JP2011174408A - 内燃機関及び転がり軸受 - Google Patents

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弘 上野
Toshihiko Shiraki
利彦 白木
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Makoto Onishi
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Abstract

【課題】ピストンの往復直線運動に追従して連接部材が往復直線運動を行う内燃機関において、連接部材から出力軸への動力伝達機構を構成する各軸受に対する潤滑構造の簡素化を可能にしうるとともに、冷却性能に優れた内燃機関を提供する。
【解決手段】本発明の内燃機関は、シリンダ11と、このシリンダ11内を往復直線運動するピストン14と、このピストン14に連結されるとともに、当該ピストン14の往復直線運動に伴って往復直線運動を行う連接棒15と、この連接棒15の直線運動方向に対して直交した回転軸心O1を有する出力軸16と、連接棒15の直線運動を出力軸16の回転運動に変換して動力を伝達する動力伝達機構17とを備える。そして、動力伝達機構17は、複数の軸を含み、この複数の軸を回転自在に支持するための全ての軸受B1〜B6が転がり軸受とされ、動力伝達機構17が非油密状態かつ非気密状態でケーシングによって支持されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関及び転がり軸受に関するものである。
自動車等に搭載されている一般的なエンジンは、ピストンの往復直線運動を回転運動に変換するクランクシャフトを備えている。このクランクシャフトは、クランクアームを介して偏心した位置にクランクピンを備え、このクランクピンに連接棒の下端が枢結され、連接棒の上端はピストンに枢結されている。そして、ピストンの往復直線運動は、連接棒を介してクランクピンに伝達され、このクランクピンがクランクシャフトの軸心回りに回転(公転)することによって、クランクシャフトの回転運動に変換される。
このエンジンは、連接棒が揺動運動を行うとともにクランクピンがクランクシャフトの軸心回りに公転するため、振動が発生しやすいという欠点がある。
これに対して、下記特許文献1には、連接棒をピストンの往復直線運動に追従して往復直線運動させることによって振動を非常に小さくすることができるエンジンが開示されている。
具体的に、特許文献1に記載のエンジンは、図10に示すように、クランクケース100に玉軸受101を介してクランクシャフト102が回転自在に支持され、クランクシャフト102のクランクピン103が自転カラー104及び遊星歯車105にニードル軸受106を介して枢結されている。遊星歯車105は、クランクシャフト102と同心でかつクランクケース100に固定された内歯車107に噛合し、自転カラー104は遊星歯車105の軸心O2に対して偏心した軸心O3を有するとともに、連接棒108の下端部に平軸受109を介して枢結されている。
そして、ピストン112の往復運動に伴って連接棒118が往復直線運動すると、自転カラー104に固定された遊星歯車105が内歯車107に噛み合うことによって、自転カラー104及び遊星歯車105が自転しながら、クランクシャフト102の軸心回りに公転し、これによってクランクシャフト102が回転運動を行う。
特公昭50−39203号公報
特許文献1記載のエンジンは、従来の一般的なエンジンと同様にクランクケース100内に潤滑油を貯留し、クランクシャフト102に連動して作動する油ポンプ110によってクランクシャフト102等に形成された油路111を介して玉軸受101、ニードル軸受106、平軸受109等に潤滑油を供給するように構成されている。そのため、クランクケース100は油密性が要求される。特許文献1のエンジンは振動が少なく、クランクケース100に対する負荷も従来の一般的なエンジンと比べて小さいため、クランクケース100の構造を簡素化乃至軽量化し得るにも関わらず、潤滑のために連接棒やクランクシャフトの大部分を完全に覆い、密閉した構造とせざるを得ないので、構造の簡素化及び軽量化は実現困難である。
また、クランクシャフト102等に油路111を形成するための加工が必要であるため、部品コストが高くなるという欠点もある。
そして、自転カラー104と連接棒108との間の軸受が平軸受(滑り軸受)109とされているので、両者間の回転抵抗が大きくなり、燃費が悪化するという欠点もある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、ピストンの往復直線運動に追従して連接棒が往復直線運動を行う内燃機関において、各軸受に対する潤滑構造を簡素化することができるとともに、冷却性能にも優れた内燃機関を提供することを目的とする。
本発明は、シリンダと、このシリンダ内を往復直線運動するピストンと、このピストンに連結されるとともに、当該ピストンの往復直線運動に伴って往復直線運動を行う連接部材と、この連接部材の直線運動方向に対して直交した回転軸心を有する出力軸と、前記連接部材の直線運動を前記出力軸の回転運動に変換して動力を伝達する動力伝達機構と、を備えている内燃機関において、前記動力伝達機構が複数の軸を含み、これらの軸を回転自在に支持するための全ての軸受が転がり軸受とされており、前記動力伝達機構が非油密状態かつ非気密状態でケーシングによって支持されていることを特徴とする。
本発明の内燃機関は、動力伝達機構を構成する複数の軸がすべて転がり軸受によって回転自在に支持されている。そのため、これら転がり軸受の潤滑構造としてグリース潤滑を採用することができる。したがって、従来のように軸に対して油路を形成する必要が無く、部品コストの低減を図ることができる。また、転がり軸受をグリース潤滑とすれば、ケーシング内に潤滑油を溜めておく必要がないので、当該ケーシングには気密性及び油密性が要求されなくなる。そのため、ケーシングを非気密状態及び非油密状態とすることによってケーシング内の熱を放出し易くすることができ、内燃機関の冷却効率を高めることが可能となる。また、この内燃機関は、連接部材が直線運動することから振動が少なく、ケーシングに対する負荷が小さくなるとともに、気密性及び油密性が要求されないため、ケーシングの構造を簡素化、軽量化することが可能となる。
前記ケーシングには、前記動力伝達機構を外部に開放する窓が形成されていることが好ましい。
このような構成によって、ケーシング内の熱の放出を促進し、冷却効率をより高めることができる。
前記動力伝達機構は、前記連接部材の基端部に第1転がり軸受を介して回転自在に連結された第1軸と、この第1軸に一体回転可能に設けられるとともに、当該第1軸の軸心と前記出力軸の軸心との双方に対して偏心した軸心を有し、かつ外周面に多数の歯を有する遊星歯車と、前記出力軸と同一の軸心を有し、前記遊星歯車が噛み合う多数の歯を内周面に有する内歯車と、前記遊星歯車と同一の軸心を有するとともに、前記遊星歯車及び前記出力軸の一方に対して第2転がり軸受を介して回転自在に連結され、他方に対して固定された連結軸と、前記出力軸を前記ケーシングに回転自在に支持するための第3転がり軸受と、を有していることが推奨される。
そして、前記第1軸には、前記遊星歯車と同一の軸心を有するとともに、前記ケーシングに第4転がり軸受を介して回転自在に支持される第2軸が一体回転可能に設けられており、前記第4転がり軸受が、前記出力軸と同一の軸心を有しかつケーシングに支持される外輪と、この外輪の内周側に設けられるとともに、当該外輪の軸心に対して偏心した位置に前記第2軸が挿入される軸孔を有している内輪と、前記外輪及び前記内輪の間に転動自在に設けられた転動体と、を備えていることが好ましい。
この構成によれば、外輪の軸心に対して偏心した軸心を有する第2軸をケーシングに直接的に回転自在に支持することができ、これによって第2軸の支持構造を簡素化することができる。
前記遊星歯車は、前記第1軸の外径よりも小径であり、当該第1軸の側面領域内に配置されていることが好ましい。
この構成によって、第1軸の外周部には非分割型の環状の外輪及び内輪を有する第1転がり軸受を側方(軸方向外側)から取り付けることが可能となり、よって連接部材と第1軸との相対回転を円滑に行うことができ、回転抵抗をより低減することができる。
前記動力伝達機構は、一体のユニットとして前記ケーシングに組み込まれていることが好ましい。
この構成によれば、ケーシングに対する動力伝達機構の組み込みを容易に行うことができ、また、排気量等が異なる複数種のエンジンに対して動力伝達機構を兼用することも容易となる。
前記内燃機関は、前記シリンダ内において前記ピストンの下死点側に設けられた密封室と、この密封室を開閉する開閉弁とをさらに備えていることが好ましい。
この構成によれば、開閉弁を開いた状態では、ピストンの下死点側への移動に伴って密封室内の空気は排出されるが、開閉弁を閉じた状態では、ピストンが下死点側への移動に伴って密封室内の空気が圧縮される。したがって、後者の場合、密封室内の空気はピストンの移動抵抗となり、エンジンの減速時等にエンジンブレーキを強力に働かせることが可能となる。
前記ピストンと前記連接部材とは、一体形成されていることが好ましい。
この構成によれば、部品点数を少なくし、製造コストを低減することができる。
前記第1転がり軸受は、前記連接部材の基端部に一体に形成されかつ内周に軌道面を有する外輪を含むことが好ましい。
この構成によれば、第1転がり軸受の外輪と連接部材とを一体に形成することができ、部品点数を少なくし、製造コストを低減することができる。
前記内燃機関は、並列に配置された複数のシリンダと、各シリンダ内を往復直線運動する複数のピストンと、を備え、前記連接部材は、一の動力伝達機構に接続される基部と、この基部から分岐して各ピストンに連結される複数の分岐部と、を備えていることが好ましい。
この構成によれば、複数のピストンの往復直線運動を一の動力伝達機構に伝達することができ、簡単な構造で高出力のエンジンを形成することができる。
本発明に係る転がり軸受は、外輪と、この外輪の内周側に設けられるとともに、当該外輪の軸心に対して偏心した位置に軸孔を有している内輪と、前記外輪及び前記内輪の間に転動自在に設けられた転動体と、を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、例えば上述の内燃機関における第2軸のように、自身の軸心とは偏心した軸心回りに公転する軸を支持するために、当該転がり軸受を好適に使用することができる。
本発明によれば、ピストンの往復直線運動に追従して連接部材が直線移動を行う内燃機関において、各軸受に対する潤滑構造を簡素化できるとともに、冷却効率を高めることができる。
本発明の実施形態に係る内燃機関の正面断面図である。 同内燃機関の正面図である。 図1のA−A矢視断面図である。 ピストン、第1軸、及び遊星歯車の動作を順を追って示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る内燃機関の要部の断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る内燃機関の要部の断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る内燃機関を示す正面断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る内燃機関を示す概略図である。 本発明の第6の実施形態に係る内燃機関を示す概略図である。 従来技術に係る内燃機関を示す概略断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る内燃機関の正面断面図、図2は、同内燃機関の正面図である。
本実施形態の内燃機関(エンジン)は、筒状のシリンダ11を有するシリンダブロック12と、シリンダ11の上端部を閉鎖するシリンダヘッド13と、シリンダ11内を往復直線運動するピストン14と、ピストン14に連結された連接棒15と、この連接棒15を介してピストン14の直線運動を出力軸16の回転動力に変換して伝達する動力伝達機構17と、この動力伝達機構17を収納・支持するケーシング18と、を備えている。なお、図示例では、ケーシング18とシリンダブロック12とが一体に形成されているが、これらを別体で形成してボルト等の連結具により連結してもよい。
本実施形態の内燃機関は、4ストロークエンジン又は2ストロークエンジン10のいずれで構成されていてもよい。前者の場合、シリンダヘッド13には吸気バルブ、排気バルブ、及び点火プラグ等(図示略)が設けられ、シリンダ11内で吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程が順次行われる。また、後者の場合、シリンダヘッド13に点火プラグ(図示略)が設けられるとともに、シリンダブロック12に吸気口、排気口、掃気口等(図示略)が設けられ、ピストン14の上昇による吸気・圧縮行程と下降による膨張・排気(掃気)行程とが順次に行われる。
ピストン14は、シリンダ11の内径よりもやや小さい内径の円筒外面を有し、このピストン14に外周面には、複数のピストンリング21が嵌合されている。そして、ピストンリング21は、ピストン14の直線往復運動に伴って、シリンダ11の内面に対して摺動する。本実施形態のピストン14には2本のピストンリング21が嵌合されており、このピストンリング21は、専らシリンダ11とピストン14との隙間を無くし、燃焼室22からケーシング18側への圧縮ガスの漏洩を防止する。
一般的なエンジンの場合、通常3本のピストンリングが設けられている。これに対して本実施形態のエンジン10は、後述するようにピストン14に連動して連接棒15が直線運動を行うため、シリンダ11に対するピストンリング21の傾きが小さくなる。そのため、2本のピストンリング21のみで圧縮ガスの漏洩を防止することが可能であり、これによって構造の簡素化及び軽量化が図られている。また、同様の理由により、2本のピストンリング21のうち燃焼室22から離れた下側のピストンリング21は、耐摩耗性や耐熱性の高いスーパーエンジニアリングプラスチック(ポリイミドやポリフェニレンサルファイド等)によって形成することができ、これによってより一層の軽量化を図ることも可能である。
連接棒15は、その中心がピストンの中心Xに一致した状態で、先端(上端部)がピストン14の下部に固定され、ピストン14の上下往復直線運動に追従して直線的に往復運動を行う。また、連接棒15の基端部(下端部)には環状の連結部25が設けられ、この連結部25の内周面に第1転がり軸受B1を介して第1軸27が回転自在に連結されている。この第1軸27は、円柱状乃至円板状に形成され、連接棒15の中心Xと直交する軸心O3を有する。
第1軸27の軸方向の一側面(左側面)には遊星歯車28が一体的に形成され、更に、その軸方向外側には連結軸29が一体的に形成されている。遊星歯車28と連結軸29とは同一の軸心O2を有し、この軸心O2は第1軸27の軸心O3に対して偏心している。また、遊星歯車28と連結軸29とはいずれも第1軸27よりも小径であり、第1軸27の側面領域内(側面の面積範囲内)に配置されている。
第1軸27の軸方向他側面(右側面)には第2軸30が一体的に形成されている。この第2軸30は、連結軸29とほぼ同径であり、連結軸29及び遊星歯車28と同一の軸心O2を有している。この第2軸30も第1軸27の側面領域内に配置されている。
出力軸16の軸心O1と、遊星歯車28、連結軸29、及び第2軸30の軸心O2との距離(偏心量)L1と、この軸心O2と第1軸27の軸心O3との距離(偏心量)L2とは同一とされている。
遊星歯車28、連結軸29、及び第2軸30は、第1軸27の側面領域内に配置されているので、第1軸27の外周面に対して第1転がり軸受B1を軸方向外側から取り付けることができる。したがって、第1転がり軸受B1として、外輪及び内輪が環状のもの(外輪及び内輪が周方向に分割された分割型ではないもの)を用いることができ、そのため、分割型の外輪及び内輪の分割面を転動体が通過することによって生じる不都合(例えば、振動や回転抵抗増)を防止することができ、より振動の少ない低燃費なエンジンとして構成することができる。
なお、連接棒15の下端の連結部25は、分割構造(半割構造)であってもよいし、一体の環状構造であってもよい。
ケーシング18は、主ケーシング32と副ケーシング35,36とを有しており、主ケーシング32の上部にはシリンダブロック12が一体形成されている。そして、この主ケーシング32の両側部には取付口33が形成され、各取付口33にそれぞれ副ケーシング35,36が嵌合・固定されている。
一方(左側)の副ケーシング35は、軸方向両端部が開放した円筒形状であり、他方(右側)の副ケーシング36は、軸方向一端部(左端部)が開放し、他端部(右端部)が閉塞した有底円筒形状である。そして、副ケーシング35には、第3転がり軸受B3を介して出力軸16が回転自在に支持され、他方の副ケーシング36には、第4転がり軸受B4を介して軸支持部材39が回転自在に支持されている。
図3は、図1のA−A断面図である。一方の副ケーシング35の端部には、内歯車41が嵌合され、この内歯車41の内周面41Aに形成された多数の歯に遊星歯車28が噛合している。内歯車41の内径(ピッチ円直径)は遊星歯車28の外径(ピッチ円直径)の2倍であり、遊星歯車28が内歯車41の内周面41Aに沿って一周(一公転;矢印b参照)する間に、遊星歯車28は公転方向とは逆方向に二回転(二自転;矢印a参照)する。
また、図1に示すように、内歯車41の軸心(出力軸16の軸心)O1と遊星歯車28の軸心O2との距離L1は、遊星歯車28の軸心O2と第1軸27の軸心O1との距離L2に一致しており、第1軸27の軸心O3は、遊星歯車28が内歯車41に噛み合いながら回転する間、常に、連接棒15の中心線Xに沿って上下に直線移動するように構成されている。
出力軸16の基端部には、当該出力軸16の軸心O1に対して偏心した軸心を有する軸孔43が形成されており、この軸孔43に第2転がり軸受B2を介して連結軸29が枢結されている。また、軸支持部材39にも、同様に当該軸支持部材39の軸心O1に対して偏心した軸心を有する軸孔44が形成され、この軸孔44に第5転がり軸受B5を介して第2軸30が枢結されている。
以上のように、本実施形態では、第1軸27、連結軸29、出力軸16、軸支持部材39、及び第2軸30が、それぞれ転がり軸受B1〜B5を介して回転自在に支持されている。そして、各転がり軸受B1〜B5は、その潤滑方式としてグリース潤滑が採用されている。そのため、従来のエンジンのようにクランクケース内に貯留した潤滑油をポンプによって吸い上げ、当該潤滑油を軸受部分等に吹き付けたり油路を介して供給したりする必要がなく、よって、動力伝達機構17の潤滑構造を簡素化することができる。
また、動力伝達機構17を構成する軸受として全て転がり軸受B1〜B5を用い、これらグリース潤滑とすることによってケーシング18には油密性は勿論のこと気密性も特に要求されない。したがって、ケーシング18内外への空気の流通を自由に行うことができ、動力伝達機構17の冷却効率を高めることができる。また、ケーシング18によって動力伝達機構17を完全に覆ったり、油密を保つためのシーリング等を施したりする必要も無いので、ケーシング18の構造の簡素化及び軽量化を図ることができる。
本実施形態では、図2に示すように、主ケーシング32内外の空気流通を促進するために、前後面に比較的大きな窓(開口部)46が形成されている。この窓46によって、動力伝達機構17が外部に開放され、動力伝達機構17で発生した熱をケーシング18の外へ放出しやすくしている。また、このような窓46を形成することによって主ケーシング32を大幅に軽量化することができる。
図4は、ピストン14、第1軸27、及び遊星歯車28の動作を順を追って示す説明図である。この図において、ピストン14は(I)〜(IV)の順番で上下動する。(I)の状態では、ピストン14は上死点に位置し、(III)ではピストン14は下死点に位置し、(II)(IV)の状態では、ピストン14はストロークの中間位置に位置している。
(I)において、ピストン14が上死点にあるとき、遊星歯車28は、内歯車41の内周面41Aの上部に位置し、第1軸27は、その軸心が遊星歯車28の軸心の真上に位置するように配置されている。このときシリンダ11内の燃焼室22では燃料の燃焼が行われる。
次いで、(II)に示すように、ピストン14はシリンダ11内の燃焼によってストロークの中間位置にまで押し下げられ、第1軸27は、その軸心が遊星歯車28の軸心に対して側方(左側)に位置するように反時計方向に90°姿勢を変える。このとき、遊星歯車28は、内歯車41の内周面41A上を反時計方向に180°自転(矢印a参照)するとともに、内歯車41の内周面41Aに沿って時計方向に90°公転(矢印b参照)する。このとき、第1軸27の軸心は内歯車41の軸心と一致している。
次いで、(III)に示すように、ピストン14が下死点にまで押し下げられると、第1軸27は、その軸心が遊星歯車28の軸心に対して真下に位置するように更に反時計方向に90°(合計180°)姿勢を変え、遊星歯車28は、内歯車41の内周面41A上を反時計方向に更に180°(合計360°)自転するとともに、内歯車41の内周面41Aに沿って時計方向に更に90°(合計180°)公転する。
次いで、(IV)に示すように、遊星歯車28は、慣性によって内歯車41の内周面上を反時計方向に更に180°(合計540°)自転するとともに、内歯車41の内周面に沿って時計方向に更に90°(合計270°)公転し、第1軸27も、その軸心が遊星歯車28の軸心に対して側方(右側)に位置するように更に反時計方向に90°(合計270°)姿勢を変え、これに伴って連接棒15及びピストン14を上方へ引き上げる。このとき、第1軸27の軸心は内歯車41の軸心と一致している。
そして、再び、(I)に示すように、遊星歯車28は、慣性によって内歯車41の内周面41A上を反時計方向に更に180°(合計720°)自転するとともに、内歯車41の内周面41Aに沿って時計方向に更に90°(合計360°)公転し、第1軸27も、その軸心が遊星歯車28の軸心に対して真上に位置するように更に反時計方向に90°(合計360°)姿勢を変え、これに伴って連接棒15及びピストン14を上方へ引き上げ、ピストン14を上死点に戻す。
以上の動作によってピストン14の一往復動作が完了する。そして、遊星歯車28の公転によって、図1に示すように、連結軸29を介して連結された出力軸16がその軸心O1回りに回転し、回転動力を外部に取り出すことが可能である。
以上の構成において、動力伝達機構17は、軸及び転がり軸受を組み立てることによって構成された1つのユニットとして構成することができ、このユニットをケーシング18に組み付ける構成としてもよい。また、動力伝達機構17を副ケーシング35,36を含めて一体のユニットとして構成し、このユニットを主ケーシング32に組み付けるように構成することができる(この場合、副ケーシング35,36は動力伝達機構17の一構成要素となる)。以上のようにすれば、ケーシング18に対する動力伝達機構17の組み込みを容易に行うことができる。また、排気量等が異なる複数種のエンジン10に対してユニット化された動力伝達機構17を兼用することも容易に行うことができる。
また、上記エンジン10では、ピストン14の直線運動に追従して連接棒15も直線運動を行うため、両者を一体形成することが可能となる。このようにピストン14と連接棒15とを一体形成すれば、部品点数減が可能になるとともに両者を接続する製造工程が不要となり、製造コストを低減することができる。ピストン14と連接棒15とは、例えばアルミダイキャストによって一体に形成することができる。
図5は、本発明の第2の実施形態にかかる内燃機関の要部の断面図であり、特に、第4転がり軸受B4の他の実施形態を示す。この実施形態では、第1の実施形態に使用していた軸支持部材39を省略し、第2軸30を第4転がり軸受B4を用いてケーシング18に支持している。
この第4転がり軸受B4は、副ケーシング36に嵌合された外輪47と、この外輪47の内周側に配置された内輪48と、両者の間に転動自在に設けられた転動体49とから構成され、内輪48には、外輪47の軸心O1に対して偏心した軸心O2を有する軸孔50が形成されている。そして、この軸孔50に第5転がり軸受B5を介して第2軸30が回転自在に支持されている。
このような構成により、単一の第4転がり軸受B4を介して第2軸30を副ケーシング36に回転自在に支持することができ、軸支持部材39が不要となるので、第1の実施形態に比べてより構造の簡素化を図ることができる。
図6は、本発明の第3の実施形態に係る内燃機関の要部の断面図であり、特に、第1転がり軸受B1の他の実施形態を示す。この実施形態では、第1転がり軸受B1の外輪が、連接棒15の連結部25によって構成されており、この連結部25の内周面には転動体51が転動する外輪軌道面52が形成されている。このような構成によって連結部25の外径を第1実施形態よりも小さくすることができ、軽量化及びコンパクト化を図ることができる。
図7は、本発明の第4の実施形態に係る内燃機関を示す断面図である。
この実施形態では、シリンダ11の下部に仕切り壁54が設けられ、ピストン14と仕切り壁54との間が密封室55とされている。仕切り壁54には、連接棒15が貫通する貫通孔56が形成され、この貫通孔56には密封室55内の気密及び油密を保つためのシール部材57が設けられている。また、密封室55には、排気管58が接続され、この排気管58には開閉弁59が設けられている。
本実施形態では、開閉弁59を開放することによって密封室55の気密が解かれ、第1の実施形態と同様の運転状態となるが、開閉弁59を閉鎖することによって密封室55内の空気の漏れが防止される。そのため、ピストン14が下降したときに密封室55内の空気が圧縮されてピストン14の下降の抵抗となる。したがって、エンジン10の減速時に、エンジンスロットルの閉鎖に連動して開閉弁59を閉鎖すれば、強いエンジンブレーキを働かせることができる。
また、シリンダ11内に仕切り壁54を設けると共に、連接棒15との間にシール部材57を設けることによって、シリンダ11の燃焼室22内で発生した圧縮ガスが密封室55側に流入したとしても動力伝達機構17側へ排出されるのを防止することができる。
図8は、本発明の第5の実施形態に係る内燃機関を示す概略図である。
この実施形態では、複数(図示例では3個)のシリンダ11が並設され、各シリンダ11にそれぞれピストン14が連接棒15を介して摺動可能に収容されている。複数のピストン14が1つの動力伝達機構17に接続されている。この連接棒15は、一端側の基部が動力伝達機構17に接続され、他端にピストン14の数に応じて分岐する複数の分岐部15Aを備えるとともに、各分岐部15Aがそれぞれピストン14に接続されている。このような構成によって、内燃機関の大型化及び構造の複雑化を最小限に抑えながら出力を増大することができる。
なお、本実施形態において、シリンダ11及びピストン14の数は限定されるものではなく、適宜変更可能である。
図9は、本発明の第6の実施形態に係る内燃機関を示す概略図である。
本実施形態では、シリンダ11内において、ピストン14の両側に燃焼室22が形成されており、各燃焼室22には、吸気バルブ62、排気バルブ63、及び図示しない点火プラグが設けられている。そして、ピストン14は、両側の燃焼室22における燃料の燃焼によって往復移動される。すなわち、一方の燃焼室22において行われる吸気−圧縮−膨張−排気の各工程に対応して、他方の燃焼室22では、排気−吸気−圧縮−膨張の各行程が1行程ずれて行われる。
したがって、本実施形態においても第5の実施形態と同様に出力増大を図ることができ、しかも、1つのシリンダ11及びピストン14を用いて概ね2倍の出力が可能になることから、第5の実施形態に比べてコンパクトな構造で出力を増大することができる。
また、吸気バルブ62や排気バルブ63の駆動系としてカムシャフトを用いることもできるが、これに代えて電磁カムを用いれば、よりコンパクト化を図り、動力伝達構造を簡素化することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜設計変更可能である。
例えば、動力伝達機構17に使用される転がり軸受B1〜B5は、玉軸受、ころ軸受、ニードル軸受など、荷重条件等に応じて最適なものを使用することができる。
また、連結軸29は、出力軸16に一体回転可能に設けられていてもよく、この場合、出力軸16から遊星歯車28側へ向けて連結軸29を突設し、この連結軸29を遊星歯車の中心に回転自在に枢結すればよい。また、第2軸30は、軸支持部材39に一体回転可能に設けられていてもよく、この場合、軸支持部材39から第1軸27側へ向けて第2軸30を突設し、この第2軸30を第1軸27に回転自在に枢結すればよい。また、これらの構成の両方を採用した場合には、連結軸29と第2軸30とを一体の軸として構成し、当該軸を遊星歯車28と第1軸27とに枢結してもよい。
主ケーシング32は、その側面に窓42(図2参照)を形成することによって、内外の空気の流通を促進しているが、主ケーシング32自体を梁や柱等からなるフレーム構造とすることによって空気の流通を促進するようにしてもよい。
10:エンジン、11:シリンダ、14:ピストン、15:連接棒(連接部材)、16:出力軸、17:動力伝達機構、18:ケーシング、25:連結部、27:第1軸、28:遊星歯車、29:連結軸、30:第2軸、41:内歯車、46:窓、55:密封室、59:開閉弁、B1:第1転がり軸受、B2:第2転がり軸受、B3:第3転がり軸受、B4:第4転がり軸受、B5:第5転がり軸受

Claims (11)

  1. シリンダと、このシリンダ内を往復直線運動するピストンと、このピストンに連結されるとともに、当該ピストンの往復直線運動に伴って往復直線運動を行う連接部材と、この連接部材の直線運動方向に対して直交した回転軸心を有する出力軸と、前記連接部材の直線運動を前記出力軸の回転運動に変換して動力を伝達する動力伝達機構と、を備えている内燃機関において、
    前記動力伝達機構が複数の軸を含み、
    この複数の軸を回転自在に支持するための全ての軸受が転がり軸受とされており、
    前記動力伝達機構が非油密状態かつ非気密状態でケーシングによって支持されていることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記ケーシングには、前記動力伝達機構を外部に開放する窓が形成されている請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記動力伝達機構は、
    前記連接部材の基端部に第1転がり軸受を介して回転自在に連結された第1軸と、
    この第1軸に一体回転可能に設けられるとともに、当該第1軸の軸心と前記出力軸の軸心との双方に対して偏心した軸心を有し、かつ外周面に多数の歯を有する遊星歯車と、
    前記出力軸と同一の軸心を有し、前記遊星歯車が噛み合う多数の歯を内周面に有する内歯車と、
    前記遊星歯車と同一の軸心を有するとともに、前記遊星歯車及び前記出力軸の一方に対して第2転がり軸受を介して回転自在に連結され、他方に対して固定された連結軸と、
    前記出力軸を前記ケーシングに回転自在に支持するための第3転がり軸受と、
    を有している請求項1又は2に記載の内燃機関。
  4. 前記遊星歯車と同一の軸心を有するとともに、前記ケーシングに第4転がり軸受を介して回転自在に支持された第2軸が前記第1軸に一体回転可能に設けられており、
    前記第4転がり軸受が、前記ケーシングに嵌合される外輪と、この外輪の内周側に設けられるとともに、当該外輪の軸心に対して偏心した位置に前記第2軸が挿入される軸孔を有している内輪と、前記外輪及び前記内輪の間に転動自在に設けられた転動体と、を備えている請求項3に記載の内燃機関。
  5. 前記遊星歯車が前記第1軸の外径よりも小径であり、当該第1軸の側面領域内に配置されている請求項3又は4に記載の内燃機関。
  6. 前記動力伝達機構が一体のユニットとして前記ケーシングに組み込まれている請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関。
  7. 前記シリンダ内において前記ピストンの下死点側に設けられた密封室と、この密封室を開閉する開閉弁とをさらに備えている請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関。
  8. 前記ピストンと前記連接部材とが一体形成されている請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関。
  9. 前記第1転がり軸受が、
    前記連接部材の基端部に一体に形成されかつ内周に軌道面を有する外輪を含む請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関。
  10. 並列に配置された複数のシリンダと、各シリンダ内を往復直線運動する複数のピストンと、を備え、前記連接部材が、一の動力伝達機構に接続される基部と、この基部から分岐して各ピストンに連結される複数の分岐部と、を備えている請求項1〜9のいずれかに記載の内燃機関。
  11. 外輪と、この外輪の内周側に設けられるとともに、当該外輪の軸心に対して偏心した位置に軸孔を有している内輪と、前記外輪及び前記内輪の間に転動自在に設けられた転動体と、を備えていることを特徴とする転がり軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112393890A (zh) * 2020-11-20 2021-02-23 中航飞机起落架有限责任公司 一种用于疲劳试验的拉压载荷加载装置及其方法

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