JP2011185393A - ベアリングの固定構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ベアリングをベアリング支持部材に固定するためのベアリングリテーナを小型化する。
【解決手段】 ベアリングリテーナ34のベアリング支持部34aに概略円筒状のボールベアリング25の軸方向一端部側を支持した状態で、ベアリングリテーナ34の複数の弾性腕部34bをベアリング支持部材12にボルト35で締結すると、弾性腕部34bが弾性変形して発生する荷重でボールベアリング25の軸方向他端部がベアリング支持部材12に押し付けられて固定される。このとき弾性腕部34bはベアリング保持部34aからその外周に沿うように円周方向に延出するので、弾性腕部34bがベアリング保持部34aから径方向外側に延出する場合に比べて、弾性腕部34bの長さを充分に確保しながらベアリングリテーナ34の径方向寸法を小型化することができる。
【選択図】 図4
【解決手段】 ベアリングリテーナ34のベアリング支持部34aに概略円筒状のボールベアリング25の軸方向一端部側を支持した状態で、ベアリングリテーナ34の複数の弾性腕部34bをベアリング支持部材12にボルト35で締結すると、弾性腕部34bが弾性変形して発生する荷重でボールベアリング25の軸方向他端部がベアリング支持部材12に押し付けられて固定される。このとき弾性腕部34bはベアリング保持部34aからその外周に沿うように円周方向に延出するので、弾性腕部34bがベアリング保持部34aから径方向外側に延出する場合に比べて、弾性腕部34bの長さを充分に確保しながらベアリングリテーナ34の径方向寸法を小型化することができる。
【選択図】 図4
Description
本発明は、概略円筒状のベアリングをベアリング支持部材およびベアリングリテーナ間に挟んで固定するベアリングの固定構造に関する。
無段変速機のハウジングにシャフトを回転自在に支持すべく、ハウジングに形成した凹部にボールベアリングのアウターレースを嵌合させ、前記凹部の開口に円環状のリテーナをボルトで締結して前記アウターレースを押さえることで、ボールベアリングをハウジングに固定するものが、下記特許文献1により公知である。
しかしながら、上記リテーナは平板状に形成されており、ボルトでハウジングに固定されたときに弾性変形する部分を持たないため、ボールベアリングをハウジングの凹部に弾発的に押し付けることができず、ボールベアリングの固定にガタが発生する可能性があった。
そこで、図5に示すように、概略カップ状のベアリングリテーナ01のベアリング保持部02にボールベアリング03を支持し、このベアリングリテーナ01のベアリング保持部02から径方向外側に向けて4本の弾性腕部04…を放射状に延出し、各弾性腕部04…の先端をボルト05…でベアリング支持部材06に締結することで、ベアリングリテーナ01およびベアリング支持部材06間にボールベアリング03を挟み、かつ弾性腕部04…が弾性変形することで発生する弾発力でボールベアリング03をベアリング支持部材06に押し付けて強固に固定することが考えられる。
しかしながら、上記図5に記載されたものは、ベアリングリテーナ01のベアリング保持部02から弾性腕部04…が径方向外側に延出しているため、ベアリングリテーナ01の寸法が大型化して取付スペースの確保が難しくなる問題があった。この問題を解消するために弾性腕部04…の長さを短くすると、弾性腕部04…が変形し難くなって応力集中による亀裂等が発生する可能性がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ベアリングをベアリング支持部材に固定するためのベアリングリテーナを小型化することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、概略円筒状のベアリングをベアリング支持部材およびベアリングリテーナ間に挟んで固定するベアリングの固定構造であって、前記ベアリングリテーナは、前記ベアリングの少なくとも軸方向一端部に当接するベアリング保持部と、前記ベアリング保持部から延出し、前記ベアリング支持部材に締結されて弾性変形する複数の弾性腕部とを備えるものにおいて、前記弾性腕部は前記ベアリング保持部の外周に沿うように円周方向に延出することを特徴とするベアリングの固定構造が提案される。
尚、アクチュエータハウジング12は本発明のベアリング支持部材に対応し、実施の形態のボールベアリング25は本発明のベアリングに対応する。
請求項1の構成によれば、ベアリングリテーナのベアリング支持部に概略円筒状のベアリングの軸方向一端部側を支持した状態で、ベアリングリテーナの複数の弾性腕部をベアリング支持部材に締結すると、弾性腕部が弾性変形して発生する荷重でベアリングの軸方向他端部がベアリング支持部材に押し付けられて固定される。このとき弾性腕部はベアリング保持部からその外周に沿うように円周方向に延出するので、弾性腕部がベアリング保持部から径方向外側に延出する場合に比べて、弾性腕部の長さを充分に確保しながらベアリングリテーナの径方向寸法を小型化することができる。
以下、図1〜図4に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は本願発明が適用されるアクチュエータ用のモータ11を示すものである。アクチュエータハウジング12の開口部にモータハウジング13がボルト14…で固定されており、モータハウジング13の内周面にステータ15がボルト16…で締結される。ステータ15は多数の鋼板を積層したステータコア17と、ステータコア17に巻回されたコイル18…とを備え、コイル18…から延びるコード19がアクチュエータハウジング12の内部に配置されたモータドライバ20に接続される。
ステータ15の内部に回転自在に配置されたロータ21は多数の鋼板を積層したロータコア22の外周部に沿って複数個の永久磁石23…を支持したもので、その回転軸24がアクチュエータハウジング12にボールベアリング25を介して支持され、アクチュエータハウジング12と回転軸24との間にシール部材26が配置される。回転軸24の軸端には、モータ11の回転位置を検出するモータ回転角センサ27が設けられる。
次に、図2〜図4に基づいて、前記ボールベアリング25をアクチュエータハウジング12に固定する構造を説明する。
ボールベアリング25はアウターレース31と、インナーレース32と、アウターレース31およびインナーレース32間に配置された複数のボール33…とで構成される。モータ11の回転軸24には段部24aが形成されており、ボールベアリング25のインナーレース32は前記段部24aに当接する位置まで回転軸24に圧入される。ボールベアリング25のアウターレース31はアクチュエータハウジング12に形成した凹部12aに嵌合しており、この状態でボールベアリング25の軸方向一端部は凹部12aの開口端12bよりも僅かに突出し、ボールベアリング25の軸方向他端部は凹部12aの底壁に着座する。凹部12aの径方向外側には筒状部12cが形成されており、筒状部12cには平坦な座面12dが連なっている。
ボールベアリング25をアクチュエータハウジング12の凹部12aに固定するベアリングリテーナ34は、概略カップ状のベアリング保持部34aと、ベアリング保持部34aの開口縁に接続され、そこからベアリング保持部34aの外周に沿って円周方向に延びる4本の弾性腕部34b…とを備える。4本の弾性腕部34b…は、4個のL字状のスリット34c…により切り分けられる。ベアリング保持部34aの中心には回転軸24が貫通する円形の開口34dが形成され、また弾性腕部34b…の先端にはボルト孔34e…(図3参照)が形成される。弾性腕部34b…のボルト孔34e…を貫通するボルト35…は、アクチュエータハウジング12の座面12dに形成したねじ孔12e…(図3参照)に螺合する。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態を説明する。
ボールベアリング25をアクチュエータハウジング12に固定するには、先ず図3(A)に示すように、ボールベアリング25の軸方向他端部をアクチュエータハウジング12の凹部12aの底壁に当接する位置まで嵌合させた後、ベアリングリテーナ34のベアリング保持部34aボールベアリング25の軸方向一端部側から被せる。このとき、ベアリングリテーナ34のベアリング保持部34aの内周面はアクチュエータハウジング12の筒状部12cの外周面に接触し、ベアリングリテーナ34のベアリング保持部34aの内端面はワッシャ36を介してボールベアリング25の軸方向一端面に当接する。尚、ワッシャ36は、ベアリング保持部34aからボールベアリング25に加わる荷重を均一化するために設けられる。
この状態でワッシャ36の内面とアクチュエータハウジング12の開口端12bとの間には若干の隙間αが形成され、ベアリングリテーナ34の弾性腕部34b…とアクチュエータハウジング12の座面12dとの間には若干の隙間βが形成される。
続いて、図3(B)に示すように、弾性腕部34b…のボルト孔34e…を貫通するボルト35…をアクチュエータハウジング12のねじ孔12e…に螺合して締結すると、弾性腕部34b…の先端部が前記隙間β分だけ移動して座面12dに密着することで、弾性腕部34b…の中間部が弾性変形する。その結果、弾性変形した弾性腕部34b…が元の形状に戻ろうする弾発力でベアリングリテーナ34のベアリング保持部34aは矢印A方向に付勢され、ボールベアリング25をアクチュエータハウジング12の凹部12a内に押し込むように押圧する。
このようにして、ボールベアリング25は、ベアリングリテーナ34のベアリング保持部34aの底壁から受ける荷重でアクチュエータハウジング12の凹部12aの底壁に強く押し付けられ、安定した状態で固定される。このとき、ベアリング保持部34aの弾性腕部34b…はベアリング保持部34aの外周に沿って円周方向に延出するので、応力集中を避けるために弾性腕部34b…の長さを充分に確保しながら、弾性腕部34b…を径方向外側に向けて放射状に配置する場合に比べて、ベアリングリテーナ34の寸法を小型化して狭いスペースへの設置を可能にすることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明のベアリングは実施の形態のボールベアリング25…に限定されず、ローラベアリングやニードルベアリングのような他のベアリングであっても良い。
また実施の形態ではベアリングリテーナ34のベアリング保持部34aとボールベアリング25との間にワッシャ36を介在させているが、このワッシャ36は省略することが可能である。
また実施の形態ではベアリングリテーナ34のベアリング保持部34aとボールベアリング25との間にアクチュエータハウジング12の筒状部12cが介在しているが、ベアリング保持部34aをボールベアリング25の外周面に直接接触させても良い。
また実施の形態ではベアリングリテーナ34の弾性腕部34b…をボルト35…でアクチュエータハウジング12に締結しているが、ボルト35以外の任意の締結手段を採用することができる。
12 アクチュエータハウジング(ベアリング支持部材)
25 ボールベアリング(ベアリング)
34 ベアリングリテーナ
34a ベアリング保持部
34b 弾性腕部
25 ボールベアリング(ベアリング)
34 ベアリングリテーナ
34a ベアリング保持部
34b 弾性腕部
Claims (1)
- 概略円筒状のベアリング(25)をベアリング支持部材(12)およびベアリングリテーナ(34)間に挟んで固定するベアリングの固定構造であって、
前記ベアリングリテーナ(34)は、前記ベアリング(25)の少なくとも軸方向一端部に当接するベアリング保持部(34a)と、前記ベアリング保持部(34a)から延出し、前記ベアリング支持部材(12)に締結されて弾性変形する複数の弾性腕部(34b)とを備えるものにおいて、
前記弾性腕部(34b)は前記ベアリング保持部(34a)の外周に沿うように円周方向に延出することを特徴とするベアリングの固定構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010052953A JP2011185393A (ja) | 2010-03-10 | 2010-03-10 | ベアリングの固定構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010052953A JP2011185393A (ja) | 2010-03-10 | 2010-03-10 | ベアリングの固定構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011185393A true JP2011185393A (ja) | 2011-09-22 |
Family
ID=44791920
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010052953A Pending JP2011185393A (ja) | 2010-03-10 | 2010-03-10 | ベアリングの固定構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011185393A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102019115289A1 (de) * | 2019-06-06 | 2020-12-10 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Lagerplatte mit Axialspalt zwischen Träger und Flansch des Napfes |
-
2010
- 2010-03-10 JP JP2010052953A patent/JP2011185393A/ja active Pending
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DE102019115289A1 (de) * | 2019-06-06 | 2020-12-10 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Lagerplatte mit Axialspalt zwischen Träger und Flansch des Napfes |
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