以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の複数の実施の形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施形態に係る情報表示システム1の全体構成を概略的に示した図である。図1に示したように、情報表示システム1は、商品マスタDB(データベース)10、POS(Point Of Sales)サーバ20、情報処理装置としてのESL(Electronic Shelf Label:電子棚札)サーバ30、ハンディターミナル40、アクセスポイント50、中継器60、棚札端末70、広告端末としてのPOP(Point Of Purchase)端末80等で構成されている。この情報表示システム1は、商品を販売する店舗に設置される。
商品マスタDB10、POSサーバ20、ESLサーバ30、アクセスポイント50及び中継器60は、有線ネットワークN1を介して接続されている。また、アクセスポイント50とハンディターミナル40とは、無線ネットワークN2を介して接続されており、中継器60と各端末(棚札端末70及びPOP端末80)とは、無線ネットワークN3を介して接続されている。
商品マスタDB10は、店舗が扱う商品の名称や価格に関する情報を記憶・管理するデータベース装置である。具体的に、商品マスタDB10は、図2に示したように、商品コード、商品名、単価、商品分類コード、棚札番号等のデータ項目からなる商品情報レコードを記憶している。商品コードは、店舗で販売される各種商品品目を識別するために商品毎に予め設定された固有のコードである。商品名、単価、商品分類コード、棚札番号は、同一レコードの商品コードによって特定される商品の情報である。商品マスタDB10は、値引き情報等の広告情報も記憶している。
POSサーバ20は、POSシステムの中枢を担うコンピュータであり、通信回線を介して図示しないPOS端末と接続されている。ここで、POS端末は、顧客が買上げた商品の販売データを登録処理し、その代金を現金、クレジットカード、プリペイドカード、電子マネー、デビットカード等の種々の支払い方法に応じて決済処理するものである。また、POSサーバ20は、当該POSサーバ20を操作する操作者や、POS端末等から特定の棚札端末70や特定のPOP端末80に対する表示書き換え等の指示を受け付けると、この指示内容を表した指示データをESLサーバ30に送信する。
ESLサーバ30は、中継器60とともに後述するESLシステムを管理する情報処理装置を構成し、棚札端末70及びPOP端末80の動作を制御して棚札端末70及びPOP端末80に情報を表示させる。
具体的に、ESLサーバ30は、POSサーバ20から指示データを受信すると、この指示データで指示された動作を当該指示データで指定された棚札端末70及びPOP端末80に実行させるためのコマンドやデータ(以下、コマンド及びデータを、単にコマンドデータという)を、中継器60を介して棚札端末70及びPOP端末80に送信する。
また、ESLサーバ30は、図示しないHDD等の記憶装置を備え、各棚札端末70を識別するための端末IDと、各棚札端末70に表示される商品を識別するための商品コードとを関連付けた棚札管理レコードを記憶している(図3参照)。ここで、図3は、ESLサーバ30の棚札管理レコードを示したブロック図である。また、記憶装置には、POP端末80の端末ID(例えば、IPアドレス等)と、当該POP端末80の設置位置を示す位置情報とを関連付けて記憶している。
ハンディターミナル40は、店舗の店員等により操作される携帯型の情報処理装置であり、棚札端末70の端末IDと、この棚札端末70に表示される商品の商品コードとを読み込み、アクセスポイント50を介してESLサーバ30に送信することで、両データを棚札管理レコードに関連付けて登録する際に使用される。
アクセスポイント50は、有線ネットワークN1に接続された機器(ESLサーバ30)とハンディターミナル40とを接続するための無線ネットワーク装置であって、無線LAN−有線LANのプロトコル変換を行う。中継器60は、有線ネットワークN1に接続された機器(ESLサーバ30)と、棚札端末70及びPOP端末80とを接続するための無線ネットワーク装置であって、無線LAN−有線LANのプロトコル変換を行う。
棚札端末70及びPOP端末80について説明する。図4は、棚札端末70の正面図、図5は、POP端末80の正面図、図6は、棚札端末70及びPOP端末80の要部構成を示した図である。
棚札端末70は、陳列されている各種商品にそれぞれ対応して店舗内の商品陳列棚に客から見える状態で設けられている。一方、POP端末80は、店舗の比較的目立つ場所に客から見える場所に配置される。図4及び図5に示すように、棚札端末70及びPOP端末80は、それぞれ薄板状の外形をなす筐体Cの正面側に情報を表示部91を有しており、その基本構成は、同じである。棚札端末70は、表示部91に、対応する商品の商品名、価格等を表示する。POP端末80は、表示部91に、例えば値引き商品等の広告を表示する。棚札端末70及びPOP端末80の構成上の主な相違点は、それらの大きさであり、POP端末80の方が棚札端末70よりも大きい点である。より詳しくは、POP端末80の表示部91は、棚札端末70の表示部91よりも大きい。これにより、POP端末80の方が棚札端末70よりも、画像表示のための画像データ量が多い。また、棚札端末70は、ハンディターミナル40とのインタフェース部となる端末ID提示部92を有している。
また、棚札端末70及びPOP端末80のそれぞれは、図6に示したように、駆動源としてのバッテリ93、中継器60を介してESLサーバ30とデータ通信を行う通信部94、不揮発性の記憶部95、通信制御時の同期や時間計測に用いるタイマ部96及び各部を制御する制御部97を備えている。
記憶部95は、各棚札端末70及びPOP端末80をそれぞれ識別するために棚札端末70及びPOP端末80毎に割当設定された端末IDを記憶している。また、記憶部95は、ESLサーバ30から送信された表示部91への表示に係る商品名や価格、値引き価格等のデータを記憶する。
ところで、上述した商品マスタDB10、POSサーバ20及びESLサーバ30は、一般的なコンピュータである。図7は、コンピュータのモジュール構成を示した図である。商品マスタDB10、POSサーバ20及びESLサーバ30であるコンピュータは、情報処理を行うCPU(Central Processing Unit)101、BIOS等を記憶した読み出し専用メモリであるROM(Read Only Memory)102、各種データを書き換え可能に記憶するRAM(Random Access Memory)103、処理経過や結果等を表示するCRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部104、操作者がCPU101に命令や情報等を入力するためのキーボードやマウス等のポインティングデバイスである入力部105、各種データベースとして機能するとともに各種のプログラムを記憶するHDD(Hard Disk Drive)等の記憶部106、記憶媒体Mを用いて情報を保管したり外部に情報を配布したり外部から情報を入手するためのCD−ROMドライブ等の媒体読取装置107、各通信回線を介して外部の他の機器と通信により情報を伝達するための通信制御装置108等から構成されており、これらの各部がバス109により接続されている。
このようなコンピュータでは、オペレータが電源を投入するとCPU101がROM102内のローダーというプログラムを起動させ、記憶部106よりOS(Operating System)というコンピュータのハードウェアとソフトウェアとを管理するプログラムをRAM103に読み込み、このOSを起動させる。このようなOSは、オペレータの操作に応じてプログラムを起動したり、情報を読み込んだり、保存を行ったりする。OSのうち代表的なものとしては、Windows(登録商標)等が知られている。これらのOS上で走る動作プログラムをアプリケーションプログラムと呼んでいる。なお、アプリケーションプログラムは、所定のOS上で動作するものに限らず、後述の各種処理の一部の実行をOSに肩代わりさせるものであってもよいし、所定のアプリケーションソフトやOSなどを構成する一群のプログラムファイルの一部として含まれているものであってもよい。
すなわち、記憶部106に記憶されているアプリケーションプログラムの違いによって、コンピュータは、商品マスタDB10、POSサーバ20及びESLサーバ30として夫々機能することになる。
また、一般的には、コンピュータの記憶部106にインストールされるアプリケーションプログラムは、CD−ROMやDVD等の各種の光ディスク、各種光磁気ディスク、フレキシブルディスク等の各種磁気ディスク、半導体メモリ等の各種方式のメディア等の記憶媒体Mに記録され、この記憶媒体Mに記録された動作プログラムが記憶部106にインストールされる。このため、CD−ROM等の光情報記録メディアやFD等の磁気メディア等の可搬性を有する記憶媒体Mもアプリケーションプログラムを記憶する記憶媒体となり得る。さらには、アプリケーションプログラムは、例えば通信制御装置108を介して外部から取り込まれ、記憶部106にインストールされてもよい。
コンピュータは、OS上で動作するアプリケーションプログラムが起動すると、このアプリケーションプログラムに従い、CPU101が各種の演算処理を実行して各部を統括的に制御する。
また、アクセスポイント50及び中継器60は、一般的な無線通信装置である。図8は、無線通信装置のモジュール構成図である。アクセスポイント50及び中継器60である無線通信装置は、プロトコル変換等の情報処理を行うCPU201、BIOSや各種プログラム、設定情報等を記憶したEEPROM等の記憶部202、各種データを書き換え可能に記憶するRAM203、有線LAN上の他の機器と通信により情報を伝達するための有線LANインタフェース204、無線LAN上の他の機器と通信により情報を伝達するための無線LANインタフェース205等から構成されており、これら各部がバス206に接続されている。
このような無線通信装置では、オペレータが電源を投入するとCPU201が記憶部202内のプログラムを実行し、設定情報に応じた動作を行うことで無線通信装置としての機能を実現する。すなわち、記憶部202に記憶されているプログラムや設定情報の違いによって、無線通信装置は、アクセスポイント50及び中継器60として夫々機能することになる。
ところで、図1に示したように、棚札端末70は、中継器60を介してESLサーバ30に接続されている。ここで、ESLサーバ30と棚札端末70とにより電子棚札システム(以下、ESLシステムという)が構成されている。
次に、情報表示システム1の動作の概略を説明する。POSサーバ20から指示を受け付けたESLサーバ30は、それが例えば特定の棚札端末70やPOP端末80の書き換え指示なら、商品マスタDB10から関連する商品情報や価格情報、広告情報を読み出し、表示用の画像データ(以下、表示画像という)を生成する。そして、ESLサーバ30は、所定のプロトコルを用いて棚札端末70やPOP端末80に送信するため表示画像を分割し、データ・パケット化の処理を施し、中継器60を介して指示された棚札端末70やPOP端末80宛に送信する。
中継器60は、ESLサーバ30からパケットを受信すると、所定の無線プロトコルに変換した後、指示された棚札端末70やPOP端末80に転送する。棚札端末70及びPOP端末80は、中継器60からパケットを受信すると、当該パケットから表示画像を合成し、表示部91に表示する。なお、POSサーバ20やESLサーバ30から棚札端末70及びPOP端末80へ指示可能な機能は、上記した表示書き換え機能だけでなく、棚札端末70及びPOP端末80の生存確認や電池残量の確認、表示のリフレッシュ等様々な機能を実現できるよう各種の設定が定義されているものとする。
以下、図9を参照し、情報表示システム1の全体動作の詳細について説明する。ここで、図9は、情報表示システム1の全体動作を説明するためのラダーチャートである。
上述したように情報表示システム1は、POSサーバ20、ESLサーバ30、中継器60、棚札端末70、POP端末80等から構成されている。図9ではPOSサーバ20から特定の棚札端末70及び特定のPOP端末80宛に出した指示が各機器を順次転送されて棚札端末70及びPOP端末80に到達し、当該棚札端末70及びPOP端末80との確認応答が得られた後に棚札端末70及びPOP端末80との通信が開始される形態を示している。なお、各装置で実行される処理は、各装置が備えるCPUと所定のプログラムとの協働により実現されるものであるが、以下では説明の便宜を図るため、その処理の実行主体を各装置名で表記する。
まず、POSサーバ20から、特定の棚札端末70やPOP端末80に対する指示情報がESLサーバ30へ送信される(ステップS11)。ESLサーバ30では、POSサーバ20から指示情報を受け受けると、この指示情報のうち棚札端末70に関する情報で指示された内容に従いコマンドデータを生成する。そして、ESLサーバ30は、中継器60と棚札端末70が使用するプロトコルに準じたデータ構成でパケット化するため、生成したコマンドデータに対し、分割や編集或いは情報秘匿のため暗号化等の処理を施す(ステップS12)。
続く、ESLサーバ30と中継器60との間の通信は、本処理の例では、中継器60からのキックで開始される。中継器60が、端末IDの提供や転送指示の問い合わせをESLサーバ30に行うと(ステップS13)、ESLサーバ30はこの問い合わせに対する応答として、パケット化したコマンドデータを中継器60に送信する(ステップS14)。
なお、各中継器60では、他の中継器60との間で通信の衝突(コリジョン)が発生しないよう、CSMA(Carrier Sense Multiple Access)方式等のキャリアセンスを用いてESLサーバ30に問い合わせを行うものとする。また、ステップS14で送信される各パケット(コマンドデータ)には、指示の対象となる棚札端末70の端末IDが含まれているものとする。
中継器60は、棚札端末70との間で、後述する所定の無線プロトコルを用いて通信するため、ESLサーバ30から送信されたコマンドデータ(パケット及びプロトコル)を、所定のデータ形式に変換する(ステップS15)。続いて、中継器60は、各棚札端末70及びPOP端末80と同期をとるための同期信号を各端末(棚札端末70及びPOP端末80)に同報送信した後(ステップS16)、ステップS15で生成したコマンドデータを送信する(ステップS17)。
ここで、同期信号は各端末(棚札端末70及びPOP端末80)が中継器60と同期をとって情報表示システム1に参加及び参加を維持するために使われる。なお、本処理では、同期信号内に特定の端末(棚札端末70やPOP端末80)の端末IDが記述されているものとする。これにより、同期信号に続くコマンドデータは、特定の棚札端末70やPOP端末80を対象としたものであることが分るため、当該特定の棚札端末70やPOP端末80との間で通信が確立する。
このようにして中継器60からコマンドデータを受信した指示対象の棚札端末70では、コマンドデータに従い指示内容に応じた処理(例えば表示書き換え等)を実行する(ステップS18)。そして、棚札端末70は、実行結果に応じたACK/NACKを中継器60に送信する(ステップS19)。このACK/NACKは所定のプロトコル変換を受けながら順次転送され、最初の指示を出したPOSサーバ20に確認信号として伝達される(ステップS20、S21)。
次に、ESLサーバ30では、POSサーバ20から指示情報を受け受けると、この指示情報のうちPOP端末80に関する情報で指示された内容に従いコマンドデータを生成する。そして、ESLサーバ30は、中継器60とPOP端末80が使用するプロトコルに準じたデータ構成でパケット化するため、生成したコマンドデータに対し、分割や編集或いは情報秘匿のため暗号化等の処理を施す(ステップS112)。
続く、ESLサーバ30と中継器60との間の通信は、本処理の例では、中継器60からのキックで開始される。中継器60が、端末IDの提供や転送指示の問い合わせをESLサーバ30に行うと(ステップS113)、ESLサーバ30はこの問い合わせに対する応答として、パケット化したコマンドデータを中継器60に送信する(ステップS114)。
ここで、ステップS114で送信される各パケット(コマンドデータ)には、指示の対象となるPOP端末80の端末IDが含まれているものとする。
中継器60は、POP端末80との間で、後述する所定の無線プロトコルを用いて通信するため、ESLサーバ30から送信されたコマンドデータ(パケット及びプロトコル)を、所定のデータ形式に変換する(ステップS115)。続いて、中継器60は、各棚札端末70及びPOP端末80と同期をとるための同期信号を各端末(棚札端末70及びPOP端末80)に同報送信した後(ステップS116)、ステップS115で生成したコマンドデータを送信する(ステップS117)。
このようにして中継器60からコマンドデータを受信した指示対象のPOP端末80では、コマンドデータに従い指示内容に応じた処理(例えば表示書き換え等)を実行する(ステップS118)。そして、POP端末80は、実行結果に応じたACK/NACKを中継器60に送信する(ステップS119)。このACK/NACKは所定のプロトコル変換を受けながら順次転送され、最初の指示を出したPOSサーバ20に確認信号として伝達される(ステップS120、S121)。
上記の処理は繰り返し実行される。ここで、中継器60と棚札端末70との通信及び中継器60とPOP端末80との通信は、タイムスロットを用いて交互に行われる。詳細には、ESLサーバ30がタイムスロットを管理している。ここで、図10は、タイムスロットを説明するための説明図である。図10に示すように、ESLサーバ30は、棚札端末70に関する中継器60からの問い合わせだけに応答する「タイムスロットA」と、POP端末80に関する中継器60からの問い合わせだけに応答する「タイムスロットB」と、交互に繰り返し設定する。ここで、中継器60は、例えば、規定の間隔でESLサーバ30に対して棚札端末70及びPOP端末80に関する問い合わせを行っている。そして、この問い合わせが「タイムスロットA」の時に行われると、ESLサーバ30が中継器60に棚札端末70に関するデータを送信する。これにより、ESLサーバ30が送信した棚札端末70に関する情報が、中継器60を介して棚札端末70に送信される。一方、中継器60の問い合わせが「タイムスロットB」の時に行われると、ESLサーバ30が中継器60にPOP端末80に関するデータを送信する。これにより、ESLサーバ30が送信したPOP端末80に関する情報が、中継器60を介して棚札端末70に送信される。このようにして、ESLサーバ30から棚札端末70へのデータ送信とESLサーバ30からPOP端末80へのデータ通信が規定時間間隔で均等に交互に行われる。このように、ESLサーバ30のCPU101は、棚札端末70へのデータ送信とPOP端末80へのデータ送信とをタイムスロットを用いて交互に実行するデータ送信手段として機能する。
次に、図11を参照し、中継器60と棚札端末70及びPOP端末80との間の無線プロトコルで使用されるフレームとしての基本フレームの構成について説明する。ここで、図11は、中継器60と端末(棚札端末70及びPOP端末80)との間の通信で使用される基本フレーム構成を模式的に示した図である。なお、同図下部に示した上下方向の矢印群は、各スロットでの通信方向が主としてどちら方向か(中継器60→端末(棚札端末70、POP端末80)、又は、端末(棚札端末70、POP端末80)→中継器60)を表している。また、同図下部、破線で示した矢印は基本フレーム使用時の時間の経過方向を表している。
図11に示したように、基本フレームは大別して2つの部分から構成される。即ち、中継器60と棚札端末70との間で同期をとるための同期期間T10、中継器60と棚札端末70又はPOP端末80との間でデータの授受を行うためのデータ通信期間T20で構成される。
同期期間T10は、さらに、中継器60と端末(棚札端末70及びPOP端末80)とが物理的にクロックの同期合わせを行うのに必要な同期信号期間T11と、基本フレームの構成を端末(棚札端末70及びPOP端末80)に通知するとともに、同期信号からどのくらい先にどのような時間幅の通信用タイムスロットがあるか等の情報を記述した基本フレーム構成情報の授受に係る構成情報通知期間T12と、通信対象のアドレスを示した通信対象端末アドレス及び送受信に係るタイミングを記述した送受信タイミング情報の授受に係る送受信タイミング通知期間T13と、から構成される。
データ通信期間T20には、複数のサブ同期信号期間(T211、T212、…、T21N)と、コマンドデータが送信される分割データ送受信期間(T221、T222、…、T22N)とが交互に設けられている(Nは3以上の自然数)。また、データ通信期間T20には、分割データ送受信期間に中継器60から送信されたコマンドデータに対する、端末(棚札端末70又はPOP端末80)からのレスポンス(ACK/NACK)に係るACK/NACK送信期間T23が設けられている。
ここで、サブ同期信号期間と、分割データ送受信期間及びACK/NACK送信期間を合わせた期間は、基本フレーム構成情報で規定されたタイムスロットに相当する。端末(棚札端末70又はPOP端末80)へのコマンドデータの送信にはこれらのタイムスロットが用いられる。なお、中継器60は、一度のタイムスロットで全てのデータを送信できない場合は当該データを分割し、また、中継器60は、送信対象の端末(棚札端末70又はPOP端末80)が複数ある場合、端末(棚札端末70又はPOP端末80)間の通信の衝突を回避するため、各端末(棚札端末70又はPOP端末80)にタイムスロットを順次割り振って送受信を行う。
以上説明した基本フレームを用いることで、棚札端末70との通信とPOP端末80との通信を両立させることができる。なお、図11の例では、中継器60からの問い合わせをトリガにESLサーバ30から中継器60にコマンドデータを送信する形態としたが、これに限らず、中継器60からの問い合わせを行わず、都度毎にESLサーバ30から中継器60にコマンドデータを送信する形態としてもよい。また、本実施形態では、ESLサーバ30と中継器60とを別体としたが、これに限らず、ESLサーバ30と中継器60とを一体的に構成する形態としてもよい。
以上説明したように、本実施の形態では、データ送信手段としてのESLサーバ30のCPU101が、棚札端末70へのデータ送信とPOP端末80へのデータ送信とをタイムスロットを用いて交互に実行する。したがって、棚札端末70及びPOP端末80へのデータ配信をバランス良く行うことができる。これにより、棚札端末70とこの棚札端末70よりも画面が大きいPOP端末80とを備える情報表示システム1において、POP端末80へのデータ転送に時間を占有されることで棚札端末70へのデータ転送が阻害されて棚札端末70の表示パフォーマンスが落ちたように見えることを抑制することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図12及び図13を参照して説明する。本実施の形態の各部の基本構成は、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態は、情報表示システム1の動作が第1の実施の形態と異なる。
図12は、本実施の形態にかかる情報表示システム1の動作を説明するためのラダーチャートである。図12に示すように、本実施の形態でも第1の実施の形態と同様に、POSサーバ20から、特定の棚札端末70やPOP端末80に対する指示情報がESLサーバ30へ送信される(ステップS11)。ESLサーバ30では、POSサーバ20から指示情報を受け受けると、この指示情報で指示された全ての内容に従いコマンドデータを生成する。そして、ESLサーバ30は、中継器60と棚札端末70及びPOP端末80とが使用するプロトコルに準じたデータ構成でパケット化するため、生成したコマンドデータに対し、分割や編集或いは情報秘匿のため暗号化等の処理を施す(ステップS12)。
続く、ESLサーバ30と中継器60との間の通信は、本処理の例では、中継器60からのキックで開始される。中継器60が、端末IDの提供や転送指示の問い合わせをESLサーバ30に行うと(ステップS13)、ESLサーバ30はこの問い合わせに対する応答として、パケット化したコマンドデータを中継器60に送信する(ステップS214)。この際、ESLサーバ30は、コマンドデータのフレームとして、第1の通信期間と第2の通信期間とを含む一つのフレームを用いる。ESLサーバ30は、第1の通信期間と第2の通信期間との一方を棚札端末70へのデータ送信に用い、第1の通信期間と第2の通信期間との他方を広告端末80へのデータ送信に用いる。以下では、第1の通信期間を棚札端末70へのデータ送信に用い、第2の通信期間を広告端末80へのデータ通信に用いる例を説明するが、これに限るものではなく、第1の通信期間を広告端末80へのデータ送信に用い、第2の通信期間を棚札端末70へのデータ送信に用いても良い。ESLサーバ30は、比較的データ量が多い広告端末80に対するコマンドデータは、第2の通信期間に収まる大きさに分割して分割データ単位で送信する。そして、ESLサーバ30は、広告端末80に対する全ての分割データの送信が完了するまで、フレームを複数回送信する。ここに、ESLサーバ30のCPU101が、第1の通信期間と第2の通信期間とを含む一つのフレームにおける第1の通信期間と第2の通信期間との一方を棚札端末70へのデータ送信に用い、第1の通信期間と第2の通信期間との他方を広告端末80へのデータ送信に用い、フレームを複数回送信するデータ送信手段として機能する。
ここで、本実施の形態のステップS214で送信される各パケット(コマンドデータ)には、指示の対象となる棚札端末70やPOP端末80の端末IDが含まれているものとする。
中継器60は、棚札端末70との間で、後述する所定の無線プロトコルを用いて通信するため、ESLサーバ30から送信されたコマンドデータ(パケット及びプロトコル)を、所定のデータ形式に変換する(ステップS15)。続いて、中継器60は、各各端末(棚札端末70及びPOP端末80)と同期をとるための同期信号を各端末(棚札端末70及びPOP端末80)に同報送信した後(ステップS16)、ステップS15で生成したコマンドデータを送信する(ステップS17)。
このようにして中継器60からコマンドデータを受信した指示対象の棚札端末70では、コマンドデータに従い指示内容に応じた処理(例えば表示書き換え等)を実行する(ステップS18)。そして、棚札端末70は、実行結果に応じたACK/NACKを中継器60に送信する(ステップS19)。このACK/NACKは所定のプロトコル変換を受けながら順次転送され、最初の指示を出したPOSサーバ20に確認信号として伝達される(ステップS220、S221)。以上説明したステップS15〜S19、S117〜S221の処理は、ESLサーバ30がフレームを送信する毎に行われる。
また、中継器60からコマンドデータを受信した指示対象のPOP端末80では、コマンドデータに従い指示内容に応じた処理(例えば表示書き換え等)を実行する(ステップS118)。そして、POP端末80は、実行結果に応じたACK/NACKを中継器60に送信する(ステップS119)。このACK/NACKは所定のプロトコル変換を受けながら順次転送され、最初の指示を出したPOSサーバ20に確認信号として伝達される(ステップS220、S221)。
次に、図13を参照し、中継器60と棚札端末70及びPOP端末80との間の無線プロトコルで使用される基本フレームの構成について説明する。ここで、図13は、中継器と端末(棚札端末及びPOP端末)との間の通信で使用される基本フレーム構成を模式的に示した図である。なお、同図下部に示した上下方向の矢印群は、各スロットでの通信方向が主としてどちら方向か(中継器60→端末(棚札端末70、POP端末80)、又は、端末(棚札端末70、POP端末80)→中継器60)を表している。また、同図下部、破線で示した矢印は基本フレーム使用時の時間の経過方向を表している。
図13に示したように、基本フレームは大別して3つの部分から構成される。即ち、中継器60と棚札端末70との間で同期をとるための同期期間T10、中継器60と棚札端末70との間でデータの授受を行うためのデータ通信期間T30、中継器60とPOP端末80との間でデータの授受を行うためのデータ通信期間T40で構成される。データ通信期間T30の長さとデータ通信期間T40の長さとは、同じであって良い。なお、同期期間T10は、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので詳しい説明は省略する。
データ通信期間T30には、複数のサブ同期信号期間(T311、T312、…、T31N)と、コマンドデータが送信される分割データ送受信期間(T321、T322、…、T32N)とが交互に設けられている(Nは3以上の自然数)。また、データ通信期間T30には、分割データ送受信期間に中継器60から送信されたコマンドデータに対する、棚札端末70からのレスポンス(ACK/NACK)に係るACK/NACK送信期間T33が設けられている。
データ通信期間T40には、複数のサブ同期信号期間(T411、T412、…、T41N)と、コマンドデータが送信される分割データ送受信期間(T421、T422、…、T42N)とが交互に設けられている(Nは3以上の自然数)。また、データ通信期間T40には、分割データ送受信期間に中継器60から送信されたコマンドデータに対する、POP端末80からのレスポンス(ACK/NACK)に係るACK/NACK送信期間T43が設けられている。
このような構成の基本フレームによって、ESLサーバ30から中継器60を介しての棚札端末70へのデータ送信期間と、ESLサーバ30から中継器60を介してのPOP端末80へのデータ通信期間とが設定される。
ここで、上記の基本フレームは、ESLサーバ30が中継器60に送信した上述のフレームに基づいて生成される。本実施の形態では、上記のデータ通信期間T30は、上記第1の期間に対応しており、上記のデータ通信期間T30は、上記第2の通信期間に対応している。
以上説明したように、本実施の形態では、データ送信手段としてのESLサーバ30のCPU101が、第1の通信期間と第2の通信期間とを含む一つのフレームにおける第1の通信期間と第2の通信期間との一方を棚札端末70へのデータ送信に用い、第1の通信期間と第2の通信期間との他方を広告端末80へのデータ送信に用い、そのフレームを複数回送信する。したがって、棚札端末70及びPOP端末80へのデータ配信をバランス良く行うことができる。
ここで、第1の実施の形態で説明したタイムスロットを用いた通信では、例えばPOP端末80との通信が発生しないときでもタイムスロットを用意しておかなければならず、システム全体の通信効率が落ちる可能性がある。これに対して、本実施の形態では、データ通信期間を通信量の有無によって短縮できるので、効率の良い通信が可能になる。
また、本実施の形態では、基本フレーム内に棚札端末70及びPOP端末80のデータ通信期間をそれぞれ別々に設けることによって、片方の端末への転送だけが発生している場合には、もう一方の通信期間は自ずと短縮され、結果的にシステム全体の通信の効率化が図られるようになる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での種々の変更、置換、追加等が可能である。
例えば、上記実施形態では、ESLサーバ30は有線ネットワークN1を介して中継器60と接続する形態としたが、これに限らず、アクセスポイント50の無線LAN機能を用いて中継器60と接続する形態としてもよい。この場合、有線ケーブルが不要となるため中継器60の設置位置の自由度を高めることができる。