JP2011185802A - 低電圧検出回路 - Google Patents

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Toshihiko Nagasaka
俊彦 長坂
Kenichi Kubota
健一 久保田
Seietsu Neko
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Abstract

【課題】電源投入時および通常動作時において信頼性の高い正確な低電圧検出を可能とするとともに、ICのチップサイズの小さい低電圧検出回路を提供する。
【解決手段】第1の基準電圧あるいは入力電圧から生成される出力インピーダンスが小さい第1の電流源と第2の電流源と、第1の電流源と前記第1の基準電圧よりも電圧の低い第2の基準電圧に接続され、両電圧の電位差が所定の電位差以下になったときに、閉状態となるスイッチング素子と、一方が、スイッチング素子を介して、第1の電流源に接続され、他方が、第2の電流源に接続され、スイッチング素子が閉状態となったときに、第2の電流源に接続される結線から低電圧検出信号を出力するカレントミラー回路とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電源電圧の低下を検出する低電圧検出回路に関する。
一般に、マイクロコンピュータにおいては、その電源電圧Vddがある基準以下の電圧に低下すると、回路の動作が不安定となり、誤動作を起こすことが知られている。これを防止する観点から、マイクロコンピュータを用いる回路には、その電源電圧Vddの低下を検出するための低電圧検出回路が設けられ、自動的にリセット動作がなされるようになっている。
従来の低電圧検出回路は、図7に示すように、入力電圧を分圧抵抗R201とR202によって分圧電圧を出力する分圧回路と、基準電圧を分圧抵抗R203とR204によって分圧電圧を出力する分圧回路と、それらの出力電圧を比較して、その判定結果を出力するコンパレータIC201とから構成されている。
そして、このような低電圧検出回路によって、入力電圧の状態が監視され、入力電圧の分圧電圧が基準電圧の分圧電圧よりも低くなった場合には、コンパレータIC201からハイレベルの低電圧検出信号が出力され、マイクロコンピュータをリセット(停止)状態にし、そのマイクロコンピュータの誤動作を防止している。また、通常動作時だけでなく、入力電圧が低い電源投入時においても、同様にマイクロコンピュータをリセット状態にさせ、その誤動作を防止している。
また、上記の従来回路では、電源投入時および通常動作時の入力電圧が低下した時において所望のリセット動作がなされず、その結果誤動作が生じてしまう問題があったが、これを防止するために、図6に示すような低電圧検出回路が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
この低電圧検出回路は、基準電圧発生回路100と、分圧回路200と、比較回路としてのコンパレータ300と、分圧回路200に直列接続された第2の定電流トランジスタM102とから構成されている。
ここで、基準電圧発生回路100は、電源電圧Vdd供給端とグランド間に挿入された、第1の定電流I100を発生させる第1の定電流トランジスタM101(Pチャネル型トランジスタ)と、第1の定電流トランジスタM101に直列接続された負荷素子400(抵抗R101とダイオードD)とから構成されており、電源電圧Vddの低下を判定するための基準電圧Vrefをコンパレータ300の一方の入力端(非反転入力端+)に供給するものである。第1の定電流トランジスタM101のゲートとドレインとは短絡されている。
そして、補助電流トランジスタMa(Pチャネル型トランジスタ)が、制限抵抗R102を介して負荷素子400に直列に接続されている。この補助電流トランジスタMaは、第2の定電流トランジスタM102のドレイン電圧Aが高い通常動作時にはオフの状態であり、補助電流トランジスタMaは動作しない。
逆に、ドレイン電圧Aが低い電源投入時および電源電圧Vddの低下時に導通し、負荷素子400に補助電流Iaを流し、基準電圧Vrefの立ち上がり、および基準電圧Vrefの電圧を一定に維持できるよう補助する。なお、補助電流Iaが過度に流れることを制限する観点から制限抵抗R102を配置している。
分圧回路200は、電源電圧Vdd供給端とグランド間に挿入される分圧抵抗R103,R104の直列回路から構成されており、電源電圧Vddの分圧電圧VBをコンパレータ300の他方の入力端(反転入力端−)に供給する。
当該電源電圧Vdd供給端と分圧回路200との間には、第2の定電流トランジスタM102(Pチャネル型トランジスタ)が挿入され、分圧回路200の電流源となっている。そして、第2の定電流トランジスタM102のゲートと第1の定電流トランジスタM101のゲートは相互に接続され、カレントミラーを構成している。
さらに、第2の定電流トランジスタM102のトランジスタサイズは、第1の定電流トランジスタM101に流れる第1の定電流I100の数倍の第2の定電流I200を流すことができ、分圧抵抗R103,R104に対してその抵抗が無視できる程度にトランジスタサイズが調整されている。
また、第2の定電流トランジスタM102のドレイン電圧A(第2の定電流トランジスタと分圧回路200との接続点)は、補助電流トランジスタMaのゲートに接続されている。従って、補助電流トランジスタMaはドレイン電圧Aによって制御されるものである。
コンパレータ300は、基準電圧Vrefと分圧電圧VBとを比較し、その比較結果に応じて低電圧検出信号Coutを出力する。低電圧検出信号Coutは、マイクロコンピュータ等のLSIのリセット(停止)パルスとして用いることが可能である。
これにより、電源投入時において基準電圧Vrefの立ち上がりが遅れることはなく、また、通常動作時に電源電圧Vddが低下したとしても、それによる基準電圧Vrefの低下は防止される。そのため、電源投入時および通常動作時において信頼性の高い正確な低電圧検出が可能となる。
特開2007−121088号公報
しかしながら、上記の従来技術では、上記のような効果が期待できるものの、集積回路であるコンパレータを用いる構成となっているために、回路規模が大きくなり、ICのレイアウト面積が大きくなるといった問題があった。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、電源投入時および通常動作時において信頼性の高い正確な低電圧検出を可能とするとともに、ICのチップサイズの小さい低電圧検出回路を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するために、以下の事項を提案している。
(1)本発明は、電源電圧の起動時あるいは、電源電圧の低下を検出する低電圧検出回路であって、第1の基準電圧あるいは入力電圧から生成される出力インピーダンスが小さい第1の電流源(例えば、図1のIref1に相当)と第2の電流源(例えば、図1のIref2に相当)と、前記第1の電流源と前記第1の基準電圧よりも電圧の低い第2の基準電圧に接続され、両電圧の電位差が所定の電位差以下になったときに、閉状態となるスイッチング素子(例えば、図1のスイッチ素子11に相当)と、一方が、前記スイッチング素子を介して、前記第1の電流源に接続され、他方が、前記第2の電流源に接続され、前記スイッチング素子が閉状態となったときに、前記第2の電流源に接続される結線から低電圧検出信号を出力するカレントミラー回路(例えば、図1のカレントミラー回路12に相当)と、を備えたことを特徴とする低電圧検出回路を提案している。
この発明によれば、低電圧検出回路が、第1の基準電圧あるいは入力電圧から生成される出力インピーダンスが小さい第1の電流源と第2の電流源と、第1の電流源と第1の基準電圧よりも電圧の低い第2の基準電圧に接続され、両電圧の電位差が所定の電位差以下になったときに、閉状態となるスイッチング素子と、一方が、スイッチング素子を介して、第1の電流源に接続され、他方が、第2の電流源に接続されるとともに、低電圧検出信号を出力するカレントミラー回路とから構成されている。したがって、従来のように、回路規模が大きいコンパレータを用いることなく、低電圧検出回路を構成することができる。
(2)本発明は、(1)の低電圧検出回路について、前記第1の電流源と第2の電流源との電流が等しく、前記スイッチング素子に流れる電流を1としたときに、前記カレントミラー回路が前記第2の電流源から1よりも大きな電流を流そうとすることを特徴とする低電圧検出回路を提案している。
この発明によれば、第1の電流源と第2の電流源との電流が等しく、スイッチング素子に流れる電流を1としたときに、カレントミラー回路が第2の電流源から1よりも大きな電流を流そうとする。つまり、スイッチング素子が開状態となったときに、カレントミラー回路が、第2の電流源に対して、第1の電流源よりも大きな電流を引き抜こうとするため、低電圧検出時は「Hiレベル」の低電圧検出信号を、低電圧検出解除時には確実に「Lowレベル」とすることができる。
(3)本発明は、(1)の低電圧検出回路について、前記カレントミラー回路のミラー比が等しく、前記第2の電流源からの電流を1としたときに、前記第1の電流源からの電流が1よりも大きいことを特徴とする低電圧検出回路を提案している。
この発明によれば、カレントミラー回路のミラー比が等しく、第2の電流源からの電流を1としたときに、第1の電流源からの電流が1よりも大きい。つまり、この場合も、スイッチング素子が開状態となったときに、カレントミラー回路が、第2の電流源に対して、より大きな電流を引き抜こうとするため、低電圧検出時は「Hiレベル」の低電圧検出信号を、低電圧検出解除時には確実に「Lowレベル」とすることができる。
(4)本発明は、(1)の低電圧検出回路について、前記低電圧検出解除信号を出力した後に、該低電圧検出解除信号を所定時間維持するための低電圧検出解除信号維持手段(例えば、図1の定電流源Iref3およびスイッチ素子14に相当)を備えたことを特徴とする低電圧検出回路を提案している。
この発明によれば、低電圧検出解除信号維持手段は、低電圧検出解除信号を出力した後に、その低電圧検出解除信号を所定時間維持する。したがって、入力電圧が低電圧状態から完全に脱した後に、低電圧検出状態を解除することができる。
(5)本発明は、(4)の低電圧検出回路について、前記低電圧検出解除信号維持手段が、前記第2の基準電圧から生成される第3の電流源(例えば、図1の定電流源Iref3に相当)と、前記低電圧検出解除信号に基づいて、前記第3の電流源からの電流が、前記第1の電流源から前記スイッチング素子を介して接続される前記カレントミラー回路に供給されることを特徴とする低電圧検出回路を提案している。
この発明によれば、低電圧検出解除信号維持手段は、第2の基準電圧から生成される第3の電流源と、低電圧検出解除信号に基づいて、第3の電流源からの電流が、第1の電流源からスイッチング素子を介して接続されるカレントミラー回路に供給する。したがって、低電圧検出解除信号維持手段により、カレントミラー回路に対して、付加的に電流を供給することにより、低電圧検出解除信号の極性を確実に、「Lowレベル」に維持することができる。
(6)本発明は、(1)の低電圧検出回路について、前記カレントミラー回路から出力される低電圧検出信号を波形整形する波形整形手段(例えば、図1の波形整形部13に相当)を備えたことを特徴とする低電圧検出回路を提案している。
この発明によれば、波形整形手段は、カレントミラー回路から出力される低電圧検出信号を波形整形する。つまり、カレントミラー回路から出力される低電圧検出信号波形では、信号の立下りエッジ付近や立ち上がりエッジ付近で、信号がなまってしまい低電圧等の検出が正確に実行できない恐れがあるが、この信号を波形整形することにより、正確に、低電圧等の検出を行うことができる。
(7)本発明は、(1)の低電圧検出回路について、前記スイッチング素子がPNPトランジスタ(例えば、図2のトランジスタQ5に相当)であり、エミッタ端子が前記第1の電流源に接続されるとともに、ベース端子が前記第2の基準電圧に接続されていることを特徴とする低電圧検出回路を提案している。
この発明によれば、スイッチング素子がPNPトランジスタであり、エミッタ端子が第1の電流源に接続されるとともに、ベース端子が第2の基準電圧に接続されている。つまり、第1の電流源は、第1の基準電圧から生成され、しかも出力インピーダンスが低いことから、第1の基準電圧と第2の基準電圧の電位差がトランジスタのVBE以上になれば、トランジスタがオン状態となり、低電圧検出を解除することができる。したがって、トランジスタのVBEを利用することにより、簡単な構成で、低電圧状態を検出することができる。
(8)本発明は、(1)の低電圧検出回路について、前記スイッチング素子がPch MOS−FETであり、ソース端子が前記第1の電流源に接続されるとともに、ゲート端子が前記第2の基準電圧に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の低電圧検出回路を提案している。
この発明によれば、スイッチング素子がPch MOS−FETであり、ゲート端子が第2の基準電圧に接続されるとともに、ソース端子が第1の電流源に接続されている。つまり、第1の電流源は、第1の基準電圧から生成され、しかも出力インピーダンスが低いことから、第1の基準電圧と第2の基準電圧の電位差がMOS−FETのVgs以上になれば、MOS−FETがオン状態となり、低電圧検出を解除することができる。したがって、MOS−FETのVgsを利用することにより、簡単な構成で、低電圧状態を検出することができる。
(9)本発明は、第1の基準電圧あるいは入力電圧から生成される出力インピーダンスが小さい第1の電流源と第2の電流源と、前記第1の電流源と前記第1の基準電圧よりも電圧の低い第2の基準電圧に接続され、両電圧の電位差が所定の電位差以下になったときに、閉状態となるスイッチング素子と、一方が、前記スイッチング素子を介して、前記第1の電流源に接続され、他方が、前記第2の電流源に接続されるとともに、低電圧検出信号を出力するカレントミラー回路と、を備えた低電圧検出回路における低電圧検出方法であって、前記第1の基準電圧と前記第2の基準電圧との電位差が所定の電位差以下になったときに、スイッチング素子が閉状態となっている第1のステップ(例えば、図4のステップS101に相当)と、前記スイッチング素子が閉状態の時に、前記第2の電流源に接続される結線から低電圧検出信号を生成する第2のステップ(例えば、図4のステップS102に相当)と、該生成された低電圧検出信号を波形整形して出力する第3のステップ(例えば、図4のステップS103に相当)と、前記第1の基準電圧と前記第2の基準電圧との電位差が所定の電位差以上になったときに、スイッチング素子が開状態となる第4のステップ(例えば、図4のステップS104に相当)と、第3の電流源から前記スイッチング素子を介して接続される前記カレントミラー回路に電流供給して、該低電圧検出信号の解除状態を所定時間維持する第6のステップ(例えば、図4のステップS106に相当)と、を備えたことを特徴とする低電圧検出方法を提案している。
この発明によれば、第1の電流源と前記第2の基準電圧との電位差が所定の電位差以下になったときに、スイッチング素子が閉状態となり、スイッチング素子が閉状態になったときに、第2の電流源に接続される結線から低電圧検出信号を生成する。そして、その生成された低電圧検出信号を波形整形して出力し、第3の電流源からスイッチング素子を介して接続されるカレントミラー回路に電流供給して、その低電圧検出信号の解除状態を所定時間維持する。したがって、従来のように、回路規模が大きいコンパレータを用いることなく、低電圧検出回路を構成することができる。また、カレントミラー回路から出力される低電圧検出信号波形では、信号の立下りエッジ付近や立ち上がりエッジ付近で、信号がなまってしまい低電圧等の検出が正確に実行できない恐れがあるが、この信号を波形整形することにより、正確に、低電圧等の検出を行うことができる。また、カレントミラー回路に対して、付加的に電流を供給することにより、低電圧検出解除信号の極性を確実に、「Lowレベル」に維持することができる。
本発明によれば、電源投入時および通常動作時において信頼性の高い正確な低電圧検出を可能とするとともに、ICのチップサイズを極力小さくすることができるという効果がある。
本発明の第1の実施形態に係る低電圧検出回路の概略的な構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る低電圧検出回路の詳細な構成図である。 入力電圧、第1の基準電圧、第2の基準電圧の時間軸上の変化と低電圧検出ポイントの関係を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る低電圧検出回路の動作フローである。 本発明の第2の実施形態に係る低電圧検出回路の概略的な構成図である。 従来の低電圧検出回路の詳細な構成図である。 従来の低電圧検出回路の詳細な構成図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
<第1の実施形態>
図1から図4を用いて、本発明の第1の実施形態について、説明する。
<低電圧検出回路のブロック構成>
本実施形態に係る低電圧検出回路は、図1に示すように、第1の定電流源Iref1と、第2の定電流源Iref2と、スイッチ素子11と、カレントミラー回路12と、波形整形部13と、第3の定電流源Iref3と、スイッチ素子14とから構成されている。
第1の定電流源Iref1は、第1の基準電圧により生成される定電流源であり、I1の定電流を供給する。また、出力インピーダンスは、十分に小さい。第2の定電流源Iref2は、第1の定電流源Iref1と同様に、第1の基準電圧により生成される定電流源であり、I1の定電流を供給する。なお、第1の基準電圧と第2の基準電圧とは、外部で生成される基準電圧であり、その電圧は、図3に示すように、第1の基準電圧の方が、第2の基準電圧よりも高く設定されている。なお、第1の基準電圧と第2の基準電圧との関係については、具体例を交えて後述する。
スイッチ素子11は、第1の定電流源Iref1の接続点から得られる第1の基準電圧と、接続された第2の基準電圧との電位差が所定の電位差以上になったときに、スイッチ素子を開状態として、第1の定電流源Iref1とカレントミラー回路12を接続し、定電流I1を供給する。
カレントミラー回路12は、図1に示すように、MOS−FETであるQ1とQ2とにより構成されている定電流源である。なお、本実施形態においては、Q1の電流容量を「1」とすると、Q2の電流容量が「1」よりも大きくなるように設定されている。これにより、スイッチング素子が開状態となったときに、カレントミラー回路12が、第2の定電流源Iref2に対して、より大きな電流を引き抜こうとするため、低電圧検出時は「Hiレベル」の低電圧検出信号を、低電圧検出解除時には確実に「Lowレベル」とすることができる。また、Q1とQ2の電流容量を等しくして、第2の定電流源Iref2からの電流を「1」としたときに、第1の定電流源Iref1からの電流を「1」よりも大きくなるように設定してもよい。この場合にも、同様の効果が期待できる。
波形整形部13は、カレントミラー回路12の作用により生成された低電圧検出信号の波形整形を行う。これにより、カレントミラー回路12から出力される低電圧検出信号波形では、信号の立下りエッジ付近や立ち上がりエッジ付近で、信号がなまってしまい低電圧等の検出が正確に実行できない恐れがあるが、この信号を波形整形することにより、正確に、低電圧等の検出を行うことができる。
第3の定電流源Iref3は、第2の基準電圧により生成される定電流源である。スイッチ素子14は、低電圧検出解除信号に基づいて、第3の定電流源Iref3からの電流をカレントミラー回路12に供給する。これにより、カレントミラー回路12に対して、付加的に電流を供給することにより、低電圧検出解除信号の極性を確実に、「Lowレベル」に維持することができる。
<低電圧検出回路の回路構成>
図2を用いて、本実施形態に係る低電圧検出回路の回路構成について、説明する。
第1の定電流源Iref1は、Pch MOS−FET(Q3)で構成されており、ゲート端子には、第1のゲート信号が接続され、ソース端子は、第1の基準電圧に接続されている。さらに、ドレイン端子は、スイッチ素子11に接続されている。ここで、第1のゲート信号は、第1の定電流源Iref1が所定の電流を供給できるように、外部から供給される信号である。これにより、第1の基準電圧から所定の定電流を供給する。また、上記のような構成であるため、第1の定電流源Iref1が動作する時には、スイッチ素子11は、Pch MOS−FET(Q3)のオン抵抗を出力インピーダンスとする低インピーダンスで、第1の基準電圧に接続される。
第2の定電流源Iref2は、Pch MOS−FET(Q4)で構成されており、ゲート端子には、第1のゲート信号が接続され、ソース端子は、第1の基準電圧に接続されている。さらに、ドレイン端子は、カレントミラー回路12を構成するNch MOS−FET(Q2)のドレイン端子に接続されている。ここで、第1のゲート信号は、第1の定電流源Iref1が所定の電流を供給できるように、外部から供給される信号である。これにより、第1の基準電圧から所定の定電流を供給する。
スイッチ素子11は、pnp型トランジスタで構成され、ベース端子が第2の基準電圧に接続され、エミッタ端子が第1の定電流源Iref1を構成するPch MOS−FET(Q3)のドレイン端子に接続され、コレクタ端子が、カレントミラー回路12を構成するNch MOS−FET(Q1)のドレイン端子に接続されている。なお、本実施形態においては、スイッチ素子11をpnp型トランジスタで構成する例について述べたが、例えば、Pch MOS−FET等のスイッチ素子を用いても同様の効果が期待できる。
カレントミラー回路12は、Nch MOS−FETであるQ1とQ2とにより構成され、Nch MOS−FETであるQ1およびQ2のソース端子は、接地され、Nch MOS−FETであるQ1およびQ2のゲート端子が接続されるとともに、Nch MOS−FETであるQ1のドレイン端子とゲート端子とが接続されて構成されている。
波形整形部13は、Pch MOS−FET(Q8)とNch MOS−FET(Q10)とから構成されるインバータと、Pch MOS−FET(Q9)とNch MOS−FET(Q11)とから構成されるインバータとが直列接続されて構成されている。
具体的には、Pch MOS−FET(Q8)およびPch MOS−FET(Q9)のソース端子がともに第2の基準電圧に接続され、Pch MOS−FET(Q8)のゲート端子がNch MOS−FET(Q10)のゲート端子に接続されるとともに、第2の定電流源Iref2を構成するPch MOS−FET(Q4)のドレイン端子およびカレントミラー回路12を構成するNch MOS−FET(Q2)のドレイン端子に接続され、Nch MOS−FET(Q10)およびNch MOS−FET(Q11)のソース端子が接地されている。また、Pch MOS−FET(Q8)のドレイン端子とNch MOS−FET(Q10)のドレイン端子が接続されるとともに、Pch MOS−FET(Q9)とNch MOS−FET(Q11)のゲート端子に接続されている。また、Pch MOS−FET(Q9)のドレイン端子とNch MOS−FET(Q11)のドレイン端子が接続され、ここから低電圧検出信号が出力される。
第3の定電流源Iref3は、Pch MOS−FET(Q6)で構成されており、ゲート端子には、第2のゲート信号が接続され、ソース端子は、第2の基準電圧に接続されている。さらに、ドレイン端子は、スイッチ素子14を構成するPch MOS−FET(Q7)のソース端子に接続されている。ここで、第2のゲート信号は、第3の定電流源Iref3が所定の電流を供給できるように、外部から供給される信号である。これにより、第2の基準電圧から所定の定電流を供給する。
スイッチ素子14は、Pch MOS−FET(Q7)で構成されており、ソース端子は、Pch MOS−FET(Q6)のドレイン端子に接続され、ドレイン端子は、カレントミラー回路を構成するNch MOS−FET(Q1)のドレイン端子に接続されている。また、ゲート端子は、Pch MOS−FET(Q9)のドレイン端子とNch MOS−FET(Q11)のドレイン端子が接続され、低電圧検出信号を入力する。
<低電圧検出回路の動作>
図3および図4を用いて、本実施形態に係る低電圧検出回路の動作について説明する。
図3は、例えば、電源起動時の入力電圧、第1の基準電圧、第2の基準電圧を示しており、電源の起動とともに、ある傾きをもって各電圧が上昇し、規定の電圧値に至る。また、第1の基準電圧は、第2の基準電圧よりも図2に示したトランジスタQ5のVBE以上高い電圧に設定されている。さらに、低電圧検出の解除は、第2の基準電圧が規定の電圧に達した後に実行される。
まず、第1のゲート信号が供給され、第1の定電流源Iref1を構成するPch MOS−FET(Q3)および第2の定電流源Iref2を構成するPch MOS−FET(Q4)がオン状態となって、第1の定電流源Iref1および第2の定電流源Iref2が、所定の定電流を出力する。その時、第1の基準電圧と第2の基準電圧との電位差が所定の電位差以下であり、トランジスタQ5がオフ状態となっている。第1の定電流源Iref1を構成するPch MOS−FET(Q3)のソース端子とカレントミラー回路12を構成するNch MOS−FET(Q1)のドレイン端子とが接続されておらず、カレントミラー回路12に第1の定電流源Iref1からの定電流が供給されていない(図4のステップS101)。
トランジスタQ5が閉状態の時に第2の電流源に接続される結線から低電圧検出信号を生成する。(図4のステップS102)。
生成された低電圧検出信号は、インバータ回路を構成するPch MOS−FET(Q8)およびNch MOS−FET(Q10)のゲート端子に入力される。このとき、入力される低電圧検出信号の極性は、「Hi」であるため、Pch MOS−FET(Q8)がオフ状態となり、Nch MOS−FET(Q10)はオン状態を維持するため、Pch MOS−FET(Q8)のドレイン端子には、極性が反転した「Low」レベルの信号が現れる。
この信号は、次に、インバータ回路を構成するPch MOS−FET(Q9)およびNch MOS−FET(Q11)のゲート端子に入力される。このとき、入力される低電圧検出信号の極性は、「Low」であるため、Nch MOS−FET(Q11)がオフ状態となり、Pch MOS−FET(Q9)はオン状態を維持するため、Nch MOS−FET(Q11)のドレイン端子には、極性が反転した「Hi」レベルの波形整形された低電圧検出信号が現れる(図4のステップS103)。
次に、第1の基準電圧と第2の基準電圧との電位差が所定の電位差以上になると、トランジスタQ5がオン状態となり(図4のステップS104)、低電圧検出信号が解除となる(図4のステップS105)。
ここで、カレントミラー回路12を構成するNch MOS−FET(Q1)の電流容量を「1」とすると、Nch MOS−FET(Q2)の電流容量が「1」よりも大きくなるように設定されている。これにより、トランジスタQ5がオン状態となったときに、カレントミラー回路12が、第2の定電流源Iref2に対して、より大きな電流を引き抜こうとするため、低電圧検出時に「Hiレベル」の信号を低電圧検出解除時には、確実に、「Lowレベル」にして、低電圧検出解除信号を生成する(図4のステップS105)。
次に、第2のゲート信号は、常に供給されており、第3の定電流源Iref3を構成するPch MOS−FET(Q6)が常にオン状態となっている。そして、低電圧検出解除信号が出力されると、スイッチ素子14を構成するPch MOS−FET(Q7)がオン状態となって、第3の定電流源Iref3からの電流をカレントミラー回路12に供給することにより、低電圧検出解除信号の極性を所定時間維持する(図4のステップS106)。
したがって、本実施形態によれば、従来のように、回路規模が大きいコンパレータを用いることなく、低電圧検出回路を構成することができる。また、カレントミラー回路から出力される低電圧検出信号波形では、信号の立下りエッジ付近や立ち上がりエッジ付近で、信号がなまってしまい低電圧等の検出が正確に実行できない恐れがあるが、この信号を波形整形することにより、正確に、低電圧等の検出を行うことができる。また、カレントミラー回路に対して、付加的に電流を供給することにより、低電圧検出解除信号の極性を確実に、「Lowレベル」に維持することができる。さらに、電圧の低い第1の基準電圧および第2の基準電圧により、低電圧の検出を行うため、第1の定電流源Iref1を構成するPch MOS−FET(Q3)および第2の定電流源Iref2を構成するPch MOS−FET(Q4)に耐圧の低い、廉価な素子を用いることができる。
<第2の実施形態>
図4および図5を用いて、本発明の第2の実施形態について、説明する。
本実施形態は、第1の実施形態において、比較対象であった第1の基準電圧に替えて、入力電圧をその比較対象に用いたものである。なお、回路構成等に関しては、第1の実施形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
本実施形態で用いる入力電圧は、第1の基準電圧よりも電圧が高いため、第2の基準電圧との電位差は、図2に示したトランジスタQ3のVBE以上になる。したがって、本実施形態においても、第1の実施形態と同様の検出動作が可能であり、しかも、基準電圧を生成する外部回路が1つで済むという利点がある。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
11・・・スイッチ素子
12・・・カレントミラー回路
13・・・波形整形部
14・・・スイッチ素子
Iref1・・・第1の定電流源
Iref2・・・第2の定電流源
Iref3・・・第3の定電流源
Q1・・・Nch MOS−FET
Q2・・・Nch MOS−FET
Q3・・・Pch MOS−FET
Q4・・・Pch MOS−FET
Q5・・・pnpトランジスタ
Q6・・・Pch MOS−FET
Q7・・・Pch MOS−FET
Q8・・・Pch MOS−FET
Q9・・・Pch MOS−FET
Q10・・・Nch MOS−FET
Q11・・・Nch MOS−FET

Claims (9)

  1. 電源電圧の起動時あるいは、電源電圧の低下を検出する低電圧検出回路であって、
    第1の基準電圧あるいは入力電圧から生成される出力インピーダンスが小さい第1の電流源と第2の電流源と、
    前記第1の電流源と前記第1の基準電圧よりも電圧の低い第2の基準電圧に接続され、両電圧の電位差が所定の電位差以下になったときに、閉状態となるスイッチング素子と、一方が、前記スイッチング素子を介して、前記第1の電流源に接続され、他方が、前記第2の電流源に接続され、前記スイッチング素子が閉状態となったときに、前記第2の電流源に接続される結線から低電圧検出信号を出力するカレントミラー回路と、
    を備えたことを特徴とする低電圧検出回路。
  2. 前記第1の電流源と第2の電流源との電流が等しく、前記スイッチング素子に流れる電流を1としたときに、前記カレントミラー回路が前記第2の電流源から1よりも大きな電流を流そうとすることを特徴とする請求項1に記載の低電圧検出回路。
  3. 前記カレントミラー回路のミラー比が等しく、前記第2の電流源からの電流を1としたときに、前記第1の電流源からの電流が1よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の低電圧検出回路。
  4. 前記低電圧検出解除信号を出力した後に、該低電圧検出解除信号を所定時間維持するための低電圧検出信号解除維持手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の低電圧検出回路。
  5. 前記低電圧検出解除信号維持手段が、
    前記第2の基準電圧から生成される第3の電流源と、
    前記低電圧検出解除信号に基づいて、前記第3の電流源からの電流が、前記第1の電流源から前記スイッチング素子を介して接続される前記カレントミラー回路に供給されることを特徴とする請求項4に記載の低電圧検出回路。
  6. 前記カレントミラー回路から出力される低電圧検出信号を波形整形する波形整形手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の低電圧検出回路。
  7. 前記スイッチング素子がPNPトランジスタであり、エミッタ端子が前記第1の電流源に接続されるとともに、ベース端子が前記第2の基準電圧に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の低電圧検出回路。
  8. 前記スイッチング素子がPch MOS−FETであり、ソース端子が前記第2の電流源に接続されるとともに、ゲート端子が前記第1の基準電圧に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の低電圧検出回路。
  9. 第1の基準電圧あるいは入力電圧から生成される出力インピーダンスが小さい第1の電流源と第2の電流源と、前記第1の電流源と前記第1の基準電圧よりも電圧の低い第2の基準電圧に接続され、両電圧の電位差が所定の電位差以下になったときに、閉状態となるスイッチング素子と、一方が、前記スイッチング素子を介して、前記第1の電流源に接続され、他方が、前記第2の電流源に接続されるとともに、低電圧検出信号を出力するカレントミラー回路と、を備えた低電圧検出回路における低電圧検出方法であって、
    前記第1の基準電圧と前記第2の基準電圧との電位差が所定の電位差以下になったときに、スイッチング素子が閉状態となっている第1のステップと、
    前記スイッチング素子が閉状態の時に、前記第2の電流源に接続される結線から低電圧検出信号を生成する第2のステップと、
    該生成された低電圧検出信号を波形整形して出力する第3のステップと、
    前記第1の基準電圧と前記第2の基準電圧との電位差が所定の電位差以上になったときに、スイッチング素子が開状態となる第4のステップと、
    第3の電流源から前記スイッチング素子を介して接続される前記カレントミラー回路に電流供給して、該低電圧検出解除信号を所定時間維持する第6のステップと、
    を備えたことを特徴とする低電圧検出方法。
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