JP2011173875A - シストセンチュウ孵化促進物質吸着材、これを用いたシストセンチュウ孵化促進物質保持体、及びシストセンチュウ防除方法 - Google Patents

シストセンチュウ孵化促進物質吸着材、これを用いたシストセンチュウ孵化促進物質保持体、及びシストセンチュウ防除方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シストセンチュウ孵化促進物質を土壌中に長期間留まらせ、その効果を持続させることができるシストセンチュウ孵化促進物質吸着材、その吸着材を用いたシストセンチュウ孵化促進物質保持体、及びその保持体を用いたシストセンチュウの防除方法を提供する。
【解決手段】ゼオライトを含む多孔質焼結体からなり、陽イオン交換容量が20cmol/kg以上であり、且つ水道水に12時間浸漬して崩壊しない耐水性を有することを特徴とするシストセンチュウ孵化促進物質吸着材、その吸着材にシストセンチュウ孵化促進物質を吸着させたシストセンチュウ孵化促進物質保持体、及びその保持体を土壌に施用し、孵化したシストセンチュウの幼虫を餓死させるシストセンチュウの防除方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、シストセンチュウ孵化促進物質の吸着材、及びその製造方法、並びにその吸着材にシストセンチュウ孵化促進物質を吸着させたシストセンチュウ孵化促進物質保持体、及びその製造方法、並びにその保持体を用いたシストセンチュウの防除方法に関する。
シストセンチュウは雌成虫がシストと呼ばれる殻を形成し、数百個の卵をその中に産卵する。シスト中の卵は土壌中で長期間生存し、寄主作物が作付けされると寄主作物の根より滲出される孵化促進物質を感知して孵化し、寄主作物に寄生し、加害する。シストセンチュウには、ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)、ヨモギシストセンチュウ(Globodera hypolysi)、タバコシストセンチュウ(Globodera tabacum)、ジャガイモシロシストセンチュウ(Globodera pallida)、ムギシストセンチュウ(Heterodera avenae)、イネシストセンチュウ(Heterodera elachista)、クローバシストセンチュウ(Heterodera trifolii)、テンサイシストセンチュウ(Heterodera schachtii)、ホップシストセンチュウ(Heterodera humuli)、タケシストセンチュウ(Afenestrata koreana)、サボテンシストセンチュウ(Cactodera cacti)等があり、それぞれの寄主作物の孵化促進物質を特異的に感知して孵化し、その寄主作物に特異的に寄生する。
特にジャガイモシストセンチュウ発生地域では、大きな減収被害となるばかりでなく、種イモの栽培が植物防疫法により禁止されてしまうので、種イモ生産農家は深刻な被害を受けることになる(非特許文献1)。
従来、ジャガイモシストセンチュウを防除するためにはD−D剤等の殺線虫剤の施用や、緑肥作物の作付け、抵抗性品種の作付け等が行われている。しかし、殺線虫剤の効果は1作限りであり、栽培後は線虫密度が回復するため毎作使用が必要である。また、非標的生物へも影響を及ぼすことになる(非特許文献2)。緑肥作物の作付けによる防除では、その年は休耕することになり、農家の生産性が著しく損なわれる。抵抗性品種は種イモの供給およびその知名度の低さから収穫物の流通に難があり、普及率は5%程度でしかない(2004年農林水産省統計部より)。また、抵抗性品種には対応するレース又はパソタイプ(センチュウの寄生型、一般的にダイズシストセンチュウではレース、ジャガイモシストセンチュウではパソタイプという言葉が使われている)があり、対応しないレース又はパソタイプについて効果を発揮できない。さらに、抵抗性品種の抵抗性は打破される可能性もあるため、いずれも根本的な解決方法ではない。
また、特許文献1では、動物の糞由来の孵化促進物質により、シストセンチュウの寄主作物が無いところでシストセンチュウを孵化させ、その幼虫を餓死させるというシストセンチュウ駆除方法が開示されている。しかし、本方法は動物の糞の入手および、輸送が困難であることから実用化には至っていない。
また、ジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質を含むトマト水耕廃液を畑に施用した例が報告されている(非特許文献3)。しかし、本方法ではトマト水耕廃液の入手・保管・輸送が難しい上にトマト水耕栽培時の残存肥料成分も圃場に施用してしまい、圃場の施肥設計を乱してしまうため、現実的には問題がある。
また、合成吸着剤にトマトやジャガイモの根滲出液を通過、孵化促進物質を吸着させ、メタノールで溶出させたものの濃縮液を畑に施用した例が報告されている(非特許文献4)。しかし、本方法では土壌中での孵化促進物質の拡散は天候に大きく影響されてしまう。即ち、雨天時などの土壌中の水分が多い状態では孵化促進物質はすばやく拡散してしまい、干ばつ時など土壌中の水分の少ない状態では孵化促進物質は地表面近くにいつまでもとどまっているままである。孵化促進物質に長く曝されていることがシストセンチュウの孵化に必要なため、本方法では効果は不安定であると考えられ、実用化されていない。
特許2896486号公報
北海道立農業試験場報告第61号、昭和62年(北海道立農業試験場) 農業環境研究成果情報第21集、 「くん蒸処理が畑の土壌線虫の種数および密度に及ぼす影響と回復の内容」(平成16年度成果)(農業環境技術研究所) 日本線虫学会誌、第33号第2号、88頁(2003年)(日本線虫学会大会11回大会講演要旨) K. J. Devine and P. W. Jones(2000) Response of Globodera rostochiensis to exogenously applied hatching factors in soil. Ann. appl. Biol.,137巻、21〜29頁
上述のように、シストセンチュウ孵化促進物質(以下、「孵化促進物質」とも言う)を土壌に施用し、寄主作物が無いところでシストセンチュウを孵化させ、餓死させ、シストセンチュウ密度を低下させる方法は、現状では問題があり実用化には至っていない。その問題の一つとして、シストセンチュウの孵化には、シストが孵化促進物質に長期間曝されていることが必要であり、孵化促進物質を土壌中に長期間、均一に留まらせることが困難なことがある。
従って、本発明の目的は、シストセンチュウ孵化促進物質を土壌中に長期間留まらせ、その効果を持続させることができるシストセンチュウ孵化促進物質吸着材及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、その吸着材にシストセンチュウ孵化促進物質を吸着させた、シストセンチュウ孵化促進物質保持体及びその製造方法を提供することにある。
更に、本発明の目的は、その保持体を用いてシストセンチュウを防除する方法を提供することにある。
本発明者らは、シストセンチュウ孵化促進物質を吸着し、徐々に孵化促進物質を放出するという性質を持つ吸着材について鋭意検討した結果、本発明に至った。
即ち、上記目的は、ゼオライトを含む多孔質焼結体からなり、陽イオン交換容量が20cmol/kg以上であり、且つ水道水に12時間浸漬して崩壊しない耐水性を有することを特徴とするシストセンチュウ孵化促進物質吸着材によって達成される。
ゼオライトは三次元網目状構造を有し、結晶中に微細孔を持つアルミノケイ酸塩の総称であり、天然に産出されるものの他、合成鉱物としても多数知られている。本発明の吸着材は分子レベルの微細孔を有するゼオライトを含み、上記の陽イオン交換容量を有するので、シストセンチュウ孵化促進物質を良く吸着できるものと考えられる。また、上記の耐水性を有する多孔質焼結体とすることで、シストセンチュウ孵化促進物質を吸着させる際に水に流れて損失することなく、効率的に孵化促進物質を吸着させることができ、吸着させた後に、土壌に施用する際に、土壌と混合し易く、且つ微細化して流出することなく、シストセンチュウ孵化促進物質を長期間、均一に留まらせることができる。
本発明のシストセンチュウ孵化促進物質吸着材(以下、「孵化促進物質吸着材」又は「吸着材」ともいう)は、前記陽イオン交換容量が30〜120cmol/kgであることが好ましい。陽イオン交換容量が上記の範囲であれば、シストセンチュウ孵化促進物質をより十分に吸着でき、土壌中における孵化促進物質の徐放性を、より適正化することができる。
また、上記目的は、本発明のシストセンチュウ孵化促進物質吸着材を製造する方法であって、ゼオライトを含有する鉱物粉末を乾燥質量あたり10質量%以上含む吸着材用組成物を成形し、成形体を得る工程、前記成形体を600〜800℃で焼成し、多孔質焼結体を得る工程、を含むことを特徴とする製造方法によって達成される。
上記ゼオライトを含有する鉱物粉末からなる組成物を成形し、上記温度範囲で焼成することにより得られる多孔質焼結体は、本発明の吸着材として、シストセンチュウ孵化促進物質を吸着するために必要な陽イオン交換容量を十分に有し、且つ、上記耐水性を有する。従って、本製造方法により、優れたシストセンチュウ孵化促進物質吸着材が得られる。なお、600℃未満の温度では、多孔質焼結体の耐水性が十分得られず、800℃を超える温度では、多孔質焼結体の陽イオン交換能が低下するとともに、微細孔容積も低下する。多孔質焼結体の陽イオン交換能を考慮すると、ゼオライトを含有する鉱物粉末は乾燥重量あたり30質量%以上が好ましい。
本発明のシストセンチュウ孵化促進物質吸着材の製造方法の好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記鉱物粉末が、粘土鉱物を含む。これにより、吸着材用組成物の成形が容易になり、より容易に一定の形状の本発明の吸着材を得ることができる。
(2)前記鉱物粉末が、天然ゼオライトを含む。ゼオライトは天然ゼオライト(天然のゼオライト鉱山から採掘される鉱物をいう)、及び合成ゼオライト(水熱合成法等により合成されたゼオライトをいう)のゼオライト系鉱物由来のものがある。天然ゼオライトは安価であり、本発明に適した陽イオン交換能を有しているので好ましい。
(3)前記天然ゼオライトが粘土鉱物を含む軟質ゼオライト(本発明において、粘土鉱物を含むゼオライト系鉱物をいう)である。天然ゼオライトが粘土鉱物を含むものであれば、別途粘土鉱物を混合する必要がなく、より容易に本発明の吸着材を製造することができる。
(4)前記天然ゼオライトが、北海道上士幌町で産出される軟質ゼオライトである。
(5)前記吸着材用組成物が、乾燥質量あたり90質量%以下の造孔剤を含む。造孔剤は焼結体に細孔を形成する効果を有するもので、焼成時に焼失するような粉末状の有機物や、それ自体が多孔性の火山灰、軽石等の火山砕屑物(及びその風化物)、珪藻土及び珪質頁岩等のものをいう。これにより、多孔質焼結体に更に細孔を増加させ、表面積を増加させることにより、より孵化促進物質を吸着し易い吸着材を製造することができる。多孔質焼結体の陽イオン交換能を考慮すると、造孔剤は70質量%以下が好ましい。
(6)前記造孔剤が、火山砕屑物、火山砕屑物の風化物、珪藻土、及び珪質頁岩からなる群から選択される少なくとも1種を含む。これにより、好ましい細孔径の細孔を有する吸着材を製造することができる。
(7)前記造孔剤が、農産物、農産加工品、又は農産廃棄物を含む。これにより、安価に且つ安全に細孔が増加された吸着材を製造することができる。
(8)前記造孔剤が、小麦ふすま、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、及び小麦粉からなる群から選択される少なくとも1種を含む。これにより、安価に細孔が形成された吸着材を製造することができる。
また、上記目的は、本発明のシストセンチュウ孵化促進物質吸着材に、シストセンチュウ孵化促進物質を吸着させたシストセンチュウ孵化促進物質保持体によっても達成される。
本発明のシストセンチュウ孵化促進物質保持体(以下、「孵化促進物質保持体」又は「保持体」ともいう)は、長期間シストセンチュウ孵化促進物質を保持し、土壌中で孵化促進物質を徐々に放出させることができるので、シストセンチュウ孵化促進物質を土壌中に長期間留まらせ、その効果を持続させることができる。
更に、上記目的は、本発明のシストセンチュウ孵化促進物質吸着材を栽培用培地基材として、シストセンチュウ寄主植物を栽培することにより、当該寄主植物のシストセンチュウ孵化促進物質を前記吸着材に吸着させることを特徴とするシストセンチュウ孵化促進物質保持体の製造方法によって達成される。
本発明のシストセンチュウ孵化促進物質吸着材は多孔質焼結体のため、植物栽培用の培地基材として十分な強度を有し、適度な水分保持力を有している。さらに、陽イオン交換容量(CEC)が20cmol/kg以上であるため、肥沃な土壌並みの肥料保持能力があり、植物栽培用の培地基材として非常に適している。また、シストセンチュウの寄主植物の根が直接、吸着材に接触することで、根から滲出される孵化促進物質を効率的に吸着させることができる。従って、本発明の製造方法により、容易に、且つ効率的にシストセンチュウ孵化促進物質保持体を製造することができる。更に、本製造方法によると孵化促進物質保持体の製造時に、寄主植物として収穫物を食用に用いることの出来る作物を生産することができ、経済的にも有効な方法である。
本発明のシストセンチュウ孵化促進物質保持体の製造方法の好ましい態様は以下の通りである。
(1)前記シストセンチュウ寄主植物が、ナス科植物又はマメ科植物である。
本発明の製造方法は、トマト、ジャガイモ、ナス等のナス科植物を用いて、これを寄主植物とするジャガイモシストセンチュウの孵化促進物質保持体の製造、及びダイズ、アズキ等のマメ科植物を用いて、これを寄主植物とするダイズシストセンチュウの孵化促進物質保持体の製造に好ましく利用できる。
(2)前記シストセンチュウ寄主植物が、トマトである。トマトは礫耕栽培(砂利等の礫を基材として肥料成分を含む養液を散布して栽培する方法)し易く、収穫物を食用として、有効に利用できるので、本発明の製造方法の寄主植物として好ましい。
更に、上記目的は、本発明のシストセンチュウ孵化促進物質保持体を、シストセンチュウのシストが含まれている土壌に施用し、その後所定の期間、当該シストセンチュウの寄主植物が存在しない状態を維持し、孵化したシストセンチュウの幼虫を餓死させるシストセンチュウの防除方法によって達成される。
上述の通り、本発明のシストセンチュウ孵化促進物質保持体を土壌に施用した場合、シストセンチュウ孵化促進物質を土壌中に徐々に放出し、長期間留まらせることができるので、シストセンチュウのシストをその孵化促進物質に長期間曝し、孵化を促進させることができる。ここで、同じ寄主植物のシストセンチュウであれば、レース又はパソタイプを問わず孵化させることができる。この際、当該シストセンチュウの寄主植物を存在させなければ、孵化したシストセンチュウ幼虫を(2〜3ヶ月で)餓死させることができるので、シストセンチュウを防除し、土壌中のシストセンチュウ密度を減少させることができる。
本発明によれば、シストセンチュウ孵化促進物質吸着材は、ゼオライトを含み、所定の陽イオン交換容量及び耐水性を有する多孔質焼結体からなるので、シストセンチュウ孵化促進物質を効率よく吸着し、且つ十分な強度を有する吸着材とすることができる。また、本発明のシストセンチュウ孵化促進物質保持体は、本発明の吸着材に孵化促進物質を吸着させているので、孵化促進物質を十分に保持しており、土壌中に混合した場合、孵化促進物質を徐々に放出し、長期間均一に留まらせることができる保持体とすることができる。
更に、本発明のシストセンチュウの防除方法は、本発明の孵化促進物質保持体を用いているので、土壌における孵化促進物質の均一な濃度分布を、天候に大きな影響を受けることなく長期間維持することができる。従って、寄主植物が存在しない状態で、当該シストセンチュウのシストを孵化促進物質に長期間曝し、孵化を促進させて餓死させることで、土壌中のシストセンチュウ密度を安定して減少させることができる。なお、本発明のシストセンチュウの防除方法は、シストセンチュウのレース又はパソタイプに影響されず、同じ寄主植物であれば効果を発揮することができる。
図1は、本発明のシストセンチュウ孵化促進物質吸着材を構成する多孔質焼結体の一例の細孔径分布を示す図である(実施例6〜8)。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[シストセンチュウ孵化促進物質吸着材]
本発明のシストセンチュウ孵化促進物質吸着材は、シストセンチュウ孵化促進物質を土壌に施用する際に、孵化促進物質の土壌中の均一な濃度分布を長期間維持させるために見出したものである。孵化促進物質を濃縮液等の状態で直接散布した場合は、天候の影響により、早期に拡散したり、土壌表面にのみに分布したりして、効果が持続しなかったり、部分的だったりするからである。
本発明の孵化促進物質吸着材は、ゼオライト(クリノプチロライト、モルデナイト等)を含む多孔質焼結体である。ゼオライトは三次元網目状構造を有し、結晶中に微細孔を持つアルミノケイ酸塩の総称である。天然に産出される天然ゼオライト、水熱合成法等により合成される合成ゼオライトが多数知られているが、本発明においてはどのようなゼオライトでも良い。ゼオライトは分子レベルの微細孔を有し、優れた陽イオン交換能を有するので孵化促進物質を良く吸着するものと考えられる。多孔質焼結体はどのように製造されてもよいが、例えば、ゼオライトを含む鉱物を粘土鉱物と共に成形し、焼成する等の方法で得ることができる。多孔質焼結体の形状はペレット状、球状、タブレット状等どのような形状でも良いが、孵化促進物質を吸着させる際に、容器に密に充填でき、使用し易いペレット状が好ましい。多孔質焼結体の大きさは特に限定されないが、後述する孵化促進物質保持体の製造方法に使用する場合(「栽培用培地基材」として使用する場合)を考慮すると、ペレット状では、直径3〜10mm、長さ5〜50mmが好ましく、直径4〜6mm、長さ5〜15mmが更に好ましい。
また、本発明の吸着材は、陽イオン交換容量(CEC)が20cmol/kg以上である。この陽イオン交換容量であれば、シストセンチュウ孵化促進物質を十分に吸着できる。孵化促進物質をより十分に吸着させ、土壌中における孵化促進物質の徐放性をより適正化するため、陽イオン交換容量は30〜120cmol/kgが好ましく、更に40〜70cmol/kgが好ましい。
更に、本発明の吸着材は、水道水に12時間浸漬して崩壊しない耐水性を有する。「崩壊」は目視で多孔質焼結体の形状及び浸漬水の変化を観察して判断され、多孔質焼結体の形状が変わらず、浸漬水が濁らないものを「崩壊しない」と判断する。この耐水性を有するため、本発明の吸着材はシストセンチュウ孵化促進物質を吸着させる際に水に流れて損失することもなく、効率的にシストセンチュウ孵化促進物質を吸着させることができ、吸着させた後に、土壌に施用する際に、土壌と混合し易く、且つ微細化して流出することなく、シストセンチュウ孵化促進物質を長期間、均一に留まらせることができる。
[シストセンチュウ孵化促進物質吸着材の製造方法]
本発明の孵化促進物質吸着材は、上述のような多孔質焼結体であれば、どのように製造されても良いが、本発明の製造方法は、本発明の孵化促進物質吸着材を製造するのに適した方法である。
即ち、本発明の製造方法は、ゼオライトを含有する鉱物粉末を乾燥質量あたり10質量%以上含む吸着材用組成物を成形し、成形体を得る工程、前記成形体を600〜800℃で焼成し、多孔質焼結体を得る工程、を含むことを特徴とする。
本発明において、「ゼオライト」は狭義のゼオライト(クリノプチロライト、モルデナイト等)をいい、ゼオライト以外の不純物を含む場合がある天然ゼオライト及び合成ゼオライトを「ゼオライト系鉱物」という。
ゼオライトを含有する鉱物粉末は、ゼオライト又はゼオライト系鉱物と粘土鉱物等の他の鉱物が混合された鉱物粉末であり、天然の鉱山から採掘された鉱物そのものでも、数種のゼオライト鉱山やその他の鉱山から採掘された鉱物やシリカや金属元素等から合成した合成鉱物を混合したものでも良い。鉱物粉末中のゼオライトの含有量は特に制限は無いが、10質量%以上が好ましく、更に20〜90質量%が好ましい。
合成ゼオライトは、シリカ(ケイ酸ナトリウム)、アルミナ(水酸化アルミニウム)ゲルを出発原料として高いpH領域で100〜200℃の水熱条件下で結晶を析出させる方法等により得ることができる。また、天然ゼオライトは古代の火山噴出物を起源とし、任意の鉱山から採掘することによって得ることができる。
本発明の方法は、まず、上記鉱物粉末を乾燥質量あたり10質量%以上と、必要に応じて、後述する造孔剤とを含む吸着材用組成物を適宜加水、混練、養生後、成形して成形体を得る。得られる多孔質焼結体の陽イオン交換能を考慮すると、上記鉱物粉末は乾燥質量あたり30質量%以上が好ましい。成形体の形状はペレット状、球状、タブレット状等どのような形状でも良いが、得られる多孔質焼結体に孵化促進物質を吸着させる際に、容器に密に充填でき、使用し易いペレット状が好ましい。成形体の大きさは特に限定されないが、得られる多孔質焼結体を後述する孵化促進物質保持体の製造方法に使用する場合(「栽培用培地基材」として使用する場合)を考慮すると、ペレット状では、直径3〜10mm、長さ5〜50mmが好ましく、直径4〜6mm、長さ5〜15mmが更に好ましい。ペレット状に成形する場合、例えば、ディスクペレタイザー、パン型造粒機、オムニミキサー、押出成形機等、通常使用される装置で成形する。ディスクペレタイザーが好ましく使用できる。
次に、上記成形体を必要に応じて乾燥し、焼成する。焼成温度は得られる多孔質焼成体の耐水性や強度と、焼成による陽イオン交換容量の低下を考慮して、焼結できる最低温度以上、且つ陽イオン交換容量が十分残存する温度以下で行う。焼成温度が600〜800℃であれば、得られる多孔質焼結体は、本発明の吸着材として、孵化促進物質を吸着するために必要な陽イオン交換容量を十分に有し、且つ、上述の耐水性を有し、孵化促進物質を吸着させる際においても、吸着後、土壌へ混合する際においても、崩壊・微細化して水に流れる様なことのない十分な強度の多孔質焼結体が得られる。600℃未満の温度では、多孔質焼結体の強度が十分得られない場合があり、800℃を超える温度では、多孔質焼結体の陽イオン交換能が低下するとともに、微細孔容積も低下し、孵化促進物質を十分吸着できない場合がある。焼成する炉としてはロータリーキルン、トンネルキルン、シャトルキルン、電気炉等通常使用される炉を使用することができる。
本発明において、上記粉末鉱物は粘土鉱物を含むのが好ましい。粘土鉱物は適量の水を含む場合に粘性と可塑性を有する微粒の鉱物であり、カオリナイト、スメクタイト(モンモリロナイトを含む)、バーミキュライト、雲母粘土鉱物等が挙げられる。これらを含むことにより、吸着材用組成物の成形が容易になり、ペレット状等の一定の形状で成形することができる。粘土状鉱物は上記粉末鉱物に別途混合しても良く、天然ゼオライトの不純物として粘土鉱物を含む軟質ゼオライトを用いることで上記粉末鉱物に含ませても良い。
本発明において、ゼオライトを含有する鉱物粉末は、安価であり、本発明に適した陽イオン交換能を有しているので、天然ゼオライトを含むことが好ましい。天然ゼオライトは国内、国外のどこで採掘されたものでも良く、陽イオン交換容量や物性に基づいて適宜選定することができる。鉱物粉末として、天然ゼオライトを単独で使用しても良く、他の鉱物を混合して使用しても良い。
また、上述の通り、本発明において鉱物粉末は粘土鉱物を含むのが好ましく、当該粘土鉱物を別途混合して均一化する必要がない点で、天然ゼオライトとして、粘土鉱物を含む軟質ゼオライトを用いることが好ましい。軟質ゼオライトとしては、例えば、北海道上士幌町で産出される軟質ゼオライト(とかちゼオライト((株)共成レンテム製))が好ましく挙げられる。
更に、本発明の製造方法において、上記吸着材用組成物は、乾燥質量あたり90質量%以下の造孔剤を含んでいても良い。造孔剤は焼結体に細孔を形成する効果を有するものであり、多孔質焼結体に更に細孔を増加させ、表面積を増加させることができる。表面積を増加させることで、孵化促進物質をより吸着し易い吸着材を製造することができる。細孔の大きさすなわち細孔径は、通常、数nm〜数百μmであり、好ましくは数nm〜数百nmであり、特に好ましくは数nm〜数十nmである。具体的には、2〜60nmが好ましく、5〜20nmが特に好ましい。なお、細孔径は自動比表面積・細孔分布測定装置(日本ベル社製:Belsorp miniII)用いて測定できる。
造孔剤は、焼成時に焼失するような粉末状の有機物や、それ自体が多孔性の火山灰、軽石等の火山砕屑物(及びその風化物)や珪藻土、珪質頁岩等の無機物が挙げられる。造孔剤の配合量は種類によって適宜調整できる。例えば、焼成時に焼失するような有機物の場合は、吸着材の強度を考慮し、乾燥質量あたり50質量%以下が好ましく(この場合は、上記鉱物粉末の含有量は、乾燥質量あたり50質量%以上となる)、30質量%以下が更に好ましい(この場合は、上記鉱物粉末の含有量は、乾燥質量あたり70質量%以上となる)。焼成時に焼失しない無機物の場合は、70質量%以下が好ましい(この場合は、上記鉱物粉末の含有量は、乾燥質量あたり30質量%以上となる)。
造孔剤としては、安価であり、焼成時に有害ガス等の発生がなく安全性が高いものが好ましい。焼成時に焼失するような有機物の場合は、農産物、農産加工品、又は農産廃棄物が好ましく、具体的には、小麦ふすま、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、及び小麦粉が好ましく、特に安価な小麦ふすまが好ましい。また、焼成時に焼失しない無機物の場合は、例えば、火山灰、鹿沼土等の軽石、及び珪藻土、珪質頁岩等が好ましく挙げられる。これらの造孔剤は単独で用いても、複数混合して用いても良い。これらの造孔剤であれば、適正な大きさの細孔を形成することができる。
[シストセンチュウ孵化促進物質保持体]
本発明のシストセンチュウ孵化促進物質保持体は、上述の本発明の吸着材にシストセンチュウ孵化促進物質を吸着させたものである。本発明の孵化促進物質保持体はどのように製造しても良い。後述する本発明の保持体の製造方法による他、例えば、シストセンチュウ寄主植物を水耕栽培したときの廃液、及びシストセンチュウ寄主植物の根からの滲出液及びこれらの液から得られた孵化促進物質濃縮液等、公知の方法により得た孵化促進物質を含む溶液に吸着材を浸漬したり、その溶液を吸着材に散布したりして製造しても良い。本発明の孵化促進物質保持体は、長期間シストセンチュウ孵化促進物質を保持し、土壌中で孵化促進物質を徐々に放出させることができるので、シストセンチュウ孵化促進物質を土壌中に長期間留まらせ、その効果を持続させることができる。
[シストセンチュウ孵化促進物質保持体の製造方法]
本発明のシストセンチュウ孵化促進物質保持体は、上述の通り、本発明の吸着材に孵化促進物質が吸着していればどのような方法で製造されても良いが、本発明の製造方法は、本発明の孵化促進物質保持体を製造するのに適した方法である。
即ち、本発明の製造方法は、本発明のシストセンチュウ孵化促進物質吸着材を栽培用培地基材として、ポット、コンテナ等の容器に充填し、適宜肥料成分を含む養液を散布してシストセンチュウ寄主植物を栽培することにより、当該寄主植物のシストセンチュウ孵化促進物質を前記吸着材に吸着させることを特徴とする。栽培期間は特に限定されないが、寄主植物の根が吸着材全体に行き渡る期間が良く、3ヶ月以上が好ましい。本発明の吸着材は上述の耐水性を有する多孔質焼結体のため、植物栽培用の培地基材として十分な強度を有し、適度な水分保持力を有している。さらに、陽イオン交換容量(CEC)が20cmol/kg以上であるため、肥沃な土壌並みの肥料保持能力があり、植物栽培用の培地基材として非常に適している。また、シストセンチュウの寄主植物の根が直接、吸着材に接触することで、根から滲出される孵化促進物質を効率的に吸着させることができる。従って、本発明の製造方法により、容易に、且つ効率的に十分に孵化促進物質が吸着した保持体を製造することができる。孵化促進物質の吸着量を増加させるため、寄主植物の栽培が終了した後、その吸着材を用いて再度、当該寄主植物の栽培を行っても良く、上述のような、シストセンチュウ寄主植物を水耕栽培したときの廃液、及びシストセンチュウ寄主植物の根からの滲出液及びこれらの液から得られた孵化促進物質濃縮液等の孵化促進物質を含む溶液を更に吸着させても良い。なお、本製造方法によると、孵化促進物質保持体の製造時に、寄主植物としての作物を生産することができるので、経済的にも有利である。
シストセンチュウ寄主植物としては、標的とするシストセンチュウ(ジャガイモシストセンチュウ、ダイズシストセンチュウ、ヨモギシストセンチュウ、タバコシストセンチュウ、ジャガイモシロシストセンチュウ、ムギシストセンチュウ、イネシストセンチュウ、クローバシストセンチュウ、テンサイシストセンチュウ、ホップシストセンチュウ、タケシストセンチュウ、サボテンシストセンチュウ等)の寄主植物であればどのようなものでも使用することができる。特に、ジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質保持体を製造するためには、トマト、ジャガイモ、ナス等のナス科植物を栽培する。ナス科植物の根から滲出したジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質が効率的に吸着材に吸着し、ジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質保持体が得られる。
また、ダイズシストセンチュウ孵化促進物質保持体を製造するためには、ダイズ、アズキ、クローバー等の、マメ科植物を栽培する。マメ科植物の根から滲出したダイズシストセンチュウ孵化促進物質が効率的に吸着材に吸着し、ダイズシストセンチュウ孵化促進物質保持体が得られる。
更に、ジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質保持体を製造する際に、寄主植物としてトマトを栽培した場合、トマトが礫耕栽培(砂利等の礫を基材として肥料成分を含む養液を散布して栽培する方法)に向いているため、商品価値が高い収穫物を得られ、特に好ましい。
[シストセンチュウの防除方法]
本発明のシストセンチュウの防除方法は、まず、本発明のシストセンチュウ孵化促進物質保持体を、シストセンチュウのシストが含まれている土壌に施用する。土壌に施用する方法は、孵化促進物質保持体が土壌中に均一に混合されれば特に限定はない。例えば、ペレット状の孵化促進物質保持体を粉砕して圃場土壌に混合する。粉砕する際の粒度は特に限定はないが、直径1.5mm以下程度の粒状に粉砕して使用するのが好ましい。圃場に対する施用量としては特に限定はないが、10g/m〜10kg/mが好ましく、0.5〜2kg/mが更に好ましい。土壌に施用する方法は、特に限定はないが、粒状肥料を施用する場合等の通常の方法で行うことができる。例えば、ブロードキャスター等を用いて均一に散布後、作土層全体にロータリーですき込むことができる。これにより、本発明の孵化促進物質保持体(粉砕物)が、シストセンチュウ孵化促進物質を土壌中に徐々に放出し、長期間留まらせることができるので、シストセンチュウのシストをその孵化促進物質に長期間曝し、孵化を促進させることができる。ここで、同じ寄主植物のシストセンチュウであれば、レース又はパソタイプを問わず孵化させることができる。
孵化促進物質保持体のすき込み後、所定の期間、当該シストセンチュウの寄主植物が存在しない状態を維持し、孵化したシストセンチュウの幼虫を餓死させることで、シストセンチュウを防除し、土壌中のシストセンチュウ密度を減少させることができる。処理期間は2〜12ヶ月が好ましく、3〜6ヶ月が更に好ましい。期間中は、当該寄主植物の栽培はできないが、非寄主植物であればどのような作物を栽培しても良い。
以下に実施例を示し、本発明について更に詳述する。
1.シストセンチュウ孵化促進物質吸着材の製造条件の検討
とかちゼオライト粉状品((株)共成レンテム製)に水分10質量%を加水し、ディスクペレッター(英機工業社製)を用いて、直径4mmのペレット状に成形した。得られた成形体を、電気炉を用いて焼成温度400〜900℃で2時間焼成し、実施例1〜3、及び比較例1、2の多孔質焼成体を得た。表1に各多孔質焼成体の陽イオン交換容量(CEC)及び耐水性を示す。CECはショーレンベルガー法を用いて測定した。即ち、各多孔質焼成体をカラムに充填し、1mol/L、pH7の酢酸アンモニウム溶液を浸透させ、粒子間の酢酸アンモニウム溶液を水−エタノール混合液で洗浄除去した後、別の塩溶液(塩化ナトリウム溶液)でアンモニウムイオンを交換抽出し、その量を測定した。また、耐水性の評価は、各多孔質焼成体を水道水に12時間浸漬した後、目視で多孔質焼結体の形状及び浸漬水の変化を観察し、多孔質焼結体の形状が変わらず、浸漬水が濁らないものを○、多孔質焼成体の形状の変化や浸漬水の濁りが生じたものを×とした。
Figure 2011173875
その結果、焼成温度が400℃では耐水性が十分でなく、焼成温度が900℃ではCECが大きく低下した。十分な耐水性とCECを有する多孔質焼成体を得るには600〜800℃が好ましいことが示された。
2.シストセンチュウ孵化促進物質吸着材の孵化促進物質の吸着性と徐放性の評価
ジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質を含んだトマト水耕廃液を用いて、各種多孔質焼結体の孵化促進物質の吸着性と徐放性について試験した。即ち、まず、多孔質焼結体にシストセンチュウ孵化促進物質を吸着させるため、各種多孔質焼結体を前記トマト水耕廃液に1週間浸漬した。多孔質焼結体として、上述の実施例1と同様に製造した焼結体(実施例4)、実施例1において、ゼオライトの代わりにゼオライトと造孔剤として乾燥質量あたり10質量%の小麦ふすまを混合したものを用いた焼結体(実施例5)、上述の比較例2と同様に製造した焼結体(比較例3)、トマトの栽培に良く利用される1000℃焼成珪藻土(比較例4)を用いた。次に、浸漬後の多孔質焼結体を粉砕した後、粉砕物10gを純水100mlに浸漬し、シストセンチュウ孵化促進物質を純水中へ滲出させた。純水は1週間毎に交換し、3回目と5回目の交換後の純水中の孵化促進物質の濃度の指標として、ジャガイモシストセンチュウの孵化率を測定した。孵化率は、ジャガイモシストセンチュウ卵を試験する液4mlに浸漬し、1週間後に孵化せずに残っている卵数と、幼虫数を計数し、次の式によって求めた。
(式)幼虫数÷(卵数と幼虫数の合計)×100
その結果を表2に示す。
Figure 2011173875
600℃焼成ゼオライト及び600℃焼成ふすま混合ゼオライトを用いた実施例4、5についてはシストセンチュウ孵化促進物質が吸着し、数週間に渡り徐放することが確認された。特に600℃焼成ふすま混合ゼオライトについては交換5回目でも孵化率を維持していたことから、優れた吸着性、徐放性が認められた。これは、造孔剤により多孔質焼結体の表面積がより増加したためと考えられた。一方、比較例3の900℃焼成ゼオライト、比較例4の1000℃焼成珪藻土を用いた場合は孵化促進物質がほとんど吸着しなかったものと考えられた。従って、本発明において規定するシストセンチュウ孵化促進物質吸着材が、吸着材として有効であることが示された。
3.シストセンチュウ孵化促進物質吸着材の細孔径と孵化促進物質の吸着性の評価
ジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質を含んだトマト水耕廃液を用いて、多孔質焼結体の細孔径の孵化促進物質の吸着性への影響について試験した。即ち、細孔径を調整するため、多孔質焼結体として、上述の実施例1と同様に製造した焼結体(実施例6)、実施例1において、ゼオライトの代わりに、ゼオライトに造孔剤として乾燥質量あたり50質量%の珪質頁岩((有)稚内グリーンファクトリー社製)を混合したものを用いた焼結体(実施例7)、及びゼオライトに造孔剤として乾燥質量あたり40質量%の鹿沼土((株)鹿沼興産社製)を混合したものを用いた焼結体(実施例8)を使用し、上記2における吸着性の評価と同様に試験し、交換3回目純水のジャガイモシストセンチュウ孵化率(%)を測定した。各種多孔質焼結体の細孔径は自動比表面積・細孔分布測定装置(日本ベル社製:Belsorp miniII)用いて測定した。細孔分布の結果を図1に示し、ジャガイモシストセンチュウ孵化率の結果を表3に示す。
Figure 2011173875
造孔剤を用いて数〜数十nmの細孔を形成した実施例7及び8の多孔質焼結体は、造孔剤を用いていない実施例6の多孔質焼結体に比べて、交換3回目純水のジャガイモシストセンチュウ孵化率(%)は増加した。このことから、造孔剤を用いて数〜数十nmの細孔を形成することによりシストセンチュウ孵化促進物質の吸着性が向上したことが示された。
4.シストセンチュウ孵化促進物質吸着材における造孔剤配合量の検討
ジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質を含んだトマト水耕廃液を用いて、多孔質焼結体製造時の造孔剤配合量の孵化促進物質の吸着性への影響について試験した。即ち、多孔質焼結体として、上述の実施例1と同様に製造した焼結体(実施例9)及び実施例1において、ゼオライトの代わりにゼオライトに造孔剤として乾燥質量あたり50質量%及び70質量%の珪質頁岩((有)稚内グリーンファクトリー社製)を混合したものを用いた焼結体(実施例10及び11)を使用し、上記2における吸着性の評価と同様に試験し、交換3回目純水のジャガイモシストセンチュウ孵化率(%)を測定した。その結果を表4に示す。
Figure 2011173875
ゼオライトのみの焼結体に比べて、造孔剤として珪質頁岩を50質量%配合した多孔質焼結体、70質量%配合した多孔質焼結体の順に交換3回目純水のシストセンチュウ孵化率(%)が増加し、造孔剤の配合量が多孔質焼結体のシストセンチュウ孵化促進物質の吸着性に影響することが示された。なお、珪質頁岩のみの場合は、シストセンチュウ孵化率はゼオライトのみの場合より低かった。
5.シストセンチュウ孵化促進剤保持体の効果の評価1
各種多孔質焼結体をワグネルポット(1/2000a)に充填し、トマト品種レッドオーレ(カネコ種苗社製)を約6ヶ月栽培し、ジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質を吸着させ、ジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質保持体を製造した。多孔質焼結体として、上述の実施例1において、ゼオライトの代わりにゼオライトと造孔剤として乾燥質量あたり50質量%の火山灰を混合したものを用いた焼結体(実施例12)、実施例2と同様に製造した焼結体(実施例13)、実施例3と同様に製造した焼結体(実施例14)、比較例2と同様に製造した焼結体(比較例5)、上述の1000℃焼成珪藻土(比較例6)、ゼオライトと同様に物質の吸着能があるとされる牛骨ペレット (比較例7)を用いた。牛骨ペレットとは牛骨粉を直径3mmのペレット状に成形し、700℃で焼成して得られるものである。次に、得られた各孵化促進物質保持体を粉砕し、粉砕物10gとジャガイモシストセンチュウのシスト含有土壌100gを混和した。そして、各孵化促進物質保持体混和土壌の32日後のシストセンチュウの孵化幼虫の数量を測定し、各孵化促進物質保持体の効果を評価した。孵化幼虫の数量は、土壌からベルマン法(漏斗の出口を閉じて水を入れ、各土壌をろ紙に包んだものを72時間浸漬し、這い出た幼虫を漏斗底に集める方法)により幼虫を分離し、計測した。その結果を表5に示す。
Figure 2011173875
600〜800℃の焼結ゼオライト(造孔剤配合物を含む)を用いた実施例6〜8では孵化促進物質保持体を混和しなかった土壌(無処理区)と比べて1000%を超える幼虫が孵化し、シストセンチュウ孵化促進物質保持体として有効であることが示された。比較例5の900℃焼成ゼオライト、比較例6の1000℃焼成珪藻土を用いた場合は孵化幼虫数が増加したが、実施例6〜8の半分以下であった。比較例7の牛骨アパタイトを用いた場合は孵化幼虫数が増加せず効果が認められなかった。従って、本発明で規定するシストセンチュウ孵化促進物質保持体がシストセンチュウの孵化促進に有効であることが示された。
6.シストセンチュウ孵化促進剤保持体の効果の評価2
上述の実施例1と同様な多孔質焼結体をワグネルポット(1/2000a)に充填し、トマト品種レッドオーレ(カネコ種苗社製)を約6ヶ月栽培し、ジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質を吸着させ、ジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質保持体を製造した(実施例15、16)。また、上記トマト栽培に用いた後の多孔質焼結体に、更にトマト水耕栽培廃液をその多孔質焼結体あたり20質量%添加して乾燥させた、ジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質保持体も製造した(実施例17、18)。
次に、得られた各孵化促進物質保持体を粉砕し、粉砕物0.8g又は2gとジャガイモシストセンチュウのシスト含有土壌40gを混和した。そして、各孵化促進物質保持体混和土壌の21日後の土壌1gあたりのシストセンチュウの卵数を測定した。卵数は、サンプリングした土壌を水に分散させ、水面に浮いたシストを回収してシスト内の卵数を計測することで測定した。その結果を表6に示す。
Figure 2011173875
トマト栽培によりジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質を吸着させた後、更に水耕廃液を添加した実施例16、17の方が、水耕廃液を添加していない実施例14、15よりもシストセンチュウの卵数がより低減していた。従って、シストセンチュウ孵化促進物質保持体の製造において、トマト栽培による吸着だけでなく、水耕廃液を添加する等により、更にシストセンチュウ孵化促進物質保持体の効力を高めることができることができることが示された。
7.シストセンチュウ孵化促進剤保持体の効果の評価3
上述の実施例15、16と同様のジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質保持体(実施例19、20)と、上記トマト栽培に用いた後の多孔質焼結体に、更にトマト水耕栽培廃液をその多孔質焼結体あたり20質量%添加して乾燥させた、ジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質保持体(実施例21、22)を製造した。
次に、得られた各孵化促進物質保持体を粉砕し、粉砕物2g又は5gとジャガイモシストセンチュウのシスト含有土壌100gを混和した。そして、9日後の各孵化促進物質保持体混和土壌からベルマン法により孵化したシストセンチュウの幼虫を分離し、土壌20gあたりの孵化幼虫数を計測した。その結果を表7に示す。
Figure 2011173875
トマト栽培によりジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質を吸着させた後、更に水耕廃液を添加した実施例21、22の方が、水耕廃液を添加していない実施例19、20よりも孵化したシストセンチュウの幼虫数が増加していた。従って、シストセンチュウ孵化促進物質保持体の製造において、トマト栽培による吸着だけでなく、水耕廃液を添加する等により、更にシストセンチュウ孵化促進物質保持体の効力を高めることができることができることが示された。
8.ジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質保持体による圃場における効果の評価
(1)シストセンチュウ孵化促進物質保持体の製造
実施例1と同様に製造したシストセンチュウ孵化促進物質吸着材を栽培用培地基材としてコンテナB−32((株)サンコー製)に充填し、トマト品種レッドオーレ(カネコ種苗社製)を6ヶ月間栽培し、吸着材にジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質を吸着させた。栽培後の吸着材をロールクラッシャ(マキノ社製)にて粉砕し、振動ふるい(晃栄産業社製)にて篩い分けし、直径1.5mm以下の粉砕物をジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質保持体として得た。
なお、収穫されたトマトは平均8以上の糖度を有し、高糖度のトマトとして商品価値の高いものであった。
(2)ジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質保持体によるジャガイモシストセンチュウの孵化促進効果の評価
上記方法で得られたジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質保持体を圃場に1mあたり0.5、1.0、2.0kg(実施例23〜25)になるように人力で均一に散布し、小型ロータリー(TMA300(クボタ社製)で作土層全層に混和した。次に15日経過後、各試験区間の土壌をサンプリングし、ベルマン法により孵化したシストセンチュウの幼虫を分離し、土壌20gあたりの孵化幼虫数を計測した。その結果を表8に示す。
Figure 2011173875
表8に示す通り、孵化促進物質保持体の散布量を増加するに従い、シストセンチュウ孵化幼虫数が増加しており、本発明のシストセンチュウ孵化促進物質保持体のシストセンチュウの孵化促進効果が圃場においても有効であることが認められた。
9.ジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質保持体による圃場のシストセンチュウ防除効果の評価
上述の8(1)と同様に製造したジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質保持体を圃場に1mあたり0.5、1.0、2.0kg(実施例26〜28)になるように人力で均一に散布し、小型ロータリー(TMA300(クボタ社製)で作土層全層に混和した。散布時と散布3ヶ月後に各試験区の土壌をサンプリングし、シストセンチュウの卵密度を測定した。卵密度は、サンプリングした土壌を水に分散させ、水面に浮いたシストを回収して計測することで測定した。3回の反復試験を行い、保持体散布前と3ヶ月後の卵密度の変化率の平均値を評価した。その結果を表9に示す。
Figure 2011173875
表9に示す通り、孵化促進物質保持体の散布量を増加するに従い、シストセンチュウの卵密度が大きく減少しており、本発明の孵化促進物質保持体を用いたシストセンチュウの防除方法が有効であることが示された。
10.ナス由来のジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質の吸着性の評価
実施例1と同様に製造したシストセンチュウ孵化促進物質吸着材を栽培用培地基材としてコンテナB−32((株)サンコー製)に充填し、ナス品種(千両二号)を約6ヶ月間栽培し、吸着材にジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質を吸着させた。栽培後の吸着材を乳鉢により粉砕後、篩い分けし、直径1.5mm以下の粉砕物をナス由来ジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質保持体として得た。
得られたナス由来ジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質保持体10gを純水100mlに1週間浸漬し、シストセンチュウ孵化促進物質を純水中へ滲出させた。浸漬液を回収し上述の2と同様に、孵化促進物質の濃度の指標として、ジャガイモシストセンチュウ孵化率を測定した(実施例29)。比較例10として、未使用の孵化促進物質吸着材を純水に浸漬した浸漬液を用いて孵化率を測定した。その結果を表10に示す。
Figure 2011173875
表10の通り、実施例29のナス由来ジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質保持体の浸漬液は比較例10に比べて孵化率が増加し、ナス由来のジャガイモシストセンチュウ孵化促進物質も本発明の吸着材に良く吸着し、本発明のシストセンチュウ孵化促進物質保持体を得ることができることが示された。
11.ダイズ由来のダイズシストセンチュウ孵化促進物質の吸着性の評価
実施例1と同様に製造したシストセンチュウ孵化促進物質吸着材を栽培用培地基材としてコンテナB−32((株)サンコー製)に充填し、ダイズ品種(サヤコマチ)を約6ヶ月間栽培し、吸着材にダイズシストセンチュウ孵化促進物質を吸着させた。栽培後の吸着材を乳鉢により粉砕後、篩い分けし、直径1.5mm以下の粉砕物をダイズシストセンチュウ孵化促進物質保持体として得た。
得られたダイズシストセンチュウ孵化促進物質保持体10gを純水100mlに1週間浸漬し、シストセンチュウ孵化促進物質を純水中へ滲出させた。浸漬液を回収し上述の2と同様に、孵化促進物質の濃度の指標として、ダイズシストセンチュウ孵化率を測定した(実施例30)。比較例11として、未使用の孵化促進物質吸着材を純水に浸漬した浸漬液を用いて孵化率を測定した。その結果を表11に示す。
Figure 2011173875
表11の通り、実施例30のダイズシストセンチュウ孵化促進物質保持体の浸漬液は比較例11に比べて孵化率が増加し、ダイズシストセンチュウ孵化促進物質も本発明の吸着材に良く吸着し、本発明のシストセンチュウ孵化促進物質保持体を得ることができることが示された。
なお、本発明は上記の実施の形態及び実施例の構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
土壌中のシストセンチュウの防除を、レース又はパソタイプを問わず安全に且つ効果的に行うことができ、農作物のシストセンチュウ被害を防ぐことができる。

Claims (15)

  1. ゼオライトを含む多孔質焼結体からなり、陽イオン交換容量が20cmol/kg以上であり、且つ水道水に12時間浸漬して崩壊しない耐水性を有することを特徴とするシストセンチュウ孵化促進物質吸着材。
  2. 前記陽イオン交換容量が30〜120cmol/kgである請求項1に記載のシストセンチュウ孵化促進物質吸着材。
  3. 請求項1及び2に記載のシストセンチュウ孵化促進物質吸着材を製造する方法であって、
    ゼオライトを含有する鉱物粉末を乾燥質量あたり10質量%以上含む吸着材用組成物を成形し、成形体を得る工程、及び
    前記成形体を600〜800℃で焼成し、多孔質焼結体を得る工程、
    を含むことを特徴とする製造方法。
  4. 前記鉱物粉末が、粘土鉱物を含む請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記鉱物粉末が、天然ゼオライトを含む請求項3又は4に記載の製造方法。
  6. 前記吸着材用組成物が、乾燥質量あたり90質量%以下の造孔剤を含む請求項3〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記造孔剤が、火山砕屑物、火山砕屑物の風化物、珪藻土、及び珪質頁岩からなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記造孔剤が、農産物、農産加工品、又は農産廃棄物を含む請求項6又は7に記載の製造方法。
  9. 前記造孔剤が、小麦ふすま、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、及び小麦粉からなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項6〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 請求項1又は2に記載のシストセンチュウ孵化促進物質吸着材に、シストセンチュウ孵化促進物質を吸着させたシストセンチュウ孵化促進物質保持体。
  11. 請求項1又は2に記載のシストセンチュウ孵化促進物質吸着材を栽培用培地基材として、シストセンチュウ寄主植物を栽培することにより、当該寄主植物のシストセンチュウ孵化促進物質を前記吸着材に吸着させることを特徴とするシストセンチュウ孵化促進物質保持体の製造方法。
  12. 前記シストセンチュウ寄主植物が、ナス科植物又はマメ科植物である請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記シストセンチュウ寄主植物が、トマトである請求項11又は12に記載の製造方法。
  14. 請求項11〜13のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたことを特徴とするシストセンチュウ孵化促進物質保持体。
  15. 請求項10又は14に記載のシストセンチュウ孵化促進物質保持体を、シストセンチュウのシストが含まれている土壌に施用し、その後所定の期間、当該シストセンチュウの寄主植物が存在しない状態を維持し、孵化したシストセンチュウの幼虫を餓死させるシストセンチュウの防除方法。
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