JP2011177722A - 溶接部の接合状態評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストや装置スペースの増大を招くことなく、簡易な処理で行うことができる、非破壊検査による溶接部評価方法を提供する。
【解決手段】電極間に流す電流を溶接電流値I3まで上昇させる際に、電流値を上昇させた直後に電極間の抵抗値が降下すれば良好な溶接部が形成されたと推定でき、電流値を上昇させた後しばらくたってから電極間の抵抗値が降下すれば溶接部の接合状態が不良であると推定できる。具体的には、電流値を溶接電流値I3まで上昇させてから所定区間T内に電極間の抵抗値が所定値以上降下するか否かを監視することにより、溶接部Qの接合状態を評価することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、重ね合わせた2枚の金属板に一対の電極を当接させ、この一対の電極間に電流を流して2枚の金属板を接合する抵抗溶接において、溶接部の接合状態を評価するための方法に関する。
従来、溶接部の接合状態を評価する方法として、たがねを用いた検査方法が知られている。この検査方法は、2枚の金属板の間に形成された溶接部にたがねを直接打ち込み、打ち込んだ際の金属板の状態を見ることで、接合状態の良否を判断するものである。具体的には、たがねの打ち込みにより溶接部で剥離を生じた場合には接合不良と判定し、溶接部が剥離せずにつながっている場合には良好な溶接部が形成されたものと判定することができる。
しかし、たがねによる評価方法は、金属板の変形や溶接部の損傷を伴う破壊検査となるため、全ての製品において実施することはできない。また、非常に硬い金属板(例えば、引張張力400MPa以上の高張力鋼板)を溶接した場合、たがねを差し込んだときに金属板がほとんど変形せずに溶接部に大きな応力が加わることがあり、良好な溶接部が形成されている場合でも溶接部が破断し、接合状態を適正に評価することができない恐れがある。
上記のような不具合を回避するため、最近では、非破壊検査により溶接部の接合状態を評価する方法が提案されている。例えば特許文献1には、超音波検査により溶接部を評価する方法が示されている。また、特許文献2には、電極間の抵抗値を抵抗値特徴パラメータ(通電開始直後の抵抗値Rst,通電中の抵抗最大値Rpeakなど)として生成し、この抵抗値特徴パラメータを分析(判別分析や重回帰分析)することにより、溶接部の評価を行う方法が示されている。
特開2006−71422号公報 特開2004−160510号公報
しかし、特許文献1の方法では、超音波探触子等の装置を設ける必要があるため、コスト及び装置スペースの増大を招く。
一方、特許文献2の方法では、様々な抵抗値特徴パラメータに対して分析を行っているため、分析処理が複雑となり、溶接部の評価に時間がかかる。
上記のような事情に鑑み、本発明が解決すべき課題は、非破壊検査による溶接部の接合状態の評価を、コスト高や装置スペースの増大を招くことなく、簡易な処理で行うことができる方法を提供することにある。
一般に、抵抗溶接は、重ね合わせた2枚の金属板に一対の電極を押し付けて、2枚の金属板の間の隙間を詰めてから、電極間に溶接電流(金属板を溶融させて溶接を可能とする大きさの電流)の通電を開始することにより行われる。図6は、2枚の金属板の接合予定部が、溶接電流の通電を開始してから終了するまでの間にどのように変化するかを示し、図6(a)は、溶接電流の通電開始時に2枚の金属板の接合予定部が既に接触している場合、図6(b)は、溶接電流の通電開始時に接合予定部に比較的小さい隙間が形成された場合、図6(c)は、溶接電流の通電開始時に接合予定部に比較的大きい隙間が形成された場合を示す。
図6(a)に示す場合、電極間に溶接電流の通電が開始されると接合予定部に通電され、しばらく後に接合予定部の溶融が始まり、電極間の溶接電流の通電が終了するまで接合予定部への通電が続けられる。図6(b)に示す場合、2枚の金属板の接合予定部に隙間があるため、溶接電流の開始直後は接合予定部に通電されないが、電極を当接させた一方の金属板が抵抗発熱により軟化・変形して他方の金属板に接触し(隙間が0となり)、接合予定部に通電される。それからしばらく後に接合予定部が溶融し始めて、電極間の溶接電流の通電終了まで接合予定部への通電が続けられる。図6(c)に示す場合は、2枚の金属板の接合予定部の隙間が大きいため、接合予定部の隙間が0となる時期、及び、接合予定部の金属が溶融し始める時期が、図6(b)よりも遅くなる。
上記のように、金属板の接合予定部の隙間の大きさによって、接合予定部に通電される時間(図6にta,tb,tcで示す)が異なるため、溶接部の接合状態が異なる。すなわち、金属板の接合予定部の隙間が0(図6(a)参照)、あるいは、隙間が比較的小さい場合(図6(b)参照)は、接合予定部に十分な時間通電することができるため、良好な溶接部が形成される。一方、金属板の接合予定部の隙間が比較的大きい場合(図6(c)参照)は、接合予定部に溶接電流を十分に流すことができず、溶接部の接合状態が不良となる恐れがある。従って、溶接電流の通電開始時に金属板の接合予定部の隙間を測定すれば、この測定値から溶接部の接合状態を評価することができると考えられるが、溶接を行うたびに金属板の隙間を測定することは多大な手間がかかる上、そもそも隙間が測定できない箇所ではかかる評価方法を適用することができない。
そこで、本発明者らは、金属板の接合予定部の隙間の大きさによって、溶接電流を通電した際の電極間の抵抗値の降下態様、具体的には抵抗値が降下する時期が異なる点に着目した。すなわち、接合予定部が溶融する前は、金属板同士が接触していてもその接触面積は微小であるため電極間の抵抗値は比較的大きいが、接合予定部が溶融し始めると、この溶融部を介して金属板同士の接触面積が一気に広がるため電極間の抵抗値が急激に降下する。抵抗値が降下する時期は、図6に示すように、金属板間の隙間が大きくなるほど遅くなる傾向を示す。従って、電極間の抵抗値が早期に降下すれば、金属板間の隙間が小さく、良好な溶接部が形成されたと推定でき、電極間の抵抗値の降下が遅ければ、金属板間の隙間が大きく、溶接部の接合状態が不良であると推定することができる。
以上より、本発明は、重ね合わせた2枚の金属板に一対の電極を当接させ、この一対の電極間に電流を流して前記2枚の金属板を溶接する抵抗溶接において、溶接部の接合状態を評価するための方法であって、電極間に溶接電流を通電する際の電極間の抵抗値の降下態様に基づいて、溶接部の接合状態を評価することを特徴とする。
この場合、例えば、電極間に流す電流値を上昇させて溶接電流を通電する際に、電流値の上昇から所定時間内における電極間の抵抗値の降下量に基づいて、溶接部の接合状態を評価することができる。すなわち、所定時間内における電極間の抵抗値の降下量が所定以上であれば、電極間の抵抗値が早期に降下し、良好な溶接部が形成されたと推定することができ、抵抗値の降下量が所定未満であれば、電極間の抵抗値の降下が遅れ、溶接部の接合不良が生じたと推定することができる。尚、「電流値の上昇から所定時間」とは、「電流値が溶接電流値に達してから所定時間」や「電流値の上昇を開始してから所定時間」のように、電流値を上昇させるタイミングを基準として設定された所定時間のことを意味する。
以上のように、本発明の溶接部の接合状態評価方法によれば、電極間の抵抗値が降下する時期を監視するだけで溶接部の接合状態を評価することができるため、超音波探触子等の装置や、様々なパラメータの分析を要することなく、簡易な方法で溶接部の接合状態を非破壊検査で評価することができる。
(a)はワークに電極を当接させた様子を示す断面図、(b)はワークの平面図である。 電極の正面図である。 (a)は電極間に流す電流値の時間変化を示すグラフ、(b)は金属板間の隙間が小さいときの電極間の抵抗値の時間変化を示すグラフ、(c)は金属板間の隙間が大きいときの電極間の抵抗値の時間変化を示すグラフである。 溶接方法の手順を示すフロー図である。 (a)は実施例の対象ワークの斜視図、(b)は同平面図である。 接合予定部の状態の時間変化を示す図であり、(a)は溶接電流通電開始時の金属板間の隙間が0の場合、(b)は隙間が比較的小さい場合、(c)は隙間が比較的大きい場合を示す。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態における溶接対象のワークWは、例えば自動車の骨格部品(サイドメンバー等)として使用される中空柱状部材であり、図1に示すように、断面ハット形状の金属板10と、平板状の金属板20とを溶接して形成される。尚、以下では、便宜上、図1(a)で示す上下方向及び左右方向を用いて説明を行い、断面ハット形状の金属板10を「上側の金属板10」、平板状の金属板20を「下側の金属板20」と言う。
上側の金属板10及び下側の金属板20は何れも鋼板で形成され、例えば引っ張り強さが400MPa以上の高張力鋼板、特に、引っ張り強さが900MPa以上の超高張力鋼板で形成される。上側の金属板10は下側の金属板20に比べて厚く形成され、例えば自動車のサイドメンバーの場合、上側の金属板10は2mm程度、下側の金属板20は1mm程度とされる。尚、必ずしも上側の金属板10を下側の金属板20よりも厚くしなければならないわけではなく、両金属板10,20を同程度の厚さにしてもよい。
上側の金属板10は、下方に開口したU字形状部11と、U字形状部11の下端部から左右に突出したフランジ部12,13とからなる。上側の金属板10のフランジ部12,13と下側の金属板20とを溶接により接合することにより、両金属板10,20が一体化される。具体的には、上側の金属板10の一方のフランジ部12と下側の金属板20とを、任意の溶接方法(例えばダイレクトスポット溶接)により接合した後、上側の金属板10の他方のフランジ部13と下側の金属板20とを本発明に係る抵抗溶接方法により接合する。図1は、上側の金属板10の一方のフランジ部12と下側の金属板20を既に接合した状態であり、既接合部を図中にPで示している。図1に示す状態では、上側の金属板10の他方のフランジ部13と下側の金属板20とは接合されておらず、接合予定部を図中にQ’で示している。
本実施形態の溶接装置は、一対の電極30,40と、電極30,40に電流を流す電流制御部(図示省略)とを有する。図2に示すように、電極30,40の先端部は何れも円すい台形状を成し、具体的には、平坦な小円形の端面31,41と、端面31,41から上方に向けて拡径した円すい面32,42とを有する。円すい面32,42の先端角度αは、120°〜165°の範囲内に設定される。
この溶接装置による溶接方法は、以下のようにして行われる。すなわち、図1(a)に示すように、溶接装置の一対の電極30,40を上側の金属板10のフランジ部12,13に上方から当接させ、電極30,40で上側の金属板10を下向きに圧迫しながら通電することにより、接合予定部Q’を溶接する。一対の電極30,40のうち、一方の電極30は一方のフランジ部12に既接合部Pの上方から当接させ、他方の電極40は他方のフランジ部13に接合予定部Q’の上方から当接させる。一方の電極30はアース電極として機能し、他方の電極40は溶接電極として機能する。これにより、一方の電極30を押し当てた箇所(既接合部P)では溶接が行なわれず、他方の電極40を押し当てた接合予定部Q’のみが溶接される。
本実施形態では、電極30,40間に流す電流を電流制御部により制御して、電流値の異なる複数の区間からなる通電パターン(図3(a)参照)で溶接が行われる。具体的には、上側の金属板10を軟化させる程度の電流値I1で通電する第1通電区間A1と、第1通電区間A1の電流値I1よりも小さく、溶接が行われない非溶接電流値I2で通電する第2通電区間A2と、第1通電区間A1の電流値I1よりも大きく、金属板10,20を溶接可能な溶接電流値I3で通電する第3通電区間A3と、第3通電区間A3の溶接電流値I3よりも小さい電流値I4(本実施形態ではI2と同値)で通電する第4通電区間A4とからなる。第1及び第2通電区間A1,A2で上側の金属板10が軟化されて電極40の先端部がフランジ部13の上面に食い込み、これにより電極40と金属板10との間で十分な接触面積が確保されるため、金属板10の局部的な溶融によるスパッタの発生を防止できる。そして、第3通電区間A3で電流を非溶接電流値I2から溶接電流値I3まで急激に上昇させ、これにより接合予定部Q’の金属板10,20が部分的に溶融し、この溶融部分が固化することにより両金属板10,20を接合する溶接部Q(図示省略)が形成される。
上記のような通電パターンで電極30,40に通電したときの電極30,40間の抵抗値の時間変化を、図3(b)及び図3(c)に示す。図3(b)は、溶接前の状態における金属板10,20の接合予定部Q’の隙間が比較的小さい場合を示し、図3(c)はその隙間が比較的大きい場合を示す。
図3(b)に示す場合、すなわち金属板10,20間の接合予定部Q’の隙間が比較的小さい場合、電流値を上昇させて溶接電流値I3まで達したら、これに追従してすぐに電極30,40間の抵抗値がRmin付近まで降下する。一方、図3(c)に示す場合、すなわち、金属板10,20の接合予定部Q’の隙間が大きい場合、電流値を上昇させて溶接電流値I3まで達した後しばらくたってから、電極30,40間の抵抗値がRmin付近まで降下する。
このように、接合予定部Q’の隙間の大きさによって、溶接電流通電時における電極30,40間の抵抗値の降下態様、具体的には抵抗値の降下する時期が異なる。従って、電流を溶接電流値I3まで上昇させた後、電極30,40間の抵抗値の降下態様(降下時期)を監視することにより、溶接部Qの接合状態を評価することができる。すなわち、電流値を溶接電流値I3まで上昇させた後、すぐに電極30,40間の抵抗値が降下すれば、接合予定部に十分な時間通電され、接合状態の良好な溶接部Qが形成されたと推定できる。一方、電流値を溶接電流値I3まで上昇させた後、しばらくたってから電極30,40間の抵抗値が降下すれば、接合予定部における通電時間が不足し、溶接部Qに接合不良が生じたと推定できる。
本実施形態では、電流値を上昇させてから、所定時間内に抵抗値が所定以上降下するか否かを監視することで溶接部Qの接合状態を評価しており、その具体的な手順を図4に示す。
まず、抵抗値の降下を監視する所定区間Tを設定する(S1)。具体的には、良好な溶接部Qが形成されたワーク(サンプル)の溶接中の抵抗値の変化を取得し(図3(b)のグラフ参照)、この抵抗値のグラフにおいて、電流を上昇させてから、電流値の上昇により降下した抵抗値が最小抵抗値Rmin付近で安定し始めるまでの区間を、所定区間Tとして設定する。例えば本実施形態では、電流値の上昇を開始してから3サイクル(3/60秒)の区間を所定区間Tとしている。尚、所定区間Tは、溶接部Qの接合状態が良好な場合(図3(b)参照)と不良な場合(図3(c)参照)とで抵抗値の降下量に差が生じるように設定すればよく、その範囲内で所定区間Tの始点や終点を前後させても良い。例えば、所定区間Tの始点を、電流値が溶接電流値I3に達した時刻に設定したり、電流値の上昇を開始する直前の時刻に設定してもよい。
そして、ワークに電極30,40を当接し、図3(a)に示す通電パターンで通電して溶接を行う。このとき、所定区間Tにおける電極30,40間の平均抵抗値Ravを算出する(S2)と共に、所定区間Tより後の最小抵抗値Rminを取得する(S3)。このRmin及びRavの値から抵抗値の降下量を算出する(S4)。本実施形態では、抵抗値の降下量を、R’=(Rmin/Rav)×100で表される抵抗値降下率R’として算出している。
こうして得られた抵抗値降下率R’を所定値R0と比較し(S5)、この比較結果に基づいて溶接部Qの良否を評価する(S6)。すなわち、図3(b)に示す例では、抵抗値降下率R’が所定値R0より大きいため、良好な溶接部Qが形成されたと評価される。一方、図3(c)に示す例では、抵抗値降下率R’が所定値R0より小さいため、溶接部Qに不具合が生じていると評価される。
本発明は上記の実施形態に限られない。例えば、電極30,40間の抵抗値が所定値(例えば所定区間Tにおける平均抵抗値Rav)となる時刻を監視し、この時刻が所定の時刻よりも前か後かにより、溶接部Qの接合状態を評価することもできる。あるいは、所定区間Tにおける抵抗値の最大値と最小値との差を算出し、この差が所定値以上か否かにより、溶接部Qの接合状態を評価することもできる。さらには、所定区間Tにおける平均抵抗値Ravが所定値以下であるか否かにより、溶接部Qの接合状態を評価することもできる。
また、上記の実施形態では、上側の金属板10に一対の電極30,40を当接させて溶接を行う場合を示したが、これに限らず、例えば、接合予定部を一対の電極で上下から挟持するダイレクトスポット溶接に、本発明の溶接部の接合状態評価方法を適用することもできる。また、上記の実施形態では、一方の電極40のみを溶接電極として機能させた場合を示しているが、両電極30,40を溶接電極として機能させ、2箇所同時に溶接を行うシリーズ溶接に本発明の評価方法を適用することもできる。
また、電極30,40の先端部の形状は図2に示すような円すい台形状に限らず、例えば、電極30,40の一方又は双方の先端部を凸球面状としたり、アース側の電極30の先端部を平面状としたりすることもできる。
また、上記の実施形態では、一方の電極30をアース電極とし、他方の電極40を溶接電極とした場合を示しているが、これに限らず、例えば双方の電極30,40を溶接電極とし、2箇所同時に溶接部を形成してもよい。
また、上記の実施形態では、上側の金属板10の一方のフランジ部12と下側の金属板20とをダイレクトスポット溶接等により接合して既接合部Pを形成した後に、上側の金属板10の他方のフランジ部13と下側の金属板20とを図1に示す方法で接合して溶接部Qを形成しているが、必ずしも溶接部Qの形成に先立って既接合部Pを形成する必要はない。
また、金属板10,20の材料の種類は特に限定されず、例えばめっき鋼板を使用したワークに本発明の溶接部評価方法を適用することもできる。また、ワークは自動車の骨格部品に限らず、溶接が施されるものであれば他の用途の部品でもよい。
また、上記の実施形態では、電流値の異なる4つの通電区間A1〜A4からなる通電パターン(いわゆる4段通電、図3(a)参照)により電極30,40間に通電しているが、これに限られない。例えば、非溶接電流値I2の第2通電区間A2及び溶接電流値I3の第3通電区間A3の2つの通電区間のみからなる通電パターン(いわゆる2段通電、図示省略)により電極30,40間に通電してもよい。
本発明の有用性を検証するために、図5に示すワークに溶接を施し、本発明にかかる方法で溶接部の接合状態を評価した後、溶接部を剥離してその剥離径を測定した。ワークは、図5(a)に示すように、ハット形状の金属板110,120の間に平板状の金属板130を挟み、全体として中空柱状に形成される。ハット形状の金属板110,120の一方のフランジ部111,121及びこれらに挟まれた金属板130は、スポット溶接により長手方向に離隔した4箇所(図5(b)に×印で示す)で接合される。このワークのうち、上側のハット形状の金属板110の他方のフランジ部112と、金属板130とを、上記に示した溶接方法により接合する。すなわち、図5(b)に示すように、一方のフランジ部111に既接合部Pの上方から一方の電極(図示省略)を当接させると共に、他方のフランジ部112に接合予定部Q’の上方から他方の電極(図示省略)を当接させて通電することにより、接合予定部Q’を溶接する。
この実施例では、接合予定部Q’において、フランジ部112と金属板130との間に隙間を設けるためにシム140を設けている。厚さが1.2mmのシム140を設けた状態で溶接したものを実施例とし、厚さが2mmのシム140を設けた状態で溶接したものを比較例とした。その結果を、表1に示す。尚、溶接部の剥離径は、溶接部の厚さの平方根(√t)に対する比率で表している。
Figure 2011177722
表1に示すように、実施例1〜3は抵抗値降下率R’が全て70%以上であるのに対し、比較例1〜3は抵抗値降下率R’が全て70%を下回っており、明らかな差が現れた。また、実施例は溶接部剥離径が6√tを越え(実施例1及び2)、あるいは溶接部が剥離されず(実施例3)、良好に接合されていた。これに対し、比較例は溶接部剥離径が4√t以下(比較例1及び2)、あるいは接合されず(比較例3)、接合状態が不良であった。従って、この実施例の場合は、抵抗降下率R’が所定値R0(70%)以上であるか否かにより、溶接部の接合状態の評価することができると言える。
10 上側の金属板(ハット形状)
20 下側の金属板(平板状)
30 電極(アース電極)
40 電極(溶接電極)
I2 非溶接電流値
I3 溶接電流値
Q’ 接合予定部
Q 溶接部
R’ 抵抗値降下率
Rav 平均抵抗値
Rmin 最小抵抗値
T 所定区間(所定時間)
W ワーク

Claims (2)

  1. 重ね合わせた2枚の金属板に一対の電極を当接させ、この一対の電極間に電流を流して前記2枚の金属板を溶接する抵抗溶接において、溶接部の接合状態を評価するための方法であって、
    電極間に溶接電流を通電する際の電極間の抵抗値の降下態様に基づいて、溶接部の接合状態を評価することを特徴とする溶接部の接合状態評価方法。
  2. 電極間に流す電流値を上昇させて溶接電流を通電する際に、この電流値の上昇から所定時間内における電極間の抵抗値の降下量に基づいて、溶接部の接合状態を評価する請求項1記載の溶接部の接合状態評価方法。
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