JP2011191045A - ガスタービン燃焼器、及び運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】NOxの排出抑制と燃焼安定性の確保とを両立したガスタービン燃焼器を提供する。
【解決手段】燃料と空気とを混合する混合室と、前記混合室を形成する混合室形成部材と、前記混合室形成部材に設けられた、前記混合室内に空気を供給する複数の第1の空気孔と、前記第1の空気孔に向けて燃料を噴射する複数の第1の燃料ノズルと、を有するガスタービン燃焼器において、前記第1の燃料ノズルが噴射する燃料の噴射速度が小さくなるほど、前記第2の空気孔に流入する空気流が第1の燃料ノズルから噴射された燃料のより多くを随伴して前記混合室に流入させる位置に、前記第2の空気孔を配置する。
【選択図】 図1(a)

Description

本発明は、ガスタービン燃焼器及び運転方法に関する。
ガスタービン燃焼器の燃焼方式の一つに、予混合燃焼方式がある。予混合燃焼方式とは、予混合器内で燃料と空気を予め混合してから燃焼室内で燃焼させる方式である。燃料と空気を予め混合してから燃焼させることで局部的な高温領域の発生が抑えられ、サーマルNOxの低減が可能となる。予混合燃焼バーナを採用した燃焼器の一例として、燃料を直接燃焼室内に噴射して燃焼させる拡散燃焼方式のバーナと組合せた構成のものがある。低負荷から高負荷に亘って燃焼安定性を確保するためである。
予混合燃焼バーナと拡散燃焼バーナを組み合わせた燃焼器の一例として、特許文献1には、燃焼器の軸中心位置に火炎を保持するパイロットバーナとして拡散燃焼バーナが配置され、予混合燃焼バーナがその周囲を囲むように配置された燃焼器が記載されている。この構成により、予混合燃焼バーナによるNOxの低減効果と拡散燃焼バーナによる燃焼安定性の向上効果が得られる。また、特許文献1には拡散燃焼バーナと予混合燃焼バーナの燃焼比率を制御して、広い負荷範囲にわたって燃焼安定性を向上させる技術が記載されている。
特許文献2には、厳しいNOx排出量規制に対応するための燃焼器として、噴出方向に向かって拡開する中空円錐形状の混合室と、混合室に燃焼空気を導入するための複数の空気導入孔と、その空気導入孔のほぼ同軸上に気体燃料を噴出させる気体燃料ノズルとを備えたパイロットバーナを有する燃焼器が記載されている。一般に、拡散燃焼バーナと予混合燃焼バーナとを組み合わせた燃焼器では、NOx排出量の大半を拡散燃焼バーナであるパイロットバーナが占める。これに対し、特許文献2に記載された燃焼器では、このパイロットバーナにおける燃料と空気の混合を促進し、低NOx化を図っている。
特開平7−280267号公報 特開2007−064625号公報
近年、地球環境保護の観点から排出ガスに対する規制は年々厳しさを増してきており、NOx排出量の更なる低減が求められている。特許文献1に記載された燃焼器では、広い負荷範囲にわたって燃焼安定性を確保するために、パイロットバーナに拡散燃焼バーナを採用している。そのため、近年の厳しい環境規制を満足するには、この拡散燃焼バーナにおけるNOxの排出量を抑制する手段を講じる必要があった。
そのための一方策として、特許文献2の燃焼器を用いることが考えられる。特許文献2の燃焼器は、パイロットバーナに一般的な拡散燃焼バーナよりも空気と燃料の混合作用の良いバーナを用いたものである。特許文献2の燃焼器では、特許文献1のパイロットバーナに拡散燃焼バーナを備えた燃焼器に比べて、NOxの排出量を大幅に低減できる。ただし、特許文献2の燃焼器を用いた場合、以下のような課題が考えられる。
拡散燃焼バーナと予混合燃焼バーナとを組み合わせた燃焼器では、燃焼負荷の増加に伴って予混合燃焼バーナに供給する燃料の割合(以下、予混合燃焼比率と呼ぶ)を高め、NOxの排出を抑制した運転をする。NOx低減のために予混合燃焼比率を高めた場合、パイロットバーナに供給される燃料流量が低下する。そうすると、パイロットバーナの空気に対する燃料の比率(以下、燃空比と呼ぶ)も小さくなる。この場合、局部的な火炎温度の低下による火炎の吹き消え等によって、燃焼安定性が損なわれる可能性がある。一方で、燃焼安定性を高めるためにパイロットバーナへの燃料供給割合を増やした場合(予混合燃焼比率を下げた場合)、NOx排出量の抑制が不十分となる。
本発明の目的はNOxの排出抑制と燃焼安定性の確保とを両立したガスタービン燃焼器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、燃料と空気とを混合する混合室と、前記混合室を形成する混合室形成部材と、前記混合室形成部材に設けられた、前記混合室内に空気を供給する複数の第1の空気孔と、前記第1の空気孔に向けて燃料を噴射する複数の第1の燃料ノズルと、前記第1の燃料ノズルが噴射する燃料の噴射速度が小さくなるほど、前記第2の空気孔に流入する空気流が第1の燃料ノズルから噴射された燃料のより多くを随伴して前記混合室に流入させる位置に、前記第2の空気孔が配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、NOxの排出抑制と燃焼安定性の確保とを両立したガスタービン燃焼器を提供できる。
本発明の第1の実施例のパイロットバーナの側断面図である。 図1(a)に示すバーナのA−A断面図である。 本発明の第1の実施例の運転時における、バーナでの空気及び燃料の流れを模式的に示した断面図である。 本発明の第1の実施例の運転時における、バーナでの空気及び燃料の流れを模式的に示した断面図である。 本発明の第1の実施例を備えたガスタービンプラントの全体構成を概略的に示す概略構成図である。 本発明の第1の実施例と比較技術のガスタービン負荷に対するNOx特性を示した図である。 本発明の第1の実施例と比較技術の予混合燃焼比率に対するNOx特性を示した図である。 本発明の第2の実施例のバーナ断面図である。 図5(a)に示すバーナのA−A断面図である。 本発明の第3の実施例を示す側断面図である。 本発明の第4の実施例を示す側断面図である。
以下、本発明のガスタービン燃焼器の実施例について図面を参照し説明する。
まず、本発明の第1の実施例を図1乃至図4を参照しつつ以下に説明する。
図3は、本発明の第1の実施例を備えたガスタービンプラントの全体構成を概略的に示す概略構成図である。図3に示すように、本実施例のガスタービンプラントは、空気を圧縮して高圧の燃焼用空気を生成する圧縮機200と、この圧縮機200から導入される燃焼空気100と燃料とを混合・燃焼して燃焼ガス150を生成する燃焼器202と、この燃焼器202で生成された燃焼ガス150が導入されるタービン201とから構成されている。なお、圧縮機200とタービン201,発電機203の軸は連結されている。
燃焼器202は、燃焼用の燃焼空気100と燃料を燃焼して燃焼ガス150を生成する内筒206と、この内筒206からの燃焼ガス150をタービン201に導くためのトランジションピース207と、内筒206およびトランジションピース207を収納した外筒204と、エンドカバー205と、外筒204に支持され内筒206内で点火するための点火栓210等で構成されている。内筒206は円筒形状をしている。内筒206の上流側で内筒206の軸線上にはパイロットバーナ1が設けられ、その周囲には予混合燃焼バーナ208が複数配置されている。
図1(a)の左図は本発明の第1の実施例であるパイロットバーナ1の側断面図を示したものである。図1(a)の右図はパイロットバーナ1を燃焼室の側から見た図である。図1(b)は図1(a)右図のA−A断面図である。パイロットバーナ1は、燃料と空気の混合を促進するための中空円錐形状の混合室2を形成する混合室形成部材20と、混合室2に燃焼空気100を導入する空気導入孔4と、空気導入孔5とをそれぞれ複数有している。空気導入孔4,5は混合室形成部材20に設けられている。空気導入孔5は、空気導入孔4よりも混合室2の中心軸に対して外周側に配置されている。また、空気導入孔4,5は混合室2内部に旋回流を生じさせるために、燃焼空気100の導入角度が混合室2の周方向に偏向するように形成されている。
更にパイロットバーナ1には、混合室2内部の軸方向上流側に液体燃料を噴射する液体燃料ノズル8が設置されている。液体燃料ノズル8の外周には、気体燃料マニホールド9,気体燃料ノズル6、及び外周側燃料ノズルである気体燃料ノズル7が設置されている。気体燃料ノズル6,7はそれぞれ、相対する空気導入孔4,5に向けて燃料を噴射するように配置されている。
混合室形成部材20には、燃焼空気100の一部を混合室2に燃焼空気109として供給する空気導入孔3が設けられている。この空気導入孔3は、気体燃料ノズル6の燃料噴出口と空気導入孔4との距離よりも、気体燃料ノズル6の燃料噴出口との距離が近くなる位置に配置されている。なお、ここで言う距離とは、最短となるように各空気導入孔の燃料ノズル側端面上の点と燃料噴出口端面上の点とを結んだ線分の長さのことである。また、空気導入孔3は、空気導入孔4が燃焼空気を供給する位置よりも混合室2の軸中心側に燃焼用空気109を供給するよう設けられている。さらに、空気導入孔3は図1(b)に示す通り、気体燃料ノズル6と混合室2の周方向について同位相となる位置に配置されている。
上記の構成を有した本実施例の燃焼器において生起する詳細事象を、以下に説明する。図2は、本実施例におけるパイロットバーナ1の詳細断面図で、気体燃料101,燃焼空気100の流れを模式的に示している。図2(a)は気体燃料流量の多い条件、図2(b)は気体燃料流量の少ない条件における気体燃料の流れを示している。
ガスタービン負荷の低い条件では、燃焼安定性の高いパイロットバーナ1のみで燃料を燃焼させる。そのため、ガスタービン負荷の低い条件では、パイロットバーナ1に供給する気体燃料の流量は十分多い。一方、ガスタービン負荷の高い条件では、NOx排出量を抑制するために予混合燃焼バーナ208に供給する燃料の割合を増やす。そうするとパイロットバーナ1に供給する気体燃料の割合は減少し、流量は少なくなる。
気体燃料ノズル6,7の燃料流路の断面積は供給される燃料流量に関わらず一定であるため、気体燃料ノズル6,7内を流れる気体燃料の流速は燃料の供給流量にほぼ比例する。即ち、燃料の供給流量が多いときは気体燃料ノズル6,7から噴射される燃料の流速が早くなり、燃料の供給流量が少ないときは気体燃料ノズル6,7から噴射される燃料の流速が遅くなる。
また、空気導入孔3は、気体燃料ノズル6の燃料噴出孔と空気導入孔3との距離が、気体燃料ノズル6の燃料噴出孔と空気導入孔4との距離よりも近くなるように配置されている。そのため、気体燃料ノズル6から噴射された気体燃料104は、燃料噴射方向に設けられた空気導入孔4に到達する前に、空気導入孔3に流入する燃焼空気109の流れの影響を受ける。
本実施例では、空気導入孔3が気体燃料ノズル6と混合室2の周方向について同位相となる位置に配置されている。そのため、気体燃料ノズル6から空気導入孔4に向けて噴射された気体燃料104は、空気導入孔3の直上を通過する。燃焼空気109の流れは空気導入孔3に近い位置ほど強くなる。そのため、気体燃料104は空気導入孔3の直上を通過することで、燃焼空気109の影響を強く受ける。また、空気導入孔3の直径を横断するため、燃焼空気109の影響を受ける時間も長くなる。したがって、より効果的に気体燃料104を空気導入孔3に流入させることができる。
パイロットバーナ1に供給される燃料流量が多い低負荷条件では、気体燃料ノズル6,7から噴出される気体燃料の噴出速度は速い。そのため、図2(a)に示すように、気体燃料104は空気導入孔3に流入する燃焼空気109の流れを貫通し、空気導入孔4から燃焼空気100とほぼ同軸状に噴射される。この場合、燃料と空気は空気導入孔4,5内部で混合され、さらに、空気導入孔4,5から噴出する際に発生する渦で更に混合が促進される。この二段階の混合促進効果によって、混合室2内部には燃料と空気の混合気106が生成される。この混合気106は、二段階混合のおかげで燃料の局所的な過濃領域の少ない、いわゆる希薄混合気である。このように燃料と空気を混合することで、局部的な高温領域の発生が抑制でき、NOx排出量を低減できる効果がある。
一方、図2(b)に示す、パイロットバーナ1に供給される燃料流量の少ない高負荷条件では、気体燃料ノズル6,7から噴射される燃料の噴射速度が遅く、燃料噴流の貫通力が弱い。そのため、気体燃料ノズル6から噴射された気体燃料104は空気導入孔3に向かって流れる燃焼空気109に随伴され、空気導入孔3から混合室2内部に流入する。これにより、混合室2の軸中心部に燃料が供給される。なお、気体燃料ノズル6から噴射される気体燃料104は、その噴射速度が小さくなるほど空気導入孔3に流入する燃焼空気109の影響を強く受ける。
なお、気体燃料104は空気導入孔4に流入する空気流の影響も受ける。但し、本実施例の燃焼器は、第1の燃料ノズルである気体燃料ノズル6の燃料噴出口と第2の空気孔である空気導入孔3との距離が、気体燃料ノズル6の燃料噴出口と第1の空気孔である空気導入孔4との距離よりも近くなる位置に空気導入孔3が配置されている。そのため、燃料の噴射速度が小さくなるほど、気体燃料104のより多くが空気導入孔3から混合室2に流入するようになる。
本実施例の燃焼器の混合室は、軸方向下流側に向って拡開する形状を有している。また、第1の空気孔である空気導入孔4と外周側空気孔である空気導入孔5の両方に、混合室2内に旋回流を発生させるよう、旋回角が施されている。
このように、空気導入孔4又は空気導入孔5の少なくとも一方に旋回角を施せば、空気導入孔4,5から流入した燃焼空気100に旋回成分を作用させることができ、遠心力の影響で混合室2の外周側に向かった流れを形成させることができる。これにより、燃焼空気100と空気導入孔3から流入した気体燃料104との混合は抑制される。そうすると、混合室2の軸中心部には燃料過濃な混合気107が生成される。この混合気107の燃焼によって、パイロットバーナ1の軸中心部には高温の小火炎500が形成される。この高温の火炎がアンカーとなることで火炎の吹き消えが抑制でき、燃焼安定性を向上することができる。
上述した運転では、高温の火炎を形成させた分だけNOx排出量が増加することが懸念される。しかし、高負荷条件では予混合燃焼比率が高くなっており、燃焼器から排出されるNOxの大部分は、予混合燃焼バーナ208で排出されたNOxが占める。予混合燃焼バーナ208で排出されるNOxの総量と比べて、高温の火炎形成に起因するNOx増加量は小さい。すなわち、空気導入孔3を設けたことによるNOx排出量の増加が燃焼器から排出されるNOxの総量に与える影響は十分に小さい。
図4は本実施例のガスタービン燃焼器のNOx排出特性を示したもので、(a)はガスタービン負荷に対するNOx排出特性、(b)は定格負荷条件における予混合燃焼比率に対するNOx排出特性を示したものである。ここでは、特許文献1に記載された燃焼器を比較技術1とし、特許文献2に記載された燃焼器を比較技術2として示している。
図4(a)に示すように、本実施例及び比較技術2のパイロットバーナを備えた燃焼器では、燃料流量の多くなるパイロットバーナ単独燃焼の低負荷条件(〜A点)において、比較技術1よりもNOx排出量の低減が達成できている。これは、前述したバーナの燃焼特性の違いによるもので、燃料と空気の混合が促進されることによって、パイロットバーナにおけるNOxの排出が抑制されるためである。
また、図4(b)では、各バーナとも予混合燃焼比率を高めることでNOx排出量は低下する傾向を示すことが分かる。ここで、NOx排出量の目標値(a点)を満足するポイントは、比較技術1の燃焼器ではb点、比較技術2と本実施例の燃焼器ではほぼ等しくc点である。b点とc点という違いは、前述のパイロットバーナにおける燃料と空気の混合促進によるNOx排出量の低減によるものである。
一方、予混合燃焼比率が高まるにつれて、拡散燃焼バーナに供給される燃料流量は減少していき、やがて火炎の吹き消えが起こる。火炎の吹き消え点を示すd,e,f点もパイロットバーナの違いによってそれぞれ異なる。火炎の吹き消え点が最も低い比較技術2(e点)では、混合室内で生成される混合気の燃料分が希薄化することで火炎温度が低下するため、低い予混合燃焼比率で吹き消える特性を示す。これに対し、本実施形態の燃焼器に拠れば、パイロットバーナの燃料流量が少なくなる条件では、パイロットバーナの軸中心部に火炎温度の高い小火炎500を形成できる効果で、高い予混合燃焼比率まで運転が可能となっている。
通常、大気の条件(気温や湿度)によって、NOx排出特性や吹き消え特性は変化する。そのため、燃焼安定性を確保するためには、NOxの目標値を満足できるポイントから火炎の吹き消えポイントまでの予混合燃焼比率の範囲は広く確保できるほど好ましい。本実施例の燃焼器ではその範囲(c−f間:z)を、比較技術1のb−d間:x,比較技術2のc−e間:yよりも広く確保できる。すなわち、燃焼器の燃焼安定性が高いと言える。
以上、述べてきたように、本実施例の燃焼器に拠れば、パイロットバーナ1に供給する燃料流量が増加する低負荷条件でNOx排出量を低減しつつ、燃料流量が減少する高負荷条件での燃焼安定性を向上でき、より信頼性の高い燃焼器を提供できる。
次に、本発明の第2の実施例について、図5を参照しつつ説明する。図5(a)の左図は本発明の第2の実施例におけるパイロットバーナ1の側断面図を示したものである。図5(a)の右図はパイロットバーナ1を燃焼室の側から見た図である。図1(b)は図1(a)右図のA−A断面図である。
本実施例の基本的な構成は、第1の実施例と同様である。本実施例と第一の実施例の相違点は、図5(b)に示す通り、第2の空気導入孔3から流入した燃焼空気109に旋回が作用するよう、第2の空気導入孔3を混合室2の周方向にα度偏向させて形成したことである。
本実施例に示す燃焼器では、第2の空気導入孔3から流入した燃焼空気109は混合室2内部で旋回が作用する。こうして生じた旋回流によって循環流が形成され、第1の実施例に比べて小火炎500をより安定化できる。これにより、パイロットバーナ1に供給する燃料がさらに少ない場合にも火炎の吹き消えを抑制することが可能となり、第1の実施形態よりも高い予混合燃焼比率での運転が可能となる。したがって、運転裕度の拡大によって燃焼安定性が更に向上し、信頼性の高い燃焼器を提供できる。
次に、本発明の第3の実施例について、図6を参照しつつ説明する。図6は本発明の第3の実施例におけるパイロットバーナ1の側断面図を示したものである。
本実施例の基本構成部品は、第1の実施例と同様である。本実施例と第1の実施例との相違点は、空気導入孔3の孔面積を空気導入孔4,5の孔面積よりも小さくしたことである。
本実施例に示す燃焼器では、第2の空気導入孔3から流入する空気量を少なくすることができる。そのため、拡散燃焼バーナの燃料流量が少ない高負荷条件において、混合室2の軸中心部により燃料濃度の高い混合気を生成でき、小火炎500の火炎温度をより高温にすることができる。
これにより、第1の実施例よりも高い予混合燃焼比率での運転が可能となり、運転裕度の拡大によって燃焼安定性が更に向上し、信頼性の高い燃焼器を提供できる。パイロットバーナ1の小火炎500の高温化によってNOx排出量増加が懸念されるが、拡大した運転裕度を生かして予混合燃焼比率を更に高めることで、NOxの増加分を相殺できる。そのため、大幅なNOx排出量増加には至らない。
また、本実施例と第2の実施例の旋回構造とを組合せた構造にすれば、さらなる性能改善が期待できる。
次に、本発明の第4の実施例について、図7を参照しつつ説明する。本発明の第4の実施例におけるパイロットバーナ1の側断面図を示したものである。
本実施形態の基本構成部品は、第1の実施形態と同様である。本実施例と第1の実施例との相違点は、空気導入孔4に対向する気体燃料ノズル6と、空気導入孔5に対向する気体燃料ノズル7の燃料供給系統を分割し、それぞれの系統に流量調節弁303,305,燃料遮断弁304,306を設けたことである。また、これらの弁を制御する手段として本実施例では制御装置307を設けている。
本実施例に示す燃焼器では、ガスタービン負荷に応じて、気体燃料ノズル6のみに燃料を供給する運転や、気体燃料ノズル7に燃料を供給する運転,気体燃料ノズル6,7の何れにも燃料を供給する運転が可能となる。さらには、気体燃料ノズル6,7間の燃料配分も調整できる。特に、気体燃料ノズル6,7の相対的な流量を調整できることが燃焼器の運転の自由度の拡大に寄与する。小火炎500の形成をより自由に調整することが可能となるからである。
なお、本実施例ではバーナの内周側の気体燃料ノズルを第1の気体燃料ノズル6,外周側の気体燃料ノズルを第2の気体燃料ノズル7として、二系統の燃料供給系統に分けて燃料の供給流量を制御しているが、この他の組み合わせや、それぞれのノズルごとに制御を行っても良い。また、本実施例と第2,第3の実施例を組み合わせても良い。
1 パイロットバーナ
2 混合室
3,4,5 空気導入孔
6,7 気体燃料ノズル
20 混合室形成部材
100 燃焼空気
101 気体燃料
103 火炎
200 圧縮機
201 タービン
202 燃焼器
203 発電機
206 内筒
207 トランジションピース
208 予混合燃焼バーナ

Claims (9)

  1. 燃料と空気とを混合する混合室と、
    前記混合室を形成する混合室形成部材と、
    前記混合室形成部材に設けられた、前記混合室内に空気を供給する複数の第1の空気孔と、
    前記第1の空気孔に向けて燃料を噴射する複数の第1の燃料ノズルと、
    を有するガスタービン燃焼器において、
    前記第1の空気孔よりも前記混合室の軸中心側に空気を供給する第2の空気孔を前記混合室形成部材に有し、
    前記第1の燃料ノズルが噴射する燃料の噴射速度が小さくなるほど、前記第2の空気孔に流入する空気流が第1の燃料ノズルから噴射された燃料のより多くを随伴して前記混合室に流入させる位置に、前記第2の空気孔が配置されている
    ことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. 燃料と空気とを混合する混合室と、
    前記混合室を形成する混合室形成部材と、
    前記混合室形成部材に設けられた、前記混合室内に空気を供給する複数の第1の空気孔と、
    前記第1の空気孔に向けて燃料を噴射する複数の第1の燃料ノズルと、
    を有するガスタービン燃焼器において、
    前記第1の空気孔よりも前記混合室の軸中心側に空気を供給する第2の空気孔を前記混合室形成部材に有し、
    前記第1の燃料ノズルの燃料噴出口と前記第2の空気孔との距離が、前記第1の燃料ノズルの燃料噴出口と前記第1の空気孔との距離よりも近くなる位置に、前記第2の空気孔が配置されている
    ことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  3. 請求項1または請求項2に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記第2の空気孔が前記第1の燃料ノズルと前記混合室の周方向について同位相となる位置に設けられている
    ことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記第2の空気孔の断面積が、前記第1の空気孔の断面積よりも小さい
    ことを特徴とする燃焼器。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記第1の燃料ノズルよりも前記混合室の中心軸に対して外周側に設けられた複数の外周側燃料ノズルと、
    前記外周側燃料ノズルと対向するように、前記混合室形成部材に前記外周側燃料ノズルと同数設けられた外周側空気孔と、
    前記第1の燃料ノズルに供給される燃料と前記外周側燃料ノズルに供給される燃料との相対的な流量を制御できる制御装置とを有する
    ことを特徴とする燃焼器。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記混合室内の軸方向上流部に前記混合室内に燃料を噴射する第2の燃料ノズルを有する
    ことを特徴とする燃焼器。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記混合室は、軸方向下流側に向かって拡開する形状を有し、
    前記第1の空気孔と前記外周側空気孔の少なくとも一方が、前記混合室内に旋回流を発生させるように構成されている
    ことを特徴とする燃焼器。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記第2の空気孔が、前記混合室内に旋回流を発生させるように構成されている
    ことを特徴とする燃焼器。
  9. 燃料と空気とを混合する混合室と、
    前記混合室を形成する混合室形成部材と、
    前記混合室形成部材に設けられた、前記混合室内に空気を供給する複数の第1の空気孔と
    前記第1の空気孔に向けて燃料を噴射するように設けられた複数の第1の燃料ノズルと、
    前記混合室内の、前記第1の空気孔が空気を供給する位置とは異なる位置に空気を供給する複数の第2の空気孔とを供えた燃焼器の、
    前記第1の燃料供給ノズルに供給する燃料の流量を調整することで、前記第2の空気孔を通過して前記混合室に供給される燃料の流量を調整する
    ことを特徴とする燃焼器の運転方法。
JP2010060109A 2010-03-17 2010-03-17 ガスタービン燃焼器、及び運転方法 Active JP5372814B2 (ja)

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