JP2011187860A - 半田付けパレット、プリント配線基板装置の製造方法、およびプリント配線基板装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子部品をプリント配線基板に半田付け実装する際、半田付けしない部分にフラックスの残渣が付着することにより起きる、プリント配線基板の短絡等の不具合を引き起こす。
【解決手段】プリント配線基板の所定の箇所に電子部品を半田付けする耐熱性樹脂材料からなる半田付けパレット1であって、少なくともフラックスが付着する部分6には、ガラス繊維が露出した半田付けパレット1を提供する。かかる構成により、半田付けパレット1のフラックスの残渣を非常に少なくすることができるので、半田付けパレット1に付着した埃等の異物に起因するプリント配線基板装置の不具合を非常に少なくすることができる。
【選択図】図2
【解決手段】プリント配線基板の所定の箇所に電子部品を半田付けする耐熱性樹脂材料からなる半田付けパレット1であって、少なくともフラックスが付着する部分6には、ガラス繊維が露出した半田付けパレット1を提供する。かかる構成により、半田付けパレット1のフラックスの残渣を非常に少なくすることができるので、半田付けパレット1に付着した埃等の異物に起因するプリント配線基板装置の不具合を非常に少なくすることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、プリント配線基板に電子部品を半田付けする際に用いる半田付けパレット、および該半田付けパレットを用いたプリント配線基板装置の製造方法等に関する。
プリント配線基板に形成された多数のスルーホールに電子部品のリードを挿入した後、プリント配線基板をフロー半田槽(以下、「半田槽」と称す。)に投入し、プリント配線基板に電子部品を半田付けするフロー半田付け(以下、「半田付け」と称す。)が一般に行われている(例えば、特許文献1〜4参照)。
また、かかる半田付けを行うに際し、プリント配線基板を半田付けパレットに取り付ける(保持する)技術が開示されている(例えば、特許文献5〜12参照)。
ここで、半田付けパレットを用いた一般的な半田付け方法について説明する。
まず、少なくとも半田付けする箇所の上面と裏面を貫通した開口が設けられた半田付けパレットに、プリント配線基板の裏面が半田付けパレットの上面に位置するようにプリント配線基板を取り付ける。プリント配線基板の取り付けは、市販されているクランプ等の一般的な部品を用いて行う。
ここで、半田付けパレットを用いた一般的な半田付け方法について説明する。
まず、少なくとも半田付けする箇所の上面と裏面を貫通した開口が設けられた半田付けパレットに、プリント配線基板の裏面が半田付けパレットの上面に位置するようにプリント配線基板を取り付ける。プリント配線基板の取り付けは、市販されているクランプ等の一般的な部品を用いて行う。
次に、市販されている電子部品挿入装置を用いて、半田付けパレットに取り付けられたプリント配線基板の貫通孔に、プリント配線基板の表面から電子部品のリード端子を挿入する。そして、プリント配線基板の裏面に溶融半田の接着性を向上させるためのフラックスを塗布し、半田付けパレットの下面を半田槽の溶融半田に浸漬する。
このとき、半田付けパレットの開口から溶融半田が流れ込むので、開口に位置したプリント配線基板の裏面の部分が溶融半田と接触し、プリント配線基板と電子部品のリードが半田付けされる。その後、半田付けパレットからプリント配線基板を取り外すと所望のプリント配線基板装置を得ることができる。プリント配線基板装置とは、プリント配線基板に各種電子部品が半田付けされたものをいう。
前記した半田付け方法において、プリント配線基板の裏面にフラックスを塗布する際に、半田付けパレットの裏面等にもフラックスが付着する。半田槽を通した後、半田付けパレットにフラックスの残渣が付着していると、作業者が半田付けパレットを上流の工程に戻す際や、プリント配線基板を半田付けパレットに取り付ける際に、半田パレットの裏面に埃等の異物が付着する。フラックスは粘着性を有しているため、フラックスの残渣も粘着性を有しているからである。
半田付けパレットの裏面に付着した異物は、半田槽において半田付けパレットの裏面から離脱した後、プリント配線基板の裏面に付着し、短絡(ショート)等の不具合を引き起こすという問題がある。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、フラックスの残渣が付着し難い半田付けパレットを提供することを目的とする。
(第1発明)
第1発明は、プリント配線基板の所定の箇所に、フラックスを用いて電子部品を半田付けする耐熱性樹脂材料からなる半田付けパレットであって、半田付けパレットのフラックスが付着する部分には、ガラス繊維が露出したことを特徴とする。
第1発明は、プリント配線基板の所定の箇所に、フラックスを用いて電子部品を半田付けする耐熱性樹脂材料からなる半田付けパレットであって、半田付けパレットのフラックスが付着する部分には、ガラス繊維が露出したことを特徴とする。
かかる構成により、ガラス繊維が露出した部分へのフラックスの残渣の付着量を非常に少なくすることができるので、かかるフラックスの残渣への埃等の異物の付着を非常に少なくすることができる。このため、プリント配線基板の半田付け時に、当該異物に起因する短絡等の不良を非常に少なくすることができ、品質の高いプリント配線基板装置を製造することができる。
(第2発明)
第2発明の半田付けパレットは、第1発明において、耐熱性樹脂材料はガラス繊維を含有したものであり、耐熱性樹脂材料の一部をブラスト処理等の表面処理をすることにより、フラックスが付着する部分にガラス繊維を露出させたことを特徴とする。かかる構成であっても、前記した第1発明と同じ効果を得ることができる。
第2発明の半田付けパレットは、第1発明において、耐熱性樹脂材料はガラス繊維を含有したものであり、耐熱性樹脂材料の一部をブラスト処理等の表面処理をすることにより、フラックスが付着する部分にガラス繊維を露出させたことを特徴とする。かかる構成であっても、前記した第1発明と同じ効果を得ることができる。
(第3発明)
第3発明のプリント配線基板装置の製造方法は、第1発明または第2発明に記載の半田付けパレットの半田付けパレットにプリント配線基板を取り付け、プリント配線基板の表面から所定の位置に電子部品を挿入し、プリント配線基板の裏面にフラックスを塗布し、半田付けパレットを溶融半田が噴流する半田槽に搬送してプリント配線基板に電子部品を半田付けすることを特徴とする。
第3発明のプリント配線基板装置の製造方法は、第1発明または第2発明に記載の半田付けパレットの半田付けパレットにプリント配線基板を取り付け、プリント配線基板の表面から所定の位置に電子部品を挿入し、プリント配線基板の裏面にフラックスを塗布し、半田付けパレットを溶融半田が噴流する半田槽に搬送してプリント配線基板に電子部品を半田付けすることを特徴とする。
(第4発明)
第4発明は、第3発明に記載のプリント配線基板装置の製造方法により製造されたプリント配線基板装置を提供するものである。
第4発明は、第3発明に記載のプリント配線基板装置の製造方法により製造されたプリント配線基板装置を提供するものである。
第3発明および第4発明は、前記した第1発明または第2発明の効果を奏し、従来よりも品質の良いプリント配線基板装置を提供することができる。
本発明は、半田付けパレットのフラックスの残渣を非常に少なくすることができるので、半田付けパレットに付着した埃等の異物に起因するプリント配線基板装置の不具合を非常に少なくすることができる。
以下に、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、実施例により何ら限定されるものではない。
本発明の一実施例を、図1〜図5を用いて説明する。
図1は本発明に係る半田付けパレット1の平面図、図2は図1に示す半田付けパレットの底面図、図3は図1に示す半田付けパレット1の正面図、図4は図1に示す半田付けパレット1の側面図、図5は図1の半田付けパレット1にプリント配線基板10を取り付けたときの平面図である。
図1は本発明に係る半田付けパレット1の平面図、図2は図1に示す半田付けパレットの底面図、図3は図1に示す半田付けパレット1の正面図、図4は図1に示す半田付けパレット1の側面図、図5は図1の半田付けパレット1にプリント配線基板10を取り付けたときの平面図である。
〔半田付けパレット〕
図1〜図4に示すように、本発明に係る半田付けパレット1は、縦:460mm×横:390mm×高さ:30mmの耐熱性樹脂材料としての高耐熱ガラス布基材エポキシ樹脂積層板(利昌工業株式会社、リコセルES−3261A)からなるマスクキャリア4と、マスクキャリア4に回動可能に固定された複数の金属(例えば、アルミニウム)製のノブ8とからなる。
図1〜図4に示すように、本発明に係る半田付けパレット1は、縦:460mm×横:390mm×高さ:30mmの耐熱性樹脂材料としての高耐熱ガラス布基材エポキシ樹脂積層板(利昌工業株式会社、リコセルES−3261A)からなるマスクキャリア4と、マスクキャリア4に回動可能に固定された複数の金属(例えば、アルミニウム)製のノブ8とからなる。
マスクキャリア4は、上面(図3の紙面上側)にプリント配線基板10を載せて保持する載置部2を備え、下面(図3の紙面下側)に溶融半田を接触させたときにプリント配線基板10に電子部品を半田付けするための溶融半田を侵入させる開口7を備えている。開口7は、半田付けパレット1の上面と下面を貫通する貫通孔である。
マスクキャリア4は、プリント配線基板10を載置し、プリント配線基板10の外周面と対向する対向面3を備えた載置部2と、載置部2への溶融半田の流れ込みを防止するために載置部2を取り囲むように設けられた防止枠5と、プリント配線基板10の裏面を溶融半田に接触させるために載置部2に設けられた貫通孔である開口7が、フライス盤のエンドミル等を用いて切削加工されて形成されている。
マスクキャリア4の対向面3の外側近傍には、図1に示すように、プリント配線基板10を保持するための4個(複数)のノブ8が設けられている。ノブ8は、待避させた状態で(図1)、載置部2にプリント配線基板10を載置した後、ノブ8の一部がプリント配線基板10の上面に位置するように回転軸8aを中心に回動させると、プリント配線基板10をマスクキャリア4に保持することができる(図4)。ここで、「回動」とは、正逆方向に円運動することをいう。
また、マスクキャリア4の裏面には、開口部7に溶融半田が流れ込み易くするための溝9が半田付けパレット1の進行方向(X軸方向)に沿って形成されている。そして、図2〜図4に示すように、半田付けパレット1のフラックスが付着する部分を含むエリア6(図2のハッチング部分)は、ブラスト処理することにより、ガラス繊維を露出させている。尚、ガラス繊維を露出させたエリア6は、フラックスが付着する部分のみでも良いが、フラックスは、フラックス塗布装置のノズルより噴霧されるので、安全を見て広めに設定している。本実施例1においては、ガラス繊維を露出させたエリア6は、図2に示すように、半田付けパレット1の裏面全体に設定した。
〔プリント配線基板装置の製造方法〕
次に、前記した半田付けパレット1を用いたプリント配線基板装置の製造方法について説明する。
次に、前記した半田付けパレット1を用いたプリント配線基板装置の製造方法について説明する。
まず、半田付けパレット1と、プリント配線基板10を準備する。そして、半田付けパレット1の載置部2にプリント配線基板10を置き、ノブ8の一部がプリント配線基板10の上面に位置するように、回転軸8aを中心にノブ8を回動する。そうすると、プリント配線基板10が半田付けパレット1に取り付けられる(図5)。そして、市販されている電子部品挿入装置を用いて、半田付けパレット1に取り付けられたプリント配線基板10の貫通孔に、プリント配線基板10の表面から電子部品のリード端子を挿入する。
次に、半田付けパレット1に取り付けられ、電子部品が挿入されたプリント配線基板10の裏面に、溶融半田の接着性を向上させるためのフラックスを、市販されているフラックス塗布装置を用いて塗布する。この際、少なくとも電子部品を半田付けする箇所にフラックスを塗布するが、塗布したフラックスの一部は半田付けパレット1のガラス繊維を露出させたエリア6に付着する。
その後、半田付けパレット1は予備加熱された後半田槽に投入され、プリント配線基板10の裏面の一部が溶融半田と接触し、プリント配線基板10と電子部品のリード端子が半田付けされる。そして、半田付けパレット1からプリント配線基板10を取り外すことにより、プリント配線基板装置が完成する。
半田付けパレット1のエリア6に付着したフラックスは、予備加熱および溶融半田の熱により揮発成分(イソプロピルアルコール)が揮発し、その他の不揮発成分が溶融半田の噴流により掻き落とされ半田槽の中に落ちる。このため、半田付けパレット1のエリア6付着したフラックスの残渣を微量にすることができる。つまり、本発明に係る半田付けパレット1は、フラックスの残渣に埃等の異物が付着し難いので、繰り返して使用されても、当該異物に起因するプリント配線基板装置の不良を非常に少なくすることができ、品質の良いプリント配線基板装置の製造方法を提供できる。
他の実施例を図6および図7を用いて説明する。
尚、実施例1と同一の部分は、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
尚、実施例1と同一の部分は、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
実施例2は、実施例1において、図6および図7に示すように、半田付けパレット11の側面等の一部にもガラス繊維を露出させたものである。つまり、実施例1は半田付けパレットの裏面のみ(溶融半田が接触する部分の一部)にガラス繊維を露出させたエリア6を設けたが、実施例2は、半田付けパレットに溶融半田が接触する部分全体にガラス繊維を露出させた部分6を設けたものである。
かかる構成により、前記した実施例1の効果が得られるのみならず、溶融半田に溶け込んだフラックスの不揮発成分の一部が半田付けパレット11の側面に付着し、フラックスの残渣となることも防止できる。
前記した実施例は、説明のために例示したものであって、本発明としてはそれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲、明細書および図面の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更、削除および付加が可能である。
例えば、前記した実施例1において、図8に示すように、フラックスが付着する部分のみに、ガラス繊維6を露出させたエリア6を設けても良い。また、ガラス繊維を含有していない耐熱性樹脂材料によりマスクキャリア4を加工し、その表面にガラス繊維を含有した塗料を塗布しても良いし、ガラス繊維からなるメッシュ状のシートを張り合わせても良い。
また、実施例1において、ノブ8の材質としてアルミニウムを例示したが、耐熱性樹脂やガラスを採用しても良い。また、半田付けパレット1の進行方向とは直角方向(Y軸方向)の両側に、フロー半田槽へ半田付けパレット1を搬送するためのガイドを設けても良い。また、溝9は、テーパー形状にしてもよい。
また、半田付けパレット1に載置部2を複数設け、プリント配線基板10を複数取り付けられるようにしてもよい。この場合、一度に複数のプリント配線基板10の半田付けを行うことができる。
1 半田付け用パレット
2 載置部
3 対向面
4 マスクキャリア
5 防止枠
6 ガラス繊維を露出させた部分
7 開口
8 押さえノブ
8a 回転軸、
9 溝
10 プリント配線基板
2 載置部
3 対向面
4 マスクキャリア
5 防止枠
6 ガラス繊維を露出させた部分
7 開口
8 押さえノブ
8a 回転軸、
9 溝
10 プリント配線基板
Claims (4)
- プリント配線基板の所定の箇所に、フラックスを用いて電子部品を半田付けする耐熱性樹脂材料からなる半田付けパレットであって、
該半田付けパレットは、少なくともフラックスが付着する部分においてガラス繊維を露出させたことを特徴とする半田付けパレット - 前記耐熱性樹脂材料は、ガラス繊維を含有しており、
該耐熱性樹脂材料の一部を表面処理することにより、フラックスが付着する部分にガラス繊維を露出させた請求項1に記載の半田付けパレット - 請求項1または請求項2に記載の半田付けパレットにプリント配線基板を取り付け、
該プリント配線基板の表面から所定の位置に電子部品を挿入し、
該プリント配線基板の裏面にフラックスを塗布し、
前記半田付けパレットを溶融半田が噴流する半田槽に搬送して前記プリント配線基板に電子部品を半田付けするプリント配線基板装置の製造方法 - 請求項3に記載のプリント配線基板装置の製造方法により製造されたプリント配線基板装置
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010054126A JP2011187860A (ja) | 2010-03-11 | 2010-03-11 | 半田付けパレット、プリント配線基板装置の製造方法、およびプリント配線基板装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2010054126A JP2011187860A (ja) | 2010-03-11 | 2010-03-11 | 半田付けパレット、プリント配線基板装置の製造方法、およびプリント配線基板装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011187860A true JP2011187860A (ja) | 2011-09-22 |
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Family Applications (1)
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JP2010054126A Pending JP2011187860A (ja) | 2010-03-11 | 2010-03-11 | 半田付けパレット、プリント配線基板装置の製造方法、およびプリント配線基板装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2011187860A (ja) |
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2010
- 2010-03-11 JP JP2010054126A patent/JP2011187860A/ja active Pending
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