JP2011185936A - 時打ち機構のためのシーケンス制御装置 - Google Patents

時打ち機構のためのシーケンス制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】時打ち機構のためのシーケンス制御装置を提供する。
【解決手段】シーケンスに従った接触面10と協働する第1のレバー1及び第2のレバー2を制御する、時計機構用の少なくとも2つのレバーのシーケンス制御のための機械装置100に関し、このシーケンスにおいて、各レバーは、該レバーがトルクを蓄える増加段階の間に第1のトルク消費レベルから、該第1のレベルよりも高い第2のトルク消費レベルまで変化し、次いで、レバーが、エネルギーを伝達する減少段階の間に、第2のレベルから第1のレベルまで順次に変化する。第1のレバー1の減少段階の間に、第1のレベルと第2のレベルとの間の第3の中間レベルにおいて安定段階をもたらす遅延手段4を含むことを特徴とする。このタイプの装置100を組み込む時計に関する。
【選択図】図2

Description

本発明は、時計機構の少なくとも2つのレバーのための機械的なシーケンス制御装置に関するもので、そのシーケンス制御装置は動力手段を含むとともに、第1のレバー及び第2のレバーの動作を制御する釈放手段を含み、それらの第1のレバー及び第2のレバーそれぞれは、シーケンス制御装置における接触面の経路と協働するように構成されている。前述の接触面は、上記レバーにトルク形態のエネルギーを伝達する動力手段の動作によって、上記経路により与えられるシーケンスに従って移動可能であり、そして、各レバーは、エネルギーを蓄える第1段階(増加段階)中、第1のトルク消費レベルから該第1のレベルよりも高い第2のトルク消費レベルまで変化し、次いで、エネルギーを用いる機構に当該エネルギーをレバーが伝達する第2段階(減少段階)中、第2の消費レベルから上記第1の消費レベルまで連続的に変化する。前述のシーケンスにおいて、蓄積した全てのエネルギーを第2のレバーがユーザ機構に伝達する前又は後で、第1のレバーは、蓄積した全てのエネルギーをこのエネルギーを使用する機構に伝達する。
本発明は、時打ち機構に関するもので、少なくとも1つの打撃ホイールが備えられる。その打撃ホイールは、エネルギー源により提供されるエネルギーの一部を使用し、打撃ホイール内に含まれる歯又はカムのハンマーに作用する動作を介して、少なくとも1つのハンマーを少なくとも1つのゴングに対して作動させる。また、少なくとも1つの制御装置が備えられる。
本発明は、少なくとも1つの制御装置を含む時計に関する。
本発明は、音響又は視覚表示のために、特に、時打ち機構又は日付機構のために、エネルギーを使用する時計用機構の分野に関する。
特に、時打ち機構において繰り返し発生する問題は、実際の打撃動作に用いられるエネルギー源の管理の問題である。ハンマーを巻き上げるための高レベルのエネルギー消費に加えて、幾つかのタイプの打撃動作では、トルク消費の瞬間的ピークにも対処しなければならず、これは多くの場合、エネルギー源を過大にしなければならないことを意味する。
打撃動作が改善された時計は、特にリピータ時計又はグランド・ストライク時計のような、いわゆる複雑な携帯時計においてかなり以前から知られている。複雑な時計の分野における最新技術を明確に理解するために、特に、時打ち機構が取り付けられた時計に関する幾つかの章を含むFrancois Lecoultre著、「Les montres compliquees(Complicated Watches)」(97−205頁)(ISBN2−88175−000−1)を参照することができる。
Dubois及びDeprazのスイス国特許第604237号は、異なる音色を有する2つの重なったゴングを含む打撃装置を備え、該ゴングは2つのラチェットによって作動される2つのハンマーにより打撃され、該ラチェットは、枢動要素上の狼歯の組を介して2つのハンマーをそれぞれの打撃ばねに抗して動かすように動作する、リピータ時計を開示している。これらのラチェットは、その周辺部の一部の上にのみ歯付きにされ、これらの相対位置により異なる打撃の組が決定される。この時打ち装置は、速度の割合を調整する打撃調整器を含むが、パワー消費のピークを避けるための特定のエネルギー管理手段を含まない。
スイス国特許第604237号
Francois Lecoultre著、「Les montres compliquees(Complicated Watches)」(97−205頁)(ISBN2−88175−000−1)
本発明は、時計機構の少なくとも2つのレバーに対する機械的シーケンス制御装置を提供することでトルク消費のピークの問題を克服することを提案しており、当該制御装置は、該装置を介して動力手段から受け取ったトルク形態のエネルギーを、打撃機構、又は日付機構、或いは他の機構のような、このエネルギーを使用する1つ又はそれ以上の機構に伝達するレバーの各々のトルク消費を累積することによって動力手段により与えられるトルク消費のピークを回避するように構成される。
従って、本発明は、時計ムーブメントの少なくとも第1のレバー及び第2のレバーの機械的シーケンス制御装置であって、第1のレバー及び第2のレバーは、第1のホイール・セット及び第2のホイール・セットそれぞれの運動を弾性戻り手段に抗して制御し、時間的に接近し且つ部分的に重なった2つの運動が行われるように、構成されており、前記第1のホイール・セットを巻き上げるための第1の巻き上げ手段と、前記第2のホイール・セットを巻き上げる第2の巻き上げ手段とが備えられ、前記第1のホイール・セット及び前記第2のホイール・セットが同時ではなく順次に釈放するように構成されされている、機械的シーケンス制御装置であって、
前記第1の巻き上げ手段は、第1のホイール・セットの巻き上げと運動の釈放との間に時間遅延をもたらす手段を備え、前記第1のホイール・セットを操作する機構内に蓄えられたポテンシャル・エネルギーを第1の所定時間保持するように、前記第1のホイール・セットをその釈放まで前記第1の所定時間巻き上げられた状態にしておくように構成され、
前記第1の巻き上げ手段は、第1のレバーの制御用の第1の経路を含む接触面に、動力手段を伝達する手段を備え、前記接触面には前記遅延手段を形成する少なくとも1つの遅延面が配置されることを特徴とする。
本発明の1つの特徴によれば、第1の経路は、時計機構の動力手段又は装置内に含まれる動力手段によって駆動されるホイールの周辺部に配置され、遅延手段は、第1のホイール・セットを巻き上げた状態のままに置く遅延面であって、その角度幅(中心角)が、第1のホイール・セット及び第2のホイール・セットについての巻き上げ及び釈放の完全な累積サイクルに対応する角度幅の15%〜25%の範囲、及び/又は、第1のハンマー7を巻き上げ且つその巻き上げ状態に保持しておくサイクルに対応する角度幅の25%〜40%の範囲にある遅延面を有している。
本発明の1つの特徴によれば、第1の経路は、時計機構の動力手段又は装置内に含まれる動力手段によって駆動されるホイールの周辺部に配置され、遅延手段は、ホイールに対して実質的に接線方向の面であって、第1のレバーと協働するホイールの最大半径の6%〜10%の範囲の孤長を有している、少なくとも1つの遅延面を含む。
本発明は、少なくとも1つの打撃ホイールと、少なくとも1つの制御装置とを含む時打ち機構に係り、その打撃ホイールは、エネルギー源から提供されるエネルギーの一部を使用して、打撃ホイールの歯又はカムのハンマーに作用する動作を介して、少なくとも1つのハンマーを少なくとも1つのゴングに対して作動させるよう構成されている、時打ち機構であって、前記制御装置は、シーケンス時打ち制御装置であり、第1のレバーは、時計機構の第1の打撃レバーであり、第2のレバーは時計機構の第2の打撃レバーであり、第1のホイール・セットは第1のハンマーであり、第2のホイール・セットは第2のハンマーであり、前記第1のレバー及び第2のレバーそれぞれは、第1のハンマー及び第2のハンマーの運動を制御して、時間的に接近した2つの打撃を加えるように構成され、更に、接触面は、打撃ホイールの周辺部に配置され、前記第1のレバー及び前記第2のレバーそれぞれは、打撃ホイールが有するのと同じ数だけの動作を介して、少なくとも1つのハンマーを少なくとも1つのゴングに対して作動させるように構成され、これらの歯は、第1のレバー及び第2のレバーと接触しない中間パッドで終端し、且つ接触面を形成する。
本発明は更に、日付機構の枢動部品内に含まれる少なくとも第1のレバー及び第2のレバーを順次に巻き上げる、又はそのような枢動部品の運動を制御する接触面上の少なくとも1つの遅延面を含む遅延手段を備えた、このタイプの制御装置を含む日付機構に関する。
本発明の特徴によれば、日付機構は、異なるレバーにより順次に巻き上げられる複数の枢動部品を含む瞬間日付機構であり、枢動部品の全てが同時にジャンプする。
本発明は更に、動力手段と、少なくとも第1のレバー及び第2のレバーの動作を制御するための釈放手段とを含む時計機構を備えた時計に関し、当該時計は、なかに含まれる時打ち機構又はミニッツリピータ時打ち機構により消費されるトルクを調整するため、及び/又は、該時計内に含まれる日付機構により消費されるトルクを調整するための少なくとも1つの制御装置を含む。
本発明は、時打ち機構のような機構に用いられる、香箱又は同様のエネルギー源の最小サイズを可能にするという利点を有する。本発明は、特定の事例に応じて、瞬間日付機構におけるような特定の事象間の同期、又はディン・ドン(ding−dong)型打撃におけるような所望のタイムラグのいずれかを、実施可能な最良のエネルギー管理により保証することができる。本発明は、複雑な機構により消費されるトルクの累積レベルを適度なレベルに保持できるようにする。構造体、特にプレート上に作用する応力が結果的に小さくなり、長期にわたる時計の性能が改善される。累積トルク消費曲線が円滑になることは、調整に直接影響を与え、これにより調整が大幅に容易になる。
本発明の他の特徴及び利点は、本発明による修正機構の例示的な実施形態に関する以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。この実施例は、添付図面を参照した非限定的な例証として与えられているに過ぎない。
ハンマーを作動させる2つのレバーをそれぞれ作動させてゴングを打撃し、ディン・ドン型打撃を順次に行なうよう、鋭い歯の2つの経路を有する打撃ホイールを含む時計用時打ち機構の部分概略平面図である。 経路の一方がハンマーの一方の巻き上げのタイムラグを生じさせ、ハンマーが釈放されるまで該ハンマーを巻き上げられた状態にする特別な歯を含む、本発明による少なくとも2つのレバー用の機械的シーケンス制御装置を組み込む時打ち機構の図1に類似の図である。 図1の打撃ホイールの歯の各トルク消費をy軸上に示し、打撃ホイールの角度位置によるその瞬間的累積をx軸上に示した、打撃実行中の累積曲線の変動範囲を示す図である。 本発明による図2の打撃ホイールの歯のトルク消費、及び打撃実行の間に累積曲線が中間レベルでどのように円滑にされるかを示す、図3と類似した図である。 本発明による図2の打撃ホイールの第1の経路の歯の部分概略平面図である。 図1の歯又は図2の打撃ホイールの別の経路の歯の図5と類似した図である。 代替的な実施形態における、図2の打撃ホイールの別の経路の歯の図5と類似した図である。 別の最適化調整がなされた、本発明による図2の打撃ホイールの歯のトルク消費を示す、図4と類似した図である。 各々が本発明による制御装置を含む、時打ち機構及び日付機構を備えたむ時計を示すブロック図である。
本発明は、特に、時打ち機構又は日付機構のような音響表示又は視覚表示のためにエネルギーを消費する時計機構の分野に関する。
本発明は、時計機構の少なくとも第1のレバー1及び第2のレバー2のシーケンス制御のための機械制御装置100に関する。
この時計機構は、香箱又は同様のものなどの動力手段と、少なくとも第1のレバー1及び第2のレバー2の作動を制御する釈放手段3とを含み、第1のレバー1及び第2のレバー2は、制御装置100を介して動力手段から受けたエネルギーを、エネルギーを用いる機構へと伝達するタイプのものである。
第1のレバー1及び第2のレバー2は、それぞれ、第1のホイール・セット7及び第2のホイール・セット8の運動を制御し、好ましくは弾性戻り手段に抗して、時間的に接近し且つ部分的に重なる2つの運動を行なうように構成される。
本明細書では、2つのレバーが作動される場合を例示しているが、本発明は2つよりも多い数のレバーの場合にも全く同じように適用されることは明らかである。
制御装置100は、第1のホイール・セット7を巻き上げる第1の手段と、第2のホイール・セット8を巻き上げる第2の手段とを含む。この制御装置100は、第1のホイール・セット7及び第2のホイール・セット8を同時にではなく順次に釈放するように構成される。
本発明によれば、第1の巻き上げ手段は、第1のホイール・セット7の巻き上げ動作と釈放動作との間の時間を遅延させる手段4を含み、第1のホイール・セット7を操作するために機構内に蓄積されたポテンシャルエネルギーを所定の時間期間保持して、第1のホイール・セット7を、その釈放までの前記所定期間中、巻き上げた状態のままにするように構成される。
本発明によれば、この遅延手段4は、少なくとも1つの遅延面40を含む。
別の特徴によれば、この第1の巻き上げ手段は、時計機構又は制御装置100に含まれる動力手段を接触面10に伝達する手段を含み、該接触面は第1のレバー1を制御するための第1の経路301を含み、この接触面の上に少なくとも1つの遅延面40が配置されて、遅延手段4を形成する。
好ましい実施形態においては、図示されるように、第1の経路301は、時計機構の動力手段より駆動され又は制御装置100内に含まれるホイール30の周辺部に配置され、遅延手段4は、第1のホイール・セット7が巻き上げられた状態のままに置かれる、所定の角度幅(中心角)の少なくとも1つの遅延面40を含み、前記角度幅は、第1のホイール・セット7及び第2のホイール・セット8両方の巻き上げ及び釈放の完全な累積サイクルに対応する角度幅の15%から25%までの範囲、及び/又は、第1のホイール・セットを巻き上げてこれを巻き上げ状態に保持するサイクルに対応する角度幅の25%から40%まで、より特定的には35%から40%までの範囲を含む。
更なる変形態様では、第1の経路301は、時計機構の動力手段により駆動され又は上記制御装置100内に含まれるホイール30の周辺部に配置され、遅延手段4は、ホイール30に対して実質的に接線方向の面であって、第1のレバー1が協働するホイール30の最大半径の6%から10%までの範囲の孤長を有する、少なくとも1つの遅延面40を含む。
第1のホイール・セット7の第1の巻き上げ手段は、第1の増加段階14をもたらすように構成され、該増加段階14では、第1のレバー1が、第1のトルク消費レベル11と、第1のレベル11よりも高い第2のトルク消費レベル12との間のエネルギーを蓄える。第2のホイール・セット8の第2の巻き上げ手段は、第1の増加段階24をもたらすように構成され、該増加段階24では、第2のレバーが、第1のトルク消費レベル21と第1のレベル21よりも高い第2のトルク消費レベル22との間にエネルギーを蓄える。遅延手段4は、第1の増加段階14に続く第1のレバー1の第2の減少段階15の間に、第1のトルク消費レベル11と第2の消費レベル12との間の第3の中間トルク消費レベル13において少なくとも1つの安定段階16をもたらすように構成される。第2の減少段階15の終わりに、第1の増加段階24の間に蓄積した全てのエネルギーを第2のレバー2がユーザ機構に伝達する前又は遅くともその瞬間に、第1のレバー1は、第1の増加段階14の間に蓄積した全てのエネルギーをこのエネルギーを使用する機構に伝達し、第1のレバー1及び第2のレバー2の各々のトルク消費を累積することによりトルク消費のピークを防ぐようにする。
第2の巻き上げ手段は、時計機構又は制御装置100内に含まれる動力手段を、第2のレバー2を制御するための第2の経路302を含む接触面10に伝達する手段を含む。接触面10は、経路301及び302により与えられるシーケンスに応じてトルクの形態のエネルギーをレバー1及びレバー2に伝達するため、動力手段の動作によって移動可能である。このシーケンスにおいて、レバー1及び2のそれぞれは、レバー1、2がエネルギーを蓄える第1の増加段階14、24の間に、第1のトルク消費レベル11、21から該第1のレベル11、21よりも高い第2のトルク消費レベル12、22まで変化し、次いで、レバーが、エネルギーの使用をする機構にエネルギーを伝達する第2の減少段階15、25の間に、第2のレベル12、22から第1のレベル11、21まで順次に変化する。
本発明は、ホイール30の周辺部に接触面10を有するものが示されているが、他の実施形態では、接触面10は、ラック又は取り付けられたラックの組により形成され、或いは、カム経路又は歯を含む楕円形の幾何学形状を有するセクタにより形成される。
本発明は、各図で示される時打ち動作に対する特定の用途について以下で具体的に説明するが、これには限定されない。この時打ち制御機構の場合、時計機構の少なくとも第1の打撃レバー1及び第2の打撃レバー2のシーケンス制御のための機械制御装置100に対して、第1のレバー1及び第2のレバーは、時間的に接近した2つの打撃を加えるように第1のハンマー7及び第2のハンマー8の運動をそれぞれ制御するよう構成される。このシーケンス制御装置100は、第1のハンマー7を巻き上げる第1の手段と、第2のハンマー8を巻き上げる第2の手段とを含む。制御装置100は、第1のハンマー7及び第2のハンマー8を、同時にではなく順次に釈放するように構成される。
本発明によれば、第1の巻き上げ手段は、第1のハンマー7の巻き上げと釈放との間の時間を遅延させる手段4を含み、この手段4は、第1のハンマー7を操作するために機構内に蓄えられたポテンシャルエネルギーを所定の時間期間の間保持し、第1のハンマー7を釈放されるまで所定の時間期間の間に巻き上げた状態に保持するように構成され、これにより第1のハンマー7の巻き上げのタイムラグを生じさせる手段を形成する。
これらレバー1及び2の各々は、制御装置100内に含まれる接触面10の経路301及び302とそれぞれ協働するように構成される。この接触面10は、1レバーにつき1経路の割合の経路を介して異なるレバーに与えられる運動のシーケンスを定める。接触面10は、時計機構の動力手段又は制御装置100が含むことができる付加的な動力手段の動作によって移動可能である。実際には、制御装置100は、既存のムーブメントと並置することができる追加ユニットとして考案することができる。第1のレバー1及び第2のレバー2は、接触面10の経路301及び302により与えられるシーケンスに応じて、接触面10により提供されるエネルギーをトルクの形態で受け取る。
このシーケンスにおいて、レバー1及び2の各々は、それぞれ、トルクの形態でエネルギーを蓄える第1の段階(増加段階)14、24それぞれの間に、好ましくは低レベル又はゼロである第1のトルク消費レベル11、21から、第1のレベル11、21よりもそれぞれ高いレベルの第2のトルク消費レベル12、22まで変化し、次いで、エネルギーを使用する機構にエネルギーを伝達する第2の段階(減少段階)15、25の間に、第2のレベル12、22からそれぞれ第1のレベル11、21まで順次に変化する。このシーケンスの間に、蓄積した全てのエネルギーを第2のレバーがユーザ機構に伝達する前又は後に、第1のレバー1は、蓄積した全てのエネルギーをこのエネルギーを使用する機構に伝達する。
本発明によれば、制御装置100は、第1のレバー1の第2の減少段階15の間に、第1のレバーの第1のトルク消費レベル11と第2のトルク消費レベル12との間の第3の中間トルク消費レベル13において少なくとも1つの安定段階16をもたらすように構成された遅延手段4を含み、各レバーのトルク消費の累積によるトルク消費のピークを防ぐようにする。
従って、本発明は、歯の最小急勾配に沿って上昇する間のエネルギー蓄積段階の後、即座に、歯の最大急勾配に対応するエネルギーの突発的釈放が続く、「狼歯」型のラチェット歯に依存する周知の時打ち機構とは異なるものである。
本発明の好ましい実施形態において、接触面10は、第1のレバー1のトルク消費安定段階16が、第2のレバー2の第1の増加段階24の間に生じるようにシーケンスを定める。
接触面10は、第1のレバー1の第2のトルク消費減少段階15の後、第2のトルク消費減少段階25が終了する前に第1のレバー1の新しい操作のための新しい第1の増加段階14が開始されるようにシーケンスを定めることが好ましい。
接触面10は、第1のレバー1の第1のトルク消費増加段階14が終了した後に、第2のレバー2の第1のトルク消費増加段階24が開始するようにシーケンスを定めることが好ましい。
遅延手段4の性質は、使用される機構によって決まる。本明細書では、時計製作技術において最も一般的な構成である、接触面10がホイールの周辺部におけるカム経路の組である場合についてより具体的に記述している。しかしながら、本発明は、接触面10の支持体の幾何学的性質が異なる、例えば線形支持体の場合でも全く同じ方法で適用される。この場合、接触面10は、ラック又は取り付けられたラックの組の形態、又は、例えばカム経路又は歯或いは他の要素を含む、例えば楕円形などの特定の幾何学的形状を有するセクタの形態をとることもできる。
同様に、本発明は、レバーを作動させるためのカムを形成する突出要素を含む接触面10について説明するが、凹状要素を用いても等しく良好に実施することができ、この場合、カムは輪郭に沿って中空体又は溝により形成される。
図面は、時打ち機構に関する本発明の特定の使用例を示している。図1及び図3は、「MONTRES BREGUET SA」の製品により特に知られる最新技術の実施例を示す。接触面10は、時計機構の動力手段により駆動される打撃ホイール30の周辺部にあり、第1のレバー1及び第2のレバー2の運動のシーケンスを駆動し、これらのレバーは、ホイール30の軸に平行な軸の周りで、第1のレバー1を操作する少なくとも第1の制御カム31を含む第1の経路301を介して、及び第2のレバー2を操作する少なくとも第2の制御カム32を含み且つ第1の経路301とは異なる第2の経路302を介してホイール30の外部に各々枢動可能に取り付けられる。従来技術により周知のこれらの制御カム31及び32は、図6に見られるように、鋭く尖った歯の形態で形成される。
前述の実施形態に関連する図1及び図3の実施例において、ここでは3回繰り返される順次なディン・ドン型打撃の場合、図3の点線は、第1の「ディン(ding)」用歯31によるトルク消費が低い又はゼロである第1のレベル11のアイドル状態から始まり、第1のレバー1は、図3の実施例における8°の角度位置から始まって巻き上げられることを示している。レバー1のトルク消費は、第2のトルクレベル12まで増大し、約13°で最大レベルに達する。トルクは約15°で低下し、このときレバー1が釈放され、第1のハンマー7に伝達されるエネルギーを釈放し、第1のベル又はゴング71を打撃する。次いで、約20°で再び巻き上げられるまで消費は再度第1のレベルに低下し、ここでシーケンスが繰り返され、次に約32°でシーケンスが再度繰り返される。
同様の方法で、第2の「ドン(dong)」用歯32のトルク消費が低い又はゼロである第1のレベル22におけるアイドル状態から始まり、第2のレバー2は、図3の実施例で破線で示される13°の角度位置から始まって巻き上げられる。このレバー2のトルク消費レベルは、第2のトルクレベル22まで増加し、約18°で最大レベルを構成する。トルクは約19°で低下することが示され、その際には、レバー2が釈放され、第2のハンマー8に伝達されるエネルギーを釈放し、第2のゴング81を打撃する。次いて、トルク消費は、約26°で再び巻き上げられるまで、再度第2のレベル21に低下し、次に約39°でシーケンスが再度繰り返される。
図3は、トルク消費の累積を表わす一点鎖線の曲線が有意な変化を生じ、約15°/27°/39°で高いピークを有し、約20°/32°/44°で極めて低いレベルを有することを示している。この実施例においては、第1の「高音」ディン用ハンマー7の第1のレバー1に対応する第2の最大レベル12は200g・mmであり、第2の「低音」ドン用ハンマー8の第2のレバー2に対応する第2の最大レベル22は150g・mmである。結果として得られる曲線の最大レベルは300g・mmであり、従って、最大トルクの合計350g・mmよりも僅かに少ないだけである。
時打ち機構が、2つのハンマーにより2つの時間的に接近した打撃を加えたときに、特に瞬間トルク消費のあらゆるピークを防ぐためには、2つのハンマーを同時にではなく順次に巻き上げるのが有利である。本発明は、ハンマーの一方の巻き上げのタイムシフトを実行し、ハンマーが釈放されるまで該ハンマーを巻き上げた状態にする。制御機構が歯付きホイールにより形成される図示の場合において、対応する歯を拡大することによってハンマーの一方の巻き上げのタイムシフトが有利に達成される。
本発明によれば、図2、図4及び図5で見える特定の実施形態において、接触面10は、時計機構の動力手段又は制御装置100内に含まれる動力手段により駆動されるホイール30の周辺部にある。特に、図2及び図4の時打ち機構の場合、ホイール30は、打撃ホイールである。
接触面10は、第1のレバー1及び第2のレバー2の運動のシーケンスを駆動する。第1のレバー1及び第2のレバー2それぞれは、ホイール30の軸と平行な軸の周りで且つその外部に枢動可能に取り付けられる。それらの運動は、第1のレバー1を操作する少なくとも第1の制御カム31を含む第1の経路301を介して、及び、第2のレバー2を操作する少なくとも第2の制御カム32を含み且つ第1の経路301とは異なる第2の経路302を介して、行なわれる。図4の実施例は、第1の経路301上の3つの「ディン」音を制御する3つの歯形状カム31と、第2の経路302上の3つの「ドン」音を制御する3つの歯形状カム32とを示す。接触面10の構成により、「ディン」音と「ドン」音との間の位相シフトと、2つの引き続くディン・ドン間の時間間隔とが定められる。本実施例において、各打撃シーケンスは、3回のディン・ドンを順に鳴らし、図4の実施例のホイール30は、各々がこれら3回のディン・ドンを実行する6つのカム群を有する。例えば、3回のディン・ドンの1つのシーケンスと次のシーケンスとの間の停止は、例えば、日の裏機構(motion work) 又は同様のもなどの腕時計機構の釈放手段3により制御される、図示されない爪を有する機構により達成される。
本発明によれば、第1の制御カム31は遅延面40を有し、その遅延面40は、遅延手段4を形成、又は、遅延手段4が複数の要素を備える場合は少なくともその一部を形成するする。図4の例示的な実施形態において、遅延面40は、軸がホイール30の軸と併合し、第1のレバー1及び第2のレバー2の移動領域において最大直径を形成する円筒形セクタによって、或いはこの円筒形セクタに対し実質的に接線方向の平坦な面を介して形成される。本発明の主旨から逸脱することなく、特に異なる輪郭を有する他の実施形態は明らかに実施可能である。
接触面10は、第1のレバー1を操作する少なくとも第1の制御カム31と、第2のレバー2を操作する少なくとも第2の制御カム32とを有する。各制御カム31、32はそれぞれ、第1の増加段階14、24に対する第1の傾斜部310、311と、第2の減少段階15、25の少なくとも最後に対する第2の傾斜部320、321とを含む。本発明によれば、少なくとも第1の制御カム31は、第1の傾斜部310と第2の傾斜部320との間に遅延手段4を形成する中間面401を含む。
図示されない特定の形態において、各制御カム31、32は、第1の傾斜部310、311の間および第2の傾斜部320、321の間に、遅延手段4を形成する中間面401および402を含む。この構成は、中間面401を有する第1の歯31の構成を介して達成される蓄積トルクの節減を利用するため、更に図7に示されるような第2の中間面402を介して第2の打撃をシフトさせることにより「ディン」音と「ドン」音との間の時間間隔を所定値に調整するために有用とすることができる。
本発明による実施形態の図4は、第1の「ディン」用歯31の第1の低い又はゼロのトルク消費レベル11におけるアイドル状態から始まって、第1のレバー1がこの実施例では5°の角度位置から巻き上げられ、レバー1のトルク消費が第2のトルクレベル12まで増大し、約13°でその最大レベルに達することを示している。
トルクは、レバー1が中間面401と協働する際、消費トルクレベル13の安定段階16付近の約14°で低下する。実際には、レバー1は、トルク増加段階14の間は第1の傾斜部310と協働し、次に中間面401に入り、結果として生じる力の向きが変化し、従って、トルクのモーメントも変化する。中間トルクレベル13は、歯に対する保持トルクであり、この段階においてレバー1はハンマー7を完全に巻き上げている。中間面401が回転中心に対し同心半径上にある形態において、トルクは一定である。当然のことながら、蓄積トルクの周期的変動を更に減少させるよう輪郭形成される歯を形成することも可能であるが、実験結果を示す図4は、円筒形の外面を有する第1の歯を拡大するものである極めて単純な解決法により、累積トルクが均一になることを示している。
その後、角度値が約17°でレバー1が釈放され、第1のハンマー7に伝達されるエネルギーを釈放して、第1のベル又はゴング71を打撃すると、トルク消費が第1のレベル11に低下し、巻き上げが行なわれるまで(この実施例ではほぼ即座に)シーケンスが繰り返され、すなわち約29°までシーケンスが再度繰り返される。
同様の方法で、第2の「ドン」用歯32の第1の低い又はゼロのトルク消費レベル21におけるアイドル状態から始まり、第2のレバー2は、図4の実施例における13°の角度位置から巻き上げられ、レバー2のトルク消費は、第2のトルクレベル22まで増大し、約18°でその最大レベルに達する。トルクは約19°で低下し、このときレバー2が釈放され、第2のハンマー8に伝達されるそのエネルギーを釈放して、第2のベル又はゴング81を打撃する。次に、トルク消費は再び第1のレベル21に低下し、約26°で再び巻き上げられるまでシーケンスが繰り返され、次いで約37°でシーケンスが再度繰り返される。
図示される例示的な実施形態において、遅延手段4は、十分に大きい角度幅を有する少なくとも1つの遅延面40を含む。実際には、第1のハンマー7が巻き上げられた状態のままに置かれる角度幅は、好ましくは、2つのハンマー7及び8の巻き上げ及び釈放の完全な累積サイクルに対応する角度幅の15%〜25%までの範囲、及び/又は、第1のハンマー7を巻き上げ且つその巻き上げ状態に保持しておくサイクルに対応する角度幅の25%〜40%、好ましくは35%〜40%までの範囲から構成される。
図4は、トルク消費の蓄積を表す曲線が、打撃シーケンス全体の間で130から250g・mmまで広がる、小さな変動を生じることを示している。この実施例において、第1の「高い」ディン用ハンマー7の第1のレバー1に対応する第2の最大レベル12は215g・mmであり、第2の「低い」ドン用ハンマー8の第2のレバー2に対応する第2の最大レベル22は155g・mmである。結果として生じる曲線の最大レベルは250g・mmであり、従って、最大トルクの合計370g・mmよりもかなり低くなる。第1の歯における遅延段階に起因して、2つのレバーのトルク消費がある意味では逆位相であるので、第2のレバーに対応する最大トルクレベル22は、あまり大きく結果を変化させることなく、遙かに高くなり得ることが明らかである。
図8は、遅延領域の角度幅に対応する別の調整を示しており、該角度幅は、第1のハンマー7を巻き上げてこれを巻き上げ位置に保持するサイクルに対応する角度幅の約36%に調整され、打撃サイクルの間に第1のレバー1が移動する最小値と最大値との間の半径差は、遅延面40が配置される最大半径のおよそ7%である。一方の遅延面40上の遅延孤長と、他方の打撃サイクルの間の半径の増加との比は50%近くである。
第1のハンマーの釈放(点線)は、遅延段階の後、角度53°、110°、167°で行なわれ、第2のハンマーの釈放(一点鎖線)は、68°、125°、182°で行なわれ、すなわち、第1のハンマーと第2のハンマーの打撃間の差は15°であり、各サイクル間の差は42°である。
ここで得られるトルクは、両方のハンマーで等しく最大約200g×mmである。
第1の歯が約50g×mmのトルクに対応する平坦部に達すると、トルクの低下は大きく、これにより累積トルク(実線)は、別個の各トルクの値、すなわち200g×mmを超えず、従って、無駄なエネルギー消費が阻止される。第2のハンマーが釈放され、第1の歯からトルクが得られる直前の累積トルクの最低値は、ここでは約25g×mmである。
当然のことながら、この累積トルクを、例えば、120から200g×mmの間に含まれる、更に低い値に制限することも可能である。実際には、累積トルクが低いほど、一定のトルク消費値に近づき、調整がより容易になる。
このように、打撃動作により得られるトルクは、2つのハンマーからトルクが付加されることに起因してあまり有意なピークが存在しない。
従って、可及的に最小の差分でトルクを平滑にする目的が達成され、この場合、これは、打撃動作を適切に調整する問題がより少なくなることを意味する。
手短に言えば、時打ち機構に適用される形態において、接触面10は、打撃ホイール30の周辺部に配置され、第1のレバー1及び第2のレバー2それぞれは、打撃ホイール30が有する歯31、32と同じ数の動作を介して、少なくとも1つのハンマー7、8を少なくとも1つのベル又はゴング71、81に作動させるように構成され、これらの歯は、第1のレバー1及び第2のレバー2と接触しない中間パッドで終端し、接触面10を形成する。ハンマーは、ピン・バレル又は類似の要素を打撃することもできる。
本発明は時打ち機構に係り、その時打ち機構には、少なくとも1つの打撃ホイールにして、エネルギー源から提供されるエネルギーの一部を使用して、打撃ホイールの歯又はカムのハンマーに作用する動作を介して、少なくとも1つのハンマーを少なくとも1つのゴングに対して作動させるよう構成されている、少なくとも1つの打撃ホイールと、少なくとも1つの制御装置100とが含まれる。この制御装置100は、シーケンス時打ち制御装置であり、第1のレバー1は、時計機構の第1の打撃レバーであり、第2のレバー2は時計機構の第2の打撃レバーである。第1のホイール・セット7は第1のハンマーであり、第2のホイール・セット8は第2のハンマーであり、前記第1のレバー7及び第2のレバー8それぞれは、第1のハンマー及び第2のハンマーの運動を制御して、時間的に接近した2つの打撃を加えるように構成され、接触面10は、打撃ホイールの周辺部に配置される。第1のレバー1及び第2のレバー2それぞれは、打撃ホイール30が有するのと同じ数だけの動作を介して、少なくとも1つのハンマー7(8)を少なくとも1つのゴング71(81)に対して作動させるように構成され、これらの歯は、接触面10を形成し且つ第1のレバー1及び第2のレバー2と接触しない中間パッドで終端する。
本発明の別の有利な用途は、このタイプの制御装置100を含む日付機構に関し、制御装置は、少なくとも第1のレバー1及び第2のレバー2を順次に巻き上げる接触面10上に少なくとも1つの遅延面40を含む遅延手段4を備え、それらのレバーは、日付機構の枢動可能要素に含まれる又は枢動要素の運動を制御する。
特定の特徴によれば、この日付機構は、異なるレバーにより巻き上げられ且つ同時にジャンプする幾つかの枢動要素を含む瞬間日付機構である。
本発明は、少なくとも1つの制御装置100を含み、動力手段と、少なくとも第1のレバー及び第2のレバー2の作動を制御する釈放手段3とを有する時計機構を含む時計に関する。この時計は、時計内に含まれる時打ち機構又はミニッツリピータ機構により消費されるトルクを調整するため、及び/又は時計内に含まれる日付機構により消費されるトルクを調整するための、少なくとも1つの制御装置100を含む。
1 第1のレバー; 2 第2のレバー; 3 釈放手段; 4 遅延手段;
10 接触面; 30 ホイール; 40 遅延面。

Claims (17)

  1. 時計ムーブメントの少なくとも第1のレバー及び第2のレバーのシーケンス制御をする機械装置であって、第1のレバー(1)及び第2のレバー(2)は、第1のホイール・セット(7)及び第2のホイール・セット(8)それぞれの運動を弾性戻り手段に抗して制御し、時間的に接近し且つ部分的に重なった2つの運動が行われるように、構成されており、前記第1のホイール・セット(7)を巻き上げるための第1の手段と、前記第2のホイール・セット(8)を巻き上げる第2の手段とが備えられ、前記第1のホイール・セット(7)及び前記第2のホイール・セット(8)が同時ではなく順次に釈放するように構成されされている、機械装置であって、
    前記第1の巻き上げ手段は、第1のホイール・セット(7)の巻き上げと運動の釈放との間に時間遅延をもたらす遅延手段(4)を備え、前記第1のホイール・セット(7)を操作する機構内に蓄えられたポテンシャル・エネルギーを第1の所定時間保持するように、前記第1のホイール・セット(7)をその釈放まで前記第1の所定時間巻き上げられた状態にしておくように構成され、
    前記第1の巻き上げ手段は、第1のレバーの制御用の第1の経路(301)を含む接触面(10)に、動力手段を伝達する手段を備え、前記接触面には前記遅延手段(4)を形成する少なくとも1つの遅延面(40)が配置される、
    ことを特徴とする機械装置。
  2. 前記第1の経路(301)は、前記時計機構の動力手段又は前記装置(100)内に含まれる動力手段によって駆動されるホイール(30)の周辺部に配置され、
    前記遅延手段(4)は、前記第1のホイール・セット(7)が巻き上げられた状態のままに置かれる角度幅を有する少なくとも1つの遅延面(40)を含み、前記角度幅が、前記第1のホイール・セット(7)及び前記第2のホイール・セット(8)の巻き上げ及び釈放の完全な累積サイクルに対応する角度幅の15%から25%までの範囲、及び/又は、前記第1のホイール・セット(7)を巻き上げて巻き上げ状態に保持するサイクルに対応する角度幅の25%から40%までの範囲を含む、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記第1の経路(301)は、前記時計機構の動力手段又は前記装置(100)内に含まれる動力手段によって駆動されるホイール(30)の周辺部に配置され、
    前記遅延手段(4)は、前記ホイールに対して実質的に接線方向の面にして、前記第1のレバー(1)と協働する前記ホイールの最大半径の6%から10%までの範囲の孤長を持つ、少なくとも1つの遅延面(40)を含む、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の制御装置。
  4. 前記第1のホイール・セット(7)のための前記第1の巻き上げ手段は、前記第1のレバー(1)が、第1のトルク消費レベル(11)と前記第1のトルクレベル(11)よりも高い第2のトルク消費レベル(12)との間のエネルギーを蓄える第1の増加段階(14)をもたらすように構成されており、
    前記第2のレバー(2)のための前記第2の巻き上げ手段は、前記第2のレバー(2)が、第1のトルク消費レベル(21)と前記第1のレバーよりも高い第2のトルク消費レベル(22)との間のエネルギーを蓄える第1の増加段階(24)をもたらすように構成されており、
    前記遅延手段(4)は、前記第1の増加段階(14)に続く前記第1のレバー(1)の第2の減少段階(15)の間に、該第1のトルクレベル(11)と前記第2のトルク消費レベル(12)との間の第3の中間トルク消費レベル(13)で少なくとも1つの安定段階(16)をもたらすように構成されており、
    前記第2の減少段階(15)の終わりに、前記第2のレバー(2)が前記第1の増加段階(24)の間に蓄えた全てのエネルギーをユーザ機構に伝達する前又は遅くとも伝達する瞬間に、前記第1のレバー(1)は、前記第1の増加段階(14)の間に蓄積した全てのエネルギーを当該エネルギーを用いる機構に伝達し、前記第1のレバー(1)及び前記第2のレバー(2)の各々のトルク消費を累積することによるトルク消費のピークを防ぐようにする、
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の制御装置。
  5. 前記第2の巻き上げ手段は、前記時計機構又は前記制御装置(100)内に含まれる動力手段を、前記第2のレバー(2)を制御するための第2の経路(302)を含む接触面(10)に伝達するための手段を含み、前記接触面(10)は、前記経路(301、302)により与えられるシーケンスにおいてトルクの形態のエネルギーを前記レバー(1、2)に伝達するための動力手段の動作によって移動可能であり、このシーケンスにおいて、前記レバー(1、2)の各々は、該レバー(1、2)がエネルギーを蓄える第1の増加段階(14、24)の間に、前記第1のトルク消費レベル(11、21)から該第1のレベル(11、21)よりも高い前記第2のトルク消費レベル(12、22)まで変化し、次いで、前記レバーが前記エネルギーを用いる機構に該エネルギーを伝達する第2の減少段階(15、25)の間に、前記第2のレベル(12、22)から前記第1のレベル(11、21)まで順次に変化する、
    ことを特徴とする、請求項4に記載の制御装置。
  6. 前記接触面(10)は、前記第2のレバー(2)の第1の増加段階(24)の間に、前記第1のレバー(1)のトルク消費安定段階(16)が生じるように前記シーケンスを定める、
    ことを特徴とする請求項5に記載の制御装置。
  7. 前記接触面(10)は、前記第1のレバー(1)の前記第2のトルク消費減少段階(15)の後、前記第2のレバー(2)の第2のトルク消費減少段階(25)が終了する前に前記第1のレバー(1)の新しい操作についての新しい増加段階(14)が開始されるように前記シーケンスを定める、
    ことを特徴とする、請求項5又は6に記載の制御装置。
  8. 前記接触面(10)は、前記第1のレバー(1)の第1のトルク消費増加段階(14)が終了した後に、前記第2のレバー(2)の第1のトルク消費増加段階(24)が開始するように前記シーケンスを定める、
    ことを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載の制御装置。
  9. 前記接触面(10)は、前記時計機構の動力手段又は前記装置(100)内に含まれる動力手段によって駆動されるホイール(30)の周辺部にあり、
    前記接触面が、前記の運動のシーケンスを駆動し、前記第1のレバー(1)及び前記第2のレバー(2)が、前記ホイール(30)の軸と平行な軸の周りで且つその外部に枢動可能に取り付けられ、前記駆動が、前記第1のレバー(1)を操作する少なくとも第1の制御カム(31)を含む第1の経路(301)を介して、及び前記第2のレバー(2)を操作する少なくとも第2の制御カム(32)を含み且つ前記第1の経路(301)とは異なる第2の経路(302)を介して行なわれ、前記第1の制御カム(31)が前記遅延手段(4)を構成する遅延面(40)を含む、
    ことを特徴とする、請求項5〜8のいずれかに記載の制御装置。
  10. 前記遅延面(40)は、前記ホイール(30)の軸と併合する軸を有し且つ前記第1のレバー(1)及び前記第2のレバー(2)の移動領域において前記ホイールの最大直径を構成する円筒形セクタにより、又はこのような円筒形セクタに対し実質的に接線方向にある平坦な面により形成される、
    ことを特徴とする、請求項9に記載の制御装置。
  11. 前記接触面(10)は、前記第1のレバー(1)を操作するための少なくとも第1の制御カム(31)と、前記第2のレバー(2)を操作するための少なくとも第2の制御カム(32)とを含み、前記各制御カム(31、32)は、前記第1の増加段階(14、24)に対する第1の傾斜部(310、311)と、少なくとも前記第2の減少段階(15、25)の終わりに対する第2の傾斜部(320、321)とを含み、少なくとも前記第1の制御カム(31)が、前記第1の傾斜部(310)と前記第2の傾斜部(320)との間に、前記遅延手段を形成する中間面(401)を含む、
    ことを特徴とする、請求項5〜10のいずれかに記載の制御装置。
  12. 前記接触面(10)は、前記第1のレバー(1)を操作するための少なくとも第1の制御カム(31)と、前記第2のレバー(2)を操作するための少なくとも第2の制御カム(32)とを含み、前記各制御カム(31、32)は、前記第1の増加段階(14、24)に対する第1の傾斜部(310、311)及び少なくとも前記第2の減少段階(15、25)の終わりに対する第2の傾斜部(320、321)と、前記第1の傾斜部(310、311)と前記第2の傾斜部(320、321)との間に前記遅延手段(4)を形成する中間面(401、402)とを含む、
    ことを特徴とする、請求項5〜11のいずれかに記載の制御装置。
  13. 前記接触面(10)は、ラック又は取り付けられたラックの組により形成され、または、カム経路又は歯を含む楕円形の幾何学的形状を有するセクタにより形成される、
    ことを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の制御装置。
  14. エネルギー源から供給されるエネルギーの一部を使用して、ハンマーに対する打撃ホイール内に含まれる歯又はカムの動作を介して、少なくとも1つの前記ハンマーを少なくとも1つのゴングに対して動作させる少なくとも1つの打撃ホイールと、請求項1〜13のいずれかに記載の少なくとも1つの制御装置とを含む、時打ち機構(200)であって、
    前記制御装置(100)がシーケンス時打ち制御装置であり、前記第1のレバー(1)が時計機構の第1の打撃レバーであり、前記第2のレバー(2)が前記時計機構の第2の打撃レバーであり、前記第1のホイール・セット(7)が第1のハンマーであり、前記第2のホイール・セット(8)が第2のハンマーであり、前記第1のレバー(1)及び第2のレバー(2)それぞれが、前記第1のハンマー及び前記第2のハンマーの運動を制御して2つの打撃を時間的に接近して加えるように構成され、
    前記接触面(10)が、打撃ホイール(30)の周辺部に配置され、前記第1のレバー(1)及び前記第2のレバー(2)が各々、前記打撃ホイール(30)が有する歯(31、32)と同じ数の動作を介して、少なくとも1つの前記ハンマーを少なくとも1つのゴング(71、81)に対して動作させるように構成され、前記歯は、前記第1のレバー(1)及び前記第2のレバー(2)と接触しない中間パッドにより終端し、且つ前記接触面を形成する、
    することを特徴とする時打ち機構。
  15. 請求項1〜13のいずれかに記載の制御装置を含む日付機構(300)であって、
    前記日付機構の枢動要素内に含まれる少なくとも第1のレバー(1)及び第2のレバー(2)を順次に巻き上げ、又は枢動要素の運動を制御する接触面(10)上の少なくとも1つの遅延面(40)を含む遅延手段(4)を備える、ことを特徴とする日付機構。
  16. 前記日付機構は、異なるレバーにより順次に巻き上げられる複数の枢動要素を含む瞬間日付機構であり、前記枢動要素の全てが同時にジャンプする、
    ことを特徴とする、請求項15に記載の日付機構。
  17. 動力手段と、少なくとも第1のレバー(1)及び第2のレバー(2)の動作を制御するための釈放手段(3)とを有する時計機構を含む時計(400)であって、
    前記時計は、該時計内に含まれる時打ち機構(200)又はミニッツリピータ時打ち機構により消費されるトルクを調整するため、及び/又は、該時計(400)内に含まれる日付機構(300)により消費されるトルクを調整するため請求項1〜13までのいずれかに記載の少なくとも1つの制御装置を含む、
    ことを特徴とする時計。
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