JP2011191489A - 接着固定方法、光学素子の固定方法及びレンズ保持枠の接着固定方法 - Google Patents

接着固定方法、光学素子の固定方法及びレンズ保持枠の接着固定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂部品を光硬化型接着剤で接着する際の位置ずれを低減し、該樹脂部品を精度良く固定する。
【解決手段】少なくとも一方が樹脂からなる第1部材と第2部材とを、光硬化型接着剤を用いて固定する接着固定方法であって、前記第1部材と前記第2部材とを固定するように前記光硬化型接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、塗布された前記光硬化型接着剤に硬化光を照射して硬化させる硬化工程と、を有し、前記第1部材及び前記第2部材の樹脂からなる部分の内、少なくとも前記光硬化型接着剤が塗布された部分は、硬化光の吸収を少なくする処理がなされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光硬化型接着剤による接着固定方法、光学素子の固定方法及びレンズ保持枠の接着固定方法に関する。
光学装置における光学部品同士又は光学部品とその光学部品が固定される固定部材等とは、両部品同士の間隔等の相対位置の調整し、これらの相対位置を許容誤差範囲内に維持し両者同士を固定することが必要である。樹脂の上記の様な部品における固定方法としては、接着剤が使用される場合がある。
接着剤を用いる固定方法は、例えば、調整に必要な範囲で自由に動かせる様に2つの部品に隙間を設けて保持し、調整後に2つの部品間を固定するようにすれば、間隔調整を容易に行うことができる。
上記のように、接着による固定方法は調整時における部品移動の自由度が高い一方で、
調整後接着剤を硬化させた後に固定された部品の相対位置を確認すると許容誤差範囲を超えて位置ずれが生じている場合がある。
特許文献1には、光硬化性の接着剤で部品と部品支持体とを樹脂の中間保持部材を介して接着固定する際、UV光が照射される中間保持部材にエアーを吹き付け、該エアーの冷却作用によって中間保持部材の過熱が防止され、該中間保持部材の過熱変形による組立精度の低下が回避されるとある。
特開平11−207534号公報
しかしながら、特許文献1に記載のエアーの吹き付け冷却を行うと、接着する部材の形状にもよるが、塗布した接着剤が吹き飛ばされたり、位置調整された接着される部品の位置にエアー圧によりズレが生じたりする。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、樹脂部品を光硬化型接着剤で接着する際の位置ずれを低減し、該樹脂部品を精度良く固定することである。
上記の課題は、以下の構成により解決される。
1.少なくとも一方が樹脂からなる第1部材と第2部材とを、光硬化型接着剤を用いて固定する接着固定方法であって、
前記第1部材と前記第2部材とを固定するように前記光硬化型接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
塗布された前記光硬化型接着剤に硬化光を照射して硬化させる硬化工程と、を有し、
前記第1部材及び前記第2部材の樹脂からなる部分の内、少なくとも前記光硬化型接着剤が塗布された部分は、硬化光の吸収を少なくする処理がなされていることを特徴とする接着固定方法。
2.前記処理は、硬化光を反射させる若しくは散乱させる少なくとも何れかであることを特徴とする前記1に記載の接着固定方法。
3.前記1又は2に記載の接着固定方法を用いて、光学素子を固定する光学素子の固定方法であって、
前記第1部材及び前記第2部材は、それぞれ光学面を有する第1光学素子と前記第2光学素子であり、
前記第1光学素子と前記第2光学素子との相対位置が調整され保持された状態で、前記硬化工程を行うことを特徴とする光学素子の固定方法。
4.レンズを保持するレンズ保持枠と、該レンズ保持枠との相対位置調整がなされて該レンズ保持枠と固定される固定部材とを光硬化型接着剤を用いて固定するレンズ保持枠の接着固定方法であって、
前記レンズ保持枠は、前記レンズを支持し、有効光束以外を遮光するレンズ固定部分を有し、
少なくとも前記レンズ保持枠の前記光硬化型接着剤が塗布される塗布部分は、樹脂からなり、且つ、前記レンズ固定部分より、前記光硬化型接着剤を硬化させる硬化光の吸収が少ないことを特徴とするレンズ保持枠の接着固定方法。
5.前記レンズ固定部分は、前記塗布部分より可視光の反射が少ないことを特徴とする前記4に記載のレンズ保持枠の接着固定方法。
本発明によれば、樹脂部品を光硬化型接着剤で接着する際の照射光による該樹脂部品の熱変形による変位量を低減することができ、該樹脂部品を精度良く固定することができる。
本発明に係る光硬化型接着剤を用いた固定方法を説明する図である。(a)は、第1レンズ部1と第2レンズ部2とが、光硬化型接着剤3で固定されている状態を模式的に示す上面図である。(b)は、(a)に示すレンズユニットAにおけるY−Y’の位置での矢視断面図である。 本発明に係る光硬化型接着剤を用いた固定方法を説明する図である。(a)は、第1レンズ部1と第2レンズ部2とが、光硬化型接着剤3で固定されている状態を模式的に示す上面図である。(b)は、(a)に示すレンズユニットAにおけるY−Y’の位置で矢視断面図である。 実施例1、実施例2、比較例1及び参考例1の位置ずれ量の結果を示す図である。 (a)は、第1レンズ部1と第2レンズ部2とが、光硬化型接着剤3で固定されている状態を模式的に示している上面図である。(b)は、(a)に示すレンズユニットAにおけるX−X’の位置で矢視断面図である。 従来、光硬化型接着剤を用いて第1レンズ部1と第2レンズ部2とを接着し、固定する工程を模式的に示す図である。
本発明を実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限らない。
図4(a)は、第1部材である第1レンズ部1と第2部材である第2レンズ部2とが、光硬化型接着剤である接着剤3で固定されている状態を模式的に示している上面図である。図4(b)は、図4(a)に示す固定されている第1レンズ部1と第2レンズ部2におけるX−X’の位置で矢視断面図を示す。第1レンズ部1と第2レンズ部2とは、互いの間隔、傾き、平行シフト等が調整され、必要な光学性能を満たす上での許容誤差範囲内で、接着剤3で固定されている。第1レンズ部1は、レンズ1bとレンズ1bを保持する枠1aとで構成されて、第2レンズ部2も同様に、レンズ2bとレンズ2bを保持する枠2aとで構成されている。
ここで間隔とは、所謂空気間隔であるが、本実施形態の説明においては、第1レンズ部1と第2レンズ部2とを固定する上で、第1レンズ部1の枠1aと第2レンズ部2の枠2aとが互いに対向する面間の間隔Gを示す(図4(b)参照)。
図4(a)、(b)における第1レンズ部1と第2レンズ部2とは理想形状で理想的に接着され固定されている状態を示し、第1レンズ部1の光軸AX1と第2レンズ部2の光軸AX2との傾きも平行シフトもなく、第1レンズ部1と第2レンズ部2との間隔Gは全周囲が所定の値となっている。
接着剤3は光硬化型接着剤であって、図4(a)に示すように第2レンズ部2の枠2aの外周を概ね3等分する位置に塗布され硬化され、第1レンズ部1と第2レンズ部2とを固定している。以降、接着剤3は、光硬化型接着剤を示す。
第1レンズ部1と第2レンズ部2のそれぞれにおいて、枠1a、枠2aにレンズ1b、レンズ2bが固定されている。枠1a、2aは、レンズ1b、2bへの遮光や内面反射防止の理由から、一般的に、可視光を反射し難い黒い材料若しくは黒い塗装がなされている。枠1a及び枠2aをなす材料は、接着剤3にて接着可能な黒色の樹脂材料でPC(ポリカーボネート)としているが、これに限定されない。尚、レンズ1b、レンズ2bのそれぞれ枠1a、枠2aへの固定方法は、接着、熱圧着等が挙げられるが特に規定することはなく、図4ではレンズ1b、レンズ2bの保持構造は省略している。
図4(b)に示すように第1レンズ部1と第2レンズ部2とは、間隔Gでもって互いに接しない状態で、接着剤3を間に介して固定されている。接着剤3の位置は、第1レンズ部1と第2レンズ部2とが対向する面やその外周近傍で、外周を等分割するようなバランスよく偏りがない位置が好ましい。このような接着剤3の位置は、硬化収縮等により生じる歪み力のバランスが取れ、例えば、平行シフトや傾きを生じ難くすることができる。
接着剤3の位置は、例えば、レンズ枠の外周が円形状であれば3箇所、四角形状であれば角部の4箇所が好ましい位置として挙げられるが、これらに限定されない。
第1レンズ部1と第2レンズ部2とを用いて、互いの間隔、傾き、平行シフト等のそれぞれのずれ量が許容範囲内になるように相対位置の調整が行われた後、接着剤3にて固定してレンズユニットAを製造する。
接着剤3の硬化は、例えばUV光の照射によるが、接着剤3の塗布が複数箇所の場合、その複数の塗布箇所を同じ条件で同時に、更に同じ光強度で照射することが、精度良く固定する上で好ましい。尚、照射する光(硬化光)は、UV光に限定されることはなく、接着剤3の特性に応じて適宜決めれば良い。
上記のように第1レンズ部1と第2レンズ部2との相対位置を決めて接着剤3で接着固定し、レンズユニットAを製造すると、従来相対位置にずれが生じる場合があった。
発明者らは、接着剤3を用いて、第1レンズ部1と第2レンズ部2とを接着し、固定する際に生じる相対位置ずれに関して鋭意以下の通り検討した。
図5(a)〜(c)は、従来、接着剤3を用いて第1レンズ部1と第2レンズ部2とを接着し、固定する工程を模式的に示し、図5(a)〜(c)を用いて相対位置ずれを生じると考えられる原因を説明する。尚、図5(a)〜(c)は、図4におけるレンズユニットAの光軸AX1、AX2を中心とした半断面図を示す。
図5(a)は、第1レンズ部1と第2レンズ部2との相対位置を決めて保持した状態で、第1レンズ部1と第2レンズ部2との間に接着剤3を塗布した状態を示す。この後、接着剤3を硬化させて第1レンズ部1と第2レンズ部2とを固定する。
従来、塗布された接着剤3を硬化させる際、図5(b)に示すように、例えば接着剤3が紫外線(UV光)硬化型であれば、UV光照射部10により、塗布された接着剤3辺りを中心にその周辺部分もある程度含むように硬化光であるUV光を照射し、塗布された接着剤3を硬化させていた。この場合、照射されるUV光は、接着剤3の硬化を促すと共に、接着剤3の周辺部分である、第1レンズ部1の枠1aや第2レンズ部2の枠2aを局所的に加熱する。このため、第1レンズ部1の枠1aや第2レンズ部2の枠2aのUV光が照射された部分は、図5(b)に変形部分1p、2pとして模式的に示すように、温度上昇が生じ熱膨張による熱変形を生じる。この熱変形により、間隔Gは縮まり、変形量に相当する塗布されている接着剤3は、周囲に押し広げられる。この熱変形は、加熱による塑性変形も考えられるが、冷却により元の状態に戻る弾性変形もあると考えられ、この弾性変形の変形量に基づいて以下のようにして位置ずれが生じると推定した。
接着剤3の硬化が完了し、UV光の照射を止めると、UV光の照射により加熱され熱変形を生じていた変形部分1p、2pの温度は、室温等の周囲温度により低下し、温度低下にともなって、変形部分1p、2pは、熱変形する前の状態に戻ろうとする。変形部分1b、2bが熱変形する前の状態に戻ると、図5(c)に示すように、接着剤3は既に硬化しているため、第1レンズ部1と第2レンズ部2との相対位置の保持を開放すると、変形部分1b、2bの変形量だけ第1レンズ部1と第2レンズ部2との相対位置にずれ(間隔Gが縮まる)が生じる。尚、第1レンズ部1と第2レンズ部2との相対位置の保持が解放される前は、接着剤3や枠1a、2a等に弾性変形が生じていると考えられる。
この熱変形は、UV光が含む熱線による吸収よりも、UV光の光エネルギーの吸収による発熱が支配的であると推定する。これは、熱線を多く含むランプ式のUV光と例えば365nmの単波長UV光との照射実験をして比較したところ、生じる位置ずれ状態に大きな差がなかったことに基づく。従って、例えば、熱線カットフィルターをUV光照射部10と被照射部分との間に入れるのではなく、UV光の照射が必要とされる以外の部分に光エネルギーが吸収されないようすることが肝要である。
レンズを保持する枠(レンズ保持枠、玉枠とも称される。)は、一般的に、黒い材料若しくは黒い塗装がなされるため、光エネルギーの吸収が高く、温度上昇が生じ熱膨張による熱変形を生じやすい。
尚、これまでは説明を容易とするため、間隔Gに関して説明したが、接着剤3の塗布箇所のUV光の照射による変形部分1p、2pの変形量のばらつき量によっては、問題となるような傾きやシフト(偏芯)が生じるのは勿論である。このため、間隔Gの位置ずれを低減することは、傾きやシフトを低減することに結びつき、第1レンズ部1と第2レンズ部2とを精度よく固定する上で、大きな効果をもたらす。
上記の検討の結果、接着剤3を硬化する際、第1レンズ部1と第2レンズ部2の熱変形を低減することにより、第1レンズ部1と第2レンズ部2との相対位置のずれが低減され、精度良く固定することができ、本発明に至った。
(第1の実施の形態)
図1に示すレンズユニットAは、第1レンズ部1と第2レンズ部2とから構成され、第1レンズ部1はレンズ1bと枠1aを備え、第2レンズ部2はレンズ2bと枠2aを備えている。枠1a、枠2aの材料は、黒色のPCである。
第1レンズ部1と第2レンズ部2とを、図5を用いて説明したように、相対位置を決めて保持した状態で、接着剤3を塗布し、その後、UV光照射部10によりUV光を照射して接着剤3を硬化させる。
本発明においては、接着剤3を塗布する下地として、少なくとも接着剤3が塗布される枠1a及び枠2aの部分を含む領域4を塗料の塗布等により白色にする。白色にすることにより、照射されるUV光は、接着剤3を硬化させながらも、反射により枠1a、枠2aへの吸収が低減される。領域4は、UV光が照射される範囲とするのがより好ましく、照射される以上に範囲を拡げる必要はない。
領域4に塗装される色は、白色に限定されるものではなく、また、その塗料の材料等に制限はなく、枠1a、枠1bの塗料が塗布される以前と比較して、UV光の吸収が低減されるものであればよく、UV光を反射及び、又は散乱させる処理でもよい。白色の塗布は、UV光の吸収を効率よく低減する上で好ましく、また、可視域の光で見えるため、UV光を照射する位置を示す上でも好ましい。
領域4に白色の塗料を塗布することにより、接着剤3は塗布しない場合と同様にUV光照射により硬化され、領域4の枠1a、枠2a部分は、温度上昇が抑えられ熱変形が低減されて、第1レンズ部1と第2レンズ部2とを精度良く固定することができる。
UV光照射部10は、接着剤3を塗布した複数の箇所を同時に照射することができるように塗布箇所毎にUV光照射部10を備えることが好ましい。UV光を同時に塗布された接着剤に照射することにより、複数箇所の接着剤3の硬化が同じ状態で進ませることができ、硬化時の歪みによる主に傾き、平行シフトを抑えることができる。また、UV光は、できるだけ、塗布された接着剤3以外の部分をできるだけ照射しないように、例えば、照射光をスポット状にすることが好ましい。
(第2の実施の形態)
図2に示すレンズユニットAは、第1レンズ部1と第2レンズ部2とから構成され、第1レンズ部1はレンズ1b、枠1a及びレンズ押さえ板1cを備え、第2レンズ部2はレンズ2b、枠2a及びレンズ押さえ板1cを備えている。枠1a、枠2aは、UV光の吸収が低い白色のポリアセタール樹脂とし、レンズ1b、レンズ2bをそれぞれ支持し固定するレンズ固定部分1a−1、2a−1の領域5は、レンズ1b、レンズ2bの有効径外の光を遮光したり、内面反射防止したりするため黒色の塗料が塗布されている。また、レンズ押さえ部材1c、2cは黒色の樹脂を使用している。
このように、枠1a、枠2aには、白色の樹脂を使用し、レンズ1b、レンズ2bを支持する部分には、可視光が反射し難い黒色塗装、黒色部材を使用することにより、従来と同様の遮光や内面反射防止が得られ、光学性能を維持することができると共に、UV光は、接着剤3を硬化させながらも、枠1a、枠2aへの吸収が低減される。
接着剤3が塗布された領域を含む、UV光が照射される領域では、少なくともレンズ1b、レンズ2bを保持する黒色のレンズ固定部分1a−1、2a−1よりUV光の吸収が低減される。よって、接着剤3は従来通り硬化し、接着剤3が塗布された第1レンズ部1、第2レンズ部2の領域は、温度上昇が抑えられ熱変形が低減されて、第1レンズ部1と第2レンズ部2とを精度良く固定することができる。
第1、2の実施の形態では、接着固定される部材の両方が樹脂材料からなっているが、少なくとも一方が樹脂材料であればよい。
これまでの説明では、第1レンズ部1と第2レンズ部2との接着固定において、間隔Gがあるものとしたが、第1レンズ部1の枠1aや第2レンズ部2の枠2a同士を密着させて、枠1a、2aの内周側、及び、又は、外周側に接着剤を塗布した場合も同様に考えられる。相対位置調整(平行シフト調整)をした後、枠1a、2aが密着した状態で接着剤3が塗布され、UV光が照射され硬化される。
UV光の照射により、これまでの説明と同様に、従来は、第1レンズ部1の枠1aや第2レンズ部2の枠2aのUV光が照射された部分は、膨張し熱変形する。この熱変形により、相対位置にずれが生じ、ずれが生じたまま、接着剤3が硬化され、UV光の照射終了後、熱変形部分は変形前の状態に戻ろうとするが、元の相対位置調整された位置には必ずしも戻らない。この場合においても、本発明により、接着剤3を硬化する際、第1レンズ部1と第2レンズ部2の熱変形を低減することにより、第1レンズ部1と第2レンズ部2との相対位置のずれが低減され、精度良く固定することができる。
(実施例1)
図1に示す様に、枠1a、枠2aの材料を黒色のPC(ポリカーボネート)とする第1レンズ部1(直径φ20mm)と第2レンズ部2(直径φ15mm)との接着を行い、レンズユニットAを製造した。製造数は5個とした。
図4、5を参照して説明したように、第1レンズ部1と第2レンズ部2との傾き、間隔、平行シフトの調整を行った。
接着剤3が間に介在する第1レンズ部1の枠1aと第2レンズ部2の枠2a間の間隔Gは約0.1mmとした。
調整後、接着剤3としてスリーボンド製:TB3114を、ディスペンサを用いて所定量を図1(a)に示すように枠2aの外周を3等分する位置に塗布した。塗布した状態の接着剤3の直径は、概ねφ2mm程度とした。
接着剤3が塗布される枠1a、2aの部分の周囲約φ7mmの範囲は、白色塗料(ペンテルホワイト、ぺんてる(株)製)を予め塗布しておいた。
接着剤3の塗布後、予め定めた照射条件にてUV光を3箇所同時に同条件設定で照射して硬化させた。UV光照射部10は、HOYA CANDEO OPTRONICS(株)製:型式EXECURE−LH−1Vを使用し、照度を300mW/cmに設定し、照射時間を8秒間とした。UV光照射部10からのUV光の光束径はφ6mm程度で、光束の状態は、若干拡散気味の略平行である。尚、φ6mmの光束径における光強度分布は、周辺の光強度が中心の光強度の50%程度である。
UV照射開始して20秒後(UV光照射後12秒後)、第2レンズ部2を保持状態から解放し、この解放から1分後に第2レンズ部2のレンズ頂点部をレーザ変位計(オムロン(株)製:型式ZSLD20)を用いて、配置調整直後の位置を基準として変位量を求めた。この変位量は、第1レンズ部1の位置が固定された状態で、第2レンズ部2の一部であるレンズ頂点部の位置の相対変化量であることから、間隔Gの変位量と等価である。
製造した5個の接着固定後の変位量の平均値を図3に示す。
(実施例2)
図2に示す様に、枠1a、枠2aの材料を白色のポリアセタール樹脂とする第1レンズ部1(直径φ20mm)と第2レンズ部2(直径φ15mm)との接着を行い、レンズユニットAを製造した。製造数は5個とした。
図4、5を参照して説明したように、第1レンズ部1と第2レンズ部2との傾き、間隔、平行シフトの調整を行った。
接着剤3が間に介在する第1レンズ部1の枠1aと第2レンズ部2の枠2a間の間隔Gは約0.1mmとした。
調整後、接着剤3としてスリーボンド製:TB3114を、ディスペンサを用いて所定量を図1(a)に示すように枠2aの外周を3等分する位置に塗布した。塗布した状態の接着剤3の直径は、概ねφ2mm程度とした。
接着剤3の塗布後、実施例1と同様にUV光の照射、第2レンズ部2のレンズ頂点部の変位量を測定した。
製造した5個の接着固定後の変位量の平均値を図3に示す。
(比較例1)
接着剤3の塗布前の白色塗料を塗布しないこと以外は実施例1と同じとし、レンズユニットAを5個製造し、第2レンズ部2のレンズ頂点部の変位量を、レーザ変位計を用いて測定した。製造した5個の接着固定後の変位量の平均値を図3に示す。
(まとめ)
図3より、実施例1及び実施例2の変位量が比較例1の変位量より十分に少なく、UV光の吸収を低減することにより、位置ずれ量(間隔の変位量)が低減できることが確認できた。
(参考例1)
枠1a、枠2aの材料をアルミニウムとし、その他は比較例1と同じとして、レンズユニットAを5個製造し、第2レンズ部2のレンズ頂点部の変位量をレーザ変位計を用いて測定した。製造した5個の接着固定後の変位量の平均値を図3に示す。これより、実施例1、実施例2の熱変形による位置ずれ量が枠1a、枠2aの材料をアルミニウムとする場合と同程度に低減されているものと推定できる。
1 第1レンズ
1a、2a 枠
4、5 領域
2 第2レンズ
3 接着剤(光硬化型接着剤)
10 UV光照射部
1b、2b レンズ
1c、2c レンズ押さえ部材
1p、2p 変形部分
A レンズユニット

Claims (5)

  1. 少なくとも一方が樹脂からなる第1部材と第2部材とを、光硬化型接着剤を用いて固定する接着固定方法であって、
    前記第1部材と前記第2部材とを固定するように前記光硬化型接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
    塗布された前記光硬化型接着剤に硬化光を照射して硬化させる硬化工程と、を有し、
    前記第1部材及び前記第2部材の樹脂からなる部分の内、少なくとも前記光硬化型接着剤が塗布された部分は、硬化光の吸収を少なくする処理がなされていることを特徴とする接着固定方法。
  2. 前記処理は、硬化光を反射させる若しくは散乱させる少なくとも何れかであることを特徴とする請求項1に記載の接着固定方法。
  3. 請求項1又は2に記載の接着固定方法を用いて、光学素子を固定する光学素子の固定方法であって、
    前記第1部材及び前記第2部材は、それぞれ光学面を有する第1光学素子と前記第2光学素子であり、
    前記第1光学素子と前記第2光学素子との相対位置が調整され保持された状態で、前記硬化工程を行うことを特徴とする光学素子の固定方法。
  4. レンズを保持するレンズ保持枠と、該レンズ保持枠との相対位置調整がなされて該レンズ保持枠と固定される固定部材とを光硬化型接着剤を用いて固定するレンズ保持枠の接着固定方法であって、
    前記レンズ保持枠は、前記レンズを支持し、有効光束以外を遮光するレンズ固定部分を有し、
    少なくとも前記レンズ保持枠の前記光硬化型接着剤が塗布される塗布部分は、樹脂からなり、且つ、前記レンズ固定部分より、前記光硬化型接着剤を硬化させる硬化光の吸収が少ないことを特徴とするレンズ保持枠の接着固定方法。
  5. 前記レンズ固定部分は、前記塗布部分より可視光の反射が少ないことを特徴とする請求項4に記載のレンズ保持枠の接着固定方法。
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