JP2011188778A - トマト - Google Patents
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Abstract
【課題】高含量のナリンゲニンカルコンを含有するトマトを効率的に提供すること。
【解決手段】トマト果実の熟度が完熟期、桃熟期および催色期から選択される組み換え遺伝子を含有せず、カルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも高い、トマトまたはカルコンシンターゼ含有量がカルコンイソメラーゼ含有量よりも高いトマト組成物を育種選抜することで得られる。またトマトの栽培方法は、トマト栽培で通常用いられる栽培方法であれば特に限定されないが、例えば露地栽培、雨除け土耕栽培、雨除け水耕栽培、およびマルチ土耕栽培などが挙げられる。
【選択図】なし
【解決手段】トマト果実の熟度が完熟期、桃熟期および催色期から選択される組み換え遺伝子を含有せず、カルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも高い、トマトまたはカルコンシンターゼ含有量がカルコンイソメラーゼ含有量よりも高いトマト組成物を育種選抜することで得られる。またトマトの栽培方法は、トマト栽培で通常用いられる栽培方法であれば特に限定されないが、例えば露地栽培、雨除け土耕栽培、雨除け水耕栽培、およびマルチ土耕栽培などが挙げられる。
【選択図】なし
Description
本発明は、トマトに関する。
トマト果皮には、生体に有益な効能を示すナリンゲニンカルコンなど各種ポリフェノールが豊富に含まれているが、トマトのナリンゲニンカルコン含量は、果実の熟度によって増減し、トマト果実の催色期においてナリンゲニンカルコンの含量は最大値を示した後、完熟期へ移行するに従い漸次減少する(例えば、非特許文献1参照)。また、トマトのナリンゲニンカルコン含量は、天候、生育地域、土壌などの栽培条件に左右される。さらに、トマトのナリンゲニンカルコンの生合成に関わる酵素にカルコンシンターゼおよびカルコンイソメラーゼなどが知られているが、これらの酵素活性と結びつく遺伝子発現量とナリンゲニンカルコン含量の関係は十分に知られていないのが現状である(例えば、非特許文献2〜3参照)。
一般に、トマト果実に含まれる有効成分の含量を高める方法として、遺伝子組み換え技術を用いた方法(例えば、非特許文献3〜4参照)や、トマトの生果実を収穫後に追熟や嫌気処理することで、食味を改善または保持し、有効成分の含量を高める方法が知られている。
例えば、特許文献1には、グルタミン酸の一部をγ−アミノ酪酸にして、γ−アミノ酪酸の含量を高める方法が開示されている。
例えば、特許文献1には、グルタミン酸の一部をγ−アミノ酪酸にして、γ−アミノ酪酸の含量を高める方法が開示されている。
Nature Biotech.,19,470−474(2001)
Plant Physiol.,152,71−84(2010)
Plant Cell,14,2509−2526(2002)
J. Nutr.,136,2331−2337(2006)
しかしながら、ナリゲニンカルコン含量に関していえば、上述の公知文献に記載の方法ではその含量を増加させることは十分ではなく、例えば遺伝子組み換え技術を用いた場合、人体に対する悪影響などの懸念から、食用に供するには受け入れがたいものとなっているのも現状である。
また、育種選抜による方法では多大な労力と時間を要するという欠点があった。
すなわち、高いナリンゲニンカルコン含量を有するトマトを提供する技術が求められている。
本発明が解決しようとする課題は、高含量のナリンゲニンカルコンを含有するトマトを効率的に提供することにある。
また、育種選抜による方法では多大な労力と時間を要するという欠点があった。
すなわち、高いナリンゲニンカルコン含量を有するトマトを提供する技術が求められている。
本発明が解決しようとする課題は、高含量のナリンゲニンカルコンを含有するトマトを効率的に提供することにある。
そこで、本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、トマト果実中のカルコンシンターゼおよびカルコンイソメラーゼの相対酵素発現量を指標にすることで高含量のナリンゲニンカルコンを含有するトマトを提供する方法を見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
[1]
カルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも高いトマト。
[2]
トマト果実の熟度が完熟期、桃熟期および催色期から選択される、[1]のトマト。
[3]
カルコンシンターゼ含有量がカルコンイソメラーゼ含有量よりも高いトマト組成物。
[4]
組み換え遺伝子を含有しない、[1]または[2]に記載のトマトおよび[3]に記載のトマト組成物。
[1]
カルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも高いトマト。
[2]
トマト果実の熟度が完熟期、桃熟期および催色期から選択される、[1]のトマト。
[3]
カルコンシンターゼ含有量がカルコンイソメラーゼ含有量よりも高いトマト組成物。
[4]
組み換え遺伝子を含有しない、[1]または[2]に記載のトマトおよび[3]に記載のトマト組成物。
本発明により、高含量のナリンゲニンカルコンを含有するトマトを効率的に提供することができる。
本発明を、発明を実施するための形態により具体的に説明するが、本発明は、以下の発明を実施するための形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。
本発明のトマトは、カルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも高いトマトである。
本発明において、トマトのナリンゲニンカルコンの生合成に関わる酵素であるカルコンシンターゼおよびカルコンイソメラーゼに着目し、カルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも高いトマトであることにより、ナリンゲニンカルコン含量の高いトマトを提供することができる。
本発明において、「カルコンシンターゼ(CHS)」とは、ナリンゲニンカルコンを生合成する酵素を意味し、マロニルCoAと4−クマロイルCoAからナリンゲニンカルコンに変換する酵素である。
カルコンシンターゼ(CHS)発現量とは、CHS1BとCHS2の2つの遺伝子の発現量の和を意味する。
CHS1BとはGenBankアクセッション番号X55194(配列番号1)に記載されたDNA配列と少なくとも84%以上の相同性を有するDNA配列を有し、かつ、該DNA配列によりコードされたタンパク質がマロニルCoAと4−クマロイルCoAからナリンゲニンカルコンを合成する機能を有する遺伝子を意味する。CHS1Bの予測されるアミノ酸配列は、InterProScanによりドメイン検索してIPR001099 (Chalcone/stilbene synthase、N−terminal)、IPR011141 (Polyketide synthase, type III)、IPR012328(Chalcone/stilbene synthase、C−terminal)のいずれかのドメインを有することが好ましい。
CHS2とは、GenBankアクセッション番号X55195(配列番号2)に記載されたDNA配列と少なくとも84%以上の相同性を有するDNA配列を有し、かつ、該DNA配列によりコードされたタンパク質がマロニルCoAと4−クマロイルCoAからナリンゲニンカルコンを合成する機能を有する遺伝子を意味する。CHS2の予測されるアミノ酸配列は、InterProScanによりドメイン検索してIPR001099 (Chalcone/stilbene synthase、N−terminal)、IPR011141 (Polyketide synthase, type III)、IPR012328(Chalcone/stilbene synthase、C−terminal)のいずれかのドメインを有することが好ましい。
本発明において、トマトのナリンゲニンカルコンの生合成に関わる酵素であるカルコンシンターゼおよびカルコンイソメラーゼに着目し、カルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも高いトマトであることにより、ナリンゲニンカルコン含量の高いトマトを提供することができる。
本発明において、「カルコンシンターゼ(CHS)」とは、ナリンゲニンカルコンを生合成する酵素を意味し、マロニルCoAと4−クマロイルCoAからナリンゲニンカルコンに変換する酵素である。
カルコンシンターゼ(CHS)発現量とは、CHS1BとCHS2の2つの遺伝子の発現量の和を意味する。
CHS1BとはGenBankアクセッション番号X55194(配列番号1)に記載されたDNA配列と少なくとも84%以上の相同性を有するDNA配列を有し、かつ、該DNA配列によりコードされたタンパク質がマロニルCoAと4−クマロイルCoAからナリンゲニンカルコンを合成する機能を有する遺伝子を意味する。CHS1Bの予測されるアミノ酸配列は、InterProScanによりドメイン検索してIPR001099 (Chalcone/stilbene synthase、N−terminal)、IPR011141 (Polyketide synthase, type III)、IPR012328(Chalcone/stilbene synthase、C−terminal)のいずれかのドメインを有することが好ましい。
CHS2とは、GenBankアクセッション番号X55195(配列番号2)に記載されたDNA配列と少なくとも84%以上の相同性を有するDNA配列を有し、かつ、該DNA配列によりコードされたタンパク質がマロニルCoAと4−クマロイルCoAからナリンゲニンカルコンを合成する機能を有する遺伝子を意味する。CHS2の予測されるアミノ酸配列は、InterProScanによりドメイン検索してIPR001099 (Chalcone/stilbene synthase、N−terminal)、IPR011141 (Polyketide synthase, type III)、IPR012328(Chalcone/stilbene synthase、C−terminal)のいずれかのドメインを有することが好ましい。
本発明において、「カルコンイソメラーゼ(CHI)」はナリンゲニンカルコンをナリンゲニンに代謝する酵素を意味し、Dana−Farber Cancer Institute Tomato Gene Index(LeGI) release12のTentative Consensus TC205850(配列番号3)に記載されたDNA配列と少なくとも75%以上の相同性をもつDNA配列を有し、かつ、該DNA配列によりコードされたタンパク質がナリンゲニンカルコンをナリンゲニンに代謝する機能を有する遺伝子を意味する。
カルコンイソメラーゼ(CHI)発現量は、CHI遺伝子の発現量を意味する。
カルコンイソメラーゼ(CHI)発現量は、CHI遺伝子の発現量を意味する。
本発明においては、カルコンシンターゼ相対酵素発現量とカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量を指標に、ナリンゲニンカルコン高含有トマトを得ることができるが、Myb12相対酵素発現量を指標にしてもよい。
Myb12は、GenBankアクセッション番号EU419748(配列番号4)と類似する配列を有する遺伝子を意味する。
Myb12は、GenBankアクセッション番号EU419748(配列番号4)と類似する配列を有する遺伝子を意味する。
GAPDHとは、GenBankアクセッション番号LEU97257(配列番号5)に記載されたDNA配列と少なくとも90%以上の相同性を有するDNA配列を有し、かつ、該DNA配列によりコードされたタンパク質がグリセルアルデヒド3−リン酸から1,3−ビスホスホグリセリン酸を生成する機能を有する遺伝子を意味する。GAPDHの予測されるアミノ酸配列は、タンパク質がグリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素タンパク質すなわちGenBankタンパク質IDがAAB54003のタンパク質と類似するアミノ酸配列を有することが好ましい。
GAPDH発現量は、GAPHD遺伝子の発現量を意味する。
GAPDH発現量は、GAPHD遺伝子の発現量を意味する。
相対酵素発現量とは、以下の実施例に示す方法によって遺伝子の発現量を定量したときの定量値を指す。
検量線作成に用いた希釈系列と一緒に改めて全サンプルのリアルタイムPCR反応を実施し、各サンプルにおいて閾値蛍光強度(Threshold:0.08)に達しているサイクル数を求め、各遺伝子の検量線を用いて希釈系列に準拠したcDNA量を推定する。各遺伝子についてのこの推定値を、発現量がほぼ一定と考えられているGAPDHについての推定値で割った値を「相対酵素発現量」と定義する。具体的には、カルコンシンターゼ相対酵素発現量とは、カルコンシンターゼ発現量を、GAPDH発現量で除した値を意味し、カルコンイソメラーゼ相対酵素発現量とは、カルコンイソメラーゼ発現量を、GAPDH発現量で除した値を意味する。また、Myb12相対酵素発現量とは、Myb12発現量を、GAPDH発現量で除した値を意味する。
カルコンシンターゼ相対酵素発現量とカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量を指標に、トマトの選抜、育種、品種改良を行うことで、ナリンゲニンカルコン含有量の高いトマトを選別することができる。すなわち、カルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも高いトマトを選別していくことで、ナリンゲニンカルコン高含有トマトを提供することができる。また、斯かる選別を行うことにより、高含量のナリンゲニンカルコンを含有するトマトを効率的に提供することができる。さらに、トマト中におけるカルコンシンターゼ相対酵素発現量とカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量を指標にすることで、ナリンゲニンカルコン高含有トマトを提供することできる。
検量線作成に用いた希釈系列と一緒に改めて全サンプルのリアルタイムPCR反応を実施し、各サンプルにおいて閾値蛍光強度(Threshold:0.08)に達しているサイクル数を求め、各遺伝子の検量線を用いて希釈系列に準拠したcDNA量を推定する。各遺伝子についてのこの推定値を、発現量がほぼ一定と考えられているGAPDHについての推定値で割った値を「相対酵素発現量」と定義する。具体的には、カルコンシンターゼ相対酵素発現量とは、カルコンシンターゼ発現量を、GAPDH発現量で除した値を意味し、カルコンイソメラーゼ相対酵素発現量とは、カルコンイソメラーゼ発現量を、GAPDH発現量で除した値を意味する。また、Myb12相対酵素発現量とは、Myb12発現量を、GAPDH発現量で除した値を意味する。
カルコンシンターゼ相対酵素発現量とカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量を指標に、トマトの選抜、育種、品種改良を行うことで、ナリンゲニンカルコン含有量の高いトマトを選別することができる。すなわち、カルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも高いトマトを選別していくことで、ナリンゲニンカルコン高含有トマトを提供することができる。また、斯かる選別を行うことにより、高含量のナリンゲニンカルコンを含有するトマトを効率的に提供することができる。さらに、トマト中におけるカルコンシンターゼ相対酵素発現量とカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量を指標にすることで、ナリンゲニンカルコン高含有トマトを提供することできる。
(ナリンゲニンカルコン高含有トマト)
本発明のトマトは、催色期または桃熟期または完熟期におけるカルコンシンターゼの相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼの相対酵素発現量よりも大きい。また、本発明のトマトは、トマト100gあたり、ナリンゲニンカルコンが好ましくは1mg以上、より好ましくは3mg以上、さらに好ましくは5mg以上、よりさらに好ましくは10mg以上含まれることを特徴とする。
ナリンゲニンカルコン含量が、催色期よりも桃熟期の方が高く、桃熟期よりも完熟期の方が高いことが嗜好性の観点からより好ましい。
本発明のトマトは、催色期または桃熟期または完熟期におけるカルコンシンターゼの相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼの相対酵素発現量よりも大きい。また、本発明のトマトは、トマト100gあたり、ナリンゲニンカルコンが好ましくは1mg以上、より好ましくは3mg以上、さらに好ましくは5mg以上、よりさらに好ましくは10mg以上含まれることを特徴とする。
ナリンゲニンカルコン含量が、催色期よりも桃熟期の方が高く、桃熟期よりも完熟期の方が高いことが嗜好性の観点からより好ましい。
本発明のトマトは、高いナリンゲニンカルコン含量を示すトマトであるが、完熟期におけるカルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量の1倍より大きいことが好ましく、また、桃熟期におけるカルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも1倍より大きいことが好ましく、また、催色期におけるカルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも1倍より大きいことが好ましい。カルコンシンターゼ相対酵素発現量が、カルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも高いとは、トマトの熟度の各期において、カルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも1倍より大きいことを意味し、トマト果実の熟度が完熟期、桃熟期または催色期において、カルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも1倍より大きいことが好ましく、完熟期、桃熟期、催色期の2つ以上の期において、カルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも1倍より大きいことがより好ましく、完熟期、桃熟期、および催色期のすべての期において、カルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも1倍より大きいことが好ましい。
完熟期、桃熟期および/または催色期において、カルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量の1倍より大きいであることが好ましく、また、高いナリンゲニンカルコン含量を示すトマトとして、具体的には、日本デルモンテ社内で育種されたDR5600種が挙げられる。DR5600種は、完熟期・桃熟期・催色期の全ての期においてカルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量の1倍より大きいトマトである。DR5600種は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに平成21年9月18日に受領され、受領番号FERM AP−21851が付与され、FERM−P21851として受託されている。
本発明のトマトは、鮮赤色果色遺伝子(og遺伝子)を有する系統に高色素遺伝子(hp遺伝子)を有する系統を交雑し育種選抜することで得ることができる。具体的には、og遺伝子を有する系統にhp遺伝子を有する系統を交雑し、フラボノイドの蓄積性を中心に、収穫性や耐病性に優れる系統の育種選抜を繰り返し行った系統を用いて育種することで得ることができる。
og遺伝子を有する系統としては、例えば、DR736TM、ベルハーベスト2号、なつのしゅん、およびNT604からなる群から選ばれる少なくとも一種を交雑して得られる系統が挙げられ、hp遺伝子を有する系統としては、例えば、盛岡10号、盛岡17号(ふりこま)、Manapal、なつのこま、およびとまと中間母本農10号からなる群から選ばれる少なくとも一種を交雑して得られる系統が挙げられる。
ナリンゲニンカルコンの含有量が高い種を育種選抜するために、og遺伝子を有する系統としてDR736TMもしくはベルハーベスト2号またはこれらの群から選ばれる少なくとも一種を交雑して得られる系統を、hp遺伝子を有する系統として盛岡10号またはこれを交雑して得られる系統を用いて育種選抜することが好ましい。
ナリンゲニンカルコンの含有量が高い種を育種選抜するために、og遺伝子を有する系統としてDR736TMもしくはベルハーベスト2号またはこれらの群から選ばれる少なくとも一種を交雑して得られる系統を、hp遺伝子を有する系統として盛岡10号またはこれを交雑して得られる系統を用いて育種選抜することが好ましい。
育種選抜方法として、両親姉妹系統間において、F1組み合わせ能力検定を行い、カルコンシンターゼ相対酵素発現量とカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量を指標として選別することにより、フラボノイド蓄積性、特にナリンゲニンカルコンの蓄積性が高いトマトを作出することができる。
DR5600は、DR736TMから育種選抜した系統に盛岡10号から育種選抜した系統を交雑した系統を片親とし、ベルハーベスト2号から育種選抜した系統に盛岡10号から育種選抜した系統を交雑した系統を片親として交雑し、フラボノイドの蓄積性を中心に、収穫性や耐病性に優れる系統の育種選抜を繰り返すことで作出した。
DR5600は、DR736TMから育種選抜した系統に盛岡10号から育種選抜した系統を交雑した系統を片親とし、ベルハーベスト2号から育種選抜した系統に盛岡10号から育種選抜した系統を交雑した系統を片親として交雑し、フラボノイドの蓄積性を中心に、収穫性や耐病性に優れる系統の育種選抜を繰り返すことで作出した。
og遺伝子とは、リコペンの生合成に関与する遺伝子を意味し、hp遺伝子とは、カロテノイド、フラボノイドの生合成に関与する遺伝子を意味する。
本発明のトマトには、遺伝子組み換え技術による人工的なog遺伝子導入トマトや、hp遺伝子導入トマトは含まれない。本発明のトマトは、交配により育種されて得られるトマトであり、遺伝子組換えトマトでないことが好ましい。
本発明のトマトには、遺伝子組み換え技術による人工的なog遺伝子導入トマトや、hp遺伝子導入トマトは含まれない。本発明のトマトは、交配により育種されて得られるトマトであり、遺伝子組換えトマトでないことが好ましい。
本発明において、遺伝子組替え技術によるトマト(遺伝子組換えトマト)とは、遺伝子組換え技術により、人工的に外来遺伝子を導入したトマトを意味し、交配により育種されるトマトを意味しない。
トマトの交雑方法としては、異なる遺伝子の間で人工交配をして雑種を作る人工交雑などの方法が挙げられる。
育種選抜は、雑種の分離世代(F2以降)において、つねに個体選抜と選抜個体ごとの系統栽培をくりかえし、系統間の比較によって優劣を判定しながら、選択、固定をはかり純系をつくっていく、系統育種法などの方法により行うことができる。
トマトの栽培方法は、トマト栽培で通常用いられる栽培方法であれば特に限定されないが、例えば露地栽培、雨除け土耕栽培、雨除け水耕栽培、およびマルチ土耕栽培などが挙げられる。
本発明のトマトは、上記のように育種選抜することにより得られるトマトであり、遺伝子組み換え技術を用いることなく、完熟期においてナリンゲニンカルコン含量が高いトマトである。また、本発明は、本発明のトマトを収穫することのできる植物体として、種子、苗木およびカルスなどをも提供するが、受領番号がFERM P−21851として受託されているトマトの種子および苗木であることが好ましい。
(ナリンゲニンカルコン高含有トマト組成物)
本発明のトマト組成物は、カルコンシンターゼ含有量がカルコンイソメラーゼ含有量よりも大きいことを特徴とする。
カルコンシンターゼ含有量が、カルコンイソメラーゼ含有量よりも大きいトマトとは、カルコンシンターゼ相対酵素発現量が、カルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも高いトマトに由来する組成物であることを意味する。また、トマト組成物において、カルコンシンターゼ相対酵素発現量とカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量を測定し、カルコンシンターゼ相対酵素発現量が、カルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも高いトマト組成物であってもよい。
また、本発明のトマト組成物100gあたり、ナリンゲニンカルコンが好ましくは1mg以上、より好ましくは3mg以上、さらに好ましくは5mg以上、よりさらに好ましくは10mg以上含まれることを特徴とする。
本発明のトマト組成物は、カルコンシンターゼ含有量がカルコンイソメラーゼ含有量よりも大きいことを特徴とする。
カルコンシンターゼ含有量が、カルコンイソメラーゼ含有量よりも大きいトマトとは、カルコンシンターゼ相対酵素発現量が、カルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも高いトマトに由来する組成物であることを意味する。また、トマト組成物において、カルコンシンターゼ相対酵素発現量とカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量を測定し、カルコンシンターゼ相対酵素発現量が、カルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも高いトマト組成物であってもよい。
また、本発明のトマト組成物100gあたり、ナリンゲニンカルコンが好ましくは1mg以上、より好ましくは3mg以上、さらに好ましくは5mg以上、よりさらに好ましくは10mg以上含まれることを特徴とする。
本発明のトマト組成物は、トマトだけからなるものであってもよく、トマトに他の成分を混合させたものであってもよい。混合物としての、トマト組成物としては、例えば、ニンジン等の野菜汁を混合させた組成物などが挙げられる。原料としてトマトだけを用いて得られるトマト組成物は、任意の熟度のトマト果実から適宜調製することができる。例えば、破砕、磨砕、搾汁、水抽出、含水エタノール抽出、酵素分解、発酵、酸アルカリ処理などの方法がトマト組成物を得るための処理方法として挙げられ、これらを二つ以上組み合わせた組成物でもよい。任意の熟度の果実を使用することができ、異なる熟度の果実を混合してもよい。また、これらのトマト組成物を調製中に、ナリンゲニンカルコンの分解を抑制する目的で、デキストリンを加えることも適宜選択できる。
トマトおよびニンジン等の野菜汁を混合させたトマト組成物は、上記のトマトのみを原料として用いたトマト組成物とニンジン等の野菜汁などを混合させて調整することができる。
トマトおよびニンジン等の野菜汁を混合させたトマト組成物は、上記のトマトのみを原料として用いたトマト組成物とニンジン等の野菜汁などを混合させて調整することができる。
本発明のトマト組成物の製造方法は、次のように行うことができる。
[1]トマトを処理し、溶存酵素を30時間以内に加熱失活させることで得る方法。
[2]トマトおよびニンジンを含む野菜を処理し、溶存酵素を30時間以内に加熱失活させることで得る方法。
[3]上記2つの方法で得たトマト組成物を混合することで得る方法。
ここでの処理は、前述の破砕、磨砕、搾汁、水抽出、含水エタノール抽出、酵素分解、発酵、酸アルカリ処理などの方法を指す。また加熱失活で用いる加熱温度は、酵素とくにカルコンシンターゼまたはカルコンイソメラーゼが失活する温度であれば何度でも良く、例えば、常圧下で摂氏70度(70℃)以上の温度であり、好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上である。加熱時間は、酵素とくにカルコンシンターゼまたはカルコンイソメラーゼが失活する時間であれば何でも良く、例えば90℃で1分間以上であり、好ましくは90℃で3分間以上であるが、90℃で30分間などの長時間はナリンゲニンカルコンの分解や風味の劣化の点から好ましくない。
[1]トマトを処理し、溶存酵素を30時間以内に加熱失活させることで得る方法。
[2]トマトおよびニンジンを含む野菜を処理し、溶存酵素を30時間以内に加熱失活させることで得る方法。
[3]上記2つの方法で得たトマト組成物を混合することで得る方法。
ここでの処理は、前述の破砕、磨砕、搾汁、水抽出、含水エタノール抽出、酵素分解、発酵、酸アルカリ処理などの方法を指す。また加熱失活で用いる加熱温度は、酵素とくにカルコンシンターゼまたはカルコンイソメラーゼが失活する温度であれば何度でも良く、例えば、常圧下で摂氏70度(70℃)以上の温度であり、好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上である。加熱時間は、酵素とくにカルコンシンターゼまたはカルコンイソメラーゼが失活する時間であれば何でも良く、例えば90℃で1分間以上であり、好ましくは90℃で3分間以上であるが、90℃で30分間などの長時間はナリンゲニンカルコンの分解や風味の劣化の点から好ましくない。
(トマトの熟度)
トマトの熟度は、Athertonらの報告(The Tomato Crop,260,TABLE6.5,(1986))に基づき、表1に示すように分類することができる。本発明で用いたトマトの各熟度は、「緑熟期」、「催色前期」、「催色期」、「完熟期」の4段階で採取した。Athertonらの報告に従えば、「緑熟期」、「催色前期」、「催色期」、「完熟期」は、それぞれ「Green」、「Breaker」、「Turning」、「Red」に当たる。採取した果実の表面を水で洗浄し、ピーラーで果皮を剥いた。このときの果皮には果肉も厚さ1mmから5mm程度含まれている。果皮はすみやかに液体窒素で凍結し、分析まで−80℃で保管した。
なお、従来知見による分類(例えば、Nature Biotech.,19,470−474(2001)参照)の「Green」、「Turning」、「Red」はそれぞれ本発明における「緑熟期」、「催色期」、「完熟期」に相当する。熟度は、通常トマトの草本上での熟度をいうが、任意の熟度のトマトを収穫後に追熟させた後の熟度であっても構わない。例えば、催色期から桃熟期にトマトを収穫し、大気下や低酸素下や無酸素下で、5℃から室温以下で数時間から数日間保管することで、追熟させることができる。
本発明のトマトには、カルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも高いトマトであれば、表1における熟度については特に限定されないが、完熟期、桃熟期および/または催色期においてカルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも大きいトマトであることが好ましく、該トマトには、トマト草本から収穫した後に追熟することで、カルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも大きくなるトマト、カルコンシンターゼ含有量がカルコンイソメラーゼ含有量よりも大きくなるトマトなどが挙げられる。
すなわち、本発明のトマトは、カルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも大きいトマトであれば、トマトの熟度が、草本上で至ったものであっても、完熟期に至る前、例えば催色期で収穫し、任意の条件で追熟し完熟させてもよい。
トマトの熟度は、Athertonらの報告(The Tomato Crop,260,TABLE6.5,(1986))に基づき、表1に示すように分類することができる。本発明で用いたトマトの各熟度は、「緑熟期」、「催色前期」、「催色期」、「完熟期」の4段階で採取した。Athertonらの報告に従えば、「緑熟期」、「催色前期」、「催色期」、「完熟期」は、それぞれ「Green」、「Breaker」、「Turning」、「Red」に当たる。採取した果実の表面を水で洗浄し、ピーラーで果皮を剥いた。このときの果皮には果肉も厚さ1mmから5mm程度含まれている。果皮はすみやかに液体窒素で凍結し、分析まで−80℃で保管した。
なお、従来知見による分類(例えば、Nature Biotech.,19,470−474(2001)参照)の「Green」、「Turning」、「Red」はそれぞれ本発明における「緑熟期」、「催色期」、「完熟期」に相当する。熟度は、通常トマトの草本上での熟度をいうが、任意の熟度のトマトを収穫後に追熟させた後の熟度であっても構わない。例えば、催色期から桃熟期にトマトを収穫し、大気下や低酸素下や無酸素下で、5℃から室温以下で数時間から数日間保管することで、追熟させることができる。
本発明のトマトには、カルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも高いトマトであれば、表1における熟度については特に限定されないが、完熟期、桃熟期および/または催色期においてカルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも大きいトマトであることが好ましく、該トマトには、トマト草本から収穫した後に追熟することで、カルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも大きくなるトマト、カルコンシンターゼ含有量がカルコンイソメラーゼ含有量よりも大きくなるトマトなどが挙げられる。
すなわち、本発明のトマトは、カルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも大きいトマトであれば、トマトの熟度が、草本上で至ったものであっても、完熟期に至る前、例えば催色期で収穫し、任意の条件で追熟し完熟させてもよい。
(ナリンゲニンカルコン)
ナリンゲニンカルコン(2’4’6’4−Tetrahydroxychalcone)は下記構造式(1)に示される物質である。
ナリンゲニンカルコン(2’4’6’4−Tetrahydroxychalcone)は下記構造式(1)に示される物質である。
構造式(1):
ナリンゲニンカルコンとしては、例えば、塩の形態であってもよい。
ナリンゲニンカルコンの塩としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)との塩が挙げられる。また、塩としては、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸)や有機酸(マレイン酸、クエン酸、フマル酸等)を付加した酸付加塩、更にはアミンの付加塩、アミノ酸の付加塩等が挙げられる。
ナリンゲニンカルコンとしては、ナリンゲニンカルコンの水和物であってもよく、ナリンゲニンカルコンの塩の水和物であってもよい。
ナリンゲニンカルコンの塩としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)との塩が挙げられる。また、塩としては、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸)や有機酸(マレイン酸、クエン酸、フマル酸等)を付加した酸付加塩、更にはアミンの付加塩、アミノ酸の付加塩等が挙げられる。
ナリンゲニンカルコンとしては、ナリンゲニンカルコンの水和物であってもよく、ナリンゲニンカルコンの塩の水和物であってもよい。
トマト生果実中では大部分がナリンゲニンカルコンの化学構造で存在し、ナリンゲニンはほとんど存在しないが、抽出、加熱、pH変化、水溶液化など化学的環境が変化すると、分子内閉環反応が起こり、下記構造式(2)で表されるナリンゲニンへと変換される(例えば、特開2003−221356号公報参照)。
後述するナリンゲニンカルコンの測定において、ナリンゲニンカルコン含量を測定する際には、ナリンゲニンカルコンが、抽出、測定の工程を経て、ナリンゲニンへと変換されていることを考慮し、本発明においては、トマト果皮に含まれているナリンゲニンカルコンおよびナリンゲニンの和をナリンゲニンカルコン含量とする。
後述するナリンゲニンカルコンの測定において、ナリンゲニンカルコン含量を測定する際には、ナリンゲニンカルコンが、抽出、測定の工程を経て、ナリンゲニンへと変換されていることを考慮し、本発明においては、トマト果皮に含まれているナリンゲニンカルコンおよびナリンゲニンの和をナリンゲニンカルコン含量とする。
構造式(2):
また、γデキストリンを共存させることでナリンゲニンカルコンを安定化した後(例えば、特開2003−221356号公報参照)、その含量を測定してもよい。
(ナリンゲニンカルコン含量の測定)
トマト中のナリンゲニンカルコンは、トマト果皮に特に高濃度に含まれている。従って、トマト果皮中のナリンゲニンカルコン含量を測定することができる。
トマト果皮とは、生の状態で果肉の細胞が除かれた厚さ1ミリメートル以下の組織をいい、ナリンゲニンカルコン含量を測定する際には、乾燥させ、トマト果皮の水分含量が10%以下のものを用いることが好ましい。乾燥させたトマト果皮のナリンゲニンカルコン含量は、常法に従い測定することができる。
該測定方法としては、例えば、乾燥させたトマト果皮を、含水エタノールまたは含水メタノールにより抽出後、高速液体クロマトグラフィーにより測定することができる。抽出する際、トマト果皮を粉砕したり還流抽出を行ってもよい。
抽出液中のナリンゲニンカルコン濃度、トマト果実および/またはトマト果皮の重量より、乾燥トマト果皮1gあたりのナリンゲニンカルコン含量(mg)や生のトマト果実100gあたりのナリンゲニンカルコン含量(mg)を求めることができる。
トマト中のナリンゲニンカルコンは、トマト果皮に特に高濃度に含まれている。従って、トマト果皮中のナリンゲニンカルコン含量を測定することができる。
トマト果皮とは、生の状態で果肉の細胞が除かれた厚さ1ミリメートル以下の組織をいい、ナリンゲニンカルコン含量を測定する際には、乾燥させ、トマト果皮の水分含量が10%以下のものを用いることが好ましい。乾燥させたトマト果皮のナリンゲニンカルコン含量は、常法に従い測定することができる。
該測定方法としては、例えば、乾燥させたトマト果皮を、含水エタノールまたは含水メタノールにより抽出後、高速液体クロマトグラフィーにより測定することができる。抽出する際、トマト果皮を粉砕したり還流抽出を行ってもよい。
抽出液中のナリンゲニンカルコン濃度、トマト果実および/またはトマト果皮の重量より、乾燥トマト果皮1gあたりのナリンゲニンカルコン含量(mg)や生のトマト果実100gあたりのナリンゲニンカルコン含量(mg)を求めることができる。
(ナリンゲニンカルコン高含有トマトの利用)
本発明のトマト、トマト組成物は、さらに破砕、粉砕、磨砕、抽出、溶解、酵素処理、発酵処理、酸アルカリ処理等の加工法を必要に応じて使用することによって各種加工品に利用することができる。
加工品としては、例えば、ジュース、果汁飲料、および清涼飲料水等の飲料、ケチャップおよびトマトソース等の調味料、ホールトマト、カットトマト、トマトペースト、およびスープ等の缶詰ならびにトマト加工品、錠剤およびカプセル等の栄養補助食品、ならびに菓子等が挙げられる。
ナリンゲニンカルコンがトマト果皮に多く含有されていることを考慮し、トマト果実を、全果または果皮が多く残存する搾汁残渣として用いることが望ましい。
本発明のトマト、トマト組成物は、さらに破砕、粉砕、磨砕、抽出、溶解、酵素処理、発酵処理、酸アルカリ処理等の加工法を必要に応じて使用することによって各種加工品に利用することができる。
加工品としては、例えば、ジュース、果汁飲料、および清涼飲料水等の飲料、ケチャップおよびトマトソース等の調味料、ホールトマト、カットトマト、トマトペースト、およびスープ等の缶詰ならびにトマト加工品、錠剤およびカプセル等の栄養補助食品、ならびに菓子等が挙げられる。
ナリンゲニンカルコンがトマト果皮に多く含有されていることを考慮し、トマト果実を、全果または果皮が多く残存する搾汁残渣として用いることが望ましい。
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
(熟度別トマト)
実施例としてDR5600種(受託番号 FERM P−21851)を、比較例として公知のトマトである桃太郎種を用いた。
トマトは、千葉県農林総合研究センター内の雨除けマルチ土耕による同一条件下で栽培した。
上述の表1記載の熟度判別に従い、第1から第4段目の果房から、各熟度それぞれ6果実を採取した。
実施例としてDR5600種(受託番号 FERM P−21851)を、比較例として公知のトマトである桃太郎種を用いた。
トマトは、千葉県農林総合研究センター内の雨除けマルチ土耕による同一条件下で栽培した。
上述の表1記載の熟度判別に従い、第1から第4段目の果房から、各熟度それぞれ6果実を採取した。
(ナリンゲニンカルコン含量の測定)
各熟度におけるナリンゲニンカルコン含量は以下の方法により測定した。
各熟度のトマト果実から果皮をピーラーまたは包丁で剥き取り、水分含量5%以下となるように凍結乾燥させた。凍結乾燥前のトマト果皮の水分含量は30〜70%であった。
乾燥果皮0.10gに対し10mLの60%エタノールを加え、30分間還流抽出を行った。
抽出溶液を親水性PTFEフィルター(ポアサイズ0.45μm;アドバンテック東洋株式会社製)でろ過後、UV検出器(UV970型;日本分光株式会社製)を接続した高速液体クロマトグラフィー(GULLIVERシリーズHPLCシステム;日本分光株式会社製)による分析に供し、検出波長310nmで検出されたピークを標準品から定量した。
HPLC条件は、移動相:0.1%ギ酸を含む25%アセトニトリル水溶液、分析カラム:CAPCELLPAK UG120(株式会社資生堂社製) 4.6×150mm 5μm、流速:1.0mL/min、注入量:10μL、カラム温度:室温、検出波長:310nmとした。
熟度別の生果実100gあたりのナリンゲニンカルコン含量の平均値を表2に示す。
各熟度におけるナリンゲニンカルコン含量は以下の方法により測定した。
各熟度のトマト果実から果皮をピーラーまたは包丁で剥き取り、水分含量5%以下となるように凍結乾燥させた。凍結乾燥前のトマト果皮の水分含量は30〜70%であった。
乾燥果皮0.10gに対し10mLの60%エタノールを加え、30分間還流抽出を行った。
抽出溶液を親水性PTFEフィルター(ポアサイズ0.45μm;アドバンテック東洋株式会社製)でろ過後、UV検出器(UV970型;日本分光株式会社製)を接続した高速液体クロマトグラフィー(GULLIVERシリーズHPLCシステム;日本分光株式会社製)による分析に供し、検出波長310nmで検出されたピークを標準品から定量した。
HPLC条件は、移動相:0.1%ギ酸を含む25%アセトニトリル水溶液、分析カラム:CAPCELLPAK UG120(株式会社資生堂社製) 4.6×150mm 5μm、流速:1.0mL/min、注入量:10μL、カラム温度:室温、検出波長:310nmとした。
熟度別の生果実100gあたりのナリンゲニンカルコン含量の平均値を表2に示す。
表2に示すとおり、桃太郎種では、いずれの熟期においてもナリンゲニンカルコンは定量限界(1mg/g乾燥果皮)未満であり、桃太郎種のナリンゲニンカルコン含量は、0.0mg/100gトマト生果実であった。一方、DR5600種のナリンゲニンカルコン含量は、熟度の進行と共に蓄積していた。
(トマトの熟度別のCHSとCHI)
DR5600種および桃太郎種を用い、各熟度におけるカルコンシンターゼ(CHS)とカルコンイソメラーゼ(CHI)を定法に従って、以下のように測定した。
トマト組織からPlant Biotechnol. 22(2):161−165 (2005)に記載された方法により抽出したRNA抽出物を、RNase−Free DNase Set(カタログ番号79254、Qiagen社製)を用いて、Qiagen RNeasy Mini Handbook 04/2006 71ページ Appendix E:DNase Digestion of RNA before RNA Cleanupのプロトコールに従ってDNase処理した。
次いで、エタノール沈澱により、RNAを濃縮し、濃度を測定し、Bioanalyzer(Agilent社製2100)とRNA 6000 Nano Kit(カタログ番号5067−1511、Agilent社製)を用いて品質評価した。該Bioanalyzerによる分析結果として出力されるRNA integrity numberが8以上の場合cDNA合成へと進めた。
得られたRNA5μgを鋳型とし、SuperScript(登録商標)III First Strand Synthesis System(カタログ番号18080−051、Invitrogen社製)を用いて、添付のプロトコールに従って、cDNAを合成した。第一鎖合成プライマーとして、oligo(dT)20を用いた
得られたcDNA溶液を、滅菌したミリQ水を用いて、全量が21μLになるように調整し、そのうちの5μLをさらに1/20倍に希釈して、cDNAを含む希釈液2μLをリアルタイムPCRの鋳型として用いた。
リアルタイムPCRは、下記プライマーおよびリアルタイムPCRキットDYNAMO HS SYBR(登録商標) Green qPCR Kit(カタログ番号F−410L、FINNZYMES社製)を用い、サーマルサイクラーDNA Engine Opticon(登録商標) 2 System(MJ Research社製(現在はBio−Rad社に併合))を用いて各遺伝子を増幅した。
CHS1B Forward;GGTTGGGCTTACATTCCACTTAC (配列番号6)
CHS1B Reverse;GAGCGATCCAAAATAGAGAGTTCC (配列番号7)
CHS2 Forward;TCGGGCTACTAGGCAAGTTTTAAG (配列番号8)
CHS2 Reverse;CTGTGGTACTAAGCCCTTCTTTGG (配列番号9)
CHI Forward;TGGAACTAGGGGAGTGTCACC (配列番号10)
CHI Reverse;CATAGGCCAAATACAATAAGCCAAC (配列番号11)
なお、Myb12相対酵素発現量を指標とする場合には、以下のプライマーを用いてMyb12相対酵素発現量を測定することができる。
Myb12 Forward;GTTTCAGAGAAGAAGTAACGAGCAA (配列番号12)
Myb12 Reverse;TGTGGCCAACTGGGAAC (配列番号13)
GAPDHのプライマーとしては、以下のプライマーを用いた。
GAPDH Forward;GCAATCAAGGAGGAATCAGAGG (配列番号14)
GAPDH Reverse;CCAAATCAATCACACGGGAAC (配列番号15)
リアルタイムPCRの反応液組成は、2xMaster Mix 10μL、50μM Forward Primer 0.2μL、50μM Reverse Primer 0.2μL、ミリQ水 7.2μL、ROX(×50) 0.4μL、cDNAを含む希釈液2μLとした。
リアルタイムPCRの反応サイクルは、最初50℃/2分、95℃/15分の2ステップを経由して、(i)94℃/10秒、(ii)60.4℃/30秒、(iii)72℃/30秒、(iv)蛍光強度測定のサイクル((i)〜(iv))を46サイクル実施し、72℃/10分保持したのち、72℃から95℃の温度範囲で0.2℃/5秒刻みでメルティングカーブを計測した。
発現量を定量するための検量線は以下のように作成した。各遺伝子について、リアルタイムPCR解析用ソフトOpticon Monitor 3.1(Version 3.1.32.0)に示されるQuantitationグラフ(サイクル数と蛍光強度の関係)を用いて、最初に閾値蛍光強度(Threshold:0.08)に達しているサンプルを同定した。同定したcDNAサンプルの1/8倍、1/200倍、1/4000倍、1/80000倍、1/160000倍、1/320000倍、1/640000倍、1/1280000倍という8段階の希釈cDNA系列を用いて、閾値蛍光強度(Threshold:0.08)に達した時のサイクル数を取得し、このサイクル数と希釈率の間の関係を示す検量線を作成した。
検量線作成に用いた希釈系列と一緒に改めて全サンプルのリアルタイムPCR反応を実施し、各サンプルにおいて閾値蛍光強度(Threshold:0.08)に達しているサイクル数を求め、CHS1B、CHS2、CHI、GAPDHの各検量線からcDNA量を推定した。
各遺伝子についてのcDNA量の推定値をGAPDHのcDNA量の推定値で割った値を相対酵素発現量とし、CHSについてはCHS1BとCHS2の相対酵素発現量の和をCHSの相対酵素発現量とした。結果を表3および表4に示す。
DR5600種および桃太郎種を用い、各熟度におけるカルコンシンターゼ(CHS)とカルコンイソメラーゼ(CHI)を定法に従って、以下のように測定した。
トマト組織からPlant Biotechnol. 22(2):161−165 (2005)に記載された方法により抽出したRNA抽出物を、RNase−Free DNase Set(カタログ番号79254、Qiagen社製)を用いて、Qiagen RNeasy Mini Handbook 04/2006 71ページ Appendix E:DNase Digestion of RNA before RNA Cleanupのプロトコールに従ってDNase処理した。
次いで、エタノール沈澱により、RNAを濃縮し、濃度を測定し、Bioanalyzer(Agilent社製2100)とRNA 6000 Nano Kit(カタログ番号5067−1511、Agilent社製)を用いて品質評価した。該Bioanalyzerによる分析結果として出力されるRNA integrity numberが8以上の場合cDNA合成へと進めた。
得られたRNA5μgを鋳型とし、SuperScript(登録商標)III First Strand Synthesis System(カタログ番号18080−051、Invitrogen社製)を用いて、添付のプロトコールに従って、cDNAを合成した。第一鎖合成プライマーとして、oligo(dT)20を用いた
得られたcDNA溶液を、滅菌したミリQ水を用いて、全量が21μLになるように調整し、そのうちの5μLをさらに1/20倍に希釈して、cDNAを含む希釈液2μLをリアルタイムPCRの鋳型として用いた。
リアルタイムPCRは、下記プライマーおよびリアルタイムPCRキットDYNAMO HS SYBR(登録商標) Green qPCR Kit(カタログ番号F−410L、FINNZYMES社製)を用い、サーマルサイクラーDNA Engine Opticon(登録商標) 2 System(MJ Research社製(現在はBio−Rad社に併合))を用いて各遺伝子を増幅した。
CHS1B Forward;GGTTGGGCTTACATTCCACTTAC (配列番号6)
CHS1B Reverse;GAGCGATCCAAAATAGAGAGTTCC (配列番号7)
CHS2 Forward;TCGGGCTACTAGGCAAGTTTTAAG (配列番号8)
CHS2 Reverse;CTGTGGTACTAAGCCCTTCTTTGG (配列番号9)
CHI Forward;TGGAACTAGGGGAGTGTCACC (配列番号10)
CHI Reverse;CATAGGCCAAATACAATAAGCCAAC (配列番号11)
なお、Myb12相対酵素発現量を指標とする場合には、以下のプライマーを用いてMyb12相対酵素発現量を測定することができる。
Myb12 Forward;GTTTCAGAGAAGAAGTAACGAGCAA (配列番号12)
Myb12 Reverse;TGTGGCCAACTGGGAAC (配列番号13)
GAPDHのプライマーとしては、以下のプライマーを用いた。
GAPDH Forward;GCAATCAAGGAGGAATCAGAGG (配列番号14)
GAPDH Reverse;CCAAATCAATCACACGGGAAC (配列番号15)
リアルタイムPCRの反応液組成は、2xMaster Mix 10μL、50μM Forward Primer 0.2μL、50μM Reverse Primer 0.2μL、ミリQ水 7.2μL、ROX(×50) 0.4μL、cDNAを含む希釈液2μLとした。
リアルタイムPCRの反応サイクルは、最初50℃/2分、95℃/15分の2ステップを経由して、(i)94℃/10秒、(ii)60.4℃/30秒、(iii)72℃/30秒、(iv)蛍光強度測定のサイクル((i)〜(iv))を46サイクル実施し、72℃/10分保持したのち、72℃から95℃の温度範囲で0.2℃/5秒刻みでメルティングカーブを計測した。
発現量を定量するための検量線は以下のように作成した。各遺伝子について、リアルタイムPCR解析用ソフトOpticon Monitor 3.1(Version 3.1.32.0)に示されるQuantitationグラフ(サイクル数と蛍光強度の関係)を用いて、最初に閾値蛍光強度(Threshold:0.08)に達しているサンプルを同定した。同定したcDNAサンプルの1/8倍、1/200倍、1/4000倍、1/80000倍、1/160000倍、1/320000倍、1/640000倍、1/1280000倍という8段階の希釈cDNA系列を用いて、閾値蛍光強度(Threshold:0.08)に達した時のサイクル数を取得し、このサイクル数と希釈率の間の関係を示す検量線を作成した。
検量線作成に用いた希釈系列と一緒に改めて全サンプルのリアルタイムPCR反応を実施し、各サンプルにおいて閾値蛍光強度(Threshold:0.08)に達しているサイクル数を求め、CHS1B、CHS2、CHI、GAPDHの各検量線からcDNA量を推定した。
各遺伝子についてのcDNA量の推定値をGAPDHのcDNA量の推定値で割った値を相対酵素発現量とし、CHSについてはCHS1BとCHS2の相対酵素発現量の和をCHSの相対酵素発現量とした。結果を表3および表4に示す。
DR5600種における各熟度別のカルコンシンターゼ(CHS)、カルコンイソメラーゼ(CHI)の相対酵素発現量は、催色期、桃熟期、完熟期のいずれにおいてもCHIよりもCHSの相対酵素発現量が多い。
一方、従来種である桃太郎種における各熟度別のカルコンシンターゼ(CHS)、カルコンイソメラーゼ(CHI)の相対酵素発現量は、催色期、桃熟期、完熟期のいずれにおいてもCHIよりもCHSの相対酵素発現量が少ないことがわかる
一方、従来種である桃太郎種における各熟度別のカルコンシンターゼ(CHS)、カルコンイソメラーゼ(CHI)の相対酵素発現量は、催色期、桃熟期、完熟期のいずれにおいてもCHIよりもCHSの相対酵素発現量が少ないことがわかる
表2〜4の結果から明らかなように、本発明のトマトは催色期、桃熟期、完熟期において、CHS相対酵素発現量がCHI相対酵素発現量よりも高いことにより、ナリンゲニンカルコンの生合成が活発でナリンゲニンカルコンが蓄積している。一方、従来種である桃太郎種では、いずれの熟度においても、とくに催色期や桃熟期でCHS相対酵素発現量がCHI相対酵素発現量よりも小さいため、ナリンゲニンカルコンが蓄積せず、食味に優れる完熟期において、ナリンゲニンカルコンを併せ持たないことがわかる。
配列番号1は、CHS1BのGenBankアクセッション番号X55194の塩基配列である。
配列番号2は、CHS2のGenBankアクセッション番号X55195の塩基配列である。
配列番号3は、CHIのDana−Farber Cancer Institute Tomato Gene Index(LeGI) release12のTentative Consensus TC205850の塩基配列である。
配列番号4は、Myb12のGenBankアクセッション番号EU419748の塩基配列である。
配列番号5は、GAPDHのGenBankアクセッション番号LEU97257の塩基配列である。
配列番号6は、CHS1Bのプライマーとして用いたForward配列である。
配列番号7は、CHS1Bのプライマーとして用いたReverse配列である。
配列番号8は、CHS2のプライマーとして用いたForward配列である。
配列番号9は、CHS2のプライマーとして用いたReverse配列である。
配列番号10は、CHIのプライマーとして用いたForward配列である。
配列番号11は、CHIのプライマーとして用いたReverse配列である。
配列番号12は、Myb12のプライマーとして用いたForward配列である。
配列番号13は、Myb12のプライマーとして用いたReverse配列である。
配列番号14は、GAPDHのプライマーとして用いたForward配列である。
配列番号15は、GAPDHのプライマーとして用いたReverse配列である。
配列番号2は、CHS2のGenBankアクセッション番号X55195の塩基配列である。
配列番号3は、CHIのDana−Farber Cancer Institute Tomato Gene Index(LeGI) release12のTentative Consensus TC205850の塩基配列である。
配列番号4は、Myb12のGenBankアクセッション番号EU419748の塩基配列である。
配列番号5は、GAPDHのGenBankアクセッション番号LEU97257の塩基配列である。
配列番号6は、CHS1Bのプライマーとして用いたForward配列である。
配列番号7は、CHS1Bのプライマーとして用いたReverse配列である。
配列番号8は、CHS2のプライマーとして用いたForward配列である。
配列番号9は、CHS2のプライマーとして用いたReverse配列である。
配列番号10は、CHIのプライマーとして用いたForward配列である。
配列番号11は、CHIのプライマーとして用いたReverse配列である。
配列番号12は、Myb12のプライマーとして用いたForward配列である。
配列番号13は、Myb12のプライマーとして用いたReverse配列である。
配列番号14は、GAPDHのプライマーとして用いたForward配列である。
配列番号15は、GAPDHのプライマーとして用いたReverse配列である。
Claims (4)
- カルコンシンターゼ相対酵素発現量がカルコンイソメラーゼ相対酵素発現量よりも高いトマト。
- トマト果実の熟度が完熟期、桃熟期および催色期から選択される、請求項1のトマト。
- カルコンシンターゼ含有量がカルコンイソメラーゼ含有量よりも高いトマト組成物。
- 組み換え遺伝子を含有しない、請求項1または2に記載のトマトおよび請求項3に記載のトマト組成物。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114517202A (zh) * | 2022-04-08 | 2022-05-20 | 山东农业大学 | 水通道蛋白基因SlPIP1;2在提高番茄对设施连作土壤抗性中的应用 |
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2010
- 2010-03-12 JP JP2010056529A patent/JP2011188778A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114517202A (zh) * | 2022-04-08 | 2022-05-20 | 山东农业大学 | 水通道蛋白基因SlPIP1;2在提高番茄对设施连作土壤抗性中的应用 |
CN114517202B (zh) * | 2022-04-08 | 2024-04-19 | 山东农业大学 | 水通道蛋白基因SlPIP1;2在提高番茄对设施连作土壤抗性中的应用 |
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