JP2011191123A - 熱体検知装置 - Google Patents

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Yasuji Konishi
保司 小西
Takeshi Omori
猛司 大森
Itsushi Tadamasa
逸志 只政
Sachiko Mugiuda
沙知子 麦生田
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Abstract

【課題】熱体検知装置において、熱体の出入りを誤検知することを防いで、安定して熱体の出入りを検知できるようにする。
【解決手段】熱体検知装置1は、ある時刻における所定領域の温度と、その時刻から所定時間経過後の時刻における所定領域の温度との温度差を検出する温度差検出部18を備える。温度差検出部18は、検出した温度差ΔTがないとき又は極めて小さいとき、比較部16の機能を制限して、一定の時間経過するまで比較部16の機能を停止させる。これにより、熱体の温度と所定領域の背景温度との温度差が小さくて、熱体の出入りを正確に検知できない可能性がある場合に、熱体の出入りを検知する検知動作が停止される。
【選択図】図1

Description

本発明は、所定領域に出入りする熱体を検知する熱体検知装置に関する。
従来から、所定領域(検知領域)に出入りする人体や人の手、指などの熱体を検知する熱体検知装置が知られている。このような熱体検知装置は、赤外線検知部によって所定領域内から発せられる赤外線を受光して、その受光した赤外線の量の増減(つまり、受光した赤外線の量の時間的変化)を検出することで、所定領域に出入りする熱体を検知する。受光した赤外線の量が、所定値や所定の増分量より増加したら所定領域に進入した熱体を検知したとされ、所定値や所定の減分量より減少したら所定領域から熱体が退出したとされ非検知とされる。
この種の熱体検知装置としては、赤外線検知部から出力される(赤外線の受光量に応じた)電気信号を増幅する増幅部と、増幅部で増幅された電気信号をデジタル変換するAD変換部と、AD変換部でデジタル変換されたデータを保存すると共に、AD変換部でデジタル変換されたデータの増減(時間的変化)を示す比較値ΔV(ΔV=V1−V2:V1は、ある時刻にデジタル変換されたデータ、V2は、その時刻から所定時間経過後の時刻にデジタル変換されたデータ)を出力するレジスタと、しきい値Vthを保持する基準電圧部と、レジスタから出力されたデータΔVと基準電圧部の保持するしきい値Vthの大小を比較してその比較結果に応じてハイ(以下、Hと記す)又はロー(以下、Lと記す)の信号を出力する比較部と、比較部の出力するH又はLの信号を検知すると共にその検知結果に基づいて基準電圧部のしきい値Vhを変更する出力検知部とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、この特許文献1の熱体検知装置では、レジスタから出力されたデータΔVと基準電圧部の保持するしきい値Vthの大小を比較することにより、所定領域に熱体が侵入したこと、及び、所定領域から熱体が退出したことを検知するようになっている。そして、所定領域に熱体が侵入したことを検知すると、Hの信号を出力し、所定領域から熱体が退出したことを検知すると、Lの信号を出力するようになっている。
また、特許文献1の熱体検知装置では、検知結果(所定領域に熱体が侵入したことの検知、及び所定領域から熱体が退出したことの検知)に応じて、しきい値Vthを、熱体の侵入を検知するためのしきい値VHと、熱体の退出を検知するためのしきい値VLに変更するようになっている。
つまり、特許文献1の熱体検知装置では、Lの信号を出力しているとき(所定領域に熱体が存在していないとき)にΔV≧Vth(VH)になると、所定領域に熱体が侵入したとして、Hの信号を出力すると共に、しきい値VthをVLに変更し、また、Hの信号を出力しているとき(所定領域に熱体が存在しているとき)にΔV≦Vth(VL)になると、所定領域から熱体が退出したとして、Lの信号を出力すると共に、しきい値VthをVHに変更するようになっている。
特開2006−322870号公報
ところで、熱体検知装置において、所定領域(検知領域)に出入りする熱体(検出対象物)の温度と、所定領域の背景温度(所定領域に熱体(検出対象物)が存在していないときの所定領域の温度)との温度差が小さい場合がある。これは、例えば、所定領域の気温が人の体温に近い場合などである。このような場合には、所定領域に熱体が侵入していないときと、所定領域に熱体が侵入しているときとで、赤外線検知部による赤外線の受光量の差が小さい。つまり、このような場合には、赤外線検知部による赤外線の受光量に変化があったとしても、その赤外線の受光量の変化が、所定領域に熱体が出入りしたことによるものなのか、所定領域の背景温度そのものが変化したことによるものなのか、正確に区別できない。従って、このような場合には、熱体の出入りを正確に検知できない可能性があり、熱体の出入りを誤検知してしまう可能性がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、熱体の出入りを誤検知することを防いで、安定して熱体の出入りを検知することができる高機能な熱体検知装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、所定領域内に出入りする熱体を検知する熱体検知装置であって、所定領域内から発せられる赤外線を受光して、その受光した赤外線の量に応じた電気信号を出力する赤外線検知部と、赤外線検知部からの電気信号を増幅する増幅部と、増幅部で増幅された電気信号をデジタル変換するAD変換部と、AD変換部でデジタル変換されたデータを保存するレジスタと、比較用のしきい値を保持する比較電圧部と、レジスタに保存されたデータに基づく比較値と比較電圧部の保持するしきい値との大小を比較して、その比較結果に応じてハイ(以下、Hと記す)又はロー(以下、Lと記す)の信号を出力する比較部と、増幅部、AD変換部、レジスタ、及び比較部の動作タイミングを調整するタイミング調整部と、増幅部で増幅された電気信号の値、又はAD変換部でデジタル変換されたデータの値に基づいて、ある時刻における所定領域の温度と、その時刻から所定時間経過後の時刻における所定領域の温度との温度差を検出する温度差検出部とを備え、温度差検出部は、検出した温度差に応じて、比較部又はタイミング調整部の機能を制限するものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の熱体検知装置において、温度差検出部は、検出した温度差がないとき又は極めて小さいとき、エラー信号を出力するものである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の熱体検知装置において、温度差検出部は、検出した温度差がないとき又は極めて小さいとき、本装置における熱体を検知する検知動作のタイミングを変更するものである。
請求項4の発明は、所定領域内に出入りする熱体を検知する熱体検知装置であって、所定領域の温度を検知して、その検知した温度に応じた電気信号を出力する温度検知部と、温度検知部からの電気信号をデジタル変換するAD変換部と、AD変換部でデジタル変換されたデータを保存するレジスタと、比較用のしきい値を保持する比較電圧部と、レジスタに保存されたデータに基づく比較値と比較電圧部の保持するしきい値との大小を比較して、その比較結果に応じてハイ(以下、Hと記す)又はロー(以下、Lと記す)の信号を出力する比較部と、AD変換部、レジスタ、及び比較部の動作タイミングを調整するタイミング調整部と、AD変換部でデジタル変換されたデータの値に基づいて、ある時刻における所定領域の温度と、その時刻から所定時間経過後の時刻における所定領域の温度との温度差を検出する温度差検出部とを備え、温度差検出部は、検出した温度差に応じて、比較部又はタイミング調整部の機能を制限するものである。
請求項5の発明は、請求項4に記載の熱体検知装置において、温度差検出部は、検出した温度差がないとき又は極めて小さいとき、エラー信号を出力するものである。
請求項6の発明は、請求項4又は請求項5に記載の熱体検知装置において、温度差検出部は、検出した温度差がないとき又は極めて小さいとき、本装置における熱体を検知する検知動作のタイミングを変更するものである。
請求項7の発明は、請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の熱体検知装置において、AD変換部、レジスタ、比較電圧部、比較部、タイミング調整部、及び温度差検出部は、集積回路で構成され、温度検知部は、集積回路に内蔵されているものである。
請求項8の発明は、所定領域内に出入りする熱体を検知する熱体検知装置であって、所定領域内から発せられる赤外線を受光して、その受光した赤外線の量に応じた電気信号を出力する赤外線検知部と、赤外線検知部からの電気信号を増幅する増幅部と、所定領域の温度を検知して、その検知した温度に応じた電気信号を出力する温度検知部と、増幅部で増幅された電気信号、又は温度検知部からの電気信号をデジタル変換するAD変換部と、AD変換部でデジタル変換されたデータを保存するレジスタと、比較用のしきい値を保持する比較電圧部と、レジスタに保存されたデータに基づく比較値と比較電圧部の保持するしきい値との大小を比較して、その比較結果に応じてハイ(以下、Hと記す)又はロー(以下、Lと記す)の信号を出力する比較部と、増幅部、AD変換部、レジスタ、及び比較部の動作タイミングを調整するタイミング調整部と、増幅部で増幅された電気信号の値、又はAD変換部でデジタル変換されたデータの値に基づいて、ある時刻における所定領域の温度と、その時刻から所定時間経過後の時刻における所定領域の温度との温度差を検出する温度差検出部とを備え、温度差検出部は、検出した温度差に応じて、比較部又はタイミング調整部の機能を制限するものである。
請求項9の発明は、請求項8に記載の熱体検知装置において、赤外線検知部からの電気信号又は増幅部で増幅された電気信号の時間的変化と、温度検知部からの電気信号の時間的変化を比較するものである。
請求項10の発明は、請求項4乃至請求項9のいずれか一項に記載の熱体検知装置において、温度検知部の検知した温度に基づいて、熱体が接近したこと、又は熱体が遠ざかったことを判断するものである。
請求項11の発明は、請求項1乃至請求項3、及び請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の熱体検知装置において、温度差検出部の検出した温度差に基づいて、増幅部で増幅された電気信号の飽和を検知すると共に、増幅部で増幅された電気信号が飽和しないように増幅部の基準電圧を切替える飽和検知部をさらに備えるものである。
請求項12の発明は、請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の熱体検知装置において、温度差検出部は、検出した温度差に応じて、比較電圧部の保持する比較用のしきい値を変更するものである。
請求項13の発明は、請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の熱体検知装置において、AD変換部は、増幅部で増幅された電気信号又は温度検知部からの電気信号を所定のサンプリング時間間隔でサンプリングして、増幅部で増幅された電気信号又は温度検知部からの電気信号をデジタル変換し、温度差検出部は、検出した温度差に応じて、AD変換部における、増幅部で増幅された電気信号又は温度検知部からの電気信号をサンプリングするためのサンプリング時間間隔を決定するものである。
請求項14の発明は、請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の熱体検知装置において、AD変換部は、増幅部で増幅された電気信号又は温度検知部からの電気信号を所定のサンプリング時間間隔でサンプリングし、このサンプリングにより所定の平均化データ個数のサンプリングデータを得る毎に、それら平均化データ個数のサンプリングデータを平均化することにより、増幅部で増幅された電気信号又は温度検知部からの電気信号をデジタル変換し、温度差検出部は、検出した温度差に応じて、AD変換部における、サンプリングデータの平均化に用いる平均化データ個数を変えるものである。
請求項15の発明は、請求項1乃至請求項3、及び請求項8乃至請求項14のいずれか一項に記載の熱体検知装置において、温度差検出部は、検出した温度差に応じて、増幅部の増幅率を切替えるものである。
請求項1の発明によれば、ある時刻における所定領域の温度と、その時刻から所定時間経過後の時刻における所定領域の温度との温度差に応じて、比較部又はタイミング調整部の機能が制限されることにより、熱体の温度と所定領域の背景温度との温度差が小さくて、熱体の出入りを正確に検知できない可能性がある場合に、熱体の出入りを検知する検知動作が制限される。これにより、熱体の出入りを誤検知することを防ぐことができ、安定して熱体の出入りを検知することができる高機能な熱体検知装置を実現できる。また、熱体の出入りを正確に検知できない可能性がある場合に、熱体を検知する検知動作が制限されることにより、不要な処理を行わずに済み、低消費電力化を図ることができる。
請求項2の発明によれば、熱体の温度と所定領域の背景温度との温度差が小さくて、熱体の出入りを正確に検知できない可能性がある場合に、エラー信号が出力される。これにより、熱体の温度と所定領域の背景温度との温度差が小さくて、熱体の出入りを正確に検知できない可能性がある場合に、エラー信号を確認でき、このエラー信号を利用して、マイコン等の効率良いシステムが構築可能になる。
請求項3の発明によれば、熱体の温度と所定領域の背景温度との温度差が小さくて、熱体の出入りを正確に検知できない可能性がある場合に、熱体を検知する検知動作のタイミングが変更される。これにより、最適なシステム動作を実現でき、また、低消費電力化が可能になる。
請求項4の発明によれば、請求項1と同様の効果が得られる。
請求項5の発明によれば、請求項2と同様の効果が得られる。
請求項6の発明によれば、請求項3と同様の効果が得られる。
請求項7の発明によれば、集積回路に温度検知部を形成することで、省スペース化、低コスト化を図ることができる。
請求項8の発明によれば、請求項1又は請求項4と同様の効果が得られる。
請求項9の発明によれば、ある時刻における所定領域の温度と、その時刻から所定時間経過後の時刻における所定領域の温度との温度差が、所定領域の背景温度そのものが変化したことによるものなのか、又は、所定領域に熱体が出入りしたことによるものなのかを判断することができるため、検知精度が向上し、熱体の出入りをより正確に検知することができる。
請求項10の発明によれば、熱体が接近したこと、及び熱体が遠ざかったことを判断することができるため、熱体の出入りをより正確に検知することができる。
請求項11の発明によれば、増幅部で増幅された電気信号の飽和を防止することができ、より安定して熱体の出入りを検知することができる。
請求項12の発明によれば、検出した温度差(ある時刻における所定領域の温度と、その時刻から所定時間経過後の時刻における所定領域の温度との温度差)が小さいときに、検知分解能を上げて、熱体の出入りをより正確に検知することができる。
請求項13の発明によれば、このような構成によれば、検出した温度差(ある時刻における所定領域の温度と、その時刻から所定時間経過後の時刻における所定領域の温度との温度差)が小さいときに、検知精度を上げて、熱体の出入りをより正確に検知することができる。
請求項14の発明によれば、このような構成によれば、検出した温度差(ある時刻における所定領域の温度と、その時刻から所定時間経過後の時刻における所定領域の温度との温度差)が大きいときに、検知精度を上げて、熱体の出入りをより正確に検知することができる。
請求項15の発明によれば、増幅部の増幅率を赤外線検知部の温度特性に対応させることで、感度補正が可能になり、熱体の出入りをより正確に検知することができる。
本発明の第1の実施形態に係る熱体検知装置のブロック構成図。 同装置の動作を示すフローチャート。 図2中の温度差検出処理のフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係る熱体検知装置のブロック構成図。 本発明の第3の実施形態に係る熱体検知装置のブロック構成図。 本発明の第4の実施形態に係る熱体検知装置のブロック構成図。 本発明の第5の実施形態に係る熱体検知装置のブロック構成図。 本発明の第6の実施形態に係る熱体検知装置のブロック構成図。 本発明の第7の実施形態に係る熱体検知装置のブロック構成図。
以下、本発明を具体化した実施形態による熱体検知装置について図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態による熱体検知装置の構成を示す。熱体検知装置1は、所定領域(検知領域)に出入りする人体や人の手、指などの熱体を検知する装置である。
熱体検知装置1は、所定領域(検知領域)における熱体の発する赤外線を受光して、その受光した赤外線エネルギに応じた(赤外線の量に応じた)電気信号Viを出力する赤外線検知部11と、赤外線検知部11からの電気信号Viを増幅する増幅部12と、増幅部12で増幅された電気信号Vaをデジタル変換するAD変換部13とを備えている。
また、熱体検知装置1は、AD変換部13でデジタル変換されたデータVmを保存するレジスタ14と、比較用のしきい値Vthを保持する比較電圧部15と、レジスタ14に保存されたデータに基づく比較値ΔVと比較電圧部15の保持するしきい値Vthとの大小を比較してその比較結果に応じてハイ(以下、Hと記す)又はロー(以下、Lと記す)の信号を出力する比較部16とを備えている。
さらに、熱体検知装置1は、増幅部12、AD変換部13、レジスタ14、及び比較部16の動作タイミングを調整するタイミング調整部17と、AD変換部13でデジタル変換されたデータの値に基づいて、ある時刻における所定領域の温度と、その時刻から所定時間経過後の時刻における所定領域の温度との温度差を検出する温度差検出部18とを備えている。
赤外線検知部11は、例えばサーモパイル(サーミスタ、ボロメータ等を用いてもよい)から構成され、所定領域内から発せられる赤外線を受光して、その受光した赤外線の量に応じたアナログの電気信号Viを出力する。増幅部12は、赤外線検知部11から出力されたアナログの電気信号Viを増幅して、その増幅したアナログの電気信号Vaを出力する。
AD変換部13は、増幅部12から出力された(増幅部12で増幅された)アナログの電気信号Vaを所定のサンプリング時間間隔Tsでサンプリングし、このサンプリングにより所定の平均化データ個数nのサンプリングデータD1、D2・・・Dnを得る毎に、それら平均化データ個数nのサンプリングデータD1、D2・・・Dnを平均化することにより、増幅部12で増幅されたアナログの電気信号Vaをデジタル変換する。すなわち、AD変換部13は、所定時間Tm=Ts×n毎に、データVm=(D1+D2+・・・+Dn)/nを、増幅部12で増幅されたアナログの電気信号Vaをデジタル変換したデータとして出力する。
レジスタ14は、AD変換部13から出力された(AD変換部13でデジタル変換された)データVmを保存する。このレジスタ14は、新旧2つのデータを記憶するための第1のレジスタ14a(新データ用)、及び第2のレジスタ14b(旧データ用)を備えている。すなわち、レジスタ14は、AD変換部13から所定時間Tm=Ts×n毎にデータVmが出力される都度、このときに既に第1のレジスタ14aに保存しているデータVmを第2のレジスタ14bに保存(移動)すると共に、AD変換部13から出力されたデータVmを第1のレジスタ14aに保存することにより、AD変換部13から出力されたデータVmを保存する。
また、レジスタ14は、保存しているデータVmに基づく比較値ΔVを算出して出力する。レジスタ14は、第1のレジスタ14aに保存しているデータVmを新データV1とし、第2のレジスタ14bに保存しているデータVmを新データV2とすると、比較値ΔVをΔV=V1−V2として算出する。この比較値ΔVは、旧データV2に対する新データV1の増分であり、ある時刻における赤外線検知部11の赤外線の受光量と、その時刻から所定時間Tm経過後の時刻における赤外線検知部11の赤外線の受光量との受光量差に対応しており、従って、ある時刻における所定領域の温度と、その時刻から所定時間Tm経過後の時刻における所定領域の温度との温度差に対応している。
比較電圧部15は、比較用のしきい値Vthを保持している。比較用のしきい値Vthは、所定領域に対する熱体の侵入、退出を検知するために、レジスタ14の出力する比較値ΔVと比較するための値である。比較電圧部15は、比較用のしきい値Vthとして、所定領域への熱体の侵入を検知するための侵入検知用のしきい値Vth(VH)と、所定領域からの熱体の退出を検知するための退出検知用のしきい値Vth(VL)とを保持している。侵入検知用のしきい値Vth(VH)は、Vth(VH)>0(正の値)であり、退出検知用のしきい値Vth(VL)は、Vth(VH)<0(負の値)である。
比較部16は、レジスタ14から出力された比較値ΔVと、比較電圧部15の保持しているしきい値Vth(侵入検知用のしきい値Vth(VH)又は退出検知用のしきい値Vth(VL))とを比較し、その比較結果に応じて、H又はLの信号を出力する。比較部16から出力されたH又はLの信号は、熱体検知装置1の検知出力Voとして、検出出力ポート31から出力される。
タイミング調整部17は、増幅部12、AD変換部13、レジスタ14、及び比較部16の動作タイミングを調整する。タイミング調整部17は、AD変換部13の動作タイミングとしては、サンプリング時間間隔Ts及び平均化データ個数nを調整する。
温度差検出部18は、温度差検出部18は、レジスタ21と、処理部22とを備えている。レジスタ21は、AD変換部13から出力された(AD変換部13でデジタル変換された)データVmを保存する。このレジスタ21は、新旧2つのデータを記憶するための第1のレジスタ21a(新データ用)、及び第2のレジスタ21b(旧データ用)を備えている。すなわち、レジスタ21は、AD変換部13から所定時間Tm=Ts×n毎にデータVmが出力される都度、このときに既に第1のレジスタ21aに保存しているデータVmを第2のレジスタ21bに保存(移動)すると共に、AD変換部13から出力されたデータVmを第1のレジスタ21aに保存することにより、AD変換部13から出力されたデータVmを保存する。
また、レジスタ21は、保存しているデータVmに基づいて、温度差ΔTを算出して出力する。レジスタ21は、第1のレジスタ21aに保存しているデータVmを新データV1とし、第2のレジスタ21bに保存しているデータVmを新データV2とすると、温度差ΔTをΔT=V1−V2として算出する。この温度差ΔTは、旧データV2に対する新データV1の増分であり、ある時刻における赤外線検知部11の赤外線の受光量と、その時刻から所定時間Tm経過後の時刻における赤外線検知部11の赤外線の受光量との受光量差に対応しており、従って、ある時刻における所定領域の温度と、その時刻から所定時間Tm経過後の時刻における所定領域の温度との温度差に対応している。
処理部22は、レジスタ21から出力された温度差ΔTに応じて、比較部16及びタイミング調整部17の機能を制限し、また、増幅部12、AD変換部13、レジスタ14、及び比較部16の動作タイミングを調整し、また、熱体検知装置1の所定の制御処理を行う。
このように、温度差検出部18は、AD変換部13でデジタル変換されたデータVmの値に基づいて、ある時刻における所定領域の温度と、その時刻から所定時間経過後の時刻における所定領域の温度との温度差ΔTを検出し、そして、その検出した温度差ΔTに応じて、比較部16及びタイミング調整部17の機能を制限し、また、増幅部12、AD変換部13、レジスタ14、及び比較部16の動作タイミングを調整し、また、熱体検知装置1の所定の制御処理を行う。
タイミング調整部17は、温度差検出部18の処理部22からの信号を受けて(温度差検出部18の検出した温度差ΔTに応じて)、増幅部12、AD変換部13、レジスタ14、及び比較部16の動作タイミングを調整する。すなわち、温度差検出部18は、タイミング調整部17を介して、増幅部12、AD変換部13、レジスタ14、及び比較部16の動作タイミングを調整する。
図2は、熱体検知装置1の動作のフローチャートを示し、図3は、熱体検知装置1の動作中の温度差検出処理のフローチャートを示す。熱体検知装置1は、まず、温度差検出処理を実行する(S1)。図3に示すように、この温度差検出処理では、まず、AD変換部13は、増幅部12から出力された電気信号Vaをデジタル変換し、温度差検出部18のレジスタ21は、AD変換部13から出力されたデータVmを取得し、そして、温度差検出部18のレジスタ21は、第1のレジスタ21aに保存しているデータVmを旧データV2として第2のレジスタ21bに保存(移動)すると共に、AD変換部13から出力されたデータVmを新データV1として第1のレジスタ21aに保存し、温度差ΔT=V1−V2(旧データV2に対する新データV1の増分)を算出する(S10)。
続いて、温度差検出部18の処理部22は、温度差ΔTが微小温度差判定用のしきい値VT1以下である(すなわち温度差ΔTがない又は極めて小さい)か否かを判定する(S11)。ここで、温度差ΔTがVT1以下であるとき(すなわち温度差ΔTがないとき又は極めて小さいとき)には(S11でYES)、温度差検出部18(処理部22)は、比較部16において比較値ΔVとしきい値Vth(侵入検知用のしきい値Vth(VH)又は退出検知用のしきい値Vth(VL))との比較動作が行われないように、比較部16の機能を停止させる(S12)。比較部16の機能が停止しているときには、比較部16からは、検知出力VoとしてLの信号が出力される。そして、一定の時間経過すると(S13でYES)、温度差検出部18(処理部22)は、比較部16の機能の停止を解除する。すなわち、温度差検出部18(処理部22)は、温度差ΔTがVT1以下であるときには、比較部16の機能を制限して、一定の時間経過するまで比較部16の機能を停止させる。S13で一定の時間経過したとき、及びS11で温度差ΔTがVT1以下でないときには、熱体検知装置1は、温度差検出処理を終了して、S2以降の動作を行う。
温度差検出処理を終了すると、まず、AD変換部13は、増幅部12から出力された電気信号Vaをデジタル変換し、レジスタ14は、AD変換部13から出力されたデータVmを取得し、そして、レジスタ14は、第1のレジスタ14aに保存しているデータVmを旧データV2として第2のレジスタ14bに保存(移動)すると共に、AD変換部13から出力されたデータVmを新データV1として第1のレジスタ14aに保存し、比較値ΔV=V1―V2(旧データV2に対する新データV1の増分)を算出する(S2)。
続いて、比較部16は、比較値ΔVが侵入検知用のしきい値Vth(VH)(Vth(VH)>0)以上であるか否かを判定する(S3)。そして、比較値ΔVが侵入検知用のしきい値Vth(VH)以上であれば(S3でYES)、比較部16は、所定領域内に熱体が侵入したと判断して、検知出力VoとしてHの信号を出力する(S4)。
また、比較部16は、比較値ΔVが退出検知用のしきい値Vth(VL)以下であるか否かを判定する(S5)。そして、比較値ΔVが退出検知用のしきい値Vth(VL)以下であれば(S5でYES)、比較部16は、所定領域内から熱体が退出したと判断して、検知出力VoとしてLの信号を出力する(S6)。
熱体検知装置1は、所定の周期(所定時間Tmの時間間隔)で、上記S1(S10からS13)からS6の動作を繰り返す。従って、温度差ΔTがVT1よりも大きいときには、所定の周期(所定時間Tmの時間間隔)で、比較部16が比較値ΔVとしきい値Vth(侵入検知用のしきい値Vth(VH)又は退出検知用のしきい値Vth(VL))とを比較することにより、所定の周期(所定時間Tmの時間間隔)で熱体の出入りを検知する検知動作が行われる。このとき、温度差ΔTがVT1以下である状況が発生すると、比較部16の機能が制限されて、一定の時間経過するまで、比較部16の機能が停止することにより、一定の時間経過するまで熱体の出入りを検知する検知動作が停止される。そして、一定時間経過した後に、温度差ΔTがVT1よりも大きい状況になっていれば、再び、所定の周期(所定時間Tmの時間間隔)で、比較部16が比較値ΔVとしきい値Vth(侵入検知用のしきい値Vth(VH)又は退出検知用のしきい値Vth(VL))とを比較することにより、所定の周期(所定時間Tmの時間間隔)で熱体の出入りを検知する検知動作が行われる。
本実施形態の熱体検知装置1によれば、ある時刻における所定領域の温度と、その時刻から所定時間経過後の時刻における所定領域の温度との温度差ΔTがないとき又は極めて小さいとき、一定の時間経過するまで比較部16の機能を停止させるように、比較部16の機能が制限される。すなわち、熱体の温度と所定領域の背景温度との温度差が小さくて、熱体の出入りを正確に検知できない可能性がある場合に、熱体の出入りを検知する検知動作が停止される。これにより、熱体の出入りを誤検知することを防ぐことができ、安定して熱体の出入りを検知することができる高機能な熱体検知装置を実現できる。
また、熱体の出入りを正確に検知できない可能性がある場合に、熱体を検知する検知動作が制限されることにより、不要な処理を行わずに済み、低消費電力化を図ることができる。
なお、本実施形態において、温度差検出部18(処理部22)は、温度差ΔTがVT1以下であるとき(検出した温度差ΔTがないとき又は極めて小さいとき)、一定の時間経過するまで比較部16の機能を停止させることに代えて、一部回路をスリープさせたり間歇動作させる等して、熱体を検知する検知動作のタイミングを変更するように、比較部16又はタイミング調整部17の機能を制限してもよい。このような構成によれば、熱体の温度と所定領域の背景温度との温度差が小さくて、熱体の出入りを正確に検知できない可能性がある場合に、熱体を検知する検知動作のタイミングが変更される。これにより、最適なシステム動作を実現でき、また、低消費電力化が可能になる。
また、本実施形態において、温度差検出部18(処理部22)は、検出した温度差ΔTに応じて、比較電圧部15の保持する比較用のしきい値Vth(侵入検知用のしきい値Vth(VH)、又は退出検知用のしきい値Vth(VL)を変更するようにしてもよい。例えば、温度差ΔTが小さいときは(又は、温度差ΔTが小さくなるにつれて)、侵入検知用のしきい値Vth(VH)の絶対値、及び退出検知用のしきい値Vth(VL)の絶対値を小さくする。このような構成によれば、温度差ΔTが小さいときに、検知分解能を上げて、熱体の出入りをより正確に検知することができる。
また、本実施形態において、温度差検出部18(処理部22)は、検出した温度差ΔTに応じて、AD変換部13における、電気信号をサンプリングするためのサンプリング時間間隔Tsを決定するようにしてもよい。例えば、温度差ΔTが小さいときは(又は、温度差ΔTが小さくなるにつれて)、サンプリング時間Tsを長くする。このような構成によれば、温度差ΔTが小さいときに、検知精度を上げて、熱体の出入りをより正確に検知することができる。
また、本実施形態において、温度差検出部18(処理部22)は、検出した温度差ΔTに応じて、AD変換部13における、サンプリングデータの平均化に用いる平均化データ個数nを変えるようにしてもよい。例えば、温度差ΔTが大きいときは(又は、温度差ΔTが大きくなるにつれて)、平均化データ個数nを多くする。このような構成によれば、温度差ΔTが大きいときに、検知精度を上げて、熱体の出入りをより正確に検知することができる。
また、本実施形態において、温度差検出部18は、AD変換部13でデジタル変換されたデータVmに代えて、増幅部12で増幅された電気信号Vaに基づいて、温度差ΔTを検出するようにしてもよい。
<第2の実施形態>
図4は、第2の実施形態による熱体検知装置の構成を示す。本実施形態の熱体検知装置1は、上記第1の実施形態の構成に加え、温度差検出部18が、エラーを検出して、エラー信号を出力するようになっている。また、本実施形態の熱体検知装置1は、上記第1の実施形態におけるタイミング調整部17を備えておらず、温度差検出部18が、直接に、増幅部12、AD変換部13、レジスタ14、及び比較部16の動作タイミングを調整するようになっている。本実施形態における他の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
本実施形態では、温度差検出部18は、上記第1の実施形態における動作に加え、検出した温度差ΔTがVT1以下であるとき(検出した温度差ΔTがないとき又は極めて小さいとき)、すなわち、比較部16の機能を制限して、一定の時間経過するまで比較部16の機能を停止させているときであって、熱体を検知する検知動作が停止しているときに、エラー信号を出力する。温度差検出部18から出力されたエラー信号は、エラー出力ポート32から出力される。
本実施形態の熱体検知装置1によれば、熱体の温度と所定領域の背景温度との温度差が小さくて、熱体の出入りを正確に検知できない可能性がある場合(比較部16の機能を制限して、一定の時間経過するまで比較部16の機能を停止させている場合であって、熱体を検知する検知動作が停止している場合)に、エラー信号が出力される。これにより、このような状況の場合に、エラー信号を確認でき、このエラー信号を利用して、マイコン等の効率良いシステムが構築可能になる。
<第3の実施形態>
図5は、第3の実施形態による熱体検知装置の構成を示す。本実施形態の熱体検知装置1は、上記第1の実施形態の構成に加え、所定領域の温度を検知する温度検知部19を備えており、また、AD変換部13、及び温度差検出部18の動作が異なっている。本実施形態における他の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
温度検知部19は、所定領域の温度を検知して、その検知した温度に応じたアナログの電気信号Vtを出力する。
そして、本実施形態では、AD変換部13は、増幅部12から出力された(増幅部12で増幅された)アナログの電気信号Va、又は温度検知部19から出力されたアナログの電気信号Vtをデジタル変換するようになっている。
すなわち、増幅部12から出力されたアナログの電気信号VaがAD変換部13に入力される状態と、温度検知部19から出力されたアナログの電気信号VtがAD変換部13に入力される状態とに、AD変換部13への電気信号の入力が切替えられるようになっており、AD変換部13は、入力された電気信号をデジタル変換する。AD変換部13への電気信号の入力の切替えは、不図示の切替制御部によって行われる。
従って、AD変換部13は、増幅部12から出力されたアナログの電気信号Vaが入力されている場合には、上記第1の実施形態と同様に、その増幅部12から出力されたアナログの電気信号Vaを所定のサンプリング時間間隔Tsでサンプリングし、このサンプリングにより所定の平均化データ個数nのサンプリングデータD1、D2・・・Dnを得る毎に(すなわち、所定時間Tm=Ts×n毎に)、データVm=(D1+D2+・・・+Dn)/nを、増幅部12で増幅されたアナログの電気信号Vaをデジタル変換したデータとして出力する。
一方、AD変換部13は、温度検知部19から出力されたアナログの電気信号Vtが入力されている場合には、その温度検知部19から出力されたアナログの電気信号Vtを所定のサンプリング時間間隔Tsでサンプリングし、このサンプリングにより所定の平均化データ個数nのサンプリングデータD1、D2・・・Dnを得る毎に(すなわち、所定時間Tm=Ts×n毎)に、データVm=(D1+D2+・・・+Dn)/nを、温度検知部19から出力されたアナログの電気信号Vtをデジタル変換したデータとして出力する。
また、本実施形態では、温度差検出部18は、上記第1の実施形態における動作に加え、以下のように動作する。
すなわち、温度差検出部18は、増幅部12から出力された電気信号VaがAD変換部13に入力されているときにAD変換部13でデジタル変換されたデータVmと、温度検知部19から出力された電気信号VtがAD変換部13に入力されているときにAD変換部13でデジタル変換されたデータVmとに基づいて、赤外線検知部11からの電気信号Vi又は増幅部12で増幅された電気信号Vaの時間的変化と、温度検知部19からの電気信号vtの時間的変化を比較する。
そして、温度差検出部18は、この比較結果に基づいて、検出した温度差ΔT(すなわち所定領域の温度の時間的変化)が、所定領域の背景温度そのものが変化したことによるものなのか、又は、所定領域に熱体が出入りしたことによるものなのかを判断し、この判断結果を踏まえたうえで、検出した温度差ΔTに応じて、比較部16及びタイミング調整部17の機能を制限し、また、増幅部12、AD変換部13、レジスタ14、及び比較部16の動作タイミングを調整し、また、熱体検知装置1の所定の制御処理を行う。
また、温度差検出部18は、所定領域に熱体が侵入している(比較部16がHの信号を出力している)状態において、温度検知部19から出力された電気信号VtがAD変換部13に入力されているときにAD変換部13でデジタル変換されたデータVmに基づいて(すなわち、温度検知部19の検知した温度に基づいて)、熱体が接近したこと、及び熱体が遠ざかったことを判断する。例えば、温度検知部19の検知した温度が人の体温(30〜35°C)に近づいた場合には、熱体が近づいたと判断し、温度検知部19の検知した温度が人の体温(30〜35°C)から離れた場合には、熱体が遠ざかったと判断する。
本実施形態の熱体検知装置1によれば、検出した温度差ΔTが、所定領域の背景温度そのものが変化したことによるものなのか、又は、所定領域に熱体が出入りしたことによるものなのかを判断することができるため、検知精度が向上し、熱体の出入りをより正確に検知することができる。また、熱体が接近したこと、及び熱体が遠ざかったことを判断することができるため、熱体の出入りをより正確に検知することができる。
なお、本実施形態において、レジスタ14は、温度検知部19から出力された電気信号VtがAD変換部13に入力されているときにAD変換部13でデジタル変換されたデータVmを保存して、このデータVmに基づいて、比較値ΔVを算出して出力し、比較部16は、この比較値ΔVと比較電圧部15の保持している比較値Vthとを比較して、この比較結果に応じて、H又はLの信号を出力するようにしてもよい。
また、本実施形態において、温度差検出部18は、温度検知部19から出力された電気信号VtがAD変換部13に入力されているときにAD変換部13でデジタル変換されたデータVmに基づいて、温度差ΔTを検出し、この温度差ΔTに応じて、比較部16及びタイミング調整部17の機能を制限し、また、増幅部12、AD変換部13、レジスタ14、及び比較部16の動作タイミングを調整し、また、熱体検知装置1の所定の制御処理を行うようにしてもよい。
<第4の実施形態>
図6は、第4の実施形態による熱体検知装置の構成を示す。本実施形態の熱体検知装置1は、上記第3の実施形態の構成に加え、温度差検出部18が、エラーを検出して、エラー信号を出力するようになっている。本実施形態における他の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
本実施形態では、温度差検出部18は、上記第3の実施形態における動作に加え、検出した温度差ΔTがVT1以下であるとき(検出した温度差ΔTがないとき又は極めて小さいとき)、すなわち、比較部16の機能を制限して、一定の時間経過するまで比較部16の機能を停止させているときであって、熱体を検知する検知動作が停止しているときに、エラー信号を出力する。温度差検出部18から出力されたエラー信号は、エラー出力ポート32から出力される。
本実施形態の熱体検知装置1によれば、熱体の温度と所定領域の背景温度との温度差が小さくて、熱体の出入りを正確に検知できない可能性がある場合(比較部16の機能を制限して、一定の時間経過するまで比較部16の機能を停止させている場合であって、熱体を検知する検知動作が停止している場合)に、エラー信号が出力される。これにより、このような状況の場合に、エラー信号を確認でき、このエラー信号を利用して、マイコン等の効率良いシステムが構築可能になる。
<第5の実施形態>
図7は、第5の実施形態による熱体検知装置の構成を示す。本実施形態の熱体検知装置1は、増幅部12、AD変換部13、レジスタ14、比較電圧部15、比較部16、タイミング調整部17、及び温度差検出部18が、集積回路40で構成されており、温度検知部19が、集積回路40に内蔵されている。本実施形態における他の構成については、上記第3の実施形態と同様である。
本実施形態では、温度検知部19は、例えばダイオード等により構成されており、増幅部12、AD変換部13、レジスタ14、比較電圧部15、比較部16、タイミング調整部17、及び温度差検出部18と共に、集積回路40に形成されている。
本実施形態の熱体検知装置1によれば、集積回路40に温度検知部19を形成することで、省スペース化、低コスト化を図ることができる。
<第6の実施形態>
図8は、第6の実施形態による熱体検知装置の構成を示す。本実施形態の熱体検知装置1は、上記第3の実施形態の構成に加え、増幅部12の基準電圧(オフセット電圧)が切替え可能になっており、また、増幅部12で増幅された電気信号Vaの飽和を検知して、増幅部12の基準電圧を切替える飽和検知部20をさらに備えている。本実施形態における他の構成については、上記第3の実施形態と同様である。
飽和検知部20は、温度差検出部18の出力に基づいて、増幅部12で増幅された電気信号Vaが飽和しているか否かを検知する。そして、飽和検知部20は、増幅部12で増幅された電気信号Vaの飽和を検知したときに、増幅部12で増幅された電気信号Vaが飽和しないように、増幅部12の基準電圧を切替える。
本実施形態の熱体検知装置1によれば、増幅部12で増幅された電気信号Vaの飽和を防止することができ、より安定して熱体の出入りを検知することができる。
<第7の実施形態>
図9は、第7の実施形態による熱体検知装置の構成を示す。本実施形態の熱体検知装置1は、上記第3の実施形態の構成に加え、増幅部12の増幅率が切替え可能になっており、温度差検出部18が増幅部12の増幅率を切替えるようになっている。本実施形態における他の構成については、上記第3の実施形態と同様である。
本実施形態では、温度差検出部18は、上記第3の実施形態における動作に加え、検出した温度差ΔTに応じて、増幅部12の増幅率を切替える。
本実施形態の熱体検知装置1によれば、増幅部12の増幅率を赤外線検知部11の温度特性に対応させることで、感度補正が可能になり、熱体の出入りをより正確に検知することができる。
1 熱体検知装置
11 赤外線検知部
12 増幅部
13 AD変換部
14 レジスタ
15 比較電圧部
16 比較部
17 タイミング調整部
18 温度差検出部
19 温度検知部
20 飽和検知部
21 レジスタ
22 処理部
31 検出出力ポート
32 エラー出力ポート
40 集積回路

Claims (15)

  1. 所定領域内に出入りする熱体を検知する熱体検知装置であって、
    所定領域内から発せられる赤外線を受光して、その受光した赤外線の量に応じた電気信号を出力する赤外線検知部と、
    前記赤外線検知部からの電気信号を増幅する増幅部と、
    前記増幅部で増幅された電気信号をデジタル変換するAD変換部と、
    前記AD変換部でデジタル変換されたデータを保存するレジスタと、
    比較用のしきい値を保持する比較電圧部と、
    前記レジスタに保存されたデータに基づく比較値と前記比較電圧部の保持するしきい値との大小を比較して、その比較結果に応じてハイ(以下、Hと記す)又はロー(以下、Lと記す)の信号を出力する比較部と、
    前記増幅部、前記AD変換部、前記レジスタ、及び前記比較部の動作タイミングを調整するタイミング調整部と、
    前記増幅部で増幅された電気信号の値、又は前記AD変換部でデジタル変換されたデータの値に基づいて、ある時刻における所定領域の温度と、その時刻から所定時間経過後の時刻における所定領域の温度との温度差を検出する温度差検出部とを備え、
    前記温度差検出部は、検出した温度差に応じて、前記比較部又は前記タイミング調整部の機能を制限することを特徴とする熱体検知装置。
  2. 前記温度差検出部は、検出した温度差がないとき又は極めて小さいとき、エラー信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の熱体検知装置。
  3. 前記温度差検出部は、検出した温度差がないとき又は極めて小さいとき、本装置における熱体を検知する検知動作のタイミングを変更することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱体検知装置。
  4. 所定領域内に出入りする熱体を検知する熱体検知装置であって、
    所定領域の温度を検知して、その検知した温度に応じた電気信号を出力する温度検知部と、
    前記温度検知部からの電気信号をデジタル変換するAD変換部と、
    前記AD変換部でデジタル変換されたデータを保存するレジスタと、
    比較用のしきい値を保持する比較電圧部と、
    前記レジスタに保存されたデータに基づく比較値と前記比較電圧部の保持するしきい値との大小を比較して、その比較結果に応じてハイ(以下、Hと記す)又はロー(以下、Lと記す)の信号を出力する比較部と、
    前記AD変換部、前記レジスタ、及び前記比較部の動作タイミングを調整するタイミング調整部と、
    前記AD変換部でデジタル変換されたデータの値に基づいて、ある時刻における所定領域の温度と、その時刻から所定時間経過後の時刻における所定領域の温度との温度差を検出する温度差検出部とを備え、
    前記温度差検出部は、検出した温度差に応じて、前記比較部又は前記タイミング調整部の機能を制限することを特徴とする熱体検知装置。
  5. 前記温度差検出部は、検出した温度差がないとき又は極めて小さいとき、エラー信号を出力することを特徴とする請求項4に記載の熱体検知装置。
  6. 前記温度差検出部は、検出した温度差がないとき又は極めて小さいとき、本装置における熱体を検知する検知動作のタイミングを変更することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の熱体検知装置。
  7. 前記AD変換部、前記レジスタ、前記比較電圧部、前記比較部、前記タイミング調整部、及び前記温度差検出部は、集積回路で構成され、
    前記温度検知部は、前記集積回路に内蔵されていることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の熱体検知装置。
  8. 所定領域内に出入りする熱体を検知する熱体検知装置であって、
    所定領域内から発せられる赤外線を受光して、その受光した赤外線の量に応じた電気信号を出力する赤外線検知部と、
    前記赤外線検知部からの電気信号を増幅する増幅部と、
    所定領域の温度を検知して、その検知した温度に応じた電気信号を出力する温度検知部と、
    前記増幅部で増幅された電気信号、又は前記温度検知部からの電気信号をデジタル変換するAD変換部と、
    前記AD変換部でデジタル変換されたデータを保存するレジスタと、
    比較用のしきい値を保持する比較電圧部と、
    前記レジスタに保存されたデータに基づく比較値と前記比較電圧部の保持するしきい値との大小を比較して、その比較結果に応じてハイ(以下、Hと記す)又はロー(以下、Lと記す)の信号を出力する比較部と、
    前記増幅部、前記AD変換部、前記レジスタ、及び前記比較部の動作タイミングを調整するタイミング調整部と、
    前記増幅部で増幅された電気信号の値、又は前記AD変換部でデジタル変換されたデータの値に基づいて、ある時刻における所定領域の温度と、その時刻から所定時間経過後の時刻における所定領域の温度との温度差を検出する温度差検出部とを備え、
    前記温度差検出部は、検出した温度差に応じて、前記比較部又は前記タイミング調整部の機能を制限することを特徴とする熱体検知装置。
  9. 前記赤外線検知部からの電気信号又は前記増幅部で増幅された電気信号の時間的変化と、前記温度検知部からの電気信号の時間的変化を比較することを特徴とする請求項8に記載の熱体検知装置。
  10. 前記温度検知部の検知した温度に基づいて、熱体が接近したこと、又は熱体が遠ざかったことを判断することを特徴とする請求項4乃至請求項9のいずれか一項に記載の熱体検知装置。
  11. 前記温度差検出部の検出した温度差に基づいて、前記増幅部で増幅された電気信号の飽和を検知すると共に、前記増幅部で増幅された電気信号が飽和しないように前記増幅部の基準電圧を切替える飽和検知部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3、及び請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の熱体検知装置。
  12. 前記温度差検出部は、検出した温度差に応じて、前記比較電圧部の保持する比較用のしきい値を変更することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の熱体検知装置。
  13. 前記AD変換部は、増幅部で増幅された電気信号又は前記温度検知部からの電気信号を所定のサンプリング時間間隔でサンプリングして、前記増幅部で増幅された電気信号又は前記温度検知部からの電気信号をデジタル変換し、
    前記温度差検出部は、検出した温度差に応じて、前記AD変換部における、前記増幅部で増幅された電気信号又は前記温度検知部からの電気信号をサンプリングするためのサンプリング時間間隔を決定することを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の熱体検知装置。
  14. 前記AD変換部は、増幅部で増幅された電気信号又は前記温度検知部からの電気信号を所定のサンプリング時間間隔でサンプリングし、このサンプリングにより所定の平均化データ個数のサンプリングデータを得る毎に、それら平均化データ個数のサンプリングデータを平均化することにより、前記増幅部で増幅された電気信号又は前記温度検知部からの電気信号をデジタル変換し、
    前記温度差検出部は、検出した温度差に応じて、前記AD変換部における、サンプリングデータの平均化に用いる平均化データ個数を変えることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の熱体検知装置。
  15. 前記温度差検出部は、検出した温度差に応じて、前記増幅部の増幅率を切替えることを特徴とする請求項1乃至請求項3、及び請求項8乃至請求項14のいずれか一項に記載の熱体検知装置。
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