JP2011174143A - インジェクションランス - Google Patents

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Abstract

【課題】スラグとの接触で損傷した不定形耐火物部分の解砕時の亀裂が健全な部分の不定形耐火物に伝播するのを防止して、スラグとの接触で損傷した部分への不定形耐火物の部分補修の効果(インジェクションランスの部分補修利用率)を向上させることにある。
【解決手段】パイプ状芯金1と、この芯金1の外周面を覆う耐火物層2とを備え、その芯金1内の供給通路を通じてガスまたは、ガスおよび溶湯処理剤を金属溶湯中に吹き込むインジェクションランスにおいて、前記耐火物層2のうち、金属溶湯上のスラグSと接触する部分以外の部分であって、少なくともそのスラグSと接触する部分の上に位置する部分L1−2,L2に、前記芯金1を囲繞するように耐火レンガ4を設けたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶銑予備処理や溶鋼の各種処理等に用いられるインジェクションランスに関し、特には、耐火物層の一部が耐火レンガで構成されているインジェクションランスに関するものである。
ランスパイプとも云われるインジェクションランスは、主にパイプ状芯金と、この芯金の外周面を覆う耐火物層とで構成されており、例えば、取鍋等の容器内に受け入れた溶銑や溶鋼等の溶融金属中に浸漬して、その溶融金属を攪拌するためのガスまたは、そのガスと共にフラックス等の溶湯処理剤を溶融金属中に吹き込むために使用されるものである。
上述したように、インジェクションランスは、溶融金属の攪拌および精錬を行うためのガス等の吹き込み手段として溶融金属中に浸漬して用いられるものであることから、溶融金属等に直接触れる外周面は耐熱性が求められ、一方で、フラックス等の粉状の精練剤が通過する通路は耐摩耗性が求められる。こうした要請に応えられるインジェクションランスの構造として、従来、芯金とその外周面を覆う耐火物とからなる構成のものが用いられているのである。
このインジェクションランスの外周面を覆う耐火物層は、不定形耐火物であるキャスタブル耐火物で構築するのが普通である。このような構造を有するインジェクションランスは、これを取鍋等の溶融金属中に浸漬して使用する時、その耐火物層のうち、溶融金属表面、特にその上に滞留するスラグに接する部分(スラグライン)が、他の部分に優先して溶損することが多い。このため、インジェクションランスの芯金と、耐火物層のうち上記スラグライン以外の部分とが損傷せず健全で、未だ使用可能な状態であっても、該スラグラインに位置する耐火物層のみが損傷することにより、インジェクションランスが全体として使用できない状態となることがある。
従来、このような問題に対し、耐火物を有効に利用するために、健全な耐火物層の部分を残して損傷部分のみを解体し、キャスタブル耐火物を部分的に吹き付け施工して補修する方法がある。しかし、この部分補修の方法は、もともと該耐火物層の損傷部分と健全部分とが一体化しているため、損傷部分を解体する時の衝撃で、健全な耐火物層も亀裂の伝播が発生して、損傷部分と同時に健全な部分を傷つけるという現象が発生し、部分補修の効果が十分に得られないことが多かった。
従来、インジェクションランスの耐火物層の耐久性を高めるために、その耐火物層に定形耐火物を用いることが、特許文献1および特許文献2で提案されている。また、上吹きランスの先端部の耐火物層の耐久性を高めるために、その耐火物層として耐火レンガを用いることが、特許文献3で提案されている。
特開2006−70316号公報 特開2006−70317号公報 特開平5−39522号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2で提案されているインジェクションランスはいずれも、スラグラインに位置する耐火物層として芯金側の内側にのみ定形耐火物を配置するとともに、その定形耐火物の外側を不定形耐火物で被覆するという2層構造のものである。そのため、補修のための外層の不定形耐火物層を解砕する時に、内側の定形耐火物もその解砕時の衝撃で損傷することが多く、しかも、亀裂が他の健全部分の不定形耐火物層にも伝播してしまうという問題があった。
また、特許文献3で提案されている上吹きランスは、溶融金属の表面に最も近づく先端部分に不定形耐火物よりも強度が高い定形耐火物(耐火レンガ)を配置するとともに、他の部分を不定形耐火物で形成したものである。そのため、溶融金属中に浸漬させて使用する場合には、先に述べた従来のインジェクションランスと同様に、スラグラインに位置する不定形耐火物の部分解砕時にその衝撃で発生した亀裂が他の健全部分の不定形耐火物にも伝播してしまい、部分補修の効果が得られないという問題があった。
本発明は、上述した課題を有利に解決したインジェクションランスを提供することを目的とするものであり、本発明(1)のインジェクションランスは、パイプ状芯金と、この芯金の外周面を覆う耐火物層とを備え、その芯金内の供給通路を通じてガスまたは、ガスおよび溶湯処理剤を金属溶湯中に吹き込むインジェクションランスにおいて、前記耐火物層のうち、金属溶湯上のスラグと接触する部分を除く部分に耐火レンガを設けたことを特徴とするものである。
上述したように、本発明(1)のインジェクションランスでは、スラグと接触する部分(以下、単に「スラグライン」ともいう)を除いた、スラグと接触するおそれのない部分に位置する耐火物層、特に、損傷の激しいこのスラグラインを外したその上方に位置する部分にのみ、不定形耐火物よりも強度の高い耐火レンガを施工してあることから、スラグとの接触で損傷した不定形耐火物を部分補修するために解砕するときでも、その解砕時の衝撃が該耐火レンガの部分で遮断されるので、他の健全な不定形耐火物の部分に亀裂が伝播するのを防止することができる。従って、本発明によれば、スラグとの接触で損傷した部分への不定形耐火物の部分補修の効果(インジェクションランスの部分補修利用率)を向上させることができる。また、本発明において、複数個の耐火レンガを、芯金の軸線方向に沿って配置し、かつその端部どうしを突き合わせて配置した分割構造にした場合には、インジェクションランスの運搬時に横向きにしてインジェクションランスが多少撓んだとしても、その撓みに複数個の耐火レンガが追従し得るので、インジェクションランスの搬送による耐火レンガの破損を未然に防止することができる。
本発明(2)のインジェクションランスは、前記本発明(1)において、前記耐火レンガを、前記耐火物層のうち、前記スラグと接触する部分の直下に位置する部分にも設けたことを特徴とするものである。これにより、スラグと接触する部分を含めて、耐火レンガ以外の部分の耐火物層が不定形耐火物であったとしても、解砕時における、スラグとの接触で損傷した不定形耐火物部分の亀裂が耐火レンガで遮断されるので、健全な部分の不定形耐火物への亀裂の伝播を防止することができ、これにより、スラグとの接触で損傷した部分への不定形耐火物の部分補修の効果(インジェクションランスの部分補修利用率)をさらに向上させることができる。
本発明(3)のインジェクションランスは、前記本発明(1)または(2)において、前記耐火レンガの一端部に凸部を形成するとともに、その耐火レンガの他端部に、前記凸部と嵌合する凹部を形成して嵌め合い構造としたことを特徴とするものである。これにより、耐火レンガの端部どうしが嵌合するので、飛散した溶湯が耐火レンガどうしの目地から浸入して芯金に穴が開くのを防止することができる。
本発明(4)のインジェクションランスは、前記本発明(1)〜(3)において、耐火レンガに、その耐火レンガの外周面を覆うメタルケースを設けたことを特徴とするものである。これにより、インジェクションランスの操業時の芯金を通るガスによる内周側の冷却やインジェクションランスの操業後の外周側の熱の内周側への移動等によって耐火レンガやその耐火レンガどうしを繋ぎ合わせる不定形耐火物に亀裂が発生しても、耐火レンガの脱落を防止でき、インジェクションランスの耐久性の向上を図ることができる。
本発明(5)のインジェクションランスは、前記本発明(1)〜(4)のいずれか1つにおいて、前記耐火レンガは、溶融金属処理設備のレンガとして使用したものであることを特徴とするものである。例えば、タンディッシュノズルや取鍋注出ノズル等の、溶融金属処理設備のノズル等に使用した後の使用済み耐火レンガを利用することにより、レンガの有効利用を図ることができると共に、耐火物のコストダウンを図ることができる。しかも、溶湯ノズル等として使用した後の耐火レンガは、溶融金属で焼き固められて強度が向上しているので、インジェクションランスの耐久性を向上させることもできる。
(a)は、本発明のインジェクションランスの一実施形態を示す側面図、(b)は、従来のインジェクションランスの一例を示す側面図である。 上記実施形態のインジェクションランスに用いるリング状の耐火レンガを示す斜視図である。 本発明のインジェクションランスの他の一実施形態を示す側面図である。 (a)および(b)は、上記実施形態のインジェクションランスに用いるリング状の耐火レンガの一例を示す平面図および縦断面図である。 (a)および(b)は、上記実施形態のインジェクションランスに用いるリング状の耐火レンガの他の一例を示す平面図および縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1(a)は本発明のインジェクションランスの一実施形態を示す側面図、図1(b)は従来の従来のインジェクションランスの一例を示す側面図、そして図2は上記実施形態のインジェクションランスに用いるリング状の耐火レンガを示す斜視図である。
図1(a)に示すこの実施形態のインジェクションランスは、図1(b)に示す従来のインジェクションランスと同様、主として、金属を基材とするパイプ状芯金1と、この芯金1の外周面1aを芯金1の全長に亘って略同心円筒状に覆う耐火物層2とからなり、例えば、鋼浴中に浸漬させて、芯金1の上端から芯金内の供給通路に供給されたガスまたは、ガスおよび粉状の溶湯処理剤をこの芯金1の下端から該鋼浴中に吹き込むために用いられるものである。
ところで、従来のインジェクションランスは、耐火物層2の全体が不定形耐火物であるキャスタブル耐火物3で形成されており、その耐火物層2を上端から下端に向かってL1,L2,L3,L4,L5の部分に分けると、L1,L2,L3の部分が上部材、L4,L5の部分が下部材と呼ばれ、その上部材のL3部分と下部材のL4部分との境界付近が、上記吹き込みの際に、鋼浴表面上のスラグSと接触するスラグラインSLの部分となる。
そして、このスラグラインSLの部分を含むL3部分は、スラグSとの接触によりスラグSと反応して他に優先して溶損するため、最も太い外径D1とされ、下部材の、鋼浴中に浸漬されるL5部分は、次に太い外径D2とされ、上部材の、鋼浴中に浸漬されないL1部分は、それらよりも細い外径D3とされ、下部材の、L3部分とL5部分との間の、鋼浴中に浸漬されるL4部分は、外径がD1からD2に向かってテーパー状に細くなり、上部材の、L3部分とL1部分との間の、鋼浴中に浸漬されないL2部分は、外径がD1からD3に向かってテーパー状に細くなっている。
これに対し、本発明に適合する実施形態のインジェクションランスは、耐火物層2を上端から下端に向かってL1−1およびL1−2(これらはL1に相当する),L2,L3,L4,L5の部分に分けると、L1−1およびL1−2,L2,L3の部分が上部材、L4,L5の部分が下部材と呼ばれ、その上部材のL1−1,L3部分と下部材のL4,L5の部分とが、上記従来のインジェクションランスと同様に不定形耐火物であるキャスタブル耐火物3で形成される一方、上部材のL1−2部分およびL2部分が、主として、例えば、図2に示す如きリング状をなす耐火レンガ4で形成され、上部材のL3部分と下部材のL4部分との境界付近が、上記吹き込みの際に、鋼浴表面上のスラグSと接触するスラグラインSLの部分となる。
そしてこのスラグラインSLの部分を含むL3部分は、スラグSとの接触によりスラグSと反応して他に優先して溶損するため、最も太い外径D1とされ、下部材の、鋼浴中に浸漬されるL5部分は、次に太い外径D2とされ、上部材の、鋼浴中に浸漬されないL1−1部分は、それらよりも細い外径D3とされ、下部材の、L3部分とL5部分との間の、鋼浴中に浸漬されるL4部分は、外径がD1からD2に向かってテーパー状に細くなる一方、上部材の、何れも鋼浴中に浸漬されないL1−2部分およびL2部分は、リング状の耐火レンガ4により、L1部分と等しいかそれより多少小さい外径とされている。
即ち、この実施形態のインジェクションランスでは、上記吹き込みの際に鋼浴表面上のスラグSと接触するスラグラインSLの部分以外の部分であって、そのスラグSと接触するスラグラインSLの部分の上方に位置する部分であるL2部分およびL1−2部分に、芯金1を内周面4aで囲繞するリング状の耐火レンガ4を、芯金1の軸線方向(図では上下方向)へ互いに重ねて複数個設けるとともに、それらの耐火レンガ4の平坦な端面(図では上下端面)どうしをキャスタブル耐火物3で繋ぎ合わせて、耐火レンガ4どうしの目地をそのキャスタブル耐火物3で塞いでいる。これにより、鋼浴から飛散した溶湯が耐火レンガ4どうしの目地から浸入するのを防止することができる。なお、耐火レンガ4どうしの目地をモルタルで塞いだり、耐火レンガ4どうしを目地材なし(空目地)で密接させたりしてもよい。
ここで、リング状の耐火レンガ4は、溶融金属の処理設備としての例えばタンディッシュの、溶湯ノズルとしての、例えば、コレクターノズルの上部に使用した後のものを再利用する。このように、溶融金属の処理設備の溶湯ノズルに使用した後のリング状の耐火レンガを利用することにより、使用後溶湯ノズルの有効利用を図ることができると共に、耐火物のコストダウンを図ることができ、しかも溶湯ノズルへの使用後の耐火レンガは溶融金属で焼き固められて強度が向上しているので、溶銑脱珪ランスの耐久性を向上させることもできる。
この実施形態のインジェクションランスを製造する際には、例えば、筒状に形成した型枠内の中心部に芯金1を固定するとともに、その型枠内に例えば耐溶損性、耐熱衝撃性および耐スポーリング性を考慮して選択したアルミナ−マグネシア質材やハイアルミナ質材等の耐火物材料を水および調整剤等と混合した流し込み成形材料を流し込んで固化させ、その後、型枠を外してその固化させた流し込み成形材料を乾燥させることで、先ず耐火物層2のうちL3部分、L4部分およびL5部分を不定形耐火物であるキャスタブル耐火物3で形成し、次いでその芯金1にリング状の耐火レンガ4を複数挿通してそれらの耐火レンガ4を重ね合わせるとともに耐火レンガ4どうしの隙間に上記流し込み成形材料を充填し固化させることで、L1−2部分およびL2部分を主として耐火レンガ4で形成し、次いで筒状に形成した型枠内にそれらL3部分〜L5部分のキャスタブル耐火物3およびL2,L1−2部分の耐火レンガ4を設けた芯金1を固定するとともに、上記の如き流し込み成形材料をその型枠内に流し込んで固化させ、その後、型枠を外してその固化させた流し込み成形材料および耐火レンガ4どうしの隙間の流し込み成形材料を乾燥させることでL1−1部分をキャスタブル耐火物3で形成する、といった工程を経ることで、製造することができる。なお、耐火レンガ4どうしの目地をモルタルで塞いだり、耐火レンガ4どうしを目地材なし(空目地)で密接させたりしてもよい。
ここで、上述した筒状の型枠内でL1−1部分を形成する際には、例えば芯金1の外周面1aとリング状の耐火レンガ4の内周面4aとの間にキャスタブル耐火物3の流れ込む隙間が周方向に均一に空くように、芯金1とリング状の耐火レンガ4とを位置決め固定しておく。これにより、インジェクションランスの使用の際の芯金1とリング状の耐火レンガ4との熱膨張率の差をキャスタブル耐火物3で吸収して、その熱膨張率の差に起因する耐火レンガ4の破損を防止することができる。なお、芯金1の外周面1aとリング状の耐火レンガ4の内周面4aとの間をモルタルで塞いだり、耐火レンガ4どうしの目地をモルタルで塞いだ場合は芯金1の外周面1aとリング状の耐火レンガ4の内周面4aとの間を目地材なし(空目地)で密接させたりしてもよい。
かかるこの実施形態のインジェクションランスによれば、使用時にスラグSと接触しない範囲の耐火物層であって、スラグSと接触するスラグラインSLの部分の上方に位置する部分であるL1−2部分およびL2部分の耐火物層2に、不定形耐火物よりも強度が高い耐火レンガのリング状のものを配設し、そのリング状の耐火レンガ4で芯金1の外周面1aを囲繞していることから、スラグSと接触するスラグラインSLの部分を含めて、耐火レンガ4のL1−2,L2の部分以外のL1−1,L3,L4,L5の部分の耐火物層2にキャスタブル耐火物を用いても、スラグSとの接触で損傷したキャスタブル耐火物部分の解砕時の衝撃でそのキャスタブル耐火物部分に発生した亀裂が強度の高いリング状耐火レンガ4で遮断されるので、スラグSと接触するスラグラインSLの部分の上方の健全なL1−1部分のキャスタブル耐火物に亀裂が伝播するのを防止することができる。従って、スラグSとの接触で損傷した部分へのキャスタブル耐火物の部分補修の効果(インジェクションランスの部分補修利用率)を向上させることができる。
また、この実施形態のインジェクションランスによれば、リング状の耐火レンガ4をその端面どうしで突き合わせて複数個配置した分割方の構造としていることから、インジェクションランスの運搬時に横向きにしてインジェクションランスが多少撓んだとしても、その撓みに複数個の耐火レンガ4が追従し得るので、インジェクションランスの搬送による耐火レンガ4の破損を防止することができる。
図3は、本発明のインジェクションランスの他の一実施形態を示す側面図、そして図4(a)および(b)は、上記実施形態のインジェクションランスに用いるリング状の耐火レンガの一例を示す平面図および縦断面図であり、この実施形態のインジェクションランスは、耐火レンガの形状のみが先の実施形態と相違しているので、以下には主としてその相違部分を説明する。また、図中、先の実施形態と同様の部分はそれと同一の符号にて示す。
すなわち、この実施形態のインジェクションランスは、先の実施形態のものと同様、金属を基材とするパイプ状芯金1と、この芯金1の外周面1aを芯金1の全長に亘って同心円筒状に覆う耐火物層2とを備え、例えば、鋼浴中に浸漬させて、芯金1の上端から芯金内の供給通路に供給されたガスまたは、ガスおよび粉状の溶湯処理剤をこの芯金1の下端から該鋼浴中に吹き込むために用いられるものである。
そして、耐火物層2を上端から下端に向かってL1−1およびL1−2(これらはL1に相当する),L2,L3,L4,L5の部分に分けると、L1−1およびL1−2,L2,L3の部分が上部材、L4,L5の部分が下部材と呼ばれ、その上部材のL1−1,L3部分と下部材のL4,L5の部分とが、従来のインジェクションランスと同様に不定形耐火物であるキャスタブル耐火物3で形成される一方、上部材のL1−2部分およびL2部分が、主として、リング状の耐火レンガ4で形成され、上部材のL3部分と下部材のL4部分との境界付近が、上記吹き込みの際に、鋼浴表面上のスラグSと接触するスラグラインSLの部分となる。
しかしてこの実施形態のインジェクションランスでは、図4(a),(b)に示すように、リング状の耐火レンガ4の一端部(図では下端部)の内周面4a側に両端部間の軸線方向中間部と同心にリング状の凸部4bを形成するとともに、その耐火レンガ4の他端部(図では上端部)の内周面4a側に両端部間の軸線方向中間部と同心に、上記凸部4bと嵌合するリング状の凹部4cを形成して、それらの端部どうしをキャスタブル耐火物3で繋ぎ合わせている。なお、耐火レンガ4どうしの目地をモルタルで塞いだり、耐火レンガ4どうしを目地材なし(空目地)で密接させたりしてもよい。
かかるこの実施形態のインジェクションランスによれば、リング状の耐火レンガ4の端部(図では上下端部)どうしがリング状に嵌合しているので、飛散した地金溶湯が耐火レンガ4どうしの目地から浸入して芯金1に穴が開くのを確実に防止することができる。そして、その嵌合した端部どうしの目地をキャスタブル耐火物3が塞いでいれば、地金溶湯が耐火レンガ4どうしの目地から浸入するのをより確実に防止することができる。なお、リング状の凸部4bおよび凹部4cは、耐火レンガ4の端部の外周面側に形成してもよく、あるいは耐火レンガ4の端部の、外周面および内周面から離間した半径方向中間部に形成してもよい。
図5(a),(b)は、図3に示す上記実施形態のインジェクションランスに用いるリング状の耐火レンガの他の一例を示す平面図および縦断面図であり、この例のリング状の耐火レンガ4は、図4に示す例と同様、一端部(図では下端部)の内周面4a側に両端部間の中間部と同心にリング状の凸部4bを形成するとともに、他端部(図では上端部)の内周面4a側に両端部間の中間部と同心に、上記凸部4bと嵌合するリング状の凹部4cを形成したものであり、ここではさらに、耐火レンガ4の外周面4dの実質的に全体および下端面の外周面4d側の一部を、モルタル層5を介して密に覆う略筒状のメタルケース6を設けている。
このメタルケース6で覆った耐火レンガ4を製造する際には、例えば、図4に示す如き耐火レンガ4の下端部の外周面4d側に、メタルケース6の内向きフランジ状の下端部のための逃げ段部4eを形成し、その耐火レンガ4の外周面4dおよび逃げ段部4eにモルタルを塗布したものをメタルケース6内に挿入して、メタルケース6の下端部が耐火レンガ4の下端面より突出しないように耐火レンガ4とメタルケース6とを位置決めし、塗布したモルタルを加熱硬化させてモルタル層5を形成することで、製造することができる。なお、メタルケースは、鋼板以外の他の金属板を用いてもよい。
かかる耐火レンガ4を設けた上記実施形態のインジェクションランスによれば、インジェクションランスの操業時の芯金1を通るガスによる内周面4a側の冷却やインジェクションランスの操業後の外周面4d側の熱の内周面4a側への移動等によってリング状の耐火レンガ4に亀裂が発生しても、耐火レンガ4の外周面4dをメタルケース6で覆っているため、耐火レンガ4の分解を抑えて耐火レンガ4の脱落を防止できるので、インジェクションランスの耐久性を向上させることができる。
タンディッシュのコレクターノズル上部での使用済み品である、図4に示すリング状の耐火レンガ4を用いた、図3に示す実施形態のインジェクションランスの一実施例について以下に説明する。この実施例のインジェクションランスは、溶銑脱珪ランスとして使用したもので、全長が6600mm、耐火物層2がL1−1=1700mm、L1−2=600mm、L2=1000mm、L3=800mm、L4=700mm、L5=1800、D1=400mm、D2=355mm、D3=300mm、耐火レンガ4が外径186mm、内径80mm、高さ120mm、耐火レンガ4の数が13個であり、下部材を形成する不定形耐火物(キャスタブル耐火物)3(L4,L5部分)の重量は630kg、上部材を形成する不定形耐火物3(L1−1,L3部分)の重量は250kgであった。
この一方、耐火物層2の寸法を耐火レンガ4の部分を除いて上記実施例と同一にした図1(b)に示す従来のインジェクションランスでは、下部材を形成する耐火物3(L4,L5部分)の重量は630kgで上記実施例と同じであるが、上部材を形成する耐火物3(L1,L2,L3部分)の重量は上記実施例より350kg重い600kgであった。
従って、この実施例のインジェクションランスによれば、従来のインジェクションランスと比較して耐火物の使用量が350kg減少しているので、スラグSとの接触での溶損により損傷を受けたL3,L4,L5の部分を解砕してその部分に新たなキャスタブル耐火物を部分補修する場合に、その部分補修する耐火物の量を従来よりも最大350kg少なくすることができ、しかも、健全なL1−1部分と損傷を受けたL3部分との間を強度の高い耐火レンガ4が隔てているため、L3,L4,L5の部分を解砕する際の衝撃でそのL3部分の耐火物に発生した亀裂がL1−1部分に伝播することがないので、スラグSとの接触で損傷した部分への耐火物の部分補修の効果(インジェクションランスの部分補修利用率)を向上させることができる。
さらにこの実施例のインジェクションランスによれば、13個の耐火レンガ4が端部どうしで突き合わされて重ねられるとともに嵌合して耐火物層2のL1−2部分およびL2部分を形成していることから、インジェクションランスの運搬時に横向きにしてインジェクションランスが多少撓んだとしても、その撓みに耐火レンガ4が追従し得るので、インジェクションランスの搬送による耐火レンガ4の破損を防止することができる。
以上、図示の実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変形し得るものであり、例えば、耐火レンガ4は、耐火物層2のうちスラグSと接触する部分以外の部分であれば、スラグSと接触する部分の下方の例えばL5部分の上部等にも設けてもよく、このようにすれば、スラグSとの接触で損傷したL3,L4部分の不定形耐火物の解砕時に、L5部分の残りを形成する不定形耐火物への亀裂の伝播をも防止し得て、不定形耐火物の継足し施工の効果をさらに向上させることができる。
さらに、耐火レンガ4の数や構成も、上記実施形態に限定されるものでなく、例えば耐火レンガ4の数は、L2部分を形成する8個だけでもよい。また耐火レンガ4の構成は、一体のリング状のものでなく、例えば、耐火レンガを設ける部分全体に亘って一体の筒状にしたものでもよく、あるいは扇形等の形状のセグメントを周方向に複数配置してそれらのセグメントどうしを不定形耐火物で繋ぎ合わせることでリング状にしたものでもよい。このように、リング状の耐火レンガ4を複数のセグメントから構成するようにすれば、例えば、溶融金属の処理設備の溶湯ノズルへの使用後の取り外しの際に破損した耐火レンガをセグメントとしてリング状に組み合わせて再利用することもできる。そしてこの場合に、耐火物層2のうち溶融金属に浸漬しない部分に用いる耐火レンガ4について、リング状に組み合わせた複数セグメントの全体の外周面をメタルケースで覆えば、セグメントへの分解を抑えて耐火レンガ4の脱落を防止できるので、インジェクションランスの耐久性を向上させることができる。
本発明のインジェクションランスの構成は、実施例で示した溶銑予備処理用脱珪ランスだけでなく、他の溶銑予備処理用ランス、浸漬ランス、あるいは溶鋼の攪拌用バブリングランスなどの溶融金属用浸漬パイプとしても使用することができる。
1 パイプ状芯金
1a 外周面
2 耐火物層
3 キャスタブル耐火物(不定形耐火物)
4 リング状耐火レンガ
4a 内周面
4b リング状凸部
4c リング状凹部
4d 外周面
4e 逃げ段部
5 モルタル層
6 メタルケース
D1,D2,D3 耐火物層の外径
L1,L1−1,L2,L3,L4,L5 耐火物層の部分
S スラグ
SL スラグライン

Claims (5)

  1. パイプ状芯金と、この芯金の外周面を覆う耐火物層とを備え、その芯金内の供給通路を通じてガスまたは、ガスおよび溶湯処理剤を金属溶湯中に吹き込むインジェクションランスにおいて、
    前記耐火物層のうち、金属溶湯上のスラグと接触する部分以外の部分であって、少なくともそのスラグと接触する部分の上に位置する部分に耐火レンガを設けたことを特徴とする、インジェクションランス。
  2. 前記耐火レンガを、前記耐火物層のうち、前記スラグと接触する部分の下に位置する部分にも設けたことを特徴とする、請求項1に記載のインジェクションランス。
  3. 前記耐火レンガの一端部に凸部を形成するとともに、その耐火レンガの他端部に、前記凸部と嵌合する凹部を形成したことを特徴とする、請求項1または2に記載のインジェクションランス。
  4. 前記耐火物層のうち、前記スラグと接触する部分の上に位置する部分に設けた前記耐火レンガに、その耐火レンガの外周面を覆うメタルケースを設けたことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載のインジェクションランス。
  5. 前記耐火レンガは、溶融金属処理設備のレンガとして使用したものであることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載のインジェクションランス。
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