JP2011182253A - 撮像装置及び撮像方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリセット再現時にプリセット位置が大きくずれた際に、パンチルト位置をリセットしている間の撮影動作の中断による監視不能状態を最小限に抑えることができるようにする。
【解決手段】登録画像と取得画像とのズレ量が検出できない場合は、他のプリセット位置を巡回し、それぞれのプリセット位置で撮影した画像とプリセット位置登録時の登録画像とを比較したときに、両画像のズレ量を検出可能であった場合は、最初のプリセット位置の撮像画像を取得して登録画像を再登録する。そして、全てのプリセット位置にて両画像のズレ量を検出できなかった場合は、初期化を行った後で再度最初のプリセット位置に撮影方向を移動するようにすることにより、プリセット再現時にプリセット位置が大きくずれた際に、撮影方向をリセットするのに必要な時間を短縮できるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は撮像装置及び撮像方法に関し、特に、パンチルト制御機能を有し、撮影方向を移動させることが可能な撮像装置に用いて好適な技術に関する。
従来、ネットワークや専用回線を介して、遠隔操作によりカメラの撮影動作を制御し、撮影映像を監視する監視カメラシステムが知られている。監視カメラシステムに用いられるカメラにおいては、一般に、オートフォーカス、ズーム、露出、解像度、ホワイトバランス、撮影時のフレームレートなどを制御することが可能であるだけでなく、撮影方向を移動させることが可能なパンチルト制御機能を有している。
このような監視カメラシステムの運用例として、無人の状態でカメラを遠隔監視する使用方法が挙げられる。このような使用方法の場合、静止画や動画のカメラ撮影を自動的に行い、ネットワークや専用回線を介して映像データを伝送し、録画サーバのような記録手段を用いて映像データを蓄積することが多い。また、設定された特定の時刻、あるいは一定時間ごとに、撮影条件や撮影方向を自動的に変更し、撮影された映像を記録することが可能である。また、パンチルト位置やズーム位置等を予め記憶しておき、ビューワ上のボタンをクリックしただけで、記憶したパンチルト位置やズーム位置等に自動的に撮影方向を移動させるプリセット機能を有するものも知られている。
前述のようなプリセット機能により、カメラの撮影方向を繰り返し移動させる際に、パンチルトの停止精度の向上が求められている。例えば、特許文献1ではプリセット位置登録時にその撮影方向の画像も登録する。そして、登録された画像(登録画像)とプリセット位置を再現した時の撮影方向の画像を比較し、両画像のズレ量を補正することで停止位置のズレ量を補正する技術が開示されている。
また、特許文献2では、パンチルトの停止中、およびプリセット位置移動後に前述のプリセット位置の撮影方向にて登録された画像と、プリセット再現時の撮影方向における撮像画像との比較を行う。次いで、比較結果に基いて、人間の手などによって、故意にパンチルト雲台を動かしたり、パンチルト雲台が何かに引っかかったりしたかどうかのチェックを行っている。そして、両画像の最大相関差が所定値以下である場合、撮影を中断し、ユーザに警告通知してパンチルト位置をリセットする技術が開示されている。
特開2003−098576号公報 特開2008−259056号公報
しかしながら、前述の特許文献1にて開示された従来技術では、前述のプリセット位置登録時の登録画像と、プリセット再現時にその撮影方向で撮影した画像とを比較したときに、両画像のズレ量を検出できない場合については考慮されていない。先に述べた両画像のズレ量を検出できない場合とは、プリセット位置登録時の登録画像を登録した時点より後で撮影方向の被写体に変化が生じた場合が考えられる。また、故意にカメラを動かされるなどして撮像部に一時的な外力がかかったことにより大幅に停止位置が狂った場合なども考えられる。
また、前述の特許文献2に開示された従来技術では、プリセット位置を再現する際に、カメラの撮影方向をプリセット位置に移動させる。次に、撮影方向を移動させる前に撮像部に一時的に外力がかかった場合、撮影を中断してパンチルト位置をリセットし、撮影方向を初期位置に戻していた。プリセット再現時にプリセット位置が大きくずれたことを検出するたびに、撮影方向を初期位置に戻す処理を行なっていたため、パンチルト位置をリセットするのに時間がかかり、パンチルト位置をリセットしている間の監視が途切れてしまうという問題があった。
本発明は前述の問題点に鑑み、プリセット再現時にプリセット位置が大きくずれた際に、パンチルト位置をリセットしている間の撮影動作の中断による監視不能状態を最小限に抑えることができるようにすることを目的とする。
本発明の撮像装置は、被写体を撮影して撮影画像を生成する撮像手段と、前記撮像手段の撮影方向を移動させる駆動機構を制御する駆動制御手段と、前記撮像手段により撮影する位置をプリセット位置として記憶媒体に登録するプリセット位置登録手段と、前記プリセット位置における撮影画像を登録画像として記憶媒体に記憶し、前記駆動制御手段により前記プリセット位置に駆動された前記撮像手段により撮影される、前記プリセット位置を再現した時の撮影方向の画像を取得画像として記憶媒体に記憶する画像記憶手段と、前記プリセット位置を登録した時の登録画像と前記プリセット位置を再現した時の撮影方向の画像とを比較し、これらの画像のズレ量を検出するズレ量検出手段と、前記ズレ量検出手段により前記登録画像とプリセット再現時の撮影方向の画像とのズレ量を検出できない場合に原因解析処理を行って原因を特定する原因特定手段と、前記原因特定手段により特定された原因に応じた処理を実行する実行手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、プリセット位置登録時の登録画像とプリセット再現時の撮影方向の画像とを比較し、両画像のズレ量を検出できない場合は原因解析処理を行って原因を特定する。そして、特定された原因に応じた処理を実行するようにしたので、撮影動作の中断による監視不能状態を最小限に抑えることを可能にした。
プリセット位置を再現する際の処理手順を示したフローチャートである。 監視カメラシステムの全体構成システムのブロック図である。 クライアントの詳細構成例を示したブロック図である。 カメラの詳細構成例を示したブロック図である。 撮影方向の角度とセンサの出力電圧との関係を示した図である。 登録画像と取得画像の比較を示した図である。 最大相関差Rを示した特性図である。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態にかかわる撮像装置は、ネットワークや専用回線を介して、遠隔操作によりカメラを制御し、映像を監視する監視カメラシステムに適用することが可能である。
図2に、本実施形態の監視カメラシステムに関する全体システム構成を説明するブロック図を示す。まず、図2を参照しながら本実施形態のシステムの構成要素について説明する。カメラ201、カメラ202は被写体を撮影して撮影画像(映像データ)を生成し、生成した映像データを配信するためのネットワークカメラであり、パンチルト制御機能を有する。撮影された映像データは、LANやインターネット等のネットワーク203を通じて各クライアントに配送される。クライアント204、クライアント205は、カメラ201、カメラ202を遠隔操作で制御したり、各カメラから受信した映像データを表示したりするための端末装置である。
クライアント204、クライアント205はネットワーク203に接続することにより、カメラ201、カメラ202から配送される映像データの受信が可能となる。録画サーバ206は、カメラ201、カメラ202から受信した映像データを録画し、録画した映像データを記録するためのサーバである。カメラの台数、クライアントの数、および録画サーバの台数は、図2に示した数に限られるものではなく、任意に数を増減することが可能である。
次に、本実施形態のクライアント204の動作について、図3を用いて詳細を述べる。
図3は、クライアント204の詳細構成を示した図である。クライアント205内の構成は、クライアント204と同様である。
クライアント204内には、通信I/F301、CPU302、映像出力部303、撮像操作部304、パンチルト操作部305が配設されており、これらはバス306を介して相互に接続されている。カメラ201、カメラ202の映像は、ネットワーク203、クライアント204内の通信I/F301に入力され、映像出力部303からモニタ308に出力される。
カメラ201、カメラ202から配信される映像の解像度、フレームレートなどの条件を撮像操作部304で操作し、カメラ201、カメラ202内のパン機構部、チルト機構部をパンチルト操作部305で操作する。撮像操作部304、パンチルト操作部305で操作した制御命令は、CPU302により通信I/F301、ネットワーク203を介してカメラ201、あるいはカメラ202に送信される。
また、パンチルト操作部305内にはプリセット登録操作部307が設けられている。プリセットとは、パン方向(水平方向)、チルト方向(垂直方向)など特定の撮影方向等のパラメータを登録し、登録したパラメータを再現することで迅速に所望の撮影方向を変更することが可能な機能のことである。任意の撮影方向のパンチルト位置をプリセット位置として登録することにより、ボタン操作のみで前記で登録されたパンチルト位置に撮影方向を移動させることが可能である。
次に、本実施形態のカメラ201の動作について、図4を用いて詳細を述べる。図4は、カメラ201の詳細構成を示したブロック図である。カメラ202内の構成は、カメラ201と同様である。
カメラ201内には通信I/F402、CPU403、撮像制御部404、パンチルト制御部405、記憶部406が配設され、これらはバス407を介して相互に接続されている。カメラ201内の撮像制御部404、パンチルト制御部405は、CPU403によって制御され、後述するパン機構部408、チルト機構部409などの駆動機構の駆動制御を行う。
クライアント側からカメラ201内の撮像部401を操作することが可能である。クライアントから出力された制御命令はネットワーク203からカメラ201内の通信I/F402へ入力されると、制御命令に応じてCPU403は撮像制御部404、パンチルト制御部405を制御する。撮像部401は、クライアントから出力された制御命令に応じて、クライアントの所望するアングルで撮影する。
撮像制御部404は、解像度、撮像信号の読み出し方法、フレームレートなどを設定する。画像処理部412は、撮像制御部404から指示された解像度、フレームレートなどの条件に合わせて撮像部401から撮像された映像の画像処理を行なう。パンチルト制御部405は、クライアント側から出力された制御信号によりパン機構部408、チルト機構部409を駆動し、パンチルト機構の制御を行なう。パン用センサ410は、初期化を行なう際のパン機構部408の初期位置を検出するためのセンサであり、チルト用センサ411は、初期化を行なう際のチルト機構部409の初期位置を検出するためのセンサである。記憶部406は、クライアント側からプリセット位置登録指示があったときに、パンチルト位置情報と前述のプリセット位置における撮影方向の画像を記憶するためのものである。
次に、プリセット位置登録時の処理の流れについて説明する。
はじめに、パンチルト操作部305を操作し、パンチルト位置を決定する。パンチルト操作部305のプリセット登録操作部307を操作して決定したパンチルト位置を登録する。次に、登録したパンチルト位置情報と前述のパンチルト位置での撮影画像情報を記憶部406に画像記憶する。前述の処理で任意のパンチルト位置でのプリセット登録が完了する。
次に、図1のプリセット位置登録後にプリセット位置を再現する際の処理手順を示したフローチャートを用いて、プリセット位置を再現する際の処理の流れについて述べる。
登録したプリセット位置へカメラの撮影方向を移動させるプリセット再現指示があるか否かを判断する(S101)。この判断の結果、プリセット再現指示があった場合は、S102に進み、カメラがプリセット位置へ移動するまで待つ。カメラがプリセット位置へ移動した後で、前述のプリセット位置における撮影画像(取得画像)を取得し、カメラ201内の記憶部406に記憶する(S103)。
次に、S104において、プリセット位置登録時に記憶した画像(登録画像)とS103で記憶した取得画像とを比較し、両画像のズレ量検出を行うことが可能か否かを判断する(S105)。S105における登録画像と取得画像とのズレ量の具体的な検出方法については、後述する。
S105で登録画像と取得画像とのズレ量が検出可能な場合は、S106に進んで両画像のズレ量が少なくなるように撮影方向を補正する。一方、S105で登録画像と取得画像とのズレ量が検出不可であった場合は、原因解析処理を行って原因を特定する原因特定処理を行い、特定された原因に応じた処理を実行する。具体的には、S107に進み、所定箇所以上プリセット位置を巡回したか否かを判断する。本実施形態において、所定箇所は、複数登録されているプリセット数よりも少ない回数となるように数に上限を設けるものとする。
S107の判断の結果、所定箇所以上プリセット位置を巡回していない場合にはS108に進み、最寄りの他のプリセット位置へ撮影方向を移動する。その後、S109において、再度登録画像と取得画像とのズレ量の検出が可能か否かを判断する。S109で登録画像と取得画像とのズレ量を検出する方法は、S105で両画像のズレ量を検出する場合と同様の方法で検出することが可能である。
S109の判断の結果、最寄りの他のプリセット位置において、登録画像と取得画像とのズレ量が検出可能である場合は、S102で移動したプリセット位置での撮影方向において被写体に変化があったため、ズレ量の検出ができなかったと判断する。この場合はS110に進み、S102で移動したプリセット位置での撮影方向において被写体に変化があったことをログに追記し(S110)、撮影方向をS102で向けていたプリセット位置へ戻す(S111)。その後、S112に進む。
S112においては、画像を取得して記憶部406に記憶し、登録画像を再登録する処理を行う。これは、S102で向けていたプリセット位置における撮影方向では、プリセット位置を登録した時点より被写体に変化が生じているためである。登録されているプリセット位置が1ヶ所のみの場合は、S107における所定箇所は0ヶ所となるため、S107以降は、S113、S114と処理を進める。
S109の判断の結果、他の最寄りのプリセットにおいて、登録画像と取得画像とのズレ量が検出不可である場合は、S107に戻り、所定箇所以上のプリセット位置を巡回したか否かを判断する。所定箇所以上のプリセット位置を巡回するか、あるいは、S109で登録画像と取得画像とのズレ量が検出可能になるまで、S107、S108、S109の処理を繰り返す。S107で所定箇所以上のプリセット位置を巡回しても、登録画像と取得画像とのズレ量の検出が不可の場合は、撮像部に一時的な外力などがかかり、撮像方向が変化してしまったことにより、プリセット位置がずれたと判断する。
一時的な外力によるプリセット位置のズレは、人間の手などによって故意に撮像部が動かされたり、パンチルト機構部が駆動されている途中で撮像部が障害物によって引っかかったりした場合などが原因で生じる。撮像部に一時的な外力がかかったことによりプリセット位置がずれている場合は、一度初期位置に戻した後で再度プリセット位置を再現しない限り、プリセット位置のズレを解消することはできない。
このため、本実施形態においてはS113において、一度カメラの撮影方向の初期化を行い、その後、S114において、初期化を完了することができるか否かを判断する。S114の判断の結果、初期化を完了することができた場合にはS115に進み、一度初期化を実行したことをログに追記する。ログに追記した後は、S116に進み、撮影方向をS102で向けていたプリセット位置へ戻す。
一方、S114の判断の結果、カメラの撮影方向の初期化が完了しない場合、すなわち、初期化エラーの時には、パン機構部408、チルト機構部409の両方、あるいはいずれかの機構部において故障、もしくは異常が発生した可能性が高い。従って、このような状態の場合は撮影を中断し(S117)、ユーザに警告を出すと同時にパンチルト機構部の異常検出をログに追記する(S118)。
カメラの撮影方向の初期化を行う具体的な方法は、次の通りである。
図5は、パンチルト機構動作時の撮影方向の角度とパンチルト用のセンサの出力電圧との関係を示した図である。図5中の(a)はパン用センサの出力電圧とパンの撮影方向の角度との関係を示した図であり、(b)はチルト用センサの出力電圧とチルトの撮影方向の角度との関係を示した図である。パン機構部408は−180°〜+180°、チルト機構部409は−60°〜+90°の範囲で駆動するものとする。
パン用センサ410は、パン機構部408の撮影方向の初期位置(0°)を検出するためのセンサである。パン用センサ410の出力電圧は、パン機構部408の撮影方向の角度が−180°〜0°のときはLレベルが出力され、0°〜+180°のときはHレベルが出力される。チルト用センサ411は、チルト機構部409の撮影方向の初期位置(0°)を検出するためのセンサである。
チルト用センサ411の出力電圧は、チルト機構部409の撮影方向の角度が−60°〜0°のときはLレベルが出力され、0°〜+90°のときはHレベルが出力される。パン機構部408の撮影方向の角度が+方向である場合は、パン用センサ410の出力電圧がHレベルからLレベルに変化するときの角度となるようにパン機構部408を移動させる。そして、パン機構部408内の図示しないパン用のステッピングモータのステップカウント数をクリアする。
パン機構部408の撮影方向の角度が−方向である場合は、パン用センサ410の出力電圧がLレベルからHレベルに変化するときの角度となるようにパン機構部408を移動させる。そして、パン機構部408内の図示しないパン用のステッピングモータのステップカウント数をクリアする。また、チルト機構部409の撮影方向の角度が+方向である場合は、チルト用センサ411の出力電圧がHレベルからLレベルに変化する角度となるようにチルト機構部409を移動させる。そして、チルト機構部409内の図示しないチルト用のステッピングモータのステップカウント数をクリアする。
また、チルト機構部409の撮影方向の角度が−方向である場合は、チルト用センサ411の出力電圧がLレベルからHレベルに変化するときの角度となるようにチルト機構部409を移動させる。そして、チルト機構部409内の図示しないチルト用のステッピングモータのステップカウント数をクリアする。
次に、図1のS105、S109で登録画像と取得画像とのズレ量を検出する具体的な検出方法について説明する。
図6は、登録画像と取得画像の比較を示した図である。ここで、取得画像の比較エリア(図6中、斜線部分)601内の座標(i,j)に位置する特定の画素をa(i,j)で表す。そして、この画素a(i,j)の輝度値をs(i,j)で表す。また、登録画像内で画素a(i,j)と同一位置にある画素の輝度値をq(i,j)で表す。
まず、取得画像の比較領域(エリア)601内の全画素に対し、取得画像と登録画像との同一位置における画素の輝度値を比較する際、数式1に従って、その相関値Lを計算する。数式1では、輝度値s(i,j)と輝度値q(i,j)の差が比較エリア内の全画素に亘って加算される。そして、n=0,m=0の場合の相関値Lとして、L(0,0)が求められる。ただし、n=±0,1,…,Nであり、m=±0,1,…,Mである。
L(n,m)=Σ(s(i,j)−q(i+n,j+m))2 (数式1)
続いて、n,mをそれぞれ所定の画素数だけ正/負方向に2次元空間的にずらしながら、相関値L(n,m)を求める。図中、比較領域(エリア)602はX方向に+n、Y方向に+mずらされている。ここで、相関値L(n,m)は、n=±0から±Nまで、m=±0から±Mまでの範囲で計算される。こうして計算された相関値L(n,m)の最大値と最小値の差が最大相関差Rとして求められる。
図7は、最大相関差Rを示した特性図である。ここでは説明を簡単にするために、相関値L(n,m)は、1次元的に表されているが、実際には2次元空間的に表される。図7(A)は最大相関差Rが大きい場合を示し、図7(B)は最大相関差Rが小さい場合を示す。
相関値Lは2つの画像が一致すると小さくなり、2つの画像が一致しないと大きくなるので、取得画像と一致する登録画像が、n=±0から±Nまで、m=±0から±Mまでの範囲内に存在する場合、最大相関差Rは大きくなる。一方、存在しない場合、最大相関差Rは小さくなる。登録画像と取得画像を比較した結果、CPU403は最大相関差Rが所定値以上であるか否かを判断し、最大相関差Rが所定値以上であれば、両画像のズレ量を検出することが可能であるとする。
ここで、画像の一致を判断する際に最大相関差Rを用いるのは、以下の理由による。
すなわち、登録画像と取得画像が完全に一致している場合、L(0,0)のみの計算で相関量が計算される。しかし、実際には、パンチルト機構の停止誤差や、風や振動による揺れ等が生じ、2つの画像は完全に一致しない。従って、最大相関差Rを用いて、両画像の一致度合いが評価される。これにより、画像の比較を簡単かつ正確に行なうことができる。だたし、2つの画像の相関の取り方としては、種々の方式が考えられるので、本実施形態ではその一例が示されているに過ぎず、本発明はこの相関演算の方式に限定されるものではない。
プリセット位置登録時の登録画像とプリセット再現時の撮影方向の画像を比較し、両画像のズレ量を検出できない場合の原因解析処理として、他のプリセット位置を巡回しそれぞれの撮影画像とプリセット位置登録時の登録画像を比較する。そして、ズレ量が検出可能であった時には、プリセット位置登録した時点から被写体変化が生じ、登録画像の変化があったものとしてプリセット位置での登録画像を再登録する。これによって、被写体に変化が生じたことにより、プリセット再現時の撮影画像とその位置における登録画像との間に変化が生じた時にも、登録画像の更新を行って通常の撮影動作を継続することが可能となった。
また、他のプリセット位置を巡回し、いずれのプリセット位置における撮影画像と登録画像とのズレ量が検出できないほど大きい場合は、一度初期化を行なった後で再度最初のプリセット位置に撮影方向を移動する。前述のように処理することにより、撮像部に一時的な外力などがかかった場合によるプリセット位置のズレを補正することが可能である。これによって、撮像部に一時的な外力などがかかり、撮像部の撮影方向がずれてしまった時にも、自動的に修正を行い、通常の撮影動作を継続することが可能となった。
さらに、前述と同様に初期化を行なった結果、初期化が完了しない場合、すなわち、初期化エラーであった場合には、パンチルト機構部の故障、あるいは異常を検出することが可能となった。これによって、装置の異常をユーザに告知し、対策を促し、撮影動作の中断による監視不能状態を最小限に抑えることが可能となった。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワーク又は各種のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
401 撮像部、402 通信I/F、403 CPU、404 撮像制御部、405 パンチルト制御部、406 記憶部、407 バス、408 パン機構部、409 チルト機構部、410 パン用センサ、411 チルト用センサ、412 画像処理部

Claims (11)

  1. 被写体を撮影して撮影画像を生成する撮像手段と、
    前記撮像手段の撮影方向を移動させる駆動機構を制御する駆動制御手段と、
    前記撮像手段により撮影する位置をプリセット位置として記憶媒体に登録するプリセット位置登録手段と、
    前記プリセット位置の登録時に撮影した撮影画像を登録画像として記憶媒体に記憶し、前記駆動制御手段により前記プリセット位置に駆動されて前記プリセット位置を再現した時に、前記プリセット位置において前記撮像手段により撮影される撮影画像を取得画像として記憶媒体に記憶する画像記憶手段と、
    前記プリセット位置を登録した時の登録画像と前記プリセット位置を再現した時の取得画像とを比較し、これらの画像のズレ量を検出するズレ量検出手段と、
    前記ズレ量検出手段により前記登録画像とプリセット再現時の取得画像とのズレ量を検出できない場合に原因解析処理を行って原因を特定する原因特定手段と、
    前記原因特定手段により特定された原因に応じた処理を実行する実行手段とを有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記原因特定手段は、前記駆動制御手段により前記駆動機構を初期位置となるように制御する初期化を行って原因を特定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記原因特定手段は、前記駆動制御手段による初期化がエラーとなった時には、ユーザに対して警告を行うことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記プリセット位置があらかじめ複数登録されている際には、前記駆動制御手段により前記撮像手段を所定のプリセット位置に移動させるとともに、その位置において撮影した取得画像を前記画像記憶手段により前記記憶媒体に記憶させ、
    前記原因特定手段は、前記所定のプリセット位置における登録画像と、前記所定のプリセット位置において撮影した取得画像との比較を行って原因を特定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  5. 前記所定のプリセット位置は、前記ズレ量を特定できなかったプリセット位置の最寄りのプリセット位置であることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
  6. 前記原因特定手段は、前記ズレ量検出手段により、前記所定のプリセット位置において前記撮像手段により生成された取得画像と、前記所定のプリセット位置における登録画像とのズレ量を検出できた場合には、前記登録画像の更新を行うことを特徴とする請求項4または5に記載の撮像装置。
  7. 前記原因特定手段は、あらかじめ登録されたプリセット位置が複数登録されている際には、前記駆動制御手段により前記撮像手段を複数のプリセット位置に移動させる回数について、前記記憶媒体に登録されているプリセット数よりも少なくなるように上限を設けることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  8. 前記原因特定手段は、あらかじめ登録された全てのプリセット位置において、前記ズレ量検出手段にてズレ量を特定できなかった場合には、前記駆動制御手段により前記駆動機構を初期位置となるように制御する初期化を行うことを特徴とする請求項4〜7の何れか1項に記載の撮像装置。
  9. 被写体を撮像手段で撮影して撮影画像を生成する撮像工程と、
    前記撮像手段の撮影方向を移動させる駆動機構を制御する駆動制御工程と、
    前記撮像手段により撮影する位置をプリセット位置として記憶媒体に登録するプリセット位置登録工程と、
    前記プリセット位置の登録時に撮影した撮影画像を登録画像として記憶媒体に記憶し、前記駆動制御工程において前記プリセット位置に駆動されて前記プリセット位置を再現した時に、前記プリセット位置において前記撮像手段により撮影される撮影画像を取得画像として記憶媒体に記憶する画像記憶工程と、
    前記プリセット位置を登録した時の登録画像と前記プリセット位置を再現した時の取得画像とを比較し、これらの画像のズレ量を検出するズレ量検出工程と、
    前記ズレ量検出工程において前記登録画像とプリセット再現時の取得画像とのズレ量を検出できない場合に原因解析処理を行って原因を特定する原因特定工程と、
    前記原因特定工程において特定された原因に応じた処理を実行する実行工程とを有することを特徴とする撮像方法。
  10. 被写体を撮像手段で撮影して撮影画像を生成する撮像工程と、
    前記撮像手段の撮影方向を移動させる駆動機構を制御する駆動制御工程と、
    前記撮像手段により撮影する位置をプリセット位置として記憶媒体に登録するプリセット位置登録工程と、
    前記プリセット位置の登録時に撮影した撮影画像を登録画像として記憶媒体に記憶し、前記駆動制御工程において前記プリセット位置に駆動されて前記プリセット位置を再現した時に、前記プリセット位置において前記撮像手段により撮影される撮影画像を取得画像として記憶媒体に記憶する画像記憶工程と、
    前記プリセット位置を登録した時の登録画像と前記プリセット位置を再現した時の取得画像とを比較し、これらの画像のズレ量を検出するズレ量検出工程と、
    前記ズレ量検出工程において前記登録画像とプリセット再現時の取得画像とのズレ量を検出できない場合に原因解析処理を行って原因を特定する原因特定工程と、
    前記原因特定工程において特定された原因に応じた処理を実行する実行工程とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  11. 請求項10に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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