JP2011181362A - 保護素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】大電流への対応を可能とするとともに構造の簡素化を図って組み立てを容易とし、使用環境での動作信頼性を改善した温度ヒューズを提供する。
【解決手段】絶縁台座107に設けたスプリング装入孔105にコイルばね106を装入し、当該スプリング装入孔105の両側に一対のリード端子101、102を配置し、当該コイルばね106の上部に可動導体103を橋渡しして、当該コイルばね106を押圧しながら、当該リード端子101、102と当該可動導体103とを可溶体104で接合してヒューズ動作部を形成し、絶縁カバー108と当該リード端子101、102と当該絶縁台座107をリベット110で鋲着した。
【選択図】図1

Description

本発明は、弾性体の付勢作用を利用する可動導体により回路遮断する保護素子に関する。
従来、保護素子としての可溶合金型温度ヒューズは、低融点はんだ等の可溶合金をヒューズエレメントに用いて、DC50Vで4〜7A程度の比較的低い電流定格で使用されている。また、可溶合金型温度ヒューズに抵抗ヒータを組み込み、ヒータへの通電によりヒューズエレメントを強制的に溶断させる抵抗付き温度ヒューズは、ノートパソコン等のモバイル機器に搭載されるバッテリーパックの保護素子として使用され、中にはDC32Vで12〜15A程度の電流定格で使用される。さらに、PTC素子の発熱により温度ヒューズ素子を溶断するようにしたPTCと温度ヒューズの異なる素子を一体化した保護素子が知られている。
一方、コイルばねの付勢作用を利用して電極をスライド動作させて回路遮断する方式を採用したスプリング式温度ヒューズが特許文献1に開示される。これは、弾性体の付勢作用を利用してスライド動作する可動導体による回路遮断手段と、温度ヒューズ素子とを組み合わせたもので、可動導体をリードに可溶合金ではんだ付けした温度ヒューズであり、可溶合金部分に常時スプリングを拘束し、定格温度で瞬時に拘束を解除してスプリングの弾性を働かせて回路遮断する温度ヒューズである。
特許文献1:特開昭53−006860号公報
ところで、車載用の大容量二次電池を保護する目的で、相当する大電流容量に耐久する二次電池用保護素子が求められている。しかし、従来の温度ヒューズは何れも当該用途に要求される高電流定格や車載環境を想定されておらず適用することが出来なかった。例えば、特許文献1に開示されるような、スプリングの弾性を利用して電源回路を強制的に遮断させるようにした温度ヒューズは可動電極にくぼみ孔や長尺の電極ピンを備えており、振動環境下でくぼみ孔部や電極ピンにリード端部やスプリングが引っ掛ることによる動作不良が発生しやすい欠点もあった。
また、モバイル型電子機器のリチウムイオン二次電池などの保護に用いられている抵抗付き温度ヒューズは、何れも発熱素子として焼結抵抗体や巻き線抵抗器などの抵抗素子を用いているため、ヒューズエレメントである可溶合金が所定の温度で溶断しなかった場合、抵抗器が断線するまで通電発熱が持続し、保護素子自身が異常な温度上昇を起こす危険があった。例えば、従来のPTC内蔵の保護素子では、機械的な強制遮断機構を有しておらず、専らフラックスの化学作用によって生起する溶融合金の表面張力を利用して溶断動作させることから、可溶合金の表面全体を有機系フラックスでコーティングする必要があり、振動などでコーティングしたフラックス膜が剥落することで動作不良をおこしたり、200℃を超える高温環境においては、フラックス材料が酸化劣化して流動性や化学作用を失い長期間の動作信頼性を確保することが困難であった。
従って、本発明はスプリングの付勢力を利用して可動導体をスライド動作させる温度ヒューズにおいて、従来の欠点を解消し、不可能とされていた大電流への対応を可能とするとともに、構造の簡素化を図って組み立てを容易とした電池用保護素子を提供することにある。
本発明によれば、メインラインに設けた一対の端子に可溶体で固着した可動導体と、この可動導体に所定方向の力を付勢するスプリング材と、これら可動導体およびスプリング材を収容し保持するケース部材とを具備し、可溶体の溶融または軟化により可動導体を一対の端子から離脱させて回路遮断する保護素子が提供される。さらに、可動導体と熱的結合させた発熱素子を具備し、この発熱素子を通電用サブラインに設けた端子と接続した保護装置が提供される。すなわち、本発明はカバー付きケースに設けた第1および第2のリード端子間に、圧縮ばねで付勢された可動導体を可溶体で固着し、可溶体の軟化または溶融により回路遮断する保護素子であって、この保護素子に使用する端子構造がフラット状の良導体からなり、可動導体との可溶体による接合で大電流化への対応が図られる。さらに、本発明は、この保護素子に可動導体と熱的結合状態でPTCの発熱素子を第3のリード端子に接続し、この第3のリード端子から制御電流を通電する保護素子を開示する。
本発明の保護素子は、弾性体により付勢された可動導体を、一対のリード端子に可溶体で接合固着し、これを絶縁性ケースに収納して保護素子としたものである。この保護素子は、付勢された可動導体の固着手段である接合部を感温材として利用している。本発明の保護素子は、可動導体とリード端子を接合している可溶体が、所定の動作温度に達すると溶融し、弾性体の付勢力によって接合部が破壊され、可動導体を動かし回路を遮断する仕組みとなっている。通電経路に介在する接合部分の可溶体は局部的に用いられているため、保護素子の内部抵抗をリード端子部材の抵抗値近傍まで低減することができる。これにより、従来の可溶合金型温度ヒューズで困難であったDC24〜100Vにおいて50A以上の大電流への対応が可能となった。従来対比による本発明の注目点は、可溶性金属材の表面をフラックスでコーティングせず、スプリングの機械的な付勢作用でより広範囲の温度帯に使用できること、および可動導体をフラット状平坦面として電極ピン等の凹凸部をなくし、リード端子の平坦面と可動導体とを重ね合わせて接合することであり、それにより振動環境下における部品同士の絡み合いを防止して動作信頼性を向上させている。
本発明により可溶体を感熱手段に利用しながら、フラックスを使用しない保護素子を実現することができ、有機材料であるフラックスが使用できる限界温度に左右されることがないので、可溶体を感温体に使用した保護素子の実用温度域を高温側に拡張できる。さらに、可動導体をフラットな構造にして簡素化を図り、可動導体とリード端子の平坦面を互いに重ね合わせて接合することで、保護素子の内部抵抗をリード材料並みに低減させることができる。これにより従来では抵抗値が高いため、自己発熱を起こし使用することができなかった金属や合金材料などを感熱体として使用でき、感熱材料の選択範囲を広げることができる。また、可動導体とリード端子の電気接続に接点材を使用していないため、高い定格電流で使用してもアーク放電によって接点同士が溶着する心配がない。
また、可動導体に熱結合させた発熱素子を組み込むことで、保護素子に接続した制御回路から発熱素子に通電させて強制的に動作させることができる。特に発熱素子としてPTCを使用した場合には、PTC素子が有するサーモスイッチ作用でヒータ部の自己過熱を自律的に抑制することもでき、万一、所定の動作温度で可動導体が回路遮断に失敗した場合でも、保護素子の発熱素子部の異常昇温を防止することができる。
本発明に係る実施例1の保護素子について、図1(a)は部分断面を示す平面図、図1(b)は図1(a)のA−Aに沿った断面を示す正面図、および図1(c)は下面図である。 図1に示す保護素子の動作後の正面断面図である。 本発明に係る実施例2の保護素子について、図3(a)は部分断面を示す平面図、図3(b)は図3(a)のA−Aに沿った断面を示す正面図、および図3(c)は下面図である。 本発明に係る実施例2の変形例を示す保護素子について、図4(a)は部分断面を示す平面図、および図4(b)は図4(a)のA−Aに沿った断面を示す正面図である。
本発明に係る保護素子は、セラミックスまたは耐熱プラスチックからなる絶縁台座に設けたスプリング装入孔に、耐熱性の弾性体を装入し、スプリング装入孔の両側に一対のリード端子を配置し、さらに弾性体の上部に可動導体を橋渡しして、弾性体を押圧しながら、両リード端子と可動導体とを可溶体で接合固着して上部をセラミックスまたは耐熱プラスチックからなる絶縁カバーで覆って、一体に組み立てた保護素子である。
上述の保護素子に用いられる可溶体には、特に可溶性金属材料が好適であるが、可溶性金属材料に換えて熱可塑性プラスチックを用いることもできる。弾性体には特にコイルばねが好適であるが、小型化薄型化が要求される場合には、厚さ方向の寸法を低減するためコイルばねに代えて、板ばね、皿ばねおよびリングスパン等のばねのほか、角柱状、板状、円柱状、円盤状、円筒状、リング状に成形された耐熱エラストマースプリングを使用することもできる。耐熱エラストマースプリングには、例えばウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、パーフルオロエラストマー等の材料が使用できる。
本発明に係る別形態の保護素子は、セラミックスまたは耐熱プラスチックからなる絶縁台座に設けたスプリング装入孔に、導電板と耐熱性の弾性体とを装入し、絶縁台座の下部に、第3リード端子を装着して、導電板と第3リード端子とを接続させ、さらに、スプリング装入孔の両側に配置した第1リード端子と、第2リード端子と、弾性体の上部に、抵抗素子またはPTC素子からなる発熱素子を接続した可動導体を橋渡しして、可動導体の発熱素子面で弾性体を押圧しながら、第1リード端子と、第2リード端子と、可動導体とを、可溶体で接合することによって、弾性体を付勢固着したヒューズ動作部を形成し、このヒューズ動作部の上部をセラミックスまたは耐熱プラスチックからなる絶縁カバーで覆って、絶縁カバーと、第2リード端子と、第3リード端子と、絶縁台座に設けた貫通孔にリベットを挿通して鋲着し一体に組み立てた保護素子である。前記導通板は、第3のリード端子上に直接弾性体を配置することで、第3のリード端子自体に導通板の機能を兼ねさせることができ、その場合は導通板を省略することもできる。
前述した別形態の保護素子に用いられる可溶体には可溶性金属材料が好適であるが、熱可塑性プラスチックを用いることもできる。弾性体には、コイルばねが好適であるが、特に小型化薄型化が要求される場合には、厚さ方向の寸法を低減するためコイルばねに代えて、板ばね、皿ばねおよびリングスパン等のばねを使用することもできる。
本発明の保護素子は、何れも可動導体にリード接続のためのくぼみや長尺の電極ピンを設ける必要がなく、周辺部品が可動導体の動作を妨げないように簡素化した構造となっており、振動環境下でも部品同士の引っ掛りによる動作不良が発生しないようにしている。
また、本発明の保護素子は、リベット工法により迅速かつ確実に組み立てることができるようにするため、絶縁台座に部品を投入した際、各部品が所定の位置に収まるよう部品形状に工夫を施している。図1および図3に示すように、絶縁台座107、307のリード装着面には、各リード端子と導電板315の貫通孔に対応したアライメント突起311を設けてあり、これによりリード端子の位置決め取り付けを容易としたほか、スプリング装入孔105、305の内部にもスプリング内径に対応する突起部112を設けて、コイルばねの装入が円滑にできるようにしている。また絶縁カバー108、308には、第1、第2リード端子のインナー幅に合致するガイドスカート117、317を設け、さらに図3に示す保護素子20では、絶縁台座307に、第3リード端子309の切り欠き幅に合致する取付け溝316を設けて各リード端子の据付を容易にしてある。また、組立後各リード端子がリベットを中心にして回転揺動しないように、リード端子のつめ部端面113、313がガイドスカート117、317側面と接する構造としている。
本発明の保護素子10および保護素子20に用いられる絶縁台座材料および絶縁カバー材料には、セラミックスまたは液晶ポリマーなどの耐熱プラスチックが使用でき、絶縁台座に耐熱プラスチックを用いた場合には、絶縁台座と、リード端子とをプラスチック射出成形により一体成形することもできる。プラスチック射出成形を利用した変形例の保護素子30を図4に示す。保護素子30は、絶縁台座407をリード端子と一体成形し、絶縁カバー408をラッチ止めで固定した構造となっている。なお、前記ラッチ部は該当部分のプラスチックを溶かして絶縁台座と絶縁カバーを溶着固定させることもできる。
本発明の保護素子の構成は、前述の通り封止樹脂を用いることなく、簡単なリベット組立工法またはラッチ組立工法で、特に熟練を要さず誰でも迅速かつ確実に組立作業を行うことができる。この結果、保護素子の組立工程の大幅な時間短縮と歩留りを改善することができる。
本発明の保護素子10は、図2に示すように設置環境が異常により温度上昇した場合、可溶体が固有の溶融温度に達すれば、圧縮ばねの付勢作用により動作する。さらに加えて保護素子20では、制御回路の異常検知によって内蔵の発熱素子314に通電し、可動導体303を強制加熱することで可溶体304を溶融させ、圧縮ばねの付勢力によって可動導体を動かして回路を遮断することもできる。
本発明の保護素子に内蔵する発熱素子は、抵抗素子やPTC素子を用いることができ、第1リード端子から導電体であるコイルばね306を介して発熱素子に通電することでヒータ付き温度ヒューズの機能を具備させることができる。発熱素子への通電を確実とする目的で、導電板315とコイルばねの間およびコイルばねと発熱素子314の間に導電性接着剤や導電性塗料等の導電材料を塗布することができる。
本発明の保護素子の可溶体として、各種のはんだ材、ろう材、低融点の金属単体など可溶性金属材が好適に使用される。可溶体に可溶性金属材を使用した場合には、動作時に飛散した金属酸化物の皮膜片が、可動導体とリード端子間に付着して短絡することを抑制するため、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、可溶体で封入された少量のフラックスを補助的に用いてもよい。
実施例1の保護素子10は、図1に示されるように、ステアタイト製絶縁台座107に設けたスプリング装入孔105に、SUS製コイルばね106を装入し、装入孔105の両側に一対の錫めっき銅製リード端子101、102を配置し、さらにコイルばね106の上部に錫めっき銅製可動導体103を橋渡しして、コイルばね106を押圧しながら、リード端子101、102と可動導体103とを可溶体のはんだ合金104で接合することによって、コイルばね106を付勢固着したヒューズ動作部を形成し、このヒューズ動作部の上部を液晶ポリマー製絶縁カバー108で覆って、絶縁カバー108と、リード端子101、102と、絶縁台座107とにそれぞれ設けた貫通孔にアルミリベット110を挿通し鋲着した保護素子である。この保護素子の外寸はリード端子を含めて長さ50mm、幅11mm、厚さ7mmであり、相当する従来の高電流回路保護用のカートリッジ型バッテリー電流ヒューズと比較し、より小型となっている。
実施例2の保護素子20は、図3に示されるように、ステアタイト製絶縁台座307に設けたスプリング装入孔305に、錫めっき銅製の導電板315とSUS製コイルばね306とを装入し、絶縁台座307の下部に設けたリード取付け溝316に、錫めっき銅製の第3リード端子309を装着して、第3リード端子309と、絶縁台座307と、導電板315とに設けた貫通孔にアルミリベット310を挿通して鋲着し、さらに、スプリング装入孔305の両側に錫めっき銅製第1リード端子301と、錫めっき銅製第2リード端子302とを配置して、コイルばね306の上部に、セラミックス焼結抵抗体からなる発熱素子314を接続した錫めっき銅製可動導体303を橋渡しして、可動導体303の発熱素子面でコイルばね306を押圧しながら、第1リード端子301と、第2リード端子302と、可動導体303とを可溶体のはんだ合金304で接合することによって、コイルばね306を付勢固着したヒューズ動作部を形成し、このヒューズ動作部の上部を液晶ポリマー製絶縁カバー308で覆って、絶縁カバー308と、第1リード端子301と、第2リード端子302と、絶縁台座307とに設けた貫通孔にアルミリベット310を挿通し鋲着して一体に組み立てた保護素子である。
実施例2の変形例である実施例3の保護素子30は、図4に示されるように、錫めっき銅製の第1リード端子401、第2リード端子402および第3リード端子409の各リード端子を、プラスチック射出成形により液晶ポリマー製絶縁台座407と一体成形している。絶縁台座407に設けたスプリング装入孔405に、SUS製コイルばね406を装入し、スプリング装入孔405の上部両側に配置された第1リード端子401と、第2リード端子402と、コイルばね406との上部に、セラミックス焼結抵抗体からなる発熱素子414を接続した錫めっき銅製可動導体403を橋渡しして、可動導体403の発熱素子面でコイルばね406を押圧しながら、第1リード端子401と、第2リード端子402と、可動導体403とを可溶体のはんだ合金404で接合することによって、コイルばね406を付勢固着したヒューズ動作部を形成し、このヒューズ動作部の上部を液晶ポリマー製絶縁カバー408で覆って、絶縁台座407と、液晶ポリマー製絶縁カバー408とをラッチ部418で固定し、ラッチ部のプラスチックを部分溶解させて絶縁台座407と絶縁カバー408とを溶着固定させている。なお、保護素子30では、第3リード端子409の一端が導電板を兼ねているため、保護素子20の導電板を省略でき、ラッチ止めのためリベットを用いていない。
Figure 2011181362
実施例1〜3の保護素子について、第1リード端子、第2リード端子間の内部抵抗値を四端子法で測定した結果を表1に示す。実施例1〜3の全数が、1mΩ以下の極めて小さい内部抵抗値を示しており、通電による自己発熱を抑えることができるものとなっている。
Figure 2011181362
次に実施例1〜3の保護素子を、溶断温度より20℃低い温度に調節したオーブンに入れ、0.5℃/分の昇温速度で昇温し動作させる方法により動作試験を行なった結果、220℃の溶融温度を有するはんだ合金を用いた実施例1では219±1℃の範囲で、137℃の溶融温度を有するはんだ合金を用いた実施例2および実施例3では、137±1℃の範囲で、全数動作し、動作後の第1リード端子、第2リード端子間の絶縁抵抗値も全数10MΩ以上の良好な値を示した。
Figure 2011181362
さらに実施例1〜3の保護素子について通電条件での動作確認を行った。電池電源を想定したパワーラインに、実施例1〜3の保護素子の第1リード端子と第2リード端子を接続し、DC80V/60Aを通電させながら、オーブン中で0.5℃/分の昇温速度で昇温して動作させたが、保護素子の外観に異常は見られず全数正常に動作し、動作後の第1リード端子、第2リード端子間の絶縁抵抗値も全数10MΩ以上の良好な値を示した。
発熱素子を内蔵した実施例2および実施例3の保護素子について、発熱素子に通電して可動導体を強制加熱したとき正常に動作するかどうか確認した。実施例2および実施例3の保護素子について、保護素子の第2リード端子と第3リード端子にDC50Vを室温で印可し動作するまでの時間を計測した。実施例2および実施例3の保護素子は、外観に異常無く全数正常に動作し、動作時間は、表4に示すように全数2秒以下の極めて短時間で動作し良好な応答性を示した。動作後の第1リード端子、第2リード端子間の絶縁抵抗値も全数10MΩ以上であった。なお、実施例では、発熱素子の抵抗値を100Ωのものを使用したが、抵抗値は必要に応じて変更することができる。
Figure 2011181362
本発明は、高電流、耐高温が要求される保護素子に有効である。また、特に車載や家庭用の大型2次電池などの保護素子に有効である。
101,301,401,501・・・第1リード端子、
102,302,402,502・・・第2リード端子、
103,203,303,403,503・・・可動導体、
104,304,404,504・・・可溶体、
204・・・動作後の可溶体、
105,305,405,505・・・スプリング装入孔、
106,206,306,406・・・弾性体(スプリング、コイルばね)、
107,307,407・・・絶縁台座、
108,308,408・・・絶縁カバー、
309,409・・・第3リード端子、
110,310・・・リベット、 111,311・・・アライメント突起、
112,312・・・突起部、
113,313・・・つめ部端面、 314,414・・・発熱素子、
315・・・導電板、 316・・・リード取付け溝、
117,317・・・ガイドスカート、 418・・・ラッチ部。

Claims (7)

  1. 弾性体で付勢した可動導体と、一対のリード端子と、前記可動導体と前記リード端子とを接合して前記可動導体を固着する可溶体と、これらを収納する絶縁ケースとを有し、前記可溶体の溶融温度で前記接合が溶融することで、前記弾性体の付勢力で前記可動導体を動かして回路を遮断する温度ヒューズであって、前記可動導体と前記リード端子の表面が平坦であることを特徴とする保護素子。
  2. 前記弾性体は、コイルばね、板ばね、皿ばね、リングスパンからなるばね材、および、耐熱エラストマースプリングの群から選ばれる少なくとも1つのスプリングであることを特徴とする請求項1に記載の保護素子。
  3. 前記可動導体に熱結合させた発熱素子と、前記発熱素子に通電するための第3のリード端子を、同一の絶縁ケース内に具備したことを特徴とする請求項1に記載の保護素子。
  4. 前記発熱素子は、抵抗素子またはPTCサーミスタを使用したことを特徴とする請求項3に記載の保護素子。
  5. 前記弾性体は、導電性ばね材であることを特徴とする請求項3に記載の保護素子。
  6. 前記絶縁ケースは絶縁台座と絶縁カバーとからなり、前記絶縁台座のリード端子取り付け部と、前記絶縁台座のばね取り付け部とに、位置決めのための突起部またはアライメント突起を設け、さらに前記絶縁カバー側面にリード端子を固定するためのガイドスカートを設けたことを特徴とする請求項1または請求項3に記載の保護素子。
  7. 前記絶縁ケースは絶縁台座と絶縁カバーとからなり、前記リード端子と前記絶縁台座と前記絶縁カバーとに貫通孔を設け、前記リード端子と前記絶縁台座および前記絶縁カバー、または前記リード端子と前記絶縁台座とを、前記貫通孔にリベットを挿通し鋲着して一体に組み立てたことを特徴とする請求項1または請求項3に記載の保護素子。
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