JP2011172574A - Pca3遺伝子に基づく、前立腺癌の検知のための特異的な方法およびそれを実施するためのキット - Google Patents

Pca3遺伝子に基づく、前立腺癌の検知のための特異的な方法およびそれを実施するためのキット Download PDF

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Abstract

【課題】PCA3配列、具体的には患者から得たサンプル中のPCA3のRNAが前立腺癌と特異的に関連するか否かを検知することによって、患者における前立腺癌を診断する方法、および尿路経路由来の非前立腺サンプルから腎臓細胞または膀胱細胞を検知するためのin vitroの方法を提供する。
【解決手段】対象生物の尿路由来非前立腺サンプルからRNAを単離し、プライマーを用いて前記RNAに含まれるPCA3核酸を増幅し、採集した増幅産物中のPCA3のイントロン3またはその相補鎖を包含する増幅核酸を検出することによる、前記サンプル中の腎臓細胞または膀胱細胞の存在を検知する方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、前立腺癌に関する。より詳細には、本発明は、PCA3配列、具体的には患者から得たサンプル中のPCA3 RNAが前立腺癌と特異的に関連するか否かを検知することによって、患者における前立腺癌を診断する方法に関する。更に本発明は、尿路経路由来の非前立腺サンプルから腎臓細胞または膀胱細胞を検知するためのin vitroの方法に関する。
過去10年間において、前立腺の癌は男性で最も多く診断される悪性腫瘍となり、肺癌に続いて、西洋社会における男性の癌死亡原因の2位となった。
前立腺癌が前立腺から広がる前に早期発見および治療することによって、この疾患の死亡率が低下する。これは、この悪性度が高いが進行の遅い悪性腫瘍によって死亡する危険度の高い若い男性において特に真実である。この認識は、早期診断および治療のための運動の増加を促した。実際、米国癌学会(American Cancer Society)および米国泌尿器科学会(American Urological Association)が、男性人口の全体に対して年1回の前立腺癌検診を50歳から受けるよう推奨している。検診開始の推奨年齢は、前立腺癌の家族歴または他の危険因子を有する男性では40歳に引き下げられている。
前立腺癌の検診に対して注目が集まる中、過去にないほど多くの男性が前立腺癌について慣例的な検診を受けている。前立腺癌発生率の見かけ上の増加と、前立腺癌と診断される平均年齢の見かけ上の低下に反映されているように、予想通り、この習慣は、前立腺癌の発生直後の早期発見を増加させた。前立腺癌を転移する前に早期発見することによって、全体の死亡率が下がることになると臨床で期待されている。早期治療はより保存的であり、成功率が高いので、患者1人当たりの費用が少ない治療が可能であることから、保険庁は、早期の検診と発見は医療費負担の低下に還元されると見ている。この目標を達成する鍵は、未だにより良い鑑別診断手段を提供することである。
今では前立腺癌の検診には、直腸指診による前立腺の触診と前立腺特異的抗原(PSA)の血漿濃度解析の両方が含まれる。PSAは前立腺上皮の産生するセリンプロテアーゼであり、通常は精液を液化するために精液中に分泌されるものである。前立腺の健全な解剖学的状態の崩壊は、通常はPSAを前立腺の精管内に留めておく細胞バリアーの欠陥を招くことがあり、その結果、血液または尿にPSAが放出されることとなる。数多くの症状によってPSAの血液中への洩れは生じる。このような症状には、前立腺の炎症、尿閉、前立腺の感染症、良性前立腺肥大および前立腺癌が含まれる。前立腺の物理的操作も血清PSA濃度を上昇させることがあるが、直腸指診(DRE)などの穏やかな刺激は、通常、血清PSA濃度を上昇させることはない。従って、血清PSAを前立腺癌の指示因子とした検診が正確な予知をできないことは、驚きに値しない。
血中PSA濃度の測定値が種々の要因によってもたらされた結果かもしれないという事実にもかかわらず、それは前立腺癌の一次検診の基礎となっている。前立腺癌を予知するための診断アッセイとしての総PSA(tPSA)の測定は、1991年から用いられている。血清濃度が4ng/ml以上であることは異常であり、前立腺癌の可能性を示すと考えられる。しかし、このようなtPSA濃度上昇の感度はたった79%であり、従って患者の21%において前立腺癌を発見しないまま放置している。4ng/ml以上のtPSA値の全てにおいて、その特異性は非常に乏しい。更に、4.0ng/mlを超えるtPSA濃度の特異性の推定値は20%〜59%の範囲内であり、平均は約33%であると報告されている。偽陽性の大部分は、最終的には良性前立腺肥大であると示されている。一般にグレーゾーンと呼ばれる4〜10ng/mlの低い領域に含まれる、中庸に上昇したtPSAの特異性が最も低い。このような低レベルの特異性は、経直腸的超音波断層法や前立腺生検検査といった、より侵襲性が高く高価な診断方法を更に実施する結果となる。このような試験は、必要のない場合には患者にとって外傷性も非常に高い。また、偽陽性であると証明されるまでの間、陽性であると診断されることの精神的衝撃も軽んじるべきではない。
tPSAの欠点ゆえに、このあいまいな診断手法の感度と特異性を向上するための、PSA誘導体の開発を試みる研究に焦点が合わされてきた。
1つの修飾は遊離PSA(fPSA)であり、これは1998年にFDAの認可を受けている。血清中のPSAは、未結合の型または循環プロテアーゼ阻害剤(最も一般的にはα−1−アンチトリプシン(ACT))との複合体の型で存在する。臨床医は、前立腺癌を発生していないか良性前立腺肥大(BPH)を発症している男性に比べて、前立腺癌を保有する男性において、ACTに結合したPSAの比率が顕著に高いことを示した。ガイドラインとしては、総PSAの25%以下が遊離である場合には、これを前立腺癌の可能性を示す指標とする。fPSAアッセイは、tPSAが4〜10ng/mlの男性に用いる方法として認可されている。従って、fPSAアッセイは、tPSAのみによる検査の特異性を向上する方法と位置づけられている。しかし、fPSA試験の的中率は、tPSA濃度が本当に低いか本当に高いヒトではさほどよくない。fPSAの測定値に係らず、非常に低いtPSAは癌が存在しないことの予兆であり、一方この逆もまた非常に高いtPSA濃度について真実である。fPSAはBPHと前立腺癌の両方と関連付けられる因子であるため、その診断における有用性は比較的限られたものである。fPSAをtPSAと組み合わせて用いる方法は、不必要な生検の数を約20%減少することが示されている。
前立腺の生検が前立腺癌を確認するための黄金の基準であることは明確である。しかしながら、生検も常に100%の精度を誇るわけではない。標準的な生検は、経直腸的超音波ガイド下で組織サンプルの採取を行う6ヶ所生検である。6個のサンプルでは癌を検知することはできないことが多く、2回目の生検または6個を超える数のサンプルが必要である。
過去10年間の前立腺癌検診の進歩にもかかわらず、現存の手段を組み合わせて使用しても満たされることのない、診断感度と特異性に関する多大な要求が存在する。この要求と、前立腺癌の高い発生率や早期の正確な癌発見の必要性とを組み合わせると、真の鑑別診断手段の有する可能性は極めて重要である。
新規な前立腺癌マーカーであるPCA3は、前立腺癌の発生と関連した遺伝子を見出すことを目的としたディファレンシャルディスプレイ法によって数年前に発見された(米国特許願第09/402,713号、第09/675,650号、第09/996,953号と第60/445,436号、および国際公開公報 WO 98/45420号とWO 01/23550号)。PCA3は9番染色体に位置し、4つのエクソンからなる。これは選択的スプライシングおよびポリアデニル化によって生じる少なくとも4つの異なる転写産物をコードする。RT−PCR解析によってPCA3の発現は前立腺に限定され、精巣、卵巣、乳房および膀胱を含む試験した他の組織には存在しないことが判明した。ノーザンブロット解析の結果は、PCA3が試験した前立腺癌の大多数(50人中47人)で高度に発現されているが、同じ患者から得た良性前立腺肥大細胞または正常前立腺細胞では発現していないか、発現量が非常に低いことを示した(Cancer Res 1999 Dec 1; 59(23):5975-9)。更に、前立腺癌に関する、RNAテロメラーゼ RTの臨床試験とRNA PCA3検知法との比較に関する最近の研究は、PCA3遺伝子がより優れたマーカーであることを示した(Cancer Res 2002 May 1; 62(9):2695-8)。
PCA3遺伝子は4つのエクソン(e1〜e4)と3つのイントロン(i1〜i3)からなる。PCA3は今までに同定された前立腺癌マーカーの中で最も優れたものであると考えられるが、その特異性については文献で議論されている。例えば、Gandini et al. 2003は、PCA3の前立腺特異的発現はPCA3遺伝子のエクソン4に限られていると主張している。
本明細書は数々の文献に参照するが、その内容は明細書中の記載によって完全に組み込まれているものとする。
PCA3マーカーの特異性に関する課題を明らかにし、前立腺癌と関連するPCA3配列を特異的に同定することができる手段を提供することに対する要求が未だに残っている。
本発明は、このような要求を、他の要求と共に満足させることを目的とする。
進行した前立腺癌が男性人口のかなりの割合において未だに生命を脅かす疾患であるという事実を鑑みると、最も特異的、選択的且つ迅速な前立腺癌検知方法およびキットを提供することに対する要求が未だに残っている。
本発明は、このような要求を、他の要求と共に満足させることを目的とする。
本発明は、従来技術の診断方法とキットよりも高い特異性と選択性をもって前立腺癌を検知する診断法とキットに関する。
本発明の方法は、in vitroex vivo または in vivo で行うことができる。
本発明の1つの目的は、対象生物の尿路由来非前立腺サンプルから腎臓細胞または膀胱細胞を検出するためのin vitroの方法を開示することである。
本発明について説明したので、次に、本発明の好ましい態様を具体的に示す、添付の図面に参照する。
以下のプライマーを用いた32サイクルのPCA3特異的RT−PCRによる、いくつかのヒト組織におけるPCA3の発現。フォワード5’−CAGGAAGCACAAAAGGAAGC−3’(配列番号3)とリバース5’−TCCTGCCCATCCTTTAAGG−3’(配列番号4)。以下の組織を分析した。正常前立腺(1)、前立腺癌(2)、精巣(3)、心臓(4)、肺(5)、動脈(6)、腎臓(7)、肝臓(8)、乳癌(9)、正常な乳房(10)、子宮頚(11)、子宮内膜(12)、卵巣(13)と腎臓癌(14)。矢じりは、前立腺サンプルにのみ存在するスプライスされたPCA3転写産物(151 bps)を示し、矢印はその他の組織に存在するスプライスされていない転写産物(378 bps)を示す。レーン1と2のシグナルは飽和している点に注目されたい。β−2−ミクログロブリンのPCRを対照として行った(下のパネル)。 PCA3転写単位の模式図。箱は4つのPCA3エクソンを表し、太い矢じりは前立腺特異的PCA3プロモーターを表し、そして矢印は種々の(推定)PCA3転写産物を表す。 RT−PCRによるPCA3の発現。PCA3特異的RT−PCRを32サイクル行うことで、いくつかのヒト組織におけるPCA3の発現を観察した。種々のプライマーを用いた。GenBankのアクセッション番号AF103907に登録されているPCA3配列に対するプライマーの位置は次の通りである。フォワードプライマーは、BUS1(AGAAGCTGGCATCAGAAAAA,配列番号12;エクソン1,pos. 23-42)、AH1(CAGGAAGCACAAAAGGAAGC,配列番号3;エクソン3,pos. 443-462)、BUS10(ATCCCTGGGAGAAATGCC,配列番号42;エクソン4a,pos. 469-486)、BUS17(CACACAGCATGATCATTACGG,配列番号43;エクソン4b,pos. 1129-1149)であり、リバースプライマーは、BUS7(CTGGAAATGTGCAAAAACAT,配列番号44;エクソン3,pos. 420-401)、AH2(TCCTGCCCATCCTTTAAGG,配列番号4;エクソン4a,pos. 593-575)、BUS11(GTTGCATGTCTTGTGAAGCC,配列番号45;エクソン4a,pos. 719-700)、BUS16(TGATGGTGATGACAGATAAGGC,配列番号46;エクソン4b,pos. 1482-1461)である。以下の組織を分析した。レーン1,H20、レーン2,精嚢、レーン3,心臓、レーン4,脾臓、レーン5,肺、レーン6,膀胱、レーン7,膀胱−RT、レーン8,前立腺癌、レーン9,正常前立腺、レーン10,前立腺癌、レーン11,正常前立腺、とレーン12,LNCaP(細胞系)。
1つの特定の態様においては、同定するPCA3核酸は前立腺の悪性状態と関連するが、前立腺の非悪性状態とは関連しない。このような特定な態様の1つにおいては、PCA3核酸はPCA3 mRNAである。他の1つの態様においては、サンプルは、核酸の増幅および検知を行うのに十分な量の前立腺細胞または前立腺細胞由来の核酸を含む、患者から得た如何なるサンプルでもよい。特定の態様においては、検知するPCA3核酸は前立腺癌に関連するPCA3 mRNAであり、サンプルは尿サンプルである。
1つの特定の態様においては、本発明はサンプル(例えば、尿サンプル)中の、エクソン1とエクソン2の間のイントロン(例えば、i1)を含有しないPCA3 RNAの存在を検知することによって、患者における前立腺癌を評価する方法に関する。他の態様においては、検知するPCA3 RNAはエクソン2とエクソン3の間のイントロン(i2)を欠いたスプライスされたRNAである。本発明の更に他の態様においては、検知するPCA3 RNAはエクソン3とエクソン4の間のイントロン(i3)を欠いたスプライスされたRNAである。本発明の更に別の特定の態様においては、検知するPCA3 RNAはエクソン1とエクソン3の間の複数のイントロンを欠いたスプライスされたRNAである。本発明の特に好ましい態様においては、検知するPCA3 RNAはエクソン1とエクソン4の間の複数のイントロンを欠いたスプライスされたRNAである。本発明の特に好ましい態様においては、検知するPCA3 RNAは少なくとも1つのイントロン(例えば、エクソン1とエクソン2の間のi1および/またはエクソン3とエクソン4の間のi3)を欠いたスプライスされたRNAである。1つの態様においては、少なくともエクソン1とエクソン2の間の第1イントロンを欠いたPCA3 RNAを特異的にターゲティングし、検知する。他の態様においては、検知するPCA3 RNAはエクソン3とエクソン4の間のイントロン(i3)を欠くものである。更に別の特定の態様においては、検知するPCA3配列は全てのイントロンを有していないPCA3 RNAである。
本発明の1つの特定の態様においては、PCA3遺伝子(即ち、RNA)のコードする前立腺癌特異的RNAは、サンプル中に含まれる(前立腺癌とは関連しなくともよい)第2前立腺特異的配列を増幅する増幅法によって検知する。前立腺RNAに対する対照として機能する限り、種々の第2前立腺特異的配列を用いることができる。このような前立腺特異的配列を限定することのない具体例には、PSA(この場合は、前立腺癌と関連することの多い前立腺特異的配列)や他のカリクレインファミリーに属する配列が含まれる。前立腺癌特異的PCA3 RNA配列の増幅と前立腺特異的配列の増幅は同時に行ってもよい。PCA3の増幅と第2前立腺特異的配列の増幅は、同じまたは異なる反応混合物中で、同時または別々に行うことができる。
本発明は、サンプル中の前立腺癌特異的PCA3 RNAを検知するための方法を提供する。
1つの態様において本発明は、患者から前立腺癌特異的なPCA3 RNAを検知することを包含する、患者における前立腺癌の診断または予知を行うための方法(およびそれを実施するためのキット;キットを構成する特定の成分については下記を参照)であり、この方法(およびキット)においては、PCA3 RNAが、患者における前立腺癌の存在または前立腺癌素因と関連するものか否かを検知する。1つの特定の態様においては、PCA3 RNAは少なくとも1つのイントロンを欠くものである。核酸を検知するための数々の高感度の方法が知られており、これらはサンプルの種類、検知方法の感度、PCA3核酸の量などに基づいて本発明に適合させることができる。1つの特定の態様においては、検知は、本明細書で開示する配列から設計したプローブを用いて行う。1つの特定の態様においては、プローブはPCA3 RNAのエクソン−エクソンジャンクションに架かるものである。更に他の態様においては、PCA3核酸の増幅を更に行うことで、本発明の方法(およびそれを実施するためのキット)の感度を向上させる。種々の増幅方法を用いることができる。その多くが本明細書に記載されている。1つの特定の態様においては、PCA3核酸、好ましくはPCA3 RNAを、そのエクソン配列にハイブリダイズするプライマーを用いて増幅する。更なる別の態様においては、PCA3 RNAの検知は、1つを超えるイントロンを欠いたRNAの検知である。通常は行うが必ずしも増幅の後に行うわけではない更なる態様においては、PCA3を検知するための1つまたはそれ以上のプローブは、エクソン−エクソンジャンクションを標的とする。これらの方法を実施するためのキットも本発明の範囲に含まれる。プライミングに係る種々のエクソンジャンクションの変更、1つまたはそれ以上のエクソンジャンクションに対するプロービングの変更、あるいは特定のまたは1つ以上のイントロンを欠いたPCA3 RNAの検知などについては、感度を向上する方法や核酸を捕捉する方法などと共に、本明細書において教示または例示する。
本発明は、サンプル中の前立腺癌特異的PCA3 RNAの存在を検知するためのキットも提供する。1つの態様において本発明は、上記前立腺癌特異的PCA3核酸(例えば、RNA)を増幅可能な一対のプライマーの入った第1容器を少なくとも包含する診断キットを提供する。他の態様において本発明は、上記前立腺癌特異的PCA3 RNAを増幅可能な一対のプライマーの入った第1容器と、上記第2前立腺特異的配列を増幅可能な一対のプライマーの入った第2容器とを包含する診断キットを提供する。他の態様においては、PCA3増幅産物に特異的にハイブリダイズするプローブの入った第3容器を更に包含する。本発明の特定の態様においては、プローブはPCA3の選ばれたエクソン−エクソンジャンクションに特異的にハイブリダイズすることによって本発明の方法の特異性を更に向上させる。更に他の態様においては、PCA3の他の領域および/または第2前立腺特異的配列に対するプローブの入った第4容器を更に包含する。更なる別の態様においては、キットは検知感度を増幅するための試薬を包含する。1つの態様においては、キットはリアルタイムの増幅と検知を可能にする試薬も含有する。
更に本発明は、患者における前立腺癌の存在または前立腺癌を発生する素因を診断するための方法を提供する。
別の態様においては、PCA3遺伝子のコードするRNAは、患者の排泄した尿から得た尿サンプルに含まれる細胞から得たものである。
本発明の1つの態様においては、RNA増幅方法を用いてRNAを検知する。このような態様の1つにおいては、RNA増幅法は蛍光特異的プローブを用いた、増幅産物のリアルタイム検知法と組み合わされている。更なる別の態様においては、増幅方法はPCRである。更なる態様においては、PCRはリアルタイムPCRまたはそれに類似した、増幅産物のリアルタイムの検知を可能とする方法である。
1つの態様においては、丁寧な直腸指診(DRE)の後に尿サンプルを得る。増幅方法および/または検知方法が標的マーカー(PCA3と、所望により第2マーカー)を検知するのに十分な感度を有する時には、当然のことながら、本発明の方法およびキットは、直腸指診を行わずに得た尿サンプル、精子や、精子と尿の混合物(射精に続く最初の尿のサンプル)などの他の種類のサンプルに対しても使用可能であることを理解されたい。本発明の方法およびキットがこのようなサンプルでも実施可能であることは実験によって示されている。使用できる他のサンプルには、血液や血清が含まれる。
1つの態様においては、尿サンプルから回収した細胞を集め、総核酸抽出を実施する。1つの特定の態様においては、BOOM et al. の発表した、シリカビーズ上で行う固相バンド法(solid phase band method)を用いて総核酸抽出を行う。当然のことながら、種々の核酸抽出法が存在するので、本発明に従って他の方法を用いることができる点を理解されたい。本発明を限定することのない1つの具体例としては、フェノール/クロロホルム抽出法が挙げられる。他の方法も本明細書で参照する教科書に記載されている。
更なる1つの態様においては、PCA3遺伝子のコードするRNAは、核酸増幅法(NASBA法)と呼ばれるin vitro RNA増幅法によって検知する。当然のことながら、他のRNA増幅法も知られており、本発明の方法とキットはNASBA法に限定されるものではない。本発明を限定することのないRNA増幅法の具体例としては、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR法)、転写媒介性増幅法(TMA法)およびリガーゼ連鎖反応法(LCR法)が挙げられる。
1つの態様においては、ビーコン手法によって、蛍光プローブを用いて均質相で増幅産物を検知する。他の態様においては、蛍光検出法または比色検出法を用いて増幅産物を固相上で検知する。標的RNAの検知および/または定量には、種々の蛍光検出法、比色検出法または酵素検出法を本発明に従って使用できることを理解されたい。このような蛍光検出法、比色検出法または酵素検出法は、当業界では広く知られている。
当業者であれば、試験結果が陽性か陰性かを決定するために、本発明に関連して数々の統計方法を使用することができることを理解されたい。
本発明の他の目的およびその利点については、以下の明細書の記載より明らかとなる。
用語の定義
以下の記載においては、DNA工学で使用する種々の用語を広範にわたって使用する。本明細書と請求の範囲、並びにこのような用語によって含まれる範囲の理解を明瞭且つ一貫したものとするために、以下の定義を提供する。
特に定義のない限り、本明細書で使用する科学用語と技術用語および命名は、本発明の属する技術分野の当業者によって一般に理解される定義と同一であるものとする。分子生物学用語の一般に理解されている定義は、例えば、以下の教科書に記載されている:
“Dictionary of Microbiology and Molecular Biology(微生物学および分子生物学辞典)”第2版(Singleton et al.著、1994年、John Wiley & Sons、ニューヨーク州、ニューヨーク);“The Harper Collins Dictionary of Biology(ハーパーコリンズの生物学辞典)”(Hale と Marham著、1991年、Harper Perennial、ニューヨーク州、ニューヨーク);Rieger et al.著、“Glossary of genetics: Classical and molecular(遺伝学小事典:古典と分子遺伝学)”第5版、Springer-Verlag、ニューヨーク、1991年;Alberts et al.著“Molecular Biology of the Cell(細胞の分子生物学)”第4版、Garland science、ニューヨーク、2002年;および Lewin著、“Genes VII(遺伝子 VII)”Oxford University Press、ニューヨーク、2000年。概して、細胞培養、感染、分子生物学的方法の手順などは、当業界で一般に用いられているものである。このような標準的な技術は参照用マニュアル、例えば、Sambrook et al.著(2000年、“Molecular Cloning - A Laboratory Manual(分子クローニング − 実験マニュアル)”第3版、Cold Spring Harbor Laboratories)および Ausubel et al.著(1994年、“Current Protocols in Molecular Biology(分子生物学における最近のプロトコル)”John Wiley & Sons、ニューヨーク)に記載がある。
請求の範囲および/または明細書において「包含する」や「含む」(comprising)という用語に関連する名詞が単数形(冠詞がaまたはan)で書かれている場合、その数が「1つ」であることを意味しうるが、「1つ以上」、「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」といった数を意味することもある。
本願を通じて、「約」という用語は、ある数値を決定するために使用した装置や方法の標準誤差を含む値を表すために用いた。慣例的には、10〜15%、好ましくは10%の誤差までが「約」という用語の範囲内である。
単離された核酸分子. 「単離された核酸分子」とは、一般に理解され、また、本発明で用いられているように、ヌクレオチドの重合体を意味する。DNAおよびRNAが含まれるが、これらに限定されない。「単離された」核酸分子は、自然界における in vivo の状態から精製する。
DNAセグメント. DNAセグメントとは、一般に理解され、また、本発明で用いられているように、ヌクレオチドの直鎖状伸長鎖を包含する分子を意味する。ここで言うヌクレオチドは、タンパク質、タンパク質断片またはポリペプチドと呼ばれる、アミノ酸残基からなる直鎖状配列を包含する分子を、遺伝暗号を介してコードする配列に存在するものである。
遺伝子. 単鎖のポリペプチド鎖またはタンパク質に関連するDNA配列で、本発明においては、5’および3’の非翻訳末端を含む。ポリペプチドは、全長塩基配列にコードされるか、タンパク質の機能的な活性が保持される限り、コード配列のいかなる部分によってコードされていてもよい。
相補的DNA(cDNA). メッセンジャーRNA(「RNA」)の逆転写によって合成される組換え核酸分子。
構造遺伝子. RNAに転写され、次に特定のポリペプチドの特徴を表すアミノ酸配列に翻訳されるDNA配列。
アガロースゲル電気泳動. 二本鎖DNAを分画するために最も一般的に用いられている技術が、(これが唯一の技術というわけではないが)アガロースゲル電気泳動である。この方法の原理は、DNA分子がゲルの中を移動し、ゲルが、最も大きい分子の動きを最大限に遅らせ、最も小さい分子の動きを最小限に遅らせる篩のようなはたらきをするというものである。尚、小さいDNA断片ほど、アガロースゲル中の電気泳動における移動度が大きくなる。
アガロースゲル電気泳動によって分画したDNA断片は、そのパターンに含まれる断片の数が少なければ、染色操作によって直接視覚化することができる。これらの断片を小さな部分集団として視覚化するためには、サザンハイブリダイゼーション法と呼ばれる方法が適用できる。
サザントランスファー法. サザントランスファー法(ブロッティング法とも呼ばれる)は、アガロースゲル電気泳動によって分画したDNAをニトロセルロース濾紙や他の適当な物質の表面の上に物理的に転写するか、または他の方法によって物理的に転写することを目的とし、転写は分画操作で得られたDNA断片の相対的な位置を保持するように行う。アガロースゲルからニトロセルロースへの転写に用いる方法には、毛細管現象によってDNAをゲルからニトロセルロースフィルターに吸い出す方法が含まれる。
核酸のハイブリダイゼーション. 核酸のハイブリダイゼーションは、相補的な塩基配列を有する2本の一本鎖核酸分子を適切な条件下で混合した場合、これらの分子は熱力学的に好ましい二本鎖構造に再形成されるという原理に基づく。この二本鎖構造は、たとえ2本の相補的な一本鎖核酸のうちの片方がニトロセルロースフィルターに固定されていても、これらの間で形成されるものである。サザンハイブリダイゼーション法では後者の状況が生じる。上述したように、試験する個体のDNAを制限エンドヌクレアーゼで消化し、アガロースゲル電気泳動で分画する。次にDNAを一本鎖型に変換し、ニトロセルロースフィルターに転写することで、ハイブリダイゼーションプローブに再アニーリング可能な状態になる。ハイブリダイゼーション条件の例としては、Ausubel, F.M. et al.著 “Current protocols in Molecular Biology(分子生物学における最近のプロトコル)”、John Wily & Sons Inc.、ニューヨーク州、ニューヨーク(1989)に記載されているものなどが挙げられる。ニトロセルロースフィルターは、標識プローブと共に、50%ホルムアミド、高塩濃度バッファー[5×SSC(20×SSCは、3M NaCl/0.3M クエン酸三ナトリウム)または5×SSPE(20×SSPEは、3.6M NaCl/0.2M NaH2PO4/0.02M EDTA、pH7.7)]、5×デンハルト溶液、1%SDSおよび100μg/mlの変性サケ精子DNAを含む溶液中で、42℃(ホルムアミドを抜いた溶液では68℃)で一晩インキュベートする。この後、0.2×SSC/0.1% SDSで数回洗浄するが、温度は所望のストリンジェンシーに基づいて次のように選択する: 室温(ストリンジェンシーの低い条件)、42℃(ストリンジェンシーが中位の条件)および68℃(ストリンジェンシーの高い条件)。選択する温度は、DNAハイブリッドの融点(Tm)を基準にして決定する。ホルムアミドを洗浄に用いることもでき、この時の温度も所望のTmに応じて適応させる。
ハイブリダイゼーションプローブ. サザンハイブリダイゼーション法においては特定のDNA配列(例えば、増幅産物)を可視化するために、標識したDNA分子またはハイブリダイゼーションプローブをニトロセルロースフィルターに結合した分画DNAと反応させる。標識DNAプローブに相補的なDNA配列を保持するフィルター上の領域が、再アニーリング反応の結果、標識される。このような標識を示すフィルター上の領域が可視化される。ハイブリダイゼーションプローブは一般に、特定のDNA配列を分子クローニングすることによって産生される。1つの特定の態様においては、プローブは、第1のエクソンと第2のエクソンが連続した配置となるようにスプライシングされた(即ち、介入しているイントロン配列が除去された)場合にのみ増幅産物を検知するように、第1のエクソンの3’領域と第2のエクソンの5’領域に架かるものである。種々のエクソンの配列と共に、エクソンの境界の配列(下記参照)を知ることで、本発明の属する技術分野の当業者は、本発明の範囲内で設計し、使用することのできる数々のプライマーやプローブを容易に決定することができる。
オリゴヌクレオチド、オリゴマーまたはオリゴ体. 2個以上、好ましくは3個以上のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドからなる分子。その正確なサイズは多くの因子に依存し、また、このような因子はオリゴヌクレオチドの最終的な機能や用途に依存する。オリゴヌクレオチドは合成またはクローニングによって誘導することができる。デオキシリボヌクレオチドとリボヌクレオチドのキメラ体も本発明の範囲内である。
配列の増幅. 標的配列を大量に発生させる方法。一般に、1個以上の増幅プライマーを核酸配列にアニーリングする。適切な酵素を用いて、プライマーの隣接する、またはプライマー間にある配列を増幅する。
増幅用プライマー. 標的配列の隣にアニーリングし、核酸配列の相補鎖であるプライマー伸長産物の合成を開始する条件下においては、DNA合成の開始点となることが可能なオリゴヌクレオチド。
アンチセンス核酸分子. 本明細書において「アンチセンス核酸分子」とは、標的核酸配列(DNAまたはRNA)のある部分と安定な二本鎖構造または三本鎖構造を形成することができる分子を意味する。アンチセンス核酸分子の設計や修飾については公知の文献、例えば、WO 96/32966号公報、WO 96/11266号公報、WO 94/15646号公報、WO 93/08845号公報、および米国特許第5,593,974号公報等に記載されており、従来からよく知られている。センスオリゴ体としてのアンチセンス核酸分子は、本発明の核酸配列から誘導することができ、また公知の方法に従って修飾することができる。例えば、従来から一般に知られているように、ヌクレオチド類似体および/または選択した化学的断片の置換を利用してアンチセンス核酸分子(あるいはセンスオリゴ体またはセンス配列)を設計することで、分解に対する耐性を高めることができる。必要であれば標的となる配列に対する親和性の向上、選択した細胞や細胞内区画への輸送に対する作用、および/または脂溶性の向上を目的とすることもできる。PCA3遺伝子はDD3PCA3とも報告されており、その配列はGenBankのアクセッション番号AF103907に登録されている。
本発明のその他の目的、利点および特徴は、本発明を例示するが本発明の範囲を限定することのない添付の図面に参照しながら行う、本発明の好ましい態様を限定することのない説明より明らかになる。
好ましい態様に関する説明
I. 核酸分子の合成
本発明の単離された核酸分子には、公知のいかなる方法によって得られたもの、例えば化学的に合成された核酸分子、も含まれる。同様に、核酸分子またはそれぞれの断片に対応するオリゴマーを合成することもできる。このような合成オリゴヌクレオチドは、例えば、Matteucci et al., J. Am. Chem. Soc. Vol. 103, 3185-3191(1981)のトリエステル法や、自動DNA合成機を用いて製造することができる。
オリゴヌクレオチドは、化学合成またはクローニングにより誘導することができる。必要ならば、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いてオリゴマーの5’末端をリン酸化することができる。過剰量の酵素を用いることにより、アニーリングを行う前の一本鎖核酸分子または標識に用いる一本鎖核酸分子のキナーゼ処理も達成することができる。プローブを標識するためにキナーゼで処理する場合には、使用するATPは比活性の高い放射性同位元素を含んでいてもよい。その後、得られたDNAオリゴマーをアニーリングおよびT4リガーゼなどによるライゲーションに付すことができる。
II. PCA3核酸を特異的に検知するための核酸プローブ
本発明は、PCA3核酸にストリンジェントな条件下で結合する上記核酸分子または少なくともその断片を包含する、前立腺癌と関連するPCA3核酸配列の存在を、サンプルから特異的に検知するための核酸プローブに関する。
1つの好ましい態様において本発明は、前立腺癌と関連するPCA3 RNA配列を特異的にターゲティングし、その増幅を可能とするオリゴマー(即ち、プライマー)に関する。
1つの態様においては、プローブのハイブリダイゼーションに続いて増幅産物を検知することができ、このようなプローブは、前立腺癌と関連するPCA3 RNAより派生した増幅産物に選択的にハイブリダイズするが、PCA3遺伝子とは選択的にハイブリダイズしない10〜1000ヌクレオチド(好ましくは、10〜500、10〜100、10〜50、10〜35、20〜1000、20〜500、20〜100、20〜50、または20〜35ヌクレオチド)からなる単離された核酸からなるプローブである。該核酸プローブは、以下の(a)〜(d)よりなる群から選ばれる配列と少なくとも90%の相同性を有するポリヌクレオチド配列を含む核酸分子中の少なくとも10個(好ましくは、15、18、20、25、または30個)の連続したヌクレオチドからなるヌクレオチド配列またはそれに相補的な配列である。
(a)配列番号1または2のPCA3ヌクレオチド配列の、前立腺癌に関連する領域;
(b)2つのエクソンジャンクションに架かるヌクレオチド配列であって、エクソンジャンクションが好ましくはエクソン1と2のジャンクション、(選択的スプライシングによってエクソン1とエクソン3とが連続しているものの)エクソン1と3のジャンクションおよびエクソン3と4のジャンクションであるもの;
(c)十分な数のPCA3エクソンジャンクションに架かるヌクレオチド配列であって、エクソンジャンクションが次のように定義されているもの: エクソン1と2のエクソンジャンクションである、配列番号1の98〜99番ヌクレオチド;エクソン2と3のエクソンジャンクションである、配列番号1の263〜264番ヌクレオチド;エクソン3と4aのエクソンジャンクションである、配列番号1の446〜447番ヌクレオチド;およびエクソン4aと4bのエクソンジャンクションである、配列番号1の985〜986番ヌクレオチド;並びに
(d)十分な数のPCA3エクソンジャンクションに架かるヌクレオチド配列であって、エクソンジャンクションが次のように定義されているもの: エクソン1と2のエクソンジャンクションである、配列番号2の120〜121番ヌクレオチド;エクソン2と3のエクソンジャンクションである、配列番号2の285〜286番ヌクレオチド;エクソン3と4aのエクソンジャンクションである、配列番号2の468〜469番ヌクレオチド;エクソン4aと4bのエクソンジャンクションである、配列番号2の1007〜1008番ヌクレオチド;エクソン4bと4cのエクソンジャンクションである、配列番号2の2066〜2067番ヌクレオチド;およびエクソン4cと4dのエクソンジャンクションである、配列番号2の2622〜2623番ヌクレオチド。
プローブは、配列番号1の511〜985番ヌクレオチド、配列番号1の567〜961番ヌクレオチド、配列番号2の533〜1007番ヌクレオチドまたは配列番号2の589〜983番ヌクレオチドには特異的にハイブリダイズしないことが好ましい。
相補的配列がコード鎖に対して相補的な配列を包含する場合には、アンチセンス核酸とも言う。本明細書においては、配列番号1と2の配列はコード鎖であると任意に定義する。
本発明で使用するプライマーは、本明細書で開示するPCA3の配列に基づいて公知の方法で設計することができる。より好ましくは、プライマーは前立腺癌と関連するPCA3 RNAを増幅するように選択する。このようなPCA3 RNAの1つは、(エクソン1と2の間の)イントロン1を欠いたPCA3 RNAである。本発明における他の前立腺癌特異的PCA3 RNAは、エクソン3と4aの間のイントロンを欠くものである。当然のことながら、このような前立腺癌特異的PCA3 RNAの種々の変更も本発明の範囲内である。例えば、本発明を限定することのない3種の前立腺癌特異的PCA3 RNAとしては、少なくともイントロン1を欠いたPCA3 RNA、連続したエクソン1、2、3、4a、4b、4cと4dを有するPCA3 RNA、および連続したエクソン1、3、4a、4b、4cと4dを有するPCA3 RNAが挙げられる。
本発明の好ましい態様においては、エクソン1に結合するように設計したプライマーを、エクソン3またはエクソン4と結合するように設計した第2プライマーと共に使用する。イントロン1は大きなイントロン(約20kb)なので、このイントロンがPCA3配列に存在するような大きな増幅産物の産生を阻害するように増幅条件を選択することができる。また、このような大きな増幅産物を産生するように増幅条件を選択することもできる。このような態様においては、PCA3 RNA内のイントロン1の存在は、数々の公知の方法によって確認することができる(公知の方法としては、連続したエクソン1−エクソン2配列に結合するように設計したイントロンプローブおよび/またはプローブの使用が挙げられる;本発明を限定することのないプローブの例を表1に2つ示した)。当業者は、エクソンジャンクションにおけるプライマーの位置とプライマーの長さは公知の方法によって変更可能であることを認識するであろう。
他の好ましい態様においては、エクソン1に結合するように設計したプライマーを、本発明に関連するエクソンジャンクション領域と結合するように設計した第2プライマーと共に使用する。エクソン1は、前立腺癌特異的RNAを増幅するために標的とする好ましいエクソンの1つとして報告されていることから、このような態様は、前立腺癌特異的増幅産物を産生するので特に好ましい。しかし、PCA3の他のエクソンを標的とすることも他の好ましい態様である。例えば、エクソン3とエクソン4を標的とすることができる(下記参照)。
以下に示すエクソン配列から誘導することのできる核酸プライマーと本発明に関連するエクソンジャンクションを増幅するように設計した特異的プライマーの例を、以下の表1に示した。
Figure 2011172574
PCA3配列、好ましくは本発明で定義したPCA3のエクソンジャンクションを標的とするプローブを使用せずに本発明を実施することができるが、このようなプローブの使用は本発明の方法およびキットに更なる特異性を付与する。本発明で用いることができる(そして表1に示したエクソン配列に基づいて設計した)、本発明を限定することのない特定の核酸プローブの例を以下の表2に示した。
Figure 2011172574
無論、当業者には明らかなように、配列番号1のみならず、配列番号2や他の配列の上記と同じまたは異なった領域から、エクソンジャンクソンを標的とするか否かにかかわらず、様々な新たなプローブを設計することができる。
本発明のハイブリダイゼーションプローブは、放射線標識、酵素標識、蛍光標識、ビオチン−アビジン標識、化学発光等の標準的な標識技術によって標識することができる。ハイブリダイゼーションの後に、プローブを公知の方法で視覚化することができる。
本発明の核酸プローブは、DNAプローブのみならずRNAプローブを含み、これらは当業界で知られている技術を用いて製造することができる。
上記の方法の1つの態様においては、核酸プローブを固形担体上に固定化する。そのような固形担体の例としては、ポリカーボネート等のプラスチック、アガロースやセファロース等の複合炭水化物、およびポリアクリルアミドやラテックスビーズ等のアクリル樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。 核酸プローブをこのような固形担体へ固定化する技術は、当業界でよく知られている。
本発明の核酸プロービングを用いた方法に適した試験サンプルとしては、例えば、細胞や細胞の核酸抽出物、または体液が挙げられる。上記方法に用いるサンプルは、アッセイの形式、検知方法、検査する組織、細胞、抽出物の性質によって異なる。細胞から核酸抽出物を調製する方法は当業界で良く知られており、使用するアッセイ方法に適したサンプルを得るために公知の方法を容易に適合させることができる。サンプルは好ましくは尿サンプルである。
III. サンプル中のPCA3核酸の存在を検知するための方法
他の態様においては、本発明は、サンプル中の前立腺癌特異的PCA3核酸の存在を検知する方法であって、a)特定の増幅条件下においてサンプルと上記の核酸プライマーとを接触せしめ、そしてb)増幅産物の存在を検知する、ことを包含する方法に関する。当業者は、上記したような公知の技術に従って核酸プライマーを適宜選択することができる。特定の1つの態様においては、プライマーの1つがPCA3のエクソン1に結合する。他の態様においては、PCA3のエクソン3またはエクソン4をプライマーの標的とする。他の態様においては、増幅産物を同定するためにプローブを用いる。試験するサンプルとしてヒト組織由来のRNAサンプルが挙げられるが、これに限定されるものではない。
IV. サンプルにおけるPCA3核酸の存在を検知するためのキット
他の態様において本発明は、少なくとも一対のプライマー(例えば、1つがエクソン1に結合し、もう1つがエクソン3に結合するペア;1つがエクソン1に結合し、もう1つがエクソン4aに結合するペア;や1つがエクソン1に結合し、もう1つがエクソン3−エクソン4aジャンクションに結合するペア)の入った少なくとも1つの容器を包含することを特徴とする、サンプル中の前立腺癌特異的PCA3核酸の存在を検知するためのキットに関する。好ましい態様においては、キットは更に増幅用試薬、プローブ、洗浄用試薬、および結合した核酸プローブの検出を可能にする試薬からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する他の容器を包含する。検出用試薬の例としては、放射線標識プローブ、酵素標識プローブ(西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ等)、アフィニティー標識プローブ(ビオチン、アビジンやストレプトアビジン等)が挙げられるが、これらに限定されない。
詳細には、区分けされたキット(compartmentalized kit)としては、試薬が別々の容器に入ったキットが挙げられる。容器の例としては、小型のガラス容器、プラスチック容器、またはプラスチック片や紙片が挙げられる。また、このような容器は、1つの区画から他の区画に試薬を効率よく移動することで、サンプルと試薬とが互いに混入することを防ぎ、且つそれぞれの容器の薬品や溶液を他の容器に定量的に加えることができるものである。このような容器には、例えば、試験サンプルを受け入れる容器、アッセイに用いるプローブやプライマーを含有する容器、洗浄用試薬(リン酸緩衝化生理食塩水、Tris緩衝液等)を含有する容器、ハイブリダイズしたプローブ、結合した抗体および増幅産物などを検出するために用いる試薬を含有する容器が挙げられる。
当業者は、本発明で説明する核酸プローブは当業界でよく知られている確立したキット形式に容易に組み入れることができることを容易に認識するであろう。
V. 診断用スクリーニング
以下の考察は特にヒト患者に関するものであるが、その教示はPCA3を発現するいかなる動物にも適用可能であることを理解されたい。
本発明の診断方法およびスクリーニング方法は、家族歴に基づき、PCA3の発現レベルの変化に関連した疾患を発病する危険があると疑いのもたれる患者、またはPCA3に関連した疾患(例えば前立腺癌)を診断することが望ましい患者に特に有用である。
本発明によれば、PCA3タンパク質をコードするDNAまたは本発明のPCA3遺伝子やその断片を用いることによって、上記のようなスクリーニングを必要とする患者について予兆的スクリーニング(presymptomatic screening)を実施することが今や可能である。本発明のスクリーニング方法によると、個人にPCA3遺伝子の欠損または異常が存在するかどうかについて出生前の診断を含む予兆診断(presymptomatic diagnosis)を行うことができ、従って、その個人がPCA3関連疾患を将来発症するかまたは現在既に発症しているかどうかの可能性に関する所見を下すことができる。これは、例えばPCA3関連疾患(例えば、前立腺癌や泌尿器系癌)の家族歴を有する個人についてPCA3遺伝子の変異や欠損の保有者を同定するのに特に有用である。また、疾患に対する最適かつ時宜にあった医療的介入の効果を最大にするために、早期診断が望ましい。
スクリーニング方法の好ましい1つの態様においては、組織サンプルを個体から採取して、前立腺癌特異的PCA3核酸の存在についてスクリーニングする。
より詳細には、患者における前立腺癌の存在または前立腺癌素因を診断する方法をここで提供する。
本発明のスクリーニング方法および診断方法においては、全長PCA3配列をプローブとして使用する必要はない。むしろ、正常なもしくは罹患した個体におけるPCA3核酸の存在、該核酸の不在、または該核酸の構造の変化(例えば、異常なスプライシングパターン)を検知するのに十分な長さの核酸または核酸断片を使用するだけで十分である。好ましくは、ここで開示したプローブのいずれかを使用する。
本発明を限定することのない態様には、PCA3 RNAを検知するためのアッセイも含まれ、このアッセイでは、スプライスしたRNA中の配列を増幅し、増幅した核酸に含まれるPCA3の選ばれたエクソン−エクソンジャンクションに対し、特異的にハイブリダイズするプローブを用いて増幅した核酸を検知する。一般的に、増幅反応に用いるプライマーの1つは第1エクソン(または上流エクソン)内の配列に特異的にハイブリダイズし、増幅反応に用いるもう一方のプライマーは第2エクソン(または下流エクソン)内の配列に特異的にハイブリダイズし、プローブは第1エクソンの3’領域から第2エクソンの5’領域に架かる配列にハイブリダイズする。即ち、プライマーがハイブリダイズする上流と下流のエクソン配列の間に存在するイントロンの少なくとも1つを欠いたスプライスされたPCA3 RNAから得た増幅配列内の、選ばれたエクソン−エクソンジャンクションにプローブは特異的である。選ばれたエクソン−エクソンジャンクションを含有するスプライスされたRNAの配列を増幅するために用いるプライマーは、一対のプライマーで増幅される領域がエクソン−エクソンジャンクション配列またはその相補的配列を含有する限り、標準的な方法で容易に決定することができる。選ばれたエクソン−エクソンジャンクションを含む配列を増幅するためには、いかなる核酸増幅方法を用いてもよく、種々のよく知られた増幅方法を用いる手順について当業者は容易に決定することができる。
選ばれたエクソン−エクソンジャンクションを検知するプローブは、プローブがエクソン−エクソンジャンクションを含む増幅配列にハイブリダイズした際に直接または間接的にシグナルをもたらすような種々の標識物質で標識してもよい。例えば、標識物質は、公知の方法で検知可能な発光性、蛍光性、放射性または酵素性のシグナルを発生する分子種(moiety)である。プローブは、エクソン−エクソンジャンクションを含む増幅核酸に対してプローブが特異的に結合した結果、検知可能なシグナル、例えば検知可能な電気刺激を発生する場合には、標識分子種で標識する必要はない。選ばれたエクソン−エクソンジャンクションに隣接するエクソン配列に対する増幅用プライマーと、PCA3ジャンクションのいくつかに特異的なプローブをここで開示し、以下(例えば、表3)に例示したが、サンプル中のスプライスされたPCA3 RNAを検知するためのアッセイを限定することのない態様の代表的なものである。このようなアッセイに用いる方法の更なる例示的な詳細については、実施例4と5に記載した。
以下に、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、これは本発明を限定するものではない。
PCA3は前立腺癌の特異的マーカーである
Gandini et al., 2003 は、PCA3の前立腺特異的発現はPCA3遺伝子のエクソン4に限定されると主張している。この論文の著者は、エクソン1と3に特異的なプライマーを用いたPCA3転写産物のRT−PCR増幅は、いくつかの非前立腺組織や細胞系においてもPCA3特異的産物を増幅することを示した。PCA3遺伝子に関する最初の発表の後に、上述の Gandini et al.の記載と全く同様にエクソン1フォワードPCRプライマーとエクソン3リバースPCRプライマーを使用した。過去4年間においてこれらプライマーを用いて種々のサンプルでPCA3を増幅したが、PCA3の非前立腺発現は未だ観察されていない。上記の Gandini et al.の文献からはPCR増幅反応を何サイクル実施したのかは明らかではないが、本実施例に記載した結果については、35サイクルを超える増幅反応を実施したことはない。増幅反応のサイクル数を増やすことによって低レベルの発現も検知される可能性を排除することはできない。しかし、その場合の発現レベルは、前立腺癌、正常前立腺、更には前立腺癌細胞系で観察されるものよりもはるかに低い値である。
ここで公表する興味深い観察結果の1つに、エクソン3と4に架かるPCA3特異的プライマー(図1)を用いると、非前立腺組織でPCA3を増幅できることがある。発現レベルは正常前立腺組織よりも低く、前立腺癌組織における発現レベルよりもはるかに低い。驚くべきことに、非前立腺組織におけるPCA3転写産物は、前立腺由来サンプルで見られるようにスプライスされたものではない。正常前立腺組織においては、非スプライス転写産物は低レベルで発現されている。前立腺腫瘍組織においては、非スプライス変異体は発現されていないか、PCR反応において選択的に増幅される、スプライスされたPCA3の過剰発現によって検知不能になっている。逆転写に付さないRNAサンプルにおいては、増幅産物は発見されず、これは非スプライスPCA3 PCR産物がDNAの混入によるものではないことを示している。
非スプライスPCA3転写産物の存在する理由についていくつかの説明が考えられる(図2)。第1に、前立腺組織においては、PCA3転写産物が組織特異的にスプライスされる。このような現象は他のいくつかの遺伝子について報告されている(Black, 2003)。第2に、他の非特異的プロモーターがPCA3遺伝子に存在し、前立腺特異的ではない第2転写産物をもたらす。PCA3のエクソンに隣接する強力なスプライシングコンセンサス配列が存在する(上述の Bussemakers et al.)にもかかわらず転写産物はスプライシングされないので、この選択肢はあまり現実的ではない。第3に、非特異的プロモーターがPCA3遺伝子の3’末端に逆向きに存在し、多くの組織においてアンチセンスPCA3転写産物をもたらす。最近になって、アンチセンス転写がヒトゲノムの広範囲わたって生じることが報告されており(Yelin et al., 2003)、従って、アンチセンスPCA3転写産物の存在はありえないことではない。多くの場合、このようなアンチセンス転写産物は遺伝子調節機構に関与している(上記の Yelin et al.)。従って、このような推定PCA3アンチセンス転写産物が前立腺細胞におけるPCA3転写の調節に関与するか、それとは逆に、前立腺細胞においてPCA3転写産物が未だ同定されていない、アンチセンスに転写される遺伝子に影響を与えているのかもしれない。近年、選択的スプライシングまたは選択的転写開始メカニズムが、観察された非前立腺PCA3様転写産物を司るか否かについて研究している。
RT−PCRによるPCA3の発現
図3は、PCA3遺伝子またはPCA3様遺伝子の転写が、前立腺以外の組織において明らかであること示す。しかし、これら転写産物は、スプライスされていないか、PCA3遺伝子に相補的(即ち、アンチセンス鎖)である。今日まで、選択的スプライシングを受けたPCA3変異体(例えば、エクソン1〜3産物)が非前立腺組織で観察されたことはない。PCA3を前立腺癌のマーカーとして用いることには、1つの大きな意義がある。それは、患者サンプル中のPCA3転写産物を増幅するための好ましいプライマーは、1つの態様において、大きな(16kbの)第1イントロンに架かるものである。PCA3遺伝子のこの領域は選択的な非スプライス転写産物またはアンチセンス転写産物に存在するが、前立腺特異的スプライス型のPCA3には存在しない。従って、エクソン1〜3またはエクソン1〜4に対するプライマーペアを用いることは、(特に、大きなイントロンが非スプライス転写産物においてこの領域の増幅を妨げている条件下において)増幅した前立腺特異的スプライス型のPCA3を検知するために本発明で用いる好ましい手段の1つである。患者材料中のPCA3 RNAを検知するための、エクソン1フォワードプライマーとエクソン4リバースプライマーおよびエクソン4特異的検知プローブを使用した2つの独立したアッセイが開発されている(De Kok et al., 2002; Hessels et al., 2003)。PCA3検知アッセイを、200を超える患者サンプルに対して実施したところ、非常に特異的で感度がよく、陰性適中率が高いことが示されている(上述の Hessels)。100個を超える対照サンプルの分析結果も、未だ非特異的増幅産物をもたらしていない。
スプライスされたPCA3 RNAを検知するための、エクソン−エクソンジャンクション用プローブを用いたアッセイ
この実施例は、PCA3 RNAを検知するためのアッセイ法を限定することのない一態様をいくつか詳述する。このアッセイ法においては、スプライスされたRNA中の配列を増幅し、増幅した核酸内に存在する、PCA3の選択したエクソン−エクソンジャンクションに特異的にハイブリダイズするプローブを用いて増幅した配列を検知する。一般的に、増幅反応に用いるプライマーの1つは第1エクソン(または上流エクソン)内の配列に特異的にハイブリダイズし、増幅反応に用いるもう一方のプライマーは第2エクソン(または下流エクソン)内の配列に特異的にハイブリダイズし、プローブは第1エクソンの3’領域から第2エクソンの5’領域に架かる配列にハイブリダイズする。即ち、プライマーがハイブリダイズする上流と下流のエクソン配列の間に存在するイントロンの少なくとも1つを欠いたスプライスされたPCA3 RNAから得た増幅配列内の、選ばれたエクソン−エクソンジャンクションにプローブは特異的である。選ばれたエクソン−エクソンジャンクションを含有するスプライスされたRNAの配列を増幅するために用いるプライマーは、一対のプライマーで増幅される領域がエクソン−エクソンジャンクション配列またはその相補的配列を含有する限り、標準的な方法で容易に決定することができる。選ばれたエクソン−エクソンジャンクションを含有する配列を増幅するためにはいかなる核酸増幅方法を用いてもよく、種々のよく知られた増幅方法を用いる手順を当業者は容易に決定することができる。
選ばれたエクソン−エクソンジャンクションを検知するプローブは、プローブがエクソン−エクソンジャンクションを含有する増幅配列にハイブリダイズした際に直接または間接的にシグナルをもたらすような種々の標識物質で標識してもよい。例えば、標識物質は、公知の方法で検知可能な比色性、発光性、蛍光性、放射性または酵素性のシグナルを発生する分子種である。プローブは、エクソン−エクソンジャンクションを含有する増幅配列に対してプローブが特異的に結合した結果、検知可能なシグナル、例えば検知可能な電気刺激を発生する場合には、標識分子種で標識する必要はない。
エクソン−エクソンジャンクションを含有する核酸配列を増幅するための増幅用プライマーペアの組み合わせの具体例、およびエクソン−エクソンジャンクソン用プローブ配列のいくつかの態様について表3に示した。当業者は、下記に示すプローブ配列の開示には、開示した配列の相補的配列や、開示した特定の配列にあまり重要ではない変更(即ち、標準的なハイブリダイゼーション条件下でプローブが選ばれたエクソン−エクソンジャンクション配列に特異的にハイブリダイズする能力に影響を与えない変更)を加えた配列も包含されることを理解する。更に、プローブ配列はDNA配列として開示したが、当業者は、対応するRNA配列やその相補配列もプローブとして使用可能である点を理解する。また、プローブ塩基配列の主鎖には1つ以上の標準的なRNA連鎖、DNA連鎖、RNA−DNA混合連鎖、または2’−O−メチル連鎖やペプチド−核酸連鎖などの他の連鎖が含まれていてもよく、これらは当業者に広く知られるものである。
表3(第1欄)に示したように、検知すべき選ばれたエクソン−エクソンジャンクションはエクソン1と2(エクソン1/エクソン2)、エクソン1と3(エクソン1/エクソン3)、エクソン2と3(エクソン2/エクソン3)またはエクソン3と4(エクソン3/エクソン4)を結合する。プライマーペアは、選ばれたエクソン−エクソンジャンクションに直接または間接的に隣接する2つの異なるエクソンに位置する配列である(表3、第2欄)。従って、エクソン1/エクソン2ジャンクションに対するプライマーペアは、エクソン1に含まれる配列に特異的な1つのプライマーとエクソン2に含まれる配列に特異的な他のプライマーとのペアである。しかし、エクソン2/エクソン3ジャンクションやエクソン3/エクソン4ジャンクションを検知する場合には、増幅した配列が選ばれたエクソン−エクソンジャンクション領域を含む限り、プライマーペアは2種を超えるエクソンから選択してもよい(下記表の第2欄を参照)。「エクソン4」プライマーには、エクソン4a、4b、4cまたは4dの配列のいずれかに含まれる配列に特異的なプライマーが含まれる。
Figure 2011172574
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選ばれたエクソン−エクソンジャンクションに隣接するエクソン配列に対する増幅用プライマーおよびいくつかのPCA3ジャンクションに特異的なプローブに関する、本発明を限定することのない例示は、サンプル中のスプライスされたPCA3 RNAを検知するためのアッセイに関する代表的な態様である。
このようなアッセイで使用することのできる手法や態様の更なる詳細については、以下の実施例に記載した。当業者であれば、ここに記載した手法や試薬の変種を使用しても、実験によって得られる結果や考察に実質的な影響を与えることはないことを理解する。従って、以下の実施例は本発明を限定することのない態様を説明するものである。
PCA3増幅アッセイの感度
この実施例は、PCA3 mRNAのエクソン3−エクソン4スプライス変異体を標的とした増幅アッセイの感度について説明する。以下の実験で使用するために、オリゴヌクレオチドを自動合成装置(ExpediteTM 8909 核酸合成装置、カリフォルニア州、フォスターシティ、Applied Biosystems社製)を用いた標準的なホスホアミダイト化学(例えば、Caruthers et al., Methods in Enzymol., 154: 287 (1987) に記載の方法)によって合成した。
核酸プライマーを転写媒介性増幅法(TMA)で使用するために設計した。TMA法は既に詳細に報告されている方法である(例えば、Kacian et al.、米国特許第5,399,491号と第5,480,784号)。TMAは、逆転写酵素とRNAポリメラーゼを用いて標的配列のコピー数を10億倍以上にする等温増幅手法である。簡単に説明すると、TMAにおいては、一対の増幅用オリゴヌクレオチド(そのうちの1つは5’RNAポリメラーゼプロモーター配列を有する)の存在下で、一本鎖標的配列を用いて逆転写酵素によって二本鎖DNA中間体を合成する。DNA中間体は、RNAポリメラーゼによって認識され、標的配列の転写(即ち、数百コピーのRNA)を誘導する二本鎖プロモーター配列を含んでいる。次に各RNA転写産物を二本鎖DNA中間体に変換し、それを更なるRNAの産生に使用するので、その結果、反応が指数関数的に進行する。
以下の配列を有するプライマーを合成した: CAGGAAGCACAAAAGGAAGC(配列番号3)および AATTTAATACGACTCACTATAGGGAGAGGCTCATCGATGACCCAAGATGG(配列番号36)。2番目のプライマー(「プロモータープライマー」とも呼ばれる)の下線で示した5’部位はTMA手法で用いるT7プロモーター配列(AATTTAATACGACTCACTATAGGGAGA、配列番号37)であるが、当業者は、3’標的特異的配列(GGCTCATCGATGACCCAAGATGG、配列番号38)またはその相補的配列からなるプライマーも、T7 RNAポリメラーゼによる転写の関与しない増幅反応では同等に使用できる点を理解している。これらプライマーは、PCA3 mRNAのエクソン3と4の間のスプライスジャンクションに架かる領域を増幅するように設計したものである。エクソン3−エクソン4スプライスジャンクションに架かるプローブ(GGAAGCACAGAGATCCCTGG、配列番号8)を使用した。即ち、スプライスされたmRNAから誘導したアンプリコンのみを特異的に検知し、エクソン3−イントロン3−エクソン4未スプライス型を検知しないようにプローブを設計した。プローブは非ヌクレオチドリンカー(Arnold et al.、米国特許第5,585,481号と第5,639,604号を参照)を含むように in vitro で合成し、化学発光性のアクリジニウムエステル(Arnold et al.、米国特許第5,185,439号を参照)で標識した。増幅反応の標的RNAは、PCA3 mRNAのエクソン1−エクソン3−エクソン4スプライス型の配列を含有する in vitro 転写産物だった。当業者は、その他の標準的な方法、例えば、標的の精製を含む、RNAse活性を阻害する界面活性剤含有緩衝化溶液を用いた細胞の化学融解(例えば、米国特許第6,110,678号で Weisburg et al. の発表した方法)、によっても標的を産生可能であることを理解するであろう。
試験した各標的濃度、即ち、1回の反応当たりの標的が0〜10,000コピー(表4を参照)、について3本のサンプル用チューブを使用した(n=3)。各反応チューブに、各プライマー(それぞれ15pmol)を含有する増幅用試薬を加えた(増幅用試薬は、26.7mMのrATP、5.0mMのrCTP、33.3mMのrGTP、5.0mMのrUTP、125mMのHEPES、8%(w/v)の二水和トレハロース、1.33mMのdATP、1.33mMのdCTP、1.33mMのdGTP、1.33mMのdTTP、33mMのKCl、30.6mMのMgCl2、0.10%(w/v)のメチルパラベン、0.02%(w/v)のプロピルパラベンと0.003%のフェノールレッドを含有する75μlの溶液(pH7.5)である)。次にチューブに標的RNA転写産物を含有する水を10μl加えて混合し、更に200μlのシリコンオイル(ペンシルバニア州、ブリストル、United Chemical Technologies, Inc.製)を反応チューブに加えてふたをし、ボルテックスに約10秒間付した後に初期のアニーリング工程として62℃の恒温槽で約10分間インキュベートした。ここでプロモーター/プライマーの標的核酸への結合が生じた。反応チューブを次に42℃で約5分間インキュベートし、その後、25μlの酵素試薬を各反応チューブに加えて穏やかに混合し、42℃で約60分間インキュベートした(酵素試薬は、50mMのHEPES、125mMのN−アセチル−L−システイン、120mMのKCl、1mMのEDTA、20%(v/v)のグリセリン、10.2%(v/v)の TRITON X-100、0.2Mのトレハロース、0.90U/mlのマロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)逆転写酵素(RT)と0.20U/mlのT7 RNAポリメラーゼを含有、pH7.0;ここでは、1UのMMLV−RTのRT活性を、37℃で15分間に合成し放出するcDNAが5.75fmolと定義し、1UのT7 RNAポリメラーゼ活性を、37℃で20分間に産生するRNA転写産物が5.0fmolと定義した)。
PCA3増幅産物を検知するために、反応チューブを室温に戻し、100fmolの標識した検知用プローブと400pmolの未標識プローブとを含む100μlのハイブリダイゼーション試薬(100mMのコハク酸、2%(w/v)のラウリル硫酸リチウム、100mMの水酸化リチウム、15mMのアルドリチオール−2、1.2MのLiCl、20mMのEDTAと3.0%(v/v)のエタノール、pH4.7)を各反応チューブに加えた。標識した検知用プローブは、10番と11番ヌクレオチドの間に位置する非ヌクレオチドリンカーによってプローブに連結したアクリジニウムエステル標識を有し、未標識のプローブは同じ核酸配列であるが標識されていないオリゴマーである。反応チューブにふたをし、ボルテックスに約10秒間付し、検知用プローブの増幅産物へのハイブリダイゼーションを実施するために、62℃で約20分間インキュベートした。反応チューブを室温で約5分間冷却し、各チューブに250μlの選択用試薬(600mMのホウ酸、182.5mMのNaOHと1%(v/v)のTRITON X-100、pH8.5)を加えた。反応チューブにふたをし、ボルテックスに約10秒間付し、そしてハイブリダイズしていない標識プローブに結合したアクリジニウムエステル標識を加水分解するために、62℃で約10分間インキュベートした。反応チューブを約15分間で約18〜28℃まで冷却し、(相対光単位またはRLUとして表す)化学発光性シグナルを発光測定機(LEADER7 450h または LEADER7 HC+ Luminometer;カリフォルニア州、サンディエゴ、Gen-probe Inc.製)を用いて検知した。発光測定機は、検知用試薬1(1mMの硝酸と32mMの過酸化水素)の自動注入と、それに続く検知用試薬2(pHをほぼ中性に調整するための1.5MのNaOH)の自動注入を行うための装置を装備していた。この実験における負の結果のカットオフ値は50,000RLUである、即ち、陽性サンプルは50,000RLUを超えるシグナルを発した。
表4に示した結果は、PCA3アッセイの検知するPCA3 RNA転写産物の最小コピー数が10であることを示す。標的のコピー10個を使用して得られたシグナル(RLU)は、負のサンプル(コピー数0)を使用して得たシグナルの約15倍も大きかった。検知したRLUシグナルはサンプルに存在した標的の相対量と正の相関を示し、これはPCA3アッセイ系の定量的性質を現している。
Figure 2011172574
男性および女性の尿由来の細胞ペレットにおけるPCA3 mRNAの増幅
この実施例は、尿由来細胞ペレットにおけるPCA3エクソン3−エクソン4スプライス変異体mRNAの検知について開示する。特に記載しない限り、試薬は実施例4と同じである。細胞ペレットは、正常な男性3人と正常な女性1人から得た200μlの尿を遠心分離(1500 RCFで15分)に付すことで得た。各対象から5つのサンプルを調製し分析した。尿の上澄みをデカンテーションした後、チューブから水分を抜いた。標的核酸を放出するために各細胞ペレットを400μlの融解緩衝液(15mMのリン酸一ナトリウム、15mMのリン酸二ナトリウム、1.0mMのEDTA、1.0mMのEGTA、110mMのラウリル硫酸リチウムを含有、pH6.7、62℃で10分間インキュベートしたもの)の中で融解し、その後、室温で約5分間冷却した。
PCA3 mRNA標的核酸をサンプルチューブに存在する他の成分から分離するために、サンプルチューブの内容物をきれいなチューブに移し、1.5pmolの標的キャプチャープローブ(AUCUGUUUUCCUGCCCAUCCUUUAAGTTT(A)30 、配列番号39)を含有する100μlの標的キャプチャー試薬を添加した(標的キャプチャー試薬は、250mMのHEPES、310mMのLiOH、1.88MのLiClと100mMのEDTAを含有するpH6.4の溶液に、1ミクロンの磁気粒子(Sera-MagTM MG-CM Carboxylate Modified;インディアナ州、インディアナポリス、Seradyn, Inc.製)に(dT)14オリゴマーを共有結合させたもの250μg/mlを加えたものである)。このキャプチャープローブは、5’標的結合領域(AUCUGUUUUCCUGCCCAUCCUUUAAG、配列番号40)と3’固定化プローブ結合領域(TTT(A)30、配列番号41)を有する。チューブにふたをして手で振り、キャプチャープローブの標的結合領域が標的核酸にハイブリダイズするように62℃で約30分間インキュベートし、磁気粒子に結合した(dT)14に相補的なキャプチャープローブの固定化プローブ結合領域の(dA)30配列のハイブリダイゼーションのために室温で約30分間冷却した。次に、チューブの外側から磁場を約5分間あてて核酸の結合した磁気粒子を単離し、その後サンプル溶液をチューブから吸引した。各チューブ内の核酸の結合した粒子を1mlの洗浄溶液で洗浄し(即ち、150mMのNaCl、10mMのHEPES、6.5mMのNaOH、1mMのEDTA、0.3%(v/v)のエタノール、0.1%(w/v)のSDS、0.02%(w/v)のメチルパラベンと0.01%(w/v)のプロピルパラベンを含有するpH7.5の溶液中で、ボルテックスに10〜20秒付し)、粒子から洗浄溶液を吸引で取り除く前に、磁場(約5分)を用いて再度粒子を分離した。
標的キャプチャー工程に続いて、実施例4で使用したプライマーを含有する増幅用試薬75μlを各反応チューブに加え、増幅反応、プローブのハイブリダイゼーションそして検知を実施例4と同様に行った。表5に示した結果は、PCA3アッセイは男性尿由来細胞ペレットからPCA3誘導核酸を増幅して検知するが、女性尿由来細胞ペレットからは増幅も検知もしないことを示した。3人の正常男性から得たRLU値の範囲にはばらつきがあり、これはPCA3を発現する細胞の回収率の違いまたはPCA3 mRNA発現の違いを表している。女性尿由来細胞ペレットから得たRLU値はバックグラウンド値と同等であり、これは検知可能なPCA3 mRNAが存在しないことを意味する。表5の「CV」は変異係数の略語であり、データの平均値に対する各データの標準偏差を百分率で表したものである。
Figure 2011172574
本明細書に記載した全ての出版物の内容が、ここで参照することによって組み込まれているものとする。
本発明について好ましい実施態様を用いて上で説明したが、当業者は、添付の請求の範囲によって定義された本発明の精神とその本質から逸脱することなく、実施態様に変更を加えることが可能である点を理解するであろう。
Gandini, O., Luci, L., Stigliano, A., Lucera, R., Di Silverio, F., Toscano, V., and Cardillo, M. R. Is DD3 a new prostate-specific gene? Anticancer Res., 23 (1A): 305-308, 2003. Bussemakers, M. J., van Bokhoven, A., Verhaegh, G. W., Smit, F. P., Karthaus, H. F., Schalken, J. A., Debruyne, F. M., Ru, N., and Isaacs, W. B. DD3: a new prostate-specific gene, highly overexpressed in prostate cancer. Cancer Res., 59: 5975-5979, 1999. Black, D. L. Mechanisms of alternative pre-messenger RNA splicing. Annu. Rev. Biochem., 2003, 72: 291-336. Yelin, R., Dahary, D., Sorek, R., Levanon, E. Y., Goldstein, O., Shoshan, A., Diber, A., Biton, S., Tamir, Y., Khosravi, R., Nemzer, S., Pinner, E., Walach, S., Bernstein, J., Savitsky, K., and Rotman, G. Widespread occurrence of antisense transcription in the human genome. Nat. Biotechnol., 21: 379-386, 2003. de Kok, J. B., Verhaegh, G. W., Roelofs, R. W., Hessels, D, Kiemeney, L. A., alders, T. W., Swinkels, D. W., and Schalten, J. A. PCA3, a very sensitive and specific marker for to detect prostate tumors. Cancer Res., 62: 2695-2698, 2002. Hessels, D., Klein Gunnewiek, J., Oort, I., Karthaus, H. F. M., van Leenders, G. J. L., van Balken, B., Kiemeney, L. A., Witjes, J. A., and Schalken, J. A. PCA3-based molecular urine analysis for the diagnosis of prostate cancer. Eur. Urol., 44: 8-16, 2003.
配列番号3: 合成構築物
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配列番号46: 合成構築物

Claims (1)

  1. 対象生物の尿路由来非前立腺サンプルから腎臓細胞または膀胱細胞を検知するためのin vitroの方法であって、
    − 尿路由来非前立腺サンプルからRNAを単離し、
    − PCA3のエクソン3−エクソン4 RNAスプライスジャンクションに架かる領域を増幅するためのプライマーペアを用いて該単離したRNAに含まれるPCA3核酸を増幅することによって、増幅産物を採集し、そして
    − 採集した増幅産物の中から、PCA3のイントロン3またはその相補鎖を包含する増幅核酸を検出する
    ことを包含し、PCA3のイントロン3またはその相補鎖を包含する該増幅核酸の検出をもって、該尿路由来非前立腺サンプル中の腎臓細胞または膀胱細胞の存在を検知する方法。
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