JP2011177857A - 切断工具の集塵構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブレードケース13に集塵フランジ部30aを集塵位置と退避位置とに移動可能に設ける。集塵フランジ部30aを集塵位置に位置させて集塵効率を高め、退避位置に移動させて回転刃具12から遠ざけておくことによりその交換時等の便宜を図る。
【選択図】図2
Description
この明細書では、切断には材料を分離する加工のみならずいわゆる溝入れ加工や研削加工をも含めた概念として用いる。
この従来の集塵構造は、円形の回転刃具の上部を覆うブレードケースの内部に、切断部位の上方であって回転刃具の側方に張り出す状態で集塵フランジ部を設けた構成としたもので、係る集塵フランジ部によれば切断部位からブレードケース内に吹き上げられた粉塵を効率よく集塵ダクト側に案内することができる。
本発明は、例えば回転刃具交換時の作業性を損なうことなく、従来の固定式と同等の集塵効率が得られるようにすることを目的とする。
請求項1記載の集塵構造によれば、集塵フランジ部は集塵位置と退避位置との間を移動させることができる。集塵フランジ部を集塵位置に位置させた状態では、回転刃具の回転によりブレードケース内に吹き上げられた粉塵がこの集塵フランジ部に吹き当てられて集塵される。一方、集塵フランジ部を退避位置に移動させると、回転刃具の側方から当該集塵フランジ部が遠ざかるので回転刃具のスピンドルからの取り外しにあたってこの集塵フランジ部が干渉等して邪魔になることがなく、これにより回転刃具の交換作業の利便性を高めることができる。
請求項2記載の集塵構造によれば、集塵フランジ部を退避位置側へ移動操作しない状態ではこの集塵フランジ部が集塵位置に保持されることから確実な集塵を行うことができる。
請求項3記載の集塵構造によれば、集塵フランジ部の移動方向が回転刃具の取り外し側の面直方向であることにより、当該集塵フランジ部の集塵位置と退避位置との移動距離を極力小さく設定しつつ、集塵効率と回転刃具取り外し時の利便性を両立させることができる。集塵フランジ部の移動方向は、回転刃具の面直方向とする構成の他、面方向とする構成としてもよい。
請求項4記載の集塵装置によれば、ブレードケースのケース本体部に対してケースカバーを結合するための部材に集塵フランジ部の支持部材としての機能を併せ持たせることができるので、別途支持部材を用いる構成に比して構成の簡略化を図ることができる。
請求項5記載の集塵装置によれば、集塵フランジ部の移動を簡単に行うことができ、当該集塵構造の使い勝手を高めることができる。
請求項6記載の集塵装置によれば、ブレードケース内に吹き上げられた粉塵が集塵フランジ部で集塵ダクト側に案内されて効率のよい集塵がなされる。
切断機本体10は、その前部を支軸3を介してベース2の上面に設けたブラケット部2aに上下に傾動可能な状態で結合して当該ベース2の上面に支持されている。支軸3を介して切断機本体10のベース2に対する上下傾動位置を変更することによって回転刃具12の切断材Wに対する切り込み深さを調整することができる。切断機本体10のベース2に対する上下傾動位置は、その後端部に設けた固定ナット4を締め込むことにより固定される。
切断機本体10は、電動モータ15で回転する円形の回転刃具12を備えている。回転刃具12の上部はブレードケース13内に収容されている。図4及び図5に示すようにブレードケース13の右側部に減速部14を介して電動モータ15が取り付けられている。図4に示すように電動モータ15は、減速部14のギヤケース14aに結合されている。ギヤケース14a内に突き出された電動モータ15の出力軸15aには冷却ファン16が取り付けられている。この冷却ファン16には集塵ファン17が一体に設けられている。冷却ファン16と集塵ファン17との間は、防塵壁部18によって区画されている。
電動モータ15の出力軸15aの先端部に形成されたピニオンギヤ部15bには、駆動ギヤ19が噛み合わされている。駆動ギヤ19はスピンドル20に固定されている。スピンドル20は、ブレードケース13内に突き出されており、この突き出し部分に回転刃具12が取り付けられている。
回転刃具12は、受けフランジ26と固定フランジ27とに挟まれた状態でスピンドル20の先端に固定されている。受けフランジ26と固定フランジ27とによる回転刃具12の挟み込み状態は、固定ねじ28をスピンドル20の先端面に締め込むことによりロックされている。このため、この固定ねじ28を緩めて固定フランジ27をスピンドル20の先端から取り外せば、回転刃具12をスピンドル軸方向にずらせて取り外すことができる。
ギヤケース14aの側部にループ形のハンドル部29が一体に設けられている。このハンドル部29の内側にスイッチレバー29aが設けられている。使用者がこのハンドル部29を把持した手の指先でこのスイッチレバー29aを引き操作すると電動モータ15が起動して回転刃具12が回転し、指先を離してこのスイッチレバー29aの引き操作を止めると電動モータ15が停止し、従って回転刃具12が停止する。
電動モータ15の起動により回転刃具12が回転し、回転刃具12の回転により切断部位から切断粉がブレードケース13内に引き上げられる。また、電動モータ15が起動すると冷却ファン16と一体で集塵ファン17が回転する。集塵ファン17が回転することにより、ブレードケース13内から第1集塵室23、第2集塵室24を経て集塵ダクト25に向かう風の流れが発生する。この風によって、ブレードケース13内で発生した切断粉等が集塵窓13b〜13bを経て第1集塵室23内に集塵され、さらにこれが集塵孔14b〜14bを経て第2集塵室24内に集塵され、最終的に集塵ダクト25を経て集塵袋に集塵される。
この集塵部材30は、支持部材31を介してケースカバー13dの左側面に支持されている。支持部材31は、円柱体部31aと頭部31bとねじ部31cを備えている。ケースカバー13dの挿通孔13eを経てケース本体部13cのねじ孔13fにねじ部31cが締め込まれることにより当該支持部材31がブレードケース13の左側部に取り付けられ、またケースカバー13dがケース本体部13cに対して固定されている。この支持部材31の円柱体部31aを取り付け部30cの内周孔30dに挿通させた状態で、当該集塵部材30がブレードケース13の側部に支持されている。支持部材31の頭部31bと取り付け部30cとの間には圧縮ばね33が介装されている。この圧縮ばね33によって取り付け部30cひいては当該集塵部材30が図2において左側(図2中の表記とは逆)の集塵位置側に付勢されている。集塵部材30は、圧縮ばね33によって集塵位置に保持され、逆に圧縮ばね33に抗して退避位置に移動させることができる。
集塵部材30の集塵フランジ部30aは、ケースカバー13dに設けたスリット13g(挿通溝孔)を経てブレードケース13の内部に挿入されている。図2に示すように圧縮ばね33によって集塵部材30が集塵位置に保持されると、その集塵フランジ部30aのスリット13gに対する挿入代が大きくなってその先端部が回転刃具12に接近する。
図1においてブレードケース13のケースカバー13dに表示した白抜きの矢印で示すように回転刃具12は図示時計回り方向に回転する結果、切断材Wの切断部位Cから上方へ向けて切断粉等が吹き上げられる。上方へ吹き上げられた切断粉等は回転刃具12の回転により発生する風とともに時計回り方向に流されて集塵部材30の集塵フランジ部30aに吹き当てられ、その後集塵フランジ部30aに沿って上方へ案内される。図3に示すように集塵フランジ部30aの上方には一つの集塵窓13bが位置している。
また、集塵ファン17の回転により、第1及び第2集塵室23,24には、ブレードケース13内から集塵ダクト25に向かう風の流れが発生する。このため、集塵部材30の集塵フランジ部30aによって上方へ案内された粉塵等は、第1集塵室23内に吸引され、その後第2集塵室24を経て集塵ダクト25に向けて流される。以上のことから、集塵フランジ部30aによって、ブレードケース13内に吹き上げられた粉塵等が効率よく第1及び第2集塵室23,24内に吸引され、その後集塵ダクト25に集塵される。
こうして集塵位置に保持されて集塵機能を発揮する集塵部材30は退避位置に移動させることができる。集塵部材30は、使用者が例えば操作縁部30bを指先で把持して、当該集塵部材30を図2において白抜きの矢印で示す方向(図5において二点鎖線で示す退避位置)に移動させることができ、これによりその集塵フランジ部30aを回転刃具12から遠ざかる方向に移動させることができる。この退避位置への移動は、圧縮ばね33に抗してなされる。
また、集塵部材30は、その集塵フランジ部30aをスリット13gから完全に抜き出した位置に移動させることもできる。この場合、集塵部材30を支持部材31を中心にして前側又は後ろ側に傾動させてケースカバー13dの面方向に少しずらすことにより集塵フランジ部30aをブレードケース13内に全く張り出させない状態に保持しておくことができる。
集塵部材30を集塵位置に戻す場合には、集塵フランジ部30aをスリット13gに挿通させた状態で指を離せば当該集塵部材30は圧縮ばね33の付勢力によって戻される。集塵部材30は、その取り付け部30cが圧縮ばね33の付勢力によってケースカバー13dに面当たり状態に押し付けられて集塵位置に位置決め保持される。前記したようにこの集塵位置では、集塵フランジ部30aの先端縁が回転刃具12の側面に対して僅かな隙間をおいた位置に保持される。
しかも、この集塵部材30は使用者の手動操作によって簡単に退避位置に移動させることができる。集塵部材30を退避位置に移動させると、その集塵フランジ部30aを回転刃具12から面直方向(図4において左側)に遠ざけることができる。このため、固定ねじ28を緩めて固定フランジ27をスピンドル20から取り外した状態で、回転刃具12を図4において左側に移動させてスピンドル20から取り外す場合に、この集塵フランジ部30aが干渉する等して邪魔になることがない。従って、本例の集塵構造によれば、ケースカバー13dをケース本体部13cに取り付けた状態のままで、当該集塵部材30を退避位置に移動させれば、回転刃具12の取り外し、交換作業を迅速に行うことができる。
また、集塵部材30は、圧縮ばね33の付勢力によってその集塵フランジ部30aを回転刃具12とケースカバー13dとの間に張り出させた集塵位置に保持されるので、従来の固定式と同等の集塵効率を確保することができる。
また、支持部材31について、ケースカバー13dをケース本体部13cに結合するための機能(ねじ部31c)と、集塵部材30を支持する機能(円柱体部31a)を併せ持たせた構成を例示したが、ケースカバー13dをケース本体部13cに結合するための固定ねじ等とは別に、ケースカバー13dに例えば支持軸部を設け、この支持軸部を介して集塵部材を移動可能に支持する構成としてもよい。
さらに、例示した集塵部材は、石工用、木工用若しくは金工用の各種切断工具について同様に適用することができる。また、切断工具として、切断機本体10とベース2を一体で切断材W上を移動させて切断加工を行ういわゆる携帯マルノコを例示したが、テーブル上に載置した切断材に対して切断機本体を下動させて回転刃具を切り込ませるいわゆる卓上形の丸鋸盤についても同様に適用することができ、またいわゆる溝切り盤、テーブルソーあるいはパネルソー等の切断工具に広く適用することができる。
1…切断工具(携帯マルノコ)
2…ベース、2a…ブラケット部
3…支軸
10…切断機本体
12…回転刃具
13…ブレードケース
13a…区画壁部、13b…集塵窓、13c…ケース本体部、13d…ケースカバー
13e…挿通孔、13f…ねじ孔、13g…スリット
14…減速部、14a…ギヤケース、14b…集塵孔、14c…区画壁部
15…電動モータ、15a…出力軸
16…冷却ファン
17…集塵ファン
18…防塵壁部
19…駆動ギヤ
20…スピンドル
21,22…軸受け
23…第1集塵室
24…第2集塵室
25…集塵ダクト
26…受けフランジ
27…固定フランジ
28…固定ねじ
29…ハンドル部
30…集塵部材
30a…集塵フランジ部、30b…操作縁部、30c…取り付け部、30d…内周孔
31…支持部材、31a…円柱体部、31b…頭部、31c…ねじ部
33…圧縮ばね
Claims (6)
- 回転する回転刃具と該回転刃具を覆うブレードケースを備え、前記ブレードケースには、前記回転刃具により前記ブレードケース内に吹き上げられる粉塵を集塵するための集塵フランジ部が設けられており、該集塵フランジ部は、前記回転刃具の側方に張り出す集塵位置と、前記回転刃具の側方から退避した退避位置との間を移動可能に設けた集塵構造。
- 請求項1記載の集塵構造であって、前記集塵フランジ部は、前記集塵位置側に付勢された集塵構造。
- 請求項1又は2記載の集塵構造であって、前記集塵フランジ部は、前記ブレードケースに設けたスリットを経て前記ブレードケースの外側から前記回転刃具に対して面直方向に進入して前記ブレードケース内に張り出す集塵位置と、前記回転刃具に対して前記集塵位置よりも面直方向に離間した退避位置との間を移動可能に設けた集塵構造。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載した集塵構造であって、前記ブレードケースは、前記回転刃具の周囲を覆うケース本体部に、前記回転刃具の側方を覆うケースカバーを取り外し可能に結合した構成を備えており、前記集塵フランジ部は、前記ケースカバーを前記ケース本体部に対して結合するための部材を介して前記集塵位置と前記退避位置との間を移動可能に支持された集塵構造。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載した集塵構造であって、前記集塵フランジ部は前記ブレードケースの外側から手動操作により前記退避位置に移動可能である集塵構造。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載した集塵構造であって、前記ブレードケースの内部には集塵ダクトが連通されており、前記集塵フランジ部を集塵位置に位置させると、該集塵フランジ部によって粉塵が前記集塵ダクト側に集塵される集塵構造。
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