JP2005226849A - ガスタービン燃焼器及びその燃焼空気供給方法 - Google Patents

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和行 伊藤
Isao Takehara
竹原  勲
Toshibumi Sasao
俊文 笹尾
Shohei Yoshida
正平 吉田
Yoshitaka Hirata
義隆 平田
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Abstract

【課題】点火特性や燃焼安定性を低下させることなく、環境負荷を軽減することができるガスタービン燃焼器及びその燃焼空気供給方法を提供する。
【解決手段】燃焼室ライナ1と、この燃焼室ライナ1の上流部における軸中心部近傍に設けた空気旋回器2と、この空気旋回器2の近傍から燃料を噴出する燃料ノズル3と、燃焼室ライナ1の上流部における空気旋回器2及び燃料ノズル3の外周側に設けられ、複数の燃焼空気導入用のスリット24を有する二重壁コーン状部材5と、空気旋回器2と二重壁コーン状部材5との間に設けられ、二重壁コーン状部材5の下流領域に形成された低流速循環流領域300にほぼ干渉しないように、燃焼室ライナ1内に燃焼空気800を噴出する燃焼空気噴出口6とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液体燃料、気体燃料のうち少なくとも一方を燃焼するガスタービン燃焼器及びその燃焼空気供給方法に関する。
ガスタービン燃焼器においては、点火特性を良好にし、安定燃焼を維持するために燃焼器内に燃焼ガスの低流速循環流領域を確保する必要がある。例えば、燃焼器上流部分の軸中心付近に燃焼空気に旋回成分を与える空気旋回器を設け、さらに、この空気旋回器近傍に、液体燃料、気体燃料の少なくともいずれかを噴射する燃料ノズルを設けた燃焼器においては、一般に、燃焼室内における空気旋回器の外周側のスペースに低流速循環流領域が形成される。この低流速循環流領域を燃焼特性に対して望ましい状態にするためには、空気旋回器からの燃焼空気噴出条件に加え、この低流速循環流領域を囲むように燃焼室ライナから噴出される燃焼空気の流量及び噴出方向を調整する必要がある。
そこで、燃焼室内における燃料ノズル及び空気旋回器の周囲に、二重壁をなす円錐状のコーン状部材を設け、このコーン状部材に多数設けた燃焼空気導入用のスリットから燃焼室内に噴出する空気の流量及び噴出方向を調整したものがある(例えば、特許文献1等参照)。
特開平11−311416号公報
ここで、ガスタービン燃焼器は、近年の社会的な要請から、排ガス中のスモーク発生や窒素酸化物(以下、NOxと記載する)の排出量の低減等といった環境負荷の軽減を考慮する必要がある。これを実現するには、燃焼室に流入する燃焼空気の流速や流量配分及び噴出方向を調整することが重要となる。
しかしながら、環境負荷を低減するための燃焼空気の噴出条件は、点火特性を良好にし、燃焼の安定化を図る燃焼空気の噴出条件とは必ずしも一致しない。そのため、上記従来技術のように、点火特性や燃焼安定性を優先してガスタービン燃焼器を設計した場合、結果としてスモークの発生量やNOx排出量が増大する場合があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、点火特性や燃焼安定性を低下させることなく、環境負荷を軽減することができるガスタービン燃焼器及びその燃焼空気供給方法を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明のガスタービン燃焼器は、燃焼室ライナと、この燃焼室ライナの上流部における軸中心部近傍に設けた空気旋回器と、この空気旋回器の近傍から燃料を噴出する燃料ノズルと、前記燃焼室ライナ上流部における前記空気旋回器及び燃料ノズルの外周側に設けられ、複数の燃焼空気導入用のスリットを有する二重壁コーン状部材と、前記空気旋回器と前記二重壁コーン状部材との間に設けられ、前記二重壁コーン状部材の下流領域に形成された低流速循環流領域にほぼ干渉しないように、前記燃焼室ライナ内に燃焼空気を噴出する燃焼空気噴出口とを備えたことを特徴とする。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記燃焼空気噴出口は、前記二重壁コーン状部材のスリットから噴出される燃焼空気よりも大きな軸方向流速を有する燃焼空気を噴出することを特徴とする。
(3)上記(1)において、さらに好ましくは、前記燃焼空気噴出口は、前記燃焼室ライナの軸方向にほぼ沿う方向に延びることを特徴とする。
(4)上記(1)において、また好ましくは、前記燃焼空気噴出口は、前記空気旋回器からの燃焼空気よりも軸方向流速が小さく、前記燃焼室ライナの軸中心周りを旋回する燃焼空気を噴出することを特徴とする。
(5)上記(1)において、さらに好ましくは、前記燃焼空気噴出口は、前記燃焼室ライナの軸線にほぼ直交し、前記燃焼室ライナの軸中心に向かって周方向に傾斜した方向に延びることを特徴とする。
(6)上記目的を達成するために、また本発明は、燃焼室ライナと、この燃焼室ライナの上流部における軸中心部近傍に設けた空気旋回器と、この空気旋回器の近傍から燃料を噴出する燃料ノズルと、前記燃焼室ライナ上流部における前記空気旋回器及び燃料ノズルの外周側に設けられ、複数の燃焼空気導入用のスリットを有する二重壁コーン状部材とを備えたガスタービン燃焼器の燃焼空気供給方法において、前記空気旋回器と前記二重壁コーン状部材との間から、前記二重壁コーン状部材の下流領域に形成された低流速循環流領域にほぼ干渉しないように、前記燃焼室ライナ内に燃焼空気を噴出することを特徴とする。
本発明によれば、点火特性や燃焼安定性に重大な影響を及ぼす燃焼室上流部の低流速循環流領域の燃焼ガスの流れを阻害せずに、燃料ノズルの近傍に燃焼空気を導入し、該燃焼空気の流量や噴出方向を調整することで、例えばスモーク或いはNOx等の発生を抑制し、環境負荷を低減することができる。
以下、本発明のガスタービン燃焼器の一実施形態を図面を用いて説明する。
本発明のガスタービン燃焼器の基本構成を概説すると、まず、ガスタービン燃焼器の軸中心部近傍に燃焼空気に旋回成分を与える空気旋回器を設け、この空気旋回器近傍から燃料を噴射する燃料ノズルを設ける。これにより、燃焼室内の空気旋回器周辺に低流速循環流領域が形成される。さらに、燃焼室ライナ内における燃料ノズル及び空気旋回器の外周側に、二重壁を形成するコーン状部材を設け、この二重壁コーン状部材に多数設けたスリットから燃焼室内に軸中心に向かって空気を噴出するようにする。そして、空気旋回器と二重壁コーン状部材との間に、燃焼室内に噴出する燃焼空気の流量と噴出方向を調節できる燃焼空気噴出口を設け、上記した低流速循環流領域とほぼ干渉しないように燃焼空気噴出口から燃焼空気を供給し、スモークの発生やNOxの排出量の低減を図るものである。
なお、本発明のガスタービン燃焼器及びその燃焼空気供給方法は、液体燃料を燃焼させるガスタービン燃焼器、気体燃焼を燃焼させるガスタービン燃焼器、或いは液体燃料及び気体燃料の双方を燃焼させるガスタービン燃焼器のいずれにも適用可能である。
図1は本発明のガスタービン燃焼器の一実施形態の全体構成を表す断面図、図2は後述する二重壁コーン状部材5を燃焼室側から見た図、図3は本発明のガスタービン燃焼器の一実施形態の上流側部分の拡大断面図、図4は後述する二重壁コーン状部材5近傍を上流側から見た図である。但し、図4においては、後述する空気旋回器2及び燃料ノズル3の部分は図示省略してある。
これら図1乃至図4に示すように、本発明のガスタービン燃焼器は、ガスタービン(図示せず)の周囲に複数缶配置された燃焼器缶8と、この燃焼器缶8の内周側に燃焼用空気の流路を隔てて設けられた概略円筒形状の燃焼室ライナ1と、この燃焼室ライナ1の上流部における軸中心部近傍に設けた空気旋回器2と、この空気旋回器2の近傍から燃料を噴出する燃料ノズル3と、燃焼室ライナ1の上流部における空気旋回器2及び燃料ノズル3の外周側に設けられ、複数の燃焼空気導入用のスリット24を有する二重壁コーン状部材5と、空気旋回器2と二重壁コーン状部材5との間に設けられ、二重壁コーン状部材5の下流領域に形成された低流速循環流領域300にほぼ干渉しないように、燃焼室ライナ1内に噴出する燃焼空気800の流量及び噴出方向を調整する燃焼空気噴出口6とを備えている。
上記燃焼室ライナ1には、燃焼空気を噴出するための燃焼孔10〜13が配置されている。但し、これら燃焼孔10〜13の個数及び配置は特には限定されない。
また、本実施形態において、上記燃料ノズル3は、液体燃料と気体燃料の双方を噴出可能ないわゆるデュアル燃料対応燃焼器であり、気体燃料を噴射する気体燃料ノズル14と、液体燃料を噴射する液体燃料ノズル15とで構成されている。本実施形態においては、燃料ノズル3の外周側に空気旋回器2が配置されている。これら燃料ノズル3と空気旋回器2との位置関係については特に限定されないが、燃料ノズル3と空気旋回器2とは、燃焼室ライナ1の軸中心部近傍において、互いに近接して配置する。
燃料ノズル3の一構成例を図1及び図3を用いて説明すると、気体燃料ノズル14の燃料流路は環状に形成されており、その燃焼室7近傍部分は複数の噴孔16を介して空気旋回器2に連通している。一方、本実施形態において、液体燃料ノズル15は、気体燃料ノズル14の内側に配設されている。この液体燃料ノズル15は、ノズル噴孔17から燃焼室7内に液体燃料を高速で噴出させることで液体燃料の微粒化を図るいわゆる圧力噴霧式ノズルであり、ガスタービンの起動から定格負荷まで幅広く変化する要求燃料流量に対応するために、本実施形態では、パイロットノズル18及びメインノズル19の2系統のノズルで構成してある。メインノズル19は、ガスタービン負荷に応じて噴射制御されるが、この噴射制御は、その上流側に配置されたチェック弁20により行われる。なお、燃料ノズル3の構成は特に限定されるものではなく、例えば、液体燃料ノズル15を空気アシスト式ノズル等に代えても構わない。
二重壁コーン状部材5は、概略円盤状の上流壁21と、この上流壁21及び燃焼室ライナ1との間に所要の空間を確保するように配置された、下流側に向かって拡開する概略円錐形状の下流壁22とで構成されている。二重壁コーン状部材5のうち、上流壁21には複数の孔23が、燃焼室7に臨む下流壁22には概略円弧状の複数のスリット24がそれぞれ設けられている。孔23の合計開口面積は、スリット24のそれとほぼ同等に設定されている。また、スリット24の形状は特に限定されず、必ずしも図示したように円弧状でなくても構わないが、その開口方向に関しては、燃焼室7内に噴出する燃焼空気が、二重壁コーン状部材5に沿って軸中心方向に向かうようにする。これによって、二重壁コーン状部材5のスリット24を介して燃焼室7内に噴出された燃焼空気は、空気旋回器2からの噴出空気とともに、二重壁コーン状部材5の下流側領域において、一次燃焼領域である低流速循環流領域300を確実に形成し、点火、燃焼の安定性が確保されるようになっている。
一方、例えば、NOxやスモークの発生を抑制するためには、低流速循環流領域300に導入する燃焼空気配分を調整する必要があり、一般に燃焼空気流量の増加が必要となる。しかし、単に燃焼空気流量を増加すると、低流速循環流領域300の形成状態に影響を与えかねない。そこで、本実施形態においては、前述した燃焼空気噴出口6が、図3等に示したように低流速循環流領域300を避けて燃焼空気800を噴出するように、二重壁コーン状部材5のスリット24と空気旋回器2との間に複数設けられ、環状に配置されている。
図3及び図4に示したように、この燃焼空気噴出口6は、二重壁コーン状部材5の上流壁21から下流壁22にかけて概ね軸方向に沿って延びるように(より好ましくは、下流側に向かってやや燃焼室7の中心側に傾斜するように)設けられており、二重壁コーン状部材5の各スリット24と異なって、燃焼室ライナ1の外部から燃焼室7内に直接燃焼空気を導く構成となっている。このように構成したことにより、燃焼空気噴出口6を介して燃焼室1内に導かれる燃焼空気の流れは、二重壁コーン状部材5の各スリット24を介する燃焼空気の流れに比して圧力損失が小さく、噴出流速が速くなるようになっている。
次に、上記構成の本実施形態のガスタービン燃焼器の動作及び作用を説明する。
例えば圧縮機(図示せず)等から導入された燃焼用空気100は、燃焼室ライナ1に沿ってその外部空間を流れる過程で燃焼孔13,12,11,10から一部燃焼室7内に順次流入しつつ、残りの燃焼用空気200は燃料ノズル3近傍に到達する。こうして燃料ノズル3近傍に導かれた燃焼用空気200は、その付近に設けた空気旋回器2を介して旋回しつつ燃焼室7内に流入する一方、二重壁コーン状部材5の孔23、スリット24を順次通過して、燃焼室7内において、二重壁コーン状部材5の下流壁22に沿って軸中心に向かって流れ込み、二重壁コーン状部材5の下流域において、前述した低流速循環流領域300を形成する。
その一方で、気体燃料400或いは液体燃料500が、燃料ノズル3より燃焼室7内に噴出され、燃焼空気とともに燃焼室7内で燃焼する。例えば、液体燃料を噴射する場合について説明すると、燃料流量が少ない点火時においては、チェック弁20の働きにより、メインノズル19には液体燃料500が流れずパイロットノズル18のみから液体燃料500が噴射され、燃料流量が増加してノズル圧力が増加すると、チェック弁20が開きパイロットノズル18及びメインノズル19から液体燃料500が噴出される。燃焼室7から排出された燃焼ガスはタービン(図示せず)に送られ、タービンを回転駆動させる。
このとき、低流速循環流領域300は、燃焼室7内ではその流速が比較的遅いことから、燃焼反応の起点となる保炎領域となり、燃焼器の点火特性や燃焼安定性に重要な影響を及ぼす。本実施形態においては、前述したように、二重壁コーン状部材5の各孔23を介して圧力を損失した燃焼空気がスリット24を介して燃焼室7内に噴出し、二重壁コーン状部材5に沿って軸中心方向に流れることによって、低流速循環流領域300の形成がより確実なものになる。
ノズル噴孔17から噴射される液体燃料600は、燃焼室7内に拡開して広がるとともに空気旋回器2からの空気流れ700により分散され燃焼する。一般に、空気旋回器2からの空気流量は、図1で示した燃焼孔10〜13からの空気流量よりも少なくなるように設定される。これは、空気旋回器2から噴出する空気流れが旋回流であるため、流量が過度に大きくなると低流速循環流領域300の形成状態が変化し、燃焼状態が不良になることによる。
ここで、本実施形態においては、図3に示すように、燃焼空気噴出口6から、拡開して広がる噴霧液体燃料600に干渉するように燃焼室7内に燃焼空気800を噴射する。上述したように、燃焼空気噴出口6からの燃焼空気800は、その軸方向流速が二重壁コーン状部材5から噴出される燃焼空気900に比して大きく、この燃焼空気900との衝突によって液体燃料600との混合が促進される。このとき、燃焼空気噴出口6は空気旋回器2及び二重壁コーン状部材5の間に位置し、かつ、その燃焼空気800は旋回流ではないので、実質的に低流速循環流領域300の形成を阻害することはない。なお、例えば図3等では、燃焼空気噴出口6の噴射角度をやや中心向きにしているが、望ましくは、燃焼空気噴出口6からの噴出空気の噴出方向を若干軸方向に調整することで、低流速循環流領域300への影響をより効果的に軽減することができる。
本実施形態は、液体燃料の燃焼におけるスモーク発生の抑制に特に有効であり、これによって環境負荷の低減に大きな効果を奏する。液体燃料の燃焼におけるスモーク発生特性は、液体燃料の噴霧特性や燃焼場の燃焼ガス温度分布等を始めとする複数の要因と関わって複雑な挙動を示す。これら複数の要因の中で、一般的な傾向として噴霧燃料の粒径が大きい場合、あるいは燃焼場での燃空比(燃料と空気の重量割合)が大きい場合にスモークの発生量が大きくなることが知られている。本実施形態のような圧カ噴霧式或いは空気アシスト式の燃料ノズルでは、通常、噴霧燃料の粒径低減に限界があることから、スモークの排出量を低減することが困難であった。それに対し、本実施形態においては、燃焼空気噴出口6からの燃焼空気800により、液体燃料600と燃焼空気との混合が促進され、燃焼場における燃空比を低減させることができ、スモークの発生量を効果的に低減することができる。
以上のように、本実施形態によれば、点火特性や燃焼安定性を損なうことなく、液体燃料燃焼時のスモーク発生を効果的に低減し、環境負荷を軽減することができる。
本発明のガスタービン燃焼器の他の実施形態を説明する。
図5は本発明のガスタービン燃焼器の他の実施形態の上流側部分の拡大断面図、図6は二重壁コーン状部材5近傍を上流側から見た図である。但し、図6においては、後述する空気旋回器2及び燃料ノズル3の部分は図示省略してある。
本実施形態は、特に気体燃料の燃焼においてNOx発生量を低減するのに好適なもので、前述した本発明のガスタービン燃焼器の一実施の形態と相違する点は、燃焼空気噴出口6aの流路構成にある。
図5及び図6において、燃焼空気噴出口6aは、空気旋回器2の周囲に環状に複数配置されており、それぞれ二重壁コーン状部材5の上流壁21から下流壁22に向かってほぼ軸方向に向かった後(この部分の流路形状は特に限定されず、必ずしも軸方向でなくても良い)、燃焼室ライナ1の軸線にほぼ直交する方向に径方向内側に向かって曲成されている。このとき、燃焼空気噴出口6aは、単に燃焼室7の軸中心に向かうのではなく、燃焼室ライナ1の軸中心に向かって周方向一方側に傾斜した方向に延びており、燃焼空気噴出口6aからの燃焼空気800が、燃焼室7の軸中心周りを旋回するようにしてある。
なお、燃焼空気噴出口6aの開口方向は、図示したように極力燃焼室ライナ1の軸方向に直交する方向とすることが好ましいが、必ずしも厳密に燃焼室ライナ1の軸線に直交する向きとしなくても、該軸線にほぼ直交していれば良い。したがって、燃焼空気噴出口6aは、例えば若干下流側(又は上流側)に傾斜していても良いが、この場合には、燃焼空気800の軸方向流速が、空気旋回器2からの空気流れ700の軸方向流速よりも小さくなるように、その角度を適宜調整する。その他の構成は、前述した本発明のガスタービン燃焼器の一実施形態と同様である。
一般に燃焼ガス中におけるNOxの発生は、火炎温度に大きく影響を受け、燃焼場における最高火炎温度が高く、また、火炎温度が高い領域が大きいほどNOxの排出量は大きくなる。火炎温度は、ほぼ当量燃空比(燃焼に必要最低限の空気流量と燃料流量の割合)で最高になる。したがって、NOx低減の1つの方策としては、燃焼室7内において、当量燃空比に近い燃焼領域の形成をできる限り抑制することが挙げられる。そのためには、噴射した燃焼を速やかに燃焼空気と混合させることが重要となるが、単純に燃料ノズル3近傍の燃焼空気流量を増加させるだけでは、燃焼室7内の燃料と空気との混合状態が不均一となり、局所火炎温度が増加してかえってNOx発生量を増加させかねない。このことは、本実施形態の燃焼器構成のように、点火特性や燃焼安定性を確保するために燃料ノズル3近傍の燃空比を大きくする構成であると、燃焼空気の更なる導入がかえって当量燃空比に近い燃焼領域を拡大させてしまう可能性があることによる。
このような噴射燃料と燃焼空気との混合に伴う局所的な火炎温度の増加を抑制するために、本実施形態においては、特に気体燃料ノズル14から気体燃料650を噴射する際に、軸中心に対し偏心した燃焼空気噴出口6aから、燃焼室ライナ1の軸中心周りを旋回する燃焼空気800を導入する。このとき、前述したように燃焼空気噴出口6の開口方向を燃焼室ライナ1の軸方向にほぼ直交させているので、燃焼空気800の軸方向流速の増加が抑制され、主要な燃焼領域(例えば低流速循環流領域300等)に燃焼空気800が到達するまでの時間が十分に確保され、この間に気体燃料650が空気と十分に混合される。この主要な燃焼領域に到達するまでの段階においては、気体燃料650と燃焼空気の燃空比は当量燃空比よりも大きい状態にあり、火炎温度の増加を抑制することができる。
さらに、このように軸中心周りで旋回するように燃焼空気800を噴出することにより、燃焼空気噴出口6aからの燃焼空気800が空気旋回器2からの燃焼空気700にほとんど干渉しないので、燃焼空気800を導入することによる燃焼空気700への影響は実質的にない。したがって、二重壁コーン状部材5下流側の低流速循環流領域300の形成は阻害されず、点火特性や燃焼安定性は確保される。
また、燃焼室ライナ1の燃焼孔10〜13からの燃焼空気が気体燃料650と混合される部分も主要な燃焼領域となるが、本実施形態においては、気体燃料650がここに到達するまでに燃焼空気800と混合して局所的な不均一が少ない状態となっているので、火炎温度が高い領域は低減されNOx排出量を抑制することができる。
以上のように、本実施形態によれば、主要な燃焼領域から離れた領域で気体燃料650を燃焼空気800と十分に混合することができるので、点火特性や燃焼安定性を損なうことなく火炎温度の上昇を抑制し、NOx発生を効果的に低減することによって、環境負荷を軽減することができる。
本発明のガスタービン燃焼器の一実施形態の全体構成を表す断面図である。 本発明のガスタービン燃焼器の一実施形態における二重壁コーン状部材を燃焼室側から見た図である。 本発明のガスタービン燃焼器の一実施形態の上流側部分の拡大断面図である。 本発明のガスタービン燃焼器の一実施形態における二重壁コーン状部材近傍を上流側から見た図である。 本発明のガスタービン燃焼器の他の実施形態の上流側部分の拡大断面図である。 本発明のガスタービン燃焼器の他の実施形態における二重壁コーン状部材近傍を上流側から見た図である。
符号の説明
1 燃焼室ライナ
2 空気旋回器
3 燃料ノズル
5 二重壁コーン状部材
6 燃焼空気噴出口
24 スリット
300 低流速循環流領域
800 燃焼空気

Claims (6)

  1. 燃焼室ライナと、
    この燃焼室ライナの上流部における軸中心部近傍に設けた空気旋回器と、
    この空気旋回器の近傍から燃料を噴出する燃料ノズルと、
    前記燃焼室ライナ上流部における前記空気旋回器及び燃料ノズルの外周側に設けられ、複数の燃焼空気導入用のスリットを有する二重壁コーン状部材と、
    前記空気旋回器と前記二重壁コーン状部材との間に設けられ、前記二重壁コーン状部材の下流領域に形成された低流速循環流領域にほぼ干渉しないように、前記燃焼室ライナ内に燃焼空気を噴出する燃焼空気噴出口と
    を備えたことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、前記燃焼空気噴出口は、前記二重壁コーン状部材のスリットから噴出される燃焼空気よりも大きな軸方向流速を有する燃焼空気を噴出することを特徴とするガスタービン燃焼器。
  3. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、前記燃焼空気噴出口は、前記燃焼室ライナの軸方向にほぼ沿う方向に延びることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  4. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、前記燃焼空気噴出口は、前記空気旋回器からの燃焼空気よりも軸方向流速が小さく、前記燃焼室ライナの軸中心周りを旋回する燃焼空気を噴出することを特徴とするガスタービン燃焼器。
  5. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、前記燃焼空気噴出口は、前記燃焼室ライナの軸線にほぼ直交し、前記燃焼室ライナの軸中心に向かって周方向に傾斜した方向に延びることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  6. 燃焼室ライナと、この燃焼室ライナの上流部における軸中心部近傍に設けた空気旋回器と、この空気旋回器の近傍から燃料を噴出する燃料ノズルと、前記燃焼室ライナ上流部における前記空気旋回器及び燃料ノズルの外周側に設けられ、複数の燃焼空気導入用のスリットを有する二重壁コーン状部材とを備えたガスタービン燃焼器の燃焼空気供給方法において、
    前記空気旋回器と前記二重壁コーン状部材との間から、前記二重壁コーン状部材の下流領域に形成された低流速循環流領域にほぼ干渉しないように、前記燃焼室ライナ内に燃焼空気を噴出することを特徴とするガスタービン燃焼器の燃焼空気供給方法。
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