JP2011175692A - 光ディスク原盤の製造方法、及び、光ディスク製造用スタンパの製造方法 - Google Patents

光ディスク原盤の製造方法、及び、光ディスク製造用スタンパの製造方法 Download PDF

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【課題】熱化学反応を利用して無機レジスト層に形成された凹凸パターンを、電鋳処理により、表面に微小な陥没状の欠陥を生じさせることなく、スタンパに転写可能な光ディスク原盤の製造方法を提供する。
【解決手段】スタンパに凹凸パターンを転写可能な光ディスク原盤の製造方法において、第1のレジスト層101を、基板100上に成膜する第1の成膜工程と、成膜された第1のレジスト層101を、光ディスクの記録用信号の凹凸パターンに対応させて選択的に露光する露光工程と、露光された基板を現像して、第1のレジスト層101が成膜された基板100上に、凹凸パターン102を形成する現像工程と、凹凸パターン102が形成された基板の第1のレジスト層101に、第1のレジスト層101よりも酸素含有量が少ない遷移金属の酸化物を含む第2のレジスト層103を成膜する第2の成膜工程とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ディスク製造用スタンパに凹凸パターンを転写する光ディスク原盤の製造方法、及び、この光ディスク製造用スタンパの製造方法に関するものである。
各種情報を記録保存する光ディスクは、ポリカーボネート等の光学的に透明な基板の一主面上に情報信号を示すピットやグルーブ等の微細な凹凸パターンが形成され、その上にアルミニウム等の金属薄膜からなる反射膜が形成され、さらにその反射膜上に保護膜が形成された構造を有している。
このような構造の記録媒体では、近年の情報通信及び画像処理技術の急速な発展に伴い、凹凸パターンをより微細化させることによって記録密度を増大させ、ひいては記録容量の増大を図ることが望まれている。ここで、この光ディスクの凹凸パターンの微細化に関与する光ディスクの製造工程として、特許文献1に記載された製造方法がある。
特許文献1に記載された製造方法では、まず、光ディスク原盤用の基板の上に、無機レジスト層を均一に形成する。続いて、この製造方法は、基板上に形成された無機レジスト層に信号パターンに対応した選択的な露光を施し、レジスト層を現像することによって所定の凹凸パターンが形成された光ディスク原盤を得る。
そして、この製造方法では、上述のようにして得られた光ディスク原盤の凹凸パターン面上に、電鋳法によって金属ニッケル膜を析出させ、これを光ディスク原盤から剥離させた後に所定の加工を施し、凹凸パターンが転写された成型用スタンパを得る。
この製造方法では、成型用スタンパを用いて射出成型法によって熱可塑性樹脂であるポリカーボネートからなる樹脂製ディスク基板を成形する。続いて、スタンパを剥離し、その樹脂製ディスク基板の凹凸面にAl合金などの反射膜と保護膜とを成膜することにより光ディスクを得る。
以上のような製造方法により製造される光ディスクの微細凹凸パターンは、微細凹凸パターンが高精度に形成されたスタンパを用いて、基板上に忠実に且つ即座に当該パターンを複製するプロセスを経ることにより作製される。
特開2004−152465号公報
上述した特許文献1に記載の製造方法では、光ディスク原盤の無機レジスト層の酸素含有量が多いほど、露光による熱化学反応が良く、未露光部と露光部との境界が明瞭になる。しかしながら、酸素含有量が多い無機レジスト層を有する光ディスク原盤を用いて作成されたスタンパーは、その表面に微小な陥没状の欠陥を生じ易く、このようなスタンパーから作成された光ディスクはエラーレートが高くなってしまうという問題があった。
本発明は、この実情に鑑みて提案されたもので、熱化学反応を利用して無機レジスト層に形成された凹凸パターンを、電鋳処理により、表面に微小な陥没状の欠陥を生じさせることなく、スタンパに転写可能な光ディスク原盤の製造方法を提供することを目的とする。また、この光ディスク原盤の無機レジスト層に形成された凹凸パターンが転写される光ディスク製造用スタンパの製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための手段として、本発明に係る光ディスク原盤の製造方法は、遷移金属の不完全酸化物を含み、不完全酸化物の酸素含有量が、遷移金属のとりうる価数に応じた化学量論組成の酸素含有量より少ない第1のレジスト層を、基板上に成膜する第1の成膜工程と、第1の成膜工程により基板上に成膜された第1のレジスト層を、光ディスクの記録用信号の凹凸パターンに対応させて選択的に露光する露光工程と、露光工程により露光された基板を現像して、第1のレジスト層が成膜された基板上に、凹凸パターンを形成する現像工程と、現像工程により凹凸パターンが形成された基板の第1のレジスト層に、第1のレジスト層に含まれる遷移金属の不完全酸化物よりも、酸素含有量が少ない遷移金属の酸化物を含む第2のレジスト層を成膜する第2の成膜工程とを有し、光ディスク製造用スタンパに上記凹凸パターンを転写する。
また、本発明に係る光ディスク製造用スタンパの製造方法は、遷移金属の不完全酸化物を含み、不完全酸化物の酸素含有量が、遷移金属のとりうる価数に応じた化学量論組成の酸素含有量より少ない第1のレジスト層を、基板上に成膜する第1の成膜工程と、第1の成膜工程により基板上に成膜された第1のレジスト層を、光ディスクの記録用信号の凹凸パターンに対応させて選択的に露光する露光工程と、露光工程により露光された基板を現像して、第1のレジスト層が成膜された基板上に、凹凸パターンを形成する現像工程と、現像工程により凹凸パターンが形成された基板の第1のレジスト層に、第1のレジスト層に含まれる遷移金属の不完全酸化物よりも、酸素含有量が少ない遷移金属の酸化物を含む第2のレジスト層を成膜する第2の成膜工程と、第2の成膜工程により第2のレジスト層が成膜された基板上の凹凸パターンに対して、電鋳処理を施してスタンパを形成する電鋳工程と、電鋳工程により形成されたスタンパを基板から離型する離型工程とを有する。
本発明は、露光及び現像処理において、第1のレジスト層の酸素含有量を調整して熱化学反応を利用した良好な加工特性を維持する。そして、本発明は、現像後において、第1のレジスト層に含まれる遷移金属の酸化物に比べて、酸素含有量が少なく化学反応しにくい遷移金属の酸化物を含む第2のレジスト層で凹凸パターンを被覆する。
このようにして、本発明は、第1のレジスト層に比べて化学反応しにくい第2のレジスト層で凹凸パターンを被覆することで、凹凸パターンをスタンパに転写する際に無機レジスト材がスタンパに付着しても、スタンパの表面に微小な陥没状の欠陥の発生を軽減することができる。
本発明は、熱化学反応を利用して無機レジスト層に形成された凹凸パターンを、電鋳処理により、表面に微小な陥没状の欠陥の発生を軽減して光ディスク原盤からスタンパに転写することができ、エラーレートの低い光ディスクを製造することができる。
本発明が適用された光ディスク原盤及びスタンパの製造工程を示す図である。 第2のレジスト層に含まれる遷移金属の酸化物に占める酸素の含有比が0.75であるときの、光ディスク原盤を用いて製造されたスタンパの表面状態について説明するための図である。 第2のレジスト層に含まれる遷移金属の酸化物に占める酸素の含有比が0.70であるときの、光ディスク原盤を用いて製造されたスタンパの表面状態について説明するための図である。 第2のレジスト層に含まれる遷移金属の酸化物に占める酸素の含有比が0.65であるときの、光ディスク原盤を用いて製造されたスタンパの表面状態について説明するための図である。 第2のレジスト層に含まれる遷移金属の酸化物に占める酸素の含有比が0.57であるときの、光ディスク原盤を用いて製造されたスタンパの表面状態について説明するための図である。 第2のレジスト層に含まれる遷移金属の酸化物に占める酸素の含有比が0.50であるときの、光ディスク原盤を用いて製造されたスタンパの表面状態について説明するための図である。 第2のレジスト層に含まれる遷移金属の酸化物に占める酸素の含有比が0.40であるときの、光ディスク原盤を用いて製造されたスタンパの表面状態について説明するための図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明が適用された光ディスク原盤の製造方法は、図1に示すような、第1の成膜工程と、露光工程と、現像工程と、第2の成膜工程とから構成される。また、本発明が適用された光ディスク製造用スタンパの製造方法は、第1の成膜工程と、露光工程と、現像工程と、第2の成膜工程と、電鋳工程と、離型工程とから構成される。
<第1の成膜工程>
第1の成膜工程では、遷移金属の不完全酸化物を含み、不完全酸化物の酸素含有量が、遷移金属のとりうる価数に応じた化学量論組成の酸素含有量より少ない第1のレジスト層101を、基板100上に成膜する。
具体的に、第1の成膜工程では、図1(A)に示すように、ガラス又はシリコンウエハなどの絶縁材料からなる基板100の上に、スパッタリング法により、無機系のレジスト材料からなる第1のレジスト層101を均一に成膜する。
なお、第1のレジスト層101の露光感度の改善のために基板100とレジスト層101との間に所定の中間層を形成してもよい。また、第1のレジスト層101の膜厚は、所望のピット高さが得られる厚さであればよいが、例えば、10nm〜80nmが用いられる。
ここで、第1のレジスト層101に適用されるレジスト材料は、上述したように、遷移金属の不完全酸化物であって、例えば、タングステン(W)やモリブデン(Mo)などの酸化物を使用し、酸化比率は所望の露光感度やピット形状、未露光部の現像液耐性が得られる条件を選択する。
具体的に、遷移金属の不完全酸化物は、遷移金属のとりうる価数に応じた化学量論組成より酸素含有量が少ない方向にずれた化合物のこと、すなわち遷移金属の不完全酸化物における酸素含有量が、遷移金属のとりうる価数に応じた化学量論組成の酸素含有量より少ない化合物である。
例えば、遷移金属の酸化物として、化学式MoOを例に挙げて説明する。化学式MoOの酸化状態を組成割合Mo1−xに換算すると、x=0.75の場合が完全酸化物であるのに対して、0<x<0.75で表される場合に化学量論組成より酸素含有量が不足した不完全酸化物であるといえる。
また、遷移金属では、1つの元素が価数の異なる酸化物を形成可能なものがあるが、この場合には、遷移金属のとりうる価数に応じた化学量論組成より実際の酸素含有量が不足していればよい。例えばMoは、先に述べた3価の酸化物(MoO)が最も安定であるが、その他に1価の酸化物(MoO)も存在する。この場合には組成割合Mo1−xに換算すると、0<x<0.5の範囲内であるとき化学量論組成より酸素含有量が不足した不完全酸化物であるといえる。なお、遷移金属酸化物の価数は、市販の分析装置で分析可能である。
このような遷移金属の不完全酸化物は、紫外線又は可視光に対して吸収を示し、紫外線又は可視光を照射されることでその化学的性質が変化する。また、遷移金属の不完全酸化物からなるレジスト材料は、膜材料の微粒子サイズが小さいために未露光部と露光部との境界部のパターンが明瞭なものとなり、分解能を高めることができる。
また、遷移金属の不完全酸化物は、酸化の度合いによってそのレジスト材料としての特性が変化する。例えば、遷移金属の完全酸化物の化学量論組成より大幅に酸素含有量が少ない不完全酸化物では、露光工程で大きな照射パワーを要したり、現像処理に長時間を有したりする等の不都合を伴う。よって、第1のレジスト層の材料は、露光及び現像処理において良好な加工特性を実現する観点から、遷移金属の完全酸化物の化学量論組成より僅かに酸素含有量が少ない不完全酸化物であることが好ましい。
また、レジスト材料を構成する具体的な遷移金属としては、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Nb、Cu、Ni、Co、Mo、Ta、W、Zr、Ru、Ag等が挙げられる。この中でも、Mo、W、Cr、Fe、Nbを用いることが好ましく、紫外線又は可視光により大きな化学的変化を得られるといった観点から特にMo、Wを用いることが好ましい。
なお、遷移金属の不完全酸化物としては、1種の遷移金属の不完全酸化物の他に、第2の遷移金属を添加したもの、さらに複数種類の遷移金属を添加したもの、遷移金属以外の他の元素が添加されたもの等のいずれも用いてよい。
<露光工程>
露光工程では、第1の成膜工程により基板100上に成膜された第1のレジスト層101を、光ディスクの記録用信号の凹凸パターンに対応させて選択的に露光する。
具体的には、露光工程では、図1(B)に示すように、レーザ装置を備えた露光装置200を用いて、第1のレジスト層101に光ディスクに記録する信号パターンに対応した選択的な露光を施して感熱させる。
ここで、露光工程では、後述する第2の成膜工程により凹凸パターンの開口形状が小さくなるのを考慮するため、露光範囲の調整を行う。具体的には、露光工程では、第2の成膜工程によりレジスト材料が被覆されたときに所望の信号パターンを示す開口形状となるように、本工程において露光範囲を大きくして開口形状を大きくする調整を行う。
また、露光装置200は、レジスト層が露光される例えばレーザ光を発生するビーム発生源が設けられ、これよりのレーザ光が、コリメータレンズ、ビームスプリッタ及び対物レンズを通じて、第1のレジスト層101にフォーカシングされて照射する構成を有する。露光用のレーザとしては、ピット形状に応じた波長の光が用いられるが、例えば、波長405nmのレーザを出射する発光ダイオードのレーザ光が用いられる。
<現像工程>
現像工程では、露光工程により露光された基板100を現像して、第1のレジスト層101が成膜された基板100上に、凹凸パターンを形成する処理である。
具体的に、現像工程では、図1(C)に示すように、第1のレジスト層101を現像することによって、基板100上に、所定の凹凸パターン102を形成する。
現像処理としては、酸又はアルカリ等の液体によるウェットプロセスによって選択比を得ることが可能であり、使用目的、用途、装置設備等によって適宜使い分けることが可能である。ウェットプロセスに用いられるアルカリ現像液としては水酸化テトラメチルアンモニウム溶液、KOH、NaOH、NaCO等の無機アルカリ水溶液等を用いることができ、酸現像液としては、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸等を用いることができる。
また、ウェットプロセスの他、プラズマ又は反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)と呼ばれるドライプロセスによっても、ガス種及び複数のガスの混合比を調整することにより現像が可能である。
<第2の成膜工程>
第2の成膜工程では、現像工程により凹凸パターン102が形成された基板100の第1のレジスト層101に、第1のレジスト層101に含まれる遷移金属の不完全酸化物よりも、酸素含有量が少ない遷移金属の酸化物を含む第2のレジスト層103を成膜する。
例えば、Mo及び/又はWの3価の不完全酸化物を無機レジスト材料とした場合、第2のレジスト層103の酸化比率は、後述する実施例から明らかなように、不完全酸化物の組成割合A1−xxで表したxが下記の(1)式を満たすものを用いることが好ましい。
0≦x≦0.65 ・・・ (1)
ここで、AをMo及び/又はWとし、Aの酸化物に占めるOの含有比をxとする。
このような第2の成膜工程により第2のレジスト層103が成膜されることで、本発明が適用された製造方法によって光ディスク原盤110が製造される。
本発明が適用された光ディスク原盤の製造方法では、第1のレジスト層101を用いて露光及び現像処理を行うことで、熱化学反応を利用した良好な加工特性を維持する。そして、本発明が適用された光ディスク原盤の製造方法では、現像後において、第1のレジスト層101に含まれる遷移金属の酸化物に比べて酸素含有量が少なく化学反応しにくい遷移金属の酸化物を含む第2のレジスト層103で凹凸パターン102を被覆する。
本発明が適用された製造方法では、第1のレジスト層101に比べて化学反応しにくい第2のレジスト層103で凹凸パターン102を被覆することで、後述する電鋳処理と離型処理により、凹凸パターンをスタンパに転写する際に無機レジスト材がスタンパに付着しても、スタンパの表面に微小な陥没状の欠陥の発生を軽減することができる。
また、本発明が適用された製造方法により製造された光ディスク原盤は、第1のレジスト層101に比べて化学反応しにくい第2のレジスト層103で凹凸パターン102が被覆されているので、熱や光などが曝されることによる経時劣化を抑えることができる。すなわち、この光ディスク原盤は、長期間保管する場合でも表面の劣化を少なくすることができる。
<電鋳工程>
電鋳工程では、第2の成膜工程により第2のレジスト層103が成膜された基板100上の凹凸パターンに対して、電鋳処理を施してスタンパを形成する。具体的には、電鋳工程では、図1(E)に示すように、光ディスク原盤110の凹凸パターン102上にスタンパ120として、例えば金属ニッケル膜を析出させる。
<離型工程>
離型工程では、電鋳工程により形成されたスタンパ120を光ディスク原盤110から離型する。すなわち、電鋳工程では、図1(F)に示すように、光ディスク原盤110から金属ニッケル膜からなるスタンパ120を剥離する。この離型工程により剥離されたスタンパ120には、光ディスク原盤110の凹凸パターン102の形状を反転した凹凸パターン121が転写されることとなる。また、上述したように、この離型工程で光ディスク原盤110からスタンパ120が剥離する際に、基板100の凹凸パターン102上のレジスト材も剥がれて、スタンパ120の凹凸パターン121上に付着することとなる。
また、この離型工程によりスタンパ120が製造されるが、スタンパ120は、例えば温純水を用いた洗浄処理などが施される。例えばこの洗浄処理によって、従来の製造工程では、スタンパの凹凸パターンに付着している酸素含有量が多く熱化学反応が良好なレジスト材の反応により、陥没や欠陥が生じてしまうこととなる。これに対して、本発明が適用された製造方法では、酸素含有量が少なく熱化学反応しにくい遷移金属の酸化物を含むレジスト材がスタンパ120の凹凸パターン121上に付着することとなるので、上記のような洗浄処理によってレジスト材が熱反応することなく、上述したような陥没や欠陥を防ぐことができる。
次に、光ディスク製造用として製造されたスタンパ120を用いた光ディスクの製造工程について説明する。具体的に、光ディスクは、スタンパ120の凹凸パターン121上に、射出成型法によって熱可塑性樹脂であるポリカーボネートからなる樹脂製ディスク基板として成形されて、成型された樹脂製ディスク基板が剥離され、所定の加工処理が施されることで得られることとなる。
本発明が適用された光ディスク製造用スタンパの製造方法では、熱化学反応を利用して無機レジスト層に形成された凹凸パターンを、電鋳処理により、表面に微小な陥没状の欠陥を生じさせることなく、光ディスク原盤からスタンパに転写することができ、エラーレートの低い光ディスクを製造することができる。
本発明が適用された製造方法では、スタンパ120の表面に微小な陥没状の欠陥の発生を軽減できるが、特に、第2のレジスト層103に含まれる遷移金属の酸化物の酸素含有量を次の条件とすることが好ましい。すなわち、この条件を満たすことで、スタンパ120の表面に微小な陥没状の欠陥を生じさせないようにすることができる。
具体的に、上述した第2の成膜工程では、第2のレジスト層103として、不完全酸化物の組成割合A1−xxで表したxが下記の(1)式を満たすものを用いることで、スタンパ120の表面に微小な陥没状の欠陥を生じさせないようにすることができる。
0≦x≦0.65 ・・・ (1)
ここで、遷移金属AをMo及び/又はWとし、遷移金属Aの酸化物に占めるOの含有比をxとする。
このような第2のレジスト層103の具体的な構成は、本願の発明者が次のような実施例によって見出した。
以下では、異なる酸素含有量の遷移金属の酸化物を含む第2のレジストを用いて製造した複数種類の光ディスク原盤により製造されるスタンパの凹凸パターン面を評価した。
この実施例では、第2のレジストの材料を、Mo及び/又はWの3価の不完全酸化物として、不完全酸化物の組成割合A1−xxで表したときの、遷移金属の酸化物に占める酸素の含有比xが合計6つの条件のものを用いて、凹凸パターン面を評価した。この凹凸パターン面は、倍率を30000倍として撮像した写真により評価した。また、この評価に合わせて、第2の成膜工程により膜厚70nmで成膜されたときのシート抵抗値を、エヌピイエス社製測定機Σ−5により測定した。
遷移金属の酸化物に占める酸素の含有比xが0.75の場合、第2のレジストは、第2の成膜工程により膜厚70nmで成膜されると、そのシート抵抗値が、1000〔Ω/sq〕程度となる。このような条件の第2のレジストが成膜された光ディスク原盤により製造されたスタンパの凹凸パターン面は、図2(A)に示すように、ピット2よりも形状が小さい欠陥3が全体に亘って発生しまった。
遷移金属の酸化物に占める酸素の含有比xが0.70の場合、第2のレジストは、第2の成膜工程により膜厚70nmで成膜されると、そのシート抵抗値が、600〔Ω/sq〕程度となる。このような条件の第2のレジストが成膜された光ディスク原盤により製造されたスタンパの凹凸パターン面は、図2(B)に示すように、ピット2よりも形状が小さい欠陥3が全体に亘って発生しまった。
遷移金属の酸化物に占める酸素の含有比xが0.65の場合、第2のレジストは、第2の成膜工程により膜厚70nmで成膜されると、そのシート抵抗値が、350〔Ω/sq〕程度となる。このような条件の第2のレジストが成膜された光ディスク原盤により製造されたスタンパの凹凸パターン面は、図2(C)に示すように、上述した図2(A)及び図2(B)で見られる欠陥3が生じることはなかった。
遷移金属の酸化物に占める酸素の含有比xが0.57の場合、第2のレジストは、第2の成膜工程により膜厚70nmで成膜されると、そのシート抵抗値が、140〔Ω/sq〕程度となる。このような条件の第2のレジストが成膜された光ディスク原盤により製造されたスタンパの凹凸パターン面は、図2(D)に示すように、上述した図2(A)及び図2(B)で見られる欠陥3が生じることはなかった。
遷移金属の酸化物に占める酸素の含有比xが0.50の場合、第2のレジストは、第2の成膜工程により膜厚70nmで成膜されると、そのシート抵抗値が、60〔Ω/sq〕程度となる。このような条件の第2のレジストが成膜された光ディスク原盤により製造されたスタンパの凹凸パターン面は、図2(E)に示すように、上述した図2(A)及び図2(B)で見られる欠陥3が生じることはなかった。
遷移金属の酸化物に占める酸素の含有比xが0.40の場合、第2のレジストは、第2の成膜工程により膜厚70nmで成膜されると、そのシート抵抗値が、30〔Ω/sq〕程度となる。このような条件の第2のレジストが成膜された光ディスク原盤により製造されたスタンパの凹凸パターン面は、図2(F)に示すように、上述した図2(A)及び図2(B)で見られる欠陥3が生じることはなかった。
以上に示すように、遷移金属の酸化物に占める酸素の含有比xが0.45から0.65の範囲内の第2のレジストを用いて成膜工程を施すことで、スタンパの表面に微小な陥没状の欠陥を生じさせないようにすることができた。
2 ピット、3 欠陥、100 基板、101 レジスト層、102 凹凸パターン、103 第2のレジスト層、110 光ディスク原盤、120 スタンパ、121 凹凸パターン、200 露光装置

Claims (3)

  1. 遷移金属の不完全酸化物を含み、該不完全酸化物の酸素含有量が、該遷移金属のとりうる価数に応じた化学量論組成の酸素含有量より少ない第1のレジスト層を、基板上に成膜する第1の成膜工程と、
    上記第1の成膜工程により基板上に成膜された第1のレジスト層を、光ディスクの記録用信号の凹凸パターンに対応させて選択的に露光する露光工程と、
    上記露光工程により露光された基板を現像して、上記第1のレジスト層が成膜された基板上に、上記凹凸パターンを形成する現像工程と、
    上記現像工程により凹凸パターンが形成された基板の上記第1のレジスト層に、該第1のレジスト層に含まれる遷移金属の不完全酸化物よりも、酸素含有量が少ない上記遷移金属の酸化物を含む第2のレジスト層を成膜する第2の成膜工程とを有し、上記光ディスク製造用スタンパに上記凹凸パターンを転写する光ディスク原盤の製造方法。
  2. 上記第2のレジスト層は、上記遷移金属がMo及び/又はWの3価の不完全酸化物であって、AをMo及び/又はWとし、Oの含有比をxとして該不完全酸化物の組成割合A1−xxで表したとき、0≦x≦0.65である請求項1記載の光ディスク原盤の製造方法。
  3. 遷移金属の不完全酸化物を含み、該不完全酸化物の酸素含有量が、該遷移金属のとりうる価数に応じた化学量論組成の酸素含有量より少ない第1のレジスト層を、基板上に成膜する第1の成膜工程と、
    上記第1の成膜工程により基板上に成膜された第1のレジスト層を、光ディスクの記録用信号の凹凸パターンに対応させて選択的に露光する露光工程と、
    上記露光工程により露光された基板を現像して、上記第1のレジスト層が成膜された基板上に、上記凹凸パターンを形成する現像工程と、
    上記現像工程により凹凸パターンが形成された基板の上記第1のレジスト層に、該第1のレジスト層に含まれる遷移金属の不完全酸化物よりも、酸素含有量が少ない上記遷移金属の酸化物を含む第2のレジスト層を成膜する第2の成膜工程と、
    上記第2の成膜工程により第2のレジスト層が成膜された基板上の凹凸パターンに対して、電鋳処理を施してスタンパを形成する電鋳工程と、
    上記電鋳工程により形成されたスタンパを上記基板から離型する離型工程とを有する光ディスク製造用スタンパの製造方法。
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