JP2011195092A - 駐車支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】より一層適切な駐車支援を行うことができる駐車支援装置を提供する。
【解決手段】駐車支援装置10は、自車両Cの目標位置への駐車を支援する駐車支援装置において、自車両Cの前後方向の移動可能距離に基づいて、自車両Cに幅寄せさせるための走行軌跡を演算する駐車支援ECU4を備える。自車両Cの前後方向の移動可能距離に基づいて、自車両Cに幅寄せさせるための走行軌跡が演算されることにより、自車両Cの前後に縦列駐車中の他車両D,E等の障害物が存在する場合であっても、自車両Cを幅寄せして駐車させる際に、駐車操作が容易になって、より一層適切な駐車支援を行うことができるようになる。
【選択図】図2
【解決手段】駐車支援装置10は、自車両Cの目標位置への駐車を支援する駐車支援装置において、自車両Cの前後方向の移動可能距離に基づいて、自車両Cに幅寄せさせるための走行軌跡を演算する駐車支援ECU4を備える。自車両Cの前後方向の移動可能距離に基づいて、自車両Cに幅寄せさせるための走行軌跡が演算されることにより、自車両Cの前後に縦列駐車中の他車両D,E等の障害物が存在する場合であっても、自車両Cを幅寄せして駐車させる際に、駐車操作が容易になって、より一層適切な駐車支援を行うことができるようになる。
【選択図】図2
Description
本発明は、自車両の目標位置への駐車を支援する駐車支援装置に関する。
従来、任意の幅寄せ量の幅寄せが可能なように車両が走行するための情報を運転者に提供する装置が提案されている。例えば、下記の特許文献1には、運転者により指示された幅寄せ量と、どちらの方向に初期操舵が行なわれたかとに基づいて、自車両を移動させる走行軌跡を計算して運転者に提供する幅寄せ支援装置が開示されている。
特許文献1に記載の幅寄せ支援装置は、指示された幅寄せ量と初期操舵が行なわれた方向とに基づいて走行軌跡を計算しているが、自車両の前後に縦列駐車中の他車両等の障害物が存在する場合の自車両の前後方向の移動可能距離に基づいて走行軌跡を計算することについては、何らの考慮もなされていない。このため、幅寄せして駐車する際に、より一層適切な駐車支援を可能にする余地がある。
そこで、本発明は、より一層適切な駐車支援を行うことができる駐車支援装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る駐車支援装置は、自車両の目標位置への駐車を支援する駐車支援装置において、自車両の前後方向の移動可能距離に基づいて、自車両に幅寄せさせるための走行軌跡を演算する演算手段を備えることを特徴とする。
この駐車支援装置は、自車両の前後方向の移動可能距離に基づいて、自車両に幅寄せさせるための走行軌跡を演算する。このように、自車両の前後方向の移動可能距離に基づいて、自車両に幅寄せさせるための走行軌跡が演算されることにより、自車両の前後に縦列駐車中の他車両等の障害物が存在する場合であっても、自車両を幅寄せして駐車させる際に、駐車操作が容易になって、より一層適切な駐車支援を行うことができるようになる。
また、演算手段は、第一の一定操舵角の操舵で自車両の前進方向及び後退方向のうち一方の方向へ移動させ、第二の一定操舵角の操舵で自車両の前進方向及び後退方向のうち他方の方向へ移動させるための走行軌跡を演算するのも好ましい。
これにより、第一の一定操舵角の操舵で自車両の前進方向及び後退方向のうち一方の方向へ移動させ、第二の一定操舵角の操舵で自車両の前進方向及び後退方向のうち他方の方向へ移動させるための走行軌跡が演算される。このように、前進方向及び後退方向の両方向へ移動させるための走行軌跡を演算することにより、自車両の前後方向の移動可能距離が比較的短く面積が狭いスペースでも効率的な駐車支援を行なうことができるようになる。
また、演算手段は、自車両の実際の移動から得られた前後方向の移動可能距離に基づいて、走行軌跡を演算するのも好ましい。
これにより、自車両の実際の移動によって得られた前後方向の移動可能距離に基づいて、走行軌跡が演算される。このように、自車両の実際の移動から自車両の前後方向の移動可能距離を得ることにより、自車両の前後方向のスペースを検出するための物体センサ等を特別に設置する必要がなくなるため、安価な装置構成とすることができる。
本発明によれば、より一層適切な駐車支援を行うことができる駐車支援装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
(1)駐車支援装置の構成
(1)駐車支援装置の構成
まず、本実施形態である駐車支援装置の構成について、図1を用いて説明する。図1は、駐車支援装置10の構成概略を説明するための構成概略図である。駐車支援装置10は、例えば自動車等の移動体車両(以下、自車両)に搭載され、ドライバ(運転者)による自車両の目標位置への横方向への幅寄せ駐車を支援する幅寄せシステム装置である。
図1に示されるように、駐車支援装置10は、幅寄せ量取得装置1と、可能距離検出装置2と、移動距離検出装置3と、駐車支援ECU4(演算手段)と、ステアリング回転装置5と、制駆動装置6と、モニタ装置7とを備えている。駐車支援ECU4は、走行軌跡計算部41及び位置・操舵角計算部42を有している。
幅寄せ量取得装置1は、目標位置に駐車させるのに必要とされる自車両の幅寄せ量(即ち、幅寄せ距離)及び幅寄せ方向のドライバによる入力を受け付ける入力受付部分である。幅寄せ量取得装置1は、ドライバによって幅寄せ距離の数値及び幅寄せ方向を任意に直接(又は、車外から遠隔操作用リモートコントローラや操作パネル等を操作ガイドとともに用いて)入力されるものとしてもよく、予め用意された幾つかの幅寄せ距離の候補の中からドライバによって所望の幅寄せ距離が選択されるものとしてもよい。
可能距離検出装置2は、自車両の前後左右それぞれの方向に関して、移動可能距離を検出するセンサ部分である。例えば、可能距離検出装置2は、カメラを用いて自車両周辺を撮像し、撮像により得られた画像から、この移動可能距離を、前後左右の空きスペース量(例えば、前進が可能な距離としての前進スペース量)として検出する。
移動距離検出装置3は、自車両の実際の移動走行に基づいて前後方向の移動可能距離を検出するセンサ部分である。例えば、自車両が真っ直ぐ前進して停止した後に所定距離だけ真っ直ぐ後退した場合、移動距離検出装置3は、この所定距離を真っ直ぐな前進方向の移動可能距離として検出する。同様に、自車両が真っ直ぐ後退して停止した後に所定距離だけ真っ直ぐ前進した場合、移動距離検出装置3は、この所定距離を真っ直ぐな後退方向の移動可能距離として検出する。
走行軌跡計算部41は、可能距離検出装置2により検出された移動可能距離に基づいて、自車両に幅寄せさせるための走行を誘導する走行軌跡とそれに必要な切り替えし回数Nとを計算により算出する演算部分である。なお、走行軌跡計算部41は、移動距離検出装置3により検出された移動可能距離に基づいて、上記の走行軌跡を計算により算出することも可能である。
また、走行軌跡計算部41は、第一の一定操舵角の操舵で自車両の前進方向及び後退方向のうち一方の方向へ移動させ、第二の一定操舵角の操舵で自車両の前進方向及び後退方向のうち他方の方向へ移動させるための走行軌跡を計算により算出することも可能である。
即ち、第一の一定操舵角の操舵で前進方向へ移動させ、第二の一定操舵角の操舵で後退方向へ移動させるための走行軌跡を算出することも可能であり、また、第一の一定操舵角の操舵で後退方向へ移動させ、第二の一定操舵角の操舵で前進方向へ移動させるための走行軌跡を算出することも可能である。走行軌跡の算出方法の詳細は後述する。
位置・操舵角計算部42は、走行軌跡計算部41により算出された走行軌跡を自車両に走行させるための、自車両の位置とその位置に応じて必要となるステアリング操舵角との関係を計算により算出する演算部分である。
ステアリング回転装置5は、位置・操舵角計算部42により算出された自車両位置と操舵角との関係を実現させるように、制御信号を用いてステアリングを自動的に回転させる制御部分である。
制駆動装置6は、位置・操舵角計算部42により算出された自車両位置と操舵角との関係を実現させるように、自車両の車速度とシフトチェンジによる前進走行・後退走行とを自動的に制御する制御部分である。
モニタ装置7は、走行軌跡計算部41により算出された走行軌跡を、自車両内のドライバに表示することによって、自車両が進むべき軌跡を提示するナビゲーション用ディスプレイ部分である。モニタ装置7は、この走行軌跡を音声案内するスピーカ装置を有してもよい。
(2)駐車支援装置による運転支援機能の概略
(2)駐車支援装置による運転支援機能の概略
続いて、駐車支援装置10による運転支援機能の概略について、図2〜図4を用いて説明する。図2は、駐車支援装置10による運転支援機能が最も必要となる車庫周辺のシーンを説明する説明図であり、図3は、駐車支援装置10により算出された車軸中心の走行軌跡を説明する説明図であり、図4は、この走行軌跡で自車両を走行させるための操舵量の変化を説明する説明図である。
まず、図2に示されるように、自車両Cの前方近傍では交通量が多く、多くの他車両(ここでは他車両A,Bのみを図示)が通過走行しつつ自車両Cの後方近傍で自転車Dが自車両Cの後方から左側方に回り込もうとしているという、前後方向で移動可能な範囲が狭いガレージスペースGにおいて、自車両Cを破線方向に幅寄せさせて自転車Dの移動スペースを用意しようとするシーンにおいて、駐車支援装置10による運転支援機能が最も必要となる。
このようなシーンにおいて、従来手法では通常、切返し回数が多くなるのが一般的だが、駐車支援装置10は、この切返し回数を可能な限り減らすために、例えば、図3に示されるように、第一の一定操舵角の操舵で前進方向へ移動させ、第二の一定操舵角の操舵で後退方向へ移動させるための走行軌跡を算出し、この走行軌跡で自車両Cを走行させる。
このとき、自車両Cの内部では、図4に示されるようにステアリングを回転させる。即ち、ステアリング回転装置5が、第一の一定操舵角の操舵制御(前半は一定の右操舵、後半は一定の左操舵)を行ないつつ、制駆動装置6が、前進走行させ、次に、ステアリング回転装置5が、第二の一定操舵角の操舵制御(前半は一定の右操舵、後半は一定の左操舵)を行ないつつ、制駆動装置6が、後退走行させる。
この結果、従来手法による前進距離の1/√2の前進距離で、同じ距離の幅寄せを行うことが可能になる。また、同じ距離の幅寄せに必要となる切返し回数に関しては、従来手法では2回必要であるが、駐車支援装置10では1回で可能となる。
(3)駐車支援装置における駐車支援制御処理の流れ
(3)駐車支援装置における駐車支援制御処理の流れ
続いて、駐車支援装置10で実行される駐車支援制御処理の流れ(駐車支援方法)について、図5を用いて説明する。図5は、駐車支援装置10で実行される駐車支援制御処理の流れを示すフローチャートである。図5のフローチャートに示される処理は、主として上記したECUによって行われるものであり、駐車支援装置10の電源がオンされてからオフされるまでの間、所定のタイミングで繰り返し実行される。
まず、ドライバが、車外から遠隔操作用リモートコントローラを用いて、幅寄せ距離の数値を駐車支援装置10に送信することにより、幅寄せ量取得装置1が、自車両の幅寄せ量と及び幅寄せ方向を受信して入力を受け付ける(ステップS01)。そして、可能距離検出装置2が、自車両の前後左右それぞれの方向に関して、移動可能距離を検出する。これにより、この移動可能距離が、前後左右の空きスペースとして検出される(ステップS02)。
次に、走行軌跡計算部41が、可能距離検出装置2により検出された移動可能距離に基づいて、前進スペースの方が後退スペースよりも広いか否かを判定する(ステップS03)。前進スペースの方が後退スペースよりも広いと判定された場合は、後述のステップS04に移行する。一方、前進スペースの方が後退スペースよりも狭いと判定された場合は、後述のステップS08に移行する。
ステップS04では、走行軌跡計算部41が、幅寄せ量取得装置1が取得した幅寄せ量と、可能距離検出装置2により検出された前進スペース量とに基づいて、走行軌跡(幅寄せのための軌道)とそれに必要な切り替えし回数(以下、この回数をNとする)とを計算により算出する。そして、走行軌跡計算部41が、幅寄せ量取得装置1が取得した幅寄せ方向は運転席からみて右方向であるか否かを判定する(ステップS05)。ドライバは幅寄せ方向として右方向を選択した場合は、後述のステップS06に移行する。一方、ドライバは幅寄せ方向として左方向を選択した場合は、後述のステップS07に移行する。
ステップS06では、以下のステップS061〜S064のセットが、上記の切り替えし回数N回繰り返されて、自車両は図3のような軌跡を描いて走行する。ステップS061では、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ前進走行させる。ステップS062では、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ前進走行させる。
ステップS063では、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ後退走行させる。ステップS064では、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ後退走行させる。これらステップS061〜S064が、上記の切り替えし回数N回繰り返されると、一連の処理が終了する。
ステップS07では、以下のステップS071〜S074のセットが、上記の切り替えし回数N回繰り返される。ステップS071では、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ前進走行させる。ステップS072では、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ前進走行させる。
ステップS073では、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ後退走行させる。ステップS074では、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ後退走行させる。これらステップS071〜S074が、上記の切り替えし回数N回繰り返されると、一連の処理が終了する。
ステップS08では、走行軌跡計算部41が、幅寄せ量取得装置1が取得した幅寄せ量と、可能距離検出装置2により検出された後退スペース量とに基づいて、走行軌跡(幅寄せのための軌道)とそれに必要な切り替えし回数(以下、この回数をNとする)とを計算により算出する。そして、走行軌跡計算部41が、幅寄せ量取得装置1が取得した幅寄せ方向は運転席からみて右方向であるか否かを判定する(ステップS09)。ドライバは幅寄せ方向として右方向を選択した場合は、後述のステップS10に移行する。一方、ドライバは幅寄せ方向として左方向を選択した場合は、後述のステップS11に移行する。
ステップS10では、以下のステップS101〜S104のセットが、上記の切り替えし回数N回繰り返される。ステップS101では、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、後退スペース量の半分の距離だけ後退走行させる。ステップS102では、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、後退スペース量の半分の距離だけ後退走行させる。
ステップS103では、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、後退スペース量の半分の距離だけ前進走行させる。ステップS104では、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、後退スペース量の半分の距離だけ前進走行させる。これらステップS101〜S104が、上記の切り替えし回数N回繰り返されると、一連の処理が終了する。
ステップS11では、以下のステップS111〜S114のセットが、上記の切り替えし回数N回繰り返される。ステップS111では、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、後退スペース量の半分の距離だけ後退走行させる。ステップS112では、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、後退スペース量の半分の距離だけ後退走行させる。
ステップS113では、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、後退スペース量の半分の距離だけ前進走行させる。ステップS114では、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、後退スペース量の半分の距離だけ前進走行させる。これらステップS111〜S114が、上記の切り替えし回数N回繰り返されると、一連の処理が終了する。
(4)据え切り可能な場合の駐車支援制御処理
(4)据え切り可能な場合の駐車支援制御処理
続いて、据え切りできるほどのトルクの発生がステアリング回転装置5に可能な場合の駐車支援制御処理について、図6,7を用いて説明する。図6は、この場合の駐車支援装置10により算出される車軸中心の走行軌跡を説明する説明図であり、図7は、この走行軌跡と従来手法による走行軌跡とを比較するための説明図である。
据え切り(即ち、車両停止中のステアリングの回転)できるほどのトルクをステアリング回転装置5が発生させることが可能な場合、図6に示されるように、前進の後の後退(又は、後退の後の前進)への走行方向の切り替え時の停止中に、据え切りして一定操舵角(最大操舵角を含む)まで合わせてから走行方向の切り替えを行なうことによって、より短い前進距離(又は、後退距離)で幅寄せすることが可能になる。
より詳しくは、図7に示されるように、前進時にのみステアリング回転させ後退時にはステアリング回転させない従来手法では、後退時には真っ直ぐ後退(直進後退)することになる。このため、前進の後の後退への走行方向の切り替え時の停止中に据え切りして自車両を真っ直ぐにする必要がある。
これに対して、上記の本手法では、前進時に一定操舵角で右旋回させた後、算出された前進移動距離aの中間地点で反転させ、一定操舵角で左旋回させて、入力された幅寄せ量bの中間地点まで幅寄せすることにより自車両を真っ直ぐに起こす。更に、後退時に一定操舵角で右旋回させた後、算出された後退移動距離aの中間地点で反転させ、一定操舵角で左旋回させて、入力された幅寄せ量bの地点まで幅寄せする。
ここで、従来手法及び本手法の切り返し回数・ステアリングホイール操作回数(旋回方向の変更)・シフトチェンジ回数を比較すると、以下のような差が出る。即ち、従来手法では、切り返し回数が2回で、ステアリングホイール操作回数が6回で、シフトチェンジ回数が3回となるのに対して、本手法では、切り返し回数が1回で、ステアリングホイール操作回数が6回で、シフトチェンジ回数が1回となる。
即ち、ステアリングホイール操作回数は変わらないものの、切り返し回数及びシフトチェンジ回数に関して操作回数を減らすことが出来るという、より一層適切な駐車支援を行うことができる。
(5)据え切り不可能な場合の駐車支援制御処理
(5)据え切り不可能な場合の駐車支援制御処理
続いて、移動中にしかステアリング回転装置5が作動しない場合の駐車支援制御処理について、図8,9を用いて説明する。図8は、移動中にしかステアリング回転装置5が作動しない場合の、ステアリング回転装置5により制御される操舵量の変化を説明する説明図であり、図9は、この操舵量の変化による車軸中心の走行軌跡と従来手法による走行軌跡とを比較するための説明図である。
移動中にしかステアリング回転装置5が作動しない場合、自車両Cの内部では、図8に示されるようにステアリングを徐々に回転させ、図9に示されるように走行軌跡で走行させる。即ち、ステアリング回転装置5が、右旋回するよう操舵制御しながら、制駆動装置6が、前進走行させ、算出された前進移動距離aの1/4地点で、ステアリング回転装置5が、旋回方向を変えて左旋回するよう操舵制御しながら、制駆動装置6が、前進走行させる。
そして、算出された前進移動距離aの3/4地点で、ステアリング回転装置5が、旋回方向を変えて右旋回するよう操舵制御しながら、制駆動装置6が、前進走行させ、前進移動距離aの地点に到達する。ここで、ステアリング回転装置5が、右旋回するよう操舵制御しながら、制駆動装置6が、後退走行させ、算出された後退移動距離aの1/4地点で、ステアリング回転装置5が、旋回方向を変えて左旋回するよう操舵制御しながら、制駆動装置6が、後退走行させる。
そして、算出された後退移動距離aの3/4地点で、ステアリング回転装置5が、旋回方向を変えて右旋回するよう操舵制御しながら、制駆動装置6が、後退走行させ、後退移動距離aの地点に到達する。このようにして、入力された幅寄せ量cの地点まで幅寄せする。なお、この幅寄せ量cは、上記の幅寄せ量bよりも小さい。
ここで、従来手法及び本手法の切り返し回数・ステアリングホイール操作回数(旋回方向の変更)・シフトチェンジ回数を比較すると、以下のような差が出る。即ち、従来手法では、切り返し回数が2回で、ステアリングホイール方向変更回数が5回で、シフトチェンジ回数が3回となるのに対して、本手法では、切り返し回数が1回で、ステアリングホイール方向変更回数が5回で、シフトチェンジ回数が1回となる。
即ち、ステアリングホイール操作回数は変わらないものの、切り返し回数及びシフトチェンジ回数に関して操作回数を減らすことが出来るという、より一層適切な駐車支援を行うことができる。
(6)前後スペースを利用して幅寄せする場合の駐車支援制御処理
(6)前後スペースを利用して幅寄せする場合の駐車支援制御処理
続いて、前後スペースを利用して2回以上切り返しする場合の駐車支援制御処理について、図10,11を用いて説明する。図10は、前進が可能な距離としての前進スペースと、後退が可能な距離としての後退スペースとが空いている状況を説明する説明図であり、図11は、前後スペースを利用して2回以上切り返しする場合の、ステアリング回転装置5による車軸中心の走行軌跡と従来手法による走行軌跡とを比較するための説明図である。
まず、図10に示されるように、縦列駐車の場合など他車両Dと他車両Eとの間に、自車両Cが前後の他車両の列から左右方向に10〜20cm程度はみ出して停止し、前進が可能な距離としての前進スペースSfと、後退が可能な距離としての後退スペースSrとが存在している状況であるとする。この場合、走行軌跡計算部41は、前進スペースSfだけでなく、後退スペースSrも利用して2回以上切り返しすることにより、はみ出さないように幅寄せする走行軌跡を算出する。
より詳しくは、図11における実線で示されるように、走行軌跡計算部41は、前進スペースSfを利用して前進させて切り返すだけでなく、後退スペースSrも利用して後退させて切り返し、幅寄せ完了までの切り返し回数(即ち、シフトチェンジ回数)を2回とする。これにより、後退時のステアリングホイール操作量を少なくし、操作負担を少なくすることができる。
また、図11における破線で示されるように、切り返し回数(シフトチェンジ回数)が3回必要となる上記の(4)据え切り可能な場合の駐車支援制御処理で述べた手法よりも、切り返しの手間を1回少なくし、切り返しのための無駄な減速を不用とすることができる。
なお、図11における一点鎖線で示されるように、上記の(4)据え切り可能な場合の駐車支援制御処理で述べた手法を応用させても、切り返し回数を1回少なくすることができる。
この結果、タイヤへの負担だけでなく、シフトチェンジ時の停止の必要も無くなるため、より短い時間で幅寄せが可能になるという、より一層適切な駐車支援を行うことができる。
(7)2回以上切り返しする場合の駐車支援制御処理の流れ
(7)2回以上切り返しする場合の駐車支援制御処理の流れ
続いて、2回以上切り返しする場合の駐車支援制御処理の流れ(駐車支援方法)について、図12,13を用いて説明する。図12,13は、2回以上切り返しする場合の駐車支援制御処理の流れを示すフローチャートである。図12,13のフローチャートに示される処理は、主として上記したECUによって行われるものであり、駐車支援装置10の電源がオンされてからオフされるまでの間、所定のタイミングで繰り返し実行される。
まず、ドライバが、車外から遠隔操作用リモートコントローラを用いて、幅寄せ距離の数値を駐車支援装置10に送信することにより、図12に示されるように、幅寄せ量取得装置1が、自車両の幅寄せ量と及び幅寄せ方向を受信して入力を受け付ける(ステップS21)。そして、可能距離検出装置2が、自車両の前後左右それぞれの方向に関して、移動可能距離を検出する。これにより、この移動可能距離が、前後左右の空きスペースとして検出される(ステップS22)。
次に、走行軌跡計算部41が、可能距離検出装置2により検出された移動可能距離に基づいて、前進スペースと後退スペースが略同じ広さか(即ち、一方の広さと他方の広さの面積比は所定範囲内か)否かを判定する(ステップS23)。前進スペースと後退スペースが略同じ広さでないと判定された場合は、上記のステップS03に移行する。一方、前進スペースと後退スペースが略同じ広さであると判定された場合は、後述のステップS24に移行する。
ステップS24では、走行軌跡計算部41が、幅寄せ量取得装置1が取得した幅寄せ量と、可能距離検出装置2により検出された前進スペース量とに基づいて、走行軌跡(幅寄せのための軌道)とそれに必要な切り替えし回数Nとを計算により算出する。そして、走行軌跡計算部41が、この切り替えし回数Nは2以上であるか否かを判定する(ステップS25)。切り替えし回数Nは2以上でないと判定された場合は、上記のステップS05に移行する。一方、切り替えし回数Nは2以上であると判定された場合は、上記のステップS26に移行する。
ステップS26では、走行軌跡計算部41が、幅寄せ量取得装置1が取得した幅寄せ方向は運転席からみて右方向であるか否かを判定する。ドライバは幅寄せ方向として右方向を選択した場合は、図13に示されるように、後述のステップS27に移行する。一方、ドライバは幅寄せ方向として左方向を選択した場合は、図13に示されるように、後述のステップS31に移行する。
ステップS27では、走行軌跡計算部41が、この切り替えし回数Nは奇数であるか否かを判定する。切り替えし回数Nは奇数であると判定された場合は、後述のステップS281に移行する。一方、切り替えし回数Nは偶数であると判定された場合は、上記のステップS30に移行する。
ステップS281では、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ前進走行させる。そして、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ前進走行させる(ステップS282)。更に、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ後退走行させる(ステップS283)。そして、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ後退走行させる(ステップS284)。そして、後述のステップS29に移行する。
ステップS29では、以下のステップS291〜S296のセットが、上記の切り替えし回数(N−1)/2回繰り返されて、自車両は図11の実線のような軌跡を(N−1)/2回描いて走行する。ステップS291では、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ前進走行させる。ステップS292では、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ前進走行させる。
ステップS293では、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ後退走行させる。ステップS294では、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ後退走行させる。
ステップS295では、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ前進走行させる。ステップS296では、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ前進走行させる。これらステップS291〜S296が、上記の(N−1)/2回繰り返されると、一連の処理が終了する。
ステップS30では、以下のステップS301〜S306のセットが、上記の切り替えし回数N/2回繰り返される。ステップS301では、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ前進走行させる。ステップS302では、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ後退走行させる。
ステップS303では、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ後退走行させる。ステップS304では、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ後退走行させる。
ステップS305では、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ前進走行させる。ステップS306では、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ前進走行させる。これらステップS301〜S306が、上記のN/2回繰り返されると、一連の処理が終了する。
ステップS31では、走行軌跡計算部41が、この切り替えし回数Nは奇数であるか否かを判定する。切り替えし回数Nは奇数であると判定された場合は、後述のステップS321に移行する。一方、切り替えし回数Nは偶数であると判定された場合は、上記のステップS34に移行する。
ステップS321では、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ後退走行させる。そして、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ後退走行させる(ステップS322)。更に、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ前進走行させる(ステップS323)。そして、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ前進走行させる(ステップS324)。そして、後述のステップS33に移行する。
ステップS33では、以下のステップS331〜S336のセットが、上記の切り替えし回数(N−1)/2回繰り返される。ステップS331では、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ後退走行させる。ステップS332では、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ後退走行させる。
ステップS333では、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ前進走行させる。ステップS334では、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ前進走行させる。
ステップS335では、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ後退走行させる。ステップS336では、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ後退走行させる。これらステップS331〜S336が、上記の(N−1)/2回繰り返されると、一連の処理が終了する。
ステップS34では、以下のステップS341〜S346のセットが、上記の切り替えし回数N/2回繰り返される。ステップS341では、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ後退走行させる。ステップS342では、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ前進走行させる。
ステップS343では、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ前進走行させる。ステップS344では、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ前進走行させる。
ステップS345では、ステアリング回転装置5が、一定の左操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ後退走行させる。ステップS346では、ステアリング回転装置5が、一定の右操舵制御を行ないつつ、制駆動装置6が、前進スペース量の半分の距離だけ後退走行させる。これらステップS341〜S346が、上記のN/2回繰り返されると、一連の処理が終了する。
(8)前後スペースを利用しない場合とする場合の操舵方法の比較
(8)前後スペースを利用しない場合とする場合の操舵方法の比較
続いて、前後スペースを利用しない場合とする場合の操舵方法の差異について、図14を用いて説明する。図14は、前後スペースを利用しないで幅寄せする場合の走行軌跡で自車両を走行させるための操舵量の変化(a)と、(a)の応用である(b)と、前後スペースを利用して幅寄せする場合の走行軌跡で自車両を走行させるための操舵量の変化(c)との比較を説明する説明図である。
前後スペースを利用しないで幅寄せする場合の走行軌跡で自車両を走行させるための操舵量の変化は、図14(a)に一例として示されているように、最初の前進走行で右ハンドル操作1回と左ハンドル操作1回が行われた後にシフトチェンジが行われ、次の後退走行で右ハンドル操作1回と左ハンドル操作1回が行われた後にシフトチェンジが行われ、2回目の前進走行で右ハンドル操作1回と左ハンドル操作1回が行われた後にシフトチェンジが行われ、2回目の前進走行で右ハンドル操作1回と左ハンドル操作1回が行わる。即ち、ハンドル操作が合計8回、シフトチェンジが合計3回行われる。
また、前後スペースを利用しないで幅寄せする場合の走行軌跡で自車両を走行させるための操舵量の変化は、図14(b)に図14(a)の応用の一例として示されているように、最初の前進走行で右ハンドル操作1回と左ハンドル操作1回が行われた後にシフトチェンジが行われ、次の後退走行で右ハンドル操作1回と左ハンドル操作1回が行われた後にシフトチェンジを行なわずに、そのまま後退走行で右ハンドル操作1回と左ハンドル操作1回が行われた後にシフトチェンジが行われ、2回目の前進走行で右ハンドル操作1回と左ハンドル操作1回が行わる。即ち、ハンドル操作が合計8回、シフトチェンジが合計2回行われる。
上記の図14(a)及び(b)に対して、前後スペースを利用して幅寄せする場合の走行軌跡で自車両を走行させるための操舵量の変化は、図14(c)に一例として示されているように、最初の前進走行で右ハンドル操作1回と左ハンドル操作1回が行われた後にシフトチェンジが行われ、次の後退走行で右ハンドル操作1回と左ハンドル操作1回が行われた後にシフトチェンジが行われ、2回目の前進走行で右ハンドル操作1回と左ハンドル操作1回が行われ、幅寄せが完了する。
即ち、ハンドル操作が合計6回、シフトチェンジが合計2回行われ、図14(a)と比べてハンドル操作を1回、シフトチェンジを1回少なくすることが可能となる。更に、図14(b)と比べてハンドル操作を2回、シフトチェンジを1回少なくすることが可能となる。
(9)前後スペースを利用する場合における操舵方法の違いによる幅寄せ量の比較
(9)前後スペースを利用する場合における操舵方法の違いによる幅寄せ量の比較
続いて、前後スペースを利用する場合における操舵方法の違いによる幅寄せ量の差異について、図15を用いて説明する。図15は、前後スペースを利用する場合における操舵方法の違いによる幅寄せ量の変化(a)と、この変化を生み出す操舵方法の違い(b)及び(c)とを説明する説明図である。
図15(b)に一例として示された走行軌跡では、図3に示された走行軌跡の算出方法が応用された方法であり、最初の前進走行で右ハンドル操作1回と左ハンドル操作1回が行われた後にシフトチェンジが行われ、次の後退走行で右ハンドル操作1回(継続時間Tとする)と左ハンドル操作1回(継続時間T)が行われた後にシフトチェンジが行われ、2回目の前進走行で右ハンドル操作1回と左ハンドル操作1回が行われた後にシフトチェンジが行われる。この結果、図15(a)の一点鎖線に示されるような走行軌跡となる。
一方、図15(c)に一例として示された走行軌跡では、最初の前進走行で右ハンドル操作1回と左ハンドル操作1回が行われた後にシフトチェンジが行われ、次の後退走行で右ハンドル操作1回(継続時間Tの二倍)と左ハンドル操作1回(継続時間Tの二倍)が行われた後にシフトチェンジが行われ、2回目の前進走行で右ハンドル操作1回と左ハンドル操作1回が行われる。この結果、図15(a)の実線に示されるような走行軌跡となる。
即ち、前後スペースを利用する場合にいては、図15(c)に示されるように、走行途中のステアリングホイール操作の時間をより長くする操舵方法とすることにより、幅寄せ量をより長くすることができる。
(10)広さが異なる前後スペースを利用する場合における操舵方法
(10)広さが異なる前後スペースを利用する場合における操舵方法
続いて、図10に示されるように、広さが異なる前後スペースを利用する場合における操舵方法について、図10,16,17を用いて説明する。図16は、この操舵方法による車軸中心の走行軌跡を説明する説明図であり、図17は、この走行軌跡で自車両を走行させるための操舵量の変化を説明する説明図である。
まず、図10に示されるように、縦列駐車の場合など他車両Dと他車両Eとの間に、自車両Cが前後の他車両の列から左右方向に10〜20cm程度はみ出して停止し、例えば、前進スペースSfが後退スペースSrよりも広い状況であるとする。この場合、走行軌跡計算部41は、図16に示されるように、広い方の前進スペースSfの走行軌跡をより長くし、狭い方の後退スペースSrの走行軌跡をより短くする。これにより、比較的狭いスペースでの幅寄せも可能になる。
このとき、自車両Cの内部では、図17に示されるようにステアリングを据え切り回転させる。即ち、ステアリング回転装置5が、第一の一定操舵角の操舵制御(前半は一定の右操舵で所定時間T、後半は一定の左操舵で所定時間T)を行ないつつ、制駆動装置6が、前進走行させる。次に、ステアリング回転装置5が、第二の一定操舵角の操舵制御(前半は一定の右操舵で所定時間Tよりも長く、後半は一定の左操舵で所定時間Tよりも長く)行ないつつ、制駆動装置6が、後退走行させる。
そして、ステアリング回転装置5が、第一の一定操舵角の操舵制御(前半は一定の右操舵で所定時間Tよりも短く、後半は一定の左操舵で所定時間Tよりも短く)を行ないつつ、制駆動装置6が、前進走行させて駐車させる。このように、広い方のスペースで旋回時間を長くするとともに、狭い方のスペースで旋回時間を短くすることにより、自車両Cが駐車枠から出て再び駐車操作をやり直す必要がなくなるとともに、少ない切返し回数で、狭いスペースへの駐車を完了させることが可能になる。
(11)変形例
(11)変形例
続いて、本実施形態である駐車支援装置の変形例の構成について、図18を用いて説明する。図18は、変形例としての駐車支援装置20の構成概略を説明するための構成概略図である。図18に示されるように、駐車支援装置20は、駐車支援装置10における可能距離検出装置2を備えない構成を有している。
ここで、走行軌跡計算部41は、移動距離検出装置3により検出された移動可能距離に基づいて、自車両に幅寄せさせるための走行を誘導する走行軌跡とそれに必要な切り替えし回数Nとを計算により算出する。また、モニタ装置7は、制駆動装置6によるシフトチェンジ操作をドライバに知らせることができる。
(12)変形例としての駐車支援装置による運転支援機能の概略
(12)変形例としての駐車支援装置による運転支援機能の概略
続いて、変形例としての駐車支援装置20による運転支援機能の概略について、図19,20を用いて説明する。図19は、駐車支援装置20による運転支援機能の概略を説明する説明図であり、図20は、駐車支援装置20により算出された車軸中心の走行軌跡の一例を説明する説明図である。
図19(a)に示されるように、縦列駐車の場合など他車両Dと他車両Eとの間に、自車両Cが前後の他車両の列から左右方向に10〜20cm程度はみ出して停止しているとする。ここで、図19(b)に示されるように、前進スペースSfを利用して前進させて切り返すだけでなく、図19(c)に示されるように、後退スペースSrも利用して後退させて切り返す。
このような自車両Cの実際の移動走行に基づいて、移動距離検出装置3が、前進スペースSf及び後退スペースSrといった前後方向の移動可能距離を検出する。そして、走行軌跡計算部41が、移動距離検出装置3により検出された移動可能距離に基づいて、自車両Cに幅寄せさせるための走行を誘導する走行軌跡とそれに必要な切り替えし回数Nとを計算により算出する。
次に、位置・操舵角計算部42が、走行軌跡計算部41により算出された走行軌跡を自車両に走行させるための、自車両の位置とその位置に応じて必要となるステアリング操舵角との関係を計算により算出する。そして、ステアリング回転装置5が、位置・操舵角計算部42により算出された自車両位置と操舵角との関係を実現させるように、制御信号を用いてステアリングを回転させる。
更に、制駆動装置6は、位置・操舵角計算部42により算出された自車両位置と操舵角との関係を実現させるように、自車両の車速度とシフトチェンジによる前進走行・後退走行とを制御して、図19(d)に示されるようにはみ出しの無い幅寄せ駐車を完了させる。このように、可能距離検出装置2を備えない構成とすることにより、駐車支援装置20を安価な装置構成とすることができる。
なお、走行軌跡計算部41は、図20に示されるように、自車両の初期位置から最初に後退スペースに真っ直ぐ後退(直進後退)してから、前進スペースに右旋回しながら前進し、切返して後退する走行軌跡を算出してもよい。
(13)幅寄せ量の取得方法の変形例
(13)幅寄せ量の取得方法の変形例
続いて、幅寄せ量の取得方法の変形例について、図21,22を用いて説明する。図21は、幅寄せ量取得装置1による幅寄せ量の取得方法の第一変形例を説明する説明図であり、図22は、幅寄せ量取得装置1による幅寄せ量の取得方法の第二変形例を説明する説明図である。
第一変形例として、図21に示されるように、タッチパネル式モニタ装置7が、自車両C周辺の模式的な俯瞰図(即ち、自車両Cを空中から見下ろしたように表示させた図)を表示してもよい。ここで、タッチパネル式ディスプレイモニタMには、自車両Cの左右それぞれの側方に幅寄せ量が段階的に表示されており、幅寄せ量及び幅寄せ方向に関するドライバによるタッチ入力を受け付けることが可能になっている。
また、表示された左右いずれかのドアの部分を、ドライバが指等で左右方向にタッチアンドスライド入力することにより、幅寄せ量を指定できるようにしてもよい。このような表示方式を採用する場合、幅寄せ前後の自車両Cの位置に関するイメージをより明確にするため、幅寄せラインと幅寄せ前後の自車両Cの位置とを同時に表示させるのが好ましい。
また、第二変形例として、図22に示されるように、幅寄せ量取得装置1が、自車両C表面の左右それぞれ側方に取り付けられたセンサを用いて周囲の障害物を検出して、検出された障害物との距離に基づいて、ドライバPといった乗員が乗り降り可能な位置が生じるような幅寄せ量及び幅寄せ方向を自動的に取得してもよい。
例えば、図22に示される例では、幅寄せ量取得装置1が、センサを用いて左側方の障害物を検出し、検出された障害物と自車両Cと間の距離に基づいて、ドライバPといった乗員が乗り降り可能な位置が生じるような幅寄せ方向(左側方側)及び幅寄せ量(数cm)を取得する。
(14)駐車支援装置による作用及び効果
(14)駐車支援装置による作用及び効果
駐車支援装置10は、自車両Cの前後方向の移動可能距離に基づいて、自車両Cに幅寄せさせるための走行軌跡を演算する。このように、自車両Cの前後方向の移動可能距離に基づいて、自車両Cに幅寄せさせるための走行軌跡が演算されることにより、自車両Cの前後に縦列駐車中の他車両D,E等の障害物が存在する場合であっても、自車両Cを幅寄せして駐車させる際に、短時間で精度のよい駐車操作が容易になって、切り返しの少ないより一層適切な駐車支援を行うことができるようになる。
この結果、一旦、自車両Cが駐車枠から出て再び駐車操作をやり直す必要がなくなり、ドライバによる安全確認に余裕が生まれる。
また、第一の一定操舵角の操舵で自車両Cの前進方向及び後退方向のうち一方の方向へ移動させ、第二の一定操舵角の操舵で自車両Cの前進方向及び後退方向のうち他方の方向へ移動させるための走行軌跡が演算される。このように、前進方向及び後退方向の両方向へ移動させてスペースを有効利用するための走行軌跡を演算することにより、自車両の前後方向の移動可能距離が比較的短く面積が狭いスペースでも、短時間で効率的な駐車支援を行なうことができるようになる。
また、駐車支援装置20により、自車両Cの実際の移動によって得られた前後方向の移動可能距離に基づいて、走行軌跡が演算される。このように、自車両Cの実際の移動から自車両Cの前後方向の移動可能距離を得ることにより、自車両Cの前後方向のスペースを検出するための物体センサ等を特別に設置する必要がなくなるため、安価な装置構成とすることができる。
本発明によれば、より一層適切な駐車支援を行うことができる駐車支援装置を提供することができる。
1…幅寄せ量取得装置、2…可能距離検出装置、3…移動距離検出装置、4…駐車支援ECU、5…ステアリング回転装置、6…制駆動装置、7…モニタ装置、10,20…駐車支援装置、41…走行軌跡計算部、42…位置・操舵角計算部、a…移動距離、A,B,D,E…他車両、C…自車両、G…ガレージスペース、M…タッチパネル式ディスプレイモニタ、P…ドライバ、Sf…前進スペース、Sr…後退スペース。
Claims (3)
- 自車両の目標位置への駐車を支援する駐車支援装置において、
前記自車両の前後方向の移動可能距離に基づいて、前記自車両に幅寄せさせるための走行軌跡を演算する演算手段を備えることを特徴とする駐車支援装置。 - 前記演算手段は、第一の一定操舵角の操舵で前記自車両の前進方向及び後退方向のうち一方の方向へ移動させ、第二の一定操舵角の操舵で前記自車両の前進方向及び後退方向のうち他方の方向へ移動させるための前記走行軌跡を演算する、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置。 - 前記演算手段は、前記自車両の実際の移動から得られた前記前後方向の移動可能距離に基づいて、前記走行軌跡を演算する、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置。
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