JP2011187398A - 電気化学素子用セパレータおよび電気化学素子 - Google Patents

電気化学素子用セパレータおよび電気化学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 安全性に優れた電気化学素子と、該電気化学素子を構成し得る電気化学素子用セパレータとを提供する。
【解決手段】 熱可塑性樹脂を主体とする微多孔膜からなる多孔質層(I)と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含み、かつ熱機械分析により測定される多孔質層(I)を構成する前記微多孔膜のTD方向における最初の応力ピークのピークトップ温度よりも、低い温度に融点を有するポリオレフィンを含有する多孔質層(II)とを有することを特徴とする電気化学素子用セパレータと、該セパレータを有する電気化学素子により、前記課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、安全性に優れた電気化学素子と、該電気化学素子を構成し得る電気化学素子用セパレータに関するものである。
リチウム二次電池などの電気化学素子は、エネルギー密度が高いという特徴から、携帯電話やノート型パーソナルコンピューターなどの携帯機器の電源として広く用いられている。例えば、リチウム二次電池では、携帯機器の高性能化に伴って高容量化が更に進む傾向にあり、安全性の確保が重要となっている。
現行のリチウム二次電池では、正極と負極の間に介在させるセパレータとして、例えば厚みが20〜30μm程度のポリオレフィン系の微多孔膜が使用されている。また、セパレータの素材としては、電池の熱暴走温度以下でセパレータの構成樹脂を溶融させて空孔を閉塞させ、これにより電池の内部抵抗を上昇させて短絡の際などに電池の安全性を向上させる所謂シャットダウン効果を確保するため、融点の低いポリエチレンが適用されることがある。また、高温に曝されたときの正負極間におけるセパレータの強度、例えば破膜強度を高く保つために、超高分子量ポリエチレンと高分子量ポリエチレンと可塑剤とを混練し、これを原料としてセパレータを製造することもある。
更に、こうしたセパレータとしては、例えば、多孔化と強度向上のために一軸延伸または二軸延伸したフィルムが用いられている。このようなセパレータは、単独で存在する膜として供給されるため、作業性などの点で一定の強度が要求され、これを前記延伸によって確保している。そして、高温での熱収縮を抑えるために、前記延伸後に熱固定および熱緩和などの熱処理も行っている。
このように、従来のポリオレフィン製微多孔膜からなるセパレータでは、高温時のシャットダウン特性確保や耐破膜性の向上、熱収縮の抑制などが図られているが、シャットダウンは、セパレータの構成樹脂の融点近くになると孔の間隔が狭くなり、最終的には構成樹脂が溶融して孔を塞ぐことで生じることから、実際には、セパレータの熱収縮とシャットダウンとがほぼ同時に起こる。そのため、セパレータの孔が十分に閉塞せずに電流が直ちに減少できなかった場合には、セパレータの収縮によって、正極と負極とが直接接触することによる短絡発生の危険性がある。
このようなセパレータの熱収縮による短絡を防止し、電池の信頼性を高める技術として、例えば、シャットダウン機能を確保するための樹脂を主体として含む第1セパレータ層と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む第2セパレータ層とを有する多孔質のセパレータを用いて電気化学素子を構成することが提案されている(特許文献1)。
特許文献1の技術によれば、異常過熱した際にも熱暴走が生じ難い安全性に優れたリチウム二次電池などの電気化学素子を提供することができる。
国際公開第2007/66768号公報
通常のポリオレフィン製微多孔膜からなるセパレータを用いた電気化学素子におけるシャットダウンは、前記の通り、セパレータが収縮しつつ、その構成樹脂が溶融することで、セパレータの空孔が塞がれることにより起こる。セパレータの収縮は、セパレータの構成樹脂の融点よりも低い温度で徐々に開始するため、シャットダウンの開始温度は、セパレータの構成樹脂の融点よりも低い温度となることが通常である。
一方、特許文献1に記載の電気化学素子においては、シャットダウン機能を確保するための第1セパレータ層の収縮が、第2セパレータ層の作用によって高度に抑制されていることから、シャットダウンは第1セパレータ層の構成樹脂の融点が支配的となり、この融点よりも低い温度ではシャットダウンが開始し難い。
特許文献1に記載の電気化学素子では、内部が高温になっても、セパレータ全体の収縮が抑制されており、また、殆ど収縮しない高耐熱性の第2セパレータ層が正極と負極との間に存在していることから、シャットダウンの開始温度が比較的高温となっても、その間に正極と負極との接触を防止できるため、その熱暴走を良好に抑制でき、従来のポリオレフィン製微多孔膜からなるセパレータを用いた電気化学素子よりも高い安全性を有している。
しかしながら、電気化学素子内では、温度が高いほど正極材料や負極材料などの熱安定性が低くなり、素子内での発熱も大きいことから、できるだけ低い温度でシャットダウンが開始され、正負極間でのイオンの移動が阻害されることで、素子内の温度上昇が早期に防止されることが望ましいといった事情もあり、特許文献1に記載の技術は、このような点で未だ改善の余地を残している。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、安全性に優れた電気化学素子と、該電気化学素子を構成し得る電気化学素子用セパレータとを提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の電気化学素子用セパレータは、熱可塑性樹脂を主体とする微多孔膜からなる多孔質層(I)と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含み、かつ熱機械分析により測定される多孔質層(I)を構成する前記微多孔膜のTD方向における最初の応力ピークのピークトップ温度よりも、低い温度に融点を有するポリオレフィンを含有する多孔質層(II)とを有することを特徴とするものである。
また、本発明の電気化学素子は、正極、負極およびセパレータを重ねて巻回した巻回電極体と、非水電解液とを有する電気化学素子であって、前記セパレータが、本発明の電気化学素子用セパレータであることを特徴とするものである。
なお、本明細書でいう「耐熱温度が150℃以上」とは、少なくとも150℃において軟化などの変形が見られないことを意味している。
また、本明細書でいうセパレータに係る多孔質層(I)における「熱可塑性樹脂を主体とする」とは、多孔質層(I)内の固形分比率で、熱可塑性樹脂が50体積%以上であることを意味している。更に、本明細書でいうセパレータに係る多孔質層(II)における「耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む」とは、層内の固形分比率で、耐熱温度が150℃以上のフィラーが50体積%以上であることを意味している。
本発明によれば、安全性に優れた電気化学素子と、該電気化学素子を構成し得る電気化学素子用セパレータとを提供することができる。
本発明の電気化学素子用セパレータ(以下、単に「セパレータ」という場合がある)は、熱可塑性樹脂を主体とする微多孔膜からなる多孔質層(I)と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含み、かつ特定の融点を有するポリオレフィンを含有する多孔質層(II)とを有している。
本発明のセパレータは、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む多孔質層(II)の作用によって、素子内部の内部温度が上昇した際にも正極と負極との直接の接触による短絡を防止する機能を備えている。すなわち、電気化学素子が高温となった場合には、喩え多孔質層(I)が収縮しても、収縮し難い多孔質層(II)によって、セパレータが熱収縮した場合に発生し得る正負極の直接の接触による短絡を防止することができる。また、多孔質層(I)と多孔質層(II)が一体化した構成の場合には、この耐熱性の多孔質層(II)が、セパレータの骨格として作用し、多孔質層(I)の熱収縮、すなわちセパレータ全体の熱収縮を抑制する。
一方、本発明のセパレータにおいて、多孔質層(I)は、主にシャットダウン機能を確保するためのものであり、このセパレータを用いた電気化学素子(本発明の電気化学素子)の内部温度が上昇した際には、多孔質層(I)を構成する熱可塑性樹脂が溶融してセパレータの空孔を塞ぎ、電気化学反応の進行を抑制する。
しかしながら、前記の通り、多孔質層(I)は多孔質層(II)の作用によって、その熱収縮が抑制されているため、多孔質層(I)の作用によるシャットダウンは、多孔質層(I)を構成する熱可塑性樹脂が溶融し始めることで開始する。
そこで、本発明の電気化学素子用セパレータでは、従来のポリオレフィン製微多孔膜からなるセパレータが、熱収縮し始めることでシャットダウンが開始することに着目し、多孔質層(I)を構成する微多孔膜について、熱機械分析(TMA)により測定されるTD方向[多孔質層(I)を構成する微多孔膜の製造方向(MD方向)に直交する方向]における最初の応力ピークのピークトップ温度を基準とし、この温度よりも低い温度に融点を有するポリオレフィンを多孔質層(II)に含有させて、多孔質層(I)によるシャットダウンの開始前から、多孔質層(II)の前記ポリオレフィンによってシャットダウンが開始できるようにした。
本発明の電気化学素子では、本発明のセパレータにおける前記の各作用によって、素子内部が異常過熱した際にも、熱暴走を早期に抑制できるようにして、その安全性を高めている。
また、前記の通り、本発明のセパレータでは、シャットダウンがより低温度で開始し、多孔質層(I)の熱収縮が生じる温度に到達する前に、電池反応を抑制することができる。そのため、多孔質層(II)を薄くして、セパレータ全体の熱収縮を抑制する機能を多少小さくしても、電気化学素子の安全性を良好に維持し得ることから、セパレータ全体の厚みを小さくして、電気化学素子の高容量化を図ることもできる。
更に、本発明のセパレータに係る多孔質層(II)は、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含んでおり、これにより層の機械的強度を確保できることから、例えば、従来のポリオレフィン製微多孔膜からなるセパレータに比べて、ポリオレフィンの選択肢の幅が広い。そのため、多孔質層(I)を構成する微多孔膜の熱機械分析(TMA)により測定されるTD方向における最初の応力ピークのピークトップ温度よりも低い融点を有するものであれば、種々の融点を有するポリオレフィンを選択可能であり、これにより、セパレータのシャットダウン開始温度を、所望の温度に設定することができる。
なお、前記ポリオレフィンの融点を決定するにあたり、多孔質層(I)を構成する微多孔膜の最初の応力ピークのピークトップ温度をTD方向について求め、これを基準とするのは、以下の理由による。電気化学素子には、通常、正極と負極とをセパレータを介しつつ重ね合わせた積層電極体や、これを更に渦巻状に巻回した巻回電極体が使用されており、特に高容量化などの点で巻回電極体が使用されることが多い。
巻回電極体は、例えば、帯状の正極を巻き取った正極ロール、帯状の負極を巻き取った負極ロール、および帯状のセパレータを巻き取ったセパレータロールから、それぞれ正極、負極およびセパレータを引き出して重ね合わせ、渦巻状に巻回して製造される。よって、巻回電極体における巻回方向に平行な方向が、セパレータのMD方向となり、巻回方向に直交する方向(巻回軸に平行な方向)が、セパレータのTD方向となることが通常である。
巻回電極体では、例えばその両端面での正極と負極との接触を防止するために、セパレータの巻回方向に直交する方向の長さを、正極および負極よりも長くし、巻回電極体の両端面において、セパレータが正極および負極からはみ出すようにしているが、素子内が高温となってセパレータが収縮すると、巻回電極体の両端部の近傍で正極と負極とが直接接触し、これにより短絡が生じる虞がある。
このように、巻回電極体を有する電気化学素子において、高温時の短絡の問題は、主にセパレータの巻回方向に直交する方向、すなわちセパレータのTD方向の熱収縮特性と大きく関わっている。よって、本発明のセパレータでは、多孔質層(I)を構成する微多孔膜のTD方向について、TMAにより測定される最初の応力ピークのピークトップ温度[多孔質層(I)のTD方向において熱収縮の起こる温度に相当する]を基準とし、これよりも低温度で溶融し得るポリオレフィンを多孔質層(II)に含有させて、より低温度でシャットダウンを開始できるようにしている。
多孔質層(I)を構成する微多孔膜の、TMAにより測定される最初の応力ピークのピークトップ温度は、シャットダウンの開始温度が高くなりすぎる虞があることから、150℃以下であることが好ましく、また、熱的強度が小さくなりすぎることを抑える観点から、120℃以上であることが好ましい。
なお、本明細書でいう「多孔質層(I)を構成する微多孔膜の、TMAにより測定される最初の応力ピークのピークトップ温度」は、以下の方法により測定される温度である。多孔質層(I)を構成する微多孔膜から、長さ(TD方向)10mm、幅4mmの測定試料を切り出す。そして、熱機械分析装置(例えば、SII社製「EXSTAR7000」)を使用し、前記の測定試料を引張用プローブに装着し、初期荷重を1gとして、5℃/minの昇温速度で室温から200℃まで測定を行い、これにより得られる温度−応力曲線から、最初の応力ピークのピークトップ温度を求める。なお、前記の「ピークトップ温度」とは、前記の条件下で温度を室温から昇温させた際に、最初に出現する応力ピーク内において最大応力値を示すときの温度をいう。
下記構成の多孔質層(I)(それを構成する微多孔膜)を用いることで、前記の特性を確保することができる。
セパレータの多孔質層(I)の主体となる熱可塑性樹脂は、電気絶縁性を有しており、電気化学的に安定で、更に後で詳述する電気化学素子の有する非水電解液(以下、「電解液」と省略する場合がある)や、セパレータ製造の際に使用する溶媒(詳しくは後述する)に安定な熱可塑性樹脂であれば特に制限は無いが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレートや共重合ポリエステルなどのポリエステル;などが好ましい。
なお、シャットダウン温度との関係から、多孔質膜(I)は、融点、すなわち、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度が、110℃以上170℃の熱可塑性樹脂を、その構成成分とするものがより好ましく、PEを主成分とする単層の微多孔膜であるか、PEとPPとを2〜5層積層した積層微多孔膜(PE層とPP層とを有する2層構造の微多孔膜;PE層/PP層/PE層が順次積層されて構成された微多孔膜や、PP層/PE層/PP層が順次積層されて構成された3層構造の微多孔膜;など)などであることが好ましい。
PEのように融点が110℃以上150℃以下の熱可塑性樹脂と、PPなどのように、融点が150℃を超える熱可塑性樹脂とを併用して多孔質層(I)を構成する場合、例えば、PEと、PPなどのPEよりも高融点の樹脂とを混合して構成された微多孔膜を多孔質層(I)としたり、PE層と、PP層などのPEよりも高融点の樹脂で構成された層とを積層して構成された積層微多孔膜を多孔質層(I)としたりする場合には、多孔質層(I)を構成する熱可塑性樹脂中、融点が110℃以上150℃以下の樹脂(例えばPE)が、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
前記のような微多孔膜としては、例えば、従来から知られているリチウム二次電池などの電気化学素子で使用されている前記例示の熱可塑性樹脂で構成された微多孔膜、すなわち、溶剤抽出法、乾式または湿式延伸法(特に湿式二軸延伸法や乾式一軸延伸法)などにより作製されたイオン透過性の微多孔膜を用いることができる。
また、多孔質層(I)には、セパレータにシャットダウン機能を付与する作用を損なわない範囲で、その強度などを向上するためにフィラーなどを含有させることもできる。多孔質層(I)に使用可能なフィラーとしては、例えば、後述する多孔質層(II)に使用可能なフィラー(耐熱温度が150℃以上のフィラー)と同じものが挙げられる。
フィラーの粒径は、平均粒径で、例えば、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.1μm以上であって、好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下である。なお、本明細書でいう平均粒径は、フィラーを溶解しない媒体(例えば水)に、フィラーを分散させて測定される体積基準の積算分率50%における粒子直径(D50%)である[後述する多孔質層(II)に係るフィラーおよびポリオレフィン粒子についても同じである。]。
多孔質層(I)における熱可塑性樹脂の含有量は、シャットダウンの効果をより得やすくするために、例えば、下記のようであることが好ましい。多孔質層(I)の全構成成分中において主体となる熱可塑性樹脂の体積は、50体積%以上であり、70体積%以上であることがより好ましく、100体積%であってもよい。更に、後記の方法により求められる多孔質層(II)の空孔率が20〜60%であり、かつ熱可塑性樹脂の体積が、多孔質層(II)の空孔体積の50%以上であることが好ましい。
セパレータに係る多孔質層(II)が主体として含む耐熱温度が150℃以上のフィラーとしては、電気化学素子の有する非水電解液に対して安定であり、更に電気化学素子の作動電圧範囲において酸化還元されにくい電気化学的に安定なものであれば、有機粒子でも無機粒子でもよいが、分散などの点から微粒子であることが好ましく、安定性(特に耐酸化性)などの点から無機微粒子がより好ましく用いられる。
無機粒子の構成材料の具体例としては、例えば、酸化鉄、Al(アルミナ)、SiO(シリカ)、TiO、BaTiO、ZrOなどの無機酸化物;窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの無機窒化物;フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウムなどの難溶性のイオン結晶;シリコン、ダイヤモンドなどの共有結合性結晶;モンモリロナイトなどの粘土;などが挙げられる。ここで、前記無機酸化物は、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、マイカなどの鉱物資源由来物質またはこれらの人造物などであってもよい。また、金属、SnO、スズ−インジウム酸化物(ITO)などの導電性酸化物、カーボンブラック、グラファイトなどの炭素質材料などで例示される導電性材料の表面を、電気絶縁性を有する材料(例えば、前記の無機酸化物など)で被覆することにより電気絶縁性を持たせた粒子であってもよい。無機粒子としては、多孔質層(II)の耐酸化性をより高める観点から、前記の無機酸化物の粒子(微粒子)が好ましく、中でも、アルミナ、シリカおよびベーマイトなどがより好ましい。
また、有機粒子(有機粉末)としては、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリスチレン、架橋ポリジビニルベンゼン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体架橋物、ポリイミド、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物などの各種架橋高分子粒子や、ポリスルフォン、ポリアクリロニトリル(PAN)、アラミド、ポリアセタール、熱可塑性ポリイミドなどの耐熱性高分子粒子などが例示できる。また、これらの有機粒子を構成する有機樹脂(高分子)は、前記例示の材料の混合物、変性体、誘導体、共重合体(ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体)、架橋体(前記の耐熱性高分子の場合)であってもよい。
耐熱温度が150℃以上のフィラーは、前記例示のもののうち1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
耐熱温度が150℃以上のフィラーの形態としては、例えば、球状に近い形状を有していてもよく、板状の形状を有していてもよいが、多孔質層(II)に含まれる前記フィラーの少なくとも一部が板状粒子であることが好ましい。前記フィラーの全てが板状粒子でもよい。多孔質層(II)が板状粒子を含有することで、板状粒子同士の衝突によって多孔質膜(A)が収縮する力を抑制することが可能となる。また、板状粒子を用いることでセパレータにおける正極負極間の経路、すなわち所謂曲路率が大きくなる。そのため、デンドライトが生成した場合でも、該デンドライトが負極から正極に到達し難くなり、デンドライトショートに対する信頼性を高めることができる。
板状の前記フィラーとしては、各種市販品が挙げられ、例えば、旭硝子エスアイテック社製「サンラブリー(商品名)」(SiO)、石原産業社製「NST−B1(商品名)」の粉砕品(TiO)、堺化学工業社製の板状硫酸バリウム「Hシリーズ(商品名)」、「HLシリーズ(商品名)」、林化成社製「ミクロンホワイト(商品名)」(タルク)、林化成社製「ベンゲル(商品名)」(ベントナイト)、河合石灰社製「BMM(商品名)」や「BMT(商品名)」(ベーマイト)、河合石灰社製「セラシュールBMT−B(商品名)」[アルミナ(Al)]、キンセイマテック社製「セラフ(商品名)」(アルミナ)、斐川鉱業社製「斐川マイカ Z−20(商品名)」(セリサイト)などが入手可能である。この他、SiO、Al、ZrO、CeOについては、特開2003−206475号公報に開示の方法により作製することができる。
前記フィラーが板状粒子の場合の形態としては、アスペクト比(板状粒子中の最大長さと板状粒子の厚みとの比)が、好ましくは5以上、より好ましくは10以上であって、好ましくは100以下、より好ましくは50以下である。本明細書でいう板状粒子におけるアスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像を画像解析することにより求められる値である。
また、板状の前記フィラーは、薄いと衝撃によって割れやすいという問題があることから、その平均厚みが、0.02μm以上であることが好ましく、0.05μm以上であることがより好ましい。ただし、板状の前記フィラーの厚みが大きすぎると、セパレータが厚くなって、放電容量が低下したり、電気化学素子の作製時に多孔質層(B)が割れやすくなることから、その平均厚みは、0.7μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましい。
板状の前記フィラーの平均厚みは、セパレータの断面をSEMにより観察し、フィラー100個の厚みの平均値(数平均値)として求められる。
また、多孔質層(II)に含まれる前記フィラーの少なくとも一部が、一次粒子が凝集した二次粒子構造を有する微粒子であることが好ましい。前記フィラーの全部が、前記二次粒子構造を有する微粒子であってもよい。多孔質層(II)が前記二次粒子構造のフィラーを含有することで、前述した板状粒子を用いた場合と同様の熱収縮抑制効果や、デンドライトショートの抑制効果を得ることができる。前記二次粒子構造のフィラーの例としては、大明化学社製「ベーマイト C06(商品名)」、「ベーマイト C20(商品名)」(ベーマイト)、米庄石灰工業社製「ED−1(商品名)」(CaCO)、J.M.Huber社製「Zeolex 94HP(商品名)」(クレイ)などが挙げられる。
多孔質層(II)に係る前記フィラーの平均粒径は、例えば、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.1μm以上であって、好ましくは15μm以下、より好ましくは5μm以下である。
また、多孔質層(II)には、TMAにより測定される多孔質層(I)を構成する微多孔膜の、TD方向における最初の応力ピークのピークトップ温度よりも低い温度に融点を有するポリオレフィン(以下、「低融点ポリオレフィン」という)を含有させる。
多孔質層(II)に含有させる低融点ポリオレフィンとしては、融点、すなわち、JIS K 7121の規定に準じて、DSCを用いて測定される融解温度が90℃以上130℃以下のものが好ましい。具体的には、低密度ポリエチレン(LDPE)、低分子量ポリエチレン、アイオノマーなどが挙げられる。
低融点ポリオレフィンは、例えば粒子状の形態でフィラーと独立して多孔質層(II)内に存在していてもよく、また、フィラーの表面の一部または全部を被覆した形態で多孔質層(II)内に存在していてもよい。
低融点ポリオレフィンでフィラーを被覆する場合には、低融点ポリオレフィンを溶融するか、または溶剤に溶解させ、これにフィラーを加えて攪拌混合し、冷却したり溶剤を除去したりした後、解砕する方法が採用できる。
また、高衝撃力、圧縮・せん断力などで低融点ポリオレフィンの微粒子をフィラー表面に吸着または固定化して複合粒子化してもよい。この複合粒子化は、乾式で行ってもよく、湿式で行ってもよい。
低融点ポリオレフィンを粒子として用いる場合、その平均粒径は、1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましく、また、0.1μm以上であることが好ましい。
多孔質層(II)において、低融点ポリオレフィンの量は、低融点ポリオレフィンの使用によるシャットダウン効果を良好に確保する観点から、多孔質層(II)の構成成分の全体積中[多孔質層(II)の各構成成分の含有量について、以下同じ。]、5体積%以上であることが好ましい。ただし、多孔質層(II)における低融点ポリオレフィンの量が多すぎると、多孔質層(II)の耐熱強度が低下する虞がある。よって、多孔質層(II)における低融点ポリオレフィンの量は、多孔質層(II)の構成成分の全体積中、30体積%以下であることが好ましい。
また、多孔質層(II)において、耐熱温度が150℃以上のフィラーの量は、多孔質層(II)の構成成分の全体積中、50体積%以上であるが、70体積%以上であることが好ましく、80体積%以上であることがより好ましく、90体積%以上であることが更に好ましい。多孔質層(II)中のフィラーを前記のように高含有量とすることで、電気化学素子が高温となった際の正極と負極との直接の接触による短絡の発生をより良好に抑制することができ、また、セパレータ全体の熱収縮を良好に抑制することができる。また、多孔質層(II)における耐熱温度が150℃以上のフィラーの量は、多孔質層(II)の構成成分の全体積中、95体積%以下であることが好ましい。
耐熱温度が150℃以上のフィラーとして板状粒子を用いる場合、多孔質層(II)中での板状粒子の存在形態は、平板面がセパレータの面に対して略平行であることが好ましく、より具体的には、セパレータの表面近傍における板状粒子について、その平板面とセパレータ面との平均角度が30°以下であることが好ましい[最も好ましくは、当該平均角度が0°、すなわち、セパレータの表面近傍における板状の平板面が、セパレータの面に対して平行である]。ここでいう「表面近傍」とは、セパレータの表面から全体厚みに対しておよそ10%の範囲を指す。板状粒子の存在形態が前記のような状態となるように板状粒子の配向性を高めることで、前記の多孔質層(II)の熱収縮抑制作用をより強く発揮させることが可能になり、また、電極表面に析出するリチウムデンドライトや電極表面の活物質の突起により生じ得る内部短絡をより効果的に防ぐことができる。なお、多孔質層(II)中における板状粒子の存在形態は、セパレータの断面をSEMで観察することにより把握することができる。
多孔質層(II)には、セパレータの形状安定性の確保や、多孔質層(II)と多孔質層(I)との一体化などのために、有機バインダを含有させることが好ましい。有機バインダとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、酢酸ビニル由来の構造単位が20〜35モル%のもの)、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられるが、特に、150℃以上の耐熱温度を有する耐熱性のバインダが好ましく用いられる。有機バインダは、前記例示のものを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記例示の有機バインダの中でも、EVA、エチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、SBRなどの柔軟性の高いバインダが好ましい。このような柔軟性の高い有機バインダの具体例としては、三井デュポンポリケミカル社の「エバフレックスシリーズ(EVA)」、日本ユニカー社のEVA、三井デュポンポリケミカル社の「エバフレックス−EEAシリーズ(エチレン−アクリル酸共重合体)」、日本ユニカー社のEEA、ダイキン工業社の「ダイエルラテックスシリーズ(フッ素ゴム)」、JSR社の「TRD−2001(SBR)」、日本ゼオン社の「BM−400B(SBR)」などがある。
なお、前記の有機バインダを多孔質層(II)に使用する場合には、後述する多孔質層(II)形成用の組成物の溶媒に溶解させるか、または分散させたエマルジョンの形態で用いればよい。
本発明のセパレータにおいて、多孔質層(II)の厚み[セパレータが多孔質層(II)を複数有する場合は、その総厚み]は、多孔質層(II)による前記の各作用をより有効に発揮させつつ、セパレータ全体の厚みを抑えて高容量化を図る観点から、セパレータ全体の厚みの10〜35%とすることが好ましい。
また、本発明のセパレータ全体の厚みは、正極と負極との間を隔離するセパレータ本来の機能をより有効に発揮させる観点から、10μm以上であることが好ましく、また、セパレータ全体の厚みを抑える観点から、40μm以下であることが好ましい。
セパレータ全体の空孔率としては、電解液の保液量を確保してイオン透過性を良好にするために、乾燥した状態で、30%以上であることが好ましい。一方、セパレータ強度の確保と内部短絡の防止の観点から、セパレータの空孔率は、乾燥した状態で、70%以下であることが好ましい。なお、セパレータの空孔率:P(%)は、セパレータの厚み、面積あたりの質量、構成成分の密度から、下記(1)式を用いて各成分iについての総和を求めることにより計算できる。
P = 100−(Σa/ρ)×(m/t) (1)
ここで、前記式中、a:質量%で表した成分iの比率、ρ:成分iの密度(g/cm)、m:セパレータの単位面積あたりの質量(g/cm)、t:セパレータの厚み(cm)である。
また、前記(1)式において、mを多孔質層(I)の単位面積あたりの質量(g/cm
)とし、tを多孔質層(I)の厚み(cm)とすることで、前記(1)式を用いて多孔
質層(I)の空孔率:P(%)を求めることもできる。この方法により求められる多孔質
層(I)の空孔率は、30〜70%であることが好ましい。
更に、前記(1)式において、mを多孔質層(II)の単位面積あたりの質量(g/cm)とし、tを多孔質層(II)の厚み(cm)とすることで、前記(1)式を用いて多孔質層(II)の空孔率:P(%)を求めることもできる。この方法により求められる多孔質層(II)の空孔率は、20〜60%であることが好ましい。
本発明のセパレータは、例えば、耐熱温度が150℃以上のフィラーや低融点ポリオレフィンなどを含有する多孔質層(II)形成用組成物(スラリーなどの液状組成物など)を、多孔質層(I)を構成するための微多孔膜の表面に塗布し、所定の温度に乾燥して多孔質層(II)を形成することにより製造することができる。
多孔質層(II)形成用組成物は、耐熱温度が150℃以上のフィラーや低融点ポリオレフィンの他、必要に応じて有機バインダなどを含有し、これらを溶媒(分散媒を含む。以下同じ。)に分散させたものである。なお、有機バインダについては溶媒に溶解させることもできる。多孔質層(II)形成用組成物に用いられる溶媒は、フィラーなどを均一に分散でき、また、有機バインダを均一に溶解または分散できるものであればよいが、例えば、トルエンなどの芳香族炭化水素、テトラヒドロフランなどのフラン類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類など、一般的な有機溶媒が好適に用いられる。なお、これらの溶媒に、界面張力を制御する目的で、アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコールなど)、または、モノメチルアセテートなどの各種プロピレンオキサイド系グリコールエーテルなどを適宜添加してもよい。また、有機バインダが水溶性である場合、エマルジョンとして使用する場合などでは、水を溶媒としてもよく、この際にもアルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)を適宜加えて界面張力を制御することもできる。
多孔質層(II)形成用組成物は、耐熱温度が150℃以上のフィラー、低融点ポリオレフィンおよび有機バインダなどを含む固形分含量を、例えば10〜80質量%とすることが好ましい。
また、多孔質層(II)形成用組成物をフィルムや金属箔などの基板上に塗布し、所定の温度で乾燥した後に、必要に応じて前記基板から剥離して多孔質層(II)となる多孔質膜を形成し、この多孔質膜と、多孔質層(I)を構成するための微多孔膜とを貼り合わせて一体化することでセパレータを製造することもできる。この場合、多孔質層(I)を構成するための微多孔膜と多孔質層(II)となる多孔質膜とを一体化させるには、例えば、多孔質層(I)と多孔質層(II)とを重ね合わせ、ロールプレスなどにより両者を貼り合わせる方法などが採用できる。
なお、本発明のセパレータにおいて、多孔質層(I)と多孔質層(II)とは、それぞれ1層ずつである必要はなく、複数の層がセパレータ中にあってもよい。例えば、多孔質層(II)の両面に多孔質層(I)を配置した構成としたり、多孔質層(I)の両面に多孔質層(II)を配置した構成としてもよい。ただし、層数を増やすことで、セパレータの厚みを増やして電池の内部抵抗の増加やエネルギー密度の低下を招く虞があるので、層数を多くしすぎるのは好ましくなく、セパレータ中の多孔質層(I)と多孔質層(II)との合計層数は5層以下であることが好ましい。
本発明の電気化学素子は、本発明のセパレータを備えていればよく、その他の構成および構造については、従来から知られている電気化学素子と同様の構成および構造を適用することができる。
なお、本発明の電気化学素子は、特に限定されるものではなく、非水電解液を用いるリチウム二次電池の他、リチウム一次電池やスーパーキャパシタなどが含まれ、特に高温での安全性が要求される用途であれば好ましく適用できる。以下、本発明の電気化学素子がリチウム二次電池である場合を例にとって、詳細に説明する。
リチウム二次電池の形態としては、スチール缶やアルミニウム缶などを外装缶として使用した筒形(角筒形や円筒形など)などが挙げられる。また、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池とすることもできる。
リチウム二次電池は、温度が上昇した際に電池内部のガスを外部に排出する機構を有していることが好ましい。かかる機構としては、従来公知の機構を用いることができる。すなわち、スチール缶やアルミニウム缶などの金属缶を外装缶とする電池では、一定の圧力で亀裂が生じる金属製の開裂ベント、一定の圧力で破れる樹脂製のベント、一定の圧力で蓋の開くゴム製のベントなどを用いることができるが、なかでも金属製の開裂ベントを用いるのが好ましい。
一方、ソフトパッケージ電池では、封止部分が樹脂の熱融着により封止されているため、そもそも温度と内圧が上昇した場合に、こうした高温、高圧に耐えられる構造とすることが難しく、特別な機構を設けなくても温度が上昇した場合に電池内部のガスを外部に排出する構成とすることが可能である。すなわち、ソフトパッケージ電池においては、外装体の封止部(熱融着部)が、前記の電池内部のガスを外部に排出する機構として作用する。また、ソフトパッケージ電池の場合、封止部分の幅を特定の場所だけ狭くするなどの方法によっても、温度が上昇した場合に電池内部のガスを外部に排出する構成とすることができる(すなわち、前記特定の場所が、前記の電池内部のガスを外部に排出する機構として作用する)。
リチウム二次電池の負極には、従来から知られているリチウム二次電池に用いられている負極、すなわち、Li(リチウム)イオンを吸蔵放出可能な活物質を含有する負極であれば特に制限はない。例えば、活物質として、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などの、リチウムを吸蔵、放出可能な炭素系材料の1種または2種以上の混合物が用いられる。また、Si、Sn、Ge、Bi、Sb、Inなどの元素およびその合金、リチウム含有窒化物、または酸化物などのリチウム金属に近い低電圧で充放電できる化合物、もしくはリチウム金属やリチウム/アルミニウム合金も負極活物質として用いることができる。これらの負極活物質に導電助剤(カーボンブラックなどの炭素材料など)やPVDFなどの結着剤などを適宜添加した負極合剤を、集電体を芯材として成形体(負極合剤層)に仕上げたものや、前記の各種合金やリチウム金属の箔を単独で用いたり、前記合金やリチウム金属の層を集電体に形成したものなどの負極剤層を有するものが用いられる。
負極に集電体を用いる場合には、集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、また、下限は5μmであることが望ましい。
負極側のリード部は、通常、負極作製時に、集電体の一部に負極合剤層を形成せずに集電体の露出部を残し、そこをリード部とすることによって設けられる。ただし、リード部は必ずしも当初から集電体と一体化されたものであることは要求されず、集電体に銅製の箔などを後から接続することによって設けてもよい。
正極としては、従来から知られているリチウム二次電池に用いられている正極、すなわち、Liイオンを吸蔵放出可能な活物質を含有する正極であれば特に制限はない。例えば、活物質として、Li1+xMO(−0.1<x<0.1、M:Co、Ni、Mn、Al、Mgなど。なお、元素MはLi以外の他の金属元素で10原子%まで置換されていてもよい。)で表される層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物、LiMnやその元素の一部を他元素で置換したスピネル構造のリチウムマンガン酸化物、LiMPO(M:Co、Ni、Mn、Feなど)で表されるオリビン型化合物などを用いることが可能である。前記層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物の具体例としては、LiCoOやLiNi1−xCox−yAl(0.1≦x≦0.3、0.01≦y≦0.2)などのほか、少なくともCo、NiおよびMnを含む酸化物(LiMn1/3Ni1/3Co1/3、LiMn5/12Ni5/12Co1/6、LiNi3/5Mn1/5Co1/5など)などを例示することができる。特に、Niを40%以上含む活物質の場合には、電池が高容量となるので好ましく、また、O(酸素原子)はフッ素、イオウ原子で1原子%まで置換されていてもよい。
導電助剤としては、カーボンブラックなどの炭素材料が用いられ、バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などフッ素樹脂が用いられ、これらの材料と活物質とが混合された正極合剤により正極合剤層が、例えば集電体の片面または両面に形成される。
また、正極の集電体としては、アルミニウムなどの金属の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、厚みが10〜30μmのアルミニウム箔が好適に用いられる。
正極側のリード部も負極のリード部と同様に、通常、正極作製時に、集電体の一部に正極合剤層を形成せずに集電体の露出部を残し、そこをリード部とすることによって設けられる。ただし、リード部は必ずしも当初から集電体と一体化されたものであることは要求されず、集電体にアルミニウム製の箔などを後から接続することによって設けてもよい。
電極は、前記の正極と前記の負極とを、本発明のセパレータを介して積層し、更にこれを巻回した巻回電極体の形態で使用する。
また、電極体の形成時には、多孔質層(I)が負極に面するようにセパレータを配置することが好ましい。詳細な理由は不明であるが、多孔質層(I)が少なくとも負極に面するようにセパレータを配置した場合には、正極に面するように配置した場合よりも、シャットダウンを生じた場合に、多孔質層(I)から溶融した樹脂のうち、電極合剤層(正極合剤層または負極合剤層)に吸収される割合が少なくなり、溶融した樹脂がセパレータの空孔を閉塞するのに、より有効に利用されるため、シャットダウンによる効果がより良好となる。
また、例えばリチウム二次電池が、温度上昇により電池の内圧が上昇した際に、電池内部のガスを外部に排出して電池の内圧を下げる機構を有する場合には、この機構が作動した際に、内部の非水電解液が揮発して、電極が直接空気に曝される状態となる虞がある。電池が充電状態にある場合に、前記のような状態となり、負極と空気(酸素や水分)が接触すると、負極に吸蔵されたLiイオンや負極表面に析出したリチウムと空気とが反応して発熱し、時には発火することもある。また、この発熱により電池の温度が上昇して正極活物質の熱暴走反応を引き起こし、その結果、電池が発火に至ることもある。
しかしながら、熱可塑性樹脂を主体とする多孔質層(I)が負極に面するように構成した電池の場合には、高温時には多孔質層(I)の主体である熱可塑性樹脂が溶融して負極表面を覆うことから、前記の電池内部のガスを外部に排出する機構の作動に伴う負極と空気との反応を抑制することができる。そのため、前記の電池内部のガスを外部に排出する機構が作動することによる発熱の虞をなくし、電池をより安全に保つことができる。
また、リチウム二次電池では、過充電時の安全性や高温下での安定した貯蔵特性(主に外装体の膨れ防止)を確保するために、各種添加剤(例えば、シクロヘキシルベンゼン、ビニレンカーボネートなど)を非水電解液に添加することがある。本来、これらの添加剤は、高電圧や高温など異常な環境下に曝されたときに効果を奏し得るものであるが、通常の使用環境下においても、前記添加剤が重合するなどの副反応が生じる場合もある。特に高電圧下に曝される機会の多い正極側において、前記の副反応が生じる場合が多く、例えば、シクロヘキシルベンゼンが正極側で重合すると、セパレータの目詰まりが生じて、電池のインピーダンスが上昇するなどの問題が発生する虞がある。特に、セパレータの孔径が小さい場合には、こうした目詰まりによる悪影響を受けやすい。
セパレータに係る多孔質層(I)を構成する微多孔膜が、延伸開孔法で多孔化したもの(すなわち、乾式一軸延伸法で製造されたもの)である場合、微多孔膜の孔径制御が困難であり、特に大きな孔径とすることには限界がある。よって、多孔質層(I)が正極側となるようにセパレータを配置して電池を構成すると、非水電解液が前記添加剤を含有している場合に、前記の副反応によるセパレータの空孔の目詰まりの問題が顕著に現れる。そこで、本発明のリチウム二次電池では、特に前記のような添加剤を含有する非水電解液を使用する場合には、比較的ポーラスな多孔質層(II)が正極側となるようにセパレータを配置することがより好ましく、これにより、前記の目詰まりを抑制することができる。
更に、多孔質層(II)はフィラーを主体として含んでいるため、耐酸化性が多孔質層(I)よりも優れていることから、多孔質層(II)を正極側に向けることによって、正極によるセパレータの酸化をより良好に抑制することが可能となり、高温時の保存特性や充放電サイクル特性に更に優れた電池とすることができる。このようなことから、本発明の電気化学素子では、非水電解液が前記添加剤を含有していない場合でも、多孔質層(II)を正極側に向ける構成とすることがより好ましい。
よって、熱可塑性樹脂を主体とする多孔質層(I)や、多孔質層(II)を複数有するセパレータの場合、負極側が多孔質層(I)となり、かつ正極側が多孔質層(II)となるようにセパレータを構成することがより好ましい。
本発明に係る非水電解液としては、リチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液が用いられる。リチウム塩としては、溶媒中で解離してLiイオンを形成し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こしにくいものであれば特に制限は無い。例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbFなどの無機リチウム塩、LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(RfOSO〔ここでRfはフルオロアルキル基〕などの有機リチウム塩などを用いることができる。
非水電解液に用いる有機溶媒としては、前記のリチウム塩を溶解し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;プロピオン酸メチルなどの鎖状エステル;γ−ブチロラクトンなどの環状エステル;ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、1,3−ジオキソラン、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどの鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリルなどのニトリル類;エチレングリコールサルファイトなどの亜硫酸エステル類;などが挙げられ、これらは2種以上混合して用いることもできる。なお、より良好な特性の電池とするためには、エチレンカーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒など、高い導電率を得ることができる組み合わせで用いることが望ましい。また、これらの電解液に安全性や充放電サイクル性、高温貯蔵性といった特性を向上させる目的で、ビニレンカーボネート類、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼンなどの添加剤を適宜加えることもできる。
このリチウム塩の電解液中の濃度としては、0.5〜1.5mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.25mol/lとすることがより好ましい。
本発明の電気化学素子は、従来から知られているリチウム二次電池などの電気化学素子が適用されている各種用途と同じ用途に好ましく用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
多孔質層(I)を構成するための微多孔膜として、PE製電池用微多孔膜(厚み12μm、空孔率40%)を用意した。なお、このPE製電池用微多孔膜について、前記の方法により測定したTD方向における最初の応力ピークのピークトップ温度は、131℃であった。
有機バインダであるSBRのエマルジョン(固形分比率40質量%):100gと、低融点ポリオレフィンであるアイオノマー微粒子のディスパージョン(融点100℃、一次粒子径0.1μm、固形分比率27質量%):100gと、水:6000gとを容器に入れ、均一に分散するまで室温で攪拌した。
この分散液に耐熱温度が150℃以上のフィラーであるベーマイト粉末(板状、平均粒径1μm、アスペクト比10):2000gを4回に分けて加え、ディスパーにより2800rpmで5時間攪拌して均一なスラリー[多孔質層(II)形成用スラリー、固形分比率25.3質量%]を調製した。前記PE製微多孔膜の片面に、前記のスラリーをマイクログラビアコーターによって塗布、乾燥し、厚みが2.6μmの多孔質層(II)を形成して、セパレータを得た。
実施例2
LDPE(融点110℃、一次粒子径6μm)600gを120℃で溶融し、これにベーマイト粉末(粒状、平均粒径0.6μm)を2000g加えて混合、冷却後、スタンプミルで予備粉砕した。これを更に湿式でビーズミルにより解砕し、平均粒径が1.1μmのPE被覆フィラーを作製した。
有機バインダであるSBRのエマルジョン(固形分比率40質量%):100gと、水:6000gとを容器に入れ、均一に分散するまで室温で攪拌した。この分散液に前記PE被覆フィラー:2000gを4回に分けて加え、ディスパーにより2800rpmで5時間攪拌して均一なスラリー[多孔質層(II)形成用スラリー、固形分比率25.3質量%]を調製した。実施例1で用いたものと同じPE製微多孔膜の片面に、前記のスラリーをマイクログラビアコーターによって塗布、乾燥し、厚みが3.6μmの多孔質層(II)を形成して、セパレータを得た。
比較例1
アイオノマー微粒子のディスパージョンを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして多孔質層(II)形成用スラリーを調製し、これを用いた以外は実施例1と同様にして、厚みが2.6μmの多孔質層(II)を有するセパレータを作製した。
実施例1、2および比較例1のセパレータについて、下記の各評価を行った。これらの結果を表1に示す。
<透気度上昇率測定>
実施例1、2および比較例1のセパレータを、それぞれ10×10cmに切り出し、130℃の恒温槽内に1時間放置した。恒温槽から取り出した後、透気度(JIS P 8117に準拠したガーレー式透気度計)を測定した。透気度上昇率は、恒温槽での放置前後の値から、下記式によって算出した。
透気度上昇率(%)
= 100×(130℃1時間放置後の透気度)/(恒温槽投入前の透気度)
<熱収縮率測定>
実施例1、2および比較例1のセパレータを、それぞれ10×10cmに切り出して市販の封筒に収め、130℃に設定した恒温槽内に1時間放置した。その後、各セパレータを恒温槽から取り出し、多孔質層(I)を構成する微多孔膜のTD方向における寸法を測定し、これらの値と恒温槽での放置前の寸法とから、下記式によって熱収縮率を算出した。
熱収縮率(%) = 100×(10−x)/10
[なお、前記式中、xは130℃に設定した恒温槽内で1時間放置した後のセパレータにおける多孔質層(I)を構成する微多孔膜のTD方向の寸法(cm)である。]
Figure 2011187398
表1から明らかなように、130℃1時間放置後の透気度上昇率が、比較例1のセパレータは124%であるのに対し、実施例1、2のセパレータでは大幅に増大しており、良好にシャットダウンが生じていることを示唆している。また、実施例1、2および比較例1のセパレータは、130℃1時間放置後の熱収縮率が、いずれも1%以下に収まっており、多孔質層(II)の作用によってセパレータ全体の熱収縮が良好に抑制されている。
すなわち、130℃1時間放置後の熱収縮率の結果から、実施例1、2および比較例1のセパレータは、いずれも熱収縮し難く、安全性の高い電気化学素子を構成し得るものであるが、前記の透気度上昇率の結果から、実施例1、2のセパレータは、比較例1のセパレータよりも早期にシャットダウンを開始することができ、比較例1のセパレータよりも更に安全性の高い電気化学素子を構成し得るセパレータであることが確認できる。

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂を主体とする微多孔膜からなる多孔質層(I)と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含み、かつ熱機械分析により測定される多孔質層(I)を構成する前記微多孔膜のTD方向における最初の応力ピークのピークトップ温度よりも、低い温度に融点を有するポリオレフィンを含有する多孔質層(II)とを有することを特徴とする電気化学素子用セパレータ。
  2. 多孔質層(II)における前記ポリオレフィンの含有比率が、多孔質層(II)の構成成分の全体積中、5体積%以上である請求項1に記載の電気化学素子用セパレータ。
  3. 多孔質層(II)に含まれるフィラーの少なくとも一部が板状粒子である請求項1または2に記載の電気化学素子用セパレータ。
  4. 多孔質層(II)に含まれるフィラーの少なくとも一部が、一次粒子が凝集した二次粒子構造を有している請求項1〜3のいずれかに記載の電気化学素子用セパレータ。
  5. 多孔質層(II)に含まれるフィラーが、アルミナ、シリカおよびベーマイトよりなる群から選択される少なくとも1種の粒子である請求項1〜4のいずれかに記載の電気化学素子用セパレータ。
  6. 多孔質層(II)に含まれる前記ポリオレフィンが粒子状である請求項1〜5のいずれかに記載の電気化学素子用セパレータ。
  7. 多孔質層(I)に含まれる熱可塑性樹脂の融点が、110〜150℃である請求項1〜7のいずれかに記載の電気化学素子用セパレータ。
  8. 正極、負極およびセパレータを重ねて巻回した巻回電極体と、非水電解液とを有する電気化学素子であって、
    前記セパレータが、請求項1〜7のいずれかに記載の電気化学素子用セパレータであることを特徴とする電気化学素子。
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