JP2011174229A - 路面の処理方法 - Google Patents

Abstract

【課題】 地方、特に山間部では、道路に電灯がほとんどなく、夜間自動車で走行するとヘッドライトが当たる部分しか見えない。ヘッドライトが当たっている部分にしても、遠くになると全体として少し明るい程度で道路の方向がはっきりと識別できるまではなかなかいかない。これが事故の大きな原因になっている。そこで、長期間きらきら光る路面を提供する。
【解決手段】 路面に樹脂舗装材を塗布した後、その上から反射骨材を散布し、押圧する方法であって、該樹脂舗装材は反射骨材が含有されており、且つ透水性を有するもの。
【選択図】 図１

Description

本発明は、路面の処理方法に関するものである。

都会の道路等では、道路の幅や方向が夜見えにくい等ということは考えにくいが、地方、特に山間部では、道路に電灯がほとんどなく、夜間自動車で走行するとヘッドライトが当たる部分しか見えない。
ヘッドライトが当たっている部分にしても、遠くになると全体として少し明るい程度で道路の方向がはっきりと識別できるまではなかなかいかない。

このようなことを防止するため、舗装材に蓄光顔料やガラス片を混合する方法も考えられる。
しかし、蓄光顔料は非常に高価であるため使用は難しい。また、ガラス片を混合する方式では、アスファルト表面のガラス片は通常その硬度が低いため磨耗しやすく効果が失われやすい。

また、骨材としてガラス片又はガラス球を用い、樹脂モルタルとして舗装材に使用する方法も考えられる。しかし、樹脂モルタルになっているため、敷設当初はガラス片がほとんど見えない。

そこで、敷設当初も、かつ相当長期間に夜間での視認性がよくなる舗装路の処理方法を提供する。

以上のような現状に鑑み、本発明者は鋭意研究の結果本発明処理方法を完成したものであり、その特徴とするところは、路面に樹脂舗装材を塗布した後、その上から反射骨材を散布し、押圧する方法であって、該樹脂舗装材は反射骨材が含有されており、且つ透水性を有する点にある。

ここでいう路面とは、道路の舗装前の基盤等に限らず、道路の舗装前の面でも、一定の舗装後の状態でもよい。勿論、道路だけでなく、広場のような地域も含む。
路面として透水性アスファルトであり、塗布する樹脂舗装材は、その透水性アスファルトの骨材間隙に充填される（深さは５ｍｍ〜３０ｍｍ程度が好適である）ものが好適である。

ここでいう舗装材は、樹脂舗装に用いる樹脂モルタルであり、少なくとも樹脂と骨材を混合したものである。
樹脂は、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂その他舗装に使用できるものであれば何でもよい。

反射骨材とは、光が照射されると、反射してきらきらするものである。即ち、小片の表面の１部又は全部が鏡のような全反射面である。通常の骨材（小石のような）では、このような全反射面を有していないため、周囲表面では乱反射するため、光を受けても「きらり」と光ることはない。全反射面としては、少なくとも１ｍｍ²以上、好ましくは５ｍｍ²以上、更に好ましくは１０ｍｍ²以上の面積を持つ平面を少なくとも１つ、望ましくは５個以上有するものがよい。
サイズ（それが入る最少球形の直径として）は、０．５〜５ｍｍ程度が好適であり、好ましくは１〜２．５ｍｍ程度である。勿論、種々のサイズのものを混合して使用するのが一般的であるため、より小さいものや、より大きなものが混合されていることもある。形状は、球状でも破砕形状で、その他どのような形状でもよい。

この反射骨材には、透明タイプと不透明タイプがある。ガラス球やガラス片等は透明タイプである。透明タイプの場合、光を反射するのは表面とは限らず一旦透明体に入った後、反射する場合もある。
また、不透明タイプでは、炭化ケイ素が好ましい、破砕形状（ランダムな石の破砕品のような）であるが、全反射する平面部分があり、その面で全反射する。よって、その面が光って見えるのである。

このような反射骨材が路面に存在すると、自動車のヘッドライトで照らされると反射してきらきらする。勿論、街灯その他でも反射して見える。

本発明樹脂舗装材は、この反射骨材が必須であるが、骨材としてはこの反射骨材のみでも、反射骨材でない通常の骨材（ここでは不反射骨材という）を混合して用いてもよい。例えば、通常の骨材（小石やセラミック等）を１０〜９０重量％、好ましくは３０〜６０％混合してもよい。

反射骨材でないものとしては、通常の舗装に使用される骨材でよく、セラミック、小石、プラスチック片等である。サイズは、上記した反射骨材と同様でよい。

反射骨材は、樹脂に混合するものと、散布するものの両方に使用する。同じものでも、異なったものでもよい。
反射骨材を樹脂モルタルにも混合する理由は、表面に散布した反射骨材が経時的に飛散、減少しても、樹脂モルタルの骨材表面の樹脂がわずかづつ剥離し、その骨材が露出し、その露出した骨材によって反射を補うためである。

例えば、タイヤの摩擦によって、表面の反射骨材が速く飛散する部分は、樹脂モルタルの樹脂も速く剥離するため、反射能は維持され、逆にタイヤの摩擦の少ないところは樹脂の剥離は少ないが、表面の反射骨材の飛散も少ないためやはり反射能は維持される。
このように本発明ではどちらの場合にも反射能（きらきらする）が維持できるのである。

樹脂に混合する反射骨材は、通常の骨材としてのサイズでよく、種々のものが使用できる。しかし、樹脂が剥がれた後、その反射性が効果を発揮するようにするためには、上記した０．５〜５ｍｍ程度が好適である。勿論、種々のサイズのものを混合して使用するのが一般的である。

樹脂と骨材の混合比率は、通常の比率でよいが、樹脂モルタルとして塗工、硬化した後、透水性を有するものである。これは、表面に反射骨材を散布し押圧する場合に骨材が浸透しやすいようにである。
混合比率は、骨材の比重等で異なるが、例えば、樹脂：合計骨材は、樹脂１００重量部に対して、骨材が５００〜１０００重量部程度である。

散布する骨材も、反射骨材のみでもよいが、不反射骨材と混合したものを用いてもよい。散布する骨材のサイズは、細かいものは不要であり（あってもよい）おおよそ０．５ｍｍ〜５ｍｍが好適である。これは、反射光が見えるということと、摩擦の問題からである。

散布の量は自由であるが、効果と費用の関係から、１ｍ²あたり１００ｇ〜２ｋｇ、好ましくは１５０ｇ〜４００ｇ程度が好適である。
散布の時期としては、樹脂を敷設し、完全硬化する前に散布するのがよいが、樹脂モルタルが完全硬化した後では、反射骨材を反射樹脂と混合して散布するようにしてもよい。この場合、透明樹脂の量は自由であるが、少なくてよい。例えば、反射骨材１００重量部に対して、樹脂が２〜２０程度が好適である。

散布の後は押圧する。押圧の方法は、こて、転圧ローラー、その他どのような方法で行ってもよい。

本発明路面の処理方法には、次のような大きな利点がある。
（１） 反射骨材が表面に存在するため、夜間自動車のヘッドライトや街灯の光を反射してきらきら光り非常に見えやすくなる。よって、山間部であっても先の道路の様子がよくわかる。
（２） また昼間は、交差点において太陽光の反射で視認できる。
（３） 表面に散布した反射骨材が経時的に飛散し、減少してくるころには、樹脂モルタル中の反射骨材の周囲の樹脂が剥がれ、その反射骨材が光に反射するため、見えやすくなってくる。
（４） 表面に骨材を散布しているため、摩擦係数が大きくなり、滑り止めの効果も有する。

本発明方法の実施の工程を示す断面図である。

以下好適な実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。

図１（ａ）は、透水性アスファルト舗装路１を示す。
図１（ｂ）は、この透水性舗装の骨材２の間隙に、樹脂モルタル３をすり切れ塗工したところである。勿論、すり切れ塗工でなくより厚く塗布してもよい。
この樹脂モルタルは、次の混合物である（単なる１例）。
１ 樹脂：ウレタン樹脂：５０重量部
２ 反射骨材：炭化ケイ素（粒度は０．５〜３ｍｍに分布）１００重量部
３ 不反射骨材：小石（粒度は０．５〜３ｍｍに分布）２００重量部
４ 細骨材：５０重量部

図１（ｃ）は、上記樹脂モルタル３が硬化する前に、反射骨材４を表面に散布したところである。この反射骨材は上記モルタルに使用したものと同じもので、サイズも同様である。形状は破砕形状である。

図１（ｄ）は、表面を転圧ローラー５で押圧しているところである。これで、反射骨材が路面に入り、すぐに飛散するようなことはなくなる。

１ 透水性アスファルト舗装路
２ 骨材
３ 樹脂モルタル
４ 反射骨材
５ 転圧ローラー

Claims (3)

1. 路面に樹脂舗装材を塗布した後、その上から反射骨材を散布し、押圧する方法であって、該樹脂舗装材は反射骨材が含有されており、且つ透水性を有することを特徴とする路面の表面処理方法。
2. 透水性アスファルト舗装の骨材間隙に透水性樹脂舗装材をすりきれ充填した後、その上から反射骨材を散布し、押圧するものである請求項１記載の路面の表面処理方法。
3. 該反射骨材は、平均粒径が０．５〜５．０ｍｍの炭化ケイ素である請求項１又は２記載の路面の表面処理方法。

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