JP2011182384A - 増幅器 - Google Patents

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Abstract

【課題】バッテリ電圧の瞬時減電が発生した場合においても、ポップノイズの発生を防止しつつ、音切れの発生時間を短縮する。
【解決手段】リップル制御回路5は、電源電圧Vbatが下がり電源電圧Vbatとリップル端子電圧Rippleとの電位差がヘッドルーム電圧Vhrに達した場合、電源電圧Vbatが一定のレベルを上回っている場合、リップル端子電圧Rippleが閾値Vth1に達するまで入力カップリング容量C1、ACカップリング容量C3およびリップル容量C2を放電させ、電源電圧Vbatが一定のレベル以下の場合、リップル端子電圧Rippleが閾値Vth2に達するまで入力カップリング容量C1、ACカップリング容量C3およびリップル容量C2を放電させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は増幅器に関し、特に、ヘッドルーム保護回路が設けられた増幅器に適用して好適なものである。
バッテリを電源としたカーオーディオ用のパワーアンプでは、入力信号の基準電位が直流バイアスされ、入力信号源と差動入力回路とは入力カップリング容量にて直流的に分離されている。
一方、カー用バッテリ電圧は、例えば、エンジン始動時に各種の計器が動作を始めるに当たり、負荷電流が多く流れ、定常時の12Vから瞬時に下降する瞬時減電圧の状態となる。この際、バッテリで駆動されるパワーアンプは、入力カップリング容量に過渡的に充放電電流が流れることにより、直流バイアスの揺れが発生し、直流バイアスの揺れが耳障りなポップノイズを発生させる。
このため、従来のパワーアンプでは、このようなポップノイズが発生しないようにするために、入力カップリング容量と同じタイミングで充放電されるACカップリング容量を差動入力回路の基準側入力と接地電位との間に接続することで、直流バイアスの揺れを相殺することが行われている(特許文献1)。
しかしながら、バッテリ電圧が瞬時減電圧の状態となり、差動入力回路の正常動作に必要な電圧(ヘッドルーム電圧)が確保できなくなると、パワーアンプの出力動作が不安定になる。このため、従来のパワーアンプでは、バッテリ電圧が瞬時減電圧の状態となると、パワーアンプが非動作状態にされることから、音切れが発生するという問題があった。
特に、近年のエコロジーの流れから、停車時にアイドリングストップ(エンジン停止)させるシステムが盛んになると、バッテリ電圧の瞬時減電が頻繁に発生することから、音切れも頻繁に発生するようになっていた。
特開平3−283804号公報
本発明の目的は、バッテリ電圧の瞬時減電が発生した場合においても、ポップノイズの発生を防止しつつ、音切れの発生時間を短縮することが可能な増幅器を提供することである。
本発明の一態様によれば、差動入力に対応した増幅回路と、前記増幅回路の電源電圧に基づいて前記増幅回路の基準電圧を生成するためのリップル端子電圧を低下させるリップル放電回路と、前記電源電圧と前記リップル端子電圧との電位差に基づいて、前記リップル放電回路による放電タイミングを制御するリップル制御回路とを備える。前記電源電圧が下がり、前記電源電圧と前記リップル端子電圧との電位差が一定の電位差を下回った場合において、前記電源電圧の低下した値が第1の閾値に対して一定の電位差分を上回る所定電圧以上の時は前記リップル端子電圧が前記第1の閾値に達するまで前記リップル端子電圧を低下させ、前記電源電圧の低下した値が前記所定電圧を下回る時は前記リップル端子電圧が前記第1の閾値よりも小さな第2の閾値に達するまで前記リップル端子電圧を低下させる。
本発明によれば、バッテリ電圧の瞬時減電が発生した場合においても、ポップノイズの発生を防止しつつ、音切れの発生時間を短縮することが可能となる。
図1は、第1実施形態に係る増幅器の概略構成を示すブロック図である。 図2は、差動入力回路のヘッドルーム電圧の定義を説明する図である。 図3は、図1のリップルフィルタ回路の概略構成を示す回路図である。 図4は、図1のリップル制御回路の概略構成を示す回路図である。 図5は、図1の急速放電回路の概略構成を示す回路図である。 図6は、第1実施形態に係るバッテリ電圧の瞬時減が発生した時のリップル制御回路の閾値と音切れ区間との関係を示す図である。 図7は、第1実施形態に係るバッテリ電圧の瞬時減が発生した時のリップル制御回路の閾値と音切れ区間との関係を示す図である。 図8は、第2実施形態に係る増幅器の概略構成を示すブロック図である。 図9は、信号源インピーダンスRgが増幅回路22に付加された状態を示す回路図である。 図10は、図9の増幅回路22においてミュート解除時のポップノイズの発生状況を示すタイミングチャートである。 図11は、図9の増幅回路22のミュート期間におけるリップル電圧の変化を従来例と比較して示すタイミングチャートである。 図12は、図8のコンパレータP12、P13の一例を示す回路図である。 図13は、図8のリップル放電回路26の一例を示す回路図である。 図14は、図8の急速放電回路28の一例を示す回路図である。 図15は、第1実施形態と第2実施形態とに係るバッテリ電圧の瞬時減が発生した時のリップル電圧と閾値との関係を示す図である。
以下、実施形態に係る増幅器について図面を参照しながら説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る増幅器の概略構成を示すブロック図である。
図1において、増幅器には、差動入力に対応した増幅回路2が設けられている。なお、増幅回路2、バイアス回路3、リップルフィルタ回路4、リップル制御回路5、リップル放電回路6および急速放電回路7、8は、半導体チップ1に形成することができる。
そして、増幅回路2の入力側には入力端子T1および接地端子T3が設けられ、増幅回路2の出力側には出力端子T5、T6が設けられている。なお、増幅回路2としては、差動入力に応じてプッシュプル出力を行うパワーアンプを用いることができる。そして、入力端子T1は、入力カップリング容量C1を介して入力信号源Dに接続され、接地端子T3は、ACカップリング容量C3を介して接地されている。また、出力端子T5、T6間にはスピーカ9が接続されている。入力端子T1と接地端子T3との間には、抵抗R1、R2の直列回路が接続され、リップルフィルタ回路4で生成された基準電圧Vrefが抵抗R1、R2の接続点に入力される。
また、この増幅器には、リップル容量C2、リップルフィルタ回路4、リップル制御回路5、リップル放電回路6および急速放電回路7、8が設けられている。ここで、リップル容量C2は、電源端子T4を介して供給される電源電圧Vbatに基づいて電荷を蓄積することができる。ここで、リップル容量C2には、リップル端子電圧Rippleを出力するリップル端子T2が設けられている。なお、電源電圧Vbatとしては、この増幅器がカーオーディオ用のパワーアンプとして用いられる場合、バッテリ電圧を用いることができる。また、リップル端子電圧Rippleは、電源電圧Vbatから生成される増幅器の基準となる電圧である。
リップルフィルタ回路4は、リップル容量C2のリップル端子電圧Rippleに基づいて基準電圧Vrefを発生することができる。リップル放電回路6は、リップル制御回路5から出力される制御信号SCに基づいてリップル容量C2に蓄積された電荷を放電させることができる。急速放電回路7は、リップル制御回路5から出力される制御信号SCに基づいて入力カップリング容量C1に蓄積された電荷を放電させることができる。急速放電回路8は、リップル制御回路5から出力される制御信号SCに基づいてACカップリング容量C3に蓄積された電荷を放電させることができる。
リップル制御回路5は、電源電圧Vbatとリップル端子電圧Rippleとの電位差に基づいて、リップル放電回路6および急速放電回路7、8による放電タイミングを制御することができる。
また、増幅器には、増幅回路2を動作させるバイアスを発生するバイアス回路3が設けられ、バイアス回路3には電流源3aが設けられている。ここで、バイアス回路3は、リップル端子電圧Rippleが閾値を上回ると、増幅回路2を動作させるバイアスを発生し、リップル端子電圧Rippleが閾値以下になると、増幅回路2を非動作にさせることができる。
図2は、差動入力回路のヘッドルーム電圧の定義を説明する図である。
図2において、増幅回路2には差動入力回路が設けられ、この差動入力回路には、バイポーラトランジスタM1、M2が設けられている。なお、バイポーラトランジスタM1のベースは増幅回路2の+入力として用いることができ、バイポーラトランジスタM2のベースは増幅回路2の−入力として用いることができる。すなわち、バイポーラトランジスタM1のベースは入力端子T1に接続され、バイポーラトランジスタM2のベースは接地端子T3に接続されている。そして、バイポーラトランジスタM1のエミッタは、抵抗R11を介して電流源3aに接続され、バイポーラトランジスタM2のエミッタは、抵抗R12を介して電流源3aに接続されている。
そして、電流源3aには電源電圧Vbatが供給され、電流源3aにて発生された電流が、抵抗R11、R12をそれぞれ介してバイポーラトランジスタM1、M2に供給される。ここで、増幅回路2にはヘッドルーム電圧Vhrがあり、電源電圧Vbatが瞬時に下降する瞬時減電圧の状態になると、ヘッドルーム電圧Vhrを確保できなくなり、増幅回路2の出力動作が不安定になる。なお、カー用バッテリの電圧は、例えば、エンジン始動時に種々の計器が動作を始めるに当たり、負荷電流が多く流れ、定常時の12Vから瞬時減電圧の状態になることが知られている。
そして、リップル容量C2は、電源電圧Vbatに基づいて充放電され、リップル容量C2に蓄積された電荷に基づいてリップル端子電圧Rippleが生成される。そして、リップルフィルタ回路4において、リップル端子電圧Rippleから基準電圧Vrefが生成され、抵抗R1、R2の接続点および急速放電回路7、8に供給される。
また、入力カップリング容量C1は、入力端子T1にかかる直流バイアスに応じて充放電され、ACカップリング容量C3が入力カップリング容量C1と同じタイミングで充放電されることで、直流バイアスの揺れが相殺される。
また、リップル制御回路5において、電源電圧Vbatおよびリップル端子電圧Rippleが監視される。そして、電源電圧Vbatが下がり電源電圧Vbatとリップル端子電圧Rippleとの電位差が所定値(ヘッドルーム電圧Vhr)に達した場合、制御信号SCがリップル放電回路6および急速放電回路7、8に出力され、入力カップリング容量C1、ACカップリング容量C3およびリップル容量C2が放電される。なお、この所定値としては、増幅回路2のヘッドルーム電圧Vhrに設定することができる。
ここで、リップル制御回路5は、電源電圧Vbatが一定のレベルVth3を上回る場合、リップル端子電圧Rippleが閾値Vth1に達するまで入力カップリング容量C1、ACカップリング容量C3およびリップル容量C2を放電させることができる。また、リップル制御回路5は、電源電圧Vbatが一定のレベルVth3以下の場合、リップル端子電圧Rippleが閾値Vth2に達するまで入力カップリング容量C1、ACカップリング容量C3およびリップル容量C2を放電させることができる。
なお、閾値Vth2は、閾値Vth1より小さな値に設定することができる。また、閾値Vth1は、増幅回路2を動作させることが可能な点、閾値Vth2は、増幅回路2を非動作にさせる点に設定することができる。一定のレベルVth3は、増幅回路2が動作できる電源電圧Vbatの最低値に設定することができる。このレベルVth3は、Vth3≧Vth1+Vhrという条件を満たす必要がある。
ここで、電源電圧Vbatが下がり電源電圧Vbatとリップル端子電圧Rippleとの電位差が所定値(ヘッドルーム電圧Vhr)以下に達した場合、電源電圧Vbatが瞬時減電圧の状態にあると判断することができる。そして、電源電圧Vbatが瞬時減電圧の状態にある場合、入力カップリング容量C1、ACカップリング容量C3およびリップル容量C2を放電させることで、増幅回路2の動作点を下げることが可能となるとともに、増幅回路2の入力の直流バイアスを下げることができる。
電源電圧Vbatが下がり電源電圧Vbatとリップル端子電圧Rippleとの電位差が所定値(ヘッドルーム電圧Vhr)以下に達した場合において、電源電圧Vbatの低下した値が一定のレベルVht3を下回らない時は、リップル端子電圧Rippleが閾値Vth1に達するまで入力カップリング容量C1、ACカップリング容量C3およびリップル容量C2を放電させることで、増幅回路2を動作させることが可能な状態に維持しつつ、増幅回路2のヘッドルーム電圧Vhrを確保することができる。
一方、電源電圧Vbatが下がり電源電圧Vbatとリップル端子電圧Rippleとの電位差が所定値(ヘッドルーム電圧Vhr)以下に達した場合において、電源電圧Vbatの低下した値が一定のレベルVht3を下回る時は、リップル端子電圧Rippleが閾値Vth2に達するまで入力カップリング容量C1、ACカップリング容量C3およびリップル容量C2を放電させることで、増幅回路2を非動作の状態とすることができる。
図3は、図1のリップルフィルタ回路の概略構成を示す回路図である。
図3において、リップルフィルタ回路4には、バッファB1および抵抗R21、R22が設けられている。ここで、抵抗R21、R22は互いに直列接続され、抵抗R21、R22の接続点は、リップル端子T2およびバッファB1の入力端子に接続されている。そして、電源電圧Vbatは抵抗R21、R22にて分圧され、その分圧された電圧がリップル端子T2に供給されることで、リップル容量C2に電荷が蓄積される。そして、リップル容量C2のリップル端子電圧RippleがバッファB1に入力されることで、基準電圧VrefがバッファB1から出力される。
図4は、図1のリップル制御回路の概略構成を示す回路図である。
図4において、リップル制御回路5には、コンパレータP1〜P4、論理和回路N1、論理積回路N2およびフリップフロップFが設けられている。ここで、コンパレータP1は、リップル端子電圧Rippleを電源電圧Vbatからヘッドルーム電圧Vhrを引いた値と比較し、その比較結果をフリップフロップFのセット端子Sに出力する。コンパレータP2は、リップル端子電圧Rippleを閾値Vth2と比較し、その比較結果を論理和回路N1の一方の入力端子に出力する。コンパレータP3は、リップル端子電圧Rippleを閾値Vth1と比較し、その比較結果を論理積回路N2の一方の入力端子に出力する。コンパレータP4は、一定のレベルVth3を電源電圧Vbatと比較し、その比較結果を論理積回路N2の一他方の入力端子に出力する。論理積回路N2の出力端子は、論理和回路N1の他方の入力端子に接続され、論理和回路N1の出力端子は、フリップフロップFのリセット端子Rに接続されている。
そして、電源電圧Vbatが下がり電源電圧Vbatとリップル端子電圧Rippleとの電位差がヘッドルーム電圧Vhrに達した場合、フリップフロップFがセットされ、制御信号SCがハイレベルに移行することで、入力カップリング容量C1、ACカップリング容量C3およびリップル容量C2が放電される。
一方、リップル端子電圧Rippleが下がり閾値Vth2に達した場合、制御信号SCがロウレベルに移行することで、入力カップリング容量C1、ACカップリング容量C3およびリップル容量C2の放電が停止される。
また、リップル端子電圧Rippleが下がり閾値Vth1に達し、かつ電源電圧Vbatが一定のレベルVth3を下回らない場合、制御信号SCがロウレベルに移行することで、入力カップリング容量C1、ACカップリング容量C3およびリップル容量C2の放電が停止される。
図5は、図1の急速放電回路の概略構成を示す回路図である。
図5において、急速放電回路7には、コンパレータP5、電界効果トランジスタM4、M5、バイポーラトランジスタM3、基準電圧源11、参照電圧源12および抵抗R31、R32が設けられている。ここで、基準電圧源11は基準電圧Vrefを発生することができ、この基準電圧Vrefはリップルフィルタ回路4の出力を用いるようにしてもよい。参照電圧源12は参照電圧Vaを発生することができる。なお、参照電圧Vaの値は、基準電圧Vrefの値よりも小さくすることができる。
コンパレータP5の一方の入力端子は入力端子T1に接続され、コンパレータP5の他方の入力端子は基準電圧源11に接続されている。また、コンパレータP5の出力端子は抵抗R31を介して電界効果トランジスタM5のゲートに接続され、電界効果トランジスタM5のドレインは入力端子T1に接続されている。また、バイポーラトランジスタM3のコレクタは、抵抗R32を介して参照電圧源12に接続されるとともに、電界効果トランジスタM4のゲートに接続され、電界効果トランジスタM4のドレインは電界効果トランジスタM5のゲートに接続されている。なお、急速放電回路8も急速放電回路7と同様に構成することができる。
そして、入力信号源Dの信号は、入力カップリング容量C1を介して入力端子T1に供給される。そして、入力端子T1に供給された入力端子電圧INはコンパレータP5にて基準電圧Vrefと比較され、その比較結果が抵抗R31を介して電界効果トランジスタM5のゲートに入力される。
一方、図4のリップル制御回路5にて生成された制御信号SCがロウレベルの場合、バイポーラトランジスタM3がオフし、電界効果トランジスタM4のゲート電位はハイレベルに維持される。このため、電界効果トランジスタM4がオンし、電界効果トランジスタM5のゲート電位はロウレベルに維持される。この結果、電界効果トランジスタM5はオフし、入力端子T1が接地点と切断されることから、コンパレータP5の出力に関係なく、入力カップリング容量C1の放電が防止される。
一方、図4のリップル制御回路5にて生成された制御信号SCがハイレベルの場合、バイポーラトランジスタM3がオンし、電界効果トランジスタM4のゲート電位はロウレベルに維持される。このため、電界効果トランジスタM4がオフし、電界効果トランジスタM5のゲート電位はコンパレータP5の出力に応じて変化する。そして、入力端子電圧INが基準電圧Vrefを上回ると、コンパレータP5の出力がハイレベルに移行し、電界効果トランジスタM5がオンする。この結果、入力カップリング容量C1が放電され、入力端子電圧INが基準電圧Vrefに追従するように、入力カップリング容量C1に蓄積された電荷量が制御される。
ここで、基準電圧Vrefは、増幅回路2の入力端子間の中点電位を使用するため、電源電圧Vbatの瞬時減に応じて電位が下がる。このため、電源電圧Vbatの瞬時減に応じて増幅回路2の信号振幅の動作点を下げることができ、音切れ時間を短くすることができる。
図6および図7は、第1実施形態に係るバッテリ電圧の瞬時減が発生した時のリップル制御回路の閾値と音切れ区間との関係を示す図である。なお、図6は、リップル端子電圧Rippleが、閾値Vth1に達するまで放電される時の波形の一例を示す。図7は、リップル端子電圧Rippleが、閾値Vth2に達するまで放電される時の波形の一例を示す。また、図6(a)および図7(a)は、図1の出力端子T5の出力波形を示す。図6(b)および図7(b)は、図1の出力端子T5、T6間の出力波形(BTL出力)を示す。
なお、図6および図7の例では、電源電圧Vbatが瞬時減電圧の状態になった時に内部ミュートがかかるものとした。
従来の方法では、電源電圧Vbatが下がり電源電圧Vbatとリップル端子電圧Rippleとの電位差がヘッドルーム電圧Vhr以下に達した場合、入力カップリング容量C1およびACカップリング容量C3の放電を行うことなく、リップル容量C2のみの放電が行われる。このため、増幅回路2の信号振幅の動作点がそのまま維持され、増幅回路2の動作が不安定になることから、増幅回路2が非動作となるような閾値Vth2までリップル容量C2を放電している。よって、電源電圧Vbatが回復した場合においても、リップル端子電圧Rippleが規定値以上に回復するのに時間がかかり、音切れ時間T0が長くなる。
一方、図1の構成では、図6に示されるように、電源電圧Vbatが下がり電源電圧Vbatとリップル端子電圧Rippleとの電位差がヘッドルーム電圧Vhr以下に達した場合、リップル容量C2が放電されるだけでなく、入力カップリング容量C1およびACカップリング容量C3も放電される。このため、電源電圧Vbatの瞬時減に応じて増幅回路2の信号振幅の動作点が下がる。この結果、電源電圧Vbatが瞬時減電圧の状態になった場合においても、電源電圧Vbatが一定のレベルVth3を下回らない時には、増幅回路2を動作可能な閾値Vth1までリップル容量C2を放電することで、増幅回路2から正常に音を発生させることができるようになる。従来の方法のように増幅回路2が非動作となるような閾値Vth2までリップル容量C2を放電しないので、音切れ時間T1を短くすることができる。
また、図7に示すように、電源電圧Vbatが瞬時減電圧の状態になった場合において、電源電圧Vbatが一定のレベルVth3を下回る時には、電源電圧Vbatの瞬時減に応じて増幅回路2の信号振幅の動作点を下げた場合においても増幅回路2の動作が不安定になるので、増幅回路2が非動作となるような閾値Vth2までリップル容量C2を放電することで、増幅回路2を非動作の状態にすることができる。
(第2実施形態)
図8は、第1実施形態に係る増幅器の変形例である第2実施形態に係る増幅器の概略構成を示すブロック図、図9は、信号源インピーダンスRgが増幅回路22に付加された状態を示す回路図である。
図8および図9において、増幅器には、差動入力に対応した増幅回路22が設けられている。そして、増幅回路22の入力側には入力端子T11および接地端子T13が設けられ、増幅回路2の出力側には出力端子T15、T16が設けられている。そして、入力端子T11は、入力カップリング容量C11を介して信号源インピーダンスRgに接続され、接地端子T13は、ACカップリング容量C13を介して接地されている。また、出力端子T15、T16間にはスピーカ29が接続されている。入力端子T11と接地端子T13との間には、抵抗R51、R52の直列回路が接続され、リップルフィルタ回路35で生成された基準電圧Vrefが抵抗R51、R52の接続点に入力される。
また、この増幅器には、リップル容量C2、減電圧検出部23、ミュート回路24、リップルフィルタ回路35、リップル制御回路25、リップル放電回路26および急速放電回路27、28が設けられている。
ここで、リップル容量C12は、電源端子T14を介して供給される電源電圧Vbatに基づいて電荷を蓄積することができる。ここで、リップル容量C12には、リップル端子電圧Rippleを出力するリップル端子T12が設けられている。
減電圧検出部23は減電圧を検出し、その検出結果をミュート回路24およびリップル制御回路25に通知することができる。ミュート回路24は、減電圧検出部23による減電圧の検出結果に基づいて、増幅器をミュートさせることができる。また、ミュート回路24は、リップル放電回路26による放電時に増幅器をミュートさせることができる。
リップルフィルタ回路35は、リップル容量C2のリップル端子電圧Rippleに基づいて基準電圧Vrefを発生することができる。リップル放電回路26は、放電速度を高速から低速に途中で変化させつつ、リップル容量C12に蓄積された電荷を放電させることができる。ここで、リップル放電回路26には、SCR回路34、電界効果トランジスタM11、スイッチSW1および抵抗R53が設けられている。そして、SCR回路34の放電端子はリップル端子T12に接続され、SCR回路34の出力端子は抵抗R53を介して電界効果トランジスタM11のゲートに接続されている。電界効果トランジスタM11のドレインはリップル端子T12に接続され、電界効果トランジスタM11のゲートとソースとの間にはスイッチSW1が接続されている。SCR回路34から出力された制御信号SEは、ミュート回路24および急速放電回路27、28に入力されている。
急速放電回路27は、リップル放電回路26から出力される制御信号SEに基づいて入力カップリング容量C11に蓄積された電荷を放電させることができる。ここで、急速放電回路27には、コンパレータP14および電界効果トランジスタM12が設けられている。そして、コンパレータP14の反転入力端子には基準電圧Vrefが入力され、コンパレータP14の非反転入力端子は電界効果トランジスタM12のドレインおよび入力端子T11に接続され、コンパレータP14の出力端子は電界効果トランジスタM12のゲートに接続されている。
急速放電回路28は、リップル放電回路26から出力される制御信号SEに基づいてACカップリング容量C13に蓄積された電荷を放電させることができる。ここで、急速放電回路28には、コンパレータP15および電界効果トランジスタM13が設けられている。そして、コンパレータP15の反転入力端子には基準電圧Vrefが入力され、コンパレータP15の非反転入力端子は電界効果トランジスタM13のドレインおよび接地端子T13に接続され、コンパレータP15の出力端子は電界効果トランジスタM13のゲートに接続されている。
リップル制御回路25は、電源電圧Vbatとリップル端子電圧Rippleとの電位差に基づいて、リップル放電回路26による放電タイミングを制御することができる。また、リップル制御回路25は、リップル端子電圧Rippleの監視結果に基づいて、リップル放電回路26の放電速度を高速から低速に途中で切り替えることができる。
ここで、リップル制御回路25にはコンパレータP11〜P13が設けられている。コンパレータP11の反転入力端子は参照電圧源31を介して電源端子T14に接続され、コンパレータP11の非反転入力端子はリップル端子T12に接続されている。コンパレータP12の反転入力端子はリップル端子T12に接続され、コンパレータP12の非反転入力端子は参照電圧源32、33を順次介して接地されている。コンパレータP13の反転入力端子はリップル端子T12に接続され、コンパレータP13の非反転入力端子は参照電圧源33を介して接地されている。
なお、参照電圧源31の参照電圧は増幅回路22のヘッドルーム電圧Vhr、参照電圧源32の参照電圧はΔV、参照電圧源33の参照電圧はVth1に設定することができる。
また、増幅器には、増幅回路22を動作させるバイアスを発生するバイアス回路36が設けられ、バイアス回路36には電流源36aが設けられている。
そして、リップルフィルタ回路35において、電源電圧Vbatが分圧され、その分圧電圧がリップル端子T2に供給されることでリップル容量C12が充放電される。そして、リップル容量C12に蓄積された電荷に基づいてリップル端子電圧Rippleが生成される。そして、リップルフィルタ回路35において、リップル端子電圧Rippleから基準電圧Vrefが生成され、抵抗R51、R52の接続点およびコンパレータP14、P15の反転入力端子に出力される。
また、入力カップリング容量C11は、入力端子T11にかかる直流バイアスに応じて充放電され、ACカップリング容量C13が入力カップリング容量C11と同じタイミングで充放電されることで、直流バイアスの揺れが相殺される。
また、コンパレータP11において、電源電圧Vbatからヘッドルーム電圧Vhrを引いた値がリップル端子電圧Rippleと比較される。そして、電源電圧Vbatが下がり電源電圧Vbatとリップル端子電圧Rippleとの電位差がヘッドルーム電圧Vhrに達した場合、SCR回路34がセットされ、SCR回路34を介してリップル容量C12が放電される。
また、電源電圧Vbatが下がり電源電圧Vbatとリップル端子電圧Rippleとの電位差がヘッドルーム電圧Vhrに達した場合、SCR回路34を介して電界効果トランジスタM11がオンされ、電界効果トランジスタM11を介してリップル容量C12が放電されることで、リップル容量C12の放電が加速される。
また、電源電圧Vbatが下がり電源電圧Vbatとリップル端子電圧Rippleとの電位差がヘッドルーム電圧Vhrに達した場合、SCR回路34から制御信号SEがミュート回路24および急速放電回路27、28に出力される。そして、制御信号SEがミュート回路24に出力されると、ミュート回路24が動作し、増幅器にミュートがかけられる。
また、制御信号SEがミュート回路24に出力されると、コンパレータP14、P15が動作する。そして、コンパレータP14において、基準電圧Vrefと入力端子電圧INが比較され、入力端子電圧INが基準電圧Vrefより大きい場合は、電界効果トランジスタM12がオンされ、入力端子電圧INがリップル端子電圧Rippleの低下に追従するように、入力カップリング容量C11が放電される。
また、コンパレータP15において、基準電圧Vrefと接地端子電圧AC_Gndが比較され、接地端子電圧AC_Gndが基準電圧Vrefより大きい場合は、電界効果トランジスタM13がオンされ、接地端子電圧AC_Gndがリップル端子電圧Rippleの低下に追従するように、ACカップリング容量C13が放電される。
また、コンパレータP12において、リップル端子電圧RippleがVth1+ΔVと比較される。そして、リップル端子電圧Rippleが下がりVth1+ΔVに達した場合、スイッチSW1がオンされることで、電界効果トランジスタM11がオフされ、電界効果トランジスタM11を介したリップル容量C12の放電が停止されることで、リップル容量C12の放電速度が高速から加速に切り替えられる。
また、コンパレータP13において、リップル端子電圧RippleがVth1と比較される。そして、リップル端子電圧Rippleが下がりVth1に達した場合、SCR回路34がリセットされることで、リップル容量C12の放電が停止される。SCR回路34がリセットされると、ミュート回路24の動作が停止され、増幅器のミュートが解除される。また、SCR回路34がリセットされると、コンパレータP14、P15の動作が停止され、入力カップリング容量C11およびACカップリング容量C13の放電が停止される。
ここで、リップル容量C12の放電速度を高速から加速に切り替えることで、増幅器のミュートが解除された直後に入力端子電圧INが接地端子電圧AC_Gndから信号源インピーダンスRgによる電圧分だけ持ち上がっていた場合においても、ポップノイズを低減させることができる。
図10は、図9の増幅回路22においてミュート解除時のポップノイズの発生状況を示すタイミングチャートである。
図10において、電源電圧Vbatが低下した時、音声を可能な限り出力し続けるためにはヘッドルーム電圧Vhrを確保する必要がある。このため、リップル放電回路26および急速放電回路27、28を起動し、リップル端子電圧Ripple、入力端子電圧INおよび接地端子電圧AC_Gndを低下させ、ヘッドルーム電圧Vhrを確保する。
ここで、リップル端子T12にはリップル容量C12、接地端子T13にはACカップリング容量C13が接続されているのに対し、入力端子T11には入力カップリング容量C11および信号源インピーダンスRgが接続されている。
そして、電源電圧Vbatが低下した時、入力端子電圧INおよび接地端子電圧AC_Gndはリップル端子電圧Rippleに追従するように低下する。この時、入力端子T11に接続された信号源インピーダンスRgには放電電流が流れるため、電圧降下VRgが発生している。
リップル端子電圧Rippleがある値まで低下するとミュートが解除されるが、この時に入力端子T11および接地端子T13はリップル端子T12から切り離された状態となる。そのため、ミュートを解除した直後に入力端子電圧INは接地端子電圧AC_Gndから信号源インピーダンスRgに生じていた電圧降下VRg分だけ持ち上がる。すなわち、増幅回路22の入力端子間にオフセットが生じていることとなり、このオフセット分が増幅されることで、大きなポップノイズが発生する。
図11は、図9の増幅回路12のミュート期間におけるリップル電圧の変化を従来例と比較して示すタイミングチャートである。
図11において、リップル端子電圧Rippleが下がりVth1+ΔVに達するまでは電界効果トランジスタM11をオンし、リップル端子電圧RippleがVth1+ΔVに達した後にVth1に達するまでは電界効果トランジスタM11をオフすることにより、ミュートの開始点から途中点までの期間t1では、リップル容量C12を高速に放電させ、ミュートの途中点から解除点までの期間t2では、リップル容量C12を低速に放電させることができる。
これにより、電源電圧Vbatの低下に追従させつつリップル端子電圧Rippleを低下させることができ、ヘッドルーム電圧Vhrを確保することが可能となるとともに、入力端子電圧INが0Vの状態でミュートを解除することが可能になる。このため、音切れ時間を短縮しつつ、ポップノイズを低減することができ、違和感を抑制しつつ音声出力OUTを再開することができる。
これに対して、期間t1+t2に渡って一定の傾きでリップル端子電圧Ripple´を低下させると、ミュートが解除される直前のリップル端子電圧Ripple´の傾きが大きくなり、この時の音声出力OUT´に大きなポップノイズが発生する。
一方、リップル端子電圧Ripple´の傾きを一定にしたままミュートが解除される直前のリップル端子電圧Ripple´の傾きを小さくすると、期間t1+t3に渡ってミュートがかかり、音声出力OUT´´が再開されるまでに時間がかかるようになることから、音切れ時間が長くなる。
図12は、図8のコンパレータP12、P13の一例を示す回路図である。
図12において、コンパレータP12、P13には、バイポーラトランジスタM21〜M24および抵抗R61〜R67が設けられている。ここで、バイアス電位Vbiasは抵抗R67を介して参照電圧源61の正極側に接続されている。
バイポーラトランジスタM21のコレクタは抵抗R63、R65を順次介して接地されている。バイポーラトランジスタM21のエミッタは抵抗R61を介して参照電圧源61の正極側に接続されている。バイポーラトランジスタM22のコレクタは抵抗R64、R66を順次介して接地されている。バイポーラトランジスタM22のエミッタは抵抗R62を介して参照電圧源61の正極側に接続されている。なお、抵抗R61、R62の値を調整することにより、図8のVth1およびΔVを設定することができる。
抵抗R63、R65の接続点はバイポーラトランジスタM23のベースに接続されている。抵抗R64、R66の接続点はバイポーラトランジスタM24のベースに接続されている。バイポーラトランジスタM23、M24のエミッタは接地されている。バイポーラトランジスタM23、M24のベースにはリップル端子電圧Rippleが入力される。
そして、リップル端子電圧Rippleが低下すると、バイポーラトランジスタM21がオンし、抵抗R63、R65に電流が流れ、抵抗R65に電圧降下が発生する。そして、抵抗R65の電圧降下が所定値を超えて下回ると、バイポーラトランジスタM23がオンし、出力Out12が下がる。
また、リップル端子電圧Rippleがさらに低下すると、バイポーラトランジスタM22がオンし、抵抗R64、R66に電流が流れ、抵抗R66に電圧降下が発生する。そして、抵抗R66の電圧降下が所定値を超えて下回ると、バイポーラトランジスタM24がオンし、出力Out11が下がる。
図13は、図8のリップル放電回路26の一例を示す回路図である。
図13において、リップル放電回路26には、低速放電回路26aおよび放電加速回路26bが設けられている。低速放電回路26aは、リップル容量C12に蓄積された電荷を低速で放電させることができる。放電加速回路26bは、リップル容量C12に蓄積された電荷の放電を加速させることができる。
ここで、低速放電回路26aには、バイポーラトランジスタM31〜M33および抵抗R72、R73が設けられている。放電加速回路26bには、電界効果トランジスタM41、M42が設けられている。
バイポーラトランジスタM33のエミッタはリップル端子T12に接続されている。バイポーラトランジスタM33のコレクタは抵抗R72、R73を順次介して接地されている。バイポーラトランジスタM31のコレクタおよびバイポーラトランジスタM33のベースには、抵抗R71および参照電圧源71を順次介して電源電圧Vbatが供給される。なお、参照電圧源71の電圧はヘッドルーム電圧Vhrに設定することができる。バイポーラトランジスタM31、M32のベースは、抵抗R72、R73の接続点に接続されている。バイポーラトランジスタM32のコレクタはリップル端子T12に接続されている。バイポーラトランジスタM32のエミッタは接地されている。
また、バイポーラトランジスタM31、M32のベースは、インバータ73を介してバイポーラトランジスタM34のベースに接続されている。電界効果トランジスタM41、M42のゲートは、電界効果トランジスタM41のドレインに接続され、電界効果トランジスタM41のドレインには電流源72を介してバイアス電圧Vbiasが供給される。電界効果トランジスタM42のドレインはリップル端子T12に接続されている。
また、電界効果トランジスタM41、M42のゲートは、バイポーラトランジスタM34を介して接地され、バイポーラトランジスタM34にはツェナーダイオードZ1が並列に接続されている。なお、電界効果トランジスタM41、M42はカレントミラーを構成し、電界効果トランジスタM41は電界効果トランジスタM42に比べて駆動力をN(Nは1より大きな実数)倍に設定することができる。
そして、コンパレータP13の出力Out11がバイポーラトランジスタM31、M32のベースに入力され、コンパレータP12の出力Out12が電界効果トランジスタM41、M42のゲートに入力される。
そして、各コンパレータP12、P13の出力Out12、Out11がハイレベルの状態で、電源電圧Vbatが下がり電源電圧Vbatとリップル端子電圧Rippleとの電位差がヘッドルーム電圧Vhrに達した場合、バイポーラトランジスタM31〜M33および電界効果トランジスタM41、M42がオンする。また、コンパレータP12の出力Out12はインバータ73にて反転され、バイポーラトランジスタM34がオフする。このため、リップル容量C12は低速放電回路26aおよび放電加速回路26bにて放電され、放電が高速に行われる。
次に、コンパレータP12の出力Out12がロウレベルになると、電界効果トランジスタM41、M42がオフし、放電加速回路26bによる放電が停止される。このため、低速放電回路26aのみでリップル容量C12が放電され、放電が低速に切り替えられる。
さらに、コンパレータP13の出力Out11がロウレベルになると、バイポーラトランジスタM31、M32がオフし、低速放電回路26aによる放電が停止される。
図14は、図8の急速放電回路28の一例を示す回路図である。なお、図14では、急速放電回路28の回路図を例にとるが、急速放電回路27についても同様に構成することができる。
図14において、急速放電回路28には、バイポーラトランジスタM51〜M56、抵抗R81〜R85および電流源81が設けられている。バイポーラトランジスタM51のソースには電流源81を介して電源電圧Vbatが供給される。バイポーラトランジスタM52のエミッタはバイポーラトランジスタM51のエミッタに接続されている。
バイポーラトランジスタM51のコレクタはバイポーラトランジスタM53のコレクタに接続されている。バイポーラトランジスタM52のコレクタはバイポーラトランジスタM54のコレクタに接続されている。バイポーラトランジスタM53、M54のエミッタは接地されている。
バイポーラトランジスタM51のベースにはリップル端子電圧Rippleが入力される。バイポーラトランジスタM52のベースには抵抗R81を介して接地端子電圧AC_Gndが入力される。バイポーラトランジスタM53、M54のベースはバイポーラトランジスタM54のコレクタに接続されている。
バイポーラトランジスタM55のコレクタには抵抗R84を介して接地端子電圧AC_Gnd´が入力される。なお、接地端子電圧AC_Gnd´は、接地端子電圧AC_Gndと別系統の同電位の電圧に設定することができる。
バイポーラトランジスタM55のベースはバイポーラトランジスタM53のコレクタおよびバイポーラトランジスタM55のエミッタに接続されている。バイポーラトランジスタM55のエミッタは、抵抗R83を介して接地されるとともに、バイポーラトランジスタM56のベースに接続されている。バイポーラトランジスタM56のコレクタには抵抗R85を介して接地端子電圧AC_Gnd´が入力される。バイポーラトランジスタM56のエミッタは接地されている。
そして、電流源81に制御信号SEが入力されると、電流源81を介してバイポーラトランジスタM51、M52に電流が供給される。そして、リップル端子電圧Rippleが接地端子電圧AC_Gndよりも低くなると、バイポーラトランジスタM51に流れる電流が減少し、抵抗R82、R83による電圧効果が減少する。このため、バイポーラトランジスタM55、M56のベース電位が低下し、バイポーラトランジスタM55、M56に流れる電流が減少することから、抵抗R84、R85による電圧効果が減少する。このため、接地端子電圧AC_Gnd´、AC_Gndが低下し、ACカップリング容量C13が放電されるとともに、バイポーラトランジスタM51に流れる電流が減少する。
図15は、第1実施形態と第2実施形態とに係るバッテリ電圧の瞬時減が発生した時のリップル電圧と閾値との関係を示す図である。
図15において、電源電圧Vbatの瞬時減が発生した時に電源電圧Vbatが一定のレベルVth3を下回らない場合(J)、図1の第1実施形態の構成では、一定の傾きでリップル容量C2が閾値Vth1まで放電される(L2)。
一方、電源電圧Vbatの瞬時減が発生した時に電源電圧Vbatが一定のレベルVth3を下回らない場合(J)、図8の第2実施形態の構成では、急な傾きから緩やかな傾きに途中で変化しながらリップル容量C12が閾値Vth1まで放電される(L1)。
また、電源電圧Vbatの瞬時減が発生した時に電源電圧Vbatが一定のレベルVth3を下回る場合(K)、図1の第1実施形態の構成では、一定の傾きでリップル容量C2が閾値Vth1から閾値Vth2までさらに放電される(L4)。
一方、電源電圧Vbatの瞬時減が発生した時に電源電圧Vbatが一定のレベルVth3を下回る場合(K)、図8の第2実施形態の構成では、再び緩やかな傾きから急な傾きでリップル容量C12が閾値Vth1から閾値Vth2までさらに放電される(L3)。
なお、リップル容量C12を閾値Vth2までさらに放電させるための構成としては、一定のレベルVth3と電源電圧Vbatとを比較するコンパレータを図8の構成に追加することができる。そして、電源電圧Vbatが一定のレベルVth3を下回る場合、図8のリップル放電回路26を動作させることで、リップル容量C12を高速放電させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 半導体チップ、T1、T11 入力端子、T2、T12 リップル端子、T3、T13 接地端子、T4、T14 電源端子、T5、T6、T15、T16 出力端子、2、22 増幅回路、3、36 バイアス回路、3a、36a、72、81 電流源、4、35 リップルフィルタ回路、5、25 リップル制御回路、6、26 リップル放電回路、26a 低速放電回路、26b 放電加速回路、7、8、27、28 急速放電回路、9、29 スピーカ、D 入力信号源、C1、C11 入力カップリング容量、C2、C12 リップル容量、C3、C13 ACカップリング容量、R1、R2、R11、R12、R21、R22、R31、R32、R51〜R53、R61〜R67、R71〜R73、R81〜R85 抵抗、M1、M2、M3、M21〜M24、M31〜M34、M51〜M56 バイポーラトランジスタ、M11〜M13、M41、M42 電界効果トランジスタ、B1 バッファ、P1〜P5、P11〜P15 コンパレータ、N1 論理和回路、N2 論理積回路、F フリップフロップ、M4、M5 電界効果トランジスタ、11 基準電圧源、12、31〜33、61、71 参照電圧源、23 減電圧検出部、24 ミュート回路、SW1 スイッチ、34 SCR回路、Rg 信号源インピーダンス、73 インバータ、Z1 ツェナーダイオード

Claims (15)

  1. 差動入力に対応した増幅回路と、
    前記増幅回路の電源電圧に基づいて前記増幅回路の基準電圧を生成するためのリップル端子電圧を低下させるリップル放電回路と、
    前記電源電圧と前記リップル端子電圧との電位差に基づいて、前記リップル放電回路による放電タイミングを制御するリップル制御回路とを備え、
    前記電源電圧が下がり、前記電源電圧と前記リップル端子電圧との電位差が一定の電位差を下回った場合において、前記電源電圧の低下した値が第1の閾値に対して一定の電位差分を上回る所定電圧以上の時は前記リップル端子電圧が前記第1の閾値に達するまで前記リップル端子電圧を低下させ、前記電源電圧の低下した値が前記所定電圧を下回る時は前記リップル端子電圧が前記第1の閾値よりも小さな第2の閾値に達するまで前記リップル端子電圧を低下させることを特徴とする増幅器。
  2. 前記増幅回路の第1の入力端子電圧を低下させる第1の急速放電回路と、
    前記増幅回路の第2の入力端子電圧を低下させる第2の急速放電回路とを備え、
    前記リップル制御回路は、前記電源電圧と前記リップル端子電圧との電位差に基づいて、前記リップル放電回路、前記第1の急速放電回路および前記第2の急速放電回路による放電タイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の増幅器。
  3. 前記電源電圧が下がり、前記電源電圧と前記リップル端子電圧との電位差が一定の電位差を下回った場合において、前記リップル端子電圧、前記増幅回路の第1の入力端子電圧および第2の入力端子電圧を低下させることで、前記増幅回路の入力の直流バイアスを下げるとともに、前記増幅回路の信号振幅の動作点を下げることを特徴とする請求項2に記載の増幅器。
  4. 前記一定の電位差は、前記増幅回路のヘッドルーム電圧であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の増幅器。
  5. 前記第1の閾値は、前記増幅回路を動作させることが可能な点、前記第2の閾値は、前記増幅回路を非動作にさせる点であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の増幅器。
  6. 前記リップル制御回路は、
    前記リップル端子電圧を前記電源電圧からヘッドルーム電圧を引いた値と比較する第1のコンパレータと、
    前記リップル端子電圧を前記第2の閾値と比較する第2のコンパレータと、
    前記リップル端子電を前記第1の閾値と比較する第3のコンパレータと、
    第3の閾値を前記電源電圧と比較する第4のコンパレータと、
    前記第3のコンパレータの出力と前記第4のコンパレータの出力との論理和をとる第1の論理和回路と、
    前記第2のコンパレータの出力と前記第1の論理和回路の出力との論理和をとる第2の論理和回路と、
    前記第1のコンパレータの出力でセットされ、前記第2の論理和回路の出力でリセットされるフリップフロップとを備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の増幅器。
  7. 前記リップル端子電圧に基づいて、前記増幅回路の基準電圧を発生するリップルフィルタ回路を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の増幅器。
  8. 前記第1の急速放電回路は、
    前記第1の入力端子電圧と前記基準電圧とを比較するコンパレータと、
    前記コンパレータの出力に基づいて、前記第1の入力端子電圧を低下させる第1のトランジスタと、
    前記リップル制御回路の出力に基づいて、前記第1のトランジスタがオフするように前記コンパレータの出力を固定する第2のトランジスタとを備えることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の増幅器。
  9. 前記電源電圧が下がり、前記電源電圧と前記リップル端子電圧との電位差が一定の電位差を下回った場合において、前記リップル端子電圧が前記第1の閾値に達するまで前記リップル端子電圧を低下させる間に、前記リップル端子電圧の低下速度を高速から低速に途中で変化させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の増幅器。
  10. 前記リップル放電回路は、
    前記リップル端子電圧を低速に低下させる低速放電回路と、
    前記リップル端子電圧の低下を加速させる放電加速回路とを備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の増幅器。
  11. 前記リップル制御回路は、
    前記電源電圧と前記リップル端子電圧との電位差に基づいて、前記低速放電回路および前記放電加速回路の放電を開始させる第1のコンパレータと、
    前記リップル端子電圧と第1の参照電圧との比較結果に基づいて、前記放電加速回路の放電を停止させる第2のコンパレータと、
    前記リップル端子電圧と前記第1の参照電圧より小さな第2の参照電圧との比較結果に基づいて、前記低速放電回路の放電を停止させる第3のコンパレータとを備えることを特徴とする請求項10に記載の増幅器。
  12. 前記増幅回路はカーオーディオ用のパワーアンプ、前記電源電圧はカー用バッテリ電圧であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の増幅器。
  13. 前記増幅回路の第1の入力端子は、第1のカップリング容量を介して入力信号源に接続され、前記増幅回路の第2の入力端子は、第2のカップリング容量を介して接地されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の増幅器。
  14. 前記第1のカップリング容量は、前記第1の入力端子にかかる直流バイアスに応じて充放電され、前記第2のカップリング容量は、前記第1のカップリング容量と同じタイミングで充放電されることを特徴とする請求項13に記載の増幅器。
  15. 前記電源電圧が下がり、前記電源電圧と前記リップル端子電圧との電位差が一定の電位差を下回った場合に、前記増幅回路の出力をミュートすると共に、前記増幅回路を動作させることが可能な第1の閾値に達するまで前記リップル端子電圧を低下させ、
    前記リップル端子電圧が前記第1の閾値まで低下した時に前記電源電圧が前記所定電圧以上であれば、前記増幅回路の出力のミュートを解除することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の増幅器。
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