモリセルアレイ1およびビット線制御回路2の構成の他の例を示している。図2に示す構成の場合、データ記憶回路10に2本のビット線(BLie、BLio)が接続されていた。これに対して、図3に示す構成の場合、各ビット線にデータ記憶回路10が接続され、ロウ方向に配置された複数のメモリセルは、全て対応するビット線に接続される。このため、ロウ方向に配置された全てのメモリセルに対して書き込み又は読み出し動作を行うことができる。
なお、本発明における実施形態は、図2に示す構成、および図3に示す構成のいずれも適用可能である。
[書き込み動作]
次に、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の書き込み動作について説明する。
図4は、通常の2値書き込みにおけるセルの閾値分布を示している。図5は、擬似2値書き込みにおけるセルの閾値分布を示している。
図4に示すように、通常の2値書き込みの場合、メモリセルは2つの異なる閾値レベルによりデータを記憶する。このとき、上位の閾値レベルと下位の閾値レベルとの差は、0.5V程度である。すなわち、読み出しの際、リードレベル(読み出し電圧)は、この0.5Vの範囲内である必要がある。このため、上述したように、フラッシュメモリの微細化に伴うデータリテンションマージンやセル間干渉マージンが十分ではない。
これに対し、本実施形態では、図5に示すように、高信頼性が要求されるデータに対して、多値データにおける複数の閾値レベルのうち、最下位の閾値レベルと、最上位の閾値レベルとを用いた擬似的な2値データが使用される。
ここでは、例えば4値データにおける4つの閾値レベル(低いほうから“E”レベル、“A”レベル、“B”レベル、“C”レベル)のうち、“E”レベルと“C”レベルとを用いて擬似的な2値データが記憶される。
擬似2値データを書き込む際、多値データにおける“C”レベルのベリファイレベル(CV)が用いられる。また、擬似2値データを読み出す際、多値データにおける“B”レベルのリードレベル(BR)が用いられる。これにより、“A”レベルおよび“B”レベルの閾値分布幅の範囲が、BRに対するマージンとなる。
具体的には、BRに対して上下2V程度のマージンができる。このため、この範囲内にBRをおさめればよい。なお、“C”レベルの閾値分布が読み出しパス電圧Vreadを超えることが懸念されるが、通常のデータ(2値または多値データ)の読み出しの際、VreadはCVよりも例えば3V程度大きく設定されるため、この問題は解消される。また、擬似2値データの読み出しの際、VreadをCVよりも3V以上大きく設定する(通常のデータの読み出し時よりも大きく設定する)ことで、さらに読み出しマージンを高める事も可能である。また、読み出しの際、リードレベルBRを用いたが、“A”レベルのリードレベル(AR)および“C”レベルのリードレベル(CR)を用いることも可能である。
図6は、擬似2値における“C”レベルの書き込み動作の一例(LM(Lower Middle)方式)を示している。図6に示すように、4値データにおける擬似2値データの書き込みの場合、2つの書き込みステップ(第1ページ、第2ページ書き込み)が行われる。なお、全てのセルは、消去状態において、例えば負の閾値レベルとしての“E”レベル状態である。
まず、第1ページ書き込みにおいて、対象セルの書き込みデータが“0”である場合、LMベリファイレベル(LMV)でデータが粗く書き込まれる。書き込みデータが“1”である場合、書き込まれず、閾値レベルは“E”レベルのままである。
次に、第2ページ書き込みにおいて、書き込みデータは“1”である。第1ページのデータが“0”であるセルはベリファイレベルCVでデータが書き込まれる。これにより、“10”で割り付けられたデータが“C”レベルに書き込まれる。また、第1ページのデータが“1”であるセルは書き込まれず、データ“11”が割り付けられたセルは“E”レベルのままである。なお、これらの第1ページ、第2ページ書き込みは、既知であるLM方式による多値データの書き込み動作と同様である。
図7は、本実施形態に係る書き込み動作のフローチャートを示している。図7に示すように、まず、ステップS1において、書き込み対象セルデータの種類が判別される。すなわち、書き込み対象セルデータが、擬似2値データとして書くべきか否か判別される。つまり、書き込み対象セルデータが、高信頼性を要求されるデータ、例えばシステムデータ、フラグデータ、FATデータ、またはROMFUSEデータであるかどうか判別される。これらのデータの種類は、例えばクラスタサイズまたは書き込みアドレスにより判別される。
ステップS1において書き込みデータが高信頼性を要求されるデータであると判別された場合、ステップS2およびステップS3において書き込み対象セルに上述した動作により擬似2値データが書き込まれる。
具体的には、ステップS2において、第1ページ書き込みデータが“0”である場合、対象セルにデータが書き込まれる。この際、セルのワード線に、書き込み電圧VPGMが印加される。その後、セルの閾値レベルがLMベリファイレベルに達していない場合、セルのワード線に、VPGMにLMステップ電圧DVPGM_LMを加算した電圧が印加され、再度書き込み動作が行われる。セルの閾値レベルがLMベリファイレベル(LMV)を超えるまで、上記動作が繰り返される。
その後、ステップS3の第2ページ書き込みにおいて、第1ページのデータが“0”のセルにデータが書き込まれる。すなわち、対象セルのワード線に、書き込み電圧VPGMが印加される。その後、セルの閾値レベルがCVに達していない場合、対象セルのワード線に、VPGMにステップ電圧DVPGMを加算した電圧が印加され、再度書き込み動作が行われる。対象セルの閾値レベルの分布がCVを超えるまで、上記動作が繰り返される。このように、ステップS2およびステップS3により、対象セルに“10”で割り付けられた“C”レベルが書き込まれる。また、第1ページのデータが“1”であるセルは書き込まれず、“11”が割り付けられたセルは“E”レベルのままである。
一方、ステップS1において書き込みデータが擬似2値データ以外(2値または多値)として判別された場合、ステップS4において、さらに書き込み対象セルデータが判別される。
また、ステップS4において書き込み対象セルデータが2値データとして判別された場合、ステップS5において書き込み対象セルに“1”、“0”の2値データが書き込まれる。
ステップS4において書き込み対象セルデータが多値データとして判別された場合、次に、ステップS6において書き込み対象セルに多値データが書き込まれる。具体的には、例えば4値の場合、低いレベルから順に、“11”、“01”、“00”、“10”で割り付けられた“E”レベル、“A”レベル、“B”レベル、“C”レベルが書き込まれる。このようにして、書き込み動作が完了する。
なお、ステップS1における書き込み対象セルデータの分解において、書き込み対象セルデータがシステムデータ、フラグデータ、FATデータ、またはROMFUSEデータである場合、擬似2値データとして判別されたが、これに限らない。すなわち、ユーザによって、書き込み対象セルデータに対して擬似2値データ、2値データ、または多値データを適宜選択することができる。
[効果]
上記書き込み動作によれば、高信頼性が要求されるデータに対して、多値データにおける複数の閾値レベルのうち、最下位の閾値レベルと、最上位の閾値レベルとによる擬似2値データが用いられる。これにより、読み出し動作時、リードレベルのマージンを大きくとることができる。したがって、メモリセルの微細化に伴うリテンションマージンおよびセル間干渉マージンの向上を図ることができる。特に、セル間の干渉により、図5に示すように“E”レベルの閾値分布が広がった場合においても、十分なマージンを確保することができる。
[変形例1]
次に、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の変形例1の書き込み動作について説明する。
図8は、擬似2値における“C”レベルの書き込み動作(LM方式)の変形例1を示している。図8に示すように、変形例1における擬似2値データの書き込みの場合、図6に示した書き込み動作と同様に、2つの書き込みステップ(第1ページ、第2ページ書き込み)が行われる。
まず、第1ページ書き込みにおいて、対象セルの書き込みデータが“0”である場合、対象セルにLMVでデータが粗く書き込まれる。次に、第2ページ書き込みにおいて、第1ページ目で“0”であったセルにベリファイレベルCVでデータが書き込まれる。これにより、データ“10”で割り付けられた“C”レベルが書き込まれる。データ“11”で割り付けられたセルの閾値は“E”レベルのままである。
ここで、図8において、図6に示した書き込み動作と異なる点は、LMV、DVPGM_LM、VPGM、DVPGMの値が適宜変更される点である。すなわち、変形例1では、図7のステップS2およびステップS3における上記パラメータの値が異なる。上記パラメータの値を変更することにより、変形例1では、第1ページ書き込みにおいて“0”がより粗く書き込まれ、セルの閾値分布幅がより大きくなる。また、第2ページ書き込みにおいて“10”がより細かく書き込まれ、セルの閾値分布幅がより小さくなる。具体的な書き込みパラメータについては、以下に詳説する。
図9(a)は変形例1における第1ページ書き込みを詳説するフローチャートを示し、図9(b)は変形例1における第2ページ書き込みを詳説するフローチャートを示している。
図9(a)に示すように、第1ページ書き込みでは、まず、ステップS7において、対象セルのワード線に、通常(上記実施例)より大きい書き込み電圧VPGMが印加されて書き込みが行われる。次に、ステップS8において、通常より大きいLMVによりベリファイ動作が行われる。この結果、閾値レベルがLMVより低いセルがある場合、ステップS9において、対象セルのワード線に、VPGMに通常より大きいLMステップ電圧DVPGM_LMを加算して、再度書き込み動作が行われる。このような動作が全ての書き込み対象セルの閾値レベル分布がLMVを超えるまで繰り返される。
次に、図9(b)に示すように、第2ページ書き込みでは、まず、ステップS10において、対象セルのワード線に、書き込み電圧VPGMが印加されて書き込みが行われる。次に、ステップS11において、CVによりベリファイ動作が行われる。この結果、閾値レベルがCVより低いセルがある場合、ステップS12において、対象セルのワード線に、VPGMに通常より小さいステップ電圧DVPGMを加算して、再度書き込み動作が行われる。このような動作が全ての書き込み対象セルの閾値レベルの分布がCVを超えるまで繰り返され、セルに“C”レベルが書き込まれる。
[効果]
上記変形例1によれば、4値データにおける擬似2値データ書き込みにおいて、第1ページ書き込みで通常より大きいVPGM、DVPGM_LMが用いられる。これにより、擬似2値データ書き込みにおける第1ページ書き込み動作の高速化を図ることができる。また、第1ページ書き込みで通常より大きいLMVにより、ベリファイ動作が行われる。これにより、第2ページ書き込みの書き込み回数を減少させることができる。したがって、さらなる書き込み動作の高速化を図ることができる。
通常、4値データ書き込みにおける第1ページのLM書き込みは、セルの閾値分布がCVを超えないように制御する必要がある。これは、第2ページ書き込みにおいて、LM書き込みされたセルに、“B”レベルを書き込む必要があるためである。書き込み動作において、セルの閾値レベルを上げることはできても、下げることはできない。すなわち、第1ページ目で閾値レベルがCVを超えてしまうと、第2ページ目で“B”レベルに書き込むことができなくなってしまう。
これに対して、擬似2値データ書き込みでは、“B”レベルはデータとして使用されない。このため、図8に示すように、第1ページ目でセルの閾値レベルがCVを越えても問題はない。したがって、第1ページ目のパラメータを大きく設定しても動作に問題は生じず、上述したような動作の高速化を図ることができる。
また、擬似2値データ書き込みにおいて、第2ページ書き込みで通常より値が小さいDVPGMが用いられる。これにより、“C”レベルの閾値分布幅を高精度に制御することができる。したがって、“C”レベルの閾値分布がVreadを超えることを防止でき、セルデータの信頼性を向上することができる。なお、上述したような高速化された第1ページ書き込みを行うことにより、このような第2ページ書き込みが行われても、擬似2値データ書き込みにおける全体の書き込み動作速度が遅くなることはない。
なお、第1ページおよび第2ページ書き込みにおいて、動作の高速化やデータの信頼性などの目的に応じて、それぞれのパラメータは上記値に限らず、適宜変更可能である。
[変形例2]
次に、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の変形例2の書き込み動作について説明する。
図10は、擬似2値における“C”レベルの書き込み動作の変形例2を示している。変形例2は、ページの割付を変更することにより第1ページ書き込みを省略して、擬似2値データを書き込む方法である。具体的には、例えば4値の場合、低いレベルから順に、“E”レベル、“A”レベル、“B”レベル、“C”レベルが設定され、これらに対応して、第1ページ、第2ページのデータが“11”、“10”、“00”、“01”のように割り付けられる。すなわち、“A”レベルと“C”レベルのデータの割付が変えられている。
変形例2における擬似2値データの書き込みの場合、第1ページ書き込みがスキップされる。このため、セルの“E”レベルのデータ割付として、“1”データが生成される。次に、第2ページ書き込みにおいて、書き込みデータが“0”のセルに対して書き込みが行われる。このとき、例えば、対象セルのワード線に、通常より大きい書き込み電圧VPGMが印加されて書き込み動作が行われる。ベリファイレベルはCVであり、CVより低いセルがある場合、ステップ電圧DVPGMを加算した電圧により書き込み動作が行われる。これにより、“01”で割り付けられた“C”レベルが書き込まれる。
[効果]
上記変形例2によれば、4値データにおける擬似2値データ書き込みにおいて、データのページの割付が低いレベルから順に、“11”、“10”、“00”、“01”とされている。これにより、第1ページ書き込みをスキップでき、第2ページ書き込みにおいて、“E”レベルから“C”レベルへと書き込むことができる。したがって、書き込み動作の高速化を図ることができる。
なお、第2ページ書き込みにおいて、動作の高速化やデータの信頼性などの目的に応じて、それぞれのパラメータは、変形例1と同様に適宜変更可能である。
[変形例3]
次に、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の変形例3の書き込み動作について説明する。
図11は、擬似2値における書き込み動作を示している。8値データに適用した場合を示している。
具体的には、8値データにおける8つの閾値レベル(低いほうから順に、“ER”レベル、“A”レベル、“B”レベル、“C”レベル、“D”レベル、“E”レベル、“F”レベル、“G”レベルに対応して3ビットのデータ、例えば“111”、“110”、“100”、“101”、“001”、“000”、“010”、“011”が割り付けられている)のうち、“ER”レベルと“G”レベルとを用いて擬似的な2値データが設定される。すなわち、擬似2値データを書き込む際、8値データにおける“G”レベルのベリファイレベル(GV)が用いられる。また、擬似2値データを読み出す際、8値データにおける“D”レベルのリードレベル(DR)が用いられる。これにより、“A”乃至“F”レベルの閾値分布幅の範囲が、DRに対するマージンとなる。また、読み出しの際、DRに限らず、“B”乃至“F”レベルのいずれかのリードレベルが用いられてもよい。
また、8値における擬似2値データの書き込みの場合、3つの書き込みステップ(第1ページ、第2ページ、第3ページ書き込み)が行われる。これにより、例えば、“011”で割り付けられた“G”レベルが書き込まれる。なお、これらの第1ページ、第2ページ、第3ページ書き込みは、既知の8値の書き込み動作を適用することができる。
[効果]
上記変形例3によれば、高信頼性が要求されるデータに対して、8値データによる擬似2値データが用いられる。これにより、読み出し動作時、4値データによる擬似2値データよりも、リードレベルのマージンを大きくとることができる。したがって、メモリセルの微細化に伴うリテンションマージンおよびセル間干渉マージンのさらなる向上を図ることができる。
なお、第1ページ、第2ページおよび第3ページ書き込みにおいて、動作の高速化やデータの信頼性などの目的に応じて、それぞれのパラメータは、変形例1と同様に適宜変更可能である。
[変形例4]
次に、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の変形例4の書き込み動作について説明する。変形例4は、上述した多値データにおける擬似2値データのように、閾値レベル間のマージンが大きい2値データを書き込む方法である。
図12(a)は、通常の2値データの書き込み動作を示している。図12(b)は、変形例4における2値データの書き込み動作を示している。
図12(b)に示すように、変形例4では、図12(a)に示した通常の2値データよりも、下位の閾値レベルと上位の閾値レベルとの差が大きくなるようにデータが書き込まれる。具体的には、第1ページにおいて、例えば、4値の場合のCVと同等のベリファイレベルによりベリファイ動作が行われ、セルが“C”レベルと同等レベルに書き込まれる。このとき、通常の2値書き込みよりも書き込み電圧VPGMを大きくし、かつステップ電圧DVPGMを小さく設定する。これにより、下位の閾値レベルと上位の閾値レベルとの差が大きい2値書き込みを達成することができる。
[効果]
上記変形例4によれば、2値データ書き込みにおいて、下位の閾値レベルと上位の閾値レベルとの差が大きくなるように“1”、“0”のデータが書き込まれる。これにより、2値データ書き込みにおいて、読み出し動作時、リードレベルのマージンを大きくとることができる。したがって、メモリセルの微細化に伴うリテンションマージンおよびセル間干渉マージンの向上を図ることができる。
その他、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1…メモリセルアレイ、2…ビット線制御回路、3…カラムデコーダ、4…データ入出力バッファ、5…データ入出力端子、6…ワード線制御回路、7…制御信号及び制御電圧発生回路、8…制御信号入力端子、10…データ記憶回路、MC…メモリセル、S1,S2…選択ゲート、SRC…ソース線、SGD,SGS…セレクト線、WL0〜WL63…ワード線、BL0〜BLn…ビット線、YA0〜YAn…アドレス信号。

Claims (9)

  1. 複数のビット線、複数のワード線、および異なる閾値レベルにより規定されるデータを記憶する複数のメモリセルで構成されるメモリセルアレイを有する不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記メモリセルアレイの第1領域における第1メモリセルは、n(2より大きい自然数)値の異なる閾値レベルにより規定されるデータを記憶し、
    前記メモリセルアレイの前記第1領域と異なる第2領域における第2メモリセルは、前記n値の異なる閾値レベルのうち、最下位の第1閾値レベルと最上位の第2閾値レベルとによって、2値の異なる閾値レベルにより規定されるデータを記憶する
    ことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  2. 前記n値の異なる閾値レベルは、低いほうから順にEレベル、Aレベル、Bレベル、およびCレベルの4値の異なる閾値レベルであって、
    前記第1閾値レベルは前記Eレベルであり、前記第2閾値レベルは前記Cレベルである
    ことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  3. 前記第2メモリセルから前記データが読み出される際のリードレベルは、前記Bレベルのリードレベルであることを特徴とする請求項2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  4. 前記第1メモリセルに前記Cレベルが書き込まれる際、第1ページ書き込みにおいて、前記第1メモリセルの前記ワード線に第1書き込み電圧が印加され、前記第1書き込み電圧に第1ステップ電圧が加算され、
    前記第2メモリセルに前記Cレベルが書き込まれる際、第1ページ書き込みにおいて、前記第2メモリセルの前記ワード線に前記第1書き込み電圧より大きい第2書き込み電圧が印加され、前記第2書き込み電圧に前記第1ステップ電圧より大きい第2ステップ電圧が加算される
    ことを特徴とする請求項2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  5. 前記第1メモリセルに前記Cレベルが書き込まれる際、前記第1ページ書き込み後の第2ページ書き込みにおいて、書き込み電圧に第3ステップ電圧が加算され、
    前記第2メモリセルに前記Cレベルが書き込まれる際、前記第1ページ書き込み後の第2ページ書き込みにおいて、書き込み電圧に前記第3ステップ電圧より小さい第4ステップ電圧が加算される
    ことを特徴とする請求項4に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  6. 前記第2メモリセルに前記第2閾値レベルが書き込まれる際、
    第1ページの書き込み動作がスキップされ、
    第2ページ書き込みにおいて、前記第2メモリセルに前記Cレベルが書き込まれる
    ことを特徴とする請求項2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  7. 前記n値の異なる閾値レベルは、低いほうから順にERレベル、Aレベル、Bレベル、Cレベル、Dレベル、Eレベル、Fレベル、およびGレベルの3ページデータによる8値の異なる閾値レベルであって、
    前記第1閾値レベルは前記ERレベルであり、前記第2閾値レベルは前記Gレベルである
    ことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  8. 前記第2閾値レベルを読み出すリードレベルは、前記Bレベル、Cレベル、Dレベル、Eレベル、またはFレベルのリードレベルであることを特徴とする請求項7に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  9. 前記第2領域における前記2値の異なる閾値レベルによるデータは、システムデータ、フラグデータ、ROMFUSEデータ、またはFATデータであることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
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