JP2011181580A - 気相成長装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
基板上に成長結晶層の膜厚均一性を向上させることができ、歩留まりが高い気相成長装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
気相成長装置は、その中心に成長用基板を担持して成長用基板を加熱および回転するサセプタと、サセプタの少なくても材料ガス供給側の半分を矩形に囲む、サセプタと同じ熱伝導率を有する素材からなる不動の受熱板と、周囲から受熱板を固定し、成長用基板に水平に材料ガスを誘導する不動のフロー補助板と、その開口する先端がフロー補助板上に位置し受熱板の端部と略平行にかつ成長用基板の直径よりも幅広に形成され、成長用基板の全面に沿って材料ガスの層流を水平に供給する材料ガスノズルと、その材料ガスノズル側の縁部が受熱板の端部に略平行に形成され、その全面が直上のサセプタと受熱板の全面に対向してサセプタと受熱板を均一に加熱する矩形の加熱器と、成長用基板とサセプタと受熱板の全面に向けて材料ガスノズルよりも幅広の領域に押さえガスを供給する押さえガス噴出器と、を備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、半導体結晶のエピタキシャル成長を行う気相成長装置、特に2フローリアクタに関する。
エピタキシャル成長(気相成長)を行う結晶成長装置は、その反応容器(リアクタ)内に導入された反応ガス(材料ガス)が加熱された基板(ウエハ)上で熱分解反応して、化合物やその固溶体結晶となり、その時基板の結晶面方位を維持したまま同じ結晶面の単結晶層が該基板上に成長するようにした気相成長装置である。
気相成長反応装置のうち、2フローリアクタでは、ウエハ上の材料ガスの層流と押さえガス流の合成流で成膜ガス流が形成され、材料ガスは基板と平行に、かつ直上に流される(特許文献1、参照)。そして、押さえガス流は材料ガス流に垂直、または垂直から40°程度まで傾けた角度で流される(特許文献2、参照)。その結果、材料ガスが基板に押し付けられるように流れる。この2つのガス流(フロー)構成により、例えば、GaN結晶成長において、材料ガスが基板上で高温1000℃程度になり約4.5倍の体積膨張が起こっても、基板上で安定的な材料ガス流が保たれる。
図1は従来の2フローリアクタの排気可能な反応容器(図示せず)の内部構造を示す概略断面図である。同図において、11は材料ガスノズルであり、12は押さえガス噴出器であり、13は材料ガスを基板に水平に誘導するためのフロー補助板であり、14はサセプタであり、15は半導体の基板であり、16は遮熱板であり、17は加熱器であり、20は水冷ジャケットである。
2フローリアクタは、横形の成長炉として構成されたもので、反応容器は大気を遮断できる構造となっている。円盤状のSiCコートグラファイトから成るサセプタ14が回転自在に配置され、このサセプタ14上に半導体基板15が載置される。基板15の中央部上方に押さえガス噴出器12が配置される。
材料ガスノズル11は、基板15の全面に沿って材料ガスの層流を、サセプタから離れて基板15の中心へ向けて水平に供給する。
押さえガス噴出器12は、材料ガスの層流をサセプタ14と基板15の全面に押さえる押さえガスを供給する。
サセプタ14は加熱器17により輻射加熱されており、該サセプタ14上にセットされた基板15にエピタキシャル成長による薄膜が形成される。
具体的には、材料ガスノズル11からの材料ガス流(フロー)としては、結晶成膜材料であるTMGa(トリメチルガリウム)、NH(アンモニア)およびキャリアガスであるH(水素)またはN(窒素)の混合ガスを基板15の上面に平行に吹付ける。
押さえガス噴出器12からの押さえガス流(フロー)としては、基板15を覆う面積で、基板と垂直からやや斜めの角度θ(0°≦θ<40°)にHまたはNおよびその混合ガスを吹付ける。
サセプタ14は、円盤形状をしており中心に回転軸を持ち、10回/min〜30回/minで回転できる。またフロー補助板13は、サセプタに取り付けられており一緒に、回転する。また加熱器17は、サセプタ下面に取り付けられており、サセプタより若干大きくサセプタを均一な温度に加熱できる。
遮熱板16は、加熱器の外周に位置し、加熱器の輻射熱でノズル11が加熱されないように遮断する。なお、遮熱板16の外周に水冷ジャケット20が設けると更に断熱性は向上する。また、水冷ジャケット20の上端はフロー補助板13の直下まで延長されている。但し、フロー補助板13の回転を妨げないように僅かな隙間を設けてある。
特開平04−284623 特開2003−173981
2フローリアクタを用いた例えば有機金属気相成長(MOCVD)法によれば、図2に示すように、基板15上に沿って材料ガスを流した場合、ガスフローの早い流れの層と、この流れの層下の基板表面上に遅い流れの境界層(淀み層)が形成される。結晶成長において、材料ガス分子は速い流れの層から境界層へ供給され境界層で拡散して熱分解を伴って、基板上の結晶成長に至る。
材料ガスはノズル近くの上流部で濃度は濃く、離れた下流部では上流部で消費された分だけ濃度は薄くなる。よって、基板上のエピタキシャル層は、ノズル側前方の上流部の膜厚が厚く、ノズルから遠い後方の下流部の膜厚が薄くなる。即ち、境界層上のガス濃度によりエピタキシャル層膜厚は左右される。
図2に示すように、加熱されているサセプタ14上では基板15上中央から全体が1000℃程度となり、サセプタ14周縁に至るまでに200℃程度まで下降した温度分布が形成される。
ノズルから供給されたガスは、上流部より急速に加熱されて高温になる。そして、サセプタ温度と同等な温度になり飽和する。材料ガスは400℃〜450℃より急速に分解を開始する。かかる分解開始温度の分布線をガス材料分解等温度線と呼ぶことにする(なお、等温度線と省略する場合もある)。よって、材料ガス分解熱等温度線と基板の位置関係が膜厚分布を左右することになる。
一般にGaN系エピタキシャル結晶成長は、材料分解位置が基板に近いほうが良質な結晶が成長する。これは、AlGaInP、AlGaAs等が800℃程度で成長するのに対してGaN系では1050℃と高温で成長するため、従来のMOCVD装置と同様な熱設計では材料分解が基板遠方の上流で開始されるので、材料の枯渇による成膜エリアが減少する問題や、基板上への不活性結晶種が飛来し結晶性が低下する問題が発生することを防止するためである。
GaN結晶の結合エネルギーは高く、結晶の融点は2500℃以上である。そのため、基板表面で材料ガス(例えばTMGaとNH)が分解生成した結晶種(GaN最小単位)が、結晶成長面の安定サイトに移動し、結合する時間を長くする(マイグレーション時間)ために、結晶成長温度が約1050℃と高くなる。また、同理由により基板成長面以外の低温部で生成した結晶種(不活性結晶種)は、ただちにエネルギーを失うため結晶成長に寄与できない(再加熱しても十分なエネルギーに達しない)。または、多結晶の核などになり結晶成長を阻害する。一方、TMGa等の有機金属化合物の分解温度は約400℃〜450℃と低い。そのため、材料ガス分解等温度線が基板より離れていると、成長速度が遅くなったり、基板全面に結晶成長できなったり、結晶性(移動度で判別できる)が低下する。以上より、GaN系の結晶成長においては、材料ガスの分解等温度線をできる限り基板上流端に近づける必要があるので、大方その距離は5mm〜15mm以内とされている。
そこで、図3に示すように、円形基板15を基準基板として用いる場合、基板の均熱性を作り易い理由より、サセプタ14および加熱器17を円形になし、エピタキシャル成長膜が均一になるように基板を担持したサセプタ14をフロー補助板13とともに回転させる。
ところで、GaN系結晶を成長させる場合は、成長温度が1050℃と高温であるため、その輻射熱は基板遠方まで到達する。遮熱対策をしないと基板遠方より材料ガスの熱分解が起こり、基板上への材料ガス供給量が激減し枯渇する問題が発生する。また遠方で分解した材料ガスの残渣成分が基板へのエピタキシャル成長を阻害するため、GaN系結晶の結晶品質を低下させる問題が発生する。
そのため、加熱エリアを基板面積とできるだけ同じ面積にし、かつ基板全体で均熱になるように工夫している。例えば、抵抗加熱器と遮熱板と水冷ジャケット等の組合せで前記要件を満たすように構成される。このように、円形基板を使用前提とするリアクタは、サセプタ、加熱器共に円形にするのは、基板回転、サセプタの均熱化を図る為に最適な形状であるからである。
一般に流通する円形基板を使用すると、GaN系結晶の結晶品質を低下させないための措置として、円形のサセプタ14および円形の加熱器17として、図3に示すように、コンパクトな円形構成となっている。
しかしながら、図3に示す構成の場合、材料ガスフローの上流側の「材料ガス分解等温度線」は円弧状になるので、膜厚分布が凹状になる問題が発生する。
たとえば、材料ガス流路上のGaN系結晶膜厚は、図4(A)に示すように、ノズル11からの材料ガス流路F1(基板15中心)、F2(基板15中心からの第1半径位置)、F3(基板15中心からの第1より遠い第2半径位置)を考察してみる。ガス材料分解等温度線(cp1、cp2、cp3)によりガス材料分解が始まるが、材料ガス層流において基板直径の両端へ行くほど(材料ガス流路F2、F3)、基板エリアの中心線CL上では等温度線と近くなるため、材料ガスが使用されていない分、両端側が厚く堆積され、回転の結果、基板中央よりも基板周辺部のほうが厚膜になる。具体的に、基板中心線CLを通り流路F1、F2、F3との交点CL1、CL2、CL3の膜厚は図4(d)のグラフに示すように、流路の基板両端側程厚くなる(t(CL))。かかるGaN層の凹状膜厚分布は中央部と周辺部で約10%程度の差異となる場合がある。図4(a)(b)(c)のグラフは、基板が回転しない場合の材料ガス流路F1、F2、F3上の膜厚分布(t(cp1)、t(cp2)、t(cp3))を示し、ノズル側の流路上流部の膜厚が厚く、下流部の膜厚が薄くなる。が、基板が回転する場合、上流側と下流側が回転毎に入替るので膜厚はフラット(t(CL1)、t(CL2)、t(CL3))になる。ところが、熱等温度線が円弧状になっている為に、材料ガス流路F1、F2、F3上の膜厚はこの順に厚くなる(t(CL1)<t(CL2)<t(CL3))。結果、熱等温度線が円弧状の場合、基板回転しても膜厚均一にならず凹状になる(特許文献2、参照7)。
特許文献2開示技術では、その膜厚均一の解決策として基板の半分よりもノズルから遠い位置で第2のガスを噴射し原料ガスを希釈することで膜厚の分布を低減することを提案している。しかし、第2のガス噴射口を含めガス供給設備をも別に設ける必要があるため非常にコストがかかるという問題がある。
そこで本発明は、GaN層の凹状膜厚分布は中央部と周辺部で10%をはるかに下回る程度に成長結晶層の膜厚均一性を向上させることができ、歩留まりが高い気相成長装置を提供することを目的とする。さらに、高い成長結晶層の膜厚均一性を要する半導体発光素子を形成した場合、膜厚分布は2インチ基板サイズにおいて同心円状にVf(順方向電流)分布、発光波長分布、出力分布を発生させない所定の特性の半導体発光素子の収率が高い2フローリアクタを提供することをも目的とする。
本発明の気相成長装置は、その中心に成長用基板を担持して成長用基板を加熱および回転するサセプタと、サセプタの少なくても材料ガス供給側の半分を矩形に囲む、サセプタと同じ熱伝導率を有する素材からなる不動の受熱板と、周囲から受熱板を固定し、成長用基板に水平に材料ガスを誘導する不動のフロー補助板と、その開口する先端がフロー補助板上に位置し受熱板の端部と略平行にかつ成長用基板の直径よりも幅広に形成され、成長用基板の全面に沿って材料ガスの層流を水平に供給する材料ガスノズルと、その材料ガスノズル側の縁部が受熱板の端部に略平行に形成され、その全面が直上のサセプタと受熱板の全面に対向してサセプタと受熱板を均一に加熱する矩形の加熱器と、成長用基板とサセプタと受熱板の全面に向けて材料ガスノズルよりも幅広の領域に押さえガスを供給する押さえガス噴出器と、を備えることを特徴とする。材料ガスノズルは、材料ガスを基板幅より広い幅で基板上に水平に供給することができる。押さえガス噴出器は、不活性ガスまたは水素を基板面積より広い面積で基板の法線方向に対して0°〜40°の角度で傾けた方向からに吹付けることができる。本発明においては、受熱板の周囲に取り付けられかつ材料ガスを成長用基板に水平に誘導する固定式フロー補助板を有することとすることができる。フロー補助板、受熱板、サセプタおよび成長用基板は、材料ガス流を乱さないように、すべてが共通の平面上に材料ガス流と面するように構成されることが好ましい。サセプタと受熱板の均熱性が500℃〜1100℃の間で±10℃以内であることが好ましい。
本発明においては、成長用基板として用いられる材料と同じ熱伝導率の材料からなり、受熱板の端部に沿って受熱板上に設置される前方プレートを有することとすることができる。
本発明においては、サセプタ直下2mm以下好ましくはlmm以下の間隔で設置され、その一部が受熱板の端部に沿った直線状を有する加熱体パターンを含み、受熱板より材料ガス供給方向側の幅が0mm〜5mmだけ大きい連続パターンの加熱器を有することとすることができる。サセプタと受熱板を加熱する加熱器はその概観が矩形であり、少なくともその押さえガス噴出器側の1辺が直線形状である。
本発明においては、連続パターンの加熱器の電極部は材料ガス供給側からサセプタの半分より後方でサセプタと重ならない領域の直下に設置されていることとすることができる。
本発明においては、押さえガス噴出器は、材料供給方向に直交するように並設され直線状スリット形状の噴出口の複数を有することとすることができる。
本発明においては、押さえガス噴出器は受熱板の端部に平行な直線部を有する矩形の噴出口を有することとすることができる。すなわち、押さえガス噴出器の噴出口がサセプタと受熱板の面積より広く矩形とすることができる。
本発明においては、受熱板またはサセプタのいずれか材料ガスノズル側に近い方の端部は、成長用基板の材料ガスノズルに最も近い端から15mm以内に存在することとすることができる。
従来の2フローリアクタの内部構造を示す概略断面図である。 従来の2フローリアクタにおけるサセプタおよび基板の概略断面図である。 従来の2フローリアクタのサセプタと材料ガスノズルの関係を示す概略上面図である。 従来の2フローリアクタにおけるサセプタおよび基板上の熱等温度線と膜厚分布を説明するための図である。 本発明による実施形態の2フローリアクタの内部構造を示す概略断面図である。 本発明による実施形態の2フローリアクタのサセプタと材料ガスノズルの関係を示す概略上面図である。 本発明による他の実施形態の2フローリアクタのサセプタと材料ガスノズルの関係を示す概略上面図である。 本発明による実施形態の2フローリアクタの矩形加熱器のパターンを示す概略平面図である。 本発明による実施形態の2フローリアクタの矩形押さえガス噴出器のパターンを示す概略平面図である。 本発明による実施形態の2フローリアクタにおけるサセプタおよび基板上の熱等温度線と膜厚分布を説明するための図である。
以下に、本発明による一実施形態の装置について、図面を用いて説明する。
本実施形態の2フローリアクタの構成図を図5に示す。
図5は実施形態の2フローリアクタの排気可能な反応容器(図示せず)の内部構造を示す概略断面図である。同図において、11は材料ガスノズルであり、121は矩形押さえガス噴出器であり、131は押さえガスを受けるための矩形フロー補助板であり、14はサセプタであり、15は半導体の基板であり、16は遮熱板であり、171は矩形加熱器であり、20は水冷ジャケットである。
この2フローリアクタは、図1の従来の2フローリアクタに対して、正方形などの矩形の受熱板181、前方プレート191を追加し、加熱器の矩形化、遮熱板の矩形化、フロー補助板の矩形化、押さえガス噴出器の矩形化をしたものである。また、矩形フロー補助板131を水冷ジャケット20に固定し、更に受熱板181を矩形フロー補助板131に固定しサセプタの回転中は不動であるようにした。
矩形フロー補助板131は、サセプタ14を囲んで同一平面となり、サセプタの回転を妨げないように設けられる。
図6に示すように、円形基板を基準基板15として用いる場合、基板の均熱性を作り易い理由より、サセプタ14のみを円形になし、エピタキシャル成長膜が均一になるように、基板を担持したサセプタ14のみを回転させる。一方、押さえガス噴出器121を矩形にしたことで、材料ガスの材料ガスノズル11端付近から噴出された材料ガスの外側への逸れが減少した。押さえガス噴出器が円形の場合、材料ガス流の端の流れが押さえガス流へ進入する角度が浅くなり外へ押し出されるように流れる。押さえガス流が矩形の場合、材料ガスへ進入する角度は常に直角であり外へ押し出される材料ガス流が減少する。
(サセプタ14、受熱板181)
所定のスピンドルモータによりサセプタ14は回転し、受熱板181は固定とし非回転式とした。サセプタ外径はφ60mmとし、受熱板181は70mm角とした。また基板および前方プレートを載せる窪みを含む厚みは3mmとした。サセプタ14は担持する基板15の厚さに一致する深さの凹部を有し、その材質はSiC(炭化珪素)を用いた。SiCの熱伝導率は(200W/mK〜)300W/mKと高く、加熱器の発熱パターンムラを均熱化できる。また、カーボン基材(熱伝導率は100W/mK〜140W/mK)にSiCコートした構造も有効である。
受熱板181は、材料ガスノズル11とサセプタ14との間に位置し材料ガスの層流の進行方向に直交する前方直線縁部182およびサセプタの周縁に沿って対向する円弧部183を有しかつ、円弧部とサセプタ14と1mm未満の間隙で設置してある。受熱板181は、矩形加熱器171により、前方直線縁部182から円弧部183までを基板15およびサセプタ14と等温度となるように加熱される。円形サセプタの外側に受熱板を付加し、加熱器からの熱を受熱可能とする。受熱板材質はサセプタと同じものが好ましい。受熱板はその周りをフロー補助板によって固定されサセプタと異なり成長中も不動である。
(前方プレート191)
前方プレート191は、使用する基板15と同様な素材、厚みを用いる。例えば、サファイア基板を用いる場合はサファイアを用い、SiC基板を用いる場合にはSiCを用い、GaN(ガリウムナイトライド)基板を用いる場合にはGaNを用いる。熱伝導率は、サファイアで42W/mK、SiCで(200W/mK〜)300W/mK、GaNで130W/mKである。前方プレートの配置により材料ガスの加熱プロファイルを等価にできる。要点は、等温度線を直線にすることにあるので基板15と近い熱伝導率の材料ならば、基板と同じ材質でなくても良い。また、サセプタおよび受熱板と基板が全てサファイア、GaN、SiCなどの同じ素材、或いはその熱伝導率が同じならば、前方プレートは必要ない。その場合、図7に示すように、受熱板181のみをサセプタ14周りに配置して装置が構成できる。交換自在とするために前方プレート191は受熱板181から脱着可能である。
(矩形加熱器171)
受熱板の矩形形状とほぼ合わせた矩形加熱器171はガス材料分解等温度線の直線化の要である。矩形加熱器パターンは図8(a)に示すように前縁部172が材料ガスフローに直角な直線になるパターンを用いた。抵抗加熱器は、パターン隙間で温度が変動する。特に等温度線を直線にするには、この温度変動を抑えることが肝要であり、この形状は前方の発熱帯を直線状にでき有効である。
また、抵抗加熱器の電極端子部は温度が低くなる。然るに対応するサセプタまたは受熱板の温度も低くなってしまう。しかし、有効加熱域はサセプタと受熱板の前方部なので、受熱板181の後方外側は非有効加熱域であり、そこに端子部を配置する構造は有効である。本実施例においては、矩形抵抗加熱器の連続パターンの加熱器の電極部は材料ガス供給側からサセプタ14の半分より後方下流でサセプタ14と重ならない領域の直下に設置されていることが好ましい。さらに、サセプタは回転するので均熱化し易く、図8(b)(c)(d)の矩形加熱器パターンも有効である。
矩形加熱器171はサセプタ14下面から2mm以下の間隙で設置した。間隙は狭い方がサセプタへの熱伝達率が良く、不必要にパワーを掛ける必要が無くなり、遮熱効果を高めることに有効である。また、加熱器のサイズは受熱板より若干大きめに留めることが重要である。サセプタおよび受熱板の均熱を考えると大きい方が簡単に均熱化を図れ有利であるが、GaN系においては材料ガスの分解ポイントを上流部に移動させることになり、材料ガス成分の枯渇や、結晶品質の低下を招くので厳禁である。本実施形態では矩形加熱器171を75mm角サイズとした。矩形加熱器171の一部が受熱板181の前方直線縁部182に沿った直線状を有する加熱体パターンを含み、受熱板より材料ガス供給方向側の幅が0mm〜5mmだけ大きい抵抗体連続パターンとすることができる。図8に示すように、サセプタ14と受熱板181を加熱する加熱器はその概観が矩形であり、少なくともその押さえガス噴出器側、材料ガスフローに向かう側の1辺が直線形状である。
(遮熱板16、水冷ジャケット20)
加熱器側方の遮熱板16は、加熱器直近にPBN(パイロリッティック・ボロンナイトライド)を配置し、その外側に4枚のMo(モリブデン)板を配置した。加熱器下方も同様な構成だがMo板は10枚に増加した。また側方の遮熱板16の外側には水冷ジャケット20を配置し、特に熱が材料ガス上流に伝播(放射)しない構造とした。また水冷ジャケット20は矩形フロー補助板131を固定する支柱とした。
(矩形フロー補助板131)
矩形フロー補助板131は、石英製とし水冷ジャケット20上に配置した。矩形フロー補助板131は、材料ガスノズル11から噴出した材料ガスが層流を保ち水平に基板へ到達できるようにする機能を有する。また、フロー補助板131は受熱板を周囲で固定する役割も担っている。然るに、材料ガスノズル11の噴出し口端の下面まで延長した構造としている。また石英の熱伝導率は1.38W/mK(20℃)、2.68W/mK(950℃)と非常に低く、また加熱器、受熱板からの赤外放射を透過するので、ノズル内部での材料ガスの早期分解を防止できる。矩形フロー補助板を構造上固定化したので、これにより、従来のフロー補助板による下流部の汚れが上流部に移動しなくなり、結晶品質が向上した。
矩形フロー補助板、受熱板の固定化の効果について、成膜によるフロー補助板の汚れと凸状構造物に関してのべる。
例えば、1050℃でGaNを成長する場合、基板面以外のサセプタ後方には反応副生成物(灰色のGaN微結晶など)が堆積する。このとき、従来では、サセプタは回転しているので、フロー補助板も回転させていた。即ち、ある時点でサセプタ後方にて生成されフロー補助板に付着した反応副生成物は、サセプタの回転に伴い、基板上流部に移動する。したがって、材料ガスノズルと基板の間に反応副生成物が位置することになる。
反応副生成物は、反応残渣であり材料ガス流に混ざって基板上に流れて来ると、結晶成長に様々な不具合を発生する。例えば、エピタキシャル層の結晶欠陥を生成する起点になる。副生成物のパーティクルは主にヒロックと呼ばれる凸状の構造物の発生起点となる。
MOCVD法でのGaN成長は、2次元成長モードで成長する。しかし、パーティクル等が基板面上に付着すると、それを核に凸状な構造物を形成する。この凸状構造物は光学顕微鏡でも観察できるサイズに成長する。ヒロックは電極形成工程にてレジスト溜まりを作り電極形成不良を起こすので密度は低いことが好ましい。ところで、GaN/サファイア積層は、異種基板上への結晶成長であり、GaN層には1×10〜1×1010個/cmの密度で貫通転位(螺旋転位、刃状転位)が残留するが、これらは光学顕微鏡等では観察はできない。
本実施形態の装置は、受熱板、フロー補助板を矩形化しさらに固定した。この構造によりフロー補助板が回転することが原因の基板へのパーティクル飛散が減少した。従来の装置を用いた場合と比較して本実施形態の凸状構造物の密度(個/2インチ)は1/10程度に減少し、結果2インチ基板上で数個存在する程度となった。
(材料ガスノズル11)
材料ガスノズル11は、その開口先端が受熱板の前方直線縁部と平行となるような形状で矩形フロー補助板の上方で、遮熱板16の外側の延長線より外側に位置するように配置した。材質は石英製とし、幅は受熱板よりも広く押さえガスの有効幅より若干狭い80mmとした。この配置と材質に石英を用いることで、矩形加熱器171および受熱板181からの赤外放射によるノズル加熱を押さえることができる。即ち、材料ガスノズル内の材料ガスの加熱分解を抑えることができる。
(矩形押さえガス噴出器121)
矩形押さえガス噴出器121は、基板15上方10mm〜30mmの間隔で配置する。またガス噴出角は、基板面の法線に対して0°〜40°の角度で傾斜できる。本実施形態では、間隔15mm、噴出角を20°とした。押さえガスは材料ガスノズルよりも幅広の領域に噴出される。押さえガスは20L/min〜40L/minでHおよびまたはNを材料ガスを押さえつけるように噴出するので材料ガスの温度を低下させ、結果、基板表面温度を低下させる。即ち、等温度線を直線化するには押さえガス噴出口形状も矩形化する必要がある。押さえガス噴出器121は受熱板の前方直線縁部182に平行な直線前縁部を有する矩形の噴出口を有する。
本実施形態においては、矩形押さえガス噴出器121は、図9に示すように、材料供給方向に直交するように並設され直線状スリット形状の噴出口122の複数を有して直線前縁部123を有する構成とすることができる。
(受熱板の効果)
本実施形態の構成により、サセプタおよび受熱板の均熱性は、有効エリアにおいて低温500℃〜高温1100℃の間で±10℃以内となった。詳細には、サセプタの基板搭載面は±2℃以内であり、受熱板の前方プレート搭載面では±10℃以内であった。有効エリアとは、サセプタ基板搭載面と受熱板の前方プレート搭載面のことである。
ところで、受熱板181が無い場合は、サセプタ14より外側の温度はサセプタ温度より極端に低くなる。その差は高温時ほど大きく、例えば、フロー中心線を基準とした基板外周部(図3のcp3位置)ならば、1050℃のときに500℃程度の差になる。即ち、この現象が膜厚を凹状にする原因である。よって、受熱板を設けた構造により、基板の外周部上流の熱環境を基板中心部と同じ(近づける)にすることができる。
(材料ガス分解等温度線)
矩形加熱器171、受熱板181等の効果により、図10(A)に示すように、材料ガスフロー(材料ガス流路F1、F2、F3)に直交する材料ガス分解等温度線は直線化する。これにより材料ガスノズルから供給された材料ガスは、受熱板先端部より加熱され、基板の材料ガスフロー中心線部分と端の熱プロファイルが等価になる。その結果、成長膜厚は均一化する。ところで、材料ガス分解等温度線は、受熱板およびサセプタが高温であるため受熱板の上流側の縁の位置に左右される。等温度線を基板端から上流側5mm〜15mmの距離にするには、基板端から受熱板の上流側端、もしくは受熱板=0mmの場合はサセプタ端までの距離が15mm以下が良く、好ましくは10mm以下、更に好ましくは5mm以下が良い。
以上のように、本発明は、受熱板の前方直線縁部により、材料ガス流に対して直交する材料ガス分解等温度線を直線にすることで、成長膜の膜厚の均一性を向上する技術である。
材料ガス等温度線を直線にするには、受熱板下の発熱源自体が矩形である必要がある。詳細には材料ガスフローに対して直交する帯状の加熱体なら良い。
受熱板は円形のサセプタの周縁を覆い全体として矩形とする。矩形サイズは加熱器外形より僅かに小さい程度とし、また厚みは加熱器と同じとして、矩形加熱器との組合せでサセプタと受熱板で矩形な均熱帯が形成できる構造とする。
前方プレートで、成長基板と同じ材料(例えば、サファイア)で受熱板を覆う。サファイア基板は熱伝導率が42W/mKと小さい。そのために、サセプタ温度より基板表面温度は若干低くなる。材料ガスフローの噴出位置によるガス温度上昇を等価にするためには、基板と同一材料で覆うと効果的である。
押さえガス噴出器開口形状を矩形するのは、押さえガス流量が材料ガス流量より多く、またその流量は20L/min〜40L/minに達するためである。即ち、押さえガス流の形状も矩形にすれば材料ガス分解等温度線を矩形にできる。
本発明によれば、矩形加熱器、受熱板更には上流部に前方プレートを搭載することで、図10に示すように、材料ガスフローの上流側の「材料ガス分解等温度線」が直線状になるので、膜厚分布が凹状になる問題が解消される。膜厚分布が均一になる理由は、材料ガス分解等温度線の直線化材料ガス流(フロー)に直交する“材料ガス分解等温度線“が直線化するからである。材料ガスの分解は等温度線により始まるが、円形基板への材料ガス層流供給方向に対して、材料ガス流路F1、F2、F3どこでも、基板エリアの中心線CLと等温度線とが平行で、材料ガスが使用されていない基板内外側で等しく積まれるからである。
材料ガス分解等温度線が直線になることから、流路F1、F2、F3の材料ガスの分解開始点(cp1’、cp2’、cp3’)は図10に示すようにガス流に対して一様になる。
材料ガス流路F1、F2、F3の基板上エピタキシャル膜の膜厚は、基板回転しない場合、それぞれグラフ図10(a)、(b)、(c)に示すように、分解開始点(材料ガス分解等温度線)を直線にしたことで、全ての流路上で同じ傾斜になる。そのため流路との直交する交点CL1、CL2、CL3の膜厚は全て等しくなる(t(CL1)=t(CL2)=t(CL3)=t(CL))。なお、図において、本実施形態の場合と従来との場合での基板中心線CL上の膜厚の変化を白丸と黒丸で示してある。従来に比べて流路F2、F3にて膜厚の減少が分かる。
この条件下で基板回転すれば、上流側と下流側は回転毎に入替るので膜厚はフラットになる。そして、流路に直交する線分上の膜厚がフラットなので、回転した結果、膜厚は均一になる。
上記実施形態の2フローリアクタ装置によりGaN結晶を成長させた。
(基板)
成長用の基板には、2インチφのc面サファイア単結晶基板、厚みt=0.43mm、面方位が<10−10>方向から0.05°傾いた0.05°オフ基板、いわゆる(0001)0.05°offto<10−10>基板を用いた。
(押さえガス流量)
押さえガス噴出器を矩形にした関係上、押さえガスの流量をガスの噴出面積が増加したので面積増加に見合ったぶんだけ増量した。この操作により押さえガスの効果を同じにした。具体的には、円形基板(半径r)の場合面積はπrであり、矩形(正方形:一辺2r)の場合は(2r)となるので、矩形断面押さえガス流は、円形断面押さえガス流に対して1.3倍(≒(2r)/πr)増量した。
(成長)
基板熱処理として、材料ガスノズルからH(水素)を10L/min流し、押さえガスとしてH(水素)+N(窒素)を1:1の混合比で39L/min流し、1000℃で10分熱処理した。
緩衝層の形成として、材料ガスノズルからTMGa(トリメチルガリウム)を20μmol/min、NH(アンモニア)2L/min、そして総量が10L/minになるようにH(水素)を加えて流した。押さえガスにはH(水素)+N(窒素)を1:1の混合比で39L/min流し、成長温度約550℃で10分成長し、低温GaN層を成長した。
緩衝層の熱処理として、材料ガスノズルからH(水素)を10L/min流し、押さえガスとしてH(水素)+N(窒素)を1:1の混合比で39L/min流し、1050℃で10分熱処理し低温GaN層を熱処理した。
高温GaN層の形成処理として、次に、材料ガスノズルよりTMGa(トリメチルガリウム)を40μmol/minとNH(アンモニア)4L/min、総量が10L/minになるようにH(水素)を加えて流した。押さえガスにはH(水素)+N(窒素)を1:1の混合比で39L/min流した。成長温度約1050℃で2時間成長し、膜厚約7μmのGaN層を形成した。
(比較例1)
基板は実施例1と同じものを用い、上記実施形態の2フローリアクタで受熱板などを用いない従来の2フローリアクタでGaN結晶を成長させた。
(成長)
基板熱処理として、材料ガスノズルからH(水素)を10L/min流し、押さえガスとしてH(水素)+N(窒素)を1:1の混合比で30L/min流し、1000℃で10分熱処理した。
緩衝層の形成として、材料ガスノズルからTMGa(トリメチルガリウム)を20μmol/min、NH(アンモニア)2L/min、そして総量が10L/minになるようにH(水素)を加えて流した。押さえガスにはH(水素)+N(窒素)を1:1の混合比で30L/min流し、成長温度約550℃で10分成長し、低温GaN層を成長した。
緩衝層の熱処理として、材料ガスノズルからH(水素)を10L/min流し、押さえガスとしてH(水素)+N(窒素)を1:1の混合比で30L/min流し、1050℃で10分熱処理し低温GaN層を熱処理した。
高温GaN層の形成処理として、次に、材料ガスノズルよりTMGa(トリメチルガリウム)を40μmol/minとNH(アンモニア)4L/min、総量が10L/minになるようにH(水素)を加えて流した。押さえガスにはH(水素)+N(窒素)を1:1の混合比で30L/min流した。成長温度約1050℃で1時間成長し、膜厚約3.5μmのGaN層を形成した。
(実施結果:膜厚分布比較)
比較例1と実施例1で得たGaN層の膜厚分布の比較を表1に示す。
Figure 2011181580
(GaN層の膜厚分布)
膜厚は中央部と周囲部(端1.5mmを除く:測定不可)で比較した。差異は(式1)に基づき%で記載した。なお、膜厚は一点差線に示す直径で測定した。
差異(%)=(周囲部−中央部)/中央部×100・・・(式1)
(膜厚分布比較)
発明の方法を用いた実施例1は、膜厚中心値7.0μmにおいて周囲値7.13μm、差異1.86%であり均一性は非常に高い。面積換算ならば更に分布は狭くなる。
他方、比較例1では膜厚中心値3.21μmにおいて周囲値3.58μm、差異11.5%と周囲が厚くなっていた。なお、分布は同心円状の凹状であった。
通常厚膜にした場合、より差異は大きくなるにもかかわらず、厚膜の実施例の方が差異が小さく、効果が確認された。
上記実施形態の2フローリアクタ装置により半導体層を成長させてMQW構造発光素子を作製した。
緩衝層の熱処理まで、実施例1に同じ故に、説明を省略する。
n型GaN層の形成処理として、n型GaN層の厚みを4.5μmとし、n型GaN層にするためにSiH(モノシラン)をSi不純物密度が6×1018個/cm程度になるように添加した以外は、実施例1と同じであった。
発光層として、MQW構造を形成した。MQW構造のバリア層、井戸層は以下のとおりであった。
バリア層:材料ガスノズルよりTEGa(トリエチルガリウム)を5.5μmol/minとNH(アンモニア)4L/min、そして総量が10L/minになるようにN(窒素)を加えて流した。押さえガスにはN(窒素)を39L/min流した。成長温度800℃で3分間成長し、厚さ18nmのGaN結晶層を形成した。
井戸層:材料ガスノズルよりTEGaを5.5μmol/min、TMIn(トリメチルインジウム)を6.5μmol/minとNHを4L/min、総量が10L/minになるようにNを加えて流した。押さえガスにはNを39L/min流した。成長温度800℃で25秒間成長し、厚さ3nmのInGaN結晶層を形成した。
ペア数:上記操作を6周期繰返し、最後にバリア層(GaN)を加えて発光層とした。
ブロック層の形成として、材料ガスノズルからTMGaを3.5μmol/min、TMAl(トリメチルアルミニウム)を0.4μmol/min、NHを4L/min、総量が10L/minになるようにH(水素)を加えて流した。押さえガスにはNを39L/min流した。成長温度950℃で5分間成長し、厚さ20nmのAlGaN結晶層を形成した。
p型GaN層の形成として、材料ガスノズルよりTMGaを12μmol/minとNHを4L/min、総量が10L/minになるようにH(水素)を加えて流した。押さえガスにはHとNを1:1の混合比で39L/min流した。成長温度約950℃で15分間成長し、膜厚約0.15μmのGaN層を形成した。なお、p型GaN層にするためにCp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)をMg不純物密度が5×1019個/cm程度になるように添加した。
(比較例2)
緩衝層の熱処理まで、比較例1に同じ故に、説明を省略する。
n型GaN層の形成処理として、n型GaN層の厚みを4.5μmとし、n型GaN層にするためにSiH(モノシラン)をSi不純物密度が6×1018個/cm程度になるように添加した以外は、比較例1と同じであった。
発光層として、MQW構造を形成した。
バリア層:材料ガスノズルよりTEGa(トリエチルガリウム)を5.5μmol/minとNH(アンモニア)4L/min、そして総量が10L/minになるようにN(窒素)を加えて流した。押さえガスにはN(窒素)を30L/min流した。成長温度800℃で3分間成長し、厚さ18nmのGaN結晶層を形成した。
井戸層:材料ガスノズルよりTEGaを5.5μmol/min、TMIn(トリメチルインジウム)を6.5μmol/minとNHを4L/min、総量が10L/minになるようにNを加えて流した。押さえガスにはNを30L/min流した。成長温度800℃で25秒間成長し、厚さ3nmのInGaN結晶層を形成した。
ペア数:上記操作を6周期繰返し、最後にバリア層(GaN)を加えて発光層とした。
ブロック層の形成として、材料ガスノズルからTMGaを3.5μmol/min、TMA(トリメチルアルミニウム)を0.4μmol/min、NHを4L/min、総量が10L/minになるようにH(水素)を加えて流した。押さえガスにはNを30L/min流した。成長温度950℃で5分間成長し、厚さ20nmのAlGaN結晶層を形成した。
p型GaN層の形成として、材料ガスノズルよりTMGaを12μmol/minとNHを4L/min、総量が10L/minになるようにH(水素)を加えて流した。押さえガスにはHとNを1:1の混合比で30L/min流した。成長温度約950℃で15分間成長し、膜厚約0.15μmのGaN層を形成した。なお、p型GaN層にするためにCp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)をMg不純物密度が5×1019個/cm程度になるように添加した。
(実施結果:発光波長分布比較)
比較例2の2フローリアクタと実施例2の2フローリアクタの発光素子の発光波長分布比較を表2に示す。波長バラツキは、全体の70%を占める素子数における中心値からの値を示す。
Figure 2011181580
(発光素子の発光波長分布)
発明の方法を用いた実施例2の素子の発光波長バラツキは±1nmと非常に良好な値を示した。なお、範囲を全体の80%と広げても±2nmとなり、バラツキは狭いと言える。
他方、比較例2では平均波長453nmに対してバラツキ11nmと大きなバラツキを示した。波長はウエハ中心部で短く、同心円状に周囲方向に長波長化した。なお、発光波長のバラツキはIn組成のバラツキによっても生じるものである。よって、実施例2はIn組成が均一化したといえる。
(Vf分布の比較)
比較例2の2フローリアクタと実施例2の2フローリアクタの発光素子のVf出力分布の比較を表3に示す。波長バラツキは、全体の70%を占める素子数における中心値からの値を示す。Vfのバラツキはp層、n層よりも発光層の膜厚に大きく左右される。よって、実施例2は発光層の膜厚分布が均一化したといえる。
Figure 2011181580
(発光素子の発光出力分布)
発明の方法を用いた実施例2の素子のVfバラツキは0.04Vと非常に良好な値を示した。なお、範囲を全体の80%とすれば0.08Vとなり、バラツキは非常に狭い値と言える。
他方、比較例2の素子のVfバラツキは0.32Vと大きくバラツキのある結果となった。そのVfバラツキは中央部から周辺部へ向かって高くなる傾向であった。
11 材料ガスノズル
14 サセプタ
15 基板
16 遮熱板
20 水冷ジャケット
121 矩形押さえガス噴出器
131 矩形フロー補助板
171 矩形加熱器
181 受熱板
182 前方直線縁部
183 円弧部
191 前方プレート

Claims (7)

  1. その中心に成長用基板を担持して前記成長用基板を加熱および回転するサセプタと、
    前記サセプタの少なくても材料ガス供給側の半分を矩形に囲む、前記サセプタと同じ熱伝導率を有する素材からなる不動の受熱板と、
    周囲から前記受熱板を固定し、前記成長用基板に水平に材料ガスを誘導する不動のフロー補助板と、
    その開口する先端が前記フロー補助板上に位置し前記受熱板の端部と略平行にかつ前記成長用基板の直径よりも幅広に形成され、前記成長用基板の全面に沿って材料ガスの層流を水平に供給する材料ガスノズルと、
    その前記材料ガスノズル側の縁部が前記受熱板の端部に略平行に形成され、その全面が直上の前記サセプタと前記受熱板の全面に対向して前記サセプタと前記受熱板を均一に加熱する矩形の加熱器と、
    前記成長用基板と前記サセプタと前記受熱板の全面に向けて前記材料ガスノズルよりも幅広の領域に押さえガスを供給する押さえガス噴出器と、
    を備える気相成長装置。
  2. 前記成長用基板として用いられる材料と同じ熱伝導率の材料からなり、前記受熱板の端部に沿って前記受熱板上に設置される前方プレートを有することを特徴とする請求項1に記載の気相成長装置。
  3. 前記サセプタ直下2mm以下の間隔で設置され、その一部が前記受熱板の端部に沿った直線状を有する加熱体パターンを含み、前記受熱板より材料ガス供給方向側の幅が0mm〜5mmだけ大きい連続パターンの加熱器を有することを特徴とする請求項1または2に記載の気相成長装置。
  4. 前記連続パターンの加熱器の電極部は材料ガス供給側から前記サセプタの半分より後方で前記サセプタと重ならない領域の直下に設置されているこことを特徴とする請求項3に記載の気相成長装置。
  5. 前記押さえガス噴出器は、材料ガス供給方向に直交するように並設され直線状スリット形状の噴出口の複数を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の気相成長装置。
  6. 前記押さえガス噴出器は、前記受熱板の端部に平行な直線部を有する矩形の噴出口を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の気相成長装置。
  7. 前記受熱板または前記サセプタのいずれか前記材料ガスノズル側に近い方の端部は、前記成長用基板の前記材料ガスノズルに最も近い端から15mm以内に存在することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の気相成長装置。
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