JP2011186277A - レンズ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気漏れおよび電磁波の外部への漏れを抑制しつつ、搭載されるカメラのソケットから容易に取り外すことが可能なレンズ駆動装置を提供する。
【解決手段】レンズ駆動装置1は、レンズを保持しレンズの光軸方向へ移動可能な可動体2と、可動体2を光軸方向へ駆動するための駆動機構と、可動体2および駆動機構の外周側を覆うカバー部材10を有し可動体2を光軸方向へ移動可能に保持する固定体3とを備えている。カバー部材10は、磁性を有する金属材料で形成されている。また、カバー部材10の外周側に、光軸方向に略直交する方向へ突出する突出部19fが配置され、突出部19fの反被写体側には、平面部19gが形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯電話等で使用される比較的小型のカメラに搭載されるレンズ駆動装置に関する。
従来、携帯電話等に搭載されるカメラの撮影用レンズを駆動するレンズ駆動装置として、レンズホルダと、レンズホルダを光軸方向へ駆動する駆動用コイルおよび駆動用磁石とを備えるレンズ駆動装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のレンズ駆動装置では、光軸方向の両側から組み合わされる2個のヨークによって、レンズ駆動装置の側面が構成され、ロアケースによって、レンズ駆動装置の撮像素子側(反被写体側)の端面が構成されている。
また、特許文献1に記載のレンズ駆動装置では、ロアケースは、撮像素子側に配置されるヨークよりも撮像素子側に配置されており、ロアケースの外周面の一部は、被写体側に配置されるヨークで覆われていない。すなわち、ロアケースの外周面は、露出している。また、ロアケースの外周面には、段差が形成されている。なお、ロアケースは、一般的に樹脂で形成されている。また、レンズ駆動装置が搭載されるカメラは、一般的に、レンズ駆動装置を固定するためのソケットを備えており、レンズ駆動装置が搭載されるカメラでは、レンズ駆動装置の撮像素子側がこのソケットに固定されている。
特開2009−198948号公報
レンズ駆動装置が搭載されるカメラでは、組み込まれたレンズ駆動装置が不良品であることがわかると、ソケットからレンズ駆動装置を取り外す必要がある。特許文献1に記載のレンズ駆動装置では、露出するロアケースの外周面に段差が形成されているため、この段差を利用して、組み込まれたレンズ駆動装置をソケットから取り外すことが可能である。
しかしながら、このレンズ駆動装置では、ロアケースの外周面の一部がヨークで覆われていないため(すなわち、レンズ駆動装置の撮像素子側がヨークで覆われていないため)、駆動用磁石が発生させる磁気の外部への漏れ(磁気漏れ)が発生して、レンズの駆動力が低下するおそれがある。また、レンズ駆動装置の撮像素子側がヨークで覆われていないため、駆動用コイルが発生させる電磁波がレンズ駆動装置の外部に漏れるおそれがある。
そこで、本発明の課題は、磁気漏れおよび電磁波の外部への漏れを抑制しつつ、搭載されるカメラのソケットから容易に取り外すことが可能なレンズ駆動装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明のレンズ駆動装置は、レンズを保持しレンズの光軸方向へ移動可能な可動体と、可動体を光軸方向へ駆動するための駆動機構と、可動体および駆動機構の外周側を覆うカバー部材を有し可動体を光軸方向へ移動可能に保持する固定体とを備え、カバー部材は、磁性を有する金属材料で形成され、カバー部材の外周側に、光軸方向に略直交する方向へ突出する突出部が配置され、突出部の反被写体側には、平面部が形成されていることを特徴とする。
本発明のレンズ駆動装置では、可動体および駆動機構の外周側を覆うカバー部材の外周側に、光軸方向に略直交する方向へ突出する突出部が配置され、突出部の反被写体側には、平面部が形成されている。そのため、磁性を有する金属材料で形成されるカバー部材によって、レンズ駆動装置の反被写体側の側面を含むレンズ駆動装置の側面の大半部分が覆われていても、平面部を利用して、レンズ駆動装置が搭載されるカメラのソケットからレンズ駆動装置を容易に取り外すことが可能になる。したがって、本発明では、カメラのソケットからレンズ駆動装置を容易に取り外すことが可能であっても、レンズ駆動装置の側面の大半部分をカバー部材で覆うことが可能になる。すなわち、本発明では、レンズ駆動装置の外部への磁気漏れおよび電磁波の漏れを抑制しつつ、搭載されるカメラのソケットからレンズ駆動装置を容易に取り外すことが可能になる。
本発明において、カバー部材は、光軸方向から見たときの形状が略四角形状となるように形成され、突出部は、カバー部材の、互いに略平行な2個の第1側面のそれぞれから第1側面に略直交する方向へ突出していることが好ましい。このように構成すると、ソケットからレンズ駆動装置を取り外す際に、互いに略平行な2個の第1側面のそれぞれから突出する突出部の平面部にバランス良く負荷がかかりやすくなる。したがって、ソケットからレンズ駆動装置をより容易に取り外すことが可能になる。
本発明において、2個の第1側面には、駆動機構を構成する駆動用磁石を配置するための磁石配置凹部がカバー部材の外周側へ突出するように形成され、第1側面に略直交する方向において、第1側面に対する突出部の突出量は、第1側面に対する磁石配置凹部の突出量以下であることが好ましい。このように構成すると、カバー部材の第1側面から突出部が突出している場合であっても、第1側面に略直交する方向において、レンズ駆動装置が大型化するのを抑制することが可能になる。
本発明において、平面部は、光軸方向に略直交するように形成されていること、または、反被写体側に向かうにしたがって突出部の突出方向へ広がるように形成されていることが好ましい。このように構成すると、たとえば、ソケットからレンズ駆動装置を引抜くための治具が平面部に引っ掛かりやすくなる。したがって、平面部を利用してソケットからレンズ駆動装置をより容易に取り外すことが可能になる。
本発明において、レンズ駆動装置は、カバー部材の被写体側を覆うように取り付けられるキャップ部材を備え、突出部は、キャップ部材に形成されていることが好ましい。このように構成すると、カバー部材に開口した部分を形成しなくても、カバー部材の外周側に突出部を配置することが可能になる。したがって、レンズ駆動装置の外部への磁気漏れおよび電磁波の漏れを効果的に抑制することが可能になる。
本発明において、キャップ部材の、光軸方向における突出部の両側に、カバー部材に固定される被固定部が形成されていることが好ましい。このように構成すると、突出部のカバー部材への固定強度を高めることが可能になる。
本発明において、たとえば、固定体は、カバー部材の内部に配置される樹脂部材を備え、突出部は、樹脂部材に形成され、カバー部材には、突出部の一部が配置される開口部が形成されている。この場合には、たとえば、樹脂部材は、反被写体側からカバー部材に嵌め込まれるベース部材であり、突出部は、カバー部材に嵌め込まれる被嵌込部に形成されている。また、この場合には、たとえば、レンズ駆動装置は、可動体の被写体側と固定体とを繋ぐ板バネを備え、樹脂部材は、板バネの一部が固定されるバネ固定部材であり、バネ固定部材は、アウトサート成型によってカバー部材と一体で形成されている。
樹脂部材がベース部材であり、カバー部材に嵌め込まれる被嵌込部に突出部が形成されている場合には、接着剤を使用しなくても、被嵌込部の弾性変形を利用して、ベース部材をカバー部材に仮固定することが可能になる。したがって、仮固定した状態で所定の検査を行い、不良が発見された場合には、カバー部材からベース部材を容易に取り外すことが可能になる。また、樹脂部材がバネ固定部材であり、バネ固定部材が、アウトサート成型によってカバー部材と一体で形成されている場合には、カバー部材の内部にバネ固定部材を精度良く形成することが可能になる。
本発明において、突出部は、カバー部材の側面の一部を折り曲げることで形成されても良い。このように構成すると、突出部が形成される部材を別途、設ける場合と比較して、レンズ駆動装置の構成を簡素化することが可能になる。
以上のように、本発明のレンズ駆動装置では、磁気漏れおよび電磁波の外部への漏れを抑制しつつ、搭載されるカメラのソケットから容易に取り外すことが可能になる。
本発明の実施の形態にかかるレンズ駆動装置の斜視図である。 図1のE−E断面の断面図である。 図1に示すレンズ駆動装置の分解斜視図である。 図1に示すレンズ駆動装置の正面図である。 本発明の他の実施の形態にかかるレンズ駆動装置の斜視図である。 本発明の他の実施の形態にかかるレンズ駆動装置の斜視図である。 本発明の他の実施の形態にかかるレンズ駆動装置の斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(レンズ駆動装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるレンズ駆動装置1の斜視図である。図2は、図1のE−E断面の断面図である。図3は、図1に示すレンズ駆動装置1の分解斜視図である。図4は、図1に示すレンズ駆動装置1の正面図である。なお、以下の説明では、図1等に示すように、互いに直交する3方向のそれぞれをX方向、Y方向およびZ方向とする。また、図1等のX1方向側を「右」側、X2方向側を「左」側、Y1方向側を「前」側、Y2方向側を「後(後ろ)」側、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。
本形態のレンズ駆動装置1は、携帯電話、ドライブレコーダあるいは監視カメラシステム等で使用される比較的小型のカメラに搭載されるものであり、図1に示すように、全体として略四角柱状に形成されている。具体的には、レンズ駆動装置1は、撮影用のレンズの光軸Lの方向(光軸方向)から見たときの形状が略正方形状となるように形成されている。また、レンズ駆動装置1の4つの側面は、左右方向または前後方向と略平行になっている。
本形態では、Z方向(上下方向)が光軸方向とほぼ一致している。また、本形態のレンズ駆動装置1が搭載されるカメラでは、下側に図示を省略する撮像素子が配置されており、上側に配置される被写体が撮影される。すなわち、本形態では、上側(Z1方向側)は被写体側(物体側)であり、下側(Z2方向側)は反被写体側(撮像素子側、像側)である。
レンズ駆動装置1は、図1、図2に示すように、撮影用のレンズを保持し光軸方向へ移動可能な可動体2と、可動体2を光軸方向へ移動可能に保持する固定体3と、可動体2を光軸方向へ駆動するための駆動機構4とを備えている。また、レンズ駆動装置1は、可動体2と固定体3とを繋ぐ板バネ5、6を備えている。すなわち、可動体2は、板バネ5、6を介して固定体3に移動可能に保持されている。本形態では、1個の板バネ5が可動体2の上端側に配置され、2個の板バネ6が可動体2の下端側に配置されている(図3参照)。
可動体2は、複数のレンズが固定されたレンズホルダ7を保持するスリーブ8と、駆動機構4を構成する後述の駆動用コイル14、15の端部を絡げるための2本の絡げピン9とを備えている。固定体3は、レンズ駆動装置1の側面を構成するカバー部材10と、レンズ駆動装置1の反被写体側の端面を構成するベース部材11と、板バネ5の一部が固定されるスペーサ12と、後述の駆動用コイル14、15に電流を供給するための2個の給電用端子13と、カバー部材10の上側を覆うように取り付けられるキャップ部材19とを備えている。なお、図2、図3では、レンズホルダ7の図示を省略している。
レンズホルダ7は、略円筒状に形成されている。このレンズホルダ7の内周側には、複数のレンズが固定されている。
スリーブ8は、樹脂材料で形成されている。また、スリーブ8は、略筒状に形成されている。具体的には、スリーブ8は、上下方向から見たときの内周面の形状が略円形状となり、上下方向から見たときの外周面の形状が略八角形状となる略筒状に形成されている。このスリーブ8は、その内周側でレンズホルダ7を保持している。すなわち、スリーブ8の内周面にレンズホルダ7の外周面が固定されている。
スリーブ8の下端には、ベース部材11に形成される後述の基準面11dに当接する当接する当接面8a(図2参照)が光軸方向と略直交するように形成されている。また、スリーブ8の外周側には、後述の駆動用コイル14、15が巻回される巻回凹部8bが形成されている。巻回凹部8bは、スリーブ8の外周面から窪むように形成されている。また、巻回凹部8bは、上下方向に所定の間隔をあけた状態で2箇所に形成されており、2箇所に形成される巻回凹部8bの間には、巻回凹部8bの底面からスリーブ8の径方向外側に向かって広がる鍔部8cが形成されている。
絡げピン9は、導電性を有する金属材料で形成されている。この絡げピン9は、スリーブ8に形成された固定孔に固定されている。また、絡げピン9の下端側がスリーブ8の下端よりも下側に突出するように、絡げピン9はスリーブ8に固定されている。スリーブ8の下端から突出した絡げピン9の下端側には、後述の駆動用コイル14、15の端部が巻回されている。
カバー部材10は、磁性を有する金属材料で形成されている。また、カバー部材10は、底部10aと筒部10bとを有する底付きの略四角筒状に形成されている。上側に配置される底部10aの中心には、貫通孔10cが形成されている。筒部10bを構成する左右の側面10dには、駆動機構4を構成する後述の駆動用磁石17が配置される磁石配置凹部10eが形成されている。本形態の側面10dは、互いに略平行な2個の第1側面である。
磁石配置凹部10eは、前後方向における側面10dの略中心位置に形成されている。また、磁石配置凹部10eは、左右方向の外側に向かって窪むように、かつ、筒部10bの外周側へ膨らむように形成されている。すなわち、磁石配置凹部10eは、筒部10bの外周側へ突出するように(具体的には、側面10bよりも左右方向の外側へ突出するように)形成されている。
カバー部材10は、可動体2および駆動機構4の外周側を囲むように配置されている。また、カバー部材10は、カバー部材10以外の固定体3の各構成の外周側を覆っている。具体的には、図1に示すように、カバー部材10は、ベース部材11の下端側の一部を除く、カバー部材10以外の固定体3の各構成の外周側を覆っている。なお、本形態のカバー部材10は、SMIA(Standard Mobile Imaging Architecture)規格に適合するように形成されている。
ベース部材11は、絶縁性を有する樹脂材料で形成されている。このベース部材11は、図3に示すように、略正方形の扁平なブロック状に形成されたベース部11aと、ベース部11aの四隅のそれぞれから上側に向かって立ち上る立上部11bとを備えている。ベース部11aの中心には、貫通孔11cが形成されている。また、ベース部11aの上面には、光軸方向における可動体2の基準位置を決めるための基準面11dが光軸方向と略直交するように形成されている(図2参照)。
ベース部材11は、カバー部材10の下端側に取り付けられている。具体的には、ベース部材11は、カバー部材10の下端側からその内周側に嵌め込まれた状態で接着等によってカバー部材10に固定されている。
スペーサ12は、樹脂材料で形成されるとともに、略正方形の扁平なブロック状に形成されている。このスペーサ12は、カバー部材10の底部10aの下面に固定されている。
給電用端子13は、平板状の金属材料が折り曲げられて形成されている。この給電用端子13は、ベース部材11に固定されている。また、給電用端子13には、板バネ6の一部が半田付け等されて固定されている。
キャップ部材19は、平板状の金属材料が折り曲げられて形成されている。このキャップ部材19は、カバー部材10の底部10aの上面を覆う上面部19aと、カバー部材10の磁石配置凹部10eの両側に配置される4個の側面部19bとを備えている。上面部19aは、上下方向から見たときの形状が略正方形状となるように形成されており、その中心には、貫通孔19cが形成されている。側面部19bは、左右方向から見たときの形状が縦長の略長方形状となるように形成されている。また、側面部19bは、カバー部材10の左右の側面10dに当接するように配置される第1側面部19dおよび第2側面部19eと、第1側面部19dおよび第2側面部19eよりも左右方向の外側に向かって突出する突出部19fとから構成されている。
突出部19fは、上下方向における第1側面部19dと第2側面部19eとの間に形成されている。具体的には、側面部19bの一部が略三角形状に折り曲げられることで、突出部19fが形成されている。突出部19fの下側には、平面部19gが形成されている。本形態では、図4に示すように、突出部19fは、前後方向から見たときの形状が略直角三角形状となるように形成されており、平面部19gは、上下方向に略直交するように形成されている。また、平面部19gは、上下方向におけるレンズ駆動装置1の略中心に配置されている。
キャップ部材19は、カバー部材10の底部10aに上面部19aが当接し、第1側面部19dおよび第2側面部19eがカバー部材10の左右の側面10dに当接するように、カバー部材10に固定されている。具体的には、第1側面部19dおよび第2側面部19eが、電気溶接、レーザ溶接あるいは接着等によって、側面10dに固定されている。本形態の第1側面部19dおよび第2側面部19eは、カバー部材10に固定される被固定部である。
上述のように、突出部19fは、第1側面部19dおよび第2側面部19eよりも左右方向の外側に向かって突出するように形成され、第1側面部19dおよび第2側面部19eは、カバー部材10の側面10dに固定されている。すなわち、本形態では、カバー部材10の外周側に、側面10dよりも左右方向の外側に向かって突出する突出部19fが配置されている。本形態では、側面10dに対する突出部19fの突出量は、側面10dに対する磁石配置凹部10eの突出量とほぼ等しくなっている。具体的には、側面10dに対する突出部19fの突出量は、側面10dに対する磁石配置凹部10eの突出量と同じか、側面10dに対する磁石配置凹部10eの突出量よりもわずかに小さくなっている。
板バネ5は、スリーブ8の上端側に固定される円環状の可動体固定部と、スペーサ12に固定される4個の固定体固定部と、可動体固定部と固定体固定部とを繋ぐ4本の腕部とを備えている。この板バネ5は、その厚さ方向と上下方向とが略一致するように、スリーブ8およびスペーサ12に固定されている。また、板バネ5は、後述の駆動用コイル14、15に電流が供給されていないときに、スリーブ8の当接面8aとベース部材11の基準面11dとが当接して可動体2が所定の基準位置に配置されるように、撓んだ状態で、スリーブ8およびスペーサ12に固定されている。
板バネ6は、スリーブ8の下端側に固定される可動体固定部と、ベース部材11に固定される2個の固定体固定部と、可動体固定部と固定体固定部とを繋ぐ2本の腕部とを備えている。板バネ6は、その厚さ方向と上下方向とが略一致するように、スリーブ8およびベース部材11に固定されている。また、板バネ6は、可動体2が基準位置にあるときに板バネ6による付勢力が可動体2に生じないように、スリーブ8およびベース部材11に固定されている。2個の板バネ6のそれぞれには、2本の絡げピン9のそれぞれが半田付け等されて固定されている。
駆動機構4は、スリーブ8の外周側に巻回される2個の駆動用コイル14、15と、レンズ駆動装置1の4つの側面のそれぞれに沿って配置される駆動用磁石17とを備えている。
2個の駆動用コイル14、15は、上下方向に所定の間隔をあけた状態で、スリーブ8の巻回凹部8bに巻回されている。本形態では、駆動用コイル14が上側に配置され、駆動用コイル15が下側に配置されている。駆動用コイル14、15は、上下方向から見たときの形状が略八角形状となるように巻回されている。また、駆動用コイル14、15は、たとえば、1本の導線が順次、巻回されることで形成されており、駆動用コイル14、15の巻き始め側の端部は、2本の絡げピン9の一方に巻回され、駆動用コイル14、15の巻き終わり側の端部は、2本の絡げピン9の他方に巻回されている。
また、駆動用コイル14、15は、駆動用コイル14に供給される電流の方向と駆動用コイル15に供給される電流の方向とが異なる方向となるように巻回されている。すなわち、たとえば、上側から見たときの駆動用コイル14に流れる電流の方向が時計回りの方向であれば、上側から見たときの駆動用コイル15に流れる電流の方向が反時計回りの方向となるように、駆動用コイル14、15が巻回されている。
駆動用磁石17は、略矩形の板状に形成されている。この駆動用磁石17は、駆動用コイル14、15の外側面に対向するようにカバー部材10の筒部10bの内側面に固定されている。具体的には、左右方向と略平行に配置される駆動用磁石17は、筒部10bの前後の側面の内側に固定され、前後方向と略平行に配置される駆動用磁石17は、筒部10bの磁石配置凹部10eに固定されている。なお、図3に示すように、左右方向と略平行に配置される駆動用磁石17の左右方向の幅は、前後方向と略平行に配置される駆動用磁石17の前後方向の幅よりも広くなっている。また、本形態のカバー部材10は、磁気回路を形成するためのヨークの機能を果たしている。
駆動用磁石17は、上下方向で重なるように配置される略矩形の板状の2個の駆動用磁石片17a、17bによって構成されている。本形態では、駆動用磁石片17aが上側に配置され、駆動用磁石片17bが下側に配置されている。駆動用磁石片17a、17bは、駆動用磁石片17aの下端面と駆動用磁石片17bの上端面とが当接した状態で互いに固定されている。
駆動用磁石片17a、17bは、駆動用コイル14、15との対向面が互いに異なる磁極となるように着磁されている。すなわち、駆動用磁石17の駆動用コイル14、15との対向面は、2極に着磁されている。たとえば、駆動用磁石片17aの駆動用コイル14、15との対向面がN極に着磁され、駆動用磁石片17bの駆動用コイル14、15との対向面がS極に着磁されている。
以上のように構成されたレンズ駆動装置1の下端には、撮像素子が実装された基板25が固定される(図4参照)。また、基板25が固定された状態のレンズ駆動装置1は、カメラに搭載される。具体的には、図4に示すように、カメラの構成部品であるソケット26に、基板25が固定された状態のレンズ駆動装置1が取り付けられる。ソケット26には、たとえば、基板25を保持するフック部26aが形成されている。
レンズ駆動装置1が搭載されたカメラでは、組み込まれたレンズ駆動装置1が不良品であることがわかると、ソケット26からレンズ駆動装置1を取り外す必要がある。このときには、図4に示すように、突出部19fの平面部19gに所定の治具27のフック部27aを引っ掛けて、ソケット26からレンズ駆動装置1を取り外す。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、可動体2および駆動機構4の外周側を覆うカバー部材10の外周側に、左右方向に突出する突出部19fが配置されている。また、突出部19fの下側に、平面部19gが形成されている。そのため、カバー部材10によって、レンズ駆動装置1の側面の大半部分が覆われていても、図4に示すように、平面部19gを利用して、レンズ駆動装置1が搭載されるカメラのソケット26からレンズ駆動装置1を容易に取り外すことが可能になる。したがって、本形態では、ソケット26からレンズ駆動装置1を容易に取り外すことが可能であっても、レンズ駆動装置1の側面の大半部分をカバー部材10で覆うことができる。すなわち、本形態では、レンズ駆動装置1の外部への磁気漏れおよび電磁波の漏れを抑制しつつ、ソケット26からレンズ駆動装置1を容易に取り外すことが可能になる。
本形態では、突出部19fは、カバー部材10の左右の側面10dから左右方向の外側に向かって突出している。そのため、ソケット26からレンズ駆動装置1を取り外す際に、略平行な2個の側面10dのそれぞれから突出する突出部19fの平面部19gにバランス良く負荷がかかりやすくなる。特に本形態では、磁石配置凹部10eの両側に突出部19fが配置されているため、ソケット26からレンズ駆動装置1を取り外す際に、平面部19gによりバランス良く負荷がかかりやすくなる。したがって、本形態では、ソケット26からレンズ駆動装置1をより容易に取り外すことが可能になる。
本形態では、平面部19gは、上下方向に略直交するように形成されている。そのため、平面部19gが上側に向かうにしたがって左右方向の外側に広がるように形成されている場合と比較して、ソケット26からレンズ駆動装置1を取り外す際に、治具27のフック部27aが平面部19gから外れにくくなる。したがって、本形態では、平面部19gを利用してソケット26からレンズ駆動装置1をより容易に取り外すことが可能になる。
本形態では、側面10dに対する突出部19fの突出量は、側面10dに対する磁石配置凹部10eの突出量と同じか、側面10dに対する磁石配置凹部10eの突出量よりもわずかに小さくなっている。そのため、本形態では、カバー部材10の側面10dに対して突出部19fが突出している場合であっても、左右方向において、レンズ駆動装置1が大型化するのを抑制することができる。
本形態では、カバー部材10に取り付けられるキャップ部材19に突出部19fが形成されている。そのため、カバー部材10に開口した部分を形成しなくても、カバー部材10の外周側に突出部19fを配置することができる。したがって、本形態では、レンズ駆動装置1の外部への磁気漏れおよび電磁波の漏れを効果的に抑制することが可能になる。
本形態では、上下方向において、突出部19fの両側に配置される第1側面部19dおよび第2側面部19eが側面10dに固定されている。そのため、本形態では、突出部19fのカバー部材10への固定強度を高めることが可能になる。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態では、カバー部材10に取り付けられるキャップ部材19に突出部19fが形成されている。この他にもたとえば、図5に示すように、カバー部材10の側面10dの一部が左右方向の外側に向かって折り曲げられることで、側面10dよりも左右方向の外側に向かって突出する突出部10fが形成されても良い。このように構成すると、キャップ部材19を設ける必要がなくなるため、レンズ駆動装置1の構成を簡素化することが可能になる。
また、この場合には、突出部10fは、たとえば、側面10dに対して略直角に折り曲げられており、突出部10fの下面が平面部10gとなっている。この平面部10gには、ソケット26からレンズ駆動装置1を取り外す際に治具27のフック部27aが引っ掛かる。また、突出部10fは、前後方向における磁石配置凹部10eの両側に形成されている。なお、この場合には、図5に示すように、側面10dの一部が上側に向けて折り曲げられることで突出部10fが形成されても良いし、側面10dの一部が下側に向けて折り曲げられることで突出部10fが形成されても良い。また、この場合には、側面10dに形成された開口部は、たとえば、ベース部材11の立上部11b等によって塞がれている。
また、カバー部材10の内部に配置されるベース部材11またはスペーサ12に、側面10dよりも左右方向の外側に向かって突出する突出部11f、12fが形成されても良い(図6、図7参照)。この場合には、カバー部材10の側面10dに、突出部11f、12fの一部が配置される開口部が形成されている。
たとえば、ベース部材11の立上部11bに突出部11fが形成されても良い(図6参照)。この場合には、突出部11fは、たとえば、前後方向から見たときの形状が略直角三角形状となるように形成されており、突出部11fの下側には、光軸方向に略直交する平面部11gが形成されている。この平面部11gには、ソケット26からレンズ駆動装置1を取り外す際に治具27のフック部27aが引っ掛かる。また、突出部11fは、前後方向における磁石配置凹部10eの両側に形成されている。なお、この場合には、立上部11bは、カバー部材10に嵌め込まれる被嵌込部である。
また、この場合には、たとえば、左右方向の内側に立上部11bを弾性変形させながら、カバー部材10にベース部材11を嵌め込む。また、カバー部材10にベース部材11が嵌め込まれると、立上部11bが元の状態に復帰して、突出部11fが側面10dから左右方向の外側に向かって突出する。そのため、接着剤を使用しなくても、立上部11bの弾性変形を利用して、ベース部材11をカバー部材10に仮固定することが可能になる。したがって、仮固定した状態で所定の検査を行い、不良が発見された場合には、カバー部材10からベース部材11を容易に取り外すことが可能になる。
また、たとえば、スペーサ12に突出部12fが形成されても良い(図7参照)。この場合には、突出部12fは、たとえば、前後方向から見たときの形状が左右方向に扁平な略長方形状となる略正方形状の板状に形成されており、突出部12fの下側には、光軸方向に略直交する平面部12gが形成されている。この平面部12gには、ソケット26からレンズ駆動装置1を取り外す際に治具27のフック部27aが引っ掛かる。また、突出部12fは、前後方向における磁石配置凹部10eの両側に形成されている。
また、この場合には、たとえば、スペーサ12は、アウトサート成型によってカバー部材10と一体で形成されている。スペーサ12がアウトサート成型によってカバー部材10と一体で形成される場合には、カバー部材10の内部にスペーサ12を精度良く形成することが可能になる。また、カバー部材10の底部10aの下側に樹脂が充填されるため、治具27を使ってソケット26からレンズ駆動装置1を取り外す際に底部10aが変形しにくくなる。
なお、ベース部材11に突出部11fが形成される場合には、ベース部材11は、カバー部材10の内部に配置される樹脂部材である。また、スペーサ12に突出部12fが形成される場合には、スペーサ12は、カバー部材10の内部に配置される樹脂部材である。また、この場合には、スペーサ12は、板バネ5の一部が固定されるバネ固定部材である。
上述した形態では、平面部19gは、上下方向に略直交するように形成されている。この他にもたとえば、平面部19gは、下側に向かうにしたがって左右方向の外側に広がるように形成されても良い。この場合であっても、ソケット26からレンズ駆動装置1を取り外す際に、治具27のフック部27aが平面部19gから外れにくくなるため、平面部19gを利用してソケット26からレンズ駆動装置1をより容易に取り外すことが可能になる。なお、平面部19gは、上側に向かうにしたがって左右方向の外側に広がるように形成されても良い。
上述した形態では、第1側面部19dおよび第2側面部19eが側面10dに固定されている。この他にもたとえば、上面部19aが底部10aに固定されるとともに第1側面部19dが側面10dに固定されても良いし、上面部19aが底部10aに固定されるとともに第2側面部19eが側面10dに固定されても良い。
上述した形態では、側面10dに対する突出部19fの突出量は、側面10dに対する磁石配置凹部10eの突出量と同じか、側面10dに対する磁石配置凹部10eの突出量よりもわずかに小さくなっている。この他にもたとえば、側面10dに対する突出部19fの突出量は、側面10dに対する磁石配置凹部10eの突出量より大きくても良い。また、上述した形態では、カバー部材10の側面10dに磁石配置凹部10eが形成されているが、側面10dに磁石配置凹部10eが形成されていなくても良い。
上述した形態では、駆動用磁石17の駆動用コイル14、15との対向面は、2極に着磁されている。この他にもたとえば、駆動用磁石17の駆動用コイル14、15の対向面が1極に着磁されても良い。この場合には、たとえば、スリーブ8に鍔部8cが形成されず、また、供給される電流の方向が同じ方向となるように駆動用コイル14、15が一体的に巻回される。
上述した形態では、レンズ駆動装置1は、光軸方向から見たときの形状が略正方形状となるように形成されているが、レンズ駆動装置1は、光軸方向から見たときの形状が略長方形状となるように形成されても良い。また、レンズ駆動装置1は、光軸方向から見たときの形状が略四角形状以外の多角形状となるように形成されても良いし、光軸方向から見たときの形状が略円形状や略楕円形状となるように形成されても良い。
1 レンズ駆動装置
2 可動体
3 固定体
4 駆動機構
5 板バネ
10 カバー部材
10d 側面(第1側面)
10e 磁石配置凹部
10f、11f、12f、19f 突出部
10g、11g、12g、19g 平面部
11 ベース部材(樹脂部材)
11b 立上部(被嵌込部)
12 スペーサ(バネ固定部材、樹脂部材)
17 駆動用磁石
19 キャップ部材
19d 第1側面部(被固定部)
19e 第2側面部(被固定部)
L 光軸
Z 光軸方向
Z1 被写体側
Z2 反被写体側

Claims (10)

  1. レンズを保持し前記レンズの光軸方向へ移動可能な可動体と、前記可動体を前記光軸方向へ駆動するための駆動機構と、前記可動体および前記駆動機構の外周側を覆うカバー部材を有し前記可動体を前記光軸方向へ移動可能に保持する固定体とを備え、
    前記カバー部材は、磁性を有する金属材料で形成され、
    前記カバー部材の外周側に、前記光軸方向に略直交する方向へ突出する突出部が配置され、
    前記突出部の反被写体側には、平面部が形成されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. 前記カバー部材は、前記光軸方向から見たときの形状が略四角形状となるように形成され、
    前記突出部は、前記カバー部材の、互いに略平行な2個の第1側面のそれぞれから前記第1側面に略直交する方向へ突出していることを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。
  3. 2個の前記第1側面には、前記駆動機構を構成する駆動用磁石を配置するための磁石配置凹部が前記カバー部材の外周側へ突出するように形成され、
    前記第1側面に略直交する方向において、前記第1側面に対する前記突出部の突出量は、前記第1側面に対する前記磁石配置凹部の突出量以下であることを特徴とする請求項2記載のレンズ駆動装置。
  4. 前記平面部は、前記光軸方向に略直交するように形成されていること、または、反被写体側に向かうにしたがって前記突出部の突出方向へ広がるように形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
  5. 前記カバー部材の被写体側を覆うように取り付けられるキャップ部材を備え、
    前記突出部は、前記キャップ部材に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
  6. 前記キャップ部材の、前記光軸方向における前記突出部の両側に、前記カバー部材に固定される被固定部が形成されていることを特徴とする請求項5記載のレンズ駆動装置。
  7. 前記固定体は、前記カバー部材の内部に配置される樹脂部材を備え、
    前記突出部は、前記樹脂部材に形成され、
    前記カバー部材には、前記突出部の一部が配置される開口部が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
  8. 前記樹脂部材は、反被写体側から前記カバー部材に嵌め込まれるベース部材であり、
    前記突出部は、前記カバー部材に嵌め込まれる被嵌込部に形成されていることを特徴とする請求項7記載のレンズ駆動装置。
  9. 前記可動体の被写体側と前記固定体とを繋ぐ板バネを備え、
    前記樹脂部材は、前記板バネの一部が固定されるバネ固定部材であり、
    前記バネ固定部材は、アウトサート成型によって前記カバー部材と一体で形成されていることを特徴とする請求項7記載のレンズ駆動装置。
  10. 前記突出部は、前記カバー部材の側面の一部を折り曲げることで形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014052478A (ja) * 2012-09-06 2014-03-20 Nidec Sankyo Corp レンズ駆動装置およびレンズ駆動装置の製造方法

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