JP2011184740A - 混銑車の耐火物ライニング構造 - Google Patents

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【課題】 混銑車の耐火物ライニング構造において、施工が容易であって施工工数を抑えることができ、且つ、ワーク耐火物層の膨張・収縮の影響を軽減することができ、長期間にわたって断熱効果を十分に発揮することのできる耐火物ライニング構造を提供する。
【解決手段】 本発明の混銑車の耐火物ライニング構造は、混銑車炉体2の外側から、鉄皮3、永久耐火物層4、ワーク耐火物層5をこの順に有し、混銑車炉体の天井部から少なくともスラグライン部までの範囲は、鉄皮と永久耐火物層との間に、断熱材の熱伝導率を断熱材の施工厚みで除算した値である熱通過率が20W/(m2・K)以下となるように、熱伝導率及び施工厚みを規定した断熱材6が配置され、且つ、断熱材が施工された部位のワーク耐火物層は、目地が混銑車炉体の周方向に貫通し、この貫通した目地が直胴部2aの長手方向の1000mmあたりに0.9本以上存在する、成形煉瓦からなる煉瓦積み構造であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高炉から出湯される溶銑を受銑して保持し、保持した溶銑を搬送する或いは保持した溶銑に精錬処理を実施するための混銑車の耐火物ライニング構造に関するものである。
今日、地球環境保全のために、全世界的規模でCO2排出量の削減活動がなされている。製鉄業においても、多量の炭素源を使用することから、特に製銑分野及び製鋼分野においては、CO2排出量削減への取り組みが急務となっており、高炉での還元剤比の低減、熱ロスの低減や、熱の有効利用化などの熱余裕度創出技術などが研究・開発されている。また、熱余裕度の創出は、転炉におけるフェロシリコンなどの発熱剤原単位の削減が見込めるため、製鉄コスト合理化の面からも技術開発が重要である。
製鉄プロセスにおいては、一般に、高炉で製造されて高炉から出湯される溶銑は、混銑車(「トピードカー」ともいう)または溶銑鍋に代表される容器で受銑され、次工程の製鋼工程へと輸送される。輸送の途中で、容器内の溶銑にフラックスを吹き込み、脱燐処理や脱硫処理を行う場合もある。また、製鋼工程の転炉或いは電気炉で溶製された溶鋼は、取鍋などの容器に出湯され、二次精錬工程や連続鋳造工程などの次工程へと輸送される。これらの製鉄用容器は、一般的には、稼働面(溶湯との接触面)側から順に、ワーク耐火物層、永久耐火物層、鉄皮の3層から形成されるライニング構造である。ワーク耐火物層及び永久耐火物層は、ともに成形煉瓦(定形耐火物)または不定形耐火物で構成され、成形煉瓦で構成されるときには、ワーク煉瓦層及び永久煉瓦層とも呼ばれている。
混銑車を用いて溶銑を次工程へ輸送する場合、その経過時間(以下、「リードタイム」と記す)が長くなると、溶銑の熱が耐火物層を伝達し、鉄皮から外気に放出する熱量が増加し、溶銑の温度降下量が増大するという問題が発生する。また、リードタイムが長くなると、最外殻である鉄皮の温度が上昇し、鉄皮のクリープ変形や亀裂発生を引き起こす恐れがある。そこで、これらの問題を解決する手段の一つとして、製鉄用容器のライニング構造を断熱化する技術が幾つか提案されている。
例えば、特許文献1には、鉄皮に断熱ボード及びワーク煉瓦をこの順に施工してなる取鍋において、断熱ボードとワーク煉瓦との間にロー石煉瓦などの断熱煉瓦を設けた断熱ライニング構造が提案されている。そして、特に、断熱煉瓦層厚みは60mm以上、ワーク煉瓦層厚みは30mm以下が望ましいとしている。
しかしながら、特許文献1に記載されている技術を混銑車に適用した場合には、断熱煉瓦の厚みが大きく、容積が低下するという問題点がある。また、断熱煉瓦の厚みが大きいことから断熱煉瓦内の温度勾配が大きくなり、断熱煉瓦内に亀裂が発生して耐火物寿命が低下する恐れもある。また更に、ワーク煉瓦厚みを30mm以下にすると、断熱煉瓦の稼働面側温度が高温になり、結果的に断熱性能が低下するという懸念もある。
一方、特許文献2及び特許文献3には、熱伝導率の範囲を規定した断熱材を、永久耐火物と鉄皮との間に配置し、稼働面側から、ワーク耐火物、永久耐火物、断熱材、鉄皮からなる4層構造の製鉄用容器のライニング構造が提案されている。そして、特に、断熱材は、厚みを30mm以内とし、3〜100nmの細孔を有するものが望ましいとしている。
特許文献2及び特許文献3に開示される技術は、一見、断熱性の効果が得られるように見える。しかしながら、特許文献2及び特許文献3に開示される技術を混銑車において適用した場合、各部位のライニング厚みによっては断熱材の適用温度範囲を超える可能性もあり、長期間にわたって断熱効果を得るためには十分な技術とはいえない。更に、細孔を有する断熱材を使用した場合には、耐火物施工時に断熱材と水分とが反応し、その結果、断熱性能が損なわれるという問題が生じる。
この耐火物施工時での断熱性能の劣化を防止するために、特許文献4では、ワーク耐火物と永久耐火物との間に保護板を配置する技術を提案している。しかし、この方法では耐火物施工時に保護板を施工する工程が増えるため、耐火物施工費が増大するという問題がある。
また、永久耐火物と鉄皮との間に断熱材を施工した場合、ワーク耐火物層の平均温度が上昇し、この温度上昇に伴いワーク耐火物層の膨張量が大きくなり、一方、修理のために冷却した際には逆に収縮量が大きくなり、これにより、ワーク耐火物層に亀裂や剥離などが発生し、損耗量の増大をもたらす懸念もある。従って、断熱材を施工する場合には耐火物ライニング構造を全面的に見直すことが必要な場合も発生し、この点からも特許文献2〜4は十分な技術とはいえない。
特開2004−50256号公報 特開2000−104110号公報 特開2000−226611号公報 特開2003−42667号公報
混銑車のライニング構造を断熱化して、溶銑温度降下量の低減及び鉄皮変形の低減などを図るには、断熱材の材質や配置位置、及び、ワーク耐火物層の膨張及び収縮の影響を十分に考慮した上で、しかも、施工工数を抑えることのできる耐火物ライニング構造とする必要がある。これらの観点から上記従来技術を検証すれば、未だ改善すべき点が多々あるのが実情である。
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、高炉から出湯される溶銑を受銑して保持し、保持した溶銑を搬送する或いは保持した溶銑に精錬処理を実施するための混銑車の耐火物ライニング構造において、施工が容易であって施工工数を抑えることができ、且つ、ワーク耐火物層の膨張・収縮の影響を軽減することができ、長期間にわたって断熱効果を十分に発揮することのできる、混銑車の耐火物ライニング構造を提供することである。
上記課題を解決するための本発明に係る混銑車の耐火物ライニング構造は、高炉から出湯される溶銑を受銑して保持する混銑車の耐火物ライニング構造であって、混銑車炉体の外側から、鉄皮、永久耐火物層、ワーク耐火物層をこの順に有し、混銑車炉体の天井部から少なくともスラグライン部までの範囲は、鉄皮と永久耐火物層との間に、断熱材の熱伝導率を断熱材の施工厚みで除算した値である熱通過率が20W/(m2・K)以下となるように、熱伝導率及び施工厚みを規定した断熱材が配置され、且つ、混銑車炉体の前記断熱材が施工された部位のワーク耐火物層は、目地が混銑車炉体の周方向に貫通し、この貫通した目地が混銑車炉体の直胴部の長手方向の1000mmあたりに0.9本以上存在する、成形煉瓦からなる煉瓦積み構造であることを特徴とする。
本発明によれば、鉄皮、永久耐火物層、ワーク耐火物層を基本構造とし、混銑車炉体の天井部から少なくともスラグライン部までの範囲は、鉄皮と永久耐火物層との間に、熱通過率が20W/(m2・K)以下となるように熱伝導率及び施工厚みを規定した断熱材が配置され、且つ、混銑車炉体の断熱材が施工された部位のワーク耐火物層は、目地が混銑車炉体の周方向に貫通し、この貫通した目地が直胴部の長手方向の1000mmあたりに0.9本以上存在する、成形煉瓦からなる煉瓦積み構造であるので、極めて容易な耐火物施工方法にもかかわらず、断熱材を配置することに起因するワーク耐火物層の熱膨張及び熱収縮による損傷を抑制でき、長期間にわたって十分な断熱効果を得ることが実現される。その結果、鉄皮からの放熱ロスが低減されて溶銑輸送中の溶銑温度の降下量が減少し、転炉におけるフェロシリコンなどの発熱剤原単位の削減などが可能になり、更には、鉄皮の温度が低減するので、鉄皮における亀裂や変形が抑制され、混銑車の長寿命化が実現されるなど、工業上有益な効果がもたらされる。
本発明の対象とする混銑車の概略断面図である。 計算で求めた、放熱量と断熱材の熱通過率との関係を示す図である。 目地が貫通している「通し目地構造」の概略図である。 目地が貫通していない「継ぎ目地構造」の概略図である。 通し目地の本数と応力計算により計算したワーク煉瓦層での最大目地開き幅との関係を表す図である。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明者らは、混銑車の放熱ロス抑制の観点から、混銑車炉体の外側から、鉄皮、永久耐火物層、ワーク耐火物層の3層により構成される混銑車において、断熱材を配置することを検討した。尚、本発明を適用した混銑車は、永久耐火物層及びワーク耐火物層ともに成形煉瓦からなる煉瓦積み構造の混銑車である。
図1に、本発明の対象とする混銑車の例を概略断面図で示す。図1において、符号1は混銑車、2は混銑車炉体、3は鉄皮、4は永久煉瓦層、5はワーク煉瓦層、6は断熱材、7は溶銑であり、混銑車炉体2は、外殻を鉄皮3とし、鉄皮3の内側に、永久煉瓦層4、ワーク煉瓦層5がこの順に配置され、ワーク煉瓦層5の内側に溶銑7が収容されるように構成されている。また、混銑車炉体2は紡錘形であり、横断面形状が円筒状の中央部を直胴部2aと呼び、横断面形状が円錐状に狭くなる両端部をコニカル部2bと呼んでいる。
先ず、断熱材6の設置位置について伝熱計算を用いて検討した。同じ種類と厚みの断熱材6を、鉄皮3と永久煉瓦層4との間に配置する場合と、永久煉瓦層4とワーク煉瓦層5との間に配置する場合とで比較すると、鉄皮3と永久煉瓦層4との間に配置した場合の方が、鉄皮3から放出される熱量が減少すること、つまり耐火物ライニング層を通過する熱量が減少することが確認できた。永久煉瓦層4とワーク煉瓦層5との間に断熱材6を配置した場合には、断熱材6の温度が上昇し、その結果、断熱材6の熱伝導率が大きくなるためである。
また、現在市販されている高性能断熱材は1000℃を超える高温では、断熱材自身の収縮が起こり、熱伝導率が増大して断熱性を失う恐れが高く、従って、その使用温度は1000℃以下にすることが好ましい。断熱材6を、永久煉瓦層4とワーク煉瓦層5との間に配置した場合には、ワーク煉瓦層5の損耗により断熱材6の温度が1000℃を超えることが発生する。この観点からも、断熱材6を鉄皮3と永久煉瓦層4との間に配置することが必要である。
但し、混銑車においては、高炉鋳床下や製鋼工場の溶銑払出場への進入、更には途中経路での寸法の取り合いによって外殻寸法が決定され、一方、受銑量から内面寸法が決定されており、耐火物ライニング層を厚くする余裕代はほとんどない。鉄皮を新設し、十分に厚みのある断熱材を配置する方法も考えられるが、周辺設備の改造も含めて多大な投資が必要であり、現実的ではない。
ところで、断熱材が鉄皮と永久煉瓦層との間に施工された混銑車においては、断熱材の部位が熱伝導の律速になる。従って、断熱材が施工された混銑車の放熱ロスは、断熱材の厚みとその熱伝導率、つまり、断熱材の熱伝導率を断熱材の厚みで除算した値である熱通過率によって決定される。耐火物ライニング層の厚みに比較的余裕があり、断熱材の厚みが確保できる場合には熱伝導率の高い断熱材でも設置できるが、一般には前述のとおり制約条件が多く、断熱材の厚みを十分に確保できない場合がほとんどであり、この場合、施工する断熱材は、熱伝導率の低い、高断熱性の断熱材が必要となる。
そこで、鉄皮からの放熱量を抑制するには断熱材の部位での熱通過率をどの程度にすべきかを検討するために、熱通過率と放熱量との関係を伝熱計算により求めた。計算結果を図2に示す。
図2に示すように、放熱ロスを現状の80%以下に低減するためには、断熱材部位での熱通過率を20W/(m2・K)以下にする必要があるとの知見が得られた。因みに、熱通過率を20W/(m2・K)以下に制御しようとすると、熱伝導率が0.1W/(m・K)である断熱材を配置する場合には、その厚みを5mm以上とする必要がある。
そこで、SiO2系の微細多孔質構造の断熱材(初期性能:800℃での熱通過率9.3W/(m2・K))を実機混銑車の天井部に施工する試験を実施した。
上記のSiO2系微細多孔質構造の断熱材を天井部の鉄皮と永久煉瓦層との間に施工する実機試験により、混銑車炉体の断熱材を配置した部位の鉄皮温度は、断熱材を配置していない混銑車の同一部位の70〜80%に低下し、断熱材を配置することによる放熱ロス低減効果が確認できた。しかしながら、断熱材を施工した混銑車では、中間修理のために混銑車炉体を冷却したとき、ワーク煉瓦層に大きな目地開きが発生し、漏銑のリスク回避のために補修部位が増加するという問題が頻発した。
この原因を究明するために、築炉構造などの検討を実施した。その結果、前述したワーク煉瓦層における大きな目地開きの発生は、混銑車炉体の直胴部の築炉構造が大きく影響しており、以下のような原因で大きな目地開きが発生することが分かった。
即ち、混銑車炉体のコニカル部2bは傾斜部が存在するために、一般には、図3に示すような、混銑車炉体の周方向に目地8が貫通している「通し目地構造」となっている。ここで、直胴部2aが、図4に示すような周方向に目地8が貫通していない「継ぎ目地構造」になっている場合、冷却時にワーク煉瓦層5を構成する成形煉瓦が一体となって収縮し、この収縮のために、ワーク煉瓦層5の収縮代が、構造上強度の弱い、直胴部2aとコニカル部2bとの繋ぎ目付近に集中して、大きな目地開きが発生する。尚、図3及び図4は、煉瓦積み構造のワーク煉瓦層を稼働面側から見た図である。
そこで、この収縮代を分散させることを検討し、直胴部2aを、図3に示すような周方向に目地8が貫通している「通し目地構造」とすることで、ワーク煉瓦層5を構成する成形煉瓦一体での収縮を抑制できると考え、熱応力計算を実施した。
計算は、一定の直胴部長さに対して混銑車炉体の周方向に貫通している目地(「通し目地」という)の設置本数を変化させ、そのときの最大目地開き幅を比較検討した。この結果を図5に示す。尚、図5は、直胴部(長さ3250mm)の長手方向に設置される通し目地の本数を横軸としている。図5に示すように、通し目地の設置本数を、直胴部の長手方向に、直胴部の長さ1000mmあたり0.9本以上とすることで、最大目地開き幅は大幅に低減されることが分かった。
但し、熱による膨張・収縮の大きい部位は断熱材の設置された部位であるので、直胴部の少なくとも断熱材の設置された部位を「通し目地構造」とすればよく、直胴部の全てを「通し目地構造」とする必要はない。一方、直胴部の溶銑浴と接触する部位(「溶銑浴部位」という)は、漏銑のリスクを考慮すると、「継ぎ目地構造」の方が望ましい。即ち、漏銑のリスクを考慮し、且つ、放熱ロスを少なくするためには、断熱材を、混銑車炉体の天井部からスラグライン部までの範囲に配置することが好ましい。ここで、スラグライン部とは、混銑車炉体内の溶銑上に存在するスラグと接触する部位であり、溶銑浴部位の直上の部位となる。
このように、混銑車に断熱材を施工して放熱ロスの低減を図るためには、断熱材の選定条件として、熱通過率に加えて築炉構造も考慮することが効果的であることが分かった。
本発明は上記検討結果に基づきなされたもので、本発明に係る混銑車の耐火物ライニング構造は、混銑車炉体の外側から、鉄皮、永久耐火物層、ワーク耐火物層をこの順に有し、混銑車炉体の天井部から少なくともスラグライン部までの範囲は、鉄皮と永久耐火物層との間に、断熱材の熱伝導率を断熱材の施工厚みで除算した値である熱通過率が20W/(m2・K)以下となるように、熱伝導率及び施工厚みを規定した断熱材が配置され、且つ、混銑車炉体の前記断熱材が施工された部位のワーク耐火物層は、目地が混銑車炉体の周方向に貫通し、この貫通した目地が混銑車炉体の直胴部の長手方向の1000mmあたりに0.9本以上存在する、成形煉瓦からなる煉瓦積み構造であることを特徴とする。
このような構成の本発明によれば、極めて容易な耐火物施工方法にもかかわらず、断熱材を配置することに起因するワーク煉瓦層の熱膨張及び熱収縮による損傷を抑制し、長期間にわたって十分な断熱効果を得ることが実現される。
尚、上記説明の混銑車は、永久耐火物層が成形煉瓦からなる煉瓦積み構造であるが、本発明を適用するにおいて、永久耐火物層が成形煉瓦からなる煉瓦積み構造である必要はなく、永久耐火物層を不定形耐火物としても、上記にそって本発明を適用することができる。
容量が350トン規模の混銑車において、混銑車炉体の天井部からスラグライン部までの範囲の鉄皮と永久煉瓦層との間に、熱通過率を変化させて断熱材を設置した。また、混銑車炉体直胴部の断熱材の配置された部位のワーク煉瓦層の長手方向の通し目地の本数を変化させた。これらの混銑車において、高炉から出湯される溶銑を受銑し、脱燐処理及び脱硫処理などの溶銑温度に影響を及ぼす精錬を施すことなく、受銑してから一定時間経過した時点でのスラグライン部直上の鉄皮温度を測定し、また、中間修理のために混銑車炉体を冷却したときのワーク煉瓦層の最大目地開き幅を測定した。また、比較のために、断熱材を設置していない混銑車についても同様の調査を実施した。
表1に、断熱材及び通し目地の施工条件、並びに調査結果を示す。尚、表1の鉄皮温度は、断熱材を配置していない混銑車での鉄皮温度を基準(1.0)とし、指数化して表示している。
Figure 2011184740
表1に示すように、断熱材部位の熱通過率が20W/(m2・K)以下のときには、鉄皮温度が大幅に低下し、放熱ロス低減効果が発現されることが分かった。断熱材を配置しても、断熱材部位の熱通過率が20W/(m2・K)を超えるときには、放熱ロス低減効果はほとんど得られないことも分かった。尚、表1の熱通過率は、断熱材初期の800℃での値を記載した。本発明例は、300〜800℃でも大きな熱通過率の変化はなく、20W/(m2・K)以下の熱通過率を示していた。
また、通し目地が直胴部の長手方向1000mmあたり0.9本以上設置される場合には、ワーク煉瓦層の最大目地開き幅が小さくなることが確認できた。実際、通し目地が直胴部の長手方向1000mmあたり0.9本以上設置された混銑車においては、断熱材を設置しても、何ら問題なく中間修理を実施可能であった。
これらの結果より、本発明を適用することにより、断熱材の設置に起因するワーク煉瓦層の熱膨張及び熱収縮による損傷を抑制し、長期間にわたって十分な断熱効果を得られることが確認できた。
1 混銑車
2 混銑車炉体
2a 直胴部
2b コニカル部
3 鉄皮
4 永久煉瓦層
5 ワーク煉瓦層
6 断熱材
7 溶銑
8 目地

Claims (1)

  1. 高炉から出湯される溶銑を受銑して保持する混銑車の耐火物ライニング構造であって、混銑車炉体の外側から、鉄皮、永久耐火物層、ワーク耐火物層をこの順に有し、混銑車炉体の天井部から少なくともスラグライン部までの範囲は、鉄皮と永久耐火物層との間に、断熱材の熱伝導率を断熱材の施工厚みで除算した値である熱通過率が20W/(m2・K)以下となるように、熱伝導率及び施工厚みを規定した断熱材が配置され、且つ、混銑車炉体の前記断熱材が施工された部位のワーク耐火物層は、目地が混銑車炉体の周方向に貫通し、この貫通した目地が混銑車炉体の直胴部の長手方向の1000mmあたりに0.9本以上存在する、成形煉瓦からなる煉瓦積み構造であることを特徴とする、混銑車の耐火物ライニング構造。
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