JP2011196022A - 杭施工方法および杭施工装置 - Google Patents

杭施工方法および杭施工装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011196022A
JP2011196022A JP2010061327A JP2010061327A JP2011196022A JP 2011196022 A JP2011196022 A JP 2011196022A JP 2010061327 A JP2010061327 A JP 2010061327A JP 2010061327 A JP2010061327 A JP 2010061327A JP 2011196022 A JP2011196022 A JP 2011196022A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pile
ground
excavation
bag body
pile construction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010061327A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5502538B2 (ja
Inventor
Yoshiaki Tsukada
義明 塚田
Tadashi Maejima
匡 前嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Construction Materials Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Construction Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Construction Materials Corp filed Critical Asahi Kasei Construction Materials Corp
Priority to JP2010061327A priority Critical patent/JP5502538B2/ja
Publication of JP2011196022A publication Critical patent/JP2011196022A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5502538B2 publication Critical patent/JP5502538B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】地盤での孔掘削から、杭に拡径体(アンカー)を形成するまでを単一の工程とする。
【解決手段】杭10の先端部近傍に形成された掘削部3を用いて地盤Gを掘削しながら当該掘削孔20に杭10を埋設するとともに、当該掘削孔20の一部に拡径部21を形成し、該拡径部21に袋体11を位置させた状態で袋体11に流動体を導入し、当該流動体を固化させることによって拡径体11’を形成する。杭10および袋体11の周囲を覆う保護体2を用い、該保護体2によって杭10を囲繞した状態で当該杭10を埋設することが好ましい。また、杭10の埋設後、保護体2を枠体として用いつつ該保護体2に設けられた吐出口から地盤改良材を吐出して、当該杭10の外周の周囲に地盤改良材を打設することも好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、杭施工方法および杭施工装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、外側に拡開可能な袋体を備えた杭を地盤に施工する技術の改良に関する。
従来、高い鉛直支持力を発現させるために袋体を有した袋付き杭あるいはその施工方法(例えば特許文献1参照)、さらには袋付き杭を施工する場合における地盤改良方法(例えば特許文献2参照)などが提案されている。
このような袋付き杭を地盤に施工する際は、従来、掘削水を高圧噴射しながら杭を定着させるための孔を掘削し、杭先端の定着層付近において掘削水を高圧噴射したり、油圧機構による掘削ビットを利用したりして拡大掘削孔を削孔することが一般的に行われている。このような掘削孔には、掘削と同時にセメントミルクが注入され、もしくは周辺地盤と混合攪拌したソイルセメントが充填され、当該掘削孔にプレキャスト杭や鋼管杭が挿入される。その後、定着深度にて袋体内にセメントミルクを導入し充填することで杭の先端(下端)に拡径体を築造し、かかる拡径体を、支持力性能及び引き抜き抵抗力の大きいアンカー(根固め部)として機能させている。
特公平6−3016号公報 特開2000−54359号公報
しかしながら、従来の袋付き杭の施工方法は、杭に拡径体(アンカー)を形成するに至るまでに少なくとも複数の工程を要するものとなっている。
そこで、本発明は、地盤での孔掘削から、杭に拡径体(アンカー)を形成するまでを単一の工程とした杭施工方法および杭施工装置を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するべく本発明者は種々の検討を行った。孔の掘削から拡径体の形成までに従来のごとく複数の工程を要すると、杭施工にその分の手間と時間が費やされる。また、例えば海上風車の建設などに伴い海底地盤に杭を施工するような場合にあっては、多くの工程を経ると、地盤から海中への排土や掘削泥水を抑制することが難しい。同時に、あらかじめ杭を埋設するために掘削孔を設けるため、後から杭を挿入する際に、杭挿入とともに泥土が排出されるため環境保護といった観点からも好ましくはない。加えて、従来の場合には孔を掘削した後に杭を埋設するという手順であるため、地盤の緩い砂層などが崩壊すると杭が埋設できなくなるおそれがある。これらの点をふまえつつ、杭に拡径体を形成するまでの工程を削減することについて検討を重ねた本発明者は、かかる課題の解決に結び付く新たな知見を得るに至った。
本発明はかかる知見に基づくものであり、当該杭の外周面よりも外側に拡開可能な袋体を備えた杭を地盤に施工する方法において、杭の先端部近傍に形成された掘削部を用いて地盤を掘削しながら当該掘削孔に杭を埋設するとともに、当該掘削孔の一部に拡径部を形成し、該拡径部に袋体を位置させた状態で袋体に流動体を導入し、当該流動体を固化させることによって拡径体を形成する、というものである。
かかる杭施行方法によれば、地盤を掘削しながら当該掘削孔に杭を埋設することができ、さらには、掘削孔の一部に形成した拡径部において袋体を拡充させることによって拡径体を形成することができる。このような杭施行方法によれば、孔の掘削、杭の埋設から当該杭に拡径体を形成するまでを単一の工程にて実施することができる。
かかる杭施工方法においては、杭および袋体の周囲を覆う保護体を用い、該保護体によって杭を囲繞した状態で当該杭を埋設することが好ましい。このような保護体を利用した杭との二重構造とすることにより、袋体を保護することができる。
また、杭の埋設後、保護体を枠体として用いつつ該保護体に設けられた吐出口から地盤改良材を吐出して、当該杭の外周の周囲に地盤改良材を打設することも好ましい。
さらに、上述の杭施工方法において、掘削にジェット工法を用いることも好ましい。
上述の杭施行方法により、海底地盤に杭を施工することもできる。
また、本発明は、当該杭の外周面よりも外側に拡開可能な袋体を備えた杭を地盤に施工する装置において、杭の先端部近傍に形成され、地盤を掘削しながら当該掘削孔に杭を埋設させる掘削部と、拡径された掘削孔を形成する拡径掘削部と、袋体に流動体を導入するための導入路と、を備え、拡径部に当該杭の袋体を位置させた状態で当該袋体に流動体を導入して拡径体を形成するというものである。
かかる杭施行装置によれば、地盤を掘削しながら当該掘削孔に杭を埋設し、また、掘削孔の一部に形成した拡径部において袋体を拡充させることによって拡径体を形成することができる。このような杭施行装置によれば、孔の掘削、杭の埋設から当該杭に拡径体を形成するまでを単一の工程にて実施することができる。
かかる杭施工装置は、袋体の周囲を覆う保護体を備えることが好ましい。このような保護体を利用した杭との二重構造とすることにより、袋体を保護することができる。
また、かかる杭施工装置が、保護体によって杭を囲繞した状態で当該杭を地盤に埋設するものであることも好ましい。
さらに、杭施工装置の保護体に、地盤改良材を吐出する吐出口が形成されていることも好ましい。
また、杭施工装置の掘削部又は/及び拡径掘削部が、掘削水を高圧噴射するジェット装置からなることも好ましい。
さらに本発明にかかる杭施工装置においては、袋体が杭の先端近傍に設けられていることも好ましい。
本発明によれば、地盤の孔掘削から、杭に拡径体(アンカー)を形成するまでを単一の工程とすることができる。しかも、本発明によれば、従来技術における種々の課題を踏まえつつ、設計に必要な杭の設置深度へ確実に定着させることが可能で、なおかつ、掘削及び杭設置時における排土量を大幅に低減することで、特に海底での杭施工において、海洋に土砂、水硬性材料を拡散させない、環境に配慮した施工が可能となる。
本発明による杭施工の手順の一例を(A)〜(E)の順に示す地盤の断面図である。 本発明にかかる杭施工装置の構成例を示す、当該装置の下部の断面図である。 図2に示した杭施工装置の平面図である。 杭施工装置のケーシングストッパおよび押し込み用ストッパの形態例を示す側面からの概略図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1〜図4に本発明にかかる杭施工方法および杭施工装置の実施形態を示す。杭施工装置1は、当該杭10の外周面10aよりも外側に拡開可能な袋体11を備えた杭10を地盤Gに施工するための装置である。本実施形態の杭施工装置1は、ケーシング(保護体)2、掘削部3、拡径掘削部4、導入路6等を備えた装置として構成されている(図1等参照)。
ここで、まず杭10は、例えば鋼管からなる既製杭、あるいは、内面が鋼管に密着した中空コンクリート部からなる鋼管コンクリート複合杭などである。どのような構成の杭10とするかは、目的や地盤Gの性状などに応じて適宜選択される。
杭10の下部には、環状の袋体11が装着されている。袋体11は、杭10の沈設後にセメントミルク等の水硬性材料を含む流動体(地盤改良材)が導入路13を通じて導入され、地盤G中の拡径部に拡径体11’を形成する(図1参照)。袋体11は、例えばその上下部を鋼製バンドなどの袋体拘束具12によって杭10の外周面10aに締め付けられている(図2参照)。この袋体11の材質は、導入される流動体中の水分を透過させる脱水機能と強度の点からナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ビニロンなどの合成繊維を用いることが好ましい。このように流動体の水分を透過させうる材質の袋体11を用いた場合、袋体11への流動体の導入時または導入後、所定の圧力を作用させることにより、流動体中の水分を透過させて脱水することができ、硬化後により緻密で強固な硬化体を得ることが可能となる。
導入路13は、上述の袋体11に流動体を導入するための流路である。本実施形態では特に詳しくは図示していないが、導入路13は、杭10の内周に設置された、流動体の供給用パイプといった公知の構成のものでよい。
ケーシング2は、杭10の少なくとも一部および袋体11の周囲を覆う例えば筒状の部材である(図2等参照)。該ケーシング2は、杭10の少なくとも一部および袋体11を収容したいわば二重管のような状態で袋体11を保護する。
掘削部3は、地盤Gを掘削しながら当該掘削孔20に杭10を埋設させるべく、当該杭10の先端部近傍に形成されているものである。また、拡径掘削部4は、地盤G中に拡径された掘削孔(拡径部21)を形成するものである。例えば本実施形態では、ケーシング2の先端(下端)付近にこれら掘削部3および拡径掘削部4を設け、これら掘削部3や拡径掘削部4を利用して地盤Gを掘削するようにしている(図1等参照)。
掘削部3や拡径掘削部4の具体的構成は特に限定されないが、例えば本実施形態では、掘削水を高圧噴射するジェット装置によってこれら掘削部3および拡開掘削部4を構成し、ジェット工法あるいはバイブロを併用したジェット工法を利用して地盤Gを掘削することとしている。具体例を挙げて説明すると以下のとおりである。
すなわち、本実施形態では、ケーシング2の先端(下端)に、掘削部3を構成する鉛直方向下向きの吐出口(以下、下向き吐出口3という)を設け、さらにケーシング2の外周面10aであって該下向き吐出口3の上方に、拡径掘削部4を構成する径方向外向きの吐出口(以下、外向き吐出口4という)を設けている(図2参照)。これら下向き吐出口3や外向き吐出口4は、複数が、ケーシング2の外周面10aに等間隔で配置されていることが好ましい(図3参照)。これら下向き吐出口3や外向き吐出口4の設置数は、杭10やケーシング2の大きさ、掘削対象となる地盤Gの性状などに応じて適宜変更することができる。
なお、これら吐出口3,4とは向きが異なる別の吐出口が併設されていてもよい。例えば本実施形態では、外向き吐出口4のさらに上方に、斜め下向きの吐出口(以下、斜め下向き吐出口という)5を併設している(図2参照)。このような斜め下向き吐出口5は、地盤G中に例えば拡底部を築造する際に外向き吐出口4と適宜併用することによって築造効率や精度を向上させうるものである。吐出口3,4と同様、斜め下向き吐出口5も、複数がケーシング2の外周面10aに等間隔で配置されていることが好ましい(図3参照)。
なお、本実施形態ではケーシング2の先端(下端)付近に、下向き吐出口3、外向き吐出口4、斜め下向き吐出口5が鉛直下方から順に配置された杭施工装置1を例示したが(図2参照)、これは一例にすぎず、例えば外向き吐出口4と斜め下向き吐出口5の配置を逆にしたり、設置間隔を変えたりするなど適宜変更することが可能である。
これら下向き吐出口3、外向き吐出口4、斜め下向き吐出口5には、例えばケーシング2の外周面10aに設置されたパイプ6を通じて掘削水あるいは流動体(例えばセメントミルク)が供給される(図2参照)。パイプ6は、各吐出口3〜5に共通のものであってもよいし、各吐出口3〜5毎に設けられたものであってもよい。また、特に図示はしていないが、パイプ6には、各吐出口3〜5への掘削水などの供給量を調節するためのバルブ等の装置が必要に応じて併設されている。
また、ケーシング2および杭10の少なくとも一方には、地盤Gの掘削時にこれらケーシング2に対する杭10の相対的な動きを規制するための係合部材が設けられている。例えば本実施形態では、杭10の外周面10aの下端に形成された押し込み用ストッパ14に、ケーシング2の内周面に形成されたケーシングストッパ7を係合させて杭10の相対的な動きを規制している(図2、図3参照)。ケーシングストッパ7は、ケーシング2に対する杭10の鉛直方向への相対移動と相対回転とを規制しうる形状(例えば図4に示すようなL字形状など)に形成されている(図4参照)。これらケーシングストッパ7および押し込み用ストッパ14は、好ましくはそれぞれ3つ以上が周方向に等間隔で配置されていることが好適である(図3参照)。また、例えば押し込み用ストッパ14の厚み(杭10の外周面10aからの突出量)をケーシング2の内周面に接する程度とすれば、ケーシング2に対する杭10の水平方向の相対的動きをも抑えやすくなるため好ましい(図3、図4参照)。
なお、上述した杭施工装置1は好適な構成の一例にすぎない。例えば、ここまでは各吐出口(下向き吐出口3、外向き吐出口4、斜め下向き吐出口5)がケーシング2に形成された杭施工装置1を示したが、これら吐出口3〜5の一部または全部が杭10の先端(下端)付近に形成されていてもよい(図1参照)。要は、杭10の少なくとも一部および袋体11の周囲をケーシング2で覆った状態を保持しつつジェット工法等により地盤Gを掘削し、尚かつ地盤G中の拡径部に拡径体(袋体2に流動体を導入して固化させたもの)11’を形成することができれば、吐出口3〜5の配置、ケーシング2に対する杭10の相対位置、ケーシング2に対する杭10の相対的な動きを規制するための構成などは特に限定されない。
続いて、上述のごとき構成の杭施行装置1を用いた杭施工の一例について説明する。以下では、海底の地盤Gを掘削して杭10を施工する場合を例示して説明する(図1参照)。
まず、ケーシング2で杭10の少なくとも一部および袋体11の周囲を覆い、押し込み用ストッパ14にケーシングストッパ7を係合させた状態で、ジェット工法(状況に応じてこれに振動を加えたバイブロジェット工法)により海底の地盤Gを泥水化しながら掘削する。本実施形態の場合、下向き吐出口3から掘削水を高圧噴射しながら地盤Gを掘削し、杭10を埋設していく(図1(A)参照)。この際、状況に応じてケーシング2及び杭10を所定の方向に回転させながら地盤Gを掘削するようにしてもよい。また、環境汚染の低減などの観点からすれば、例えば船体(図視省略)に備え付けのバキューム装置22を用いて排土(残土や泥水を含む)を吸引することが好ましい。本実施形態の杭施工装置1によれば、杭10に備え付けられている袋体11を二重管構造のケーシング2で覆って保護しながら当該杭10を地盤Gに埋設することができる。
ケーシング2及び杭10を所定の深さまで埋設したら、外向き吐出口4から掘削水を高圧噴射し、地盤G中に拡径部(拡大した掘削孔)21を築造する(図1(B)参照)。状況に応じ、外向き吐出口4のみならず斜め下向き吐出口5を併用して拡径部21を築造してもよい。
掘削・拡径部21の築造を所定時間行った後、吐出口3〜5から吐出する液体を掘削水からセメントミルク等に切り換え、築造した拡径部21に当該セメントミルクを充填して打設する(図1(C)参照)。セメントミルク等を吐出する吐出口は、下向き吐出口3、外向き吐出口4、斜め下向き吐出口5のうちの一つからであってもよい。また、このように拡径部21にセメントミルクを充填しながらケーシング2を引き上げる。
次に、ケーシング2の先端(下端)が拡径部21より上方に位置するまで当該ケーシング2を引き上げた後、導入路13を通じて袋体11にセメントミルク等の流動体を導入する。これにより、袋体11は拡径部21において拡大する(図1(D)参照)。この際、袋体11と拡径部21との間にはセメントミルク等が介在した状態となる。
ケーシング2を地盤Gから引き上げた後、所定時間が経過すると、袋体11の内部に導入された流動体が杭10の外周面10aに密着した状態で固化し、掘削孔20の拡径部21の形状に応じた形状であって当該杭10と一体化した拡径体11’が形成される(図1(E)参照)。また、杭10の外周面10aよりも径が大きくなるように地盤G中に形成された拡径体11’は、当該杭10を引き抜く方向の外力に対する抵抗力、さらにはこれ以外の外力に抵抗して杭10を支持する支持力を発揮するアンカー(根固め部)として機能する。また、袋体11と拡径部21との間に介在しているセメントミルク等が固化することにより、杭10は地盤G中でより堅固に定着する。
なお、杭10の袋体11以外の外周面10aと掘削孔20との間にもセメントミルク等を介在させることがさらに好ましい。本実施形態では、ケーシング2を地盤Gから引き上げながら吐出口3〜5の少なくともいずれかからセメントミルク等を吐出して打設するようにしている。こうした場合、当該杭10の外周面10aと掘削孔20との間においてもセメントミルク等が固化し、杭10を地盤G中においてさらに堅固に定着させることができる(図1(E)参照)。また、杭10をできるだけ堅固に定着させるという観点からすれば、杭頭(杭10の頭部)付近にセメントミルク等を打設して地盤改良することが好適である。
本実施形態の杭施工装置1によれば、袋体11を備えた杭10を、地盤Gを掘削しながら埋設することができる。例えば、従来の施工方法であれば、まずは地盤に掘削孔を形成し、それから当該掘削孔に杭を埋設するという少なくとも複数の工程を要していたのに対し、本実施形態においては単一工程(つまり掘削と杭10の埋設との同時工程)にて同様の施工を行うことができる。
また、このように掘削から拡径体11’の形成までを単一工程にて実施可能な本実施形態は、環境面においても優れるという利点がある。すなわち、従来のごとく複数工程にて杭10を施工する場合、特に海底地盤Gに杭10を施工する場合においては、掘削時点、掘削装置を引き上げる時点、さらには掘削孔20に杭10を沈設する時点それぞれで排土が生じることから、施工完了までの排土量を効果的に抑制することが難しい。これに対し、単一工程に杭10を施工することが可能な本実施形態の場合には工程数が少なく、施工時間が短くて済むことから排土量を効果的に抑制し、環境に対する影響を極力抑えることが可能である。
しかも、本実施形態ではケーシング2を用いた杭10との二重管構造を利用して袋体11を保護しながら上述の単一工程(掘削と埋設との同時工程)にて当該杭10を施工することが可能である。したがって、合成繊維等からなる袋体11を掘削・埋設工程の途中で傷付けるようなことがない。
また、単一工程にて杭10を施工する本実施形態の杭施工装置1および杭施工方法は、特に海底の地盤G、なかでも崩壊の可能性がある比較的緩い地盤においても安定して定着深度まで杭10を埋設することができる点でも好適である。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、杭10の袋体11以外の外周面10aと掘削孔20との間にセメントミルク等の地盤改良材を打設する際には、上述したようにケーシング2を引き上げながら吐出口3〜5(のいずれか)からセメントミルク等を吐出してもよいし、あるいは、ケーシング2を引き上げるよりも前にセメントミルク等を吐出してもよい。ケーシング2を引き上げるよりも前にセメントミルク等を吐出した場合は、当該ケーシング2を仕切りのような枠体として機能させて、セメントミルク等が泥土などと混じり合わないようにしながら当該杭10の周囲に打設することが可能である。
本発明は、当該杭の外周面よりも外側に拡開可能な袋体を備えた杭を地盤に施工する場合、特に海底地盤に施工する場合に適用して好適なものである。
1…杭施工装置、2…ケーシング(保護体)、3…下向き吐出口(掘削部)、4…外向き吐出口(拡径掘削部)、10…杭、10a…外周面、11…袋体、11’…拡径体、13…導入路、20…掘削孔、21…拡径部、G…地盤

Claims (11)

  1. 当該杭の外周面よりも外側に拡開可能な袋体を備えた杭を地盤に施工する方法において、
    前記杭の先端部近傍に形成された掘削部を用いて前記地盤を掘削しながら当該掘削孔に前記杭を埋設するとともに、当該掘削孔の一部に拡径部を形成し、該拡径部に前記袋体を位置させた状態で前記袋体に流動体を導入し、当該流動体を固化させることによって拡径体を形成する、杭施工方法。
  2. 前記杭および前記袋体の周囲を覆う保護体を用い、該保護体によって前記杭を囲繞した状態で当該杭を埋設する、請求項1に記載の杭施工方法。
  3. 前記杭の埋設後、前記保護体を枠体として用いつつ該保護体に設けられた吐出口から地盤改良材を吐出して、当該杭の外周の周囲に地盤改良材を打設する、請求項2に記載の杭施工方法。
  4. 掘削にジェット工法を用いる、請求項1から3のいずれか一項に記載の杭施工方法。
  5. 海底地盤に前記杭を施工する、請求項1から4のいずれか一項に記載の杭施工方法。
  6. 当該杭の外周面よりも外側に拡開可能な袋体を備えた杭を地盤に施工する装置において、
    前記杭の先端部近傍に形成され、前記地盤を掘削しながら当該掘削孔に前記杭を埋設させる掘削部と、
    拡径された掘削孔を形成する拡径掘削部と、
    前記袋体に流動体を導入するための導入路と、
    を備え、前記拡径部に当該杭の前記袋体を位置させた状態で当該袋体に前記流動体を導入して拡径体を形成する、杭施工装置。
  7. 前記袋体の周囲を覆う保護体を備える、請求項6に記載の杭施工装置。
  8. 前記保護体によって前記杭を囲繞した状態で当該杭を前記地盤に埋設する、請求項7に記載の杭施工装置。
  9. 前記保護体に、地盤改良材を吐出する吐出口が形成されている、請求項7または8に記載の杭施工装置。
  10. 前記掘削部又は/及び前記拡径掘削部が、掘削水を高圧噴射するジェット装置からなる、請求項6から9のいずれか一項に記載の杭施工装置。
  11. 前記袋体が前記杭の先端近傍に設けられている、請求項6から10のいずれか一項に記載の杭施工装置。
JP2010061327A 2010-03-17 2010-03-17 杭施工方法および杭施工装置 Expired - Fee Related JP5502538B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010061327A JP5502538B2 (ja) 2010-03-17 2010-03-17 杭施工方法および杭施工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010061327A JP5502538B2 (ja) 2010-03-17 2010-03-17 杭施工方法および杭施工装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011196022A true JP2011196022A (ja) 2011-10-06
JP5502538B2 JP5502538B2 (ja) 2014-05-28

Family

ID=44874583

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010061327A Expired - Fee Related JP5502538B2 (ja) 2010-03-17 2010-03-17 杭施工方法および杭施工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5502538B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013127177A (ja) * 2011-12-19 2013-06-27 Nippon Steel & Sumitomo Metal 鋼杭の施工方法
JP2014134008A (ja) * 2013-01-09 2014-07-24 Ohbayashi Corp 固化体の造成方法及びそれを用いた鋼管杭の埋込み方法
CN104372791A (zh) * 2014-10-11 2015-02-25 成都聚智工业设计有限公司 灌注桩结构
JP2015187379A (ja) * 2014-03-11 2015-10-29 新日鐵住金株式会社 鋼管杭及びその施工方法
JP2018003680A (ja) * 2016-06-30 2018-01-11 三井造船株式会社 波力発電装置および波力発電装置の設置方法
JP6395238B1 (ja) * 2017-12-01 2018-09-26 強化土エンジニヤリング株式会社 地盤強化工法および注入管装置
CN114875886A (zh) * 2022-06-09 2022-08-09 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 扩径型振冲碎石桩的施工方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62215719A (ja) * 1986-03-13 1987-09-22 Asahi Chem Ind Co Ltd 既製杭の施工方法
JPH01315522A (ja) * 1988-06-14 1989-12-20 Asahi Chem Ind Co Ltd 杭体
JPH0711644A (ja) * 1993-06-25 1995-01-13 Asahi Chem Ind Co Ltd 先端に袋体を有する杭の施工方法
JPH1193165A (ja) * 1997-09-17 1999-04-06 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 杭の水底固定方法及び水底設置型構造物
JP2002161529A (ja) * 2000-11-24 2002-06-04 Nikken Sekkei Ltd 海洋構造物およびその施工方法
JP2005232791A (ja) * 2004-02-19 2005-09-02 Yamazaki Pile Kk 杭の埋設施工方法及び埋設施工装置
JP2006063526A (ja) * 2004-08-24 2006-03-09 Asahi Kasei Construction Materials Co Ltd 摩擦杭を用いた拡大根固め方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62215719A (ja) * 1986-03-13 1987-09-22 Asahi Chem Ind Co Ltd 既製杭の施工方法
JPH01315522A (ja) * 1988-06-14 1989-12-20 Asahi Chem Ind Co Ltd 杭体
JPH0711644A (ja) * 1993-06-25 1995-01-13 Asahi Chem Ind Co Ltd 先端に袋体を有する杭の施工方法
JPH1193165A (ja) * 1997-09-17 1999-04-06 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 杭の水底固定方法及び水底設置型構造物
JP2002161529A (ja) * 2000-11-24 2002-06-04 Nikken Sekkei Ltd 海洋構造物およびその施工方法
JP2005232791A (ja) * 2004-02-19 2005-09-02 Yamazaki Pile Kk 杭の埋設施工方法及び埋設施工装置
JP2006063526A (ja) * 2004-08-24 2006-03-09 Asahi Kasei Construction Materials Co Ltd 摩擦杭を用いた拡大根固め方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013127177A (ja) * 2011-12-19 2013-06-27 Nippon Steel & Sumitomo Metal 鋼杭の施工方法
JP2014134008A (ja) * 2013-01-09 2014-07-24 Ohbayashi Corp 固化体の造成方法及びそれを用いた鋼管杭の埋込み方法
JP2015187379A (ja) * 2014-03-11 2015-10-29 新日鐵住金株式会社 鋼管杭及びその施工方法
CN104372791A (zh) * 2014-10-11 2015-02-25 成都聚智工业设计有限公司 灌注桩结构
JP2018003680A (ja) * 2016-06-30 2018-01-11 三井造船株式会社 波力発電装置および波力発電装置の設置方法
JP6395238B1 (ja) * 2017-12-01 2018-09-26 強化土エンジニヤリング株式会社 地盤強化工法および注入管装置
JP2019100083A (ja) * 2017-12-01 2019-06-24 強化土エンジニヤリング株式会社 地盤強化工法および注入管装置
CN114875886A (zh) * 2022-06-09 2022-08-09 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 扩径型振冲碎石桩的施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5502538B2 (ja) 2014-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5502538B2 (ja) 杭施工方法および杭施工装置
KR100964796B1 (ko) 암반 매립 일체화 구조의 강관-콘크리트 복합 말뚝 시공 방법 및 말뚝 구조물
US9255476B2 (en) Shaft construction in the earth and method thereof
JP5282541B2 (ja) 覆工体の浮き上がり防止方法
JP4693423B2 (ja) 杭頭補強方法
JP4451553B2 (ja) 浮力防止構造体およびその構築方法
WO2015152826A1 (en) Method for installing a multi-section suction caisson
JP2005290869A (ja) 水上構造物の補強構造
JP2016089528A (ja) コンクリート構造物のせん断補強方法
JP3714395B2 (ja) 既設構造物下方地盤の補強工法
JP2007247339A (ja) 新設基礎構造
JP5075090B2 (ja) 場所打ち杭の施工方法および場所打ち杭
JP2020128672A (ja) 洋上風力発電用のモノパイル基礎の施工方法および洋上風力発電用のモノパイル基礎
KR101404007B1 (ko) 희생강관 회수용 강관구조체 및 이를 이용한 말뚝시공 방법
JP2011196023A (ja) 杭施工方法、杭施工装置および地盤施工用杭
JP6259271B2 (ja) ケーソン沈設方法及び地中柱体群
KR101622391B1 (ko) 친환경적 차수구조물을 이용한 항만 기초 시공 공법
JP4066340B2 (ja) 地盤改良工法
JP4911242B2 (ja) 既設重力式岸壁の改修補強構造
KR100968431B1 (ko) 알시디 확공비트를 이용한 산업시설용 자켓구조물의설치방법
KR20160137143A (ko) 수직갱 지반보강 방법
JP5282542B2 (ja) 地盤変状防止方法及び地盤変状防止構造
JP4583099B2 (ja) 免震体形成工法
JP4336828B2 (ja) 基礎構造物
JPH0813495A (ja) 土留め壁及びその構築工法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140313

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5502538

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees