JP2011189578A - 3層接着体 - Google Patents

3層接着体 Download PDF

Info

Publication number
JP2011189578A
JP2011189578A JP2010056527A JP2010056527A JP2011189578A JP 2011189578 A JP2011189578 A JP 2011189578A JP 2010056527 A JP2010056527 A JP 2010056527A JP 2010056527 A JP2010056527 A JP 2010056527A JP 2011189578 A JP2011189578 A JP 2011189578A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
thermoplastic resin
resin
adhesive body
wavelength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010056527A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5825758B2 (ja
Inventor
Taiga Saito
大賀 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority to JP2010056527A priority Critical patent/JP5825758B2/ja
Publication of JP2011189578A publication Critical patent/JP2011189578A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5825758B2 publication Critical patent/JP5825758B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】半透過半吸収層、透過層、吸収層の少なくとも2種類の材料を組み合わせた、1回のレーザー照射により得られる3層接着体を提供すること。
【解決手段】
第1の層、第2の層、第3の層が順に積層される、3層接着体であって、
第1の層および第2の層が、(a)波長800〜1100nmで透過率50%以上であり反射率13%以上である熱可塑性樹脂、または(b)波長800〜1100nmで透過率50%以上であり反射率5%以上13%未満である熱可塑性樹脂からなり、
第1の層と第2の層のいずれか一方は、(b)熱可塑性樹脂からなる層であり、
第3の層が、(c)波長400〜1200nmで透過率5%以下である熱可塑性樹脂からなる、3層接着体。
【選択図】なし

Description

本発明は3層接着体に関する。
従来、自動車部品、電子・電気部品の分野においては、樹脂材料を重ね合わせて接着した接着体が多く用いられている。
特許文献1には、異種の合成樹脂材料を重ね合わせて両者を接合するに当り、前記異種の合成樹脂材料のうち、一方をレーザ光に対して非吸収性とするとともに、他方をレーザ光に対して吸収性とせしめ、この両者の合成樹脂材料を重ね合わせた後、前記レーザ光に対して非吸収性の合成樹脂材料の方向からレーザ光を照射することを特徴とする異種合成樹脂材料の接合方法が開示されている。
また、特許文献2には、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂及びポリプロピレン樹脂から選ばれる少なくとも1種類の前記熱可塑性樹脂とレーザー光弱吸収剤とを少なくとも含有することにより、940nmのレーザー光に対する吸収係数εjを200〜8000(1/cm)とし、レーザー光の少なくとも一部を吸収しつつ別な一部を透過させてもよいレーザー光弱吸収性成形部材が、単一であって曲げられて少なくとも一部分を重ね合わされたまま、又は複数であって夫々の少なくとも一部分で重ね合わされたまま、そこへ照射されたレーザー光の一部を吸収し該レーザー光の別な一部を透過することによる発熱で、溶着されていることを特徴とするレーザー溶着体が開示されている。
特開昭60−214931号公報 特開2008−1112号公報
しかしながら、特許文献1および2に示されているような従来の方法においては、2種類の材料の組み合わせを重ねてレーザーを用いて接着させるものであり、仮に、これら方法により3層以上の接着体を得るためには、2層をまずレーザーで接着させた後に、さらに、レーザーで3層目を接着させる必要があった。
このような、3層以上の接着体を得る際のレーザーでの接着工程の簡易化が当業界において切望されていた。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、3層以上の場合であっても、半透過半吸収層、透過層、吸収層の少なくとも2種類の材料を組み合わせてレーザーを用いて接着させることにより、1回のレーザー照射で3層が積層した接着体を得ることのできる簡便な方法を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1]
第1の層、第2の層、第3の層が順に積層される、3層接着体であって、
第1の層および第2の層が、(a)波長800〜1100nmで透過率50%以上であり反射率13%以上である熱可塑性樹脂、または(b)波長800〜1100nmで透過率50%以上であり反射率5%以上13%未満である熱可塑性樹脂からなり、
第1の層と第2の層のいずれか一方は、(b)熱可塑性樹脂からなる層であり、
第3の層が、(c)波長400〜1200nmで透過率5%以下である熱可塑性樹脂からなる、3層接着体。
[2]
前記(b)熱可塑性樹脂が、着色剤を含有する、[1]に記載の3層接着体。
[3]
前記着色剤が、ニグロシンおよび/またはナフタロシアニンを含み、さらにアニリンブラック、フタロシアニン、ポルフィリン、ペリレン、クオテリレン、アゾ染料、アントラキノン、スクエア酸誘導体、インモニウム染料から選ばれる着色剤を含む、[2]に記載の3層接着体。
[4]
前記第1の層が、前記(a)熱可塑性樹脂からなり、前記第2の層が、前記(b)熱可塑性樹脂からなる、[1]〜[3]のいずれかに記載の3層接着体。
[5]
前記(a)〜(c)熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の3層接着体。
[6]
前記(b)熱可塑性樹脂からなる層が、積層されていてもよい、[1]〜[5]のいずれかに記載の3層接着体。
[7]
積層される前記(b)熱可塑性樹脂からなる層の層厚が、5mm以下である、[1]〜[6]のいずれかに記載の3層接着体。
[8]
溶着されている、[1]〜[7]のいずれかに記載の3層接着体。
[9]
[1]〜[8]のいずれかに記載の3層接着体の製造方法。
[10]
前記第1の層側からレーザー光を照射することにより3層を接着する、[9]に記載の3層接着体の製造方法。
[11]
前記レーザー光の発振波長が800〜1100nmである、[10]に記載の3層接着体の製造方法。
本発明によれば、半透過半吸収層、透過層、吸収層の少なくとも2種類の材料を組み合わせた、1回のレーザー照射により得られる3層接着体を提供することができる。
本発明の3層接着体の模式図を示す。3層接着体は、(A)〜(C)の3態様で示され、第3の層は、黒塗りで示される層である。(A)の実施態様では、第1の層が(a)熱可塑性樹脂からなる層であり、第2の層が(b)熱可塑性樹脂からなる層であり、第3の層が(c)熱可塑性樹脂からなる層である。(B)の実施態様では、第1の層および第2の層が(b)熱可塑性樹脂からなる層であり、第3の層が(c)熱可塑性樹脂からなる層である。(C)の実施態様では、第1の層が(b)熱可塑性樹脂からなる層であり、第2の層が(a)熱可塑性樹脂からなる層であり、第3の層が(c)熱可塑性樹脂からなる層である。 比較例における模式図を示す。(D)では、第1の層および第2の層が(a)熱可塑性樹脂からなる層であり、第3の層が(c)熱可塑性樹脂からなる層である。(E)では、第1の層〜第3の層がすべて(c)熱可塑性樹脂からなる層である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施の形態」という。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態の3層接着体は、第1の層、第2の層、第3の層が順に積層される、3層接着体であって、
第1の層および第2の層が、(a)波長800〜1100nmで透過率50%以上であり反射率13%以上である熱可塑性樹脂、または(b)波長800〜1100nmで透過率50%以上であり反射率5%以上13%未満である熱可塑性樹脂からなり、
第1の層と第2の層のいずれか一方は、(b)熱可塑性樹脂からなる層であり、
第3の層が、(c)波長800〜1100nmで透過率5%以下である熱可塑性樹脂からなる、3層接着体である。
本実施の形態の3層接着体を、図1を例示して説明すると、第1の層、第2の層、第3の層が順に積層されるとは、図1の(A)〜(C)に例示されるように積層されていることを意味する。
3層接着体は、第3の層に接して、第2の層が積層され、第2の層に接して、第1の層が積層されている。そして、3層接着体においては、第3の層と第2の層は接着しており、第2の層と第1の層が接着している。
本実施の形態においては、第3の層と第2の層の接着と、第2の層と第1の層の接着を同時に行なうことができるため、3層接着体を簡便な方法で製造することができる。3層接着体において、接着面がより強固に接着するため、レーザー光の照射により融着していることが好ましい。
第1の層と第2の層は、(a)波長800〜1100nmで透過率50%以上であり反射率13%以上である熱可塑性樹脂(単に「(a)熱可塑性樹脂」と記載する場合がある。)、または(b)波長800〜1100nmで透過率50%以上であり反射率5%以上13%未満である熱可塑性樹脂(単に「(b)熱可塑性樹脂」と記載する場合がある。)からなり、第1の層と第2の層のいずれか一方は、(b)熱可塑性樹脂からなる層である。
第1の層と第2の層の組み合わせとしては、第1の層が(a)熱可塑性樹脂からなる場合、第2の層は、(b)熱可塑性樹脂からなり、第1の層が(b)熱可塑性樹脂である場合、第2の層は(a)熱可塑性樹脂からなっていても、(b)熱可塑性樹脂からなっていてもよい。
(a)熱可塑性樹脂からなる層は、波長800〜1100nmで透過率50%以上であり反射率13%以上あることから、レーザー透過層として用いられるものであり、(b)熱可塑性樹脂からなる層は、波長800〜1100nmで透過率50%以上であり反射率5%以上13%未満であることから、レーザー半透過半吸収層として用いられるものである。
第3の層は、レーザー吸収層として、(c)波長400〜1200nmで透過率5%以下である熱可塑性樹脂(単に「(c)熱可塑性樹脂」と記載する場合がある。)からなる。
本実施の形態において、透過率とは、光学および分光法において特性の波長の入射光が試料を透過する割合を意味し、反射率とは、光学および分光法において特性の波長の入射光が試料に反射する割合を意味する。
透過率と反射率は、以下の実施例に記載するように、V−670 積分球 紫外可視近赤外分光光度計などの分光光度計を用いて測定することができる。
本実施の形態に用いられる(a)〜(c)の熱可塑性樹脂の主材料として、レーザー光透過性を有し、着色剤の分散剤として用いられる樹脂として使用されている公知の樹脂等を用いることができる。
斯かる樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂やポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等のポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、メタクリル樹脂、エチレンビニルアルコール(EVOH)樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアリルサルホン樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、AS(アクリロニトリル−スチレン)共重合体樹脂、BBS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)共重合体樹脂、AES(アクリロニトリル−EPDM−スチレン)共重合体樹脂、PA−PBT共重合体、PET−PBT共重合体樹脂、PC−PBT共重合体樹脂、PC−PA共重合体樹脂、および液晶ポリマー等が挙げられる。
これら樹脂は、単体で用いてもよく、同種のまたは異種の2種以上の樹脂の混合物として用いてもよい。また、これら樹脂は、共重合された樹脂であってもよい。
(a)〜(c)の熱可塑性樹脂の主たる材料としての樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、およびポリプロピレン樹脂であることが好ましく、着色剤との相溶性の観点から、ポリアミド樹脂およびポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、AS樹脂がより好ましい。
中でも、透過性に優れておりレーザー接着の材料として適していることから、ポリアミド樹脂を用いることが好適である。
ポリアミド樹脂としては、主鎖中にアミド結合(−NHCO−)を有する重合体であれば特に限定されないが、例えばポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリウンデカラクタム(ナイロン11)、ポリドデカラクタム(ナイロン12)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンTMHT)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリノナンメチレンテレフタルアミド(9T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(6T)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ナイロン11T(H))、およびこれらのうち少なくとも2種類の異なるポリアミド成分を含むポリアミド共重合体あるいはこれらの混合物などである。
アミド結合の有無は、赤外吸収スペクトル(IR)で確認することができる
また、ポリアミド樹脂として、ポリアミド樹脂と他の合成樹脂との混合重合体であってもよく、混合重合体としては、例えば、ポリアミド/ポリエステル混合重合体、ポリアミド/ポリフェニレンオキシド混合重合体、ポリアミド/ポリカーボネート混合重合体、ポリアミド/ポリオレフィン混合重合体、ポリアミド/スチレン/アクリロニトリル混合重合体、ポリアミド/アクリル酸エステル混合重合体、およびポリアミド/シリコーン混合重合体等が挙げられる。
(a)〜(c)の熱可塑性樹脂の主材料としての樹脂は、同一であってもよく、異なった樹脂を用いてもよいが、接着性の観点から同一の樹脂を主たる材料として(a)〜(c)の熱可塑性樹脂を用いることが好適である。
(a)熱可塑性樹脂としては、レーザーを透過する樹脂、即ち波長800〜1100nmで透過率50%以上であり、かつ波長800〜1100nmで反射率13%以上であれば、その樹脂組成が特に限定されるものではないが、上記主材料としての樹脂を含むことが好ましく、主材料としての樹脂からなる熱可塑性樹脂であることがより好ましい。(a)熱可塑性樹脂として、波長800〜1100nmで透過率は、好ましくは60%以上であり、反射率は、好ましくは15%以上である。また、(a)熱可塑性樹脂として、波長940〜1060nmで上記透過率および反射率の範囲であることが好ましい。(a)熱可塑性樹脂は、波長400〜1200nmで透過率20%以上であってもよい。
(b)熱可塑性樹脂としては、レーザーを半透過半吸収する樹脂、即ち波長800〜1100nmで透過率50%以上であり、かつ波長800〜1100nmで反射率5%以上13%未満であれば、その樹脂組成が特に限定されるものではないが、上記主材料としての樹脂に加え、着色剤を含有することが好ましい。(b)波長800〜1100nmで透過率は、実験結果の溶着強度の点から好ましくは50〜70%であり、より好ましくは55〜65%である。波長800〜1100nmで反射率は、実験結果の溶着強度の点から好ましくは6%以上であり、より好ましくは10%以上である。また、(b)熱可塑性樹脂として、波長940〜1060nmで上記透過率および反射率の範囲であることが好ましい。(b)熱可塑性樹脂は、波長600nm以下で透過率5%以下であってもよい。
着色剤としては、(b)熱可塑性樹脂として、波長800〜1100nmで透過率50%以上であり反射率5%以上13%未満とすることのできる材料であれば特に限定されるものではないが、例えば、ニグロシン、ナフタロシアニン、アニリンブラック、フタロシアニン、ポルフィリン、ペリレン、クオテリレン、アゾ染料、アントラキノン、スクエア酸誘導体、およびインモニウム染料等が挙げられる。
(a)〜(c)の熱可塑性樹脂からなる層との接着性の観点から、着色剤としては、ニグロシンおよび/またはナフタロシアニンを含み、さらにアニリンブラック、フタロシアニン、ポルフィリン、ペリレン、クオテリレン、アゾ染料、アントラキノン、スクエア酸誘導体、およびインモニウム染料から選ばれる着色剤を含む着色剤であることが好ましく、具体的には、オリエント化学工業製の着色剤であるeBind ACW−9871が挙げられる。
これら着色剤を(b)熱可塑性樹脂中に、質量%として、好ましくは0.01〜0.04%、より好ましくは0.02〜0.03%含有することで、波長800〜1100nmで透過率50%以上であり反射率5%以上13%未満とすることができる。
(c)熱可塑性樹脂としては、レーザーを吸収する樹脂、即ち波長400〜1200nmで透過率5%以下であれば、その樹脂組成が特に限定されるものではないが、上記主材料としての樹脂に加え、光吸収剤等を含有していることが好ましい。
光吸収剤としては、波長400〜1200nmで透過率を5%以下とすることのできる材料であれば特に限定されるものではないが、例えば、光を吸収するカーボンブラック、ニグロシン等が挙げられる。
これら光吸収剤を(c)熱可塑性樹脂中に、質量%として、好ましくは0.001〜0.8%、より好ましくは0.005〜0.5%含有することで、波長400〜1200nmにおいて透過率を5%以下とすることができる。
(a)〜(c)の熱可塑性樹脂としては、上記した以外に、ガラスファイバー等の充填材や、熱安定剤等が挙げられる。
本実施の形態において、3層接着体を製造方法は以下のように行うことができる。
(a)〜(c)の熱可塑性樹脂を用いて、従来公知の方法により、各熱可塑性樹脂からなる成形片を製造する。
成形片の製造には、押出し成形、プレス成形、射出成形機などの装置を用いて行うことができる。
(a)〜(c)の熱可塑性樹脂からなる層としては斯かる成形片を用いることができるが、これら成形片の形状は特に限定されるものではなく、3層接着体を用いる用途に適した形状を有していればよい。
これら(a)〜(c)の熱可塑性樹脂からなる層は、図1に示すように積層体として、面で接していてもよく、また、レーザーにより3層の接着が十分に行える範囲で接点を有するような構造を有していればよい。
3層接着体を得た後に、所望の形状に成形してもよく、また、所望の形状に成形した(a)〜(c)の熱可塑性樹脂からなる層を本発明により3層接着体としてもよい。
(a)〜(c)の熱可塑性樹脂を成形して得られる各層の厚さは、それぞれ、好ましくは0.5〜5mmであり、より好ましくは1.5〜2.5mmである。
(b)熱可塑性樹脂からなる層は、半透過半吸収層であり、レーザー照射することで層間を接着することができるので、(b)熱可塑性樹脂からなる層を積層した層であってもよい。
(b)熱可塑性樹脂からなる層が積層された層からなる場合、(b)熱可塑性樹脂からなる層の層厚は、5mm以下であることが好ましい。
3層接着体が、図1に示す(B)の態様の場合には、(b)熱可塑性樹脂からなる層を連続して2層以上含んでいれば特に限定されるものではない。
本実施の形態においては、半透過半吸収層、透過層、吸収層の少なくとも2種類の材料を組み合わせることにより3層接着体を、第1の層、第2の層、第3の層の各層間に、接着剤や粘着剤等を用いることなく1回のレーザー照射により得られるが、第1の層と第2の層の層間、第2の層と第3の層の層間のそれぞれに、接着剤や粘着剤等を含む接着剤層を設けてもよい。
第1の層〜第3の層の接着させる部位を接触させた後、レーザー照射することにより、第1の層〜第3の層を接着させる。
レーザー照射は、第1の層〜第3の層に対して、第1の層側からレーザー照射することにより、第1の層〜第3の層まで接着した3層接着体とすることができる。
第1の層側からレーザー照射するとは、第1の層と第2の層、第2の層と第3の層の接着面に対して、レーザー光が到達するように第1の層側から第3の層側に向かってレーザー照射することを意味する。
図1に示す(A)の3層接着体においては、(a)熱可塑性樹脂からなる層を透過したレーザー光が、(b)熱可塑性樹脂からなる層に到達し、(b)熱可塑性樹脂からなる層が発熱溶融することにより、(a)熱可塑性樹脂からなる層と(b)熱可塑性樹脂からなる層とが接着する。また、(b)熱可塑性樹脂からなる層を透過したレーザー光は、(c)熱可塑性樹脂からなる層で吸収され発熱溶融して、(b)熱可塑性樹脂からなる層と(c)熱可塑性樹脂からなる層とを接着する。
また、図1に示す(B)の3層接着体においては、(b)熱可塑性樹脂からなる層が、半透過半吸収層であるので、レーザー光は、(c)熱可塑性樹脂からなる層まで透過し、(b)熱可塑性樹脂からなる層と、(c)熱可塑性樹脂からなる層とを発熱溶融させることにより、接着して3層接着体が形成される。
図1に示す(C)の3層接着体においては、(b)熱可塑性樹脂からなる層が、半透過半吸収層であるので、レーザー光は、(c)熱可塑性樹脂からなる層まで透過し、(b)熱可塑性樹脂からなる層と(c)熱可塑性樹脂からなる層が発熱溶融することにより、(a)熱可塑性樹脂からなる層と接着して、3層接着体が形成される。
本実施の形態で用いるレーザーとしては、特に限定されるものではないが、炭酸ガスレーザーやYAGレーザー、半導体レーザーなどの赤外線または赤外線放出固体レーザーや、可視光線領域に発振波長を有するYAGレーザーの第2高調波、銅蒸気レーザー、紫外線領域に発振波長を有する紫外線レーザー、例えばエキシマレーザー、第3または第4高調波へ波長変換したYAGレーザー等が挙げられ、レーザーは連続照射でも、パルス照射でもよい。
レーザー光の発振波長としては、好ましくは800〜1100nmであり、より好ましくは940〜1060nmである。
レーザー照射は、好ましくは1〜500mm/s、より好ましくは10〜100mm/sで行う。
以下に本実施の形態を実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本実施の形態はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、本実施の形態に用いられる評価方法は以下のとおりである。
(a)熱可塑性樹脂として、ポリアミド66樹脂(レオナ(登録商標)14G33X01 旭化成ケミカルズ製)を用いた。
(b)熱可塑性樹脂として、ポリアミド66樹脂(レオナ(登録商標)14G33X01 旭化成ケミカルズ製)に、着色剤(eBind ACW−9871 オリエント化学工業製)をポリアミド66樹脂:着色剤=39:1でドライブレンドした材料を用いた。
(c)熱可塑性樹脂として、ポリアミド66樹脂(レオナ(登録商標)14G33X01 旭化成ケミカルズ製)に、カーボンブラック(三菱化学株式会社の♯52)を0.1%溶融混練して、ペレットとした材料を用いた。
透過率と反射率は、株式会社日立ハイテクノロジーズ製のUV-VIS V−670 積分球 紫外可視近赤外分光光度計を用いて測定した。供試資料として、射出成形機(SE−150D 住友重機製)を用いて樹脂温度285℃、金型温度80℃、120×80×1mmの試験片を得た。
試験片を36×30×1mmの試験片に切削した。得られた各試験片の透過率と反射率は以下のとおりであった。
(a)熱可塑性樹脂からなる試験片
波長940nmで透過率64.6%、反射率18.0%であり、波長1060nmで透過率67.2%、反射率16.0%であった。
(b)熱可塑性樹脂からなる試験片
波長940nmで透過率60.5%、反射率10.7%であり、波長1060nmで透過率65.4%、反射率10.9%であった。
(c)熱可塑性樹脂からなる試験片
波長400〜1200nmで測定した結果、該波長の範囲で透過率3%以下であった。
(a)〜(c)の各熱可塑性樹脂を、それぞれ射出成形機(SE−150D 住友重機製)を用いて樹脂温度285℃、金型温度80℃、120×80×2mmの試験片を得た。
試験片を36×30×2mmの試験片に切削した。切削後の試験片を、表1の層構成となるように積層し、光レーザー装置(DL×50S ROFIN−SINAR製、発振波長940nm)を用いて、第1の層側からレーザーを照射して接着し、3層接着体を得た。
得られた3層接着体の層間にマイナスドライバーを差し込み、力を加えて溶着の可否を確認した。
○:マイナスドライバーを部材隙間に入れてハンマーで叩き割れない
△:マイナスドライバーを部材隙間に入れてハンマーで叩き割れる
×:外力を加えず部材が離れる
結果を表1に示す。
本発明の3層接着体は、シリンダヘッドカバー、バッフルプレート、サーモスタット、オイルパンなどの自動車部品材料や、基板、LEDなどの電子・電気部品材料として産業上の利用可能性を有する。

Claims (11)

  1. 第1の層、第2の層、第3の層が順に積層される、3層接着体であって、
    第1の層および第2の層が、(a)波長800〜1100nmで透過率50%以上であり反射率13%以上である熱可塑性樹脂、または(b)波長800〜1100nmで透過率50%以上であり反射率5%以上13%未満である熱可塑性樹脂からなり、
    第1の層と第2の層のいずれか一方は、(b)熱可塑性樹脂からなる層であり、
    第3の層が、(c)波長400〜1200nmで透過率5%以下である熱可塑性樹脂からなる、3層接着体。
  2. 前記(b)熱可塑性樹脂が、着色剤を含有する、請求項1に記載の3層接着体。
  3. 前記着色剤が、ニグロシンおよび/またはナフタロシアニンを含み、さらにアニリンブラック、フタロシアニン、ポルフィリン、ペリレン、クオテリレン、アゾ染料、アントラキノン、スクエア酸誘導体、インモニウム染料から選ばれる着色剤を含む、請求項2に記載の3層接着体。
  4. 前記第1の層が、前記(a)熱可塑性樹脂からなり、前記第2の層が、前記(b)熱可塑性樹脂からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の3層接着体。
  5. 前記(a)〜(c)熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の3層接着体。
  6. 前記(b)熱可塑性樹脂からなる層が、積層されていてもよい、請求項1〜5のいずれか1項に記載の3層接着体。
  7. 積層される前記(b)熱可塑性樹脂からなる層の層厚が、5mm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の3層接着体。
  8. 溶着されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の3層接着体。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の3層接着体の製造方法。
  10. 前記第1の層側からレーザー光を照射することにより3層を接着する、請求項9に記載の3層接着体の製造方法。
  11. 前記レーザー光の発振波長が800〜1100nmである、請求項10に記載の3層接着体の製造方法。
JP2010056527A 2010-03-12 2010-03-12 3層接着体 Active JP5825758B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010056527A JP5825758B2 (ja) 2010-03-12 2010-03-12 3層接着体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010056527A JP5825758B2 (ja) 2010-03-12 2010-03-12 3層接着体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011189578A true JP2011189578A (ja) 2011-09-29
JP5825758B2 JP5825758B2 (ja) 2015-12-02

Family

ID=44795008

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010056527A Active JP5825758B2 (ja) 2010-03-12 2010-03-12 3層接着体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5825758B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015134503A (ja) * 2015-03-09 2015-07-27 早川ゴム株式会社 レーザー光を用いた接合方法
JP2015143026A (ja) * 2015-03-09 2015-08-06 早川ゴム株式会社 レーザー光を用いた接合方法
JP2017115093A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 ポリアミド樹脂組成物、キット、成形品の製造方法、成形品およびポリアミド樹脂組成物の製造方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007112126A (ja) * 2005-09-21 2007-05-10 Orient Chem Ind Ltd 成形部材のレーザー溶着体

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007112126A (ja) * 2005-09-21 2007-05-10 Orient Chem Ind Ltd 成形部材のレーザー溶着体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015134503A (ja) * 2015-03-09 2015-07-27 早川ゴム株式会社 レーザー光を用いた接合方法
JP2015143026A (ja) * 2015-03-09 2015-08-06 早川ゴム株式会社 レーザー光を用いた接合方法
JP2017115093A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 ポリアミド樹脂組成物、キット、成形品の製造方法、成形品およびポリアミド樹脂組成物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5825758B2 (ja) 2015-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101341606B1 (ko) 레이저 용착체
JP4762839B2 (ja) 成形部材のレーザー溶着体
JP6937531B2 (ja) レーザー溶着体の製造方法
MXPA01002928A (es) Metodo para soldar.
US20070137779A1 (en) Process for laser welding
JP3630298B2 (ja) 樹脂成形品の接合方法
JP5825758B2 (ja) 3層接着体
JP4805225B2 (ja) レーザー溶着体
JP2009119807A (ja) レーザー融着性積層材、レーザー融着方法および包装体
JP4724527B2 (ja) レーザー溶着法を用いた樹脂成形品の製造方法
JP5603653B2 (ja) レーザー光を用いた接合方法
JP4574666B2 (ja) レーザー溶着体
JP5650419B2 (ja) 3層接着体
JP2011240496A (ja) レーザー光を用いた接合方法
JP2002284895A (ja) 樹脂成形品
Acherjee et al. Laser transmission welding of thermoplastics: An overview of experimental findings–process, development and applications
JP4792429B2 (ja) レーザー溶着体
JP6332897B2 (ja) 複合材料及びその製造方法
JP2007177053A (ja) レーザー光吸収部材用樹脂組成物
JP2007191607A (ja) 誘導放出増幅光波溶着用樹脂組成物
JP2016153215A (ja) 積層体及び積層体の製造方法
JP2005305904A (ja) 積層体及び積層体の処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130307

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140117

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140204

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140507

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140616

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140619

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20140801

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150608

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151013

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5825758

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350