JP2011194524A - 研磨用治具およびこれを用いた研磨装置、並びに研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】対象物の被研磨面をより平坦に研磨することができる研磨用治具を提供する。
【解決手段】研磨用治具1aは、対象物を研磨する研磨用表面4を備えた本体2を有し、該研磨用表面4は、第1の表面領域S1および第2の表面領域S2を有し、第2の表面領域S2は第1の表面領域S1の外周部に位置し、第2の表面領域S2は第1の表面領域S1よりも硬度が大きい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、研磨用治具およびこれを用いた研磨装置、並びに研磨方法に関する。
金属製品およびセラミック製品の製造過程では、表面の平坦化および鏡面化のために研磨加工が行われる。そして、研磨加工を行う際に使用する砥石には、種々の形態のものかがある。最近では、効率的な加工を行うために、径の大きな砥石が使用されることが多くなっている。
特開2007−222960号公報
しかしながら、研磨対象物が、例えば凹部を有しており、その凹部の底面を研磨する場合、砥石の移動する範囲が限られるため、凹部の底面には、砥石によって常に研磨される部位と、そうでない部位とが生じる。すなわち、底面の中央部は常に研磨されるが、底面の外周部は、砥石の移動によって研磨されたり、研磨されなかったりする。このとき、底面の中央部は、外周部よりも研磨量が多くなり、中央部から外周部に向かって上昇する傾斜面が生じるという問題があった。
よって、被研磨面をより平坦に研磨することができる研磨用治具およびこれを用いた研磨装置、並びに研磨方法が求められている。
本発明の一態様に係る研磨用治具は、対象物を研磨する研磨用表面を備えた本体を有し、該研磨用表面は、第1の表面領域および第2の表面領域を有し、前記第2の表面領域は前記第1の表面領域の外周部に位置し、前記第2の表面領域は前記第1の表面領域よりも硬度が大きい。
本発明の一態様に係る研磨装置は、上記研磨用治具と、前記対象物を支持し、かつ回転可能な支持部とを備える。
本発明の一態様に係る研磨方法は、対象物を研磨する研磨用表面を備えた本体を有し、該研磨用表面は、第1の表面領域および第2の表面領域を有し、前記第2の表面領域は前記第1の表面領域の外周部に位置し、前記第2の表面領域は前記第1の表面領域よりも硬度が大きい研磨用治具を用いた研磨方法であって、前記本体の回転の中心が、前記対象物の被研磨面の中心と該被研磨面の外周端との間に位置するように前記本体を配置する工程と、前記本体を回転させる工程とを有し、前記本体の回転の中心は、前記第1の表面領域の内部に位置している。
本発明の一態様に係る研磨用治具によれば、被研磨面をより平坦に研磨することができる。
本発明の一態様に係る研磨装置によれば、被研磨面をより平坦に研磨することができる
本発明の一態様に係る研磨方法によれば、被研磨面をより平坦に研磨することができる。
(a)は本発明の一実施形態に係る研磨用治具を用いた研磨装置の斜視図、(b)は(a)の上面図である。 (a)は図1に記載した研磨用治具の斜視図、(b)は(a)の裏面図である。 (a)は研磨装置の断面図、(b)は(a)の部分拡大断面図である。 (a)は本発明の他の実施形態に係る研磨用治具を用いた研磨装置の斜視図、(b)は(a)の上面図、(c)は(a)の断面図である。 (a)は、研磨用治具の各種寸法を説明するための研磨用治具の裏面図であり、(b)は、研磨用治具と研磨対象物との位置関係を説明するための研磨対象物の上面図である。 (a)は本発明の他の実施形態に係る研磨用治具を用いた研磨装置の上面図、(b)は(a)の裏面図である。 図6の研磨装置の断面図である。 本発明の他の実施形態に係る研磨用治具を用いた研磨装置の斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1および図2に示すように、本実施形態による研磨用治具1aは、研磨対象物Tの表面を研磨する本体2を有する。本体2は、研磨対象物Tの被研磨面Tsに対向して、被研磨面Tsの研磨に作用する表面(以下、「研磨用表面」ともいう。)4を有する。本体2は、回転軸3を中心に回転可能である。ここでは、研磨対象物Tが凹部を有し、その凹部の底面が被研磨面Tsであるとする。また、研磨対象物Tは、支持台6に固定されている。
なお、研磨装置は、研磨用治具1aと、研磨対象物Tを支持する支持台6と、支持台6を回転させるシャフト11(後述する)と、研磨対象物Tの被研磨面Ts上に研磨用流体Fを供給する供給部Spとを有する。ここで、供給部Spは、図3(a)にのみ示し、その他の図では省略している。
本体2は、第1の研磨部材7aと第2の研磨部材7bとを有する。第2の研磨部材7bは、第1の研磨部材7aの外周部に位置する。
また、第1の研磨部材7aは、第1の表面領域S1を有し、第2の研磨部材7bは、第2の表面領域S2を有する。研磨用表面4は、第1の研磨部材7aの下面である第1の表面領域S1と、第2の研磨部材7bの下面である第2の表面領域S2とを有する。そして、第2の表面領域S2は第1の表面領域S1の外周部に位置する。
また、第2の研磨部材7bは、第1の研磨部材7aよりも硬度が大きい。第1の研磨部材7aおよび第2の研磨部材7bの材質としては、軟質金属、樹脂、および軟質金属と樹脂の複合材料のうち、少なくとも1種が選択される。軟質金属としては、鋳鉄、アルミニウム、銅、又は錫などを用いることができる。それらの硬度は、一般的に、鋳鉄、アルミニウム、銅、錫の順で小さくなる。樹脂としては、ウレタン樹脂、又はエポキシ樹脂など
を用いることができる。例えば、第1の研磨部材7aにアルミニウム、第2の研磨部材7bに鋳鉄を用いることができる。これにより、第2の表面領域S2は、第1の表面領域S1よりも硬度が大きくなる。なお、ここでいう硬度とは、例えばビッカース硬度である。ビッカース硬度は、JIS (日本工業規格)Z 2244:2009に基づいて測定される。
第1の研磨部材7aは、研磨用治具1aの回転に使用される回転軸3が挿入される挿入穴10を有する。回転軸3は、挿入穴10に挿入される。また、支持台6は駆動シャフト11に固定されている。駆動シャフト11が回転すると支持台6がR1方向に回転する。これにより、研磨時に、研磨対象物Tを回転させることができる。そして、研磨対象物Tを回転させると、その回転力によって本体2もR2方向に回転する。このとき、本体2は、定位置で回転、すなわち自転し、被研磨面Tsを移動しない。
ここで、回転軸3は、挿入穴10の内部で第1の研磨部材7aに固定されるのではなく
、挿入穴10の内部で自由に回転可能である。回転軸3は、研磨用治具1aの上方にある不図示の固定部により上下方向の移動は拘束されるが、回転は制限されないように固定される。この構成によれば、回転軸3は、挿入穴10の内壁と当接しながら自由に回転でき、研磨用治具1aが研磨対象物Tと摺動する際に、摺動抵抗の急激な経時変化を抑制できると考えられる。
また、研磨用治具1aの上部には、回転軸3の外径よりもわずかに大きな径の挿入穴、例えば凹形状のザグリ(不図示)が形成され、回転軸3がそのザグリ内で自由に回転できる構成であることが好ましい。この構成を選択することにより、回転軸3が回転しなくても、研磨用治具1aはR2方向に回転できる。
なお、回転軸3は、第1の研磨部材7aの回転とともに同じ回転方向R2に回転するように構成されてもよい。その場合、回転軸3は、例えば図4に示すように、第1の研磨部材7aの回転とともに同じ回転方向R2に回転するように、固定部22によって固定されている。固定部22は、例えば2つのボルトからなり、回転軸3と第1の研磨部材7aとを強固に固定している。この構成によれば、回転方向R1,R2の周速度およびその差を自由に設定することができるので、凹部の底面をより平坦に研磨することができる。
研磨用治具1aにおいて、第1の研磨部材7aと第2の研磨部材7bは、第1の表面領域S1および第2の表面領域S2に垂直な方向に相体的に移動可能であることが好ましい。
この場合、研磨用治具1aは、第1の研磨部材7aと第2の研磨部材7bとを連結する係止治具8を有する。
係止治具8は、プレート12、ネジ14、および挿通部材16を有する。プレート12と第2の研磨部材7bは、両者の相対的な位置関係が変化しないようにネジ14によって固定されている。プレート12は、挿入孔18を有する。挿通部材16は、挿入孔18に挿通されている。挿通部材16は、第1の研磨部材7aに固定されている。なお、挿入穴18と挿通部材16との間には微小な隙間が設けられている。
第1の研磨部材7aと第2の研磨部材7bは、挿入穴18と挿通部材16との間の微小な隙間によって許される範囲を除いては、研磨用治具1aの回転方向(図1のR2の方向)、および水平方向(図3の紙面の横方向)には相対的に移動できない。
一方、挿通部材16は、垂直方向(図3の紙面の縦方向)に移動できる。したがって、第1の研磨部材7aと第2の研磨部材7bは、互いに拘束されることなく垂直方向に相対
的に移動可能である。
このような構造を有する研磨用治具1aを用いて研磨対象物Tを研磨すると、研磨前において凹部の底面の中央部と外周部との間に段差や傾斜があっても、第1の研磨部材7aと第2の研磨部材7bが垂直方向に拘束されることなく相対的に移動できるので、研磨対象物Tに対して局所的な応力が掛かりにくい。その結果、凹部の底面をより平坦にすることができる。
以下に、研磨用部材1および研磨装置の動作について説明する。研磨対象物Tの凹部内には、研磨用流体Fが供給される。そして、研磨対象物Tが駆動シャフト11によって回転すると、研磨用治具1aの本体2は、回転軸3を中心に回転する。研磨用流体は、研磨用表面4と被研磨面Tsとの間に供給される。研磨用流体は、研磨用の砥粒と分散用液体とを有するスラリーである。砥粒としては、例えば、平均粒径5μmの酸化アルミニウム
を用いることができる。このように研磨対象物Tおよび研磨用部材1が回転すると、研磨用表面4が研磨用表面4と研磨対象物Tとの間にある砥粒を介して摺動し、凹部底面が研磨される。
ここで、回転軸3が挿入される挿入穴10は、図5(a)に示すように、本体2を平面視したときに、研磨用表面4の中心30に位置している。そして、第1研磨部材7aの中心は、この中心30からずれた位置にある。第1の表面領域S1が円形であるとき、第1の表面領域S1の半径をdmとし、中心30と第1の表面領域S1の外周縁との間の距離の最大値および最小値をそれぞれdl,dsとすると、dl>dm>dsが成り立つ。ここで、第1の表面領域S1の外周縁において、中心30との距離が最大となる点を点Aとし、中心30との距離が最小となる点を点Bとする。また、第1の表面領域S1の外周縁と第2の表面領域S2の外周縁との間の距離は、第1の表面領域S1の外周方向に沿って変化している。
本体2が被研磨面Ts上で回転する場合、研磨用表面4の中心30は、図5(b)において点線31で示した軌跡に沿って移動可能である。例えば、研磨用表面4および凹部の底面(被研磨面Ts)がそれぞれ円形であるとき、凹部底面の直径をD1、研磨用表面4の直径をD2(D1>D2)とすると、この軌跡31は、(D1−D2)/2の半径を有する円周上にある。また、図5(b)において、一点鎖線32は、本体2が回転するとき、点Aが到達しうる地点を結んだ線であり、半径(D1−D2)/2+dlの円周上にある。また、一点鎖線33は、本体2が回転するとき、点Bが到達しうる地点を結んだ線であり、半径(D1−D2)/2+dsの円周上にある。
また、図5(b)に示した領域32aは、研磨用部材1によって常に研磨される領域、すなわち、研磨用表面4が常に対向する領域である。一方、領域34bは、研磨対象物Tに対する本体2の位置によって、研磨されたり、研磨されなかったりする領域である。例えば、研磨用表面4および凹部の底面(被研磨面Ts)がそれぞれ円形であり、凹部底面の直径をD1、研磨用表面4の直径をD2(D1>D2)とすると、領域34aは、D1/2−(D1−D2)=D2−D1/2の半径を有する円形の領域となる。なお、これは、D1/2<D2<D1が成り立つことが前提である。
ここで、被研磨面Tsにおいて、半径(D1−D2)/2+dsの円周の内側領域は、常に第1の表面領域S1が対向する領域といえる。また、半径が(D1−D2)/2+dlの円周の内側領域であって、半径が(D1−D2)/2+dsの円周の外側領域は、本体2の回転に応じて、第1の表面領域S1が対向したり、第2の表面領域S2が対向したりする中間領域といえる。また、半径(D1−D2)/2+dlの円周の外側領域は、常に第2の表面領域S2が対向する領域といえる。
よって、D2−D1/2≦(D1−D2)/2+ds、すなわち3×D2/2−D1≦dsが成り立つとき、領域34aは、常に硬度が小さい第1の表面領域S1によって研磨されることになる。
また、(D1−D2)/2+ds<D2−D1/2≦(D1−D2)/2+dlが成り立つとき、領域34aにおける外周部は、第1の表面領域S1で研磨されたり、第2の表面領域S2で研磨されたりするが、中心部は、第1の表面領域S1で研磨される。
また、D2−D1/2>(D1−D2)/2+dlが成り立つとき、領域34aにおける外周部は、常に硬度が大きい第2の表面領域S2によって研磨され、中心部は、第1の表面領域S1で研磨され、その外周部と中心部との間は、第1の表面領域S1で研磨されたり、第2の表面領域S2で研磨されたりする。
本実施の形態による研磨用部材1によれば、研磨用表面4の中心部に硬度の小さい材料からなる第1の表面領域S1を有し、その外周部に硬度の大きい材料からなる第2の表面領域S2を有することから、少なくとも領域34aの中心部に対しては、第1の表面領域S1を対向させて研磨することができ、少なくとも領域34bにおける外周部に対しては、第2の表面領域S2を対向させて研磨することができることから、研磨用表面4全体が
同じ硬度を有する従来の研磨用部材と比較して、被研磨面Tsに傾斜面が生じることを抑制することができる。
また、本実施の形態による研磨用部材1によれば、常に第1の表面領域S1を対向させて研磨する領域と、常に第2の表面領域S2を対向させて研磨する領域との間に、第1の表面領域S1が対向したり、第2の表面領域S2が対向したりする領域(中間領域)が存在することから、上記領域34aの中心部から領域34bにおける外周部にかけて、被研磨面Tsの研磨量を緩やかに増加させることが可能であるから、被研磨面Tsをより平坦にすることができる。
また、上述したように、上方から平面視した場合、研磨用表面4の中心と第1の研磨部材7aの中心とがずれていることが好ましい。この理由は以下の通りである。研磨用表面4および第1の表面領域S1がともに円形で、それぞれの半径がr1,r2(r1>r2)とすると、研磨用表面4の中心と第1の研磨部材7aの中心とが一致している場合には、凹部底面(被研磨面Ts)の外周縁からr1−r2までの領域は、常に第2の表面領域S2によって研磨され、研磨量が大きくなる。このとき、凹部底面(被研磨面Ts)の外周縁からr1−r2の位置を境に研磨量が変化することになるから、この境界に段差が生じる可能性がある。
しかし、研磨用表面4の中心と第1の研磨部材7aの中心がずれていると、研磨用部材1が回転した場合に、被研磨面Tsには、第1の表面領域S1および第2の表面領域S2の両方と摺動する部分(中間領域)が存在する。この中間領域の研磨量は、第1の表面領域S1によって研磨される研磨量と第2の表面領域S2によって研磨される研磨量との間である。したがって、中間領域は、第1の表面領域S1によって研磨される研磨量と第2の表面領域S2によって研磨される研磨量との違いを緩和する作用があるため、被研磨面Tsをさらに平坦にすることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施の形態による研磨用治具1bは、第2の研磨部材7bが、第3の研磨部材7cおよび第4の研磨部材7dを有する。その他の構造は、第1の実施形態による研磨用治具1aと同一であるので、説明を省略する
。図6および図7に示すように、第4の研磨部材7dは、第3の研磨部材7cの外周部に位置する。
また、第3の研磨部材7cは、第3の表面領域S3を有し、第4の研磨部材7dは、第2の表面領域S4を有する。研磨用表面4は、第1の研磨部材7aの下面である第1の表面領域S1と、第3の研磨部材7cの下面である第2の表面領域S3と、第4の研磨部材7dの下面である第3の表面領域S4とを有する。そして、第3の表面領域S3は第1の表面領域S1の外周部に位置し、第4の表面領域S4は第3の表面領域S3の外周部に位置する。
また、第3の研磨部材7cは、第1の研磨部材7aよりも硬度が大きく、第4の研磨部材7dは、第3の研磨部材7cよりも硬度が大きい。これにより、第3の表面領域S3は、第1の表面領域S1よりも硬度が大きく、第4の表面領域S4は、第3の表面領域S3よりも硬度が大きくなる。このように、第4の表面領域S4の硬度が第3の表面領域S3の硬度よりも大きければ、被研磨面Tsの中心部から外周部まで、さらに細かく段階的に(緩やかに)研磨量を異ならせることができる、すなわち研磨量を制御することができるので、研磨対象物Tをより平坦に研磨させることができる。
また、第3の領域6cと第2の領域6dは、形状が異なることが好ましい。特に、図5に示すように、上方から平面視した場合に、第3の表面領域S3の外周縁と第4の表面領域S4の外周縁との間の距離は、第3の表面領域S3の外周方向に沿って変化していることが好ましい。この構成によれば、上述したように、第3の表面領域S3および第4の表面領域S4の両方と摺動する部分(中間領域)が存在することから、この中間領域によって、第3の表面領域S3の研磨量と第4の表面領域S4の研磨量との差を緩和することができるため、研磨対象物Tをより平坦に研磨することができる。
なお、図6および図7の研磨用治具1bによれば、上方から平面視した場合に、第1の表面領域S1の外周縁と第3の表面領域S3の外周縁との間の距離が、第1の表面領域S1の外周方向に沿って同じであるが、研磨用表面4の中心と第1の表面領域S1の中心がずれており、かつ第3の表面領域S3の外周縁と第4の表面領域S4の外周縁との間の距離が、第3の表面領域S3の外周方向に沿って変化していることから、被研磨面Tsの研磨量が急激に変化する境界が生じないため、被研磨面Tsに段差や傾斜が生じることを抑制することができる。
また、第3の研磨部材と第4の研磨部材は、第1、第3および第4の表面領域S1,S3,S4に垂直な方向に相体的に移動可能である。これにより、第1、第3、第4の研磨部材が、上記垂直な方向に互いに拘束されずに移動できるので、研磨前において研磨対象物Tの凹部の底面の中央部と外周部との間に段差や傾斜があっても、第1,第3,および第4の研磨部材7a,7c,7dが上下方向に拘束されることなく相対的に移動できるので、研磨対象物Tに対して局所的な応力が掛かりにくい。その結果、凹部の底面をより平坦にすることができる。なお、係止治具8の構成は、第1の実施形態による研磨用治具1aと同様である。
なお、本実施の形態による研磨用治具1bによれば、研磨用表面4を硬度の異なる3つの領表面域に分けたが、3以上の表面領域に分けて、硬度を異ならせてもよい。その場合には、より細かく段階的に被研磨面Tsの研磨量を異ならせることが可能である。
上述した説明より明らかなように、上記実施形態に係る研磨用治具1a,1bを用いた研磨方法は、本体2の回転の中心が、被研磨面Tsの中心と被研磨面Tsの外周端との間に位置するように本体2を配置する工程と、研磨対象物Tおよび本体2を回転させる工程
とを有する。ここで、本体2は、研磨対象物Tの回転力によって回転させてもよいし、回転軸3に回転駆動力を与えることによって自力で回転させてもよい。このとき、本体2の回転の中心は、第1の表面領域7aの内部に位置している。
さらに、研磨用治具1a,1bを用いた好ましい研磨方法について、図8を用いて説明する。本発明の一実施形態に係る研磨方法は、本体2の回転中心を、研磨対象物Tの被研磨面Tsの中心を通る直線上で往復運動させることが好ましい。研磨装置の上方には、案内ガイド28が固定されている。案内ガイド28には、案内ガイド28の長手方向に沿って直線状に可動できる連結部材32が配置されている。回転軸3は連結部材32に固定されている。連結部材32には、不図示の駆動用部材と繋がっており、この駆動用部材が案内ガイド28の長手方向に沿って駆動力を与えている。このような構造の研磨装置を用いることによって、本体2の回転中心を、被研磨面Tsの中心を通る直線上で往復運動させることができる。この研磨方法を選択することによって、被研磨面Tsに硬度の異なる複数の表面領域が摺動する中間領域が形成されることから、研磨対象物Tを径方向においてより平坦にすることができる。また、本体2が回転するのみでは、研磨用治具1a,1bを長期間使用した場合に、研磨用表面4の中央部よりも外周部の方で磨耗が大きくなる可能性があるが、本体2を回転しながら移動させると、その可能性が低減され、研磨用表面4の磨耗がより均一になる。その結果、研磨用治具1a,1bの寿命を延ばすことができる。さらに、本体2を移動させることにより、研磨用流体Fが被研磨面Ts上でより循環することなり、研磨用流体F内の砥粒が被研磨面Ts上に堆積するといったことも抑制される。したがって、研磨対象物Tの凹部底面(被研磨面Ts)をより平坦にすることができる。
なお、本体2が回転しながら、被研磨面Ts上を移動する場合には、本体2が移動しない場合と比較して、常に第1の表面領域S1と摺動する領域、第1の表面領域S1および第2の表面領域S2の両方と摺動する領域、常に第2の表面領域S1と摺動する領域のそれぞれの面積は違ってくるが、研磨用表面4全体が同じ硬度を有する従来の研磨用部材と
比較して、被研磨面Tsに傾斜面が生じることを抑制することができることには変わりはない。また、研磨用治具1a,1bの回転中心を研磨対象物Tの被研磨面Tsの中心を通る直線上で往復運動させた場合にも、被研磨面Tsの中心部から外周部にかけて、被研磨面Tsの研磨量を段階的に増加させることが可能であるため、被研磨面Tsをより平坦にすることができる。なお、上述の実施の形態の説明によれば、研磨対象物Tを回転させたが、本体2を回転させながら移動させることができれば、必ずしも回転させる必要はない。
なお、上述した研磨用治具を用いると、研磨対象物Tの被研磨面Tsをより平坦に研磨することができるが、より平坦になったことは、表面形状測定機により測定した場合に、その測定値が小さくなったことにより確認することができる。表面形状測定機は、非接触式で表面の3次元形状を測定することができるものが好ましい。例えば、ザイゴ株式会社の非接触3次元表面形状・粗さ測定機New View 6200,New View 6300などを使用して平坦度を測定することができる。
1a,1b:研磨用治具
T:研磨対象物
Ts:被研磨面
2:本体
3:回転軸
4:研磨用表面
6:支持台
7a:第1の研磨部材
7b:第2の研磨部材
7c:第3の研磨部材
7d:第4の研磨部材
8:係止治具
11:駆動シャフト
12:プレート
14:ネジ
16:挿通部材
18:挿入穴
20:回動部
22:固定部
28:案内ガイド
30:凹部底面
32:連結部材
S1:第1の表面領域
S2:第2の表面領域
S3:第1の表面領域
S4:第2の表面領域

Claims (9)

  1. 対象物を研磨する研磨用表面を備えた本体を有し、該研磨用表面は、第1の表面領域および第2の表面領域を有し、前記第2の表面領域は前記第1の表面領域の外周部に位置し、前記第2の表面領域は前記第1の表面領域よりも硬度が大きいことを特徴とする研磨用治具。
  2. 前記本体は、前記第1の表面領域を有する第1の研磨部材と、前記第2の表面領域を有し、前記第1の研磨部材の外周部に位置する第2の研磨部材とを有し、
    前記第1の研磨部材と前記第2の研磨部材は、前記第1および第2の表面領域に垂直な方向に相体的に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の研磨用治具。
  3. 前記第1の表面領域の外周縁と前記第2の表面領域の外周縁との間の距離は、前記第1の表面領域の外周方向に沿って変化している請求項1又は請求項2に記載の研磨用治具。
  4. 前記第2の表面領域は、環状の第1領域と、該第1領域の外周部に位置し、該第1領域よりも硬度が大きい環状の第2領域とを有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の研磨用治具。
  5. 前記第2の研磨部材は、前記第3領域を有する第3の研磨部材と前記第4領域を有する第4の研磨部材とを有し、
    前記第3の研磨部材と前記第4の研磨部材は、前記第3および第4の表面領域に垂直な方向に相体的に移動可能であることを特徴とする請求項4に記載の研磨用治具。
  6. 前記第1の研磨部材は、前記研磨用治具の回転に使用される回転軸が挿入される挿入穴を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の研磨用治具。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の研磨用治具と、
    前記対象物を支持し、かつ回転可能な支持部と
    を備える研磨装置。
  8. 対象物を研磨する研磨用表面を備えた本体を有し、該研磨用表面は、第1の表面領域および第2の表面領域を有し、前記第2の表面領域は前記第1の表面領域の外周部に位置し、前記第2の表面領域は前記第1の表面領域よりも硬度が大きい研磨用治具を用いた研磨方法であって、
    前記本体の回転の中心が、前記対象物の被研磨面の中心と該被研磨面の外周端との間に位置するように前記本体を配置する工程と、
    前記本体を回転させる工程と
    を有し、
    前記本体の回転の中心は、前記第1の表面領域の内部に位置している研磨方法。
  9. 前記本体の回転の中心を、前記被研磨面の中心を通る直線上で往復運動させることを特徴とする請求項8に記載の研磨方法。
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