JP2011180307A - 着色硬化性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、固体撮像素子、並びに液晶表示装置 - Google Patents

着色硬化性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、固体撮像素子、並びに液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐光性に優れた着色パターンを形成できる着色硬化性組成物を提供する。
【解決手段】フタロシアニン系顔料、ジオキサジン系顔料、染料、重合開始剤、重合性化合物、及び溶剤を含む着色硬化性組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、着色硬化性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、固体撮像素子、並びに液晶表示装置に関する。
液晶表示素子(LCD等)や固体撮像素子(CCD、CMOS等)に用いられるカラーフィルタを作製する方法として、顔料分散法が広く知られている。
顔料分散法は、顔料を種々の感光性組成物に分散させた着色感光性組成物を用いてフォトリソ法によってカラーフィルタを作製する方法である。これは、フォトリソ法によってパターニングするため、位置精度が高く、大画面、高精細のカラーフィルタを作製するのに好適な方法とされている。顔料分散法によりカラーフィルタを作製する場合、ガラス基板上に感光性組成物をスピンコーターやロールコーター等により塗布して塗膜を形成し、該塗膜をパターン露光・現像することによって着色画素が形成され、この操作を各色毎に繰り返し行なうことでカラーフィルタが得られる。
顔料を用いた着色感光性組成物としては、例えば、特許文献1に記載のフタロシアニン系顔料を含有するカラーフィルタ用青色着色組成物が知られている。
顔料を用いたカラーフィルタを設けて液晶表示素子や固体撮像素子等の表示素子を作製する場合、コントラスト向上の点から、より微小な粒子サイズの顔料が求められるようになっている。これは、顔料による光の散乱、複屈折等で偏光軸が回転してしまうとの要因によるものである。顔料の微細化が不充分であると、顔料により光が散乱、吸収され、光透過率が低下し、コントラストが低くなり、更にはパターン露光時の硬化感度が低下してしまう。
特に、固体撮像素子用のカラーフィルタにおいては、近年、更なる高精細化が望まれているため、従来より行なわれている顔料分散系では、解像度を更に向上させることが困難な状況にある。つまり、顔料の粗大粒子の影響で色ムラが発生する等の問題がある。そのため、顔料分散系は、固体撮像素子のような画素サイズが1.5〜3.0μm角となるような微細パターンが要求される用途には適さなかった。
このような状況に対応して、従来から顔料に代えて染料を使用する技術が提案されている。しかしながら、染料は、一般に顔料に比べて耐光性、耐熱性に劣ることが知られており、カラーフィルタの性能の点で問題となることがあった。また、染料は感光性組成物に対する溶解性が低く、液状調製物や塗布膜の状態では経時での安定性が低く、染料が析出してしまうといった問題も有していた。
これらの問題に対して、ジピロメテン系化合物を含む染料とフタロシアニン染料とを併用することで、保存安定性に優れ、耐光性の高いカラーフィルタを形成しうる着色硬化性組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、染料と顔料とを組み合わせた着色硬化性組成物も知られている(例えば、特許文献3参照。)
特開2001−33616号公報 特開2008−292970号公報 米国特許出願公開第2008/0171271号明細書
上記のように、染料を用いた着色硬化性組成物については、用いる染料の選択により、耐光性の高いカラーフィルタを形成しうるといった効果が得られることが知られているものの、カラーフィルタの更なる高精細化や、性能向上のために、これらの効果のより一層の向上が望まれているのが現状である。
そこで、本発明は、上記に鑑みなされたものであり、耐光性の高い着色硬化膜を形成しうる着色硬化性組成物を提供することを目的とし、この目的の達成することを第1の課題とする。
また、耐光性に優れたカラーフィルタと該カラーフィルタの製造方法、及び該カラーフィルタを備えた固体撮像素子及び液晶表示装置を提供することを目的とし、この目的を達成することを第2の課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> フタロシアニン系顔料、ジオキサジン系顔料、染料、重合開始剤、重合性化合物、及び溶剤を含む着色硬化性組成物。
<2> 前記染料が、下記一般式(I)で表される化合物と金属原子又は金属化合物とを含む錯体である<1>に記載の着色硬化性組成物。

〔一般式(I)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。〕
<3> 前記ジオキサジン顔料が、C.I.ピグメントバイオレット23である<1>又は<2>に記載の着色硬化性組成物。
<4> 前記ジオキサジン系顔料と前記染料との質量比〔ジオキサジン系顔料/染料〕が、0.05〜1.50である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
<5> 前記錯体が、下記一般式(2)で表される化合物である<2>〜<4>のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
〔一般式(2)中、R〜Rは各々独立に、水素原子又は置換基を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R10及びR11は、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アニリノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。但し、R〜R、R10、R11のいずれかの置換基が2価の連結基となって−L−又は−L−と結合しているか、R〜R、R10、R11のいずれかの置換基が単結合となって、−L−又は−L−が直接ジピロメテン骨格に置換している。Maは、金属又は金属化合物を表す。Xは、Maの電荷の中和に必要な基を表し、rは0又は1を表す。X、Xは各々独立に、NR(Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を表す)、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Y及びYは各々独立に、NR(Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を表す)、又は酸素原子を表し、R10とYは、互いに結合して、5員、6員又は7員の環を形成していてもよく、R11とYとが互いに結合して5員、6員又は7員の環を形成していてもよい。Mは、水素原子、−CO の電荷を中和するのに必要な有機塩基若しくは金属原子、又は単なるアニオン(即ちCOMはCO を表す)を表し、Lは、単結合又は(m+1)価の連結基を表す。mは1、2又は3を表し、pは1又は2を表す。Rは水素原子又はメチル基を表し、Qは酸素原子又はNR(Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を表す)を表す。Lは単結合又は(n+1)価の連結基を表し、nは1、2又は3を表し、qは1又は2を表す。pが2のとき、複数の{(L)−(COM)}は同一でも異なっていてもよい。qが2のとき、複数の{(L)−(Q−COC(R)=CH}は同一でも異なっていてもよい。mが2又は3のとき、複数の(COM)は同一でも異なっていてもよい。nが2又は3のとき、複数の(Q−COC(R)=CH)は同一でも異なっていてもよい。
<6> 前記一般式(2)におけるMaが、Fe、Zn、Co、V=O、又はCuである<5>に記載の着色硬化性組成物。
<7> 前記一般式(2)におけるMaが、Znである<5>又は<6>に記載の着色硬化性組成物。
<8> 前記重合開始剤が、オキシム系光重合開始剤である<1>〜<7>のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
<9> 支持体上に、<1>〜<8>のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する工程(A)と、
該工程(A)にて形成された着色硬化性組成物層を、マスクを介して露光した後、現像して着色パターンを形成する工程(B)と、
を有するカラーフィルタの製造方法。
<10> <9>に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタ。
<11> <10>に記載のカラーフィルタを備えた固体撮像素子。
<12> <10>に記載のカラーフィルタを備えた液晶表示装置。
本発明によれば、耐光性の高い着色硬化膜を形成しうる着色硬化性組成物を提供することができる。
本発明によれば、耐光性に優れたカラーフィルタ及びその製造方法、及び該カラーフィルタを備えた固体撮像素子及び液晶表示装置を提供することができる。
≪着色硬化性組成物≫
まず、本発明の着色硬化性組成物について説明する。
本発明の着色硬化性組成物は、フタロシアニン系顔料、ジオキサジン系顔料、染料、重合開始剤、重合性化合物、及び溶剤を含む。
青色や緑色の着色硬化膜(特に青色の着色硬化膜)として好ましい分光特性を得るためには、着色硬化性組成物中における着色剤として、フタロシアニン系顔料と染料とを併用することが効果的である。しかしながら、染料は照射された光によって分解されやすいため、一般的には、染料を含有する着色硬化性組成物は耐光性に劣る傾向がある。
そこで、本発明者等は鋭意検討の結果、着色硬化性組成物中における着色剤として、フタロシアニン系顔料及び染料に加えてジオキサジン系顔料を用いることにより、染料の分解を抑制でき、ひいては青色硬化膜としたときの耐光性を向上できるとの知見を得、この知見に基づき本発明を完成した。
従って本発明の着色硬化性組成物によれば、着色硬化膜としたときの耐光性が向上する。
このような効果が得られる理由は、染料を分解する光をジオキサジン系顔料が吸収することにより、染料の分解が抑制されるためと推測される。但し、本発明はこの推測によって限定されることはない。
以下、本発明の着色硬化性組成物の各成分について説明する。
<フタロシアニン系顔料>
本発明の着色硬化性組成物は、フタロシアニン系顔料を含む。
本発明に用いるフタロシアニン系顔料としては、フタロシアニン骨格を有する顔料であれば特に制限されるものではない。また、フタロシアニン系顔料に含まれる中心金属としては、フタロシアニン骨格を構成できる金属であればよく、特に限定されない。その中でも、中心金属としては、マグネシウム、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウムが好ましく用いられる。
本発明におけるフタロシアニン系顔料として、具体的には、C.I.ピグメントブルー15,C.I.ピグメントブルー15:1,C.I.ピグメントブルー15:2,C.I.ピグメントブルー15:3,C.I.ピグメントブルー15:4,C.I.ピグメントブルー15:5,C.I.ピグメントブルー15:6,C.I.ピグメントブルー16,C.I.ピグメントブルー17:1,C.I.ピグメントブルー75,C.I.ピグメントブルー79、C.I.ピグメントグリーン7,C.I.ピグメントグリーン36,C.I.ピグメントグリーン37、クロロアルミニウムフタロシアニン、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン、アルミニウムフタロシアニンオキシド、亜鉛フタロシアニンが挙げられる。中でも、耐光性と着色力との点から、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:6、ピグメントブルー15:1,C.I.ピグメントブルー15:2が好ましく、特に、C.I.ピグメントブルー15:6が好ましい。
本発明におけるフタロシアニン系顔料の着色硬化性組成物中における含有量は、カラーフィルタの色相の調整の観点より、着色硬化性組成物の全固形分成分に対して、5質量%〜60質量%が好ましく、10質量%〜60質量%がより好ましく、35質量%〜50質量%が最も好ましい。
<ジオキサジン系顔料>
本発明の着色硬化性組成物は、ジオキサジン系顔料を含む。
ジオキサジン系顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット37が挙げられ、中でも、C.I.ピグメントバイオレット23が好ましい。
本発明におけるジオキサジン系顔料の着色硬化性組成物中における含有量は、着色硬化性組成物の全固形分成分に対して、0.1質量%〜40質量%が好ましく、0.1質量%〜20質量%がより好ましく、0.3質量%〜10質量%が特に好ましい。
前記含有量が0.1質量%以上であると、より効果的に、耐光性の向上を図ることができる。
前記含有量が40質量%以下であると、より効果的に、色相の調整を図ることができる。
また、本発明の着色硬化性組成物中におけるジオキサジン系顔料と後述する染料との質量比〔ジオキサジン系顔料/染料〕は、0.01〜2.00が好ましく、0.05〜1.50がより好ましく、0.35〜0.80が特に好ましい。
質量比〔ジオキサジン系顔料/染料〕が0.01以上であると、より効果的に、耐光性の向上を図ることができる。
質量比〔ジオキサジン系顔料/染料〕が2.00以下であると、より効果的に、色相の調整を図ることができる。
<染料>
本発明の着色硬化性組成物は染料を含む。
染料としては特に限定はなく、従来カラーフィルタ用として公知の染料を使用できる。例えば特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許4808501号明細書、米国特許5667920号明細書、米国特許505950号明細書、米国特許5667920号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に開示されている色素を使用できる。化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系等の染料を使用できる。
中でも、吸収波長がジオキサジン系顔料に近いという観点から、下記一般式(I)で表される化合物と金属原子又は金属化合物とを含む錯体(以下、適宜、「特定錯体」と称する。)が好ましい。
(ジピロメテン系化合物)
まず、特定錯体を構成する一般式(I)で表される化合物(ジピロメテン系化合物)について説明する。

上記一般式(I)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
一般式(I)においてR〜Rで表される置換基は、以下に示されるような1価の基(以下、列記した一価の基の群を「置換基R」と総称する場合がある。)が挙げられる。
即ち、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24の、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜18のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリール基で、例えば、フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基)、シリル基(好ましくは炭素数3〜38、より好ましくは炭素数3〜18のシリル基で、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリブチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ヘキシルジメチルシリル基)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルコキシ基で、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、ドデシルオキシ基、また、シクロアルキルオキシ基であれば、例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環オキシ基で、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ドデカノイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルオキシ基で、例えば、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、また、シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基であれば、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜48、よりこの好ましくは炭素数1〜24のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N−ブチルカルバモイルオキシ基、N−フェニルカルバモイルオキシ基、N−エチル−N−フェニルカルバモイルオキシ基)、スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジエチルスルファモイルオキシ基、N−プロピルスルファモイルオキシ基)、アルキルスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜38、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニルオキシ基で、例えば、メチルスルホニルオキシ基、ヘキサデシルスルホニルオキシ基、シクロヘキシルスルホニルオキシ基)、
アリールスルホニルオキシ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニルオキシ基で、例えば、フェニルスルホニルオキシ基)、アシル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアシル基で、例えば、ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、テトラデカノイル基、シクロヘキサノイル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のカルバモイル基で、例えば、カルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−エチル−N−オクチルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−メチルN−フェニルカルバモイル基、N,N−ジシクロへキシルカルバモイル基)、アミノ基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のアミノ基で、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、テトラデシルアミノ基、2−エチルへキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基)、アニリノ基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは6〜24のアニリノ基で、例えば、アニリノ基、N−メチルアニリノ基)、ヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは1〜18のヘテロ環アミノ基で、例えば、4−ピリジルアミノ基)、カルボンアミド基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは2〜24のカルボンアミド基で、例えば、アセトアミド基、ベンズアミド基、テトラデカンアミド基、ピバロイルアミド基、シクロヘキサンアミド基)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のウレイド基で、例えば、ウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基、N−フェニルウレイド基)、イミド基(好ましくは炭素数36以下、より好ましくは炭素数24以下のイミド基で、例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜48、より好ましくは炭素数2〜24のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜32、より好ましくは炭素数7〜24のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルホンアミド基で、例えば、メタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、ヘキサデカンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のスルファモイルアミノ基で、例えば、N、N−ジプロピルスルファモイルアミノ基、N−エチル−N−ドデシルスルファモイルアミノ基)、アゾ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のアゾ基で、例えば、フェニルアゾ基、3−ピラゾリルアゾ基)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルチオ基で、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、オクチルチオ基、シクロヘキシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜18のヘテロ環チオ基で、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、2−ピリジルチオ基、1−フェニルテトラゾリルチオ基)、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルフィニル基で、例えば、ドデカンスルフィニル基)、アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルフィニル基で、例えば、フェニルスルフィニル基)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜48、より好ましくは炭素数1〜24のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ヘキサデシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜48、より好ましくは炭素数6〜24のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数32以下、より好ましくは炭素数24以下のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル基、N,N−ジプロピルスルファモイル基、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル基、N−エチル−N−フェニルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基)、スルホ基、ホスホニル基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスホニル基で、例えば、フェノキシホスホニル基、オクチルオキシホスホニル基、フェニルホスホニル基)、ホスフィノイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜24のホスフィノイルアミノ基で、例えば、ジエトキシホスフィノイルアミノ基、ジオクチルオキシホスフィノイルアミノ基)である。
上述した1価の基が更に置換可能な基である場合には、上述した各基のいずれかによって更に置換されていてもよい。なお、2個以上の置換基を有している場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(I)において、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、各々独立に、互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。なお、形成される環としては、飽和環、又は不飽和環がある。この5員、6員、又は7員の飽和環、又は不飽和環としては、例えば、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピロリジン環、ピペリジン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環が挙げられ、好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環が挙げられる。
なお、形成される5員、6員、及び7員の環が、更に置換可能な基である場合には、前記置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
また、一般式(I)において、Rがハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基である場合、これらの好ましい範囲は、前述のR〜Rとしてのハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基の好ましい範囲と同様である。
一般式(I)において、前記R及びRとしては、上記の中でも、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基が好ましく、カルボンアミド基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基がより好ましく、カルボンアミド基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基が更に好ましく、カルボンアミド基、ウレイド基が特に好ましい。
一般式(I)において、前記R及びRとしては、上記の中でも、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基が好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基がより好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトリル基、イミド基、カルバモイルスルホニル基が更に好ましく、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基が特に好ましい。
一般式(I)において、前記R及びRとしては、上記の中でも、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のヘテロ環基が好ましく、更に好ましくは置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基である。
一般式(I)において、R及びRがアルキル基を表す場合の、該アルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、又は環状の置換又は無置換のアルキル基であり、より具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及び、ベンジル基が挙げられ、より好ましくは炭素数1〜12の分岐鎖、又は環状の置換又は無置換のアルキル基であり、より具体的には、例えば、イソプロピル基、シクロプロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられ、更に好ましくは、炭素数1〜12の2級又は3級の置換又は無置換のアルキル基であり、より具体的には、例えば、イソプロピル基、シクロプロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
一般式(I)において、R及びRがアリール基を表す場合の、該アリール基としては、好ましくは、置換又は無置換のフェニル基、置換又は無置換のナフチル基が挙げられ、より好ましくは置換又は無置換のフェニル基である。
及びRがヘテロ環基を表す場合の、該ヘテロ環基としては、好ましくは、置換又は無置換の2−チエニル基、置換又は無置換の4−ピリジル基、置換又は無置換の3−ピリジル基、置換又は無置換の2−ピリジル基、置換又は無置換の2−フリル基、置換又は無置換の2−ピリミジニル基、置換又は無置換の2−ベンゾチアゾリル基、置換又は無置換の1−イミダゾリル基、置換又は無置換の1−ピラゾリル基、置換又は無置換のベンゾトリアゾール−1−イル基が挙げられ、より好ましくは置換又は無置換の2−チエニル基、置換又は無置換の4−ピリジル基、置換又は無置換の2−フリル基、置換又は無置換の2−ピリミジニル基、置換又は無置換の1−ピリジル基が挙げられる。
−金属原子又は金属化合物−
次に、特定錯体を構成する金属原子又は金属化合物について説明する。
ここで用いられる金属又は金属化合物としては、錯体を形成可能な金属原子又は金属化合物であればいずれであってもよく、2価の金属原子、2価の金属酸化物、2価の金属水酸化物、又は2価の金属塩化物が含まれる。例えば、Zn、Mg、Si、Sn、Rh、Pt、Pd、Mo、Mn、Pb、Cu、Ni、Co、Fe等の他に、AlCl、InCl、FeCl、TiCl、SnCl、SiCl、GeClなどの金属塩化物、TiO、VO等の金属酸化物、Si(OH)等の金属水酸化物も含まれる。
これらの中でも、錯体の安定性、分光特性、耐熱、耐光性、及び製造適性等の観点から、Fe、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Mo、Mn、Cu、Ni、Co、TiO、又はVOが好ましく、Fe、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Cu、Ni、Co、又はVOが更に好ましく、Fe、Zn、Cu、Co、又はVO(V=O)が最も好ましい。
一般式(I)で表される化合物と金属原子又は金属化合物とを含む錯体において好ましい態様の一例を以下に示す。
即ち、一般式(I)中、R及びRが、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シリル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はホスフィノイルアミノ基で表され、R及びRが、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表され、R及びRが、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シリル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アニリノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、又はホスフィノイルアミノ基で表され、Rが、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基で表され、金属原子又は金属化合物が、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Mo、Mn、Cu、Ni、Co、TiO、又はVOで表される態様が挙げられる。
一般式(I)で表される化合物と金属原子又は金属化合物とを含む錯体においてより好ましい態様を以下に示す。
即ち、一般式(I)中、R及びRが、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はホスフィノイルアミノ基で表され、R及びRが、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表され、R及びRが、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモイル基で表され、Rが、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基で表され、金属原子又は金属化合物が、Zn、Mg、Si、Pt、Pd、Cu、Ni、Co、又はVOで表される態様が挙げられる。
一般式(I)で表される化合物と金属原子又は金属化合物とを含む錯体において特に好ましい態様を以下に示す。
即ち、一般式(I)中、R及びRが、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、ウレイド基、イミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、アゾ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はホスフィノイルアミノ基で表され、R及びRが、各々独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基で表され、R及びRが、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基で表され、Rが、水素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基で表され、金属原子又は金属化合物が、Zn、Cu、Co、又はVOで表される態様が挙げられる。
特に、一般式(I)において、R及びRがそれぞれフェニル基であることが、堅牢性に優れる点から、好ましい。この理由としては、(1)R及びRがそれぞれフェニル基であることで、この化合物の分光が長波長化し、併用するフタロシアニン系顔料との分光と重なり(550nm付近)が大きくなり、エネルギー移動がし易くなるため、(2)立体的に嵩高い置換基の存在によりこの化合物自身の堅牢性が高まるため、と考えられる。
また、一般式(I)において、R及び/又はRが、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基であることが、溶剤溶解性に優れる点から、好ましい。
(一般式(II−1)で表される化合物)
本発明における特定錯体としては、下記一般式(II−1)で表される化合物であることが好ましい例の1つである。

上記一般式(II−1)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子、又は金属化合物を表し、Xは、Maの電荷を中和するために必要な基を表し、Xは、Maに結合可能な基を表す。なお、XとXとは互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。
一般式(II−1)中のR〜Rは、一般式(I)中のR〜Rと同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(II−1)中のMaは、金属原子又は金属化合物を表し、前述した特定錯体を構成する金属原子又は金属化合物と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
一般式(II−1)中のRは、一般式(I)中のRと同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(II−1)におけるXは、Maに結合可能な基であればいずれであってもよく、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール)等、更に「金属キレート」[1]坂口武一・上野景平著(1995年 南江堂)、同[2](1996年)、同[3](1997年)等、に記載の化合物に由来する基が挙げられる。中でも、製造の点で、水、カルボン酸化合物、アルコール類が好ましく、水、カルボン酸化合物がより好ましい。
一般式(II−1)に置けるXは、Maの電荷を中和するために必要な基を表し、例えば、ハロゲン原子、水酸基、カルボン酸基、燐酸基、スルホン酸基等が挙げられ、中でも、製造の点で、ハロゲン原子、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基が好ましく、水酸基、カルボン酸基がより好ましい。
一般式(II−1)におけるXとXとは互いに結合してMaと共に5員、6員、又は7員の環を形成してもよい。形成される5員、6員、及び7員の環は、飽和環であっても不飽和環であってもよい。また、5員、6員、及び7員の環は、炭素原子及び水素原子のみで構成されていてもよいし、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選ばれる原子を少なくとも1個有するヘテロ環であってもよい。
(一般式(II−2)で表される化合物)
本発明における特定錯体としては、下記一般式(II−2)で表される化合物であることが好ましい例の1つである。

上記一般式(II−2)中、R〜R、及びR〜R13は、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。R、及びR14は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子、又は金属化合物を表す。
一般式(II−2)中のR〜Rは、一般式(I)中のR〜Rと同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(II−2)中のR〜R13で表される置換基は、一般式(I)で表される化合物のR〜Rで表される置換基と同義であり、その好ましい態様も同様である。一般式(II−2)で表される化合物のR〜R13で表される置換基が更に置換可能な基である場合には、前述した置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(II−2)中のRは、一般式(I)中のRと同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(II−2)中のR14は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R14の好ましい範囲は、前記Rの好ましい範囲と同様である。R14が更に置換可能な基である場合には、前述した置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(II−2)中のMaは、金属又は金属化合物を表し、前述した特定錯体を構成する金属原子又は金属化合物と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
一般式(II−2)中のRとR、RとR10、R11とR12、R12とR13は、各々独立に、互いに結合して5員、6員、又は7員の飽和環、或いは不飽和環を形成していてもよい。形成される飽和環、又は不飽和環としては、RとR、RとR、RとR、及びRとRで形成される飽和環、又は不飽和環と同義であり、好ましい例も同様である。
(一般式(III)で表される化合物)
本発明における特定錯体としては、下記一般式(III)で表される化合物であることが好ましい例の1つである。

上記一般式(III)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。Maは、金属原子、又は金属化合物を表し、Xは、NR(Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表す。)、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Xは、NRa(Raは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Yは、NRc(Rcは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。)、窒素原子、又は炭素原子を表し、Yは、窒素原子、又は炭素原子を表し、R及びRは、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。RとYとは互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよく、RとYとは互いに結合して5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。XはMaと結合可能な基を表し、aは0、1、又は2を表す。
一般式(III)中のR〜R、及びRは、一般式(I)中のR〜R、及びRと同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式(III)中のMaは、金属又は金属化合物を表し、前述した特定錯体を構成する金属原子又は金属化合物と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
一般式(III)中、R及びRは、各々独立に、アルキル基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜12の直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜24、より好ましくは2〜12のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜36、より好ましくは6〜18のアリール基で、例えば、フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜12のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜18のアルコキシ基で、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは1〜18のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基)、アルキルアミノ基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜18のアルキルアミノ基で、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、t−ブチルアミノ基、t−オクチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ基)、アリールアミノ基(好ましくは炭素数6〜36、より好ましくは6〜18のアリールアミノ基で、例えば、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N−エチル−N−フェニルアミノ基)、又はヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜12のヘテロ環アミノ基で、例えば、2−アミノピロール基、3−アミノピラゾール基、2−アミノピリジン基、3−アミノピリジン基)を表す。
一般式(III)中、R及びR表されるアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、又はヘテロ環アミノ基が、更に置換可能な基である場合には、前記置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(III)中、Xは、NR、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Xは、NRa、酸素原子、又は硫黄原子を表し、RとRaはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜36、より好ましくは1〜12の直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基で、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜24、より好ましくは2〜12のアルケニル基で、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜36、より好ましくは6〜18のアリール基で、例えば、フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜12のヘテロ環基で、例えば、2−チエニル基、4−ピリジル基、2−フリル基、2−ピリミジニル基、1−ピリジル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基)、アシル基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは2〜18のアシル基で、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−エチルヘキシル基、ベンゾイル基、シクロヘキサノイル基)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは1〜18のアルキルスルホニル基で、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜24、より好ましくは6〜18のアリールスルホニル基で、例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基)を表す。
前記RとRaのアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基は、更に、前記置換基Rのいずれかで置換されていてもよく、複数の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(III)中、Yは、NRc、窒素原子、又は炭素原子を表し、Yは、窒素原子、又は炭素原子を表し、Rcは、前記XにおけるRと同義である。
一般式(III)中、RとYとが互いに結合して、R、Y、及び炭素原子と共に5員環(例えば、シクロペンタン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、テトラヒドロチオフェン、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン)、6員環(例えば、シクロヘキサン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ペンタメチレンスルフィド、ジチアン、ベンゼン、ピペリジン、ピペラジン、ピリダジン、キノリン、キナゾリン)、又は7員環(例えば、シクロヘプタン、ヘキサメチレンイミン)を形成してもよい。
一般式(III)中、RとYとが互いに結合して、R、Y、及び炭素原子と共に5員、6員、又は7員の環を形成していてもよい。形成される5員、6員、及び7員の環は、前記のRとY及び炭素原子で形成される環中の1個の結合が二重結合に変化した環が挙げられる。
一般式(III)中、RとY、及びRとYが結合して形成される5員、6員、及び7員の環が、更に置換可能な環である場合には、前記置換基Rのいずれかで説明した基で置換されていてもよく、2個以上の置換基で置換されている場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(III)中、XはMaと結合可能な基を表し、前記一般式(II−1)におけるXと同様な基が挙げられる。
aは0、1、又は2を表す。
一般式(III)で表される化合物の好ましい態様を以下に示す。
即ち、R〜R、R、及びMaは、それぞれ、一般式(I)で表される化合物と金属原子又は金属化合物とを含む錯体の好ましい態様であり、XはNR(Rは水素原子、アルキル基)、窒素原子、又は酸素原子であり、XはNRa(Raは水素原子、アルキル基、ヘテロ環基)、又は酸素原子であり、YはNRc(Rcは水素原子、又はアルキル基)、窒素原子、又は炭素原子であり、Yは窒素原子、又は炭素原子であり、Xは酸素原子を介して結合する基であり、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、又はアルキルアミノ基を表すか、RとYとが互いに結合して5員又は6員環を形成し、RとYとが互いに結合して5員、6員環を形成する、aは0又は1で表される態様である。
一般式(III)で表される化合物のより好ましい態様を以下に示す。
即ち、R〜R、R、Maはそれぞれ、一般式(I)で表される化合物と金属原子又は金属化合物とを含む錯体の好ましい態様であり、X及びXは、酸素原子であり、YはNHであり、Yは窒素原子であり、Xは酸素原子を介して結合する基であり、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、又はアルキルアミノ基を表すか、RとYとが互いに結合して5員又は6員環を形成し、RとYとが互いに結合して5員、6員環を形成する、aは0又は1で表される態様である。
以下に、本発明における特定錯体の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。



































本発明における特定錯体のモル吸光係数は、膜厚の観点から、できるだけ高いほうが好ましい。また、最大吸収波長λmaxは、色純度向上の観点から、520nm〜580nmが好ましく、530nm〜570nmが更に好ましい。なお、最大吸収波長、及びモル吸光係数は、分光光度計UV−2400PC(島津製作所社製)により測定されるものである。
本発明における特定錯体の融点は、溶解性の観点から、高すぎない方がよい。
本発明における特定錯体は、米国特許第4,774,339号、同−5,433,896号、特開2001−240761号、同2002−155052号、特許第3614586号、Aust.J.Chem,1965,11,1835−1845、J.H.Boger et al,Heteroatom Chemistry,Vol.1,No.5,389(1990)等に記載の方法で合成することができる。
本発明における特定錯体の合成方法について、具体的には、特開2008−292970号の段落〔0131〕〜〔0157〕に記載の方法を適用することができる。
また、本発明における特定錯体としては、前記一般式(I)で表される化合物におけるR〜Rが、少なくとも下記置換基a(好ましくは下記置換基a及び下記置換基b)で置換された錯体Aであることも好ましい。
置換基a … 末端にエチレン性不飽和結合を有する基(より好ましくは、末端にアクリロイル基又はメタアクリロイル基を有する基)
置換基b … 末端に−COM基(Mは、水素原子、−CO の電荷を中和するのに必要な有機塩基若しくは金属原子、又は単なるアニオン(即ちCOMはCO を表す))を有する基
また、本発明における特定錯体としては、前記一般式(III)で表される化合物におけるR〜R、R、Rが、少なくとも上記置換基a(好ましくは上記置換基a及び上記置換基b)で置換された錯体Bであることも好ましい。
また、本発明における染料としては、上記錯体A又は上記錯体Bを重合させて得られた色素多量体であってもよい。また、上記錯体A又は上記錯体Bと、他のモノマー成分(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、等)と、を共重合させて得られた色素多量体であってもよい。
前記錯体Bとしては、下記一般式(2)で表される化合物が好ましい。
(一般式(2)で表される化合物)
一般式(2)中、R〜Rは各々独立に、水素原子又は置換基を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R10及びR11は、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アニリノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。但し、R〜R、R10、R11のいずれかの置換基が2価の連結基となって−L−又は−L−と結合しているか、R〜R、R10、R11のいずれかの置換基が単結合となって、−L−又は−L−が直接ジピロメテン骨格に置換している。Maは、金属又は金属化合物を表す。Xは、Maの電荷の中和に必要な基を表し、rは0又は1を表す。X、Xは各々独立に、NR(Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を表す)、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Y及びYは各々独立に、NR(Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を表す)、又は酸素原子を表し、R10とYは、互いに結合して、5員、6員又は7員の環を形成していてもよく、R11とYとが互いに結合して5員、6員又は7員の環を形成していてもよい。Mは、水素原子、−CO の電荷を中和するのに必要な有機塩基若しくは金属原子、又は単なるアニオン(即ちCOMはCO を表す)を表し、Lは、単結合又は(m+1)価の連結基を表す。mは1、2又は3を表し、pは1又は2を表す。Rは水素原子又はメチル基を表し、Qは酸素原子又はNR(Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を表す)を表す。Lは単結合又は(n+1)価の連結基を表し、nは1、2又は3を表し、qは1又は2を表す。pが2のとき、複数の{(L)−(COM)}は同一でも異なっていてもよい。qが2のとき、複数の{(L)−(Q−COC(R)=CH}は同一でも異なっていてもよい。mが2又は3のとき、複数の(COM)は同一でも異なっていてもよい。nが2又は3のとき、複数の(Q−COC(R)=CH)は同一でも異なっていてもよい。
一般式(2)で表される化合物は、重合性基とカルボキシル基が同一分子内に導入された構造となっている。
一般式(2)で表される化合物は、重合性基を有することにより着色硬化膜としたときの色移りが抑制され、カルボキシル基を有することによりパターン形成性が向上する。
なお、一般式(2)で表される化合物は互変異性体であってもよい。
一般式(2)中、R〜Rは、一般式(I)におけるR〜Rとそれぞれ同義であり、好適な範囲も同様である。
一般式(2)中、Rは、一般式(I)におけるRと同義であり、好適な範囲も同様である。
一般式(2)中、R10及びR11は、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アニリノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。
これらのなかでも前記R10及びR11としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、又はヘテロ環アミノ基が好ましく、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基がより好ましい。
但し、一般式(2)中、R〜R、R10、R11のいずれかの置換基が2価の連結基となって−L−又は−L−と結合しているか、R〜R、R10、R11のいずれかの置換基が単結合となって、−L−又は−L−が直接ジピロメテン骨格に置換している。
一般式(2)において、−L−が結合する部位は、合成適合性の観点で、R、R、R10及びR11の少なくとも1つであることがより好ましく、R10及びR11の少なくとも1つであることが更に好ましい。
一般式(2)において、−L−が結合する部位は、合成適合性の観点で、R、R、R10及びR11の少なくとも1つであることがより好ましく、R10及びR11の少なくとも1つであることが更に好ましい。
一般式(2)中、Ma、X、rは、それぞれ一般式(III)におけるMa、X、aと同義であり、好適な範囲も同様である。
前記一般式(2)中、Mは、水素原子、−CO の電荷を中和するのに必要な有機塩基若しくは金属原子、又は単なるアニオン(即ちCOMはCO を表す)を表す。
これらの中でも、Mとしては、水素原子又は単なるアニオン(即ちCOMはCO を表す)であることがより好適である。
前記一般式(2)中、Lは、単結合又は(m+1)価の連結基を表す。
で表される(m+1)価の連結基としては、炭素数1〜10のアルキル基(以下、Lの基の例示では、当該基から水素原子が1個〜m個外れた基を意味する。例えば、アルキル基と例示した場合には、2価のアルキレン基(m=1)、3価のアルカントリイル基(m=2)、4価のアルカンテトライル基(m=3)を含むものとする。)、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜10のアルキルチオエーテル基、炭素数6〜12のアリールチオエーテル基、炭素数1〜10のアルキルエーテル基、炭素数6〜12のアリールエーテル基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、炭素数6〜12のアリールアミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミド基、炭素数6〜12のアリールアミド基、炭素数1〜10のアルキルカルバモイル基、炭素数6〜12のアリールカルバモイル基、炭素数1〜10のアルキルスルホンアミド基、炭素数6〜12のアリールスルホンアミド基、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基、炭素数6〜12のアリールスルファモイル基であり、具体的には以下のような例が挙げられる。



としてより好適には、下記連結基のいずれか1つである。

上記連結基中、*は−COOMとの連結位置を表し、**はR〜Rのいずれかの置換基を介して又は直接にジピロメテン骨格と連結する位置を表す。
前記一般式(2)中、mは1、2又は3を表し、好適には、1又は2であり、より好適には、2である。
前記一般式(2)中、pは1又は2を表し、好適には、1である。
前記一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。
前記一般式(2)中、Qは酸素原子又はNR(Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を表す)を表す。
前記一般式(2)中、Lは単結合又は(n+1)価の連結基を表す。
で表される(n+1)価の連結基としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜10のアルキルチオエーテル基、炭素数6〜12のアリールチオエーテル基、炭素数1〜10のアルキルエーテル基、炭素数6〜12のアリールエーテル基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、炭素数6〜12のアリールアミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミド基、炭素数6〜12のアリールアミド基、炭素数1〜10のアルキルカルバモイル基、炭素数6〜12のアリールカルバモイル基、炭素数1〜10のアルキルスルホンアミド基、炭素数6〜12のアリールスルホンアミド基、炭素数1〜10のアルキルスルファモイル基、炭素数6〜12のアリールスルファモイル基であり、具体的には以下のような例が挙げられる。




としてより好適には、下記連結基のいずれか1つである。


上記連結基中、*は−Q−との連結位置を表し、**はR〜Rのいずれかの置換基を介して又は直接にジピロメテン骨格と連結する位置を表す。
前記一般式(2)中、nは1、2又は3を表し、好適には、2又は3であり、より好適には2である。
前記一般式(2)中、qは1又は2を表し、好適には1である。
前記一般式(2)において、pが2のとき、複数の{(L)−(COM)}は同一でも異なっていてもよい。また、qが2のとき、複数の{(L)−(Q−COC(R)=CH}は同一でも異なっていてもよい。mが2又は3のとき、複数の(COM)は同一でも異なっていてもよい。nが2又は3のとき、複数の(Q−COC(R)=CH)は同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(2)において、−(L)−(COM)で表される基としては、好適には、下記置換基である。

上記置換基中、**はR〜Rのいずれかの置換基を介して又は直接にジピロメテン骨格と連結する位置を表す。
前記一般式(2)において、−(L)−(Q−COC(R)=CHで表される基としては、好適には、下記置換基である。







上記置換基中、**はR〜Rのいずれかの置換基を介して又は直接にジピロメテン骨格と連結する位置を表す。
一般式(2)中、X及びXは各々独立に、NR(Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を表す)、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表す。
これらのなかでも前記X及びXとしては、NR(Rは水素原子、アルキル基、又はアルケニル基を表す)、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子が好ましく、NR(Rは水素原子を表す)、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子がより好ましい。
一般式(2)中、Y及びYは各々独立に、NR(Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を表す)、又は酸素原子を表す。
これらのなかでも前記Y及びYとしては、NR(Rは水素原子、アルキル基、又はアルケニル基を表す)又は酸素原子が好ましく、NR(Rは水素原子を表す)又は酸素原子がより好ましい。
一般式(2)中、R10とYは、互いに結合して、5員、6員又は7員の環を形成していてもよく、R11とYとが互いに結合して5員、6員又は7員の環を形成していてもよい。これらの5員、6員又は7員の環としては、上記で説明した環が挙げられる。
前記一般式(2)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、これらの置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
以下に、前記一般式(2)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。

上記例示化合物の中でも、現像性の観点からは、例示化合物a−5〜a−8、a−13〜a−48、b−5〜b−8、b−13〜b−48、c−5〜c−8、c−13〜c−48が好ましく、b−5〜b−8、b−13〜b−48、c−5〜c−8、c−13〜c−48、d−1、d−2、d−3がより好ましい。
これらの色素化合物は、特開2008−292970号公報などに記載の方法に準じて容易に合成することができる。また、後述の実施例における合成例を参照し、原料化合物を選択することにより、同様にして合成することができる。
前記一般式(2)で表される化合物の着色硬化性組成物中における総濃度は、分子量及びモル吸光係数によって異なるが、該組成物の全固形成分に対して、0.5〜80質量%が好ましく、0.5〜70質量%がより好ましく、1〜70質量%が特に好ましい。
以上、本発明における染料について特定錯体(例えば、一般式(II-1)、一般式(II-2)、一般式(III)、又は一般式(2)で表される化合物)を中心に説明したが、本発明における染料としては、前記特定錯体に限定されるものではない。
本発明における染料の着色硬化性組成物中における含有量は、色相の調整の観点より、着色硬化性組成物の全固形分成分に対して、5質量%〜40質量%が好ましく、10質量%〜30質量%がより好ましく、15質量%〜25質量%が特に好ましい。
また、本発明の着色硬化性組成物中におけるフタロシアニン系顔料と染料との質量比〔染料/フタロシアニン系顔料〕は、0.1〜5.0が好ましく、0.5〜3.0がより好ましく、0.7〜1.5が特に好ましい。
質量比〔染料/フタロシアニン系顔料〕が0.1以上であると、より効果的に、色相を調整できる。
質量比〔染料/フタロシアニン系顔料〕が5.0以下であると、より効果的に、耐光性の向上を図ることができる。
本発明の着色硬化性組成物においては、上述したフタロシアニン系顔料、ジオキサジン系顔料、及び染料と、他の構造の色素と、を併用してもよい。他の構造の色素としては、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用途として用いられている公知の色素を使用できる。例えば、特開2002-14220号公報、特開2002-14221号公報、特開2002-14222号公報、特開2002-14223号公報、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、等に記載の色素である。
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の色素が使用できる。
本発明の着色硬化性組成物において、全着色成分(顔料及び染料を含む)中におけるフタロシアニン系顔料、ジオキサジン系顔料、及び染料の含有量合計は、80質量%〜100質量%が好ましく、90質量%〜100質量%がより好ましい。
<重合性化合物>
本発明の着色硬化性組成物は重合性化合物を含有する。
前記重合性化合物としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物を挙げることができる。具体的には、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られているものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの(共)重合体などの化学的形態のいずれであってもよい。本発明における重合性化合物は一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
モノマー及びその(共)重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)やそのエステル類、アミド類、並びにこれらの(共)重合体が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、及び不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類、並びにこれらの(共)重合体である。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物や、単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更に、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
これらの具体的な化合物としては、特開2009−288705号公報の段落番号0095〜段落番号0108に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
また、前記重合性化合物としては、重合性モノマーとして、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物も好ましい。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレート及びこれらの混合物を挙げることができる。
上記のほか、下記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性モノマーも好適に用いることができる。なお、式中、Tがオキシアルキレン基の場合には、炭素原子側の末端がRに結合する。

前記一般式において、nは0〜14であり、mは1〜8である。一分子内に複数ずつ存在するR及びTは、各々同一であっても、異なっていてもよい。
上記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性モノマーの具体例としては、特開2007−269779号公報の段落番号0248〜段落番号0251に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
以上で説明した重合性化合物の着色硬化性組成物中における含有量は、組成物の固形分に対して、5〜90質量%が好ましく、10〜80質量%がさらに好ましく、15〜50質量%が特に好ましい。該含有量が前記範囲内であると、充分な硬化度と未露光部の溶出性とを保持でき、露光部の硬化度を十分に維持することができ、未露光部の溶出性の著しい低下を防ぐことができる。
<重合開始剤>
本発明の着色硬化性組成物は重合開始剤を含有する。
前記重合開始剤は、上述の重合性化合物を重合させ得るものであれば、特に制限はなく、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれるのが好ましい。
重合開始剤としては光重合開始剤が好ましく、前記光重合開始剤としては、例えば、ハロメチルオキサジアゾール化合物及びハロメチル−s−トリアジン化合物から選択される少なくとも1つの活性ハロゲン化合物、3−アリール置換クマリン化合物、ロフィン2量体、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、オキシム系化合物、等が挙げられる。光重合開始剤の具体例については、特開2004−295116号公報の段落〔0070〕〜〔0077〕に記載のものが挙げられる。
中でも、前記重合開始剤としては、重合反応が迅速である点等から、オキシム系化合物(本発明において「オキシム系光重合開始剤」ともいう)が好ましい。
前記オキシム系光重合開始剤としては、特に限定はなく、例えば、特開2000−80068号公報(段落番号0004〜0296)、WO02/100903A1、特開2001−233842号公報、特開2006−342166号公報(段落番号0004〜0264)等に記載のオキシム系化合物が挙げられる。
具体的な例としては、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ペンタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘキサンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘプタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(エチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(ブチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−メチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−プロプル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−ブチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノンなどが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
これらのうち、より少ない露光量で形状(特に、固体撮像素子の場合はパターンの矩形性)の良好なパターンが得られる点で、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン等のオキシム−O−アシル系化合物が特に好ましく、具体的には、例えば、CGI−124、CGI−242(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等が挙げられる。
また、前記重合開始剤としては、特開2007−269779号公報(段落番号0016〜0082)に記載されている、下記一般式(OX−1)で表されるオキシム系光重合開始剤も好ましい。

[式(OX−1)中、R1’は、芳香環またはヘテロ芳香環を含む置換基を表す。Rlaは、下記(A)群から選択される少なくとも1つの置換基を有するアルキル基である。R2aは、アルカノイル基、アルケノイル基、アリーロイル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基、ヘテロ環チオカルボニル基、ヘテロアリールチオカルボニル基、−CO−CO−Rd(Rdは置換基を有しても良い芳香環またはヘテロ芳香環を表す。)を表す。nは1〜6の整数を示す。]
<(A)群>
シアノ基、アルケニル基、アルキニル基、−NArAr’、−SAr、−COOH、−CONRaRb、−NRa−CO−Rb、−O−CO−NRaRb、−NRa−CO−ORb、−NRa−CO−NRaRb、−SO−Rc、−SO−Rc、−O−SO−Rc、−SO−NRaRb、−NRa−SO−Ra、−CO−NRa−CORb、−CO−NRa−SO−Rb、−SO−NRa−CO−Rb、−SO−NRa−SO−Rc、−Si(Ra)(ORb)、及びヘテロ環基。ここで、Ar、Ar’は独立に、置換基を有しても良い芳香環またはヘテロ芳香環を示し、Ra、Rbは独立に水素原子、置換基を有しても良い、アルキル基、芳香環、又はヘテロ芳香環を示し、Rcは置換基を有しても良い、アルキル基、芳香環、又はヘテロ芳香環を示し、l、mはそれぞれ0〜3の整数を示し、l+m=3を満たす。
また、本発明においては、感度、径時安定性、後加熱時の着色の観点から、オキシム系化合物として、下記一般式(OX−2)で表される化合物がより好ましい。

上記一般式(OX−2)中、R及びXは、各々独立に、1価の置換基を表し、Aは、2価の有機基を表し、Arは、アリール基を表す。nは、1〜5の整数である。
Rとしては、高感度化の点から、アシル基が好ましく、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、トルイル基が好ましい。
Aとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、無置換のアルキレン基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基)で置換されたアルキレン基、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基)で置換されたアルキレン基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、スチリル基)で置換されたアルキレン基が好ましい。
Arとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、置換又は無置換のフェニル基が好ましい。置換フェニル基の場合、その置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基が好ましい。
Xとしては、溶剤溶解性と長波長領域の吸収効率向上の点から、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオキシ基、置換基を有してもよいアリールチオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基が好ましい。
また、一般式(OX−2)におけるnは1〜2の整数が好ましい。
以下、一般式(OX−2)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。

また、本発明の着色硬化性組成物には、上記の光重合開始剤のほかに、特開2004−295116号公報の段落〔0079〕に記載の他の公知の光重合開始剤を使用してもよい。
光重合開始剤は、1種単独で或いは2種以上を組み合わせて含有することができる。
着色硬化性組成物の全固形分中における光重合開始剤の含有量(2種以上の場合は総含有量)は、本発明の効果をより効果的に得る観点から、3質量%〜20質量%が好ましく、4質量%〜19質量%がより好ましく、5質量%〜18質量%が特に好ましい。
<溶剤>
本発明の着色硬化性組成物は、溶剤を含有する。
溶剤は、並存する各成分の溶解性や着色硬化性組成物としたときの塗布性を満足できるものであれば、基本的には特に制限はなく、特に、バインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
溶剤としては、エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸アルキルエステル類(例:オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル(具体的には、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等が挙げられる。))、3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等(具体的には、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等が挙げられる。))、2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等(具体的には、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル等が挙げられる。))、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(具体的には、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等が挙げられる。)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等が挙げられる。
また、エーテル類としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等が挙げられる。
ケトン類としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等が挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン等が好適に挙げられる。
これらの溶剤は、前述の各成分の溶解性、及びアルカリ可溶性バインダーを含む場合はその溶解性、塗布面状の改良などの観点から、2種以上を混合することも好ましい。この場合、特に好ましくは、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液である。
溶剤の着色硬化性組成物中における含有量としては、組成物中の全固形分濃度が10質量%〜80質量%になる量が好ましく、15質量%〜60質量%になる量がより好ましい。
<分散剤>
本発明の着色硬化性組成物は、分散剤を含有することが好ましい。
前記分散剤としては、公知の顔料分散剤や界面活性剤が用いられる。
前記分散剤としては、多くの種類の化合物が用いられるが、例えば、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−745(エフカ社製))、ソルスパース5000(日本ルーブリゾール(株)製);オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(以上、共栄社油脂化学工業(株)製)、W001(裕商(株)製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(以上、裕商(株)製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(以上、森下産業(株)製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(以上、サンノプコ(株)製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(日本ルーブリゾール(株)製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123(以上、旭電化(株)製)、及びイソネットS−20(三洋化成(株)製)が挙げられる。
本発明の着色硬化性組成物が分散剤を含有する場合、該分散剤の着色硬化性組成物中における含有量は、顔料に対して、1質量%〜80質量%が好ましく、5質量%〜70質量%がより好ましく、10質量%〜60質量%が最も好ましい。
<顔料誘導体>
本発明の着色硬化性組成物は、顔料誘導体を含有することができる。
本発明における顔料誘導体とは、後述するように、有機顔料の側鎖に酸性基、塩基性基、芳香族基を置換基として導入した化合物である。
本発明においては、前記分散剤と親和性のある部位を有する顔料誘導体を顔料の表面に吸着させ、これを前記分散剤の吸着点として用いることで、顔料を微細な粒子として着色組成物中に分散させることができ、また、その再凝集をも防止することができる。つまり、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、前記分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
前記分散剤が酸基を有している場合には、顔料誘導体として塩基性基を有する塩基性顔料誘導体を用いることにより、さらに顔料の分散性が向上し、微細な顔料を効果的に分散することができる。そして、塩基性顔料誘導体を含有する着色組成物を用いることで、さらに色濃度ムラが小さく色特性に優れたカラーフィルタを形成することができる。
本発明における顔料誘導体は、具体的には有機顔料を母体骨格とし、側鎖に酸性基や塩基性基、芳香族基を置換基として導入した化合物である。母体骨格となる有機顔料は、具体的には、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノリン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンゾイミダゾロン顔料等が挙げられる。また、母体骨格としては、一般に、色素と呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系、トリアジン系、キノリン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。
本発明における顔料誘導体としては、特開平11−49974号公報、同平11−189732号公報、同平10−245501号公報、同2006−265528号公報、同平8−295810号公報、同平11−199796号公報、同2005−234478号公報、同2003−240938号公報、同2001−356210号公報等に記載されているものを使用できる。
本発明の着色組成物中に顔料誘導体を使用する場合、その使用量としては、顔料に対し1質量%〜80質量%の範囲にあることが好ましく、3質量%〜65質量%の範囲にあることがより好ましく、5質量%〜50質量%の範囲にあることが特に好ましい。含有量がこの範囲内であると、粘度を低く抑えながら、顔料の分散を良好に行えると共に、分散後の分散安定性を向上させることができる。そして、この着色組成物をカラーフィルタの製造に適用することで、透過率が高く、優れた色特性を有し、高いコントラストのカラーフィルタを得ることができる。
<他の成分>
本発明の着色硬化性組成物は、上述の各成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、更に、樹脂、架橋剤などの他の成分を含んでいてもよい。
−樹脂−
樹脂としては、アルカリ可溶性バインダーを好適に用いることができる。
アルカリ可溶性バインダーは、アルカリ可溶性を有すること以外は特に限定はなく、好ましくは、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選択することができる。
アルカリ可溶性バインダーとしては、線状有機高分子重合体であり、且つ、有機溶剤に可溶で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられ、同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。
上述したものの他、本発明におけるアルカリ可溶性バインダーとしては、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等や、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、等も有用である。また、線状有機高分子重合体は、親水性を有するモノマーを共重合したものであってもよい。この例としては、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2級若しくは3級のアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、分岐若しくは直鎖のプロピル(メタ)アクリレート、分岐若しくは直鎖のブチル(メタ)アクリレート、又は、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。その他、親水性を有するモノマーとしては、テトラヒドロフルフリル基、燐酸基、燐酸エステル基、4級アンモニウム塩基、エチレンオキシ鎖、プロピレンオキシ鎖、スルホン酸基及びその塩由来の基、モルホリノエチル基等を含んでなるモノマー等も有用である。
また、アルカリ可溶性バインダーは、架橋効率を向上させるために、重合性基を側鎖に有してもよく、例えば、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有するポリマー等も有用である。上述の重合性基を含有するポリマーの例としては、市販品のKSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。また、硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロルヒドリンとのポリエーテル等も有用である。
アルカリ可溶性バインダーとしては、下記一般式(E−1)で示される化合物(以下「エーテルダイマー」と称することもある。)を重合してなるポリマー(a)を用いることも好ましい。

式(E−1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、または置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。
本発明の着色硬化性組成物が前記ポリマー(a)を含有することにより、該組成物を用いて形成された硬化塗膜の耐熱性及び透明性がより向上する。
前記エーテルダイマーを示す前記一般式(E−1)中、RおよびRで表される置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては特に制限はないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、t−アミル基、ステアリル基、ラウリルv、2−エチルヘキシル基、等の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル基等のアリール基;シクロヘキシル基、t−ブチルシクロヘキシル基、ジシクロペンタジエニル基、トリシクロデカニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、等の脂環式基;1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル基等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。
これらの中でも特に、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基等のような酸や熱で脱離しにくい1級または2級炭素を含む基が耐熱性の点で好ましい。
なお、RおよびRは、同種の置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。
前記エーテルダイマーの具体例としては、例えば、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−プロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソプロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−アミル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ステアリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ラウリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−エチルヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−メトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−エトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジフェニル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチルシクロヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ジシクロペンタジエニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(トリシクロデカニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソボルニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジアダマンチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−メチル−2−アダマンチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等が挙げられる。これらの中でも特に、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートが好ましい。これらエーテルダイマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
また、アルカリ可溶性バインダーとしては、エポキシ基を有するポリマーであることも好ましい。
アルカリ可溶性バインダーにエポキシ基を導入するには、例えば、エポキシ基を有するモノマー(以下「エポキシ基を導入するための単量体」と称することもある。)を、単量体成分として重合すればよい。前記エポキシ基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−(またはm−、またはp−)ビニルベンジルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらエポキシ基を導入するための単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。アルカリ可溶性バインダーを得る際の単量体成分が前記エポキシ基を導入するための単量体をも含む場合、その含有割合は、特に制限されないが、全単量体成分中5〜70質量%、好ましくは10〜60質量%であるのがよい。
アルカリ可溶性バインダーは、酸基を有するポリマーであることも好ましい。
前記酸基としては、特に制限されないが、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、カルボン酸無水物基等が挙げられる。これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。アルカリ可溶性バインダーに酸基を導入するには、例えば、酸基を有するモノマーおよび/または重合後に酸基を付与しうるモノマー(以下「酸基を導入するための単量体」と称することもある。)を、単量体成分として重合するようにすればよい。
なお、重合後に酸基を付与しうるモノマーを単量体成分として酸基を導入する場合には、重合後に例えば後述するような酸基を付与するための処理が必要となる。
前記酸基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸やイタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマー、N−ヒドロキシフェニルマレイミド等のフェノール性水酸基を有するモノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマー等が挙げられるが、これらの中でも特に、(メタ)アクリル酸が好ましい。
前記重合後に酸基を付与しうるモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマー、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するモノマー、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有するモノマー等が挙げられる。これら酸基を導入するための単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
重合後に酸基を付与しうるモノマーを用いる場合において、重合後に酸基を付与するための処理としては、ポリマー側鎖の極性基の一部を、ポリマー反応により変性する処理が挙げられる。
これら各種アルカリ可溶性バインダーの中でも、耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
前記アクリル系樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体や、市販品のKSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が好ましい。
アルカリ可溶性バインダーは、現像性、液粘度等の観点から、重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)が1000〜2×10の重合体が好ましく、2000〜1×10の重合体がより好ましく、5000〜5×10の重合体が特に好ましい。
また、アルカリ可溶性バインダーの酸価としては50〜300mgKOH/gが好ましく、75〜200mgKOH/gがより好ましく、80〜160mgKOH/gが特に好ましい。酸価がこの範囲にあるとパターン形成時に現像残渣がより残りにくく、且つ塗布均一性がより良好となる。
−架橋剤−
本発明の着色硬化性組成物に補足的に架橋剤を用い、着色硬化性組成物を硬化させてなる着色硬化膜の硬度をより高めることもできる。
架橋剤としては、架橋反応により膜硬化を行なえるものであれば、特に限定はなく、例えば、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。中でも、多官能エポキシ樹脂が好ましい。
架橋剤の具体例などの詳細については、特開2004−295116号公報の段落〔0134〕〜〔0147〕の記載を参照することができる。
−重合禁止剤−
本発明の着色硬化性組成物においては、該着色硬化性組成物の製造中又は保存中において、重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の重合禁止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
重合禁止剤の添加量は、全組成物の質量に対して、約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。
−界面活性剤−
本発明の着色硬化性組成物には、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤の各種界面活性剤を使用できる。
特に、フッ素系界面活性剤を含有することで、塗布液としたときの液特性(特に、流動性)をより向上させ、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。
すなわち、フッ素系界面活性剤を含有する着色硬化性組成物においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は3質量%〜40質量%が好適であり、より好ましくは5質量%〜30質量%であり、特に好ましくは7質量%〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であると、塗布厚均一性や省液性の点で効果的であり、組成物中への溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F479、同F482、同F780、同F781(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、CW−1(ゼネカ社製)等が挙げられる。
また、カチオン系界面活性剤として具体的には、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−745(森下産業社製))、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業社製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社油脂化学工業社製)、W001(裕商社製)等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製のプルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1等が挙げられる。
更に、アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商社製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えばトーレシリコーン株式会社製「トーレシリコーンDC3PA」、「同SH7PA」,「同DC11PA」,「同SH21PA」,「同SH28PA」、「同SH29PA」、「同SH30PA」、「同SH8400」、東芝シリコーン株式会社製「TSF−4440」、「TSF−4300」、「TSF−4445」、「TSF−444(4)(5)(6)(7)6」、「TSF−44 60」、「TSF−4452」、シリコーン株式会社製「KP341」、ビッグケミー社製「BYK323」、「BYK330」等が挙げられる。
界面活性剤は2種類以上を組み合わせても良い。
−有機カルボン酸−
また、非露光領域のアルカリ溶解性を促進し、着色硬化性組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、該組成物に有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行なうことが好ましい。
具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
−その他の添加物−
着色硬化性組成物には、必要に応じて、各種添加物、例えば、充填剤、上記以外の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することができる。これらの添加物としては、特開2004−295116号公報の段落〔0155〕〜〔0156〕に記載のものを挙げることができる。
本発明の着色硬化性組成物においては、特開2004−295116号公報の段落〔0078〕に記載の増感剤や光安定剤、同公報の段落〔0081〕に記載の熱重合防止剤を含有することができる。
<着色熱硬化性組成物の調製方法>
本発明の着色熱硬化性組成物は、前述の必須成分と、必要に応じて、任意成分とを混合することで調製される。
なお、着色硬化性組成物の調製に際しては、着色硬化性組成物を構成する各成分を一括配合してもよいし、各成分を溶剤に溶解・分散した後に逐次配合してもよい。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。例えば、全成分を同時に溶剤に溶解・分散して組成物を調製してもよいし、必要に応じては、各成分を適宜2つ以上の溶液・分散液としておいて、使用時(塗布時)にこれらを混合して組成物として調製してもよい。
上記のようにして調製された着色硬化性組成物は、好ましくは、孔径0.01μm〜3.0μm、より好ましくは孔径0.05μm〜0.5μm程度のミリポアフィルタなどを用いて濾別した後、使用に供することができる。
本発明の着色硬化性組成物は、保存安定性に優れ、更に、耐光性に優れた着色硬化膜を形成することができるため、液晶表示素子(LCD)や固体撮像素子(例えば、CCD、CMOS等)に用いられるカラーフィルタなどの着色画素形成用として、また、印刷インキ、インクジェットインキ、及び塗料などの作製用途として好適に用いることができる。特に、CCD、及びCMOS等の固体撮像素子用の着色画素(カラーフィルタ)形成用として好適に用いることができる。
≪カラーフィルタ及びその製造方法≫
次に、本発明の着色硬化性組成物を用いてカラーフィルタを製造する方法(本発明のカラーフィルタの製造方法)について説明する。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、支持体上に、本発明の着色硬化性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する工程(A)と、工程(A)にて形成された着色硬化性組成物層を、マスクを介して露光した後、現像して着色パターンを形成する工程(B)と、を有する。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法では、特に、工程(B)で形成された着色パターンに対し紫外線を照射する工程(C)と、工程(C)で紫外線を照射された着色パターンに対し加熱処理を行う工程(D)と、を更に有することが好ましい。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法について、より具体的に説明する。
−工程(A)−
本発明のカラーフィルタの製造方法では、まず、支持体上に、既述の本発明の着色硬化性組成物を回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して、着色硬化性組成物層を形成し、その後、必要に応じて、予備硬化(プリベーク)を行い、該着色硬化性組成物層を乾燥させる。
本発明のカラーフィルタの製造方法に用いられる支持体としては、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、ホウケイ酸ガラス(パイレックス(登録商標)ガラス)、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えば、シリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)基板などが挙げられる。これらの基板は、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている場合もある。また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止、或いは表面の平坦化のために、下塗り層を設けてもよい。
なお、着色硬化性組成物を支持体上に回転塗布する際には、液の滴下量を低減のため、着色硬化性組成物の滴下に先立ち、適当な有機溶剤を滴下、回転させることにより、着色硬化性組成物の支持体への馴染みをよくすることができる。
上記プリベークの条件としては、ホットプレートやオーブンを用いて、70℃〜130℃で、0.5分間〜15分間程度加熱する条件が挙げられる。
また、着色硬化性組成物により形成される着色硬化性組成物層の厚みは、目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、0.2μm〜5.0μmであることが好ましく、0.3μm〜2.5μmであることが更に好ましく、0.3μm〜1.5μm最も好ましい。なお、ここでいう着色硬化性組成物層の厚さは、プリベーク後の膜厚である。
−工程(B)−
続いて、本発明のカラーフィルタの製造方法では、支持体上に形成された着色硬化性組成物層には、マスクを介した露光が行われる。
この露光に適用し得る光若しくは放射線としては、g線、h線、i線、KrF光、ArF光が好ましく、特にi線が好ましい。照射光にi線を用いる場合、100mJ/cm〜10000mJ/cmの露光量で照射することが好ましい。
また、その他の露光光線としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、可視及び紫外の各種レーザー光源、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等も使用できる。
<レーザー光源を用いた露光工程>
前記レーザー光源を用いた露光方式では、光源として紫外光レーザーを用いることができる。レーザーは英語のLight Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出により光の増幅)の頭文字である。反転分布をもった物質中でおきる誘導放出の現象を利用し、光波の増幅、発振によって干渉性と指向性が一層強い単色光を作り出す発振器および増幅器、励起媒体として結晶、ガラス、液体、色素、気体などがあり、これらの媒質から固体レーザー、液体レーザー、気体レーザー、半導体レーザーなどの公知の紫外光に発振波長を有するレーザーを用いることができる。その中でも、レーザーの出力および発振波長の観点から、固体レーザー、ガスレーザーが好ましい。
前記レーザー光源を用いた露光方式に用いることのできるレーザーとしては、300nm〜380nmの範囲である波長の範囲の紫外光レーザーが好ましく、さらに好ましくは300nm〜360nmの範囲の波長である紫外光レーザーが、レジスト(着色硬化性組成物)の感光波長に合致しているという点で好ましい。
具体的には、特に出力が大きく、比較的安価な固体レーザーのNd:YAGレーザーの第三高調波(355nm)や、エキシマレーザーのXeCl(308nm)、XeF(353nm)を好適に用いることができる。
被露光物(着色硬化性組成物)に対する露光量としては、1mJ/cm〜100mJ/cmの範囲であり、1mJ/cm〜50mJ/cmの範囲がより好ましい。露光量がこの範囲であると、パターン形成の生産性の点で好ましい。
前記レーザー光源を用いた露光方式に使用可能な露光装置としては、特に制限はないが市販されているものとしては、Callisto(ブイテクノロジー株式会社製)やEGIS(ブイテクノロジー株式会社製)やDF2200G(大日本スクリーン株式会社製などが使用可能である。また上記以外の装置も好適に用いられる。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性放射線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性放射線源は、UV−LEDであり、特に好ましくは、340〜370mにピーク波長を有するUV−LEDである。
紫外光レーザーは平行度が良好なので、露光の際にマスクを使用せずとも、パターン露光ができる。しかし、マスクを用いてパターンを露光した場合、さらにパターンの直線性が高くなるのでより好ましい。
また、露光した着色硬化性組成物層は、次の現像処理前にホットプレートやオーブンを用いて、70℃〜180℃で、0.5分間〜15分間程度加熱することができる。
また、露光は、着色硬化性組成物層中の色材の酸化褪色を抑制するために、チャンバー内に窒素ガスを流しながら行なうことができる。
続いて、露光後の着色硬化性組成物層に対し、現像液にて現像を行う。これにより、着色パターン(レジストパターン)を形成することができる。
現像液は、着色硬化性組成物層の未硬化部(未露光部)を溶解し、硬化部(露光部)を溶解しないものであれば、種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性水溶液を用いることができる。現像液がアルカリ性水溶液である場合、アルカリ濃度が好ましくはpH11〜13、更に好ましくはpH11.5〜12.5となるように調整するのがよい。特に、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドを、濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜5質量%となるように調整したアルカリ性水溶液を現像液として用いることができる。
現像時間は、30秒〜300秒が好ましく、更に好ましくは30秒〜120秒である。現像温度は、20℃〜40℃が好ましく、更に好ましくは23℃である。
現像は、パドル方式、シャワー方式、スプレー方式等で行うことができる。
また、アルカリ性水溶液を用いて現像した後は、水で洗浄することが好ましい。洗浄方式も、目的に応じて適宜選択されるが、シリコンウエハ基板等の支持体を回転数10rpm〜500rpmで回転させつつ、その回転中心の上方より純水を噴出ノズルからシャワー状に供給してリンス処理を行うことができる。
その後、本発明のカラーフィルタの製造方法では、必要に応じて、現像により形成された着色パターンに対し後加熱及び/又は後露光を行い、着色パターンの硬化を促進させることもできる。
−工程(C)−
特に、本発明のカラーフィルタの製造方法では、本発明の着色硬化性組成物から形成された着色パターン(画素)に対して、紫外線照射による後露光を行うことで、隣接する画素や、積層された上下層への色移りを効果的に抑制することができる。この色移りは、本発明の着色硬化性組成物のように、色材として特定錯体のような染料を用いた場合に発生する特有の問題であり、この色移りは、以下のような紫外線照射による後露光により低減させることができる。
(紫外線照射による後露光)
紫外線照射による後露光では、前述のようにして現像処理を行なった後の着色パターンに、現像前の露光処理における露光量[mJ/cm]の10倍以上の照射光量[mJ/cm]の紫外光(UV光)を照射することが好ましい。
なお、現像処理と後述の工程(D)による加熱処理との間に、現像後の着色パターンに紫外光(UV光)を所定時間、照射することにより、後に加熱された際に色移りするのを効果的に防止でき、耐光性が向上する。
紫外光を照射する光源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、DEEP UVランプなどを用いることができる。中でも、照射される紫外光中に275nm以下の波長光を含み、かつ、275nm以下の波長光の照射照度[mW/cm]が紫外光中の全波長光の積分照射照度に対して5%以上である光を照射できるものが好ましい。紫外光中の275nm以下の波長光の照射照度を5%以上とすることで、隣接する画素間や上下層への色移りの抑制効果及び耐光性の向上効果をより高めることができる。
この点から、紫外線照射による後露光は、前述の工程(B)における露光に用いられるi線等の輝線などの光源と異なる光源、具体的には、高圧水銀灯、低圧水銀灯などを用いて行なうことが好ましい。中でも、前記同様の理由から、275nm以下の波長光の照射照度[mW/cm]は、紫外光中の全波長光の積分照射照度に対して7%以上が好ましい。また、275nm以下の波長光の照射照度の上限は、25%以下が望ましい。
なお、積分照射照度とは、分光波長ごとの照度(単位面積を単位時間に通過する放射エネルギー;[mW/m])を縦軸とし、光の波長[nm]を横軸とした曲線を引いた場合に照射光に含まれる各波長光の照度の和(面積)をいう。
紫外光の照射は、前述の工程(B)における露光時の露光量の10倍以上の照射光量[mJ/cm]として行なうことが好ましい。本工程(C)での照射光量が、前述の工程(B)における露光時の露光量の10倍未満であると、隣接する画素間や上下層間における色移りを防止できず、また、耐光性も悪化する場合がある。
中でも、紫外光の照射光量は、前述の工程(B)における露光時の露光量の12倍以上200倍以下が好ましく、15倍以上100倍以下がより好ましい。
この場合、照射される紫外光における積分照射照度が200mW/cm以上であることが好ましい。積分照射照度が200mW/cm以上であると、隣接する画素間や上下層への色移りの抑制効果及び耐光性の向上効果をより効果的に高めることができる。中でも、250mW/cm〜2000mW/cmが好ましく、300mW/cm〜1000mW/cmがより好ましい。
−工程(D)−
前述のような、紫外線照射による後露光が行われた着色パターンに対しては、加熱処理を行うことが好ましい。形成された着色パターンを加熱(いわゆる、ポストベーク)することにより、着色パターンを更に硬化させることができる。
この加熱処理は、例えば、ホットプレート、各種ヒーター、オーブンなどにより行なうことができる。
加熱処理の際の温度としては、100℃〜300℃であることが好ましく、更に好ましくは、150℃〜250℃である。また、加熱時間は、30秒〜30000秒が好ましく、更に好ましくは、60秒〜1000秒である。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、前述の工程(C)のような紫外線照射による後露光の代わりに、g線、h線、i線、KrF、ArF、電子線、X線等による後露光をおこなってもよい。
これらの手段による後露光の場合には、照射時間としては、10秒〜180秒、好ましくは20秒〜120秒、更に好ましくは30秒〜60秒である。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法においては、前述の工程(C)のような紫外線照射による後露光を行わず、前述の工程(D)のような後露光のみを行ってもよい。
更に、後露光と後加熱とは、どちらを先に行ってもよいが、後加熱に先立って、後露光を実施することが好ましい。後露光で硬化を促進させることにより、後加熱過程で見られる着色パターンの熱ダレ(矩形パターンの球形化)やすそ引き(パターン下層部のリフロー化)による形状の変形を抑止するためである。
このようにして得られた、着色パターンがカラーフィルタにおける画素を構成することになる。
複数の色相の画素を有するカラーフィルタの作製においては、前述の工程(A)、工程(B)、更に、必要に応じて、工程(C)や工程(D)を所望の色数に合わせて繰り返せばよい。
なお、単色の着色硬化性組成物層の形成、露光、現像が終了する毎に(1色毎に)、前述の工程(C)及び/又は工程(D)を行なってもよいし、所望の色数の全ての着色硬化性組成物層の形成、露光、現像が終了した後に、一括して前述の工程(C)及び/又は工程(D)を行なってもよい。
本発明のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタ(本発明のカラーフィルタ)は、本発明の着色硬化性組成物を用いていることから、耐光性に優れたものとなる。
そのため、本発明のカラーフィルタは、液晶表示素子や、CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサー等の固体撮像素子及びこれを用いたカメラシステムに用いることができ、中でも、着色パターンが微少サイズで薄膜に形成され、しかも良好な矩形の断面プロファイルが要求される固体撮像素子の用途、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS等の用途に好適である。
また、本発明に係る着色硬化性組成物が、例えば、塗布装置吐出部のノズル、塗布装置の配管部、塗布装置内等に付着した場合でも、公知の洗浄液を用いて容易に洗浄除去することができる。この場合、より効率の良い洗浄除去を行うためには、前掲の本発明に係る着色硬化性組成物に含まれる溶剤を洗浄液として用いることが好ましい。
また、特開平7−128867号公報、特開平7−146562号公報、特開平8−278637号公報、特開2000−273370号公報、特開2006−85140号公報、特開2006−291191号公報、特開2007−2101号公報、特開2007−2102号公報、特開2007−281523号公報などに記載の洗浄液も本発明に係る着色硬化性組成物の洗浄除去用の洗浄液として好適に用いることができる。
上記のうち、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートおよびアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましい。
これら溶剤は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合する場合、水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤とを混合することが好ましい。水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤との質量比は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜80/20である。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の混合溶剤で、その比率が60/40であることが特に好ましい。
なお、着色硬化性組成物に対する洗浄液の浸透性を向上させるために、洗浄液には前掲の本組成物に関する界面活性剤を添加しても良い。
≪固体撮像素子≫
本発明の固体撮像素子は、本発明のカラーフィルタを備えたものである。本発明のカラーフィルタは、高い耐光性を有するものであり、このカラーフィルタを備えた固体撮像素子は優れた色再現性を得ることが可能となる。
固体撮像素子の構成としては、本発明のカラーフィルタを備え、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、次のような構成が挙げられる。
即ち、支持体上に、CCDイメージセンサーやCMOSイメージセンサー(固体撮像素子)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる転送電極を有し、その上に、本発明のカラーフィルタを設け、次いで、マイクロレンズを積層する構成である。
また、本発明のカラーフィルタを備えるカメラシステムは、色材の光褪色性の観点から、カメラレンズやIRカット膜が、ダイクロコートされたカバーガラス、マイクロレンズ等を備えており、その材料の光学特性は、400nm以下のUV光の一部又は全部を吸収するものであることが望ましい。また、カメラシステムの構造としては、色材の酸化褪色を抑止するため、カラーフィルタへの酸素透過性が低減されるような構造になっていることが好ましく、例えば、カメラシステムの一部又は全体が窒素ガスで封止されていることが好ましい。
≪液晶表示装置≫
本発明のカラーフィルタは、耐光性に優れ、且つ、色相に優れた着色画素を有することから、液晶表示装置用のカラーフィルタとしても好適である。
このようなカラーフィルタを備えた液晶表示装置は、高品位の画像を表示することができる。
表示装置の定義や各表示装置の説明は、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
本発明のカラーフィルタは、中でも特に、カラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。更に、本発明はIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN、TN、VA、OCS、FFS、及びR−OCB等にも適用できる。
また、本発明のカラーフィルタは、明るく高精細なCOA(Color-filter On Array)方式にも供することが可能である。COA方式の液晶表示装置にあっては、カラーフィルタ層に対する要求特性としては、通常の要求特性に加え、層間絶縁膜に対する要求特性、即ち低誘電率及び剥離液耐性が必要である。本発明のカラーフィルタでは、紫外光レーザーによる露光方法に加え、着色画素の色相や膜厚を選択することによって、露光光である紫外光レーザーの透過性を高めることができるものと考えられる。これによって、着色画素の硬化性が向上し、欠けや剥がれ、ヨレのない画素を形成できるので、TFT基板上に直接または間接的に設けた着色層の特に剥離液耐性が向上し、COA方式の液晶表示装置に有用である。低誘電率の要求特性を満足するためには、カラーフィルタ層の上に樹脂被膜を設けてもよい。
さらにCOA方式により形成される着色層には、着色層上に配置されるITO電極と着色層の下方の駆動用基板の端子とを導通させるために、一辺の長さが1〜15μm程度の矩形のスルーホールあるいはコの字型の窪み等の導通路を形成する必要であり、導通路の寸法(即ち、一辺の長さ)を特に5μm以下にすることが好ましいが、本発明を用いることにより、5μm以下の導通路を形成することも可能である。
これらの画像表示方式については、例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページなどに記載されている。
本発明の液晶表示装置は、本発明のカラーフィルタ以外に、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フィルムなどさまざまな部材から構成される。本発明のカラーフィルタは、これらの公知の部材で構成される液晶表示装置に適用することができる。
これらの部材については、例えば、「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉(株)富士キメラ総研 2003年発行)」に記載されている。
バックライトに関しては、SID meeting Digest 1380(2005)(A.Konno et.al)や、月刊ディスプレイ 2005年12月号の18〜24ページ(島 康裕)、同25〜30ページ(八木 隆明)などに記載されている。
本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に用いると、従来公知の冷陰極管の三波長管と組み合わせたときに高いコントラストを実現できるが、更に、赤、緑、青のLED光源(RGB−LED)をバックライトとすることによって輝度が高く、また、色純度の高い色再現性の良好な液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は共に質量基準である。
〔実施例1〜14、比較例1〜2〕
<着色硬化性組成物の調製>
下記の各成分を混合して溶解し、着色硬化性組成物である着色組成物1を得た。
・シクロヘキサノン … 19.17部
・樹脂A(下記合成例に従って合成した樹脂(メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸の共重合体)の30%PGMEA溶液) … 1.057部
・フッ素系界面活性剤(CW−1、ゼネカ製) 1%CyH(シクロヘキサノン)溶液
… 1.136部
・光重合開始剤(CGI−242(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製))
… 0.327部
・重合性モノマー(KAYARAD DPHA(日本化薬製)) … 0.8459部
・染料(前記特定錯体の例示化合物Ia−5) … 1.09部
・C.I.ピグメントブルー15:6(以下、「PB15:6」ともいう)及びC.I.ピグメントバイオレット23(以下、「PV23」ともいう)の分散液(固形分濃度13.2%、顔料濃度9.4%) … 22.615部
(樹脂の合成例)
上記樹脂(メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸の共重合体)は、以下のようにして合成した。
ベンジルメタクリレート70.0g、メタクリル酸13.0g、及び2−メトキシプロパノール600gを三口フラスコに仕込み、攪拌装置、還流冷却管、及び温度計を取り付け、窒素気流下65℃にて重合開始剤V−65(和光純薬工業製)を触媒量添加して10時間攪拌した。得られた樹脂溶液を20Lのイオン交換水に激しく攪拌しながら滴下し、白色粉体を得た。この白色粉体を40℃で24時間真空乾燥し145gの樹脂(メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸の共重合体)を得た。分子量をGPCにて測定したところ、重量平均分子量Mw=28,000、数平均分子量Mn=11,000であった。
また、上記着色組成物1では、質量比〔ジオキサジン系顔料/染料〕(即ち、質量比〔PV23/例示化合物Ia−5〕)が、0.70となるように調製されている。
次に、各成分の種類及び量を下記表1に示すように変更した以外は着色組成物1の調製と同様にして着色硬化性組成物である着色組成物2〜14、及び比較着色組成物1及び2を調製した。
表1中の各成分のカッコ内の数値は、含有量(質量部)を示す。
−単色のカラーフィルタの作製と耐光性の評価−
上記で得られた着色硬化性組成物(着色組成物1〜14)を、ガラス基板の上に乾燥後の膜厚が0.6μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、100℃で120秒間プリベークし、耐光性評価用の単色のカラーフィルタを得た。
得られた耐光性評価用の単色のカラーフィルタに対し、キセノンランプを10万luxで10時間照射(100万lux・h相当)した。キセノンランプ照射の前後での単色のカラーフィルタの色差(ΔE*ab値)を測定し、耐光性の指標とした。なお、ΔE*ab値の小さいほうが、耐光性が良好である。
結果を表2に示す。
表2に示すように、フタロシアニン系顔料、ジオキサジン系顔料、染料、重合開始剤、重合性化合物、及び溶剤を含む着色組成物1〜14を用いて作製された実施例1〜14のカラーフィルタは、耐光性に優れていた。
一方、ジオキサジン系顔料を含まない比較着色組成物1及び比較着色組成物2を用いて作製された比較例1及び2のカラーフィルタは、耐光性に劣っていた。
〔実施例2−1〜実施例2−14〕
−青色カラーフィルタの形成−
次に、6inchシリコンウエハをオーブン中で200℃のもと30分加熱処理した。次いで、このシリコンウエハ上に、下記に示す各成分を混合して溶解したレジスト液を、乾燥膜厚1.0μmとなるように塗布し、更に220℃のオーブン中で1時間乾燥させて下塗り層を形成し、下塗り層付きシリコンウエハ基板を得た。
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA) …19.20部
・乳酸エチル …36.67部
・バインダー:(メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル)共重合体の41%EL溶液 …30.51部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート … 12.20部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) …0.0061部
・フッ素系界面活性剤(CW−1、ゼネカ製) 1%CyH(シクロヘキサノン)溶液
… 0.83部
・光重合開始剤TAZ−107(みどり化学社製) … 0.586部
上記バインダー(メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体)は、以下のようにして合成した。
ベンジルメタクリレート53.0g(0.300mol)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート11.7g(0.090mol)、メタクリル酸7.92g(0.110mol)、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50gを300mlの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、80度で攪拌した。ここに、熱重合開始剤2,2’−アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)0.3118g(1.91×10−3mol)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10gに溶解させた溶液を添加し6時間攪拌した。次に、窒素を止め、p−メトキシフェノール0.22g(1.5×10−3mol)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート15gに溶解させた溶液を添加した後、95度に昇温して2時間攪拌し、バインダー(メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体)を得た。得られたバインダーの酸価は30mgKOH/gであり、重量平均分子量は15000であった。
得られた下塗り層付きシリコンウエハ基板の下塗り層上に、実施例1〜14で用いた着色組成物1〜14を、各々の塗布膜の乾燥膜厚が0.6μmになるように塗布し、光硬化性の塗布膜(着色硬化性組成物層)を形成した。そして、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行った。次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して、365nmの波長の光を、パターンが1.2μm四方のアイランドパターンマスクを通して、100mJ/cm〜2500mJ/cmの範囲で露光量を100mJ/cmずつ変化させて照射した。その後、塗布膜が形成されているシリコンウエハ基板をスピン・シャワー現像機(DW−30型;(株)ケミトロニクス製)の水平回転テーブル上に載置し、CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用いて23℃で60秒間パドル現像を行ない、シリコンウエハ基板に青色着色パターンを形成した。
青色着色パターンが形成されたシリコンウエハ基板を真空チャック方式で、前記水平回転テーブルに固定し、回転装置によって該シリコンウエハ基板を回転数50rpmで回転させつつ、その回転中心の上方より純水を噴出ノズルからシャワー状に供給してリンス処理を行ない、その後、スプレー乾燥し、カラーフィルタを得た。
形成された青色着色パターンは、いずれも正方形で、断面が矩形状の良好なプロファイルを示しており、固体撮像素子用に好適なカラーフィルタであることが分かった。
また、MCPD3000(大塚電子(株)製)を用いて分光特性を測定したところいずれも固体撮像素子用の青色カラーフィルタとしての分光特性にも優れていた。
以上、実施例2−1〜実施例2−14として、シリコンウエハ基板上に青色の着色パターン(カラーフィルタ)を形成する例について説明したが、固体撮像素子基板(CCDやCMOS等の撮像素子が形成されたシリコンウエハ基板)上に、上記着色組成物1〜14を用いて青色カラーフィルタを、緑色カラーレジストを用いた公知の方法により緑色カラーフィルタを、赤色カラーレジストを用いた公知の方法により赤色カラーフィルタを、それぞれ作製することにより、デバイス形成済みシリコンウエハの上に、3色のカラーフィルタを作製できる。この3色のカラーフィルタを備えた固体撮像素子は、耐光性に優れ、かつ、良好な分光特性を示す。
〔実施例101〜115、比較例101〜113〕
−着色硬化性組成物(着色組成物I)の調製−
下記組成(配合I)中の成分を混合し、撹拌することにより着色組成物Iを調製した。
<着色硬化性組成物Iの組成(配合I)>
・分散組成物I … 1002部
・分散組成物II … 100部
・染料(下記表4に示す特定錯体の例示化合物) … 49部
・光重合性化合物I … 178部
・光重合開始剤I … 43部
・アルカリ可溶性樹脂I … 275部
・界面活性剤I … 0.3部
・PGMEA … 1353部
−着色硬化性組成物(着色組成物II〜VII)の調製−
前記着色組成物Iの調製において、組成を、配合Iから下記表3に示す配合II〜配合VIIに変更したこと以外は着色組成物Iの調製と同様にして、着色組成物II〜VIIをそれぞれ調製した。
表3中の各成分の詳細は以下のとおりである。
・分散組成物I … PB15:6分散組成物(固形分20%、PB15:6濃度12%)
・分散組成物II … PB15:6/PV23分散組成物(固形分20%、PB15:6濃度8.57%、PV23濃度3.43%)
・光重合性化合物I … ジペンタエリスリトールペンタ・ヘキサアクリレート
・アルカリ可溶性樹脂I … ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(mol比:70/30、Mw:10000)の固形分40%PGMEA溶液
・界面活性剤I … Megafac F−781F DIC社製
・PGMEA … プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
−評価工程I−
前記にて得られた着色硬化性組成物(着色組成物I〜VII)のそれぞれについて、以下の評価を行った(評価工程I)。
着色硬化性組成物を100mm×100mmのガラス基板(商品名:1737 コーニング社製)にスピンコーターにて、膜厚2.3μmとなるよう塗布した後、プリベーク(100℃のオーブンで80秒間乾燥)を施した。その後、塗膜の全面に100mJ/cm(照度20mW/cm)にて露光した。
上記のように露光され、更に現像が施された塗膜を220℃のオーブンで0.5時間加熱処理し(ポストベーク)、着色フィルタ基板(カラーフィルタ)を作製した。
上記着色フィルタ基板をキセノンランプ12万luxで60時間照射(720万lux・h相当)した。
キセノンランプ照射の前後での単色のカラーフィルタの色差(ΔE*ab値)を測定し、耐光性の指標とした。なお、ΔE*ab値の小さいほうが、耐光性が良好である。
測定されたΔE*ab値に基づき、下記評価基準にて耐光性を評価した。評価結果を下記表4に示す。
〜耐光性の評価基準〜
◎ … ΔE*abが3未満
○ … ΔE*abが3以上6未満
× … ΔE*abが6以上
−評価工程II−
前記にて得られた着色硬化性組成物(着色組成物I〜VII)のそれぞれについて、以下の評価を行った(評価工程II)。
着色硬化性組成物を100mm×100mmのガラス基板(商品名:1737 コーニング社製)にスピンコーターにて、膜厚2.3μmとなるよう塗布した後、プリベーク(100℃のオーブンで80秒間乾燥)を施した。
その後、基板全面にレーザー露光装置としてEGIS(ブイテクノロジー(株)、YAGレーザーの第3高調波 波長355nm、パルス幅6nsec)を用い、着色硬化性組成物層表面に対し、約1mJ/cmのパルス照射を60回行った(露光)。
上記のように露光され、更に現像が施された塗膜を220℃のオーブンで0.5時間加熱処理し(ポストベーク)、着色フィルタ基板(カラーフィルタ)を作製した。
上記着色フィルタ基板をキセノンランプ12万luxで60時間照射(720万lux・h相当)した。
キセノンランプ照射の前後での単色のカラーフィルタの色差(ΔE*ab値)を測定し、耐光性の指標とした。なお、ΔE*ab値の小さいほうが、耐光性が良好である。
測定されたΔE*ab値に基づき、評価工程Iと同じ評価基準にて耐光性を評価した。評価結果を下記表4に示す。
−評価工程III−
前記にて得られた着色硬化性組成物(着色組成物I〜VII)のそれぞれについて、以下の評価を行った(評価工程III)。
着色硬化性組成物を100mm×100mmのガラス基板(商品名:1737 コーニング社製)にスピンコーターにて、膜厚3.5μmとなるよう塗布した後、プリベーク(100℃のオーブンで80秒間乾燥)を施した。
その後、基板全面にレーザー露光装置としてEGIS(ブイテクノロジー(株)、YAGレーザーの第3高調波 波長355nm、パルス幅6nsec)を用い、着色硬化性組成物層表面に対し、約1mJ/cmのパルス照射を60回行った(露光)。
上記のように露光され、更に現像が施された塗膜を220℃のオーブンで0.5時間加熱処理し(ポストベーク)、着色フィルタ基板(カラーフィルタ)を作製した。
上記着色フィルタ基板をキセノンランプ12万luxで60時間照射(720万lux・h相当)した。
キセノンランプ照射の前後での単色のカラーフィルタの色差(ΔE*ab値)を測定し、耐光性の指標とした。なお、ΔE*ab値の小さいほうが、耐光性が良好である。
測定されたΔE*ab値に基づき、評価工程Iと同じ評価基準にて耐光性を評価した。評価結果を下記表4に示す。
表4に示すように、フタロシアニン系顔料、ジオキサジン系顔料、染料、重合開始剤、重合性化合物、及び溶剤を含む着色組成物I、II、III、IV、Vを用いて作製された実施例101〜115のカラーフィルタは、耐光性に優れていた。
一方、ジオキサジン系顔料を含まない着色組成物VI、VIIを用いて作製された比較例101〜113のカラーフィルタは、耐光性に劣っていた。

Claims (12)

  1. フタロシアニン系顔料、ジオキサジン系顔料、染料、重合開始剤、重合性化合物、及び溶剤を含む着色硬化性組成物。
  2. 前記染料が、下記一般式(I)で表される化合物と金属原子又は金属化合物とを含む錯体である請求項1に記載の着色硬化性組成物。


    〔一般式(I)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は置換基を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。〕
  3. 前記ジオキサジン顔料がC.I.ピグメントバイオレット23である請求項1又は請求項2に記載の着色硬化性組成物。
  4. 前記ジオキサジン系顔料と前記染料との質量比〔ジオキサジン系顔料/染料〕が、0.05〜1.50である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
  5. 前記錯体が、下記一般式(2)で表される化合物である請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。

    〔一般式(2)中、R〜Rは各々独立に、水素原子又は置換基を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R10及びR11は、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アニリノ基、又はヘテロ環アミノ基を表す。但し、R〜R、R10、R11のいずれかの置換基が2価の連結基となって−L−又は−L−と結合しているか、R〜R、R10、R11のいずれかの置換基が単結合となって、−L−又は−L−が直接ジピロメテン骨格に置換している。Maは、金属又は金属化合物を表す。Xは、Maの電荷の中和に必要な基を表し、rは0又は1を表す。X、Xは各々独立に、NR(Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を表す)、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を表し、Y及びYは各々独立に、NR(Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を表す)、又は酸素原子を表し、R10とYは、互いに結合して、5員、6員又は7員の環を形成していてもよく、R11とYとが互いに結合して5員、6員又は7員の環を形成していてもよい。Mは、水素原子、−CO の電荷を中和するのに必要な有機塩基若しくは金属原子、又は単なるアニオン(即ちCOMはCO を表す)を表し、Lは、単結合又は(m+1)価の連結基を表す。mは1、2又は3を表し、pは1又は2を表す。Rは水素原子又はメチル基を表し、Qは酸素原子又はNR(Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を表す)を表す。Lは単結合又は(n+1)価の連結基を表し、nは1、2又は3を表し、qは1又は2を表す。pが2のとき、複数の{(L)−(CO}は同一でも異なっていてもよい。qが2のとき、複数の{(L)−(Q−COC(R)=CH}は同一でも異なっていてもよい。mが2又は3のとき、複数の(COM)は同一でも異なっていてもよい。nが2又は3のとき、複数の(Q−COC(R)=CH)は同一でも異なっていてもよい。
  6. 前記一般式(2)におけるMaが、Fe、Zn、Co、V=O、又はCuである請求項5に記載の着色硬化性組成物。
  7. 前記一般式(2)におけるMaが、Znである請求項5又は請求項6に記載の着色硬化性組成物。
  8. 前記重合開始剤が、オキシム系光重合開始剤である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物。
  9. 支持体上に、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の着色硬化性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する工程(A)と、
    該工程(A)にて形成された着色硬化性組成物層を、マスクを介して露光した後、現像して着色パターンを形成する工程(B)と、
    を有するカラーフィルタの製造方法。
  10. 請求項9に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタ。
  11. 請求項10に記載のカラーフィルタを備えた固体撮像素子。
  12. 請求項10に記載のカラーフィルタを備えた液晶表示装置。
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