JP2011177251A - ミシンの糸調子装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】糸調子皿への押圧開放時における上糸張力を安定することができるミシンの糸調子装置を提供する。
【解決手段】糸調子軸18の割り溝185に嵌合する板棒部材29内に、第一糸調子皿22を後方に向けて付勢するバネ295を配置する。バネ295で第一糸調子皿22を後方に向けて付勢することにより、糸切り時又は縫製終了時に駆動ソレノイド30が駆動棒25を開放した際に、第一糸調子皿22と第二糸調子皿23とを離間する。
【選択図】図4

Description

本発明は、上糸に張力を付与するミシンの糸調子装置に関し、特に、一対の糸調子皿で上糸を挟持して上糸に張力を付与するミシンの糸調子装置に関する。
従来、ミシンは、上糸に張力を付与する糸調子装置を備えている。従来の糸調子装置は、一対の糸調子皿の間に上糸を挟持して当該上糸に張力を付与する(例えば、特許文献1参照)。一対の糸調子皿は、中心部に軸穴を各々備え、軸穴に糸調子軸を挿入している。糸調子軸は、一対の糸調子皿を軸心に沿って移動可能に支持している。糸調子軸は、糸調子軸の一端部側の軸心に沿って割り溝を形成している。糸調子軸は、糸調子軸の割り溝を形成している側に固定ナットを固定している。固定ナットは、糸調子軸の一端部側に位置する糸調子皿(他方の糸調子皿と称す)に当接可能となっており、糸調子皿の移動を規制する。糸調子軸は、他端側の軸心に割り溝に連通する挿通穴を有し、挿通穴の内部に駆動ロッドを配置している。駆動ロッドは、糸調子軸の軸心に沿って移動自在である。特許文献1の糸調子装置は、駆動ロッドを駆動する駆動機構を有する。
糸調子装置は、駆動機構が駆動ロッドを駆動すると、駆動ロッドは、糸調子軸の他端部側から一端部側に向けて移動する。移動した駆動ロッドは、前記他方の糸調子皿と対向する糸調子皿(一方の糸調子皿と称す)の中心部を該他方の糸調子皿の側に向けて押圧する。他方の糸調子皿は、固定ナットに当接するまで移動する。糸調子装置は、駆動ロッドと固定ナットとが一対の糸調子皿を挟持することで、一対の糸調子皿が上糸を挟持し、上糸に張力を付与する。
特開2005−261630号公報
上記従来の糸調子装置においては、糸切り時又は縫製終了時に駆動機構が押圧軸を開放し、糸調子皿へ作用する押圧力を開放する。押圧力の開放により2枚の糸調子皿が離間した場合には、上糸の張力は糸道抵抗のみとなり、上糸張力は安定する。しかしながら、上記従来技術では押圧力を開放するのみであり、2枚の糸調子皿を強制的に引き離しはしないため、押圧力を開放しても2枚の糸調子皿が離間せず接触したままの状態となるおそれがある。この場合、上糸の張力は糸道抵抗に2枚の糸調子皿による抵抗が加わり大きくなる。それ故、その後糸調子皿が離間すると上糸の張力が変化することとなり、上糸張力は不安定となる。
本発明の目的は、糸調子皿への押圧開放時における上糸張力を安定することができるミシンの糸調子装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1発明のミシンの糸調子装置は、中心部に軸穴を有し、上糸を挟持する一対の糸調子皿と、一端側に軸心に沿って形成した割り溝を有し、他端側の軸心に前記割り溝に連通する挿通穴を設け、前記一対の糸調子皿の前記軸穴に前記一端側を挿入して前記一対の糸調子皿を軸心に沿って移動可能に支持する糸調子軸と、前記糸調子軸の前記一端側に固定し、前記一対の糸調子皿の移動を規制する規制部材と、前記糸調子軸の前記挿通穴に前記軸心に沿って移動自在に配置して、一方の糸調子皿を前記規制部材に向けて押圧する押圧軸と、前記押圧軸を駆動する駆動機構とを備え、前記駆動機構の駆動によって前記押圧軸と前記規制部材とが前記一対の糸調子皿を挟持することで、前記一対の糸調子皿が挟持する前記上糸に対して張力を付与するミシンの糸調子装置において、前記糸調子軸の前記割り溝内に、前記一方の糸調子皿を前記糸調子軸の他端側に向けて付勢する付勢手段を配置したことを特徴とする。
本願第1発明のミシンの糸調子装置では、縫製開始時に、駆動機構が押圧軸を規制部材に向けて押圧する。押圧軸は軸心に沿って移動し、一方の糸調子皿を規制部材に向けて押圧する。規制部材は他方の糸調子皿の移動を規制する。押圧軸と規制部材とが一対の糸調子皿を挟持することで、押圧軸による押圧力が糸調子皿に作用して上糸に対し張力を付与する。
糸切り時又は縫製終了時に駆動機構が押圧軸を開放し、糸調子皿へ作用する押圧力を開放する。押圧力の開放により2枚の糸調子皿が離間すると、上糸の張力は糸道抵抗のみとなり、上糸張力は安定する。押圧力を開放しても2枚の糸調子皿が離間せず接触したままの状態である場合、上糸の張力は糸道抵抗に2枚の糸調子皿による抵抗が加わり大きくなる。それ故、その後糸調子皿が離間すると上糸の張力が変化することとなり、上糸張力は不安定となる。
本願第1発明のミシンの糸調子装置では、糸調子軸の割り溝内に、一方の糸調子皿を糸調子軸の他端側に向けて付勢する付勢手段を配置する。付勢手段で一方の糸調子皿を糸調子軸の他端側に向けて付勢することにより、糸切り時又は縫製終了時に駆動機構が押圧軸を開放した際に、一方の糸調子皿と他方の糸調子皿とを離間し、2枚の糸調子皿が接触したままの状態となるのを確実に防止できる。それ故、糸調子皿への押圧開放時における上糸張力を安定することができる。
第2発明のミシンの糸調子装置は、上記第1発明において、前記糸調子軸の前記割り溝に嵌合可能な挿入部材を更に備え、前記付勢手段を前記挿入部材内に設けたことを特徴とする。
本願第2発明のミシンの糸調子装置は、糸調子軸の割り溝に嵌合可能な挿入部材を備えており、付勢手段を挿入部材内に設けている。付勢手段を内部に備えた挿入部材を糸調子軸の割り溝に嵌合することにより、付勢手段を糸調子軸の割り溝内に確実に配置することができる。それ故、糸調子皿への押圧開放時における上糸張力を安定することができる。挿入部材を糸調子軸の割り溝に嵌合することにより、糸調子軸の割り溝を形成した部分の強度を向上することができる。
第3発明のミシンの糸調子装置は、上記第2発明において、前記挿入部材は、前記割り溝への嵌合時に前記一方の糸調子皿と対向する面に、前記付勢手段を収納する凹部を有していることを特徴とする。
本願第3発明のミシンの糸調子装置では、挿入部材が、割り溝への嵌合時に一方の糸調子皿と対向する面に、付勢手段を収納する凹部を有している。挿入部材を糸調子軸の割り溝に嵌合することにより、挿入部材の凹部と一方の糸調子皿とが対向し、凹部に収納した付勢手段は一方の糸調子皿に確実に接触できる。それ故、一方の糸調子皿を糸調子軸の他端側に向けて付勢することができ、糸調子皿への押圧開放時における上糸張力を安定することができる。
第4発明のミシンの糸調子装置は、上記第1乃至第3発明のいずれかにおいて、前記付勢手段は、前記一方の糸調子皿を前記糸調子軸の他端側に向けて常時付勢しており、前記押圧軸は、前記駆動機構の駆動により、縫製開始時には、前記付勢手段による付勢力に抗して前記一方の糸調子皿を規制部材に向けて押圧し、糸切り時又は縫製終了時には、前記一方の糸調子皿への押圧を停止することを特徴とする。
本願第4発明のミシンの糸調子装置では、付勢手段が一方の糸調子皿を糸調子軸の他端側に向けて常時付勢する。縫製開始時には、押圧軸が付勢手段による付勢力に抗して一方の糸調子皿を規制部材に向けて押圧し、糸切り時又は縫製終了時には、押圧軸が一方の糸調子皿への押圧を停止する。付勢手段による付勢力に抗して押圧軸で一方の糸調子皿を押圧する構造とすることで、押圧開放時における一方の糸調子皿のレスポンスを高め、押圧開放時に2枚の糸調子皿を速やかに離間することができる。一方の糸調子皿の戻り動作に電気的制御を用いないので、構造を簡素化できる。
本発明によれば、糸調子皿への押圧開放時における上糸張力を安定することができる。
ミシンの斜視図である。 図1に示すI−I線矢視方向断面図である。 糸調子機構の分解斜視図である。 糸調子機構の側断面図である。 板棒部材の全体構造を表す斜視図である。 糸調子皿への押圧力を開放、付与した場合における糸調子機構の側断面図である。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、図1の右斜め下方を使用者に対向するミシン1の前方とし、左斜め上方をミシン1の後方とし、右斜め上方をミシン1の右方とし、左斜め下方をミシン1の左方とする。
図1を参照してミシン1の構造について説明する。ミシン1は、ベッド2と、ベッド2の右側に立設した脚柱部3と、脚柱部3の上部から左方に延びるアーム部4と、アーム部4の先端に設けた頭部5とを備えている。ミシン1は、頭部5の下部に、モータ(図示省略)の駆動に基づいて上下に往復移動する針棒6を備えている。針棒6は、その下端に縫針7を装着している。上糸供給源である糸駒(図示省略)は、縫針7に上糸9を供給する。ミシン1は、頭部5の中段位置よりもやや下側に上糸9の張力を調整する糸調子装置10を設けている。ミシン1は、糸調子装置10の左斜め上方に上下に移動可能な天秤8を備えている。
図2乃至図6を参照して糸調子装置10について説明する。図2に示すように、糸調子装置10は、糸調子機構11と、駆動ソレノイド30と、中間軸40とを備えている。糸調子装置10は、糸調子機構11を頭部5の前方部分51(図1参照)に配置し、駆動ソレノイド30を頭部5の後方部分52(図1参照)に配置し、中間軸40を糸調子機構11と駆動ソレノイド30との間に配置している。
糸調子機構11について説明する。以下の説明において、図3及び図4の右方を糸調子機構11の前方とし、左方を糸調子機構11の後方として説明する。図3及び図4に示すように、糸調子機構11は、略円筒状の糸調子台16と、糸調子軸18と、コイル状の糸取バネ20と、皿状の第一糸調子皿22と、皿状の第二糸調子皿23と、第二糸調子皿23を押さえる皿押え部材19と、円環状の弾性部材21と、固定部24と、駆動棒25と、板状の板棒部材29とを備える。以下、各部材について説明する。
糸調子台16について説明する。図4に示すように、糸調子台16は、中央部に筒穴163を備える。筒穴163は、糸調子台16の前方に開口したバネ収容穴161と、後方に開口した軸受け穴162とからなる。バネ収容穴161の開口径は、軸受け穴162の開口径よりも大きい。糸調子台16は、前端部近傍において周方向に沿って形成しているスリット164を備えている。糸調子台16は、後端部近傍において、外周部から軸受け穴162に向けて貫通する螺子穴169を備える。螺子68は、螺子穴169にねじ込み、後述する糸調子軸18を糸調子台16に回動可能に固定している。
糸調子軸18について説明する。図3及び図4に示すように、糸調子軸18は、後端側から前端側に向かって、小径軸部181と、大径軸部182と、皿支持軸部183とを同軸上に一体的に備える。小径軸部181及び大径軸部182は、略円筒状形状を有している。大径軸部182の外径は、小径軸部181の外径よりも大きい。小径軸部181及び大径軸部182は、その軸心に駆動棒25が挿通可能な挿通穴186を有している。皿支持軸部183は、軸心に沿って割り溝185を形成している。挿通穴186は、割り溝185に連通している。板棒部材29は、割り溝185に嵌合している。なお、糸調子軸18の前端側が特許請求の範囲に記載の一端側に相当し、後端側が他端側に相当する。
図4に示すように、糸調子軸18の小径軸部181は、糸調子台16の軸受け穴162に挿通している。螺子68は、小径軸部181を、糸調子台16に対して回動可能に固定している。糸調子軸18の大径軸部182は、糸調子台16のバネ収容穴161に挿通している。皿支持軸部183は、糸調子台16の前面よりも前方に突出している。
糸取バネ20について説明する。なお、図4では糸取バネ20の図示を省略している。図3に示すように、糸取バネ20は、1本の金属線からなる。糸取バネ20は、コイル部201と、アーム部202と、湾曲部203とを備えている。コイル部201は、金属線をコイル状に巻いて形成している。アーム部202は、コイル部201の前端から、コイル部201の径方向外側に延出している。湾曲部203は、アーム部202の先端に連なって湾曲している。コイル部201は、その内部に大径軸部182を配置し、その後端部は、大径軸部182に固着している。糸調子台16のバネ収容穴161は、その内部にコイル部201を配置している。アーム部202及び湾曲部203は、スリット164から糸調子台16の外部に延出している。
第一糸調子皿22について説明する。図3及び図4に示すように、第一糸調子皿22は、一枚の金属板からなり、略皿状形状を有している。第一糸調子皿22は、中心部に一対の半円形状の穴部221、穴部222を備えており、これら穴部221と穴部222との間に帯状の架橋部223を形成している。第一糸調子皿22は、穴部221、穴部222を取り囲む部分に、糸調子軸18の軸方向前端側に向かって凹状に窪んだ窪み部224を形成している。図4に示すように、糸調子軸18の皿支持軸部183は、第一糸調子皿22の穴部221、穴部222に挿入している。穴部221、穴部222の間の架橋部223は、皿支持軸部183に形成している割り溝185に位置している。第一糸調子皿22は、糸調子軸18の軸心に沿って移動可能である。第一糸調子皿22が、特許請求の範囲に記載の一方の糸調子皿に相当し、第一糸調子皿22の穴部221,222が軸穴に相当する。
第二糸調子皿23について説明する。図3及び図4に示すように、第二糸調子皿23は、一枚の金属板からなり、略皿状形状を有している。第二糸調子皿23は、中心部に円形の穴部231を備えている。糸調子軸18の皿支持軸部183は、穴部231に挿入している。糸調子軸18の割り溝185に嵌合した板棒部材29は、穴部231に挿入している。皿支持軸部183は、第二糸調子皿23を糸調子軸18の軸心に沿って移動可能に支持する。第二糸調子皿23は、前側の面の穴部231を取り囲む部分に、糸調子軸18の軸方向後端側に向かって凹状に窪んだ窪み部232を形成している。第一糸調子皿22の窪み部224と、第二糸調子皿23の窪み部232とが接触する。第二糸調子皿23が、特許請求の範囲に記載の他方の糸調子皿に相当し、第二糸調子皿23の穴部231が軸穴に相当する。
皿押え部材19について説明する。図3及び図4に示すように、皿押え部材19は、第二糸調子皿23と弾性部材21との間に位置している。皿押え部材19は、金属製の略皿状形状の部材であり、中心部に円形の穴部191を備えている。糸調子軸18の皿支持軸部183は、穴部191に挿入している。皿支持軸部183は、皿押え部材19を糸調子軸18の軸心に沿って移動可能に支持する。皿押え部材19は、周淵部の円周方向全体に亘り、糸調子軸18の軸方向後端側に向かって突出した押え部192を形成している。押え部192は、第二糸調子皿23の窪み部232の前方側に接触する。皿押え部材19が、特許請求の範囲に記載の接触部材に相当する。
皿押え部材19の前方側の面は、径方向内周側に弾性部材21と接触する接触面193を有し、径方向外周側に糸調子軸18の軸方向に直交する平面194を有している。接触面193は、当該接触面193と弾性部材21の接触面211とが糸調子軸18の軸心に向かって互いに近づくように傾斜したテーパ形状を有している。皿押え部材19と弾性部材21とは、互いの接触面193,211が傾斜した状態で接触する。接触面193の傾斜角度は、弾性部材21の硬度等を考慮し、幅広い張力域において上糸9に安定して張力を付与できるような適切な角度となっている。
弾性部材21について説明する。図3及び図4に示すように、弾性部材21の形状は、所定の厚みを有する円環状である。弾性部材21は、後方側に皿押え部材19の接触面193と接触する接触面211を有している。接触面211は、糸調子軸18の軸方向に直交する平面である。弾性部材21は、中央に穴部212を有し、穴部212に糸調子軸18を挿入している。穴部212に糸調子軸18を挿入した状態において、弾性部材21は後述のセットカラー243の凹部241に収納される。弾性部材21の材質はゴムや樹脂等であるが、好ましくはニトリルゴムである。
固定部24について説明する。図3及び図4に示すように、固定部24は、セットカラー243を備える。セットカラー243は、円環状に形成してあり、中央に穴244を有する。セットカラー243は、穴244に糸調子軸18を挿入している。セットカラー243は、外周の一部にスリット245を備えている。スリット245は、穴244から径方向外周部に向けて形成している。セットカラー243は、外周面にスリット245と対向する両側に突片246,246を備える。突片246,246は、スリット245に対して直交している。ボルト(図示省略)は、一方の突片246から他方の突片246に向けて挿通する。セットカラー243は、ボルトを締め付けることにより、糸調子軸18の皿支持軸部183に対して固定する。セットカラー243は、第一糸調子皿22、第二糸調子皿23、皿押え部材19、及び弾性部材21の前方向への移動を規制する。固定部24が特許請求の範囲に記載の規制部材に相当する。
セットカラー243は、後方側に、弾性部材21を収納可能な凹部241を有している。凹部241を形成する外壁後端部は、皿押え部材19の平面194と係合する係合部242として機能する。係合部242は、皿押え部材19の平面194に当接し、皿押え部材19の弾性部材21側への移動を規制する。
板棒部材29について説明する。図4及び図5に示すように、板棒部材29は、挿入部291と、円柱状の円柱部292とを有している。挿入部291は、割り溝185に嵌合する側面視略長方形の板である。円柱部292は、挿入部291の前端側に挿入部291と一体的に形成している。挿入部291の長手方向(図4及び図5における左右方向)の寸法は、割り溝185の深さ寸法よりも短く、割り溝185に嵌合した状態で、第一糸調子皿22の架橋部223に接触しない。挿入部291の幅は、割り溝185の幅と略同一である。図4に示すように、円柱部292は、糸調子軸18の前端から前方に突出している。円柱部292は、その前端面に直線状の溝293を形成している。
板棒部材29は、糸調子軸18の割り溝185への嵌合時に第一糸調子皿22と対向する面294に、バネ295を収納する凹部296を有している。なお、図5ではバネ295の図示を省略している。図4に示すように、バネ295はコイルバネである。板棒部材29の凹部296は、バネ295の前方側を収納し、バネ295の前端部を底部297に固着している。板棒部材29が糸調子軸18の割り溝185へ嵌合すると、板棒部材29はバネ295を割り溝185内に配置する。バネ295の後端部は、第一糸調子皿22の架橋部223の前面側に当接する。バネ295は、板棒部材29が割り溝185へ嵌合した際には、第一糸調子皿22を後方に向けて常時付勢する。なお、バネ295は特許請求の範囲に記載の付勢手段に相当し、板棒部材29は挿入部材に相当する。
板棒部材29の機能について説明する。図4に示すように、第二糸調子皿23の前端部への移動を規制する固定部24は、糸調子軸18の皿支持軸部183に固定している。作業者が固定部24を皿支持軸部183に固定する際、皿支持軸部183に力が加わる。割り溝185を形成している皿支持軸部183の強度は、割り溝185を形成していない小径軸部181及び大径軸部182よりも低い。板棒部材29がない場合、セットカラー243を皿支持軸部183に固定する際、強度の低い皿支持軸部183は前述した力を受けて先端部が割り溝185を閉じるように変形するおそれがある。皿支持軸部183が変形してしまうと、セットカラー243が緩み、第二糸調子皿23の位置は変化する。第二糸調子皿23の位置が変化すると、上糸9に付与する張力は変化する。
本実施形態では、板棒部材29を割り溝185に嵌合する。それ故、糸調子軸18の皿支持軸部183の強度は向上する。セットカラー243を皿支持軸部183に固定するとき、皿支持軸部183に力が加わっても、糸調子装置10は皿支持軸部183が変形するのを防ぐことができる。皿支持軸部183が変形しないので、セットカラー243は緩むことがない。それ故、糸調子装置10は、第二糸調子皿23の位置を確実に規制でき、第一糸調子皿22と第二糸調子皿23とが上糸9に付与する張力を安定化することができる。
駆動棒25について説明する。図3及び図4に示すように、駆動棒25は、糸調子軸18の挿通穴186の軸心に沿って移動自在に配置している。駆動棒25は、後述する駆動ソレノイド30(図2参照)が駆動すると前方に移動する。駆動棒25が前方に移動すると、駆動棒25の前端は、第一糸調子皿22の架橋部223の後面側に当接し、第一糸調子皿22を第二糸調子皿23に向けて押圧する。駆動棒25が、特許請求の範囲に記載の押圧軸に相当する。
駆動ソレノイド30について説明する。図2に示すように、糸調子装置10は、駆動ソレノイド30を頭部5の後方部分52(図1参照)に配置している。駆動ソレノイド30は、前後方向に移動可能な出力軸31と出力軸31を駆動する制御装置(図示省略)とを備えている。出力軸31は、前記制御装置が駆動ソレノイド30に駆動電圧を供給すると前方に所定距離だけ進出する。出力軸31の進出距離は、固定部24の固定位置に依存する。出力軸31の前端部は、中間軸40と接続している。中間軸40と出力軸31と駆動棒25とは同軸上に位置している。駆動ソレノイド30及び中間軸40が、特許請求の範囲に記載の駆動機構に相当する。
次に、上述した糸調子装置10による上糸の張力調整方法について説明する。図1に示すように、作業者は、ミシン1で縫製動作を開始する前に糸駒(図示省略)が供給する上糸9を、糸調子装置10、天秤8を経由して、縫針7に供給する。作業者は、上糸9を糸調子装置10に係合する際に、上糸9を第一糸調子皿22と第二糸調子皿23との間に配置した後、糸取バネ20の湾曲部203(図3参照)に引っ掛ける。ミシン1が縫製動作を開始していない状態では、中間軸40(図2参照)の前端は、駆動棒25の後端に接触していない。中間軸40の前端と駆動棒25の後端との間には所定の離間距離がある。
この状態では、駆動棒25は第一糸調子皿22を前方に押圧していない。図6(a)に示すように、第一糸調子皿22はバネ295の付勢力により後方に移動し、第一糸調子皿22と第二糸調子皿23とは離間している。糸調子台16の前端部165が第一糸調子皿22の窪み部224の後面側に当接し、第一糸調子皿22の後方への移動を規制する。
図2に示すように、縫製開始時に、前記制御装置が駆動ソレノイド30に駆動電圧を供給すると、出力軸31は前方に移動する。出力軸31が前方に移動すると、出力軸31と接続している中間軸40が前方に移動して、中間軸40の前端と駆動棒25の後端とが接触する。その後、中間軸40は、駆動棒25を前方に押圧する。それ故、駆動棒25は、前方に移動する。
図6(b)に示すように、前方に移動した駆動棒25は、第一糸調子皿22の架橋部223の後面側に当接して、第一糸調子皿22をバネ295による付勢力に抗して前方に押圧する。第一糸調子皿22は、第二糸調子皿23及び皿押え部材19を前方に押圧する。固定部24は、第二糸調子皿23及び皿押え部材19の前方への移動を弾性部材21を介して規制している。それ故、押圧力(挟持圧力)は、第一糸調子皿22と第二糸調子皿23との間に発生する。第一糸調子皿22及び第二糸調子皿23は、上糸9を挟持して、上糸9に張力を付与する。
糸切り時又は縫製終了時には、駆動ソレノイド30(図2参照)に対する駆動電圧(駆動電流)の供給が停止し、出力軸31(図2参照)が後方に退避する。出力軸31が後方に退避すると、駆動棒25は第一糸調子皿22の押圧を解除し、糸調子皿22,23へ作用する押圧力を開放する。
ここで、押圧力の開放により2枚の糸調子皿22,23が離間した状態となる場合、上糸9の張力は糸道抵抗のみとなり、上糸張力は安定する。押圧力を開放しても2枚の糸調子皿22,23が離間せず接触したままの状態となる場合、上糸9の張力は糸道抵抗に2枚の糸調子皿22,23による抵抗が加わり大きくなる。それ故、その後糸調子皿22,23が離間すると上糸9の張力が変化することとなり、上糸張力は不安定となってしまう。
本実施形態では、板棒部材29の割り溝185への嵌合により、第一糸調子皿22を後方に向けて付勢するバネ295を割り溝185内に配置する。図6(a)に示すように、駆動棒25が第一糸調子皿22の押圧を解除して糸調子皿22,23へ作用する押圧力を開放すると、第一糸調子皿22がバネ295の付勢力により後方に移動し、第一糸調子皿22と第二糸調子皿23とが離間する。糸調子台16の前端部165が第一糸調子皿22の窪み部224の後面側に当接し、第一糸調子皿22の後方への移動を規制する。2枚の糸調子皿22,23が接触したままの状態となるのを確実に防止できるので、糸調子皿22,23への押圧開放時における上糸張力を安定することができる。
以上説明した本実施形態のミシンの糸調子装置10では、糸調子軸18の割り溝185内に、第一糸調子皿22を後方に向けて付勢するバネ295を配置する。バネ295で第一糸調子皿22を後方に向けて付勢することにより、糸切り時又は縫製終了時に駆動ソレノイド30が駆動棒25を開放した際に、第一糸調子皿22と第二糸調子皿23とを離間し、2枚の糸調子皿22,23が接触したままの状態となるのを確実に防止できる。それ故、糸調子皿22,23への押圧開放時における上糸張力を安定することができる。
また、本実施形態では特に、糸調子装置10が糸調子軸18の割り溝185に嵌合可能な板棒部材29を備えており、バネ295を板棒部材29内に設けている。バネ295を内部に備えた板棒部材29を糸調子軸18の割り溝185に嵌合することにより、バネ295を割り溝185内に確実に配置することができる。それ故、糸調子皿22,23への押圧開放時における上糸張力を安定することができる。板棒部材29を糸調子軸18の割り溝185に嵌合することにより、糸調子軸18の割り溝185を形成した部分の強度を向上することができる。
また、本実施形態では特に、板棒部材29が、割り溝185への嵌合時に第一糸調子皿22と対向する面294に、バネ295を収納する凹部296を有している。板棒部材29を糸調子軸18の割り溝185に嵌合することにより、板棒部材29の凹部296と第一糸調子皿22とが対向し、凹部296に収納したバネ295は第一糸調子皿22の架橋部223に確実に接触できる。それ故、第一糸調子皿22を後方に向けて付勢することができ、糸調子皿22,23への押圧開放時における上糸張力を安定することができる。
また、本実施形態では特に、板棒部材29が割り溝185へ嵌合した際には、バネ295が第一糸調子皿22を後方に向けて常時付勢する。縫製開始時には、駆動棒25がバネ295による付勢力に抗して第一糸調子皿22を固定部24に向けて押圧し、糸切り時又は縫製終了時には、駆動棒25が第一糸調子皿22への押圧を停止する。バネ295による付勢力に抗して駆動棒25で第一糸調子皿22を押圧する構造とすることで、押圧開放時における第一糸調子皿22のレスポンスを高め、押圧開放時に2枚の糸調子皿22,23を速やかに離間することができる。第一糸調子皿22の戻り動作に電気的制御を用いないので、構造を簡素化できる。
なお、本発明は、上記実施形態に限るものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、バネ295をコイルバネとしたが、板バネ等のコイルバネ以外のバネを用いてもよい。またバネに限るものではなく、ゴム等の弾性部材を用いてもよい。
上記実施形態では、バネ295を板棒部材29内に設けるようにしたが、これに限らず、バネ295を第一糸調子皿22側に設けてもよい。この場合、バネ295の後端部を第一糸調子皿22の架橋部223に固着しておき、架橋部223より立設したバネ295を凹部296内に収納するように、板棒部材29を糸調子軸18の割り溝185へ嵌合すればよい。
上記実施形態では、第二糸調子皿23と弾性部材21との間に皿押え部材19を配置したが、当該皿押え部材19は必ずしも配置する必要はない。第二糸調子皿23と弾性部材21とが直接接触する構成としてもよい。
上記実施形態では、固定部24としてセットカラー243を用いるようにしたが、固定部24の構造は上記実施形態に限定しない。例えば六角ナットを用いて固定部24を構成してもよい。
1 ミシン
9 上糸
10 糸調子装置
18 糸調子軸
21 弾性部材
22 第一糸調子皿(一方の糸調子皿)
23 第二糸調子皿(他方の糸調子皿)
24 固定部(規制部材)
25 駆動棒(押圧軸)
29 板棒部材(挿入部材)
30 駆動ソレノイド(駆動機構)
40 中間軸(駆動機構)
185 割り溝
186 挿通穴
221,222 穴部(軸穴)
231 穴部(軸穴)
294 対向する面
295 バネ(付勢手段)
296 凹部

Claims (4)

  1. 中心部に軸穴を有し、上糸を挟持する一対の糸調子皿と、
    一端側に軸心に沿って形成した割り溝を有し、他端側の軸心に前記割り溝に連通する挿通穴を設け、前記一対の糸調子皿の前記軸穴に前記一端側を挿入して前記一対の糸調子皿を軸心に沿って移動可能に支持する糸調子軸と、
    前記糸調子軸の前記一端側に固定し、前記一対の糸調子皿の移動を規制する規制部材と、
    前記糸調子軸の前記挿通穴に前記軸心に沿って移動自在に配置して、一方の糸調子皿を前記規制部材に向けて押圧する押圧軸と、
    前記押圧軸を駆動する駆動機構とを備え、
    前記駆動機構の駆動によって前記押圧軸と前記規制部材とが前記一対の糸調子皿を挟持することで、前記一対の糸調子皿が挟持する前記上糸に対して張力を付与するミシンの糸調子装置において、
    前記糸調子軸の前記割り溝内に、前記一方の糸調子皿を前記糸調子軸の他端側に向けて付勢する付勢手段を配置した
    ことを特徴とするミシンの糸調子装置。
  2. 請求項1記載のミシンの糸調子装置において、
    前記糸調子軸の前記割り溝に嵌合可能な挿入部材を更に備え、
    前記付勢手段を前記挿入部材内に設けた
    ことを特徴とするミシンの糸調子装置。
  3. 請求項2記載のミシンの糸調子装置において、
    前記挿入部材は、
    前記割り溝への嵌合時に前記一方の糸調子皿と対向する面に、前記付勢手段を収納する凹部を有している
    ことを特徴とするミシンの糸調子装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のミシンの糸調子装置において、
    前記付勢手段は、
    前記一方の糸調子皿を前記糸調子軸の他端側に向けて常時付勢しており、
    前記押圧軸は、
    前記駆動機構の駆動により、縫製開始時には、前記付勢手段による付勢力に抗して前記一方の糸調子皿を規制部材に向けて押圧し、糸切り時又は縫製終了時には、前記一方の糸調子皿への押圧を停止する
    ことを特徴とするミシンの糸調子装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103451874A (zh) * 2013-08-09 2013-12-18 中捷大宇机械有限公司 地毯绣夹线器装置
CN107304500A (zh) * 2016-04-21 2017-10-31 Juki株式会社 缝纫机的线调节器装置

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