JP2011185186A - 作動ガス循環型エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼室から排気されるガスの温度を適正な温度に調節することができる作動ガス循環型エンジンを提供することを目的とする。
【解決手段】燃料と空気より比熱比の高い作動ガスとが供給され燃料の燃焼に伴って作動ガスが膨張可能である燃焼室11が設けられるエンジン本体10と、作動ガスを含むガスを燃焼室11の排気側から吸気側に循環させ再び燃焼室11に供給可能である循環経路20と、循環経路20に設けられ燃焼室11に供給される作動ガスの量を調節可能な調節機構70と、エンジン本体10を暖機する暖機運転時に、調節機構70を制御して、当該暖機の終了後の通常運転時と比較して、燃焼室11に供給される作動ガスの量を低減する暖機制御を実行する制御装置60とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、作動ガス循環型エンジンに関する。
従来のエンジンとして、作動ガスを燃焼室の排気側から吸気側に循環させ再び燃焼室に供給可能な、いわゆる、クローズドサイクルエンジンとしての作動ガス循環型エンジンが知られている。このような従来の作動ガス循環型エンジンとして、例えば、特許文献1には燃焼室内にて燃料としての水素を燃焼させるとともに不活性ガスを作動ガスとして使用する内燃機関が開示されている。この内燃機関は、燃焼室から排出されたガスに含まれる生成物としての水蒸気を水分除去装置によって除去し、水蒸気を除去した不活性ガスを循環経路を介して燃焼室に再び循環させるとともに、除去した水に溶存している不活性ガスの分子を脱気装置によって気体の状態に戻しこれも燃焼室に再度供給する。
特開2007−064092号公報
ところで、上述のような特許文献1に記載されている内燃機関は、例えば、エンジン暖機過程などに、燃焼室から排気されるガスの温度がより適正な温度に調節されることが望まれていた。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、燃焼室から排気されるガスの温度を適正な温度に調節することができる作動ガス循環型エンジンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る作動ガス循環型エンジンは、燃料と空気より比熱比の高い作動ガスとが供給され前記燃料の燃焼に伴って前記作動ガスが膨張可能である燃焼室が設けられるエンジン本体と、前記作動ガスを含むガスを前記燃焼室の排気側から吸気側に循環させ再び前記燃焼室に供給可能である循環経路と、前記循環経路に設けられ前記燃焼室に供給される前記作動ガスの量を調節可能な調節機構と、前記エンジン本体を暖機する暖機運転時に、前記調節機構を制御して、当該暖機の終了後の通常運転時と比較して、前記燃焼室に供給される前記作動ガスの量を低減する暖機制御を実行する制御装置とを備えることを特徴とする。
また、上記作動ガス循環型エンジンでは、前記エンジン本体と、前記循環経路に設けられ前記循環するガスを冷却する冷却装置とに冷却媒体を循環させる冷却媒体循環経路を備え、前記制御装置は、前記冷却媒体の温度が低いほど、前記燃焼室に供給される前記作動ガスの量を低減するものとすることができる。
また、上記作動ガス循環型エンジンでは、前記制御装置は、前記燃焼室から排気されるガスの温度に基づいて前記燃焼室に供給される前記作動ガスの量を調節するものとすることができる。
また、上記作動ガス循環型エンジンでは、前記制御装置は、前記燃焼室から排気されるガスの温度が上限温度を超えないように、前記燃焼室に供給される前記作動ガスの量を調節するものとすることができる。
また、上記作動ガス循環型エンジンでは、前記調節機構は、前記循環経路の通路断面積を可変とする可変絞り機構を有するものとすることができる。
また、上記作動ガス循環型エンジンでは、前記可変絞り機構は、前記循環経路において前記循環するガスの循環方向に対して、前記燃焼室を基準として、前記燃料又は前記燃料を燃焼させる酸化剤が供給される供給位置より上流側に設けられるものとすることができる。
また、上記作動ガス循環型エンジンでは、前記調節機構は、前記燃焼室に連通する吸気ポートを開閉可能な吸気弁の開閉動作を調節可能な動弁機構を有するものとすることができる。
本発明に係る作動ガス循環型エンジンは、制御装置がエンジン本体を暖機する暖機運転時に、調節機構を制御して、当該暖機の終了後の通常運転時と比較して、燃焼室に供給される作動ガスの量を低減する暖機制御を実行することから、燃焼室から排気されるガスの温度を適正な温度に調節することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態1に係るエンジンの模式的な概略構成図である。 図2は、実施形態1に係るエンジンの暖機制御について説明する線図である。 図3は、実施形態2に係るエンジンの暖機制御について説明する線図である。 図4は、実施形態2に係るエンジンにおける制御の一例を説明するフローチャートである。 図5は、実施形態2に係るエンジンにおける制御マップの一例である。 図6は、実施形態3に係るエンジンの模式的な概略構成図である。 図7は、実施形態3に係るエンジンにおける制御の一例を説明するフローチャートである。 図8は、実施形態3に係るエンジンにおける制御マップの一例である。 図9は、実施形態4に係るエンジンにおける制御の一例を説明するフローチャートである。 図10は、実施形態5に係るエンジンの模式的な概略構成図である。 図11は、実施形態6に係るエンジンの模式的な概略構成図である。 図12は、実施形態6に係るエンジンにおける制御の一例を説明するフローチャートである。
以下に、本発明に係る作動ガス循環型エンジンの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るエンジンの模式的な概略構成図、図2は、実施形態1に係るエンジンの暖機制御について説明する線図である。
図1に示す本実施形態の作動ガス循環型エンジンとしてのエンジン1は、エンジン本体10の燃焼室11に酸化剤と燃料と作動ガスとが供給され、この燃焼室11にて燃料の燃焼に伴って作動ガスが膨張することで動力を発生させる。そして、このエンジン1は、燃焼室11の吸気側と排気側とを繋ぐ循環経路20を介して、燃焼室11の排気側から吸気側に作動ガスを循環させ、基本的には大気へと放出することなく再びこの燃焼室11に供給可能に構成したいわゆるクローズドサイクルエンジンである。燃焼室11と循環経路20とは、ともに作動ガスが充填されており、作動ガスは、燃焼室11と循環経路20との間で循環する。
ここで、このエンジン1に用いられる酸化剤は、酸素(O2)であり、燃料は水素(H2)である。また、このエンジン1に用いられる作動ガスは、空気よりも比熱比の高いものであり、ここでは、単原子ガスのアルゴン(Ar)である。アルゴンは、燃焼室11において、酸素と水素との反応に伴って発生する反応熱、すなわち、水素の燃焼(発熱反応)に伴って発生する燃焼熱により膨張する。つまり、このエンジン1は、燃焼室11内で水素を燃焼させ、この水素の燃焼に伴ってアルゴンを熱膨張させて動力を発生させることで熱効率を向上するものである。
具体的には、このエンジン1は、図1に示すように、酸素、水素が反応する燃焼室11が設けられるエンジン本体10と、燃焼室11の排気側と吸気側とを繋ぐ循環経路20と、酸素を供給する酸素供給装置30と、水素を供給する水素供給装置40と、凝縮器50と、制御装置としての電子制御装置60とを備える。
エンジン本体10は、酸素と水素とアルゴンとが供給され、水素の燃焼に伴ってアルゴンが膨張可能である燃焼室11を含んで構成される。燃焼室11は、水素の燃焼後にアルゴンと燃焼生成物としての水蒸気(H2O)とを排気可能である。なお、このエンジン本体10は、図示していないが複数の燃焼室11(気筒)を有している。循環経路20は、アルゴンを含む循環ガスを燃焼室11の排気側から吸気側に循環させ再び燃焼室11に供給可能なものである。循環経路20は、シリンダヘッドに形成され燃焼室11に連通する吸気ポート12及び排気ポート13と、種々の配管などにより構成され吸気ポート12と排気ポート13とを燃焼室11の外側で接続する循環通路21とを含んで構成され、基本的には全体として外気に対して密閉された循環系をなす。循環経路20は、循環ガスから燃焼に伴って生成される生成物である水蒸気を取り除く除去装置としての凝縮器50が設けられる。
ここで、循環ガスとは、循環経路20を介して燃焼室11の排気側から吸気側に循環されるガスであり、作動ガスとしてのアルゴンの他、燃焼室11での水素の燃焼後に燃焼室11から排気される排気ガス等を含むものである。ここで、排気ガスとは、例えば、燃焼室11での水素の燃焼後に残留する余剰の酸素、水素などからなる余剰ガスや水素の燃焼に伴って生成される生成物としての水蒸気などを含むものである。つまり、ここでの循環ガスは、作動ガスとしてのアルゴン、燃焼後の余剰の酸素、水素などからなる余剰ガス、水蒸気などを含むものである。
酸素供給装置30は、高圧酸素を循環経路20内に向けて噴射して供給し、アルゴンなどを含む循環ガスと共に燃焼室11に供給するものである。水素供給装置40は、高圧水素を燃焼室11内に向けて直接噴射して供給するものである。
凝縮器50は、循環経路20に設けられこの循環経路20を循環する循環ガスから大部分の水蒸気を取り除くものである。本実施形態の凝縮器50は、循環経路20において循環ガスの循環方向に対して、燃焼室11を基準として上流側に設けられる冷却装置としての第1凝縮器50Aと、下流側に設けられる第2凝縮器50Bとを含んで構成される。つまり、凝縮器50は、循環経路20において燃焼室11の排気側に第1凝縮器50Aが設けられ、吸気側に第2凝縮器50Bが設けられる。ここでは、第1凝縮器50Aと第2凝縮器50Bとは、互いに異なる別個の冷却媒体循環系に接続されている。
すなわち、このエンジン1は、冷却媒体循環経路としての冷却水循環路51Aと、冷却水循環路51Bとを備えている。そして、冷却水循環路51Aは、第1凝縮器50Aに接続され、冷却水循環路51Bは、第2凝縮器50Bに接続されると共に、この冷却水循環路51Aと冷却水循環路51Bとが互いに独立した別個の経路となっている。またここでは、冷却水循環路51Aは、第1凝縮器50Aに対する冷却媒体循環系をなすと共にエンジン本体10を冷却するための冷却媒体循環系としても兼用される。つまり、この冷却水循環路51Aは、エンジン本体10と第1凝縮器50Aとに冷却媒体としての冷却水を循環させるものである。
より具体的には、エンジン本体10は、冷却水循環路51Aに設けられた冷却水ポンプ52Aが駆動することで、ラジエータ53Aにて冷却された冷却媒体としての冷却水が冷却水循環路51Aを介して内部に供給される。そして、エンジン本体10は、冷却水がシリンダヘッドやシリンダブロック内に設けられるウォータジャケットを流通することで冷却される。
そして、第1凝縮器50Aは、エンジン本体10を通過した冷却水が冷却水循環路51Aを介して内部に供給される。そして、第1凝縮器50Aは、冷却水と循環ガスとを熱交換させることで循環ガスを冷却する。そして、第1凝縮器50Aによって冷却されたアルゴンを含む循環ガスは、このまま循環経路20を循環し、後段の第2凝縮器50Bに導入される。
一方、第2凝縮器50Bは、冷却水循環路51Bに設けられた冷却水ポンプ52Bが駆動することで、ラジエータ53Bにて冷却された冷却媒体としての冷却水が冷却水循環路51Bを介して内部に供給される。そして、第2凝縮器50Bは、冷却水と循環ガスとを熱交換させることで循環ガスを冷却し、循環ガス中に含まれる水蒸気を液化・凝縮し凝縮水とし、この循環ガスから大部分の水蒸気を分離する。そして、第2凝縮器50Bによって水蒸気が分離されたアルゴンを含む循環ガスは、このまま循環経路20を循環し、第1凝縮器50A及び第2凝縮器50Bで凝縮された凝縮水は、排出弁54を介して循環経路20の循環系外に排出される。
ここで、このエンジン1は、第1凝縮器50Aに対する冷却媒体循環系である冷却水循環路51Aに種々の公知の形式で構成されたサーモスタット55が設けられる。サーモスタット55は、凝縮器50Aを通過後の冷却水の温度に応じて、当該冷却水が流れる経路を切り替えるものである。サーモスタット55は、冷却水の温度が相対的に低いエンジン1の暖機運転時に、冷却水循環路51Aにおいて、ラジエータ53Aを迂回する経路で冷却水を循環させる。これにより、エンジン1は、冷却水の温度の上昇が促され暖機が促進される。一方、サーモスタット55は、冷却水の温度が相対的に高いエンジン1の暖機終了後の通常運転時に、冷却水循環路51Aにおいて、ラジエータ53Aを通過する経路で冷却水を循環させる。これにより、エンジン1は、冷却水循環路51Aを循環する冷却水を適正に冷却する。
なお、エンジン1の暖機運転時とは、エンジン1の暖機を促進する運転状態であり、典型的には、エンジン1の始動直後などエンジン本体10を冷却するための冷却水が予め設定される暖機温度以下である場合、つまり、エンジン1の冷間時である。エンジン1は、エンジン本体10を冷却するための冷却水が予め設定される暖機温度より高くなると、暖機運転を終了し、通常の温間時の運転に移行する。
電子制御装置60は、CPU、ROM、RAM及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路である。電子制御装置60は、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ61、クランク角度を検出するクランク角度センサ62などの種々のセンサが検出した検出結果に対応した電気信号が入力される。ここで、アクセル開度は、車両の運転席に設けられるアクセルペダル(不図示)の操作量に相当し、さらに言えば、運転者がこのエンジン1に対して要求する要求エンジン負荷(要求負荷率)に応じた値である。クランク角度は、ピストン16にコネクティングロッドを介して連結されるクランクシャフトの回転角度に相当する。電子制御装置60は、例えば、クランク角度センサ62が検出したクランク角度に基づいて各気筒における吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程を判別すると共に、エンジン1の回転速度としてエンジン回転数(rpm)を算出する。電子制御装置60は、入力された検出結果に応じて酸素供給装置30、水素供給装置40、冷却水ポンプ52A、52B、排出弁54、サーモスタット55などのエンジン1の各部に駆動信号を出力しこれらの駆動を制御する。
上記のように構成されるエンジン1は、水素を拡散燃焼させるものとして例示する。エンジン1は、吸気ポート12に設けられた吸気弁14の開弁時に、循環経路20を循環する循環ガスが酸素供給装置30からの酸素と共に燃焼室11に吸気(供給)される。エンジン1は、ピストン16の動作に応じて燃焼室11内に形成された高温の圧縮ガス(酸素及びアルゴン)の中に水素供給装置40から高圧の水素を噴射することにより、この水素の一部が自己着火し、水素と圧縮ガス(酸素)とが拡散混合しながら燃焼する。エンジン1は、これに伴って燃焼室11内で水蒸気が生成されると共に、比熱比の大きいアルゴンが熱膨張を起こす。この結果、このエンジン1は、水素の燃焼とアルゴンの熱膨張とによってピストン16が押し下げられクランクシャフトが回転し、機械的な動力を発生させることができる。そして、エンジン1は、排気ポート13に設けられた排気弁15の開弁に伴って、燃焼室11内から水素の燃焼後の排気ガスがアルゴンと共に排気ポート13に排気(排出)され、排気ガスとアルゴンとが循環ガスとして循環経路20を循環し再び燃焼室11に吸気される。この間、エンジン1は、循環ガス中の水蒸気の大部分が凝縮器50にて液化・凝縮され分離される。これにより、エンジン1は、比熱比の小さい水蒸気が燃焼室11に供給されず、比熱比の大きいアルゴンが燃焼室11へと再び供給されるので、アルゴンによる熱効率の高い運転を行うことができる。
この間、電子制御装置60は、アクセル開度センサ61が検出したアクセル開度やクランク角度センサ62が検出したクランク角度等に基づいた要求エンジン負荷やエンジン回転数等の運転状態に応じて、現在のエンジン回転数において、運転者が要求する駆動力(エンジン出力)を得ることができるように、酸素供給装置30、水素供給装置40による酸素、水素の供給量(噴射量)や供給時期(噴射時期)を制御する。電子制御装置60は、基本的には、運転者によるアクセルペダルの操作量に相当するアクセル開度やエンジン回転数等の運転状態に応じて、例えば、記憶部に予め記憶されている供給量マップ(不図示)から現在のエンジン回転数で要求される要求トルクを得ることができる水素、酸素の供給量、供給時期を決定し、これに基づいて各部を制御する。
なお、このエンジン1は、水素を燃焼室11内に向けて直接噴射して自己着火させ拡散燃焼させる筒内直噴自己着火拡散燃焼形式の構成として例示したがこれに限らない。エンジン1は、例えば、燃焼室11に供給された水素に点火可能な点火装置としての点火プラグを備え、この点火プラグが燃焼室11内で水素に点火する火花点火形式の構成であってもよいし、水素に対して点火プラグで点火して水素の自己着火の補助を行い拡散燃焼させる形式の構成であってもよい。また、エンジン1は、例えば、水素を循環経路20内ここでは吸気ポート12内に向けて噴射して供給しアルゴンなどを含む循環ガスと共に燃焼室11に供給する吸気予混合形式の構成であってもよい。また、エンジン1は、酸素を燃焼室11内に向けて直接噴射する形式の構成であってもよい。また、エンジン1は、いわゆる希薄燃焼形式の構成であってもよい。
ところで、エンジン1は、仮に燃焼室11に供給されるアルゴンの量が常に一定であると仮定した場合、暖機過程や軽負荷時などにおいて、比熱比が相対的に高いアルゴンの量に対して水素の燃焼による発熱量が相対的に少ないことから、燃焼室11から排気されるガスの温度が相対的に低下するおそれがある。これは熱効率の高いアルゴン循環型のエンジン1では、排気損失が少なく、また、暖機過程や軽負荷時などにおいては、燃焼室11に供給されるアルゴンの量に対して酸素、水素の比率が著しく低くなるおそれがあるためである。そして、エンジン1は、上記のように冷却水を循環させる冷却水循環路51Aがエンジン本体10と第1凝縮器50Aとで兼用されるような場合、燃焼室11から排気されるガスの温度が相対的に低下すると、例えば、燃焼室11から排気されたガスによる第1凝縮器50Aでの冷却水の昇温効果が低下し、エンジン1の暖機完了が遅れるおそれがある。
そこで、本実施形態のエンジン1は、電子制御装置60が所定の条件下で、燃焼室11に供給されるアルゴン(作動ガス)の供給量を低減する暖機制御を実行することで、燃焼室11から排気されるガスの温度を適正な温度に調節している。
具体的には、エンジン1は、調節機構70を備え、電子制御装置60は、運転状態に応じてこの調節機構70を制御することで、上記暖機制御を実行する。
調節機構70は、循環経路20に設けられ燃焼室11に供給されるアルゴンの量を調節可能なものであり、ここでは可変絞り機構71を有する。可変絞り機構71は、循環経路20の通路断面積を可変とするものであり、電子制御装置60に電気的に接続されその駆動が制御される。
可変絞り機構71は、循環経路20において循環ガスの循環方向に対して、燃焼室11を基準として、水素又は酸素が供給される供給位置、ここでは酸素が供給される酸素供給位置より下流側に設けられる。可変絞り機構71は、酸素供給位置と燃焼室11の吸気側との間に設けられる。
可変絞り機構71は、循環経路20内部に設けられる可変絞り弁が駆動することで、酸素供給位置と燃焼室11の吸気側との間の通路の絞り量を調節し、言い換えれば、循環経路20の通路開度(アルゴンなどの流体が通過可能な通路断面積)を調節することで、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を調節することができる。すなわち、可変絞り機構71は、絞り量を相対的に大きくし、循環経路20の通路開度を相対的に小さくすることで、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を低減することができる。一方、可変絞り機構71は、絞り量を相対的に小さくし、循環経路20の通路開度を相対的に大きくすることで、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を増加することができる。
そして、電子制御装置60は、図2に例示するように、エンジン本体10を暖機する暖機運転時に、調節機構70を制御して、当該暖機の終了後の通常運転時と比較して、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を低減する暖機制御を実行する。本図2は、暖機過程において上記暖機制御を実行した場合の燃焼室11内の水素、酸素、アルゴンの供給量の比率と、暖機の終了後の通常運転時の燃焼室11内の水素、酸素、アルゴンの供給量の比率とを模式的に表したものである。この図2では、エンジン負荷が同等である場合、すなわち、燃焼室11内への酸素、水素の供給量が同等である場合を比較している。
電子制御装置60は、エンジン1の暖機運転時、典型的には、冷却水が予め設定される暖機温度以下であり、冷却水循環路51Aにおいてサーモスタット55がラジエータ53Aを迂回する経路で冷却水を循環させる運転状態である場合に、可変絞り機構71を制御し絞り量を相対的に大きくし、循環経路20の通路開度を相対的に小さくすることで、上記のように燃焼室11に供給されるアルゴンの量を相対的に低減する。
したがって、エンジン1は、暖機過程などにおいて、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を相対的に低減する暖機制御を実行することから、燃焼室11内での水素の燃焼による発熱量に対して、燃焼室11に供給されるアルゴンの量が多くなりすぎることを抑制することができ、言い換えれば、燃焼室11に供給されるアルゴンの量に対して酸素、水素の比率が著しく低くなることを抑制することができる。これにより、エンジン1は、燃焼室11から排気されるガスの温度が低くなることを抑制することができ、言い換えれば、燃焼室11内での水素の燃焼による発熱量が同等であっても燃焼室11から排気されるガスの温度を相対的に高くすることができる。よって、エンジン1は、燃焼室11から排気されるガスの温度を適正な温度に調節することができ、例えば、運転状態に応じた好適な温度に調節することができる。
この結果、エンジン1は、上記のように冷却水を循環させる冷却水循環路51Aがエンジン本体10と第1凝縮器50Aとで兼用される場合であっても、燃焼室11から排気されたガスによる第1凝縮器50Aでの冷却水の昇温効果が低下することを抑制することができる。つまり、エンジン1は、冷却水をすみやかに昇温することができ、エンジン暖機性能を向上することができ、早期に暖機を完了することができる。
以上で説明した本発明の実施形態に係るエンジン1によれば、水素と空気より比熱比の高いアルゴンとが供給され水素の燃焼に伴ってアルゴンが膨張可能である燃焼室11が設けられるエンジン本体10と、アルゴンを含むガスを燃焼室11の排気側から吸気側に循環させ再び燃焼室11に供給可能である循環経路20と、循環経路20に設けられ燃焼室11に供給されるアルゴンの量を調節可能な調節機構70と、エンジン本体10を暖機する暖機運転時に、調節機構70を制御して、当該暖機の終了後の通常運転時と比較して、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を低減する暖機制御を実行する電子制御装置60とを備える。したがって、エンジン1は、例えば、燃焼室11から排気されるガスの温度を相対的に高くすることができ、燃焼室11から排気されるガスの温度を適正な温度に調節することができる。
[実施形態2]
図3は、実施形態2に係るエンジンの暖機制御について説明する線図、図4は、実施形態2に係るエンジンにおける制御の一例を説明するフローチャート、図5は、実施形態2に係るエンジンにおける制御マップの一例である。実施形態2に係る作動ガス循環型エンジンは、冷却水の温度に基づいて作動ガスの量を調節する点で実施形態1に係る作動ガス循環型エンジンとは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略するとともに、同一の符号を付す(以下の実施形態でも同様である)。
本実施形態の作動ガス循環型エンジンとしてのエンジン201の電子制御装置60は、図3に例示するように、上記暖機運転時の暖機制御において、エンジン本体10を冷却する冷却水の温度に基づいて、調節機構70を制御して、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を調節する。これにより、エンジン201は、燃焼室11から排気されるガスの温度をより効率的に適正な温度に調節することができ、例えば、より効率的に冷却水の温度を昇温することができる。
ここで、エンジン本体10を冷却する冷却水は、上述した冷却水循環路51Aを循環する冷却水である。電子制御装置60は、冷却媒体温度検出手段、例えば、サーモスタット55の温度検知部が検出した冷却水循環路51Aの冷却水の温度に基づいて、調節機構70を制御する。
具体的には、電子制御装置60は、検出される冷却水の温度が低いほど、可変絞り機構71を制御し絞り量を相対的に大きくし、循環経路20の通路開度を相対的に小さくすることで、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を低減する。一方、電子制御装置60は、検出される冷却水の温度が高いほど、可変絞り機構71を制御し絞り量を相対的に小さくし、循環経路20の通路開度を相対的に大きくすることで、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を増加する。この結果、エンジン201は、エンジン本体10を冷却する冷却水の温度が低いほど、燃焼室11に供給されるアルゴンの量が低減されることから、燃焼室11から排気されるガスの温度を高くすることができ、例えば、冷却水をよりすみやかに昇温することができ、エンジン暖機性能をさらに向上することができ、さらに早期に暖機を完了することができる。
次に、図4のフローチャートを参照してエンジン201における制御の一例を説明する。なお、これらの制御ルーチンは、数msないし数十ms毎の制御周期で繰り返し実行される。
まず、電子制御装置60は、例えば、サーモスタット55の温度検知部が検出した冷却水循環路51Aの冷却水の温度(エンジン冷却水温度)を取得する(ST21)。
次に、電子制御装置60は、ST21で取得した冷却水の温度に基づいて、燃焼室11に供給するアルゴンの量を決定し(ST22)、決定したアルゴンの供給量に基づいて調節機構70を制御し、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
ここで、電子制御装置60は、例えば、図5に例示する制御マップに基づいて、燃焼室11に供給するアルゴンの量を求める。この制御マップは、横軸が冷却水温度、縦軸がアルゴン量を示す。制御マップは、冷却水温度とアルゴン量との関係を記述したものである。この制御マップでは、アルゴン量は、冷却水温度の増加にともなって増加する。制御マップは、冷却水温度とアルゴン量との関係が予め設定された上で電子制御装置60の記憶部に格納されている。電子制御装置60は、ST22において、図5の制御マップに基づいて、ST21で取得した冷却水温度から燃焼室11に供給するアルゴンの量を求める。なお、本実施形態では、電子制御装置60は、図5に例示する制御マップを用いてアルゴン量を求めたが、本実施形態はこれに限定されない。電子制御装置60は、例えば、図5に例示する制御マップに相当する数式に基づいてアルゴン量を求めてもよい(以下の説明でも同様である)。
以上で説明した本発明の実施形態に係るエンジン201によれば、エンジン本体10と、循環経路20に設けられ循環するガスから水素の燃焼に伴って生成される水蒸気を取り除く凝縮器50とに冷却水を循環させる冷却水循環路51Aを備え、電子制御装置60は、冷却水の温度が低いほど、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を低減する。したがって、エンジン201は、エンジン本体10を冷却する冷却水の温度が低いほど、燃焼室11から排気されるガスの温度を高くすることができ、例えば、冷却水をよりすみやかに昇温することができる。
[実施形態3]
図6は、実施形態3に係るエンジンの模式的な概略構成図、図7は、実施形態3に係るエンジンにおける制御の一例を説明するフローチャート、図8は、実施形態3に係るエンジンにおける制御マップの一例である。実施形態3に係る作動ガス循環型エンジンは、燃焼室から排気されるガスの温度に基づいて作動ガスの量を調節する点で実施形態1に係る作動ガス循環型エンジンとは異なる。
図6に示す本実施形態の作動ガス循環型エンジンとしてのエンジン301の電子制御装置60は、上記暖機運転時の暖機制御において、燃焼室11から排気されるガスの温度に基づいて、調節機構70を制御して、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を調節する。これにより、エンジン301は、燃焼室11から排気されるガスの温度をより精度よく適正な温度に調節することができ、例えば、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を減らしすぎて燃焼室11から排気されるガスの温度が高くなりすぎることを確実に防止することができる。ここで、電子制御装置60は、排気温度検出手段、例えば、循環経路20の排気ポート13近傍に設けられた排気温度センサ362が検出したガスの温度に基づいて、調節機構70を制御する。
具体的には、電子制御装置60は、検出される燃焼室11から排気されるガスの温度が低いほど、可変絞り機構71を制御し絞り量を相対的に大きくし、循環経路20の通路開度を相対的に小さくすることで、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を低減する。一方、電子制御装置60は、検出される燃焼室11から排気されるガスの温度が高いほど、可変絞り機構71を制御し絞り量を相対的に小さくし、循環経路20の通路開度を相対的に大きくすることで、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を増加する。この結果、エンジン301は、燃焼室11から排気されるガスの温度が高いほど、燃焼室11に供給されるアルゴンの量が増加されることから、燃焼室11から排気されるガスの温度を相対的に低くすることができ、例えば、熱負荷が高くなりすぎることを防止することができる。
次に、図7のフローチャートを参照してエンジン301における制御の一例を説明する。
まず、電子制御装置60は、例えば、排気温度センサ362が検出した燃焼室11から排気されるガスの温度(排気温度)を取得する(ST31)。
次に、電子制御装置60は、ST31で取得した排気温度に基づいて、燃焼室11に供給するアルゴンの量を決定し(ST32)、決定したアルゴンの供給量に基づいて調節機構70を制御し、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
ここで、電子制御装置60は、例えば、図8に例示する制御マップに基づいて、燃焼室11に供給するアルゴンの量を求める。この制御マップは、横軸が排気温度、縦軸がアルゴン量を示す。制御マップは、排気温度とアルゴン量との関係を記述したものである。この制御マップでは、アルゴン量は、排気温度の増加にともなって増加する。制御マップは、排気温度とアルゴン量との関係が予め設定された上で電子制御装置60の記憶部に格納されている。電子制御装置60は、ST32において、図8の制御マップに基づいて、ST31で取得した排気温度から燃焼室11に供給するアルゴンの量を求める。
以上で説明した本発明の実施形態に係るエンジン301によれば、電子制御装置60は、燃焼室11から排気されるガスの温度に基づいて燃焼室11に供給されるアルゴンの量を調節する。したがって、エンジン301は、燃焼室11から排気されるガスの温度をより精度よく適正な温度に調節することができる。
[実施形態4]
図9は、実施形態4に係るエンジンにおける制御の一例を説明するフローチャートである。実施形態4に係る作動ガス循環型エンジンは、燃焼室から排気されるガスの温度が上限温度を超えないように作動ガスの量を調節する点で実施形態3に係る作動ガス循環型エンジンとは異なる。
図9で説明する本実施形態の作動ガス循環型エンジンとしてのエンジン401の電子制御装置60は、上記暖機運転時の暖機制御において、燃焼室11から排気されるガスの温度が上限温度を超えないように、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を調節する。
図9のフローチャートを参照してエンジン401における制御の一例を説明する。
まず、電子制御装置60は、例えば、排気温度センサ362が検出した燃焼室11から排気されるガスの温度(排気温度)を取得する(ST41)。
次に、電子制御装置60は、ST41で取得した排気温度が予め設定される所定値より小さいか否かを判定する(ST42)。ここで所定値は、エンジン401で許容される排気温度の上限温度に応じて予め設定されるものであり、例えば、エンジン401の強度や仕様などに応じて適宜設定される。
電子制御装置60は、排気温度が予め設定される所定値より小さいと判定した場合(ST42:Yes)、可変絞り機構71を制御し絞り量を相対的に大きくし、循環経路20の通路開度を相対的に小さくすることで、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を低減し(ST43)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。これにより、エンジン401は、燃焼室11から排気されるガスの温度を上昇させることができる。
電子制御装置60は、排気温度が予め設定される所定値以上であると判定した場合(ST42:No)、可変絞り機構71を制御し絞り量を相対的に小さくし、循環経路20の通路開度を相対的に大きくすることで、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を増加し、(ST44)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。これにより、エンジン401は、燃焼室11から排気されるガスの温度を低下させることができる。
したがって、エンジン401は、燃焼室11から排気されるガスの温度を許容される範囲で高い温度に維持することができるので、冷却水をさらにすばやく昇温することができる。この結果、エンジン401は、燃焼室11から排気されるガスの温度を、上限温度を超えない範囲で、可能な限り高い温度で維持することができる。
以上で説明した本発明の実施形態に係るエンジン401によれば、電子制御装置60は、燃焼室11から排気されるガスの温度が上限温度を超えないように、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を調節する。したがって、エンジン401は、過大な熱負荷発生の防止と暖機性能の向上とを両立することができる。
[実施形態5]
図10は、実施形態5に係るエンジンの模式的な概略構成図である。実施形態5に係る作動ガス循環型エンジンは、可変絞り機構の位置が実施形態1に係る作動ガス循環型エンジンとは異なる。
図10に示す本実施形態の作動ガス循環型エンジンとしてのエンジン501は、調節機構70を備え、この調節機構70は、可変絞り機構71を有する。
そして、本実施形態の可変絞り機構71は、循環経路20において循環ガスの循環方向に対して、燃焼室11を基準として、水素又は酸素が供給される供給位置、ここでは酸素が供給される酸素供給位置より上流側に設けられる。可変絞り機構71は、酸素供給位置と燃焼室11の排気側との間に設けられる。可変絞り機構71は、循環経路20内部に設けられる可変絞り弁が駆動し、酸素供給位置と燃焼室11の排気側との間の通路の絞り量を調節することで、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を調節することができる。
この場合、エンジン501は、循環方向に対して、燃焼室11を基準として、酸素供給位置より上流付側に可変絞り機構71が設けられることで、この可変絞り機構71によって、燃焼室11に供給される酸素の量を調節する必要がなく、燃焼室11に供給されるアルゴンの量のみを調節することができる。これにより、エンジン501は、エンジン制御の制御性を向上することができ、例えば、エンジン出力過渡時の応答性を向上することができる。言い換えれば、エンジン501は、可変絞り機構71によって燃焼室11に供給されるアルゴンの量を変えても、燃焼室11に供給される酸素の量が変わることがないので、例えば、過渡運転時に燃焼室11に供給されるアルゴンの量のみを調節しやすくすることができ、燃焼室11内の圧力を許容の範囲で運転状態に応じた好適な圧力に調節しやすくすることができる。
以上で説明した本発明の実施形態に係るエンジン501によれば、可変絞り機構71は、循環経路20において循環するガスの循環方向に対して、燃焼室11を基準として、水素又は水素を燃焼させる酸素が供給される供給位置より上流側に設けられる。したがって、エンジン501は、エンジン制御の制御性を向上することができる。
[実施形態6]
図11は、実施形態6に係るエンジンの模式的な概略構成図、図12は、実施形態6に係るエンジンにおける制御の一例を説明するフローチャートである。実施形態6に係る作動ガス循環型エンジンは、調節機構の構成が実施形態1に係る作動ガス循環型エンジンとは異なる。
図11に示す本実施形態の作動ガス循環型エンジンとしてのエンジン601は、調節機構670を備え、この調節機構670は、動弁機構672を有する。動弁機構672は、燃焼室11に連通する吸気ポート12を開閉可能な吸気弁14の開閉動作を調節可能なものである。動弁機構672は、吸気ポート12に設けられた吸気弁14のリフト量や開閉時期を可変とし、これらを連続的に変化させることで、燃焼室11に吸入されるガスの量を調節する。動弁機構672は、吸気弁14の閉弁時期を相対的に遅角する、あるいは、吸気弁14のリフト量を相対的に小さくすることで、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を低減することができる。エンジン601は、吸気弁14の閉弁時期を相対的に遅角した場合、例えば、ピストン16が下死点を過ぎて上死点に向かう途中で吸気弁14が閉弁されることとなり、これにより、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を低減することができる。一方、動弁機構672は、吸気弁14の閉弁時期を相対的に進角する、あるいは、吸気弁14のリフト量を相対的に大きくすることで、燃焼室11に供給されるアルゴンの量を増加することができる。動弁機構672は、電子制御装置60に電気的に接続され、あるいは、油圧制御回路などを介して接続され、その駆動が制御される。
次に、図12のフローチャートを参照してエンジン601における制御の一例を説明する。なお、以下の説明では、燃焼室11に供給するアルゴンの量を低減し燃焼室11から排気されるガスの温度を上昇させる場合について説明し、燃焼室11に供給するアルゴンの量を増加し燃焼室11から排気されるガスの温度を低下させる場合についての説明は省略する。
電子制御装置60は、エンジン601の種々のセンサの検出値や各部の駆動状態に応じて、上述したように燃焼室11に供給するアルゴンの量を減少させるか否か、言い換えれば、燃焼室11から排気されるガスの温度を上昇させるか否かを判定する(ST61)。
電子制御装置60は、燃焼室11に供給するアルゴンの量を減少させると判定した場合(ST61:Yes)、動弁機構672を制御し、吸気弁14の閉弁時期を相対的に遅角する、又は、吸気弁14のリフト量を相対的に小さくする、あるいは、この両方を行って燃焼室11に供給されるアルゴンの量を低減し(ST62)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。電子制御装置60は、燃焼室11に供給するアルゴンの量を減少させないと判定した場合(ST61:No)、ST62の処理をとばして、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
この場合、エンジン601は、上述した可変絞り機構71を備えることなく、動弁機構672によって燃焼室11に供給されるアルゴンの量を調節することができる。そして、エンジン601は、燃焼室11により近い位置に配置される吸気弁14の開閉動作によって供給されるアルゴンの量が調節されることから、当該アルゴンの量を精度よくかつ応答性よく調節することができ、例えば、過渡運転時のエンジン制御の制御性や応答性をさらに向上することができる。
以上で説明した本発明の実施形態に係るエンジン601によれば、調節機構670は、燃焼室11に連通する吸気ポート12を開閉可能な吸気弁14の開閉動作を調節可能な動弁機構672を有する。したがって、エンジン601は、エンジン制御の制御性をさらに向上することができる。
なお、上述した本発明の実施形態に係る作動ガス循環型エンジンは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。本発明の実施形態に係る作動ガス循環型エンジンは、以上で説明した実施形態を複数組み合わせることで構成してもよい。
以上で説明した作動ガス循環型エンジンは、エンジン本体と、循環経路に設けられ循環するガスから燃焼に伴って生成される生成物を取り除く除去装置とに冷却媒体を循環させる冷却媒体循環経路を備えない構成であってもよい。
以上で説明した作動ガス循環型エンジンは、酸化剤が酸素であり燃料が水素であるものとして説明したが、これに限らず、燃焼室にて燃料の燃焼に伴って作動ガスを膨張させることができるものであればよい。また、以上で説明した作動ガスは、アルゴンに限らず、例えば単原子ガスであるヘリウム(He)等の希ガスであってもよい。
以上のように本発明に係る作動ガス循環型エンジンは、作動ガスを燃焼室の排気側から吸気側に循環させ再び燃焼室に供給可能な種々の作動ガス循環型エンジンに適用して好適である。
1、201、301、401、501、601 エンジン(作動ガス循環型エンジン)
10 エンジン本体
11 燃焼室
12 吸気ポート
13 排気ポート
14 吸気弁
15 排気弁
20 循環経路
30 酸素供給装置
40 水素供給装置
50 凝縮器
50A 第1凝縮器(冷却装置)
51A 冷却水循環路(冷却媒体循環経路)
55 サーモスタット
60 電子制御装置(制御装置)
70、670 調節機構
71 可変絞り機構
362 排気温度センサ
672 動弁機構

Claims (7)

  1. 燃料と空気より比熱比の高い作動ガスとが供給され前記燃料の燃焼に伴って前記作動ガスが膨張可能である燃焼室が設けられるエンジン本体と、
    前記作動ガスを含むガスを前記燃焼室の排気側から吸気側に循環させ再び前記燃焼室に供給可能である循環経路と、
    前記循環経路に設けられ前記燃焼室に供給される前記作動ガスの量を調節可能な調節機構と、
    前記エンジン本体を暖機する暖機運転時に、前記調節機構を制御して、当該暖機の終了後の通常運転時と比較して、前記燃焼室に供給される前記作動ガスの量を低減する暖機制御を実行する制御装置とを備えることを特徴とする、
    作動ガス循環型エンジン。
  2. 前記エンジン本体と、前記循環経路に設けられ前記循環するガスを冷却する冷却装置とに冷却媒体を循環させる冷却媒体循環経路を備え、
    前記制御装置は、前記冷却媒体の温度が低いほど、前記燃焼室に供給される前記作動ガスの量を低減する、
    請求項1に記載の作動ガス循環型エンジン。
  3. 前記制御装置は、前記燃焼室から排気されるガスの温度に基づいて前記燃焼室に供給される前記作動ガスの量を調節する、
    請求項1又は請求項2に記載の作動ガス循環型エンジン。
  4. 前記制御装置は、前記燃焼室から排気されるガスの温度が上限温度を超えないように、前記燃焼室に供給される前記作動ガスの量を調節する、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の作動ガス循環型エンジン。
  5. 前記調節機構は、前記循環経路の通路断面積を可変とする可変絞り機構を有する、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の作動ガス循環型エンジン。
  6. 前記可変絞り機構は、前記循環経路において前記循環するガスの循環方向に対して、前記燃焼室を基準として、前記燃料又は前記燃料を燃焼させる酸化剤が供給される供給位置より上流側に設けられる、
    請求項5に記載の作動ガス循環型エンジン。
  7. 前記調節機構は、前記燃焼室に連通する吸気ポートを開閉可能な吸気弁の開閉動作を調節可能な動弁機構を有する、
    請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の作動ガス循環型エンジン。
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