JP2011174591A - ゴム転写ベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルトのプーリに対する摩擦係数を低減させる。
【解決手段】歯付きベルト10は、歯部14と歯底部15とを交互に形成した歯ゴム部11と、歯ゴム部11の表面に設けた薄層の歯表面ゴム層16と、歯表面ゴム層16を被覆する歯布20とを備える。歯表面ゴム層16の少なくとも一部は、歯布20の隙間に充填し歯布20の表面に露出する。歯表面ゴム層16は半加硫状態に加硫する。ベルト10は、プーリに掛けられ回転するとき、表面に露出する歯表面ゴム層16の一部が、プーリ表面に転写する。
【選択図】図1
【解決手段】歯付きベルト10は、歯部14と歯底部15とを交互に形成した歯ゴム部11と、歯ゴム部11の表面に設けた薄層の歯表面ゴム層16と、歯表面ゴム層16を被覆する歯布20とを備える。歯表面ゴム層16の少なくとも一部は、歯布20の隙間に充填し歯布20の表面に露出する。歯表面ゴム層16は半加硫状態に加硫する。ベルト10は、プーリに掛けられ回転するとき、表面に露出する歯表面ゴム層16の一部が、プーリ表面に転写する。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、高負荷環境下で使用されるベルトであって、特に、歯表面ゴムの一部を歯布の隙間に充填させた歯付きベルトに関する。
従来、歯部と歯底部が交互に設けられて歯形に形成され、プーリとの接触面を構成する歯表面に、歯布が被覆された歯付きベルトが広く知られている。歯付きベルトでは、ベルト歯に作用される負荷を低減し、さらにはベルトがプーリに噛み合うときの異音の発生を抑制するために、歯表面の動摩擦係数を低減させることが試みられている。具体的には、歯布をフッ素樹脂等の低摩擦材料でコーティングしたり、或いは歯布処理剤に低摩擦材料を混入させたりすることが知られている。
また、特許文献1に記載されるように、ベルト本体を構成するマトリックスゴムが歯布の目に充填され、さらには歯布の目に充填されたマトリックスゴムが歯布表面に露出される場合がある。このような歯付きベルトにおいては、歯布表面に露出したゴムによって、歯表面の摩擦係数を低減させることができる。
しかしながら、歯布を低摩擦材料でコーティングし、或いは歯布処理剤に低摩擦材料を混入させて動摩擦係数を低減させる場合、フッ素樹脂等の低摩擦材料はゴムとの接着性が不十分であるため、ベルト本体と歯布との接着性が低下するという問題が生じる。また、歯布表面にマトリックスゴムを露出させる場合、摩擦係数は限定的にしか低減せず、さらに、摩擦係数を良好にするために、ベルト本体にフッ素ゴム等の低摩擦性のゴムを用いると、屈曲性等のベルト性能が低下するという問題が生じる。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、歯布等のプーリ接触面に被覆される補強布のベルトに対する接着性を良好にしつつ、ベルト性能を低下させることなく、プーリ接触面の摩擦係数を低下させることが可能なベルトを提供することを目的とする。
本発明に係るベルトは、ゴム組成物が加硫されて形成されるとともに、プーリに掛けられて使用されるベルトであって、ベルトのプーリ接触面を被覆する補強布を備え、ゴム組成物の少なくとも一部は、補強布の隙間に充填されて補強布表面に露出し、その露出したゴム組成物は、プーリに掛けられ回転されるとき、プーリに転写されるように、半加硫状態に加硫されていることを特徴とする。
本発明に係るベルトは例えば、ベルト本体と、ベルト本体の一方の面に積層される表面ゴム層とを備える。上記補強布は、表面ゴム層を覆うように設けられており、表面ゴム層を形成するゴム組成物の一部が、補強布の隙間に充填されかつ補強布表面に露出することが好ましい。ベルト本体は、例えば、一方の面に歯部と歯底部が交互に形成された歯ゴム部を備え、ベルトは歯付きベルトである。
ベルト本体は、その加硫度が表面ゴム層よりも大きくなるように加硫されていることが好ましい。また、例えば、ベルト本体を形成するゴム組成物のゴム成分100重量部に対する加硫剤の配合量(重量部)は、表面ゴム層を形成するゴム組成物のゴム成分100重量部に対する加硫剤の配合量(重量部)より多い。また、表面ゴム層を形成するためのゴム組成物は、ベルト本体を形成するためのゴム組成物よりも粘度が低いほうが良い。
露出したゴム組成物は、少なくともフッ素ゴム及びシリコーンゴムのいずれか一方をゴム成分として含むことが好ましい。露出したゴム組成物は、例えば加硫度が50〜90%の範囲となるように加硫されている。また、例えば、補強布の隙間に充填されるゴム組成物の粘度は、35000Pa・s以下である。補強布の隙間長さは例えば、60μm以下である。
本発明に係る歯付きベルトの製造方法は、歯溝が周方向に複数並べられ、歯形に形成された歯付きモールドに、歯形に沿うように予め成形された歯布と、歯布に密着しかつ歯布に沿うように形成された歯表面ゴムシートとを、この順に配置させるように取り付ける歯布取付工程と、歯表面ゴムシートの上に心線を巻き付ける心線巻付工程と、心線の上、又は心線と歯表面ゴムシートの間に、ベルトの歯部を形成するためのゴムシートをさらに取り付けるゴムシート取付工程と、歯表面ゴムシート及びゴムシートを、歯付きモールドに向けて加圧させるとともに加熱し、歯布の隙間の中に歯表面ゴムシートの少なくとも一部を充填させて歯布表面に露出させるとともに、歯表面ゴムシート及びゴムシートを加硫させてベルトスラブを得るベルト成型工程とを備え、歯表面ゴムシートは、半加硫状態に加硫されていることを特徴とする。
本発明では、補強布表面に露出した半加硫状態のゴムが、プーリ表面に転写することが可能となるので、ベルトとプーリとの摩擦係数を低下させることが可能になる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態における歯付きベルトを示す。歯付きベルト10は、無端状に形成されて、従動及び原動プーリ(不図示)に掛け回されて使用されるものであって、原動プーリのトルク(駆動力)を、噛み合い伝動により従動プーリに伝動させるための動力伝達ベルトである。歯付きベルト10は、その一方の面が歯形に形成されたベルトであって、その歯形に形成された歯表面に補強布である帆布(歯布)20が被覆されている。歯表面は、ベルト10がプーリに掛け回されるときに、従動及び原動プーリに接触する面(プーリ接触面)である。
図1は、本発明の一実施形態における歯付きベルトを示す。歯付きベルト10は、無端状に形成されて、従動及び原動プーリ(不図示)に掛け回されて使用されるものであって、原動プーリのトルク(駆動力)を、噛み合い伝動により従動プーリに伝動させるための動力伝達ベルトである。歯付きベルト10は、その一方の面が歯形に形成されたベルトであって、その歯形に形成された歯表面に補強布である帆布(歯布)20が被覆されている。歯表面は、ベルト10がプーリに掛け回されるときに、従動及び原動プーリに接触する面(プーリ接触面)である。
歯付きベルト10は、歯ゴム部11と背ゴム部12により一体的に形成されたベルト本体13と、歯ゴム部11と背ゴム部12との境界部分において、スパイラル状に巻かれ、ベルトの長手方向に延在して埋設される心線30とを備える。すなわち、歯ゴム部11は、心線30よりも歯表面側に配置された層であって、その一方の面側に長手方向に沿って歯部14と歯底部15が交互に形成される。歯部14と歯底部15とにより歯形に形成された歯ゴム部11の表面には、その歯形に沿う薄層の歯表面ゴム層16がさらに積層される。歯布20は、歯表面ゴム層16に少なくとも一部が埋設しつつ、歯表面ゴム層16を被覆する。
歯布20は、ベルトの長手方向に沿って延びる第1の糸(例えば緯糸)と、ベルトの幅方向に沿って延びる第2の糸(例えば経糸)とが織られて構成された織物であり、例えば、平織、綾織、朱子織等により織られる。第1の糸は、伸縮性を有する複合糸であって、芯糸と、この芯糸の周囲に巻き付いている中間糸と、この中間糸のさらに外側に巻き付いている被覆糸から成る複合糸である。第2の糸は、フィラメント糸から成る非伸縮糸であって、例えばポリウレタン、ナイロン、カーボン、ポリエステル、ポリエチレン等の合成繊維から構成され、好ましくはナイロンで構成される。
第1の糸の芯糸は弾性糸であって、例えばポリウレタン、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維から構成されるが、好ましくはポリウレタン弾性糸である。中間糸は、非伸縮性糸であって、例えばアラミド繊維等の高剛性繊維糸から構成される。一方、被覆糸はポリウレタン、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維から構成され、例えば捲縮加工されることにより伸縮性を有する伸縮性糸であっても良いし、綿等の天然繊維から構成されても良いが、好ましくは捲縮加工されたナイロンで構成される。ただし、第1及び第2の糸はともに、アラミド繊維のフィラメント糸等から成る非伸縮糸で構成されていても良い。
織布において、糸間(経糸と経糸の間及び緯糸と緯糸の間)の隙間(すなわち、歯布20の目)の長さ(すなわち、隙間長さ)は、60μm以下とされ、好ましくは30μm以下とされる。このように隙間長さを短くすることにより、歯布20における糸密度を高め、歯布20の強度を良好なものとすることができる。なお、本明細書において、歯布20の隙間長さとは、歯表面ゴム層16に接着される前の成型前の歯布(本実施形態では、予成形される前の歯布)における隙間長さのことを言い、糸間の隙間を光学顕微鏡で測定したものである。歯布20は、通常、RFL処理液等によって含浸処理が施されるが、上記糸間の隙間は処理剤によって目詰まりしないように処理される必要がある。
歯ゴム部11、背ゴム部12、及び歯表面ゴム層16は、それぞれ互いに異なるゴム組成物で構成される歯ゴムシート11’、背ゴムシート12’、及び歯表面ゴムシート16’(図4参照)が加硫されて形成されたものである。ただし、背ゴム部12を形成するためのゴム組成物は、歯ゴム部11を形成するためのゴム組成物と同一でも良い。背ゴム部12及び歯ゴム部11のゴム成分には、水素添加ニトリルゴム(HNBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、又はこれらの混合物等が使用されるが、フッ素ゴム、シリコーンゴム以外のゴム成分が好ましい。
一方、歯表面ゴム層16を構成するゴム成分は、上記したゴム成分のうち、フッ素ゴム、シリコーンゴム等の低摩擦性のものが好ましくは使用される。すなわち、本実施形態では、歯表面ゴム層16を形成するゴムのプーリ(従動・原動プーリ)に対する動摩擦係数は、歯ゴム部11及び背ゴム部12を形成するゴムよりも低くなるほうが良い。また、歯表面ゴム層16を構成するゴム成分としては、特に好ましくはフッ素ゴムが使用される。フッ素ゴムが使用されることにより、歯表面ゴム層16、すなわち歯表面の耐熱性が向上するからである。
歯ゴム部11、背ゴム部12、及び歯表面ゴム層16を形成するためのゴム組成物には、ゴム成分に加えて、カーボンブラック等の充填剤、可塑剤、加硫助剤、加硫剤等の添加剤が配合されている。
本実施形態では、歯ゴム部11や背ゴム部12(すなわち、ベルト本体13)のゴム組成物に配合される加硫剤のゴム成分100重量部に対する配合量をA(重量部)とし、歯表面ゴム層16を形成するためのゴム組成物に配合される加硫剤のゴム成分100重量部に対する配合量をB(重量部)としたとき、配合量Aは、配合量Bよりも多くなる。具体的には、上記配合量Aは、ゴム成分100重量部に対して、例えば1〜30重量部、好ましくは5〜25重量部である。一方、上記配合量Bは、ゴム成分100重量部に対して、例えば1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。
ベルト本体13(歯ゴム部11及び背ゴム部12)及び歯表面ゴム層16は実質的に同一条件下で加硫されるが、そのような場合、一般的に、加硫剤の量が少ないほうが加硫速度が遅くなる。そのため、ベルト本体13は加硫状態となるが、歯表面ゴム層16は十分な加硫が行われずに、加硫密度や後述する加硫度が、ベルト本体13より低くなり、半加硫状態となる。
加硫状態とは、充分な加硫剤が添加され、十分な時間加硫されることにより完全に加硫が行なわれた状態をいい、例えば後述する加硫度が90%より大きくなる。また、半加硫状態とは加硫剤が添加されて加硫が行なわれているが、加硫剤の不足や加硫時間の不足により完全な加硫が行なわれていない状態をいい、例えば後述する加硫度が90%以下となる。
また、歯表面ゴム層16のゴムは、歯布20の隙間(歯布の目)に充填されるとともに、その歯布20の隙間に充填されたゴムは、歯布20の表面側に浸み出して、歯布20の表面に露出される。
これら構成により、本実施形態では、半加硫状態の歯表面ゴム層16のゴムが、歯布表面、すなわち、ベルト10のプーリ接触面に露出され、歯付きベルト10がプーリに掛けられるとき、半加硫状態のゴムがプーリ表面に接触することとなる。ここで、半加硫状態のゴムは、架橋密度が低いため、他の部材に押し付けられることによって、その部材に転写されることがある。すなわち、本実施形態では、歯付きベルト10がプーリに掛けられて回転される間に、歯布表面に露出される半加硫状態のゴムは、プーリ表面に転写され、当該ゴムがプーリ表面をコーティングすることになる。
プーリ表面にゴムがコーティングされると、プーリ表面及び歯付きベルトのプーリ接触面の両方が、すべり性の良好な材料(例えば、フッ素ゴムやシリコーンゴム)で被覆されることになる。そのため、プーリ接触面に対するプーリ表面の動摩擦係数を低下させることができる。プーリ接触面に対するプーリ表面の動摩擦係数が低下すると、ベルト歯に作用される負荷が低減され、歯付きベルトの耐久性を向上させることができる。さらには、ベルトがプーリに噛み合うときの異音の発生も抑制できる。
歯表面ゴム層16は、JISK6300−2に準拠して、そのゴム組成物を加硫して加硫曲線を求め、その最大トルク(T100、MH)に対するトルクが百分率で(すなわち、加硫度が)、90%以下、好ましくは50〜90%となるように、ゴム組成物が加硫されて形成されたものである。
上記加硫度が90%を超えると、歯表面ゴム層16の加硫が進行しすぎて、半加硫状態でなくなり、歯布表目に露出したゴムが、プーリ表面にほとんど転写されなくなる。また、50%未満となると、ゴムの成型性が低下するとともにゴムの強度が低下して、歯表面ゴム層16に対する歯布の接着力が低下する。
一方、歯ゴム部11及び背ゴム部12は、JISK6300−2に準拠して、そのゴム組成物を加硫して加硫曲線を求め、最大トルク(T100、MH)に対するトルクが百分率で(すなわち、加硫度が)、90%より大きくなるように、ゴム組成物が加硫されて形成されたものである。すなわち、歯ゴム部11及び背ゴム部12は、その加硫度が、歯表面ゴム層16よりも高くなるように、ゴム組成物を加硫して形成されたものである。これらゴム層11、12は加硫度が高くなることにより、ゴムの成型性や強度が良好なものとなり、歯付きベルト10の耐久性等を向上させることが可能になる。
歯表面ゴム層16を形成するためのゴム組成物の粘度は、歯布20の隙間に充填され、さらに、歯布表面に浸み出すことができるように、歯ゴム部11、背ゴム部12(ベルト本体13)を形成するためのゴム組成物の粘度よりも低く、35000Pa・s以下、好ましくは30000Pa・s以下とされる。ゴム組成物の粘度は、例えばゴム成分の分子量、可塑剤の配合の有無ないし配合量、又は加硫助剤の配合量を変化させることで調整可能である。
ゴム組成物の粘度は、100℃における粘度であって、粘度測定はフローテストで行われたものである。粘度の計算式は以下のとおりである。なお、本明細書における粘度は、ダイス長さLが2mm、ダイス穴の直径Dが1mmのものを使用したときの粘度である。
n=τ/γ [n:粘度(Pa・s)]
τ=(P×D)/(4×L)
[τ:見かけの剪断応力、P:試験圧力(0.980665Mpa=1kgf/cm2)、L:ダイス長さ(mm)、D:ダイス穴の直径]
γ=(32×Q)/(π×D×3)[γ:剪断速度]
Q={A×(S2−S1)}/(10×t)
[Q:フローレート、A:ピストン断面積(直径11.282mm、S1:試験開始時ピストン位置、S2:試験終了時ピストン位置、t:ピストン開始から終了までの経過時間]
τ=(P×D)/(4×L)
[τ:見かけの剪断応力、P:試験圧力(0.980665Mpa=1kgf/cm2)、L:ダイス長さ(mm)、D:ダイス穴の直径]
γ=(32×Q)/(π×D×3)[γ:剪断速度]
Q={A×(S2−S1)}/(10×t)
[Q:フローレート、A:ピストン断面積(直径11.282mm、S1:試験開始時ピストン位置、S2:試験終了時ピストン位置、t:ピストン開始から終了までの経過時間]
歯表面ゴム層16のゴム組成物の粘度を35000Pa・s以下とすると、例えば隙間長さが60μm以下の歯布20を使用した場合であっても、歯布20の隙間に歯表面ゴム層16を充填させ、またその充填したゴムを歯布20の表面に十分に浸み出させて露出させることが可能となる。また、粘度を30000Pa・s以下とすると、上記隙間長さを30μm以下とした場合でも、歯布20の隙間に歯表面ゴム層16を充填させ、またその充填したゴムを歯布20の表面に十分に露出させることが可能となる。通常、歯付きベルトにおいて、歯布は、隙間長さが30μm程度のものが使用されるので、上記粘度は30000Pa・s以下であることが好ましい。なお、歯表面ゴム層16は、ゴム組成物として粘度が低いものが使用されることにより、そのモジュラスは、歯ゴム部11及び背ゴム部12のモジュラスよりも低くなる。
歯ゴム部11を形成するためのゴム組成物は、さらに、変性ナイロンミクロファイバー等のナイロン繊維、アラミド繊維等から成る短繊維を含んでいることが好ましい。歯ゴム部11は短繊維が混入されることによって、そのモジュラスを向上させることができ、例えば、背ゴム部12のモジュラスよりも高くなる。
各ゴム部11、12、ゴム層16のモジュラスとは、未加硫ゴムシートを歯付きベルトの製造方法と同様の温度・圧力・時間条件で加硫して得られた測定用サンプルについて、JIS−K6251に準拠して測定した20%モジュラスのことをいう。なお、ゴム部11、12、ゴム層16において短繊維が所定の方向に配向されている場合には、モジュラスとは、そのサンプルにおいても短繊維を一方向に配向させ、その配向方向にサンプルを引っ張って測定したときの値である。
図2〜5は、本実施形態に係る歯付きベルトの製造方法を示すための図である。歯付きベルト10の製造においては、まず予成形ドラム51が用いられて、歯布20が予成形されるとともに、歯表面ゴムシート16’、歯ゴムシート11’が歯布20に取り付けられる。
図2に示すように、予成形ドラム51の外周には周方向に交互に歯溝52及び凸部55が設けられ、その外周の一部には歯付きローラ53が係合される。歯付きローラ53には予成形ドラム51の歯溝52と協働する歯部54が設けられる。予成形ドラム51及び歯付きローラ53はそれぞれ矢印A及びBに示す方向に回転させられる。
歯布20は、予成形ドラム51の外周の一部を取り巻くように予成形ドラム51に供給されて歯付きローラ53との係合領域に導入される。歯布20はベルトの長手方向に一致する方向、すなわち第1の糸が延在する方向に沿って供給される。歯布20は凸部55及び歯部54の協働作用により凹部20Aと凸部20Bが交互に形成されたコルゲート状に予成形される。
図3に示すように、予成形ドラム51の外周の一部にはスチールバンド57が適当な押圧力で予成形ドラム51の周速度と同じ速度で走行させられる。予成形ドラム51とスチールバンド57との間には歯表面ゴムシート16’、歯ゴムシート11’が重ねられて供給される。また、予成形後の歯布20も、予成形ドラム51の外周に取り巻いた状態で、スチールバンド57の下側まで供給される。
予成形ドラム51とスチールバンド57との間において、歯表面ゴムシート16’、歯ゴムシート11’は、歯布20側からこの順で、予成形された歯布20の上に積層一体化され、歯布20に歯表面ゴムシート16’及び歯ゴムシート11’が接合されたゴム付き予成形歯布50が得られる。
上記スチールバンド57の押圧により、歯表面ゴムシート16’は、歯布20に密着して歯布20に沿う形状となるとともに、歯ゴムシート11’は歯表面ゴムシート16’に密着して歯表面ゴムシート16’に沿う形状となる。また、ゴムシート16’、11’は、歯布20の凹凸に沿って変形し、凹部20A内部において相対的に厚く、凸部20B上において相対的に薄くなる。これにより、予成形歯布50には歯部14’と歯底部15’とが交互に形成されている。
歯布20は、予成形ドラム51に供給される際、その供給方向(すなわち、第1の糸が延在する方向)に作用される張力が制御され、供給方向には実質的に張力が作用されないか、作用される張力が比較的小さくされる。また、歯布20ないしゴム付き予成形歯布50は、予成形ドラム51に沿って進行する際、および予成形ドラム51から回収される際にも、同様に実質的に張力が作用されないか、若しくは張力が小さくされる。すなわち、歯布20は、例えば供給方向において元の長さの1倍より長くならないように弛まされて供給かつ進行され、さらには回収される。したがって、歯布20は、予成形されさらにゴムシートが密着される工程において、ベルト長手方向に殆ど伸ばされない。
ゴム付き予成形歯布50は所定長さに順次切断された後、図4に示すように、歯布20側が内側を向くように円筒状の歯付きモールド60の外周に巻きつけられる。歯付きモールド60は、その外周面に歯溝61が、周方向に等間隔で複数並べられて歯形に形成されている。ゴム付き予成形歯布50は、歯付きモールド60の歯形に沿うように予成形されているので、歯付きモールド60に巻き付けられるとき、その歯部14’が歯溝61内に配置されると共に、歯底部15’が歯溝61間の凸部62の上に配置される。
次いで、ゴム付き予成形歯布50(すなわち、歯ゴムシート11’)の上に心線30が、隣接する心線30同士が所定の隙間を置くように、スパイラル状に周方向に沿って巻き付けられる。次に、心線30の上にさらに、背ゴムシート12’が巻き付けられる。
これらのゴムシート等が取り付けられた歯付きモールド60は、加硫釜(図示せず)内に収容される。加硫釜内は、例えば蒸気により所定温度に加熱した状態に保たれるとともに、加硫釜内に設けられた加硫バッグ等によって外周側からモールド60に向けて圧力が付勢されて、ベルトの加硫成型が行われる。加硫成型時の加硫釜内の温度は、150℃以上であって、好ましくは160℃以上であるとともに、加硫バックによる加圧は800kPa以上、好ましくは1000kPa以上である。
加硫成型について詳述すると、加熱により流動性を増した状態となったゴムシート16’、11’、12’は内側に押圧され、これらゴムシートに押された歯布20がモールド60の外周面に一致した形状となる。このとき、歯布20はコルゲート状に予成形されているため、ベルト長手方向にあまり伸ばされない。
歯表面ゴムシート16’は、粘度が相対的に低く(例えば、35000Pa・s以下)、上記加熱・加圧条件により流動性が十分に高くなり、歯布20の隙間(すなわち、歯布の目)を通って、歯布20の表面まで浸み出すこととなる。したがって、本実施形態では、歯表面ゴムシート16’の一部のゴムは、歯布20の隙間に充填され、さらに、歯布20表面に露出することになる。また、ゴムシート16’、11’、12’は加硫一体化されるとともに、ゴムシート11’、12’間に心線が埋設され、ベルトスラブ10’が成型される。ベルトスラブ10’は、歯付きモールド60から取り外され研磨後裁断されることにより、歯付きベルト10(図1参照)となる。
なお、歯表面ゴムシート16’は、配合されている加硫剤の量が相対的に少ないため、上記したようにゴムシート11’、12’よりもその加硫速度が遅くなる。したがって、本実施形態では、歯表面ゴム層16は半加硫状態となり、歯ゴム部11及び背ゴム部12は加硫状態となる。
また、本実施形態では、歯ゴムシート11’は、ゴム付き予成形歯布50に予め取り付けられずに、例えば心線30がゴム付き予成形歯布50上に取り付けられた後に、心線30の上に巻きつけられても良い。ただし、歯ゴムシート11’は、上記したようにゴム付き予成形歯布50に取り付けられていたほうが良い。
図6に示すように、歯ゴム部11と背ゴム部12の間には、心線30が内部に埋設される接着ゴム部19が設けられても良い。接着ゴム部19を形成するためのゴム組成物は、歯ゴム部11、背ゴム部12、及び歯表面ゴム層16を形成するためのゴム組成物と異なることが好ましい。例えば接着ゴム部19は、そのゴム組成物が上記した短繊維を含み、歯ゴム部11、背ゴム部12、及び歯表面ゴム層16よりもモジュラスが高い。また、接着ゴム部19を形成するためのゴム組成物の粘度は、歯表面ゴム層16のゴム組成物の粘度よりも高い。
さらに、接着ゴム部19を形成するためのゴム組成物に配合される加硫剤のゴム成分100重量部に対する配合量(重量部)は、上記配合量B(すなわち、歯表面ゴム層16のゴム組成物における加硫剤の配合量)よりも多い。そのため、接着ゴム部19は、その加硫度が、表面ゴム層16の加硫度より高く(例えば90%より大きい)、加硫状態となる。なお、接着ゴム部19が設けられる場合、歯付きベルトの製造方法は、心線30の上に、接着ゴムシートが取り付けられる点を除いて上記した製造方法と同様である。
なお、心線30は、接着ゴム部19の内部に完全に埋設されておらず、例えば特開2009−127816号公報に開示されるように、接着ゴム部19の大部分が心線30よりも歯表面側に配置されるとともに、その一部分が背ゴム部12側にはみ出して形成されていても良い。この場合、歯付きベルトの製造方法は、接着ゴムシートが心線30と歯ゴムシート14’の間に取り付けられる点を除いて、上記した製造方法と同様となる。勿論、接着ゴム部が設けられず、歯ゴム部11の一部が、背ゴム部12側にはみ出して形成されていても良い。
以上のように、補強布表面に露出される歯表面ゴム層16が、半加硫状態となるように加硫されているので、その露出されたゴムの一部が、プーリに転写可能となる。プーリに転写されたゴムはプーリをコーティングし、本実施形態では、プーリとベルトの摩擦係数を低減させることが可能となる。また、歯布内部に充填された歯表面ゴム層16のアンカー効果によって、歯布のベルトに対する接着強度が高められる。
また、歯表面ゴム層16のゴムは、ベルト本体13(特に、歯ゴム部11)を構成するゴムとは異なる組成を有するので、ベルト本体13と、歯布20表面に露出するゴムとのゴム特性を異ならせることが可能になる。したがって、歯布20表面に露出するゴムを半加硫状態としつつ、ベルト本体13を加硫状態とすることが可能になるので、ベルト本体13の強度を維持しつつ、プーリにゴムの一部を転写させることが可能になる。また、歯表面ゴム層16は、薄層であるので、半加硫状態とし、かつ強度があまり高くないゴム組成物を使用しても、ベルト強度をほとんど低下させることはない。
また、本実施形態では、歯布20は、上記したように予成形されているため、ベルト製造工程においてベルト長手方向に伸びることが抑制される。したがって、歯布20の隙間の大きさが製造工程で変化することが防止され、歯布20全面にわたって歯布20の隙間の大きさを略均一とすることができる。そのため、歯表面ゴムシート16’のゴムが各隙間に均一に充填され、ゴムの歯布表面への浸み出しが歯表面全面にわたって均一に行われる。また、歯表面ゴムシート16’は、歯布20に密着された状態から、加圧・加熱されるので、歯布20の隙間内部に充填されるゴム量を制御しやすくなる。
以下、本発明の具体的な例として実施例を示すが、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
[浸み出し評価]
ゴム成分がフッ素ゴムであって、表1のゴム配合を有する、厚さ3mm、長さ120mm、幅120mmのシート状の未加硫ゴム1〜5それぞれに、隙間長さが異なる歯布1〜7それぞれを、プレス加熱によって加硫接着させることにより、歯布付き加硫ゴムを作製した。プレス条件は、温度160℃、圧力1000kPa、プレス時間20分であった。各歯布付き加硫ゴムにおいて、歯布の隙間にゴムが充填され、かつ歯布表面にゴムが浸み出しているかどうかを以下の評価基準により評価した。その評価結果を表2に示す。
ゴム成分がフッ素ゴムであって、表1のゴム配合を有する、厚さ3mm、長さ120mm、幅120mmのシート状の未加硫ゴム1〜5それぞれに、隙間長さが異なる歯布1〜7それぞれを、プレス加熱によって加硫接着させることにより、歯布付き加硫ゴムを作製した。プレス条件は、温度160℃、圧力1000kPa、プレス時間20分であった。各歯布付き加硫ゴムにおいて、歯布の隙間にゴムが充填され、かつ歯布表面にゴムが浸み出しているかどうかを以下の評価基準により評価した。その評価結果を表2に示す。
なお、未加硫ゴム1〜5の粘度は表1、2に示す通りであって、また歯布1〜7としては、アラミド繊維のフィラメント糸から成る経糸と、アラミド繊維のフィラメント糸から成る緯糸とが平織りによって織られた織布を用いた。歯布1〜7における糸の太さ及び密度は表3に示す通りであった。歯布1〜7は、ラテックスがNBRであるRFL液に浸漬した後乾燥させることにより、RFL処理を施した。
[評価基準]
○:歯布表面のほぼ全面にゴムの浸み出しが見られた。
△:歯布表面の一部にゴムの浸み出しが見られた。
×:歯布表面にゴムの浸み出しが見られなかった。
○:歯布表面のほぼ全面にゴムの浸み出しが見られた。
△:歯布表面の一部にゴムの浸み出しが見られた。
×:歯布表面にゴムの浸み出しが見られなかった。
次に、表4に示すように、プレス時の温度及び圧力の条件を変更したこと以外は同様にして、上記未加硫ゴム2、3それぞれに、歯布3(隙間長さ30μm)をプレス加熱により加硫接着して歯布付き加硫ゴムを作製し、上記評価基準により染み出し評価を行った。評価結果を表4に示す。
次に、上記未加硫ゴム3を160℃、1000kPaでプレス加熱することにより加硫して、JIS K6300−2に準拠して、トルクを縦軸とし、時間を横軸とする加硫曲線を作成した。加硫曲線における代表的なトルクと時間の関係を表5に示す。なお、表5におけるトルクの値は、トルク最大値(T100、MH)に対して、百分率で表したものである。
上記した寸法を有するシート状の未加硫ゴム3に、上記RFL処理を施した歯布3を、プレス加熱によって加硫接着することにより、実施例1〜4、比較例1、2の歯布付き加硫ゴムを作製した。このときプレス条件は温度160℃、圧力は1000kPaであった。実施例1〜4、比較例1、2におけるプレス時間を、加硫曲線においてトルクが表6に示すトルクの値(加硫度)まで達する時間に設定した。すなわち実施例1では、プレス時間(加硫時間)は、表6に示すように、加硫度を50%とするために300秒と設定した。実施例2〜4、比較例1、2のプレス時間も、所定の加硫度にするために表6に示すように各々設定した。
比較例3は、未加硫ゴムとして、水素添加率が96%のHNBRをゴム成分とした粘度40000Pa・sのゴム組成物を使用した点を除いて、実施例1〜4、比較例1〜2と同様に実施した。比較例4は、歯布3にフッ素樹脂コーティングを施したものを使用した点を除いて比較例3と同様に実施した。比較例3、4では、加硫度を95%とするために、プレス時間を表6のように設定した。
[浸み出し評価]
各実施例、比較例の歯布付き加硫ゴムについて、上記した評価基準を基に浸み出し評価を行った。
各実施例、比較例の歯布付き加硫ゴムについて、上記した評価基準を基に浸み出し評価を行った。
[接着強度]
図7に示すように、歯布付き加硫ゴム150において、歯布152とゴムシート151を僅かに剥がし、歯布152の端部をチャック161で挟み、ゴムシート151の端部をチャック162で挟み、両者を50mm/分の速度で引っ張りこれらを剥離した。このときの剥離に要する力を接着強度として測定結果を表6に示す。
図7に示すように、歯布付き加硫ゴム150において、歯布152とゴムシート151を僅かに剥がし、歯布152の端部をチャック161で挟み、ゴムシート151の端部をチャック162で挟み、両者を50mm/分の速度で引っ張りこれらを剥離した。このときの剥離に要する力を接着強度として測定結果を表6に示す。
[転写評価]
図8に示すように、歯布付き加硫ゴム150を、歯布152側が鉄プレート141に接するようにジグ140に固定し、鉄プレート141の上を移動距離100mmで3000回往復した後、鉄プレート141にゴム成分が転写したかどうかを目視観察により確認した。評価結果を表6に示す。表6において、○は転写があった、△は転写があったが薄かった、×は転写が無かった、ことを示す。
図8に示すように、歯布付き加硫ゴム150を、歯布152側が鉄プレート141に接するようにジグ140に固定し、鉄プレート141の上を移動距離100mmで3000回往復した後、鉄プレート141にゴム成分が転写したかどうかを目視観察により確認した。評価結果を表6に示す。表6において、○は転写があった、△は転写があったが薄かった、×は転写が無かった、ことを示す。
次に、実施例5、比較例5として、表1,2の未加硫ゴム2、ゴム3に歯布3を、プレス加熱によって加硫接着させて歯布付き加硫ゴムを得た。プレス条件は、温度150℃、圧力1000kPa、プレス時間20分であった。実施例5、比較例5について、上記した評価基準を基に、ゴム浸み出し及び転写の有無を評価した。
また、実施例5、比較例5の歯布付き加硫ゴムについて、歯布側表面の鉄プレートに対する動摩擦係数を、新東科学社製の摩擦試験装置TYPE:14FWを用いて測定した。測定条件は、移動モードがシングルモード、移動速度500mm/分、荷重200g、環境温度120℃であった。これら評価結果を表7に示す。
10 歯付きベルト
11 歯ゴム部
12 背ゴム部
16 歯表面ゴム層
20 歯布
11 歯ゴム部
12 背ゴム部
16 歯表面ゴム層
20 歯布
Claims (11)
- ゴム組成物が加硫されて形成されるとともに、プーリに掛けられて使用されるベルトであって、前記ベルトのプーリ接触面を被覆する補強布を備え、前記ゴム組成物の少なくとも一部は、前記補強布の隙間に充填されて前記補強布表面に露出し、その露出したゴム組成物は、前記プーリに掛けられ回転されるとき、前記プーリに転写されるように、半加硫状態に加硫されていることを特徴とするベルト。
- ベルト本体と、前記ベルト本体の一方の面に積層される表面ゴム層とを備え、前記補強布は、前記表面ゴム層を覆うように設けられており、前記表面ゴム層を形成する前記ゴム組成物の一部が、前記補強布の隙間に充填されかつ前記補強布表面に露出することを特徴とする請求項1に記載のベルト。
- 前記ベルト本体は、その加硫度が前記表面ゴム層よりも大きくなるように加硫されていることを特徴とする請求項2に記載のベルト。
- 前記ベルト本体を形成するゴム組成物のゴム成分100重量部に対する加硫剤の配合量は、前記表面ゴム層を形成するゴム組成物のゴム成分100重量部に対する加硫剤の配合量より多いことを特徴とする請求項2に記載のベルト。
- 前記表面ゴム層を形成するためのゴム組成物は、前記ベルト本体を形成するためのゴム組成物よりも粘度が低いことを特徴とする請求項2に記載のベルト。
- 前記ベルト本体が、前記一方の面に歯部と歯底部が交互に形成された歯ゴム部を備え、歯付きベルトであることを特徴とする請求項2に記載のベルト。
- 前記露出したゴム組成物は、少なくともフッ素ゴム及びシリコーンゴムのいずれか一方をゴム成分として含むことを特徴とする請求項1に記載のベルト。
- 前記露出したゴム組成物は、加硫度が50〜90%の範囲となるように加硫されていることを特徴とする請求項1に記載のベルト。
- 前記補強布の隙間に充填されるゴム組成物の粘度は、35000Pa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載のベルト。
- 前記補強布の隙間長さが、60μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のベルト。
- 歯溝が周方向に複数並べられ、歯形に形成された歯付きモールドに、前記歯形に沿うように予め成形された歯布と、前記歯布に密着しかつ前記歯布に沿うように形成された歯表面ゴムシートとを、この順に配置させるように取り付ける歯布取付工程と、
前記歯表面ゴムシートの上に心線を巻き付ける心線巻付工程と、
前記心線の上、又は前記心線と歯表面ゴムシートの間に、ベルトの歯部を形成するためのゴムシートをさらに取り付けるゴムシート取付工程と、
前記歯表面ゴムシート及び前記ゴムシートを、前記歯付きモールドに向けて加圧するとともに加熱し、前記歯布の隙間の中に前記歯表面ゴムシートの少なくとも一部を充填させて歯布表面に露出させるとともに、前記歯表面ゴムシート及び前記ゴムシートを加硫させてベルトスリーブを得るベルト成型工程とを備え、
前記歯表面ゴムシートは、半加硫状態に加硫されていることを特徴とする歯付きベルトの製造方法。
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JP2010040779A JP2011174591A (ja) | 2010-02-25 | 2010-02-25 | ゴム転写ベルト |
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Cited By (1)
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WO2023021808A1 (ja) * | 2021-08-18 | 2023-02-23 | バンドー化学株式会社 | 歯付きベルト |
-
2010
- 2010-02-25 JP JP2010040779A patent/JP2011174591A/ja active Pending
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