JP2011189806A - インパネリインフォースメント - Google Patents

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Takayuki Aoki
隆行 青木
Manabu Ando
学 安藤
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Abstract

【課題】要求特性を満たしつつ、歩留まりを向上させてコストダウンを図ることが可能なインパネリインフォースメントを提供する。
【解決手段】インパネリインフォースメント10は、インパネリインフォースメント本体12と閉止部材14とで構成されている。インパネリインフォースメント本体12は、一枚の加工用板材(ハイテン材)をプレス成形することにより設けられており、長手方向に対して直交する方向の断面形状がU字状とされて運転席側に配置される大径部18と、同断面形状がO字状とされて助手席側に配置される小径部20と、両者を繋ぐ徐変部22とで構成されている。閉止部材14は、大径部18から徐変部22に亘って形成された開口部26に上方側から被せられて溶接されている。さらに、閉止部材14はインパネリインフォースメント本体12よりも板厚が厚く設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、左右のフロントピラー間に架け渡されるインパネリインフォースメントに関する。
左右のフロントピラー間にはパイプ状のインパネリインフォースメントが架け渡されている。一般に、インパネリインフォースメントの運転席側には、ステアリングコラム等の重量物を支持するため高い剛性が要求される。その一方で、インパネリインフォースメントの助手席側には、剛性を高くする必要はないので、軽量化が要求される。そのため、従来のインパネリインフォースメントは、運転席側では大径のパイプが用いられ、助手席側では小径のパイプが用いられている。そして、大径のパイプと小径のパイプとを溶接することにより、インパネリインフォースメントを構成している。
しかし、上記構成の場合、大径のパイプと小径のパイプとを要するので、加工原料の運搬・保管効率が悪いという欠点がある。そこで、この対策として、下記特許文献1に開示された技術では、運転席側に配置される大径部と助手席側に配置される小径部とを一枚の加工用板材からプレス成形すると共に、断面形状の急変を避けるため両者の接続部にはテーパ部を設けている。
特開平08−166088号公報
しかしながら、上記先行技術による場合、加工用板材から、大径部形成部分と小径部形成部分と両者を繋ぐテーパ部形成部分とを有する形状に予め打ち抜く必要があり、歩留まりが悪化するという新たな課題が発生する。
本発明は上記事実を考慮し、要求特性を満たしつつ、歩留まりを向上させてコストダウンを図ることができるインパネリインフォースメントを得ることが目的である。
請求項1の発明に係るインパネリインフォースメントは、車両幅方向を長手方向として配置されると共に一枚の加工用板材をプレス成形することにより設けられ、かつ長手方向に対して直交する方向の断面形状が運転席側ではU字状とされると共に助手席側ではO字状とされ、更にU字状部分とO字状部分との間に徐変部を有する第1プレス部品と、前記U字状部分から前記徐変部にかけての開放部分を塞ぐ形状に形成されると共に、当該開放部分に接合される第2プレス部品と、を有している。
請求項2の発明に係るインパネリインフォースメントは、請求項1記載の発明において、前記第2プレス部品の板厚は、前記第1プレス部品の板厚よりも厚く設定されている、ことを特徴としている。
請求項3の発明に係るインパネリインフォースメントは、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記第2プレス部品は、長手方向に対して直交する方向の断面形状が逆U字状に形成されており、さらに、当該第2プレス部品の開放側端部と前記第1プレス部品の開放側端部とを重ね合わせて二重構造とした、ことを特徴としている。
請求項4の発明に係るインパネリインフォースメントは、請求項3記載の発明において、前記二重構造とされた部分に一端部が車体フロアに連結されたブレース部材の他端部を更に重ねて、締結具で締結固定した、ことを特徴としている。
請求項5の発明に係るインパネリインフォースメントは、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記第2プレス部品は、長手方向に対して直交する方向の断面形状が逆U字状に形成されており、さらに、前記第1プレス部品と当該第2プレス部品とで形成される断面内方に円板状の補強部材を設定した、ことを特徴としている。
請求項6の発明に係るインパネリインフォースメントは、請求項5記載の発明において、前記U字状部分の外周部には、左右一対の側壁部及び底部を含んで構成されると共にステアリングコラムを支持するステアリングサポートの側壁部が固定されており、さらに、前記補強部材及び前記ステアリングサポートの側壁部は車両幅方向に同じ位置に配置されている、ことを特徴としている。
請求項1記載の本発明によれば、一枚の加工用板材をプレス成形してインパネリインフォースメントを製作するにあたり、長手方向に対して直交する方向の断面形状を運転席側ではU字状に形成すると共に助手席側ではO字状に形成し、更に両者の間を徐変部を設けるようにすると、運転席側と助手席側とで展開形状を同一にすることができる。つまり、一枚の加工用板材を矩形に切り取ってプレス成形することにより、第1プレス部品を製作することができる。従って、一枚の加工用板材から複数の第1プレス部品を製作するにあたり、無駄な部分が格段になくなる。
なお、矩形平板から上記第1プレス部品を作った場合、助手席側ではO字状の断面形状とされる一方、運転席側ではU字状の断面形状とされるので、運転席側の方が径が大きくなる。従って、より高い剛性が要求される運転席側では大径にし、剛性よりも軽量化が求められる助手席側では小径にできるので、インパネリインフォースメントに求められる要求特性は満たされる。
また、U字状部分とO字状部分との間に徐変部を設けることで、断面変化が急変する箇所をなくすことができるので、応力集中が生じにくい構造(換言すれば、応力の変化が緩和された構造)にすることができる。従って、この点においても、インパネリインフォースメントに求められる要求特性は満たされる。
請求項2記載の本発明によれば、第2プレス部品の板厚が第1プレス部品の板厚よりも厚く設定されているため、インパネリインフォースメントにおいて第2プレス部品が配置された側の剛性が高くなる。
請求項3記載の本発明によれば、第2プレス部品は逆U字状の断面形状とされて第1プレス部品の開放側端部に重ねられて二重構造とされるため、インパネリインフォースメントにおける運転席側部分の面剛性が高くなる。
請求項4記載の本発明によれば、二重構造とされた部分では面剛性が高いので、ブレース部材の一端部を締結具で締結固定するための座面として利用することが可能になる。
請求項5記載の本発明によれば、第2プレス部品の断面形状も逆U字状に形成されることで、第1プレス部品の運転席側の部分の断面形状は略円形になる。そして、この円形の空間に円板状の補強部材が設定されると、補強部材がバルクヘッドとして機能する。
請求項6記載の本発明によれば、第1プレス部品のU字状部分の外周部にはステアリングコラムを支持するステアリングサポートが固定されている。このステアリングサポートは左右一対の側壁部と底部を含んで構成されており、第1プレス部品のU字状部分の外周部に固定するに際しては、左右一対の側壁部が固定される。
本発明では、ステアリングサポートの側壁部と車両幅方向に同じ位置に円板状の補強部材が配置されているので、衝突時の衝突荷重が効率良く荷重が伝達される。つまり、車両走行時にステアリングコラムから入る荷重は、最初にステアリングコラムを支持するステアリングサポートの底部に伝達される。ステアリングサポートの底部に入力された荷重は、ステアリングサポートの左右一対の側壁部を経由してインパネリインフォースメントに伝達される。従って、ステアリングサポートの側壁部の配設位置に補強部材が配置されていると、ステアリングサポートの側壁部から入力される荷重が補強部材に直接的に伝達される。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係るインパネリインフォースメントは、要求特性を満たしつつ、歩留まりを向上させて大幅なコストダウンを図ることができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係るインパネリインフォースメントは、ステアリングコラムの保持剛性を高めることができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係るインパネリインフォースメントは、インパネリインフォースメントにおける運転席側部分の面剛性を高めて部材の取付座を備えることができるという優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係るインパネリインフォースメントは、ブレース部材と連結することでステアリングコラムの保持剛性を更に高めることができるという優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係るインパネリインフォースメントは、インパネリインフォースメントにおける運転席側部分の部分的な断面崩れを抑制し、剛性の向上や他の構成部品の軽量化や廃止が可能になるという優れた効果を有する。
請求項6記載の本発明に係るインパネリインフォースメントは、衝突時にステアリングコラムから入力される衝突荷重の伝達性能を向上させることができるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係るインパネリインフォースメントをステアリングコラムとの関係で示す全体斜視図である。 図1に示されるインパネリインフォースメントを単品状態で示す斜視図である。 (A)は図2に示されるインパネリインフォースメントの組付状態の正面図であり、(B)は(A)のB−B線に沿って切断した状態を示す拡大断面図、(C)は(A)のC−C線に沿って切断した状態を示す拡大断面図、(D)は(A)のD−D線に沿って切断した状態を示す拡大断面図である。 インパネリインフォースメントの構成部品及びインパネリインフォースメント本体を成形する際に用いられる加工用板材を分離して示す斜視図である。 対比例に係るインパネリインフォースメントを示す全体斜視図である。 (A)は図5に示されるインパネリインフォースメントの組付状態の正面図であり、(B)は(A)のB−B線に沿って切断した状態を示す拡大断面図、(C)は(A)のC−C線に沿って切断した状態を示す拡大断面図、(D)は(A)のD−D線に沿って切断した状態を示す拡大断面図である。 図5に示されるインパネリインフォースメントを、大径パイプに小径パイプを接続する前の状態で示す正面図である。 第2実施形態に係るインパネリインフォースメントの要部を拡大して示す要部拡大断面図である。 第3実施形態に係るインパネリインフォースメントの要部を拡大して示す要部拡大斜視図である。
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図7を用いて、本発明に係るインパネリインフォースメントの第1実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。
図1には、本実施形態に係るインパネリインフォースメントの組付状態(車両搭載状態)の斜視図が示されている。また、図2には、当該インパネリインフォースメントの単品の斜視図が示されている。さらに、図3には、当該インパネリインフォースメントの各部の断面構造が示されている。
これらの図に示されるように、本実施形態に係るインパネリインフォースメント10は、車両幅方向を長手方向として配置された第1プレス部品としてのインパネリインフォースメント本体12と、このインパネリインフォースメント本体12の運転席側部分に溶接により取り付けられてインパネリインフォースメント本体12に一体化される第2プレス部品としての閉止部材14と、の二部品によって構成されている。インパネリインフォースメント10は、全体としては、車両幅方向を長手方向として配置されるパイプ状の部材として構成されている。また、ボディー構造的には、インパネリインフォースメント10は、左右のフロントピラー16(図3(A)参照)間に架け渡されるように配設されている。また、車両内装部品との関係では、図示しないインストルメントパネルがインパネリインフォースメント10に組み付けられるようになっている。
上記インパネリインフォースメント本体12は、運転席側に配置される大径部18と、助手席側に配置される小径部20と、大径部18と小径部20との間に設けられる徐変部22と、によって構成されている。なお、本実施形態のインパネリインフォースメント10は、左ハンドル車に用いられるインパネリインフォースメントである。また、インパネリインフォースメント本体12は、短辺側の寸法がa、長辺側の寸法がbとされた矩形平板に裁断された一枚の加工用板材24(図4参照)をプレス成形によって丸めることにより製作されている。なお、本実施形態では、加工用板材24としてハイテン材(高張力鋼板)が用いられている。大径部18の長手方向に対して直交する方向の断面形状は、半円形状(略U字状)に形成されている(図3(B)参照)。小径部20の長手方向に対して直交する方向の断面形状は、円形(O字状)に形成されている(図3(D)参照)。大径部18と小径部20とを繋ぐ徐変部22の長手方向に対して直交する方向の断面形状は、U字状とO字状の中間的な略U字状に形成されている(図3(C)参照)。従って、インパネリインフォースメント本体12を単体で観た場合、大径部18から徐変部22に亘る範囲に平面視で先端部が尖塔形状とされた開口部26(図4参照)が形成されている。
一方、閉止部材14は、開口部26の大径部18側を閉止する閉止部材本体14Aと、開口部26の徐変部22側を閉止する尖塔形状の先端部14Bと、によって構成されている。閉止部材本体14Aの長手方向に対して直交する方向の断面形状は、半円形状(略逆U字状)に形成されている(図3(B)参照)。また、先端部14Bの長手方向に対して直交する方向の断面形状は、円弧形状(略逆U字状)に形成されている。さらに、閉止部材14の板厚t2は、インパネリインフォースメント本体12の板厚t1よりも厚く設定されている。なお、本実施形態では、閉止部材14は、ハイテン材ではなく、通常の鋼板が使用されている。
上記インパネリインフォースメント本体12は、小径部20では周方向の端部同士が溶接接合されており、大径部18及び徐変部22では閉止部材14の外周部と大径部18及び徐変部22の開口側端部とが溶接接合されている。これにより、インパネリインフォースメント10は、運転席側のフロントピラー16から助手席側のフロントピラー16まで繋がったインパネリインフォースメント本体12と、運転席側のみに配設される閉止部材14と、から成る溶接構造品として構成されている。
次に、インパネリインフォースメント10に取り付けられる部材について説明する。上述したインパネリインフォースメント本体12の大径部18の外周面には、ステアリングサポート28が車両下方側から溶接により取り付けられている。ステアリングサポート28は、プレス成形によって製作されており、底部としての底壁部28Aと左右一対の側壁部28Bとを含んで構成されている。底壁部28Aの車両幅方向中間部には、車両下方側が開放されたコ字状の凸部30が一体に形成されている。また、底壁部28Aにおける凸部30の両側には、スタッドボルト32が下向きにそれぞれ突出されている。ステアリングサポート28の車両下方側には重量物であるステアリングコラム34が傾斜した状態で配置され、ステアリングコラム34に一体化されたハウジング36がスタッドボルト32に締結固定されることにより、ステアリングコラム34がインパネリインフォースメント10に支持される構成である。
さらに、インパネリインフォースメント本体12の大径部18の上方側には、カウルトゥブレース38が配置されている。カウルトゥブレース38は車両側面視で横向きのV字状に形成されており、前端部38Aが車両幅方向に沿って延在される樋状のカウル(図示省略)にブラケットを介して締結固定されている。また、カウルトゥブレース38の二股に分かれた後端部38B、38Cが大径部18を跨いでステアリングサポート28に固定されている。なお、このとき、カウルトゥブレース38の上段側の後端部38Bは、前述したステアリングサポート28の凸部30に固定されている。これにより、インパネリインフォースメント10は、カウルトゥブレース38を介してカウルと車両前後方向に連結されている。
また、閉止部材14の先端部14Bには、ブレース部材としてのフロアトゥブレース40の上端部40Aが締結固定されている。フロアトゥブレース40の下端部40Bは、図示しない車体フロアに設定されたブラケットに締結固定されている。これにより、インパネリインフォースメント10は、フロアトゥブレース40を介して車体フロアと車両上下方向に連結されている。さらに、インパネリインフォースメント本体12の長手方向の両端部には、車両側面視で略U字状に形成された取付ブラケット42が半径方向外側からそれぞれ装着されている。取付ブラケット42は、逆U字状に形成された中間部42Aと、中間部42Aの端部から互いに離間する方向へ屈曲された一対の固定部42Bと、から成る。そして、左右の取付ブラケット42の固定部42Bが、左右のフロントピラー16にそれぞれ締結固定されるようになっている。
(本実施形態の作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
インパネリインフォースメント本体12は、図4に示される矩形平板状の加工用板材24をプレス成形して製作される。具体的には、助手席側に対応する部分は、長手方向に直交する方向の断面形状が円形になるように曲げ加工される。一方、運転席側に対応する部分は、長手方向に直交する方向の断面形状が半円形状になるように曲げ加工される。このようにして大径部18と小径部20とが形成され、両者の間はなだらかに接続されるように裾広がり形状に曲げ加工されて徐変部22が設定される。一方、別の鋼板から閉止部材14が同様にして製作される。その後、小径部20の周方向の端部同士が溶接接合されると共に、閉止部材14の外周部と大径部18及び徐変部22の範囲に形成される開口部26の周縁部とが溶接接合される。これにより、インパネリインフォースメント10が形成される。
上記の製造方法から解るように、本実施形態では、運転席側と助手席側とで展開形状が同一の加工用板材24を用いることが可能になる。つまり、矩形平板状に切り取られた一枚の加工用板材24からインパネリインフォースメント本体12を製作することができる。従って、加工用板材24の母材から複数のインパネリインフォースメント本体12を製作するにあたり、無駄な部分が全く無くなり、歩留まりを飛躍的に向上させることができる。なお、本実施形態の場合、インパネリインフォースメント本体12の他に、閉止部材14が必要になるが、閉止部材14は加工用板材24とは異なる材料から製作すること、インパネリインフォースメント本体12に比べて小さな部品であることから、歩留まりに与える影響は少ない。
また、本実施形態のインパネリインフォースメント10によれば、運転席側には大径部18が形成され助手席側には小径部20が形成されるので、重量物であるステアリングコラム34を支持するための必要剛性は確保される。また、剛性よりも軽量化が求められる助手席側については小径部20が用いられるので、軽量化のニーズに応えることもできる。従って、インパネリインフォースメント10に求められる要求特性は、従来通り確保される。
さらに、大径部18と小径部20との間に徐変部22を設定することで、インパネリインフォースメント本体12の全長に亘って断面変化が急変する箇所をなくすことができる。このため、インパネリインフォースメント10を応力集中が生じにくい構造(換言すれば、応力の変化が緩和された構造)にすることができる。従って、この点においても、インパネリインフォースメント10に求められる要求特性は満たされる。
ちなみに、本実施形態に係るインパネリインフォースメント10と従来構造のインパネリインフォースメント50とを応力集中の観点から対比すると、図5〜図7に示されるように、従来のインパネリインフォースメント50では、運転席側に配置される大径パイプ52と、助手席側に配置される小径パイプ54との二部品で構成されている。さらに、大径パイプ52は、大径部52A、徐変部22に相当する縮径部52B、接続部52Cから成る。そして、大径パイプ52の接続部52Cに小径パイプ54の端部を挿入して溶接することにより、インパネリインフォースメント50が製作されている。このため、大径パイプ52と小径パイプ54との接続部位56(図6(A)参照)で断面変化が大きくなる。従って、前面衝突時に衝突荷重が車両前方側から入力されると、当該接続部位56に応力集中が生じやすい。これに対し、本実施形態に係るインパネリインフォースメント10の場合、接続部位56のように断面変化が大きくなる部位は形成されないので、応力集中は緩和される。
以上説明したように、本実施形態に係るインパネリインフォースメント10によれば、要求特性を満たしつつ、歩留まりを向上させて大幅なコストダウンを図ることができる。
また、本実施形態では、閉止部材14の板厚t2がインパネリインフォースメント本体12の板厚t1よりも厚く設定されているため、インパネリインフォースメント10において閉止部材14が配置された側(運転席側)の剛性が高くなる。従って、ステアリングコラム34の保持剛性を高めることができる。
〔第2実施形態〕
以下、図8を用いて、本発明に係るインパネリインフォースメントの第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図8に示されるように、この第2実施形態に係るインパネリインフォースメント70では、閉止部材72の一方の開放側端部をインパネリインフォースメント本体74の一方の開放側端部に重ね合わせて二重構造とした点に特徴がある。
具体的には、インパネリインフォースメント本体74の大径部76の断面形状が、半円形状ではなく略U字状(即ち、前側半分の断面形状は四分円形状で、後ろ側半分の断面形状はU字状を半分に割った形状)に形成されている。なお、図8では大径部76の断面形状のみが図示されているが、徐変部の断面形状も同様に構成されている。以下においては、専ら大径部76について説明する。これにより、大径部76の車両後方側の端部76Aは、垂直な壁として形成されている。さらに、この車両後方側の端部76Aにはボルト挿通孔78が形成されていると共に、ボルト80が溶接されている。
一方、閉止部材72の断面形状も、上下逆向きになるものの大径部76の断面形状と略同様に形成されている。但し、閉止部材72の車両後方側の端部72Aは車両前方側の端部72Bよりも車両下方側へ延長されている。以下、この延長された部分を「延長部72C」と称す。そして、この延長部72Cが大径部76の車両後方側の端部76Aの後面に重合されて二重構造部84とされている。従って、この二重構造部84の板厚t3は、大径部76の板厚t1と延長部72Cの板厚t2を足した厚さとなっている。なお、延長部72Cには、ボルト80が挿通可能なボルト挿通孔82が形成されている。
上記二重構造部84を取付座として、フロアトゥブレース40の上端部40Aが重ねて配置されている。フロアトゥブレース40の上端部40Aにはボルト80が挿通可能なボルト挿通孔86が形成されており、二重構造部84から突出されるボルト80に挿通されるようになっている。そして、この状態で、ナット88が室内側から螺合されることにより、フロアトゥブレース40の上端部40Aが閉止部材72の二重構造部84に締結固定されている。
(作用・効果)
上記構成によれば、閉止部材72に延長部72Cを設けて、当該延長部72Cをインパネリインフォースメント本体74の大径部76の車両後方側の端部76Aに重ねて二重構造部84を設けたので、インパネリインフォースメント70における運転席側部分の面剛性が高くなる。これにより、インパネリインフォースメント70における運転席側部分(大径部76)に部材の取付座を設定することができ、本実施形態のようにフロアトゥブレース40の上端部40Aをボルト80及びナット88を使って大径部76に締結固定するための座面として利用することが可能になる。その結果、本実施形態によれば、ステアリングコラム34の保持剛性を高めることができる。
〔第3実施形態〕
以下、図9を用いて、本発明に係るインパネリインフォースメントの第3実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態等と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図9に示されるように、この第3実施形態に係るインパネリインフォースメント10では、第1実施形態で説明したインパネリインフォースメント10の大径部18の長手方向の所定位置に一対の補強部材としてのバルクヘッド90を設けた点に特徴がある。
具体的に説明すると、インパネリインフォースメント本体12の大径部18の軸方向の所定位置には、各々略円板形状に形成された左右一対のバルクヘッド90が平行に配置されている。バルクヘッド90の下部90Aは大径部18の内側に隙間なく納まる半円形状に形成されており、大径部18の内周面に溶接により予め固定されている。一方、バルクヘッド90の上部90Bは、下部90Aよりも径が小さく閉止部材14の内側に隙間なく納まる半円形状に形成されている。そして、閉止部材14を大径部18及び徐変部22の開口部26に被嵌させて、閉止部材14の外周部を開口部26の周縁部に溶接する際に、閉止部材14に形成された図示しない溶接用の作業孔を利用して閉止部材14の内周面にバルクヘッド90の上部90Bの周縁部を溶接するようになっている。
上記バルクヘッド90は、平面視でステアリングサポート28の左右の側壁部28Bを通る延長線上に配置されている。従って、バルクヘッド90は、ステアリングサポート28の左右の側壁部28Bに対して車両幅方向に同じ位置に配置されている。
(作用・効果)
上記構成によれば、インパネリインフォースメント本体12の大径部18と閉止部材14とで形成される内部空間に、左右一対のバルクヘッド90を大径部18の内周面に対して直交するように設けたので、インパネリインフォースメント10における運転席側部分の部分的な断面崩れを抑制し、剛性の向上や他の構成部品の軽量化や廃止が可能になる。
また、一対のバルクヘッド90をステアリングサポート28の左右一対の側壁部28Bを通る延長線上に配置したので、前面衝突時の荷重が効率良くインパネリインフォースメント10、更には左右のフロントピラー16に伝達される。つまり、前面衝突時にステアリングコラム34に入力された荷重は、最初にステアリングコラム34を支持するステアリングサポート28の底壁部28Aに伝達される。そして、ステアリングサポート28の底壁部28Aに入力された荷重は、ステアリングサポート28の左右一対の側壁部28Bを経由してインパネリインフォースメント10に伝達される。従って、ステアリングサポート28の側壁部28Bの配設位置にバルクヘッド90が配設されていると、ステアリングサポート28の側壁部28Bから入力された衝突荷重がバルクヘッド90に直接的に伝達される。そのため、前面衝突時にステアリングコラム34から入力される衝突荷重の伝達性能を向上させることができる。
なお、上記本実施形態では、円板状のバルクヘッド90を用いたが、溶接代が不足する場合には、バルクヘッド90の周縁部から大径部18の軸方向へ折り曲げられたフランジ部を設定してもよい。
〔上記実施形態の補足説明〕
請求項1、請求項5及び請求項6においては、「U字状」、「O字状」と記載しているが、必ずしも完全な「U字状」や「O字状」でなくてもよい。つまり、本発明の作用効果が得られる程度に「U字状」や「O字状」であれば、本発明に含まれる。
また、上述した各実施形態では、閉止部材14の板厚t2をインパネリインフォースメント本体12の板厚t1よりも厚く設定したが、これに限らず、閉止部材の板厚をインパネリインフォースメント本体の板厚と同一に設定してもよい。つまり、閉止部材の板厚をインパネリインフォースメント本体の板厚と同一に設定したのでは、インパネリインフォースメントの運転席側部分の剛性が不足する場合には、閉止部材14の板厚を厚くすればよい。
さらに、上述した各実施形態では、インパネリインフォースメント本体12の材料としてハイテン材を用いて軽量化を図っているが、その必要がなければ、通常用いられる鋼板を用いてインパネリインフォースメント本体を製作してもよい。
10 インパネリインフォースメント
12 インパネリインフォースメント本体(第1プレス部品)
14 閉止部材(第2プレス部品)
18 大径部(U字状部分)
20 小径部(O字状部分)
22 徐変部
28 ステアリングサポート
28A 底壁部(底部
28B 側壁部
34 ステアリングコラム
40 フロアトゥブレース(ブレース部材)
40A 上端部(他端部)
40B 下端部(一端部)
70 インパネリインフォースメント
72 閉止部材
72C 延長部(第2プレス部品の開放側端部)
74 インパネリインフォースメント本体
76 大径部(U字状部分)
76A 車両後方側の端部(第1プレス部品の開放側端部)
80 ボルト(締結具)
84 二重構造部
88 ナット(締結具)
90 バルクヘッド(補強部材)

Claims (6)

  1. 車両幅方向を長手方向として配置されると共に一枚の加工用板材をプレス成形することにより設けられ、かつ長手方向に対して直交する方向の断面形状が運転席側ではU字状とされると共に助手席側ではO字状とされ、更にU字状部分とO字状部分との間に徐変部を有する第1プレス部品と、
    前記U字状部分から前記徐変部にかけての開放部分を塞ぐ形状に形成されると共に、当該開放部分に接合される第2プレス部品と、
    を有するインパネリインフォースメント。
  2. 前記第2プレス部品の板厚は、前記第1プレス部品の板厚よりも厚く設定されている、
    ことを特徴とする請求項1記載のインパネリインフォースメント。
  3. 前記第2プレス部品は、長手方向に対して直交する方向の断面形状が逆U字状に形成されており、
    さらに、当該第2プレス部品の開放側端部と前記第1プレス部品の開放側端部とを重ね合わせて二重構造とした、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のインパネリインフォースメント。
  4. 前記二重構造とされた部分に、一端部が車体フロアに連結されたブレース部材の他端部を更に重ねて、締結具で締結固定した、
    ことを特徴とする請求項3記載のインパネリインフォースメント。
  5. 前記第2プレス部品は、長手方向に対して直交する方向の断面形状が逆U字状に形成されており、
    さらに、前記第1プレス部品と当該第2プレス部品とで形成される断面内方に円板状の補強部材を設定した、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のインパネリインフォースメント。
  6. 前記U字状部分の外周部には、左右一対の側壁部及び底部を含んで構成されると共にステアリングコラムを支持するステアリングサポートの側壁部が固定されており、
    さらに、前記補強部材及び前記ステアリングサポートの側壁部は車両幅方向に同じ位置に配置されている、
    ことを特徴とする請求項5記載のインパネリインフォースメント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014201238A (ja) * 2013-04-05 2014-10-27 ユニプレス株式会社 自動車のコラムシャフト取付け構造
US10377427B2 (en) 2017-03-23 2019-08-13 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Instrument panel reinforcement

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