JP2011194990A - ハイブリッド自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクセルオフ時に運転者が違和感を覚えるのを抑制する。
【解決手段】アクセルオフされたときには、車速Vが高くなるほど受入可能回生電力Winmaxを大きく設定し、バッテリの入力制限Winと受入可能回生電力Winmaxとのうち絶対値が小さいほうの電力を実行用回生電力Winfとして設定して、エンジンにおける燃料噴射制御を停止して二つのモータにより駆動軸に出力されるトルクの総和が要求トルクとなると共に二つのモータにより充放電される電力の総和が実行用回生電力Winfとなるよう二つのモータを制御する。これにより、エンジンの回転数が高くなり過ぎて、運転者が違和感を覚えるのを抑制することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ハイブリッド自動車に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、エンジンと、エンジンの出力軸にキャリアが接続された遊星歯車機構として構成された動力分割機構と、動力分割機構のサンギヤに接続された第1モータと、動力分割機構のリングギヤに接続された第2モータと、第1モータおよび第2モータと電力をやりとりする蓄電装置と、を備えるハイブリッド自動車において、アクセルオフ時にエンジンに対する燃料供給を停止すると共にエンジンの回転数が車速に応じた下限値になるよう第1モータでエンジンの回転数を制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この自動車では、上述した制御により、エンジンの回転抵抗を用いて車両に制動力を付与している。
特開2008−149964号公報
上述のハイブリッド自動車では、アクセルオフ時にエンジンの回転数が車速に応じた下限値になるよう第1モータでエンジンの回転数を制御することによりエンジンの回転抵抗による制動力を車両に付与しているが、エンジンの回転抵抗による制動力を車両に付与するものとしては、予め定められた所定回生電力でバッテリが充電されるよう第1モータ,第2モータを制御することにより第2モータの回生制御による制動力とエンジンの回転抵抗による制動力とを車両に付与するものがある。このハイブリッド自動車では、車両の走行状態によっては、運転者が違和感を覚える場合がある。例えば、車速が高いときには、エンジンの回転数が比較的高い領域にあることが多いため、エンジンの回転抵抗による制動力を車両に付与するためにエンジンの回転数を更に上昇させると、運転者が意図する以上にエンジンの回転数が高くなってしまい、運転者が違和感を覚える場合がある。また、アクセルオフされた状態が比較的長く継続すると、エンジンの回転抵抗による制動力の付与を継続するためにエンジンの回転数が比較的高い回転数で維持されるが、この場合、エンジンの回転数が中々下がらず、運転者が違和感を覚えてしまう場合がある。
本発明のハイブリッド自動車では、アクセルオフ時に運転者が違和感を覚えるのを抑制することを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1のハイブリッド自動車は、
内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と駆動輪に連結された駆動軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能なバッテリと、を備えるハイブリッド自動車において、
車速を検出する車速センサと、
前記バッテリの状態に基づいて該バッテリを充電する際の最大許容電力としての入力制限を設定する入力制限設定手段と、
アクセルオフされたときには、前記検出された車速が高くなるほど大きくなる傾向に前記バッテリの回生される電力の目標値である目標回生電力を設定すると共に該設定した目標回生電力を前記設定された入力制限で制限した電力で前記バッテリを充電しながら前記内燃機関における燃料噴射制御を停止した状態で走行に要求される要求制動力により走行するよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第1のハイブリッド自動車では、アクセルオフされたときには、検出された車速が高くなるほど大きくなる傾向にバッテリの回生される電力の目標値である目標回生電力を設定すると共に設定した目標回生電力を設定された入力制限で制限した電力でバッテリを充電しながら内燃機関における燃料噴射制御を停止した状態で走行に要求される要求制動力により走行するよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。車速が高いときには、内燃機関の回転数も比較的高いため、内燃機関の回転数を更に上昇させると内燃機関の回転数が非常に高くなってしまい、運転者が違和感を覚える場合があるが、車速が高くなるほど大きくなる傾向に目標回生電力を設定することにより、電動機の回生制御により車両に付与する制動力を大きくすると共に内燃機関の回転抵抗により車両に付与する制動力を小さくして内燃機関の回転数の上昇を抑制することができる。これにより、内燃機関の回転数が高い回転数に至るのを抑制することができ、内燃機関の回転数が高くなり過ぎて運転者が違和感を覚えるのを抑制することができる。
本発明の第2のハイブリッド自動車は、
内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と駆動輪に連結された駆動軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能なバッテリと、を備えるハイブリッド自動車において、
前記バッテリの状態に基づいて該バッテリを充電する際の最大許容電力としての入力制限を設定する入力制限設定手段と、
アクセルオフされたとき、アクセルオフされてから予め定められた所定時間が経過するまでは前記バッテリの回生される電力の目標値として予め定められた目標回生電力を前記設定された入力制限で制限した電力で前記バッテリを充電しながら前記内燃機関における燃料噴射制御を停止した状態で走行に要求される要求制動力により走行するよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、アクセルオフされてから前記所定時間が経過したとき以降は予め定められた所定変化量を持って徐々に大きくなる電力を前記設定された入力制限で制限した電力で前記バッテリを充電しながら前記内燃機関における燃料噴射制御を停止した状態で走行に要求される要求制動力により走行するよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第2のハイブリッド自動車では、アクセルオフされたとき、アクセルオフされてから予め定められた所定時間が経過するまではバッテリの回生される電力の目標値として予め定められた目標回生電力を設定された入力制限で制限した電力でバッテリを充電しながら内燃機関における燃料噴射制御を停止した状態で走行に要求される要求制動力により走行するよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。これにより、電動機の回生制御による制動力と内燃機関の回転抵抗とによる制動力とを車両に付与することができる。そして、アクセルオフされてから所定時間が経過したとき以降は予め定められた所定変化量を持って徐々に大きくなる電力を設定された入力制限で制限した電力でバッテリを充電しながら内燃機関における燃料噴射制御を停止した状態で走行に要求される要求制動力により走行するよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。これにより、時間の経過と共に電動機の回生制御により車両に付与する制動力を大きくすると共に内燃機関の回転抵抗により車両に付与する制動力を小さくすることができるから、内燃機関の回転数を徐々に低下させることができ、内燃機関の回転数が高止まりして運転者が違和感を覚えるのを抑制することができる。
本発明の第1実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 受入可能回生電力Winmaxと車速Vとの関係の一例を示す説明図である。 第1実施例におけるアクセルオフされてからの受入可能回生電力Winmaxとエンジン32の回転数との時間変化の一例を示す説明図である。 回生電力設定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 第2実施例におけるアクセルオフされてからの受入可能回生電力Winmaxとエンジン32の回転数との時間変化の一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の第1実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などを燃料とするエンジン32と、エンジン32の冷却水の温度を検出する温度センサ33からの冷却水温度Twなどの種々の検出値や制御値を入力してエンジン32を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット36と、エンジン32のクランクシャフト34にキャリアが接続されると共に駆動輪26a,26bにデファレンシャルギヤ24を介して連結された駆動軸22にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ38と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子がプラネタリギヤ38のサンギヤに接続されたモータ41と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が駆動軸22に接続されたモータ42と、モータ41,42を駆動するためのインバータ43,44と、インバータ43,44の図示しないスイッチング素子をスイッチング制御することによってモータ41,42を駆動制御するモータ用電子制御ユニット46と、インバータ43,44を介してモータ41,42と電力をやりとりするバッテリ48と、バッテリ48の温度を検出する温度センサ49からのバッテリ温度Tbやシフトレバーのポジションを検出するシフトポジションセンサ52からのシフトポジション,アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ54からのアクセル開度,ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ56からのブレーキポジション,車速センサ58からの車速Vを入力すると共にエンジン用電子制御ユニット36やモータ用電子制御ユニット46と通信して車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット50と、を備える。
実施例のハイブリッド自動車20は、基本的には、ハイブリッド用電子制御ユニット50とエンジン用電子制御ユニット36とモータ用電子制御ユニット46とによって実行される以下に説明する通常の駆動制御によって走行する。ハイブリッド用電子制御ユニット50では、まず、アクセルペダルポジションセンサ54からのアクセル開度と車速センサ58からの車速とに応じて走行のために駆動軸22に要求される要求トルクTr*を設定し、要求トルクに駆動軸22の回転数(例えば、モータ42の回転数や車速に換算係数を乗じて得られる回転数)を乗じて走行に要求される走行用パワーを計算すると共に計算した走行用パワーからバッテリ48の充電容量の割合(SOC)に応じて得られるバッテリ48を充放電するための補正パワー(バッテリ48から放電するときが正の値)を減じてエンジン32から出力すべきパワーとしてのエンジン指令パワーを設定する。そして、エンジン指令パワーを効率よくエンジン32から出力することができるエンジン32の回転数とトルクとの関係としての動作ライン(例えば燃費最適動作ライン)を用いてエンジン32の目標回転数と目標トルクとを設定し、バッテリ48を充放電することができる最大電力としての入出力制限Win,Woutの範囲内で、エンジン32の回転数が目標回転数となるようにするための回転数フィードバック制御によりモータ41から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm1*を設定すると共に、要求トルクからモータ41をトルク指令で駆動したときにプラネタリギヤ38を介して駆動軸22に作用するトルクを減じて得られるトルクをモータ42のトルク指令Tm2*として設定する。そして、設定したエンジン32の目標回転数と目標トルクとをエンジン用電子制御ユニット36に送信すると共に設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータ用電子制御ユニット46に送信する。エンジン32の目標回転数と目標トルクとを受信したエンジン用電子制御ユニット36は、エンジン32の目標回転数と目標トルクとによってエンジン32が運転されるようエンジン32の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを実行する。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータ用電子制御ユニット46は、モータ41,42が設定したトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ43,44のスイッチング素子をスイッチング制御する。実施例のハイブリッド自動車20は、こうした制御により、バッテリ48の入出力制限Win,Woutの範囲内でバッテリを充放電しながらアクセル開度に応じた要求トルクTr*を駆動軸22に出力して走行する。なお、バッテリ48の入出力制限Win,Woutは、温度センサ49により検出されたバッテリ温度Tbや、バッテリ48の充電容量の割合(SOC)に基づいて設定され、バッテリ温度Tbがマイナス10℃やマイナス20℃などの温度に設定された閾値T1より低いときや40℃や50℃などの温度に設定された閾値T2より高いときにバッテリ48の入出力制限が厳しくなり、バッテリ48の充電容量の割合(SOC)が20%や30%などの割合に設定された閾値S1より小さいときや70%や80%などの割合に設定された閾値S2より大きいときにバッテリ48の入出力制限が厳しくなる傾向に設定されるものとした。
また、実施例のハイブリッド自動車20は、アクセルペダルがオフされてアクセルペダルポジションセンサ54からのアクセル開度が0%であるときには、ハイブリッド用電子制御ユニット50とエンジン用電子制御ユニット36とモータ用電子制御ユニット46とによって実行される以下に説明するアクセルオフ時駆動制御によって走行する。まず、ハイブリッド用電子制御ユニット50では、エンジン32の燃料噴射を停止するよう燃料噴射制御や点火制御を停止するための燃料噴射停止指令をエンジン用電子制御ユニット36に送信する処理を実行する。そして、車速に応じて制動トルクとしての駆動軸22に要求される要求トルクを設定し、バッテリ48の入力制限Winと後述する受入可能回生電力設定ルーチンで設定される受入可能回生電力Winmaxとのうち絶対値が小さいほうの電力を実行用回生電力Winfとして設定して、モータ41,42により駆動軸22に出力されるトルクの総和が要求トルクTr*となると共にモータ41とモータ42とにより充放電される電力の総和が実行用回生電力Winfとなるようモータ41,42のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定して、モータ用電子制御ユニット46に送信する。燃料噴射停止指令を受信したエンジン用電子制御ユニット36は、エンジン32の燃料噴射を停止するよう燃料噴射制御や点火制御を停止する処理を実行する。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータ用電子制御ユニット46は、モータ41,42が設定したトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ43,44のスイッチング素子をスイッチング制御する。実施例のハイブリッド自動車20は、こうした制御により、アクセルペダルがオフされたときには、エンジン32における燃料噴射制御を停止した状態でモータ42の回生制御によるバッテリ48の充電を抑制してモータ41でエンジン32の回転数を上昇させてエンジン32の回転抵抗による制動力,すなわち,エンジンブレーキを車両に作用させて駆動軸22に制動トルクとしての要求トルクTr*を出力して走行することができる。
続いて、受入可能回生電力Winmaxの設定について説明する。受入可能回生電力Winmaxは、車速Vに基づいて設定される。図2は、受入可能回生電力Winmaxと車速Vとの関係の一例を示す説明図である。受入可能回生電力Winmaxは、図示するように、車速Vが値Vref(例えば、70km/h,75km/h,80km/hなど)となるまで車速Vが高くなるほど値W1に向かって大きくなり(放電電力を正の電力としたときには車速Vが高くなるほど小さくなるよう)、車速Vが値Vref以上のときには車速Vに拘わらず値W1となるよう設定されている。このように受入可能回生電力Winmaxを設定するのは、以下の理由に基づく。図3は、アクセルオフされてからの受入可能回生電力Winmaxとエンジン32の回転数との時間変化の一例を示す説明図である。図中、実線は、アクセルオフ時の受入可能回生電力Winmaxを値W2としたときのエンジン32の回転数の時間変化の一例を示しており、一点鎖線は、受入可能回生電力Winmaxを値W2より小さい値W3としたときのエンジン32の回転数の時間変化の一例を示している。図示するように、受入可能回生電力Winmaxが大きくなるほど、モータ42の回生電力が大きくなるため、モータ42から出力されるトルクが大きくなると共にエンジン32の回転数の上昇が抑制されてエンジンブレーキが小さくなる。車速Vが高いときには、エンジン32の回転数が比較的高い場合が多いため、エンジン32の回転数を更に上昇させるとエンジン32の回転数が高くなり過ぎて、時には最高回転数に達してしまい、運転者が違和感を覚える場合があるが、車速Vが高くなるほど受入可能回生電力Winmaxを大きくすることにより、エンジン32の回転数の上昇が抑制され、運転者が違和感を覚えるのを抑制することができる。
以上説明した第1実施例のハイブリッド自動車20によれば、アクセルオフされたときには、車速Vが高くなるほど受入可能回生電力Winmaxを大きく設定し、バッテリ48の入力制限Winと受入可能回生電力Winmaxとのうち絶対値が小さいほうの電力を実行用回生電力Winfとして設定して、エンジン32における燃料噴射制御を停止してモータ41,42により駆動軸22に出力されるトルクの総和が要求トルクTr*となると共にモータ41とモータ42とにより充放電される電力の総和が実行用回生電力Winfとなるようモータ41,42を制御することにより、エンジン32の回転数の上昇を抑制することができ、エンジン32の回転数が高くなり過ぎることにより運転者が違和感を覚えるのを抑制することができる。
次に、第2実施例のハイブリッド自動車120について説明する。第2実施例のハイブリッド自動車120は、第1実施例のハイブリッド自動車20と同一の構成である。したがって、第2実施例のハイブリッド自動車120の部材のうち、第1実施例のハイブリッド自動車20と同一の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
第2実施例のハイブリッド自動車120は、上述した通常の制御により走行すると共に、アクセルオフされたときには、以下に説明するアクセルオフ時駆動制御により走行する。第2実施例のハイブリッド自動車120のアクセルオフ時駆動制御は、第1実施例のハイブリッド自動車20のアクセルオフ時駆動制御と受入可能回生電力Winmaxの設定の処理を除いて同一の処理が実行されるため、第1実施例のハイブリッド自動車20のアクセルオフ時駆動制御と同一の処理については、その説明を省略する。
次に、第2実施例のハイブリッド自動車120における受入可能回生電力Winmaxの設定について説明する。図4は、回生電力設定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、上述したアクセルオフ時駆動制御で実行用回生電力Winfを設定する際にハイブリッド用電子制御ユニット50により実行される。
回生電力設定処理ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット50は、まず、受入可能回生電力Winmaxを設定する処理を実行する(ステップS100)。受入可能回生電力Winmaxの設定は、第1実施例のハイブリッド自動車20のように車速Vに基づいて行ってもよいし、予め定められた所定電力を設定するものとしてもよい。
続いて、アクセルペダルがオフされてアクセルオフ時の制御によりエンジンブレーキの作用が開始されてからの経過時間(以下、エンブレ実施時間という)を計時して(ステップS110)、エンブレ実施時間が予め設定された参照時間trefを超えていないときには(ステップS120)、そのまま本ルーチンを終了する。これにより、エンブレ実施時間が参照時間を超えていないときには、エンジンブレーキを車両に作用させて駆動軸22に制動トルクとしての要求トルクTr*を出力して走行することができる。
エンブレ実施時間が参照時間trefを超えたとき以降は、エンブレ実施時間が所定時間trefを超えたときに設定されている受入可能回生電力Winmaxから所定変化量ΔWを持って増加させるレート処理を用いて受入可能回生電力Winmaxを再設定する(ステップS120,S130)。このように受入可能回生電力Winmaxを再設定するのは、以下の理由に基づく。図5は、アクセルオフされてからの受入可能回生電力Winmaxとエンジン32の回転数との時間変化の一例を示す説明図である。図中、実線は、上述したレート処理を用いて受入可能回生電力Winmaxを設定したときのエンジン32の回転数の時間変化の一例を示しており、一点鎖線は、上述したレート処理を用いずに受入可能回生電力Winmaxを一定に設定したときのエンジン32の回転数の時間変化の一例を示している。図示するように、受入可能回生電力Winmaxが一定の場合、エンジン32の回転数が比較的高い回転数で変化しない状態が継続するため、運転者が違和感を覚えることがあるが、受入可能回生電力Winmaxを所定変化量ΔWを持って増加させることにより、エンジン32の回転数を徐々に減少させることができ、エンジン32の回転数が高止まりすることによる運転者の違和感を覚えるのを抑制することができる。
以上説明した第2実施例のハイブリッド自動車120によれば、アクセルオフされたとき、エンブレ実施時間が参照時間trefを超えていないときには所定電力または車速Vに基づく電力として設定された受入可能回生電力Winmaxを入力制限Winで制限した電力でバッテリ48を充電しながらエンジン32における燃料噴射制御を停止した状態で要求トルクTr*により走行するから、エンジンブレーキを車両に作用させることができる。また、エンブレ実施時間が参照時間trefを超えたとき以降は、エンブレ実施時間が参照時間trefを超えたときの受入可能回生電力Winmaxから所定変化量ΔWを持って増加するレート処理を用いて受入可能回生電力Winmaxを再設定し、再設定された受入可能回生電力Winmaxを入力制限Winで制限した電力でバッテリ48を充電しながらエンジン32における燃料噴射制御を停止した状態で要求トルクTr*により走行するから、エンジン32の回転数が高止まりすることによる運転者の違和感を覚えることを抑制することができる。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、本発明の第1のハイブリッド自動車において、エンジン32が「内燃機関」に相当し、モータ41が「発電機」に相当し、プラネタリギヤ38が「遊星歯車機構」に相当し、モータ42が「電動機」に相当し、バッテリ48が「バッテリ」に相当し、車速センサ58が「車速センサ」に相当し、温度センサ49により検出されたバッテリ温度Tbやバッテリ48の充電容量の割合(SOC)に基づいて入力制限Winを設定する処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット50が「入力制限設定手段」に相当し、アクセルオフされたときには、車速Vが高くなるほど受入可能回生電力Winmaxを大きく設定し、バッテリ48の入力制限Winと受入可能回生電力Winmaxとのうち絶対値が小さいほうの電力を実行用回生電力Winfとして設定して、エンジン32における燃料噴射制御を停止するよう燃料噴射停止指令を送信すると共にモータ41,42により駆動軸22に出力されるトルクの総和が要求トルクTr*となると共にモータ41とモータ42とにより充放電される電力の総和が実行用回生電力Winfとなるようモータ41,42のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してモータ用電子制御ユニット46に送信する処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット50と燃料噴射停止指令を受信してエンジン32における燃料噴射制御や点火制御を停止する処理を実行するエンジン用電子制御ユニット36と受信したトルク指令Tm1*,Tm2*によりモータ41,42を制御する処理を実行するモータ用電子制御ユニット46とが「制御手段」に相当する。
実施例では、本発明の第2のハイブリッド自動車において、エンジン32が「内燃機関」に相当し、モータ41が「発電機」に相当し、プラネタリギヤ38が「遊星歯車機構」に相当し、モータ42が「電動機」に相当し、バッテリ48が「バッテリ」に相当し、車速センサ58が「車速センサ」に相当し、温度センサ49により検出されたバッテリ温度Tbやバッテリ48の充電容量の割合(SOC)に基づいて入力制限Winを設定する処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット50が「入力制限設定手段」に相当し、アクセルオフされたとき、エンジン32における燃料噴射制御を停止するようエンジン用電子制御ユニット36に燃料噴射停止指令を送信する処理やエンブレ実施時間が参照時間trefを超えていないときには所定電力または車速Vに基づく電力として受入可能回生電力Winmaxを設定する図4の回生電力設定処理ルーチンのステップS100〜S120の処理,エンブレ実施時間が参照時間trefを超えたとき以降はエンブレ実施時間が参照時間trefを超えたときの受入可能回生電力Winmaxから所定変化量ΔWを持って増加するレート処理を用いて受入可能回生電力Winmaxを再設定するステップS100〜S130の処理,設定された受入可能回生電力Winmaxを入力制限Winで制限した電力でバッテリ48を充電しながら要求トルクTr*により走行するようモータ41,42のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してモータ用電子制御ユニット46に送信する処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット50と燃料噴射停止指令を受信してエンジン32における燃料噴射制御や点火制御を停止する処理を実行するエンジン用電子制御ユニット36と受信したトルク指令Tm1*,Tm2*によりモータ41,42を制御する処理を実行するモータ用電子制御ユニット46とが「制御手段」に相当する。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
20,120 ハイブリッド自動車、22 駆動軸、24 デファレンシャルギヤ、26a,26b 駆動輪、32 エンジン、33 温度センサ、34 クランクシャフト、36 エンジン用電子制御ユニット、38 プラネタリギヤ、41,42 モータ、43,44 インバータ、46 モータ用電子制御ユニット、48 バッテリ、49 温度センサ、50 ハイブリッド用電子制御ユニット、52 シフトポジションセンサ、54 アクセルペダルポジションセンサ、56 ブレーキペダルポジションセンサ、58 車速センサ。

Claims (2)

  1. 内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と駆動輪に連結された駆動軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能なバッテリと、を備えるハイブリッド自動車において、
    車速を検出する車速センサと、
    前記バッテリの状態に基づいて該バッテリを充電する際の最大許容電力としての入力制限を設定する入力制限設定手段と、
    アクセルオフされたときには、前記検出された車速が高くなるほど大きくなる傾向に前記バッテリの回生される電力の目標値である目標回生電力を設定すると共に該設定した目標回生電力を前記設定された入力制限で制限した電力で前記バッテリを充電しながら前記内燃機関における燃料噴射制御を停止した状態で走行に要求される要求制動力により走行するよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備えるハイブリッド自動車。
  2. 内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と駆動輪に連結された駆動軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能なバッテリと、を備えるハイブリッド自動車において、
    前記バッテリの状態に基づいて該バッテリを充電する際の最大許容電力としての入力制限を設定する入力制限設定手段と、
    アクセルオフされたとき、アクセルオフされてから予め定められた所定時間が経過するまでは前記バッテリの回生される電力の目標値として予め定められた目標回生電力を前記設定された入力制限で制限した電力で前記バッテリを充電しながら前記内燃機関における燃料噴射制御を停止した状態で走行に要求される要求制動力により走行するよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、アクセルオフされてから前記所定時間が経過したとき以降は予め定められた所定変化量を持って徐々に大きくなる電力を前記設定された入力制限で制限した電力で前記バッテリを充電しながら前記内燃機関における燃料噴射制御を停止した状態で走行に要求される要求制動力により走行するよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備えるハイブリッド自動車。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013140545A1 (ja) * 2012-03-21 2013-09-26 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両の駆動制御装置
JPWO2013140545A1 (ja) * 2012-03-21 2015-08-03 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両の駆動制御装置

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