JP2011184014A - 海上における船舶の防御装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ターゲットを監視するための監視用カメラ2と、前記監視用カメラ2に接続され監視用カメラ2と同期動作する放水ノズル8を用い、船舶10の海水供給栓26から得た海水と薬剤用容器34からの薬剤(例えば、催涙剤)を混合させて海賊船等のターゲットに放水して、船舶10への接近等を防御する構成と方法である。
【選択図】図1
Description
自己の船舶Sに固定した監視カメラ2で海上の監視エリアE1を撮影し、その映像をモニター画面15aに映し出す。同エリアE1内に海賊船Aが侵入すると、画像処理センサー14が同海賊船Aの侵入をモニター画面15a上のセンサーポイントに基づいて検出し、その後位置検知ユニット16が上記センサーポイントのアドレスデータに基づいて同海賊船Aの位置データを検出し、同データに基づいてプリセットコントローラ17が上記位置データに対応する放水角度信号を設定し、同角度信号により放水機8の放水角度等を設定して、上記監視エリアE1内の海賊船Aに向けて放水するように構成する。
海賊船の接近を無人で検知し得て、同海賊船に向けて自動的に放水動作を行って、同海賊船を退避させることができる。
すなわち、監視エリア及び海賊船等のターゲットとの距離等に応じて、最適な監視カメラ用レンズを選択しなければならず、また、監視カメラからの映像信号を画像処理して海賊船等のターゲットを検知し、自動的に放水動作を行うため、複雑なプログラム必要としていた。
また、真水を用いているため、専用の貯水タンクや送水ポンプの設置が必要であり放水量にも制限があり、長時間継続して防御作業を行うことは不可能であった。
また、本発明による海上における船舶の防御方法は、ターゲットを監視するための監視用カメラと、前記監視用カメラに接続され監視用カメラと同期動作する放水ノズルと、前記放水ノズルの動作を制御するための放水装置用駆動部と、前記放水装置用駆動部を制御するための放水装置制御部と、前記放水ノズルに海水用バルブを介して接続され前記船舶に設けられた海水供給栓と、前記海水用バルブに薬剤混合用バルブを介して接続され薬剤用ポンプを有する薬剤用容器と、前記放水装置制御部、薬剤混合用バルブ、海水用バルブ及び薬剤用ポンプに接続された電源配電盤と、前記監視用カメラ及び電源配電盤に接続されモニター部及びジョイスティックを有する遠隔操作体と、を用い、前記ジョイスティックの操作によりモニター部に前記ターゲットが映し出されると、前記遠隔操作体の電源オンにより、前記海水供給栓からの海水が前記放水ノズルから放水され、前記薬剤混合用バルブ及び薬剤用ポンプの作動により前記薬剤用容器内の薬剤が海水に混合されて放水される方法であり、また、前記薬剤は、催涙剤よりなる方法であり、また、前記放水ノズルは、放水形状をジェットモードからスプレーモードまで無段階に可変可能である方法である。
すなわち、ターゲットを監視するための監視用カメラと、前記監視用カメラに接続され監視用カメラと同期動作する放水ノズルと、前記放水ノズルの動作を制御するための放水装置用駆動部と、前記放水装置用駆動部を制御するための放水装置制御部と、前記放水ノズルに海水用バルブを介して接続され前記船舶に設けられた海水供給栓と、前記海水用バルブに薬剤混合用バルブを介して接続され薬剤用ポンプを有する薬剤用容器と、前記放水装置制御部、薬剤混合用バルブ、海水用バルブ及び薬剤用ポンプに接続された電源配電盤と、前記監視用カメラ及び電源配電盤に接続されモニター部及びジョイスティックを有する遠隔操作体と、を備え、
前記ジョイスティックの操作によりモニター部に前記ターゲットが映し出されると、前記遠隔操作体の電源オンにより、前記海水供給栓からの海水が前記放水ノズルから放水され、前記薬剤混合用バルブ及び薬剤用ポンプの作動により前記薬剤用容器内の薬剤が海水に混合されて放水されることにより、モニター部でターゲットが発見されると、遠隔操作により、放水を行うことかでき、海水と薬剤の混合により、効果的な接近阻止等を行うことができる。
また、前記薬剤は、催涙剤よりなることにより、外敵に対して効果的な接近阻止等を行うことができる。
また、前記放水ノズルは、放水形状をジェットモードからスプレーモードまで無段階に可変可能であることにより、外敵の状況に応じて最も効果的な放水モードとし、接近阻止等を行うことができる。
尚、従来例と同一又は同等部分については、同一符号を用いて説明する。
図1において符号10で示されるものは、タンカー及び商船等の船舶であり、この船舶10の屋外部11には放水装置13が配設されていると共に、この放水装置13から離間したキャビン等の屋内部14にはこの放水装置13を遠隔操作で駆動制御するための遠隔操作体20が設けられている。
前記放水ノズル8には接続部材8aを介して監視用カメラ2が設けられており、この監視用カメラ2は、放水位置及び海賊船等のターゲットの位置を監視、確認することができる。前記監視用カメラ2は昼夜兼用の高感度カメラで被写体部の照度により撮影中自動的に映像調整が行われるもので、特に大型の照明を設置する必要はなく、調整された映像は前記遠隔操作体20のモニター部15aに映し出されるように構成されている。
前記モニター部15aに映し出された映像を基に放水装置13の制御を遠隔操作体20のジョイスティック21によって行うことができるように構成されている。
前記薬剤用ポンプ35は、薬剤用ポンプケーブル36を介して前記電源配電盤30に接続されている。
まず、前記カメラ2は前記放水ノズル8と同期して動くため、常に前記遠隔操作体20の操作部にあるモニター部15aに映し出される映像は放水ノズル8の向きと同じ方向になる。また、海上の悪環境に対応するため図示していないが専用のハウジング構造になっており、このハウジング内の監視用カメラ2を保護するため、ハウジング自体は耐塩材にて作られ、そのハウジングには冷却装置、ヒーター、デフロストガラス、ワイパーが装備されている。
前記放水装置用駆動部22は3種のモーターからなり、前記放水ノズル8の向きと同一の放水形態の変更を行うように構成されている。
海水用バルブ23は前記屋外部11に設置され、図示しないモーターにより開閉する機構を用いたバルブである。このバルブの開閉は前記遠隔操作体20の操作スイッチにて行う。
薬剤用ポンプ35は、薬剤混合用バルブ31が開の時しか動作はできず、薬剤の混合率はバルブ31と薬剤用ポンプ35のポンプで制御する。
薬剤用ポンプ35は異常時にアラームを発し、そのアラーム信号は電源配電盤30を経て遠隔操作体20の操作部に表示をする。送水ホース25は船舶設置消火栓26より供給された海水を放水装置へ送水するため、軽く自由に曲げ加工ができるものである。両端にワンタッチ継ぎ手用のニップルを設けホースの脱着を容易にし、ホース同士の連結もでき、場所、距離に合わせ設置できるように構成されている。
遠隔操作体20の操作部は屋内部14に設置され監視用カメラ2により撮影された映像を表示するモニター部15a、ジョイスティック21のノズル可変用スイッチ、モニター部15aの各種アラームモニターが設けられている。
また、この遠隔操作体20は縦型の操作塔形状で、船員は立って操作をし、操作塔には体の動きを固定できるグリップバーが設けてあり操作時の船舶の揺れに対応している。
前記放水装置制御部28は屋外部11に設置され、放水装置用駆動部22の動作制御を行う。この放水装置用駆動部22は放水ノズル8の上下左右の動作及び放水形態の変更を制御する。また、動作記憶システムが装備されており、遠隔操作体20の操作用ジョイスティック21で操作したパターンをある一定時間記憶することができ、遠隔操作体20の操作スイッチによりそのパターンの動作、停止の操作を行うことができる。外箱は耐塩材にて製作され防水処理も施されている。
まず、乗員は、目視により船外周辺の監視を行いそれにより海賊船等のターゲットを発見、確認した場合、まず、監視用カメラ2により、遠隔操作体20のモニター部15aに海賊船が映し出されるよう遠隔操作体20のジョイスティック21にて放水装置13の操作を行う。監視用カメラ2は昼夜兼用であるため、昼と夜では撮影映像色が異なる。また、監視用カメラ2は遠隔操作体20の操作スイッチでズーム操作も行える。遠隔操作体20のモニター部15aに映し出された映像を確認し海賊と判断した場合、防御体制をとるため遠隔操作体20にある放水制御用の電源を入れる。各アラーム表示がないことを確認後遠隔操作体20の操作部にある海水用バルブ23用のスイッチを入れ海水の放水をする。
まず、本発明の防御装置を本船(我船)に設置し、海賊船を想定した試験船に向けて、放水条件(催涙剤の有無、放水モード、放水距離等)を代えて放水し、防御効果を確認した。
催涙剤処方:カプサイシン10% エタノール51.5%、精製水38.5%
海水との混合率:海水95%、催涙剤5%
試験船の乗員の人体への影響・症状(クシャミ、目の痛み、喉の痛み、皮膚の痛み等)の持続時間が、洗顔、うがい等のない場合は30分であった。この結果、試験船に対して警告、接近阻止、登船阻止、甲板上撃退の防御効果があることを確認した。
催涙剤処方:カプサイシン10% エタノール51.5%、精製水38.5%
海水との混合率:海水90%、催涙剤10%
試験船の乗員の人体への影響・症状(クシャミ、目の痛み、喉の痛み、皮膚の痛み等)の持続時間が、洗顔、うがい等のない場合約60分であった。この結果、試験船に対して警告、接近阻止、登船阻止、甲板上撃退の防御効果があることを確認した。
8 放水ノズル
8a 接続部材
8b 送水管
10 船舶
11 屋外部
13 放水装置
14 屋内部
15a モニター部
20 遠隔操作体
21 ジョイスティック
22 放水装置用駆動部
23 海水用バルブ
23a 海水用バルブケーブル
24 ホース継手
25 送水ホース
26 船舶設置消火栓(海水供給栓)
27 放水装置駆動用ケーブル
28 放水装置制御部
29 放水装置制御ケーブル
30 電源配電盤
31 薬剤混合用バルブ
32 薬剤用バルブケーブル
33 薬剤用ホース
34 薬剤用容器
35 薬剤用ポンプ
36 薬剤用ポンプケーブル
37 遠隔操作用ケーブル
38 監視カメラケーブル
Claims (6)
- ターゲットを監視するための監視用カメラ(2)と、前記監視用カメラ(2)に接続され監視用カメラ(2)と同期動作する放水ノズル(8)と、前記放水ノズル(8)の動作を制御するための放水装置用駆動部(22)と、前記放水装置用駆動部(22)を制御するための放水装置制御部(28)と、前記放水ノズル(8)に海水用バルブ(23)を介して接続され前記船舶(10)に設けられた海水供給栓(26)と、前記海水用バルブ(23)に薬剤混合用バルブ(31)を介して接続され薬剤用ポンプ(35)を有する薬剤用容器(34)と、前記放水装置制御部(28)、薬剤混合用バルブ(31)、海水用バルブ(23)及び薬剤用ポンプ(35)に接続された電源配電盤(30)と、前記監視用カメラ(2)及び電源配電盤(30)に接続されモニター部(15a)及びジョイスティック(21)を有する遠隔操作体(20)と、を備え、
前記ジョイスティック(21)の操作によりモニター部(15a)に前記ターゲットが映し出されると、前記遠隔操作体(20)の電源オンにより、前記海水供給栓(26)からの海水が前記放水ノズル(8)から放水され、前記薬剤混合用バルブ(31)及び薬剤用ポンプ(35)の作動により前記薬剤用容器(34)内の薬剤が海水に混合されて放水されることを特徴とする海上における船舶の防御装置。 - 前記薬剤は、催涙剤よりなることを特徴とする請求項1記載の海上における船舶の防御装置。
- 前記放水ノズル(8)は、放水形状をジェットモードからスプレーモードまで無段階に可変可能であることを特徴とする請求項1又は2記載の海上における船舶の防御装置。
- ターゲットを監視するための監視用カメラ(2)と、前記監視用カメラ(2)に接続され監視用カメラ(2)と同期動作する放水ノズル(8)と、前記放水ノズル(8)の動作を制御するための放水装置用駆動部(22)と、前記放水装置用駆動部(22)を制御するための放水装置制御部(28)と、前記放水ノズル(8)に海水用バルブ(23)を介して接続され前記船舶(10)に設けられた海水供給栓(26)と、前記海水用バルブ(23)に薬剤混合用バルブ(31)を介して接続され薬剤用ポンプ(35)を有する薬剤用容器(34)と、前記放水装置制御部(28)、薬剤混合用バルブ(31)、海水用バルブ(23)及び薬剤用ポンプ(35)に接続された電源配電盤(30)と、前記監視用カメラ(2)及び電源配電盤(30)に接続されモニター部(15a)及びジョイスティック(21)を有する遠隔操作体(20)と、を用い、
前記ジョイスティック(21)の操作によりモニター部(15a)に前記ターゲットが映し出されると、前記遠隔操作体(20)の電源オンにより、前記海水供給栓(26)からの海水が前記放水ノズル(8)から放水され、前記薬剤混合用バルブ(31)及び薬剤用ポンプ(35)の作動により前記薬剤用容器(34)内の薬剤が海水に混合されて放水されることを特徴とする海上における船舶の防御方法。 - 前記薬剤は、催涙剤よりなることを特徴とする請求項4記載の海上における船舶の防御方法。
- 前記放水ノズル(8)は、放水形状をジェットモードからスプレーモードまで無段階に可変可能であることを特徴とする請求項4又は5記載の海上における船舶の防御方法。
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