JP2011184872A - 作業機械の排熱構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン室1に隣接してポンプ室2を設け、ポンプ室2の上方で機体側面7に面するマフラー室3を設ける。また、冷却装置18によって導入された冷却風を、ポンプ室2へ向かう流れとマフラー室3に向かう流れとに分離させる。
【選択図】図2
Description
例えば、特許文献1には、冷却ファンによってエンジンルーム内に吸い込まれた冷却風を水平方向に排出する排気ダクトを備えた作業機械が開示されている。この技術では、機体側方の吸気開口から導入された冷却風が熱交換器を通過した後、エンジンの上面を通過して排気ダクトから排出されている。また、排気ダクト内に仕切板を設けるとともに内面に吸音材を貼り付けることにより、冷却風量を確保しつつ騒音を低減させている。
また、一般的な作業機械では、排気を浄化するとともに排気音を低減させるための排気マフラーがエンジンの上部に併設される。近年では、排ガス規制により排気マフラーが大型化し、これに伴い排気マフラーからの排熱量が増加しつつある。そのため、排気マフラーがエンジンに隣接して配置されたようなレイアウトの場合には、エンジンの近傍を流通した冷却風がさらに高温になりやすく、結果として油圧ポンプの周りにこもる熱量が増大しやすいという課題もある。
なお、前記目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
また、開示の作業機械の排熱構造は、該分離構造が、該エンジン室と該ポンプ室とを区画する第二防火壁と、該第二防火壁に形成され、該エンジン室と該ポンプ室とを連通する第二通気穴と、該ポンプ室の底面に形成され、該ポンプ室と該機体外部とを連通する第三通気穴と、を有することを特徴としている。
[1.構成]
[1−1.全体構成]
本発明は、図1に示す油圧ショベル20(作業機械)に適用されている。この油圧ショベル20は、クローラ式の走行装置を装備した下部走行体21と、その上部に搭載された上部旋回体22とを備えている。上部旋回体22は、旋回装置を介して下部走行体21の上に旋回自在に設置される。
図2に模式的に示すように、マシンルーム19は機体の左右全幅にわたって配置され、天井をなすエンジンフード9,底面8,左右の側板7,16によって囲まれて形成されている。エンジンフード9は、上部旋回体22の上方に開放可能なカバー部材である。このマシンルーム19は、エンジン室1,ポンプ室2及びマフラー室3の三種類の空間から構成される。なお、底面8はエンジン室1及びポンプ室2で共通であり、機体右側の側板7はポンプ室2及びマフラー室3で共通である。
エンジン室1には、エンジン11及び冷却ファン18(冷却装置)が配置されている。冷却ファン18はエンジン11に隣接して設けられた軸流ファンであり、機体外部からエンジン室1内に冷却風を取り込むものである。エンジン室1の左側面となる側板16には吸気口16aが設けられ、ここから冷却風がエンジン室1内へ導入される。また、冷却ファン18によって取り込まれる冷却風の上流側には、オイルクーラやラジエータ等からなる冷却ユニット4が配置されている。以下、エンジン室1内における冷却風の流れに基づいて、上流側及び下流側との表現を用いる。
底面8及びエンジンフード9における冷却ファン18よりも冷却風の下流側となる位置(すなわち、図2中において、冷却ファン18の直上部,直下部よりもやや右方向にずれた位置)には、通気穴8b,9bが形成されている。これらの通気穴8b,9bは、冷却ファン18から吹き出された冷却風のうち、遠心方向に流れた冷却風を直接的に機体外部へ排出する。
ポンプ室2は、エンジン室1に隣接して設けられ、油圧ポンプ12が配置された室である。油圧ポンプ12は、油圧ショベル20に搭載された各種油圧機器(例えば、フロント作業機23の油圧シリンダや下部走行体21に内蔵された油圧走行モータ等)の作動油供給源である。この油圧ポンプ12は、エンジン11の出力軸に対して機械的に接続され、エンジン11によって駆動されている。
図2に示すように、ポンプ室2の底面8には、ポンプ室2と機体外部とを連通するボトムガード穴8a(第三通気穴)が形成されている。これにより、エンジン室1からポンプサイド穴6aを通ってポンプ室2に導入された冷却風は、ボトムガード穴8aから機体外部に排出されるように流れる。
マフラー室3は、ポンプ室2の上方に設けられ、排気マフラー13が配置された室である。排気マフラー13は、エンジン11からの排気を浄化するとともに排気音を低減させるものであり、各種フィルタや排気触媒等を組み合わせて構成されている。図2に示すように、マフラー室3は機体側面をなす側板7に面して形成され、排気マフラー13がマフラー室3のほぼ中央の位置を占めるように配置されている。なお、排気マフラー13から上方に向けて突設された排気筒13aは、エンジンフード9を貫通して上部旋回体22の上面に突出している。
マフラー室3の側面には、マフラー室3と機体外部とを連通する通気穴7a(第三通気穴)が形成されている。また、エンジンフード9における排気マフラー13の直上部となる位置にも、マフラー室3と機体外部とを連通する通気穴9aが形成されている。これにより、エンジン室1からマフラー室3に導入された冷却風は、これらの通気穴7a,9aから機体外部に排出されるように流れる。
冷却ファン18によってエンジン室1内に導入された冷却風は、冷却ユニット4の放熱コアを通過し、冷却ユニット4内の熱媒体を冷却する。その後、冷却風は冷却ファン18に吸い込まれるとともに遠心方向に広がりながら下流側へと吹き出される。冷却ファン18の下流側における冷却風の流れをその流通方向別に分類すると、おもに以下の三種類となる。
(A)通気穴8b,9b側へ流れるもの
(B)通気ダクト15側へ流れるもの
(C)エンジン11側へ流れるもの
ポンプ室2に向かう流れの冷却風は、防火壁6に形成されたポンプサイド穴6aからポンプ室2の内部に導入され、油圧ポンプ12やその周辺機器を冷却しつつ、底面8のボトムガード穴8aから機体外部へ排出される。これにより、冷却風がエンジン11及び油圧ポンプ12から受け取った熱は、上部旋回体22の下面から外部に排出され、エンジン室1内及びポンプ室2内の温度上昇が抑制される。特に、冷却風がポンプ室2内を吹き抜ける(通過する)構造であるため、ポンプ室2内に熱がこもりにくく、ポンプ室2内の温度上昇が効率的に抑制される。
このように、開示の作業機械の排熱構造によれば、冷却風の流れをポンプ室2側とマフラー室3側とに分離させることにより、マシンルーム19内部(機体内部)での熱のこもりを防止することができ、排熱性を高めることができる。また、ポンプ室2とマフラー室3とを防火壁5で機体上下方向に区画することにより、マフラー室3からポンプ室2への冷却風の吹き込みを防止することができ、ポンプ室2の温度上昇を抑制することができる。なお、防火壁5,6が傾斜部5aによって接続されているため、エンジン室1内を流れる冷却風のうちポンプサイド穴6aに流入しなかった冷却風をマフラー室3側に誘導することができ、冷却風の流れを分離しやすくすることができるという利点もある。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態におけるマシンルーム19の内外を連通する通気穴8b,9a,9bに加えて、あるいは代えて、異なる位置に通気穴を設けてもよい。例えば、底面8やエンジンフード9に開口部を設けて、エンジン室1,ポンプ室2及びマフラー室3から冷却風が流出しやすい構造としてもよい。なお、エンジン室1に導入された冷却風がポンプ室2側に向かう流れとマフラー室3側に向かう流れとに分離されている限り、具体的な冷却風の流通経路は任意に設定することができる。
2 ポンプ室
3 マフラー室
4 冷却ユニット(冷却装置)
5 防火壁
5a 傾斜部
6 防火壁(第二防火壁)
6a ポンプサイド穴(第二通気穴)
7 側板(機体側面)
7a 通気穴(通気穴)
8 底面
8a ボトムガード穴(第三通気穴)
8b 通気穴
9 エンジンフード
9a,9b 通気穴
11 エンジン
12 油圧ポンプ
13 排気マフラー
13a 排気筒
14 デッキプレート
15 通気ダクト
16 側板
16a 吸気口
17 サイドカバー
18 冷却ファン(冷却装置)
19 マシンルーム
20 油圧ショベル
25 カウンタウェイト
Claims (4)
- 作業機械に搭載されたエンジンが配置されるエンジン室と、
該エンジン室に隣接して設けられ、油圧ポンプが配置されるポンプ室と、
該ポンプ室の上方で機体側面に面して設けられ、該エンジンの排気マフラーが配置されるマフラー室と、
該エンジンに隣接して配置され、機体外部から該エンジン室へと冷却風を導入する冷却装置と、
該エンジン室に導入された該冷却風の流れを該ポンプ室に向かう流れと該マフラー室に向かう流れとに分離させる分離構造と
を備えたことを特徴とする、作業機械の排熱構造。 - 該分離構造が、
該ポンプ室と該マフラー室とを機体上下方向に区画する防火壁と、
該マフラー室に面する該機体側面に形成され、該マフラー室と機体外部とを連通する通気穴と、を有する
ことを特徴とする、請求項1記載の作業機械の排熱構造。 - 該分離構造が、
該エンジン室と該ポンプ室とを区画する第二防火壁と、
該第二防火壁に形成され、該エンジン室と該ポンプ室とを連通する第二通気穴と、
該ポンプ室の底面に形成され、該ポンプ室と該機体外部とを連通する第三通気穴と、を有する
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の作業機械の排熱構造。 - 該分離構造が、
該エンジン室の上部に水平方向に配置され、該冷却装置で導入された該冷却風を該マフラー室へ供給する通気ダクトを有する
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の作業機械の排熱構造。
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