JP2011190956A - 搬送装置及びこれを備えた熱処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】特定位置のワークと他のワークとを異なる速度で搬送可能な搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送装置11は、複数のワークWを搬送方向に並べて配置可能な支持体18と、昇降によって支持体18との間でワークWを受け渡しし、支持体18から受け取ったワークWを搬送する搬送体20と、搬送体20を駆動する駆動部21とを備え、搬送体20は、プレヒートゾーンZ1のワークWを支持体18から受け取って搬送する第1搬送部31と、第1搬送部31より高位置にあり焼成ゾーンZ2のワークWを支持体18から受け取って搬送する第2搬送部32とを備え、駆動部21は、プレヒートゾーンZ1のワークWを第1搬送部31と支持体18との間で受け渡しする第1の昇降ストロークh1と、第1の昇降ストロークh1よりも小さく、焼成ゾーンZ2のワークWを第2搬送部32と支持体18との間で受け渡しする第2の昇降ストロークh2で搬送体20を昇降する。
【選択図】 図1
【解決手段】搬送装置11は、複数のワークWを搬送方向に並べて配置可能な支持体18と、昇降によって支持体18との間でワークWを受け渡しし、支持体18から受け取ったワークWを搬送する搬送体20と、搬送体20を駆動する駆動部21とを備え、搬送体20は、プレヒートゾーンZ1のワークWを支持体18から受け取って搬送する第1搬送部31と、第1搬送部31より高位置にあり焼成ゾーンZ2のワークWを支持体18から受け取って搬送する第2搬送部32とを備え、駆動部21は、プレヒートゾーンZ1のワークWを第1搬送部31と支持体18との間で受け渡しする第1の昇降ストロークh1と、第1の昇降ストロークh1よりも小さく、焼成ゾーンZ2のワークWを第2搬送部32と支持体18との間で受け渡しする第2の昇降ストロークh2で搬送体20を昇降する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、搬送装置及びこれを備えた熱処理装置に関する。
太陽電池基板等の各種基板の製造には、熱処理装置によって基板(又は基板に形成された膜)を焼成する工程が含まれる。この熱処理装置は、入口側のプレヒートゾーン(乾燥ゾーン乃至脱バインダゾーン)と出口側の焼成ゾーンとを有する熱処理炉と、この熱処理炉を通過させるように基板を搬送する搬送装置とを備えている。また、搬送装置として、発塵の少ないウォーキングビーム式の搬送装置を利用する場合がある。
ウォーキングビーム式の搬送装置は、搬送方向に沿って配置された一対の支持ビームと、同じく搬送方向に沿って配置された一対の搬送ビームとを備えている。支持ビームは、複数の基板を搬送方向に一定の間隔をあけて支持する。
搬送ビームは、上下昇降と前後移動が可能である。そして、搬送ビームは、支持ビームの下方から上方へ上昇することによって支持ビームからワークを受け取り、搬送方向に所定のストロークだけ前進することによってワークを搬送し、支持ビームの下方へ下降することによって支持ビームにワークを渡し、さらに、搬送方向に後退することによって元の位置に復帰する動作を1サイクルとして行う。したがって、搬送装置は、搬送ビームの上昇、前進、下降、後進の動作によって基板を所定ストロークずつ一定速度で搬送する。
搬送ビームは、上下昇降と前後移動が可能である。そして、搬送ビームは、支持ビームの下方から上方へ上昇することによって支持ビームからワークを受け取り、搬送方向に所定のストロークだけ前進することによってワークを搬送し、支持ビームの下方へ下降することによって支持ビームにワークを渡し、さらに、搬送方向に後退することによって元の位置に復帰する動作を1サイクルとして行う。したがって、搬送装置は、搬送ビームの上昇、前進、下降、後進の動作によって基板を所定ストロークずつ一定速度で搬送する。
ところで、太陽電池基板の熱処理においては、良好な焼成状態を得るために、基板を短時間で加熱したあと急冷することが好ましく、また、製品に応じて焼成時間を所望に調整したいという要請もある。しかしながら、前述の搬送装置では、熱処理炉の全体に渡って所定のストロークずつ一定の速度で基板を搬送するため、このような要請に応えることは困難であった。
また、上記のような要請に応えるべく、プレヒートゾーンと焼成ゾーンとで異なる搬送装置を用いることも考えられている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の熱処理装置は、プレヒートゾーンでは第1の搬送装置によって基板を搬送し、プレヒートゾーンと焼成ゾーンとの境界で第2の搬送装置に基板を受け渡すとともに、焼成ゾーンでは第2の搬送装置によって比較的高速で基板を搬送するものとされている。
しかしながら、特許文献1に記載の熱処理装置では、異なる形式の2台の搬送装置が必要であるため、装置が大型化し、製造コストも増大する。また、2台の搬送装置の駆動部を同期、連繋させなければならないので制御が複雑化するという問題もある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、複数の搬送装置を用いなくても特定の箇所における被搬送物の搬送速度を異ならせることができ、大型化やコスト増、制御の複雑化等を抑制することができる搬送装置及びこれを用いた熱処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、複数の被搬送物を搬送方向に並べて配置可能な支持体と、前記支持体に対する相対的な昇降によって前記支持体との間で被搬送物を受け渡しし、当該支持体から受け取った被搬送物を搬送する搬送体と、前記搬送体、又は前記搬送体及び前記支持体を駆動して所定の搬送動作を行わせる駆動部と、を備えている搬送装置であって、
前記搬送体は、前記支持体の特定位置以外に配置された被搬送物を受け取って搬送する第1搬送部と、この第1搬送部よりも高位置にあり、前記支持体の特定位置に配置された被搬送物を受け取って搬送する第2搬送部とを備え、
前記駆動部は、
前記特定位置以外に配置された被搬送物を前記支持体と前記第1搬送部との間で受け渡しする第1の昇降ストロークと、
前記第1の昇降ストロークよりも小さく、前記特定位置に配置された被搬送物のみを前記支持体と前記第2搬送部との間で受け渡しする第2の昇降ストロークとの、2種類の昇降ストロークで前記搬送体と前記支持体とを相対的に昇降駆動することを特徴とする。
前記搬送体は、前記支持体の特定位置以外に配置された被搬送物を受け取って搬送する第1搬送部と、この第1搬送部よりも高位置にあり、前記支持体の特定位置に配置された被搬送物を受け取って搬送する第2搬送部とを備え、
前記駆動部は、
前記特定位置以外に配置された被搬送物を前記支持体と前記第1搬送部との間で受け渡しする第1の昇降ストロークと、
前記第1の昇降ストロークよりも小さく、前記特定位置に配置された被搬送物のみを前記支持体と前記第2搬送部との間で受け渡しする第2の昇降ストロークとの、2種類の昇降ストロークで前記搬送体と前記支持体とを相対的に昇降駆動することを特徴とする。
この構成によれば、搬送体と支持体とを第1の昇降ストロークで相対的に昇降させることによって、支持体の特定位置以外に配置されている被搬送物を支持体と搬送体との間で受け渡しし、搬送体によって搬送することができる。また、搬送体と支持体とを第2の昇降ストロークで相対的に昇降させることによって、支持体の特定位置に配置されている被搬送物を支持体と搬送体との間で受け渡しし、搬送体によって搬送することができる。したがって、支持体の特定位置以外に配置されている被搬送物と特定位置に配置されている搬送物とを搬送体によってそれぞれ個別に搬送することが可能となり、これらの搬送時期を調整することによってそれぞれの搬送速度を変えることができる。
なお、上記構成において、搬送体と支持体との相対的な昇降には、支持体を上下方向に関して固定し、搬送体を昇降させる場合と、搬送体を上下方向に関して固定し、支持体を昇降させる場合とがある。駆動部は、前者の場合には搬送体のみを駆動し、後者の場合には、昇降に関しては支持体を駆動し、搬送方向への搬送に関しては搬送体を駆動するものとなる。
前記駆動部は、前記搬送体、又は、前記搬送体及び前記支持体に対して、前記第1の昇降ストロークによる前記搬送体と前記支持体との相対的な昇降を含む第1の搬送動作を一定の時間間隔で行わせ、前記第2の昇降ストロークによる前記搬送体と前記支持体との相対的な昇降を含む第2の搬送動作を、各第1の搬送動作の間に行わせるように構成されていてもよい。
この場合、第1の搬送動作によって特定位置以外の被搬送物を搬送し、この第1の搬送動作で特定位置に搬送された被搬送物を第2の搬送動作によって搬送し、特定位置から取り出すことができる。そして、再び第1の搬送動作によって特定位置以外の搬送物を搬送し、この搬送動作で、再度、特定位置に被搬送物が搬送されると、第2の搬送動作によって特定位置の被搬送物のみを搬送し、特定位置から取り出すことができる。
したがって、特定位置以外の被搬送物は一定の時間間隔で搬送され、その被搬送物が特定位置に配置されると、次の第1の搬送動作が始まる前に第2の搬送動作によって特定位置から取り出される。そのため、特定位置以外の被搬送物よりも特定位置に配置された被搬送物の搬送速度を高めることが可能となる。
したがって、特定位置以外の被搬送物は一定の時間間隔で搬送され、その被搬送物が特定位置に配置されると、次の第1の搬送動作が始まる前に第2の搬送動作によって特定位置から取り出される。そのため、特定位置以外の被搬送物よりも特定位置に配置された被搬送物の搬送速度を高めることが可能となる。
また、前記駆動部は、前記搬送体、又は、前記搬送体及び前記支持体に対して、前記特定位置に被搬送物が配置されるまでは前記第1の昇降ストロークによる前記搬送体と前記支持体との相対的な昇降を含む第1の搬送動作を一定の時間間隔で行わせ、前記特定位置に被搬送物が配置された後は、前記第2の昇降ストロークによる前記搬送体と前記支持体との相対的な昇降を含む第2の搬送動作を、各第1の搬送動作の間に行わせるように構成されていてもよい。
この構成によれば、支持体の特定位置に被搬送物が配置されておらず、特定位置以外に被搬送物が配置されている場合には、第1の搬送動作によって特定位置以外の被搬送物を搬送する。そして、この第1の搬送動作によって特定位置に被搬送物が搬送されると、次に第2の搬送動作によって特定位置の被搬送物のみを搬送し、特定位置から取り出すことができる。そして、再び第1の搬送動作によって特定位置以外の搬送物を搬送する。この搬送動作で、再度、特定位置に被搬送物が搬送されると、第2の搬送動作によって特定位置の被搬送物のみを搬送し、特定位置から取り出すことができる。
したがって、特定位置以外の被搬送物は一定の時間間隔で搬送され、その被搬送物が特定位置に配置されると、次の第1の搬送動作が始まる前に第2の搬送動作によって特定位置から取り出される。そのため、特定位置以外の被搬送物よりも特定位置に配置された被搬送物の搬送速度を高めることが可能となる。
したがって、特定位置以外の被搬送物は一定の時間間隔で搬送され、その被搬送物が特定位置に配置されると、次の第1の搬送動作が始まる前に第2の搬送動作によって特定位置から取り出される。そのため、特定位置以外の被搬送物よりも特定位置に配置された被搬送物の搬送速度を高めることが可能となる。
前記第2搬送部は、前記搬送体から上方へ突出する突部により構成されていることが好ましい。
このような構成によって、第1搬送部よりも高位置の第2搬送部を容易に形成することができる。
このような構成によって、第1搬送部よりも高位置の第2搬送部を容易に形成することができる。
前記第1搬送部は、前記搬送体の上面に形成された凹部により構成されていることが好ましい。
このような構成によって、第1搬送部を容易に形成することができるとともに、凹部に被搬送物を嵌めることによって安定的に保持することが可能となる。
このような構成によって、第1搬送部を容易に形成することができるとともに、凹部に被搬送物を嵌めることによって安定的に保持することが可能となる。
本発明の熱処理装置は、焼成ゾーンを含む熱処理炉と、この熱処理炉を通過させるように複数の被搬送物を搬送する上述の搬送装置と、を備え、
前記焼成ゾーンが前記支持体の特定位置とされていることを特徴とするものである。
前記焼成ゾーンが前記支持体の特定位置とされていることを特徴とするものである。
この構成によれば、熱処理装置の焼成ゾーンに配置された被搬送物と、それ以外の他の被搬送物との搬送速度を異ならせることができ、他の被搬送物の搬送速度に依存することなく短時間で適切な焼成処理を行うことができる。
本発明によれば、複数の搬送装置を用いなくても特定位置の被搬送物の搬送速度を変更することができ、コスト増や装置の大型化、制御の複雑化を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る熱処理装置10を概略的に示す正面図である。
この熱処理装置10は、搬送装置11により搬送方向Xに搬送されているワーク(被搬送物;被処理物)Wを熱処理炉12によって熱処理するものである。ワークWは、例えば、太陽電池等に使用される半導体基板やその他の基板であり、図示しない供給装置によって、搬送装置11における搬送方向Xの上流側(図1の右側)に供給され、熱処理炉12で熱処理された後、図示しない取出装置によって同方向Xの下流側(図1の左側)から取り出される。なお、本実施形態では、搬送方向Xを前後方向ということがあり、この搬送方向Xに直交する水平方向を左右方向ということがある。
図1は、本発明の実施の形態に係る熱処理装置10を概略的に示す正面図である。
この熱処理装置10は、搬送装置11により搬送方向Xに搬送されているワーク(被搬送物;被処理物)Wを熱処理炉12によって熱処理するものである。ワークWは、例えば、太陽電池等に使用される半導体基板やその他の基板であり、図示しない供給装置によって、搬送装置11における搬送方向Xの上流側(図1の右側)に供給され、熱処理炉12で熱処理された後、図示しない取出装置によって同方向Xの下流側(図1の左側)から取り出される。なお、本実施形態では、搬送方向Xを前後方向ということがあり、この搬送方向Xに直交する水平方向を左右方向ということがある。
熱処理炉12は、ワークWの供給位置14と、取出位置15との間に配置されており、搬送方向上流側(後側)にプレヒートゾーンZ1が配置され、下流側(前側)に焼成ゾーンZ2が配置されている。また、本実施形態では、焼成ゾーンZ2の下流側に冷却ゾーンZ3が設けられている。
プレヒートゾーンZ1は、例えば300℃〜500℃の雰囲気温度に調整され、ワークWの乾燥処理や脱バインダ処理及び予熱等が行われる。焼成ゾーンZ2は、例えば800℃〜1000℃の雰囲気温度に調整され、ワークWの焼成処理が行われる。冷却ゾーンZ3は、焼成が終了した後のワークWを強制冷却又は自然冷却が行われる。
搬送装置11は、供給位置14と取出位置15とにわたって搬送方向Xに沿って配置され、複数のワークWを搬送方向Xに並べて支持する支持体18と、この支持体18上のワークWを搬送方向Xに搬送する搬送機構19と、を備えている。また、搬送機構19は、搬送体20と、この搬送体20に搬送動作を行わせる駆動部21とを備えている。
図2は、搬送装置11の側面図、図3は搬送装置11の平面図である。支持体18は、搬送方向Xに沿って延び、搬送方向Xに直交する水平方向(左右方向)に間隔をあけて配置された互いに平行な一対の支持ビーム(支持部材)23を備え、この支持ビーム23によってワークWの左右両端縁が支持される。この支持ビーム23は、石英等から形成された断面円形状の長尺棒により構成されている。
図4(a)は、搬送装置(支持体18、搬送体20)を示す断面図である。一対の支持ビーム23の対向側面には凹部25が形成されており、この凹部25は、支持ビーム23の上端から中心に向けて形成された起立面26と、中心から対向方向に向けて斜め下方に形成された傾斜面27とを有している。そして、ワークWは、左右両端縁を傾斜面27上に載せることによって安定的に支持される。
図1に示すように、本実施形態の支持体18は、合計7枚のワークWを載置可能に構成されている。そして、支持体18における搬送方向Xの上流端がワークWの供給位置14とされ、搬送方向Xの下流端がワークWの取出位置15とされている。また、搬送方向Xの上流端から2〜4番目のワークWが熱処理炉12のプレヒートゾーンZ1に配置され、同5番目のワークWが焼成ゾーンZ2に配置され、同6番目(下流端から2番目)のワークWが冷却ゾーンZ3に配置される。
図2及び図3に示すように、搬送体20は、支持体18の下方に配置されている。搬送体20は、搬送方向Xに沿って延び、搬送方向Xに対して直交する左右方向に間隔をあけて配置された一対の搬送ビーム(搬送部材)30を備えている。各搬送ビーム30は、石英等から形成された断面円形状の長尺棒により構成され、搬送方向Xの複数箇所で連結部材36によって互いに連結されている。搬送体20には、支持体18からワークWを受け取って搬送するための複数の搬送部31,32が搬送方向Xに並設されている。本実施形態の搬送体20には、6個の搬送部31,32が設けられている。
さらに、本実施形態の搬送部31,32は、5個の第1搬送部31と、1個の第2搬送部32とからなっている。第1搬送部31は、搬送体20における搬送方向Xの下流端と、搬送方向上流側の4箇所に設けられ、第2搬送部32は、搬送方向Xの下流端から2番目の箇所に設けられている。
第1搬送部31は、各搬送ビーム30の上面に形成された凹部34から構成されている。各凹部34の前後に対向する側面は、下側ほど互いの間隔が狭まるように傾斜する傾斜面34aとされている。そして、ワークWは、この傾斜面34aに前後端縁を載せることによって安定的に保持される。
第2搬送部32は、各搬送ビーム30から上方に突出する前後一対の支持突部33から構成されている。そして、2本の搬送ビーム30から突出される合計4個の支持突部33の先端部で、ワークWの前後端縁を支持するように構成されている。したがって、第2搬送部32は、第1搬送部31よりも高位置で、支持体18により近く配置されている。
各搬送ビーム30において、前後一対の支持突部33の上端対向面には、下側ほど対向間隔が狭くなるように傾斜する傾斜面33aが形成されており、ワークWは、この傾斜面33aに前後端縁を載せることによって安定的に保持される。
各搬送ビーム30において、前後一対の支持突部33の上端対向面には、下側ほど対向間隔が狭くなるように傾斜する傾斜面33aが形成されており、ワークWは、この傾斜面33aに前後端縁を載せることによって安定的に保持される。
図1に示すように、駆動部21は、搬送体20の下方に支持アーム35を介して連結されており、搬送体20に対して所定の搬送動作を行わせるために、モータやシリンダ等のアクチュエータとこのアクチュエータを制御する制御部(いずれも図示略)とを含む。具体的に、駆動部21は、図1に(I)(II)で示すように、搬送体20に上昇、前進、下降、後退の動作を1サイクルとして行わせる。そして、搬送体20は、この1サイクルでワークWを所定のストロークずつ搬送方向Xに搬送する。
(I)(II)のサイクルは、搬送体20が上昇することによって支持体18に配置されているワークWを第1又は第2搬送部31,32において受け取り、支持体18から持ち上げる。そして、ワークWを受け取った状態で搬送方向Xに前進することによりワークWを搬送し、さらに下降することによってワークWを支持体18に戻す。また、ワークWを支持体18に戻した後は、搬送方向Xとは反対方向に後退することによって元の位置に復帰する。
搬送方向Xのストロークは、(I)(II)の動作とも同じであるが、(I)のサイクルにおける昇降ストロークh1は、(II)のサイクルにおける昇降ストロークh2よりも大きくなっている。
搬送方向Xのストロークは、(I)(II)の動作とも同じであるが、(I)のサイクルにおける昇降ストロークh1は、(II)のサイクルにおける昇降ストロークh2よりも大きくなっている。
(I)に示すサイクルは、第1搬送部31によって支持体18上のワークWを搬送するためのものであり、(II)に示すサイクルは、第2搬送部32によって支持体18上のワークWを搬送するためのものである。すなわち、図4(b)に示すように、(I)に示すサイクルにより搬送体20がより大きい昇降ストロークh1で上昇すると、第1搬送部31によって支持体18上のワークWを受け取ることができる。しかし、図4(c)に示すように、(II)に示すサイクルにより搬送体20がより小さい昇降ストロークh2で上昇すると、第2搬送部32によって支持体18上のワークWを受け取ることができるが、第1搬送部31によってワークWを受け取ることができない。したがって、(II)に示す動作は、第2搬送部32のみによる搬送動作となる。ここで、本実施形態では、(I)のサイクルによる搬送動作を第1の搬送動作といい、(II)のサイクルによる搬送動作を第2の搬送動作という。
以下、本実施形態の搬送装置11による搬送動作をより詳細に説明する。図5〜図9は、熱処理装置10の動作手順を示す説明図であり、図10は熱処理装置10の動作タイミングを示すタイムチャートである。
まず、図5(a)は、熱処理動作を行っていない待機状態である。このとき、搬送体20の第2搬送部32は、焼成ゾーンZ2に対応した位置にあり、第1搬送部31は、支持体18の供給位置14、プレヒートゾーンZ1、及び冷却ゾーンZ3に対応する位置にある。この搬送体20の位置を初期位置とする。
まず、図5(a)は、熱処理動作を行っていない待機状態である。このとき、搬送体20の第2搬送部32は、焼成ゾーンZ2に対応した位置にあり、第1搬送部31は、支持体18の供給位置14、プレヒートゾーンZ1、及び冷却ゾーンZ3に対応する位置にある。この搬送体20の位置を初期位置とする。
図5(b)に示すように、支持体18の供給位置14に図示しない供給装置からワークWが供給されると、まず、搬送体20は、駆動部21によって第1の搬送動作((I)に示すサイクル)でワークWを搬送する。具体的に、搬送体20は、図5(c)に示すように、所定のストロークh1だけ上昇し、搬送方向上流端の第1搬送部31によって支持体18からワークWを受け取る。
次いで、図6(a)に示すように、搬送体20は、搬送方向Xに所定のストロークだけ前進し、ワークWをプレヒートゾーンZ1内に挿入する。そして、搬送体20は、図6(b)に示すように、所定のストロークh1だけ下降することによってワークWを支持体18に渡す。このとき、供給位置14には新たなワークWが供給される。
次いで、図6(c)に示すように、搬送体20は、所定のストロークだけ後退し、初期位置に復帰する。
次いで、図6(c)に示すように、搬送体20は、所定のストロークだけ後退し、初期位置に復帰する。
以上の動作によって1サイクルの第1の搬送動作が行われ、その後、所定時間が経過した後に、同様の動作が繰り返し行われる。図10に示すように、1サイクルの第1の搬送動作に要する時間とその後の所定時間とを合わせた時間が熱処理工程における1タクトタイム(1工程作業時間)となる。
図7(a)は、図5及び図6に示す第1の搬送動作を繰り返し行うことによって、プレヒートゾーンZ1に3枚のワークWが搬送され、さらに供給位置14に新たなワークWが供給された状態を示す。この状態では、搬送体20は、上記と同様に第1の搬送動作によりワークWを搬送する。すなわち、搬送体20は、図7(b)に示すように、所定のストロークh1で上昇することにより、プレヒートゾーンZ1と供給位置14にある4枚のワークWを支持体18から受け取り、図7(c)に示すように、搬送方向Xに所定のストローク前進することによってこれらのワークWを搬送する。次いで、図8(a)に示すように、搬送体20は、所定のストロークh1だけ下降することによって4枚のワークWを支持体18に受け渡す。このとき、供給位置14には新たにワークWが供給される。そして、図8(b)に示すように、搬送体20は、所定のストロークだけ後退することによって初期位置に復帰する。
この動作により、プレヒートゾーンZ1において最も搬送方向下流側に配置されていたワークWが焼成ゾーンZ2に搬送される。
本実施形態では、焼成ゾーンZ2における焼成処理を短時間で終了し、ワークWを即座に冷却ゾーンZ3へ搬送するために、1タクトタイムが経過する前に焼成ゾーンZ2からワークWを取り出す搬送動作を続けて行う。この搬送動作は、図1に(II)で示すサイクルで行う第2の搬送動作である。
本実施形態では、焼成ゾーンZ2における焼成処理を短時間で終了し、ワークWを即座に冷却ゾーンZ3へ搬送するために、1タクトタイムが経過する前に焼成ゾーンZ2からワークWを取り出す搬送動作を続けて行う。この搬送動作は、図1に(II)で示すサイクルで行う第2の搬送動作である。
具体的には、図8(c)に示すように、搬送体20は、所定のストロークh2で上昇することにより第2搬送部32によって焼成ゾーンZ2にあるワークWのみを支持体18から受け取る。そして、搬送体20は、搬送方向Xに所定のストロークだけ前進することによって当該ワークWを冷却ゾーンZ3に搬送し(図9(a)参照)、さらに所定のストロークh2で下降することによって支持体18に受け渡す(図9(b)参照)。そして、所定のストロークだけ後退することによって初期位置に復帰する(図9(c)参照)。
この第2の搬送動作によって焼成ゾーンZ2における焼成処理を短時間で終わらせ、冷却ゾーンZ3においてワークWを冷却することができる。
この第2の搬送動作によって焼成ゾーンZ2における焼成処理を短時間で終わらせ、冷却ゾーンZ3においてワークWを冷却することができる。
以上の動作が終了し、所定のタクトタイムが経過すると、再び、図7〜図9に示す搬送動作が繰り返し行われる。また、以降の搬送動作により、冷却ゾーンZ3にあるワークWは搬送体20の下流端に位置する第1搬送部31によって支持体18の取出位置15に搬送され、図示しない取出装置によって熱処理装置10から取り出される。
以上説明したように、本実施形態では、搬送体20が、第1搬送部31と第2搬送部32とを備え、第1搬送部31を使用した第1の搬送動作と第2搬送部32を使用した第2の搬送動作との2つの搬送動作が可能となっている。そして、第2の搬送動作によって焼成ゾーンZ2に配置された特定のワークWを単独で搬送し、焼成ゾーンZ2から取り出すことが可能となっている。したがって、他のワークWの搬送速度に依存することなく、焼成ゾーンZ2における焼成処理を短時間で適切に行うことができる。
また、本実施形態では、1台の搬送装置11により2種類の搬送動作を実現しているので、装置の大型化や製造コストの増大、制御の複雑化等を抑制することができる。
支持ビーム23に形成された凹部25や、搬送ビーム30に形成された凹部34は、長尺棒体を削り出すことによって形成されており、安価な構成で安定してワークWを支持することができる。
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において適宜変更できるものである。例えば、上記実施形態では、支持体18を固定とし、搬送体20のみを上下昇降及び前後移動させているが、支持体18と搬送体20とは相対的に上下に昇降するものであればよく、支持体18を上下昇降可能とし、搬送体20を前後移動可能に構成してもよい。この場合、支持体18を駆動するための駆動部を設ければよい。
また、上記実施形態では、焼成ゾーンZ2にワークWが搬送されるまでは第1の搬送動作を行い、焼成ゾーンZ2にワークWが搬送されたあとは第2の搬送動作と第1の搬送動作とを交互に行っているが、当初から第1、第2の搬送動作を交互に行ってもよい。この場合、ワークWが焼成ゾーンZ2に搬送されるまで、第2の搬送動作が実質的に機能することはなく、空回りの状態になってしまうが、動作パターンが1種類となるので、制御が容易になるという利点がある。
また、上記実施形態では、一対の支持ビーム23の間に一対の搬送ビーム30を配置しているが、これとは逆に、一対の搬送ビーム30の間に一対の支持ビーム23を配置してもよい。
さらに、本発明の搬送装置11が適用される熱処理装置10は、上記実施形態に示すようなプレヒートゾーンZ1、焼成ゾーンZ1、及び冷却ゾーンZ3の構成に限定されるものではなく、任意のゾーン構成の熱処理装置であってもよい。すなわち、本発明の熱処理装置10は、搬送装置11における支持体18の特定位置が焼成ゾーンZ1とされていれば足り、それ以外のゾーン構成について特に限定されるものではない。
10: 熱処理装置
11: 搬送装置
12: 熱処理炉
18: 支持体
20: 搬送体
21: 駆動部
23: 支持ビーム
30: 搬送ビーム
31: 第1搬送部
32: 第2搬送部
33: 支持突部
11: 搬送装置
12: 熱処理炉
18: 支持体
20: 搬送体
21: 駆動部
23: 支持ビーム
30: 搬送ビーム
31: 第1搬送部
32: 第2搬送部
33: 支持突部
Claims (6)
- 複数の被搬送物を搬送方向に並べて配置可能な支持体と、前記支持体に対する相対的な昇降によって前記支持体との間で被搬送物を受け渡しし、当該支持体から受け取った被搬送物を搬送する搬送体と、前記搬送体、又は、前記搬送体及び前記支持体を駆動して所定の搬送動作を行わせる駆動部と、を備えている搬送装置であって、
前記搬送体は、前記支持体の特定位置以外に配置された被搬送物を受け取って搬送する第1搬送部と、この第1搬送部よりも高位置にあり、前記支持体の特定位置に配置された被搬送物を受け取って搬送する第2搬送部とを備え、
前記駆動部は、
前記特定位置以外に配置された被搬送物を前記支持体と前記第1搬送部との間で受け渡しする第1の昇降ストロークと、
前記第1の昇降ストロークよりも小さく、前記特定位置に配置された被搬送物のみを前記支持体と前記第2搬送部との間で受け渡しする第2の昇降ストロークとの、2種類の昇降ストロークで前記搬送体と前記支持体とを相対的に昇降駆動することを特徴とする搬送装置。 - 前記駆動部は、前記搬送体、又は、前記搬送体及び前記支持体に対して、前記第1の昇降ストロークによる前記搬送体と前記支持体との相対的な昇降を含む第1の搬送動作を一定の時間間隔で行わせ、
前記第2の昇降ストロークによる前記搬送体と前記支持体との相対的な昇降を含む第2の搬送動作を、各第1の搬送動作の間に行わせる請求項1に記載の搬送装置。 - 前記駆動部は、前記搬送体、又は、前記搬送体及び前記支持体に対して、前記特定位置に被搬送物が配置されるまでは前記第1の昇降ストロークによる前記搬送体と前記支持体との相対的な昇降を含む第1の搬送動作を一定の時間間隔で行わせ、
前記特定位置に被搬送物が配置されると、前記第2の昇降ストロークによる前記搬送体と前記支持体との相対的な昇降を含む第2の搬送動作を、各第1の搬送動作の間に行わせる請求項1に記載の搬送装置。 - 前記第2搬送部が、前記搬送体から上方へ突出する突部により構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の搬送装置。
- 前記第1搬送部が、前記搬送体の上面に形成された凹部により構成されている請求項1〜4のいずれかに記載の搬送装置。
- 焼成ゾーンを含む熱処理炉と、この熱処理炉を通過させるように複数の被搬送物を搬送する請求項1〜5のいずれかに記載の搬送装置と、を備え、
前記搬送装置における支持体の特定位置が、前記焼成ゾーンとされていることを特徴とする熱処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010055969A JP2011190956A (ja) | 2010-03-12 | 2010-03-12 | 搬送装置及びこれを備えた熱処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2010055969A JP2011190956A (ja) | 2010-03-12 | 2010-03-12 | 搬送装置及びこれを備えた熱処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011190956A true JP2011190956A (ja) | 2011-09-29 |
Family
ID=44796080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010055969A Pending JP2011190956A (ja) | 2010-03-12 | 2010-03-12 | 搬送装置及びこれを備えた熱処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011190956A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5541965A (en) * | 1978-09-19 | 1980-03-25 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | Walking type carrier for steel material |
JPS6059013A (ja) * | 1983-09-10 | 1985-04-05 | Kurosaki Rokougiyou Kk | ウォ−キング炉 |
JPH08199227A (ja) * | 1995-01-20 | 1996-08-06 | Nippon Steel Corp | ウォーキングビーム加熱炉 |
-
2010
- 2010-03-12 JP JP2010055969A patent/JP2011190956A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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