JP2011170443A - 基準電圧生成回路及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】交流的な電源電圧変動による基準電圧への影響を抑え、かつ、半導体装置に内蔵する場合にレイアウト面積を小さくできる基準電圧生成回路を提供する。
【解決手段】それぞれカソードが基準電位に接続された第1、第2のダイオードと、第2のダイオードのアノードに一端が接続された第1の抵抗素子と、第2の抵抗素子と、第1の抵抗素子の他端に一端が接続された第3の抵抗素子と、第1のダイオードのアノードに一端が接続された第4の抵抗素子と、第1、第2の差動入力端子と差動出力端子とを有する差動増幅回路と、を備え、第1の差動入力端子に第1の抵抗素子の他端が接続され、第2の差動入力端子に第2の抵抗素子を介して第1のダイオードのアノードが接続され、差動出力端子に第3の抵抗素子の他端と第4の抵抗素子の他端とが接続されている。
【選択図】図3
【解決手段】それぞれカソードが基準電位に接続された第1、第2のダイオードと、第2のダイオードのアノードに一端が接続された第1の抵抗素子と、第2の抵抗素子と、第1の抵抗素子の他端に一端が接続された第3の抵抗素子と、第1のダイオードのアノードに一端が接続された第4の抵抗素子と、第1、第2の差動入力端子と差動出力端子とを有する差動増幅回路と、を備え、第1の差動入力端子に第1の抵抗素子の他端が接続され、第2の差動入力端子に第2の抵抗素子を介して第1のダイオードのアノードが接続され、差動出力端子に第3の抵抗素子の他端と第4の抵抗素子の他端とが接続されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、基準電圧生成回路及び半導体装置に関する。特に、いわゆるバンドギャップリファレンスを用いた基準電圧生成回路及びその基準電圧生成回路を一つの半導体基板上に形成した半導体装置に関する。
半導体集積回路における基準電圧生成回路において、いわゆるバンドギャップリファレンス回路は、トランジスタやダイオードの有する温度特性を補償できることから、広く用いられている。一般的なバンドギャップリファレンス回路を図1に示す。この図1の回路は、特許文献1に従来技術として記載されている回路である。このバンドギャップリファレンス回路は、PNPトランジスタQ1のエミッタベース間のPN接合に生じる順方向電圧と、Q1よりトランジスタサイズの大きな(電流密度が小さい。図1ではトランジスタサイズは8倍。)PNPトランジスタQ2のエミッタベース間のPN接合に生じる順方向電圧に抵抗RPTATに生じる電圧を加算した電圧が等しくなるように基準電圧VBGを生成する。トランジスタのベースエミッタ間(PN接合ダイオードの順方向)電圧が負の温度係数を有し、Q1とQ2のベースエミッタ間電圧の差が正の温度係数を有することから、R1、R2、RPTATの抵抗値を適切に選択すれば、トランジスタ(PN接合ダイオード)の有する温度特性を補償できることが知られている。
このバンドギャップリファレンス回路は、基準電圧や基準電流の生成のためにアナログ回路で広く用いられている。バンドギャップリファレンス回路を用いれば、温度特性、半導体装置に製造工程におけるプロセス変動、直流的な電源電圧変動にほとんど依存せずに基準となる直流電圧を生成することができる。
特許文献1には、電源に交流ノイズが乗った場合においても、生成する基準電圧に影響が及ばないようにするバンドギャプリファレンスを利用した基準電圧生成回路が記載されている。図2は、特許文献1に記載されている電源ノイズ対策を行ったバンドギャップリファレンス回路のブロック図である。特許文献1には、バンドギャップリファレンス回路では、Q1とQ2でサイズの異なるトランジスタを用いる必要があるためQ1とQ2で寄生容量が異なり、電源ノイズに対して異なった反応を示し、電源電圧の振動により直流電圧に誤差が生じることが記載されている。これに対して特許文献1では、図2に示すように、トランジスタQ1のベースエミッタ間の寄生容量と容量C4との和が、トランジスタQ2のベースエミッタ間の寄生容量と容量C3との和が等しくなるように容量C3とC4を新たに設けバンドギャップリファレンス回路の電源電圧除去比(PSRR)を改善することが記載されている。
以下の分析は本発明により与えられる。バンドギャップリファレンス回路はダイオードを用いることから電源電圧がノイズ等に起因して振動し、差動増幅回路の入力端子、出力端子を介してダイオードに電流が流れると、ダイオードの整流作用により、電源電圧の変動が基準電圧の直流電圧誤差となって表れる。差動増幅回路の出力端子を介してダイオードに流れるノイズ電流は、通常、出力VBGの安定化のために容量を設けるのでそれにより回避可能である。しかし、差動増幅回路の入力端子を介してダイオードに流れるノイズ電流はこれでは回避できない。バンドギャップリファレンス回路は半導体装置において、電圧、電流の基準生成の役割を担っているため、その基準電圧がずれるとシステムの特性劣化へつながる恐れもある。そのため、差動増幅回路の入力端子を介してダイオードに流れるノイズ電流を減らし、基準電圧の誤差を改善する必要がある。
特許文献1のように差動増幅回路の入力端子に容量を付加することも考えられるが、バンドギャップリファレンス回路を半導体集積回路に内蔵する場合に、容量素子のレイアウト面積が大きくなる。
本発明の第1の側面による基準電圧生成回路は、それぞれカソードが基準電位に接続された第1、第2のダイオードと、前記第2のダイオードのアノードに一端が接続された第1の抵抗素子と、第2の抵抗素子と、前記第1の抵抗素子の他端に一端が接続された第3の抵抗素子と、前記第1のダイオードのアノードに一端が接続された第4の抵抗素子と、第1、第2の差動入力端子と差動出力端子とを有する差動増幅回路と、を備え、前記第1の差動入力端子に前記第1の抵抗素子の他端が接続され、前記第2の差動入力端子に前記第2の抵抗素子を介して前記第1のダイオードのアノードが接続され、前記差動出力端子に前記第3の抵抗素子の他端と第4の抵抗素子の他端とが接続されている。
また、本発明の第2の側面による基準電圧生成回路は、それぞれカソードが基準電位に接続された第1、第2のダイオードと、前記第2のダイオードのアノードに一端が接続された第1の抵抗素子と、前記第1の抵抗素子の他端の電圧と前記第1のダイオードのアノード電圧とがそれぞれ第1及び第2の差動入力端子に入力し、差動出力端子から出力する電圧により前記第1のダイオードのアノードから前記基準電位に流れる第1の電流と、前記第1の抵抗素子から前記第1の第1のダイオードを介して前記基準電位に流れる第2の電流を制御する差動増幅回路と、前記第1のダイオードのアノードと前記第2の差動入力端子との間に接続された第2の抵抗素子と、を備え、前記第1のダイオードのアノード電圧と同一の電圧が前記第2の抵抗素子を介して前記第2の差動入力端子に入力するように構成されている。
さらに、本発明の第3の側面による半導体装置は、上記第1または第2の側面による基準電圧生成回路と、前記差動出力端子から出力する基準電圧が供給される回路と、が同一の半導体基板上に形成されている。
本発明によれば、ダイオードのアノードと差動入力端子との間に抵抗素子を設けているので電源電圧の振動に起因する電流が差動入力端子からダイオードに回り込むことを防ぐことができる。また、大きな容量を設ける必要がないので、レイアウト面積を小さくすることができる。
基準電圧生成回路の差動増幅回路の電源に10MHZ程度の比較的低い周波数のノイズが乗ると差動入力端子に接続される入力トランジスタの寄生容量により差動増幅回路の電源変動によって流れる電流が差動入力端子に接続されるダイオードのアノードに流れる。ダイオードは整流作用を持っているため、ノイズにより生じる電流が直流電圧誤差となって表れる(図9参照)。差動入力端子とダイオードとの間に第2の抵抗素子(例えば図3、図10、図11、図12、図13のR2)を設けることにより、ノイズ等に起因する電源電圧の振動による電流が差動入力端子からダイオードには流れにくくなり、電流がダイオード以外へ流れるようになり、直流電圧誤差が改善できる。
また、第2の抵抗素子は比較的小さな抵抗値であっても効果が得られるので、基準電圧生成回路を半導体集積回路に内蔵する場合には、特許文献1のようにダイオードと並列に容量を設けるよりも半導体チップのレイアウト面積を小さくすることができる(例えば、図9のシミュレーション結果によれば、25kΩの抵抗は、5pFの容量に相当)。また、差動入力端子とダイオードとの間に第2の抵抗を設けることに加えて、差動入力端子と基準電位との間に容量を設けてもよい。その場合の容量のレイアウト面積もダイオードに容量をつけるより小さくすることができ、より大きな効果が得られる。
本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳しく説明する。
図3は、実施例1による基準電圧生成回路のブロック図である。図3において、PNPトランジスタQ1、Q2は、ベースエミッタ間のPN接合をダイオードとして使用する。したがって、トランジスタQ1は、必ずしもトランジスタである必要はなく、アノードがノードVB1、カソードが基準電位(グランド)GNDに接続されたPN接合ダイオードとして機能するものであればよい。同様にトランジスタQ2も、アノードが第1の抵抗素子R1の一端にカソードが基準電位に接続されたPN接合ダイオードとして機能するものであればよい。すなわち、図3の基準電圧回路は、カソードが基準電位GNDに接続された第1のダイオードQ1と第2のダイオードQ2を備えている。第2のダイオードQ2のアノードには、第1の抵抗素子R1の一端が接続されている。第1の抵抗素子R1の他端(ノードVB2)は、第3の抵抗R3の一端と差動増幅回路OAの反転信号入力端子INNに接続される。第1のダイオードQ1のアノード(ノードVB1)は、第4の抵抗素子R4の一端と第2の抵抗R2の一端に接続される。さらに第2の抵抗R2の他端は差動増幅回路OAの非反転信号入力端子に接続される。差動増幅回路OAには、電源AVDDが供給され、差動出力端子は、基準電圧Voとして基準電圧生成回路以外の他の回路に供給されると共に、第3の抵抗素子R3の他端と、第4の抵抗素子R4の他端と、に接続される。
また、トランジスタQ1とQ2のエミッタの面積比は、1対N(Nは1より大きい実数)であり、トランジスタQ2のエミッタ面積はトランジスタQ1のエミッタ面積のN倍である。
図4は、図3のトランジスタQ1、Q2をダイオードに置き換えて記載したブロック図である。図4に示すとおり、トランジスタQ1に対してトランジスタQ2のエミッタ面積がN倍であるので、Q1が1個のダイオードであると考えれば、Q2は、N個のダイオードが並列に接続されていることになる。N個のダイオードが並列に接続されることにより、ダイオードを流れる電流の電流密度は、1個のダイオードの場合と比較して1/N小さい。言い換えるならば、ダイオードQ1の電流密度は、ダイオードQ2のN倍である。
図6は、図3における差動増幅回路OAの一例を示す内部回路図である。図6の差動増幅回路OAは、電流源Itail、ソースが共通に電流源Itailに接続されたPMOSトランジスタM1とM2からなる差動対と、ソースが共通に基準電位GNDに接続され、ゲートが共通にPMOSトランジスタM1のドレインに接続された負荷回路により構成されている。差動増幅回路OAの非反転信号入力端子INPはPMOSトランジスタM1のゲートに、反転信号入力端子INNはPMOSトランジスタM2のゲートに接続され、PMOSトランジスタM2のドレインは、NMOSトランジスタM4のドレインと共通に差動出力端子Voに接続されている。また、電流源Itailは、電源端子ADDDに接続されている。
図5は、図3の基準電圧生成回路を差動増幅回路の非反転信号入力端子INPから見た等価回路図である。図5において、破線内は、差動増幅回路OAの非反転信号入力端子INP側の簡易等価回路を示す。差動増幅回路OAの内部回路は、図6に示す内部回路を想定している。Inoiseは、電源AVDDの変動(振動)により電源端子AVDDから差動増幅回路OAに流れこむ電流である。CgsはPMOSトランジスタM1(図6参照)のゲートソース間容量、Vgsはゲートソース間電圧である。gmはPMOSトランジスタM1のコンダクタンスであるので、gmVgsはPMOSトランジスタM1のゲートソース間に流れる電流を示す。CgdはPMOSトランジスタM1のゲートドレイン間容量、CgbはPMOSトランジスタM1のゲートバルク(バルクはバックゲート、基板)間の容量である。CsdはPMOSトランジスタM1のソースドレイン間容量、CoはノードVn(図6参照)から基準電位(GND)をみたときの容量、r0はノードVnから基準電位(GND)をみたときの抵抗である。さらに、抵抗R2、R4、ダイオードQ1、差動増幅回路の出力する基準電圧Voは、図3で説明したとおりである。また、Rは差動増幅回路OAの差動出力端子(ノードVo)から見た抵抗R3のパス及び差動増幅回路OAの抵抗である。
次に、図5を用いて、電源電圧AVDDがノイズ等により振動した場合の動作を説明する。図5では、電源AVDDの揺れにより差動増幅回路OAの電流源Itailが揺れてノイズ電流Inoiseが印加されるモデルを想定している。通常、ゲートソース間容量Cgs>>ソースドレイン間容量Csdであるため、ノイズ電流Inoiseはほぼすべてゲートソース間容量Cgsを流れる。ゲートソース間容量Cgsを流れたノイズ電流は、ノードINPからGND側を見たインピーダンスが低いノードへと多く流れる。ゲートドレイン間容量Cgd、ゲートバルク間容量Cgbはノイズ周波数が低い場合、非常にインピーダンスが高くなるため、抵抗R2がなければノイズ電流はダイオードの方(ノードINPからノードVB1の方)へと流れる。そのため、ダイオードにノイズが乗ってしまう。そこで、ノードINPに抵抗R2を挿入することで、INPからダイオード側を見たインピーダンスが高くなる。したがって、ゲートドレイン間容量Cgdやゲートバルク間容量Cgbの方にノイズ電流が流れ込み、ダイオード側へノイズ電流が流れ込みにくくなる。
比較例として図7に、図2の従来の基準電圧生成回路を想定して差動増幅回路OAの非反転信号入力端子から見た簡易等価回路を示す。なお、差動増幅回路OAの内部回路は図6と同一の構成とした。したがって、図7に示す簡易等価回路も破線内の差動回路OA内の回路は図5と同一である。図7の簡易等価回路では、図5のノードINPとノードVB1との間に設けられていた抵抗R2が設けられておらず短絡して接続されており、ノードINPと基準電位(GND)との間に容量C4が設けられている。図5、図7のモデルを使用して、抵抗R2、容量C4の条件値を実際に求め、比較する。
図5より、まず、ダイオードQ1に流れ込むノイズ電流を減らすためのR2の条件を求める。ノードINPからみた容量値Cpは、ゲートバルク間容量Cgbと、ゲートドレイン間容量Cgdと容量Coとの直列容量と、が並列に接続されていると考え、r0の抵抗値を充分大きいと仮定して無視して、約1pFとする。また、ノイズ電流の周波数を10MHzとする。ダイオードQ1に流れ込むノイズ電流を減らすための必要な抵抗R2の抵抗値をR2として、式(1)により概略求められる。
R2>>1/(2*π*fn*Cp)≒16kΩ 式(1)
次に、図7において、Rは十分に大きいと仮定し、ダイオードQ1の交流的な内部インピーダンスRqを10kΩとすると、ダイオードQ1に流れ込むノイズ電流を減らすためのC4の条件は、式(2)により求められる。
1/(2*π*fn*C4)<<Rq 式(2)
式(2)を解くと式(3)が求められる。
C4>>1.6pF 式(3)
仮に実施例1の抵抗R2の抵抗値をR2=16kΩとして、比較例の容量C4の容量値C4をC4=1.6pFとしたとしても、半導体集積回路においては、16kΩの抵抗の方が、1.6pFの容量より充分小さい面積でレイアウトすることができる。
次に、実際の回路を使用して、実施例1の抵抗R2と比較例の容量C4がどの程度の値で同じ効果となるかをシミュレーションした。図8にシミュレーション結果を示す。また、図9は、図8のシミュレーション結果に説明を付加した図である。図8では、図1に示すノイズに対して何も対策を行わない回路を比較例1とし、図2のダイオードQ1と並列に容量C4を設けた回路を比較例2として、図3のノードVB1とノードINPとの間に抵抗R2を設けた実施例1の回路と比較した。図8、図9でプロットしているのは、基準電圧生成回路の出力する基準電圧Voである。比較例2では、容量C4の値として5PFの容量を付加し、実施例1で抵抗R2の値を25kΩとしたところ、ほぼ同一の結果が得られた。電源電圧に変動(ノイズ)がない場合は、比較例1、比較例2、実施例1で実質的な差異はなく、1.2Vを超えた電圧で一定している。電源電圧に10MHZの振動を与えると、何も対策を行っていない比較例1では、基準電圧Voは1V以下に大きく低下している。それに対して、ノイズ対策を行っている比較例2、実施例1では、大きな直流電圧の低下は見られない。実施例1では、比較例2と同様な効果が得られていることが確認できる。
基準電圧生成回路を半導体基板の上に形成した半導体装置を考えると、比較例2の5pFの容量を半導体基板上に形成する場合と実施例1の25kΩの抵抗を半導体基板上に形成する場合を考えると、一般的な半導体集積回路の製造工程を用いる限り、実施例1の25kΩの抵抗の方がはるかに小さな面積でレイアウトすることができる。
図10に実施例2による基準電圧生成回路のブロック図を示す。実施例2の基準電圧生成回路は、ダイオードQ1のアノードVB1と差動増幅回路OAの非反転信号入力端子INPとの間に第2の抵抗素子R2を設けることに加えて、ダイオードQ2のアノードに一端が接続された第1の抵抗R1の他端VB2と差動増幅回路OAの反転信号入力端子INNとの間に第5の抵抗素子R5を設けている。その他の構成は実施例1と同一である。
実施例2によれば、第5の抵抗素子R5を設けることにより、差動増幅回路OAの反転信号入力端子INNからダイオードQ2に流れるノイズ電流を減らし、電源電圧変動の影響を少なくすることができる。また、差動増幅回路OAの非反転信号入力端子INPと反転信号入力端子INNとに差動増幅回路OAの入力トランジスタのリーク電流が流れることを仮定した場合、第2の抵抗R2により非反転信号入力端子INP側で電圧降下がおこり、VB1とVB2で差電圧が生じ、差動増幅回路OAのオフセットとなってしまう恐れもある。実施例2では、反転信号入力端子INNにも第5の抵抗R5を接続することにより、反転信号入力端子INN側でも抵抗R5により、非反転信号入力端子INP側と同様に電圧降下がおこるため、VB1とVB2間に生じる差電圧を打ち消すこともできる。
図11に実施例3による基準電圧生成回路のブロック図を示す。実施例3の基準電圧生成回路は、実施例1と同様にダイオードQ1のアノードVB1と差動増幅回路OAの非反転信号入力端子INPとの間に第2の抵抗素子R2を設けることに加えて、差動増幅回路OAの非反転信号入力端子INPと基準電位(GND)との間に容量CS1を設けている。その他の構成は、実施例1と同一である。
実施例3によれば、抵抗R2に加えて容量Cs1をさらに設けることにより、電源電圧変動がノイズとなってもよりダイオードに電流が流れないようにすることができる。なお、抵抗R2を設け、抵抗R2より差動入力端子側に容量Cs1を接続することにより、容量Cs1の容量値は、図2の従来例の容量C4より小さくでき、レイアウト面積を小さくできる。さらにノイズによる影響をより少なくすることができる。
図12に実施例4による基準電圧生成回路のブロック図を示す。実施例4の基準電圧生成回路は、実施例1の構成に加えて、実施例2と同様にダイオードQ2のアノードに一端がされた第1の抵抗R1の他端VB2と差動増幅回路OAの反転信号入力端子INNとの間に第5の抵抗素子R5を設けている。さらに、差動増幅回路OAの非反転信号入力端子INPと基準電位(GND)との間に容量Cs1を設けると共に、反転信号入力端子INNと基準電位(GND)との間に容量Cs2を設けている。実施例4では、この構成により実施例1、実施例2の効果に加えて、さらに容量Cs1、Cs2によりノイズの影響を防ぐことができる。また、この容量Cs1、Cs2の容量値は、抵抗R2、R5を設けているので、図2に示す従来例より小さい容量とすることができ、レイアウト面積を小さくできる。さらにノイズ除去の効果をより高めることができる。
実施例1〜実施例4は、図1に示す最も基本的なバンドギャップリファレンス回路を用いた基準電圧生成回路にノイズ対策を施す実施例について説明したが、ハンドギャップリファレンス回路は様々な変形例があることが知られている。本発明は、それらの変形したバンドギャップリファレンス回路にも適用することもできる。変形したバンドギャップリファレンス回路に本発明を適用した実施例5の基準電圧生成回路を図13に示す。図13では、差動増幅回路の差動出力端子から直接ダイオードQ1、Q2に流す電流を出力しているのではなく、別電源AVDD2からダイオードQ1、Q2に流れる電流を差動増幅回路OAの出力する基準電圧Voの電圧により制御している。具体的には、図13では、PMOSトランジスタM5、M6をダイオードQ1、ダイオードQ2に流す電流の制御に用いている。図13では、差動増幅回路OAの出力する基準電圧Voが高くなるとダイオードQ1とダイオードQ2に流れる電流が減少し、基準電圧Voが低下するとダイオードQ1とダイオードQ2に流れる電流が増加するので、ノードVB1、VB2と差動増幅回路OAの反転信号入力端子INNと非反転信号入力端子INPの接続は、実施例1〜4とは逆になっている。図13では、変形例のバンドギャップリファレンス回路に実施例4の抵抗R2とともに抵抗R5、容量Cs1、容量Cs2を設ける実施例を適用した実施例であるが、実施例1と同様に、抵抗R5、容量Cs1、容量Cs2は設けなくとも本発明の効果は得られる。その他、実施例2、実施例3についてもこの変形したバンドギャップリファレンス回路に適用することができる。
以上説明したように本発明の基準電圧生成回路は、図1に示すような最も基本的なバンドギャップリファレンス回路を利用した基準電圧生成回路にとどまらず、様々な変形したバンドギャップリレファレンス回路にも実施例1〜実施例4を初めとする本発明の基準電圧生成回路を用いることができる。
さらに、本発明の基準電圧生成回路と基準電圧生成回路が出力する基準電圧voを利用する回路を一つの半導体基板の上に形成することができる。
以上、実施例について説明したが、本発明は上記実施例の構成にのみ制限されるものでなく、本発明の範囲内で当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
R1、R2、R3、R4、R5、R1、R2:抵抗
Q1、Q2、Q1、Q2:バイポーラトランジスタ(PN接合ダイオード、ダイオード)
OA:差動増幅回路(オペアンプ)
M1、M2、M5、M6:PMOSトランジスタ
M3、M4:NMOSトランジスタ
Cs1、Cs2、C3、C4:容量
Itail:電流源
Inoise:ノイズ電流
Cgs:PMOSトランジスタM1(図6参照)のゲートソース間容量
Vgs:PMOSトランジスタM1のゲートソース間電圧
gm:PMOSトランジスタM1のコンダクタンス
gmVgs:PMOSトランジスタM1のゲートソース間に流れる電流
Cgd:PMOSトランジスタM1のゲートドレイン間容量
Cgb:PMOSトランジスタM1のゲートバルク(バルクはバックゲート、基板)間の容量
Csd:PMOSトランジスタM1のソースドレイン間容量
Co:ノードVn(図6参照)から基準電位(GND)を見たときの容量
r0:ノードVnから基準電位(GND)を見たときの抵抗
R:ノードVo(図3参照)から抵抗R3のパス及び差動増幅回路OAを差動出力端子から見たときの抵抗
Q1、Q2、Q1、Q2:バイポーラトランジスタ(PN接合ダイオード、ダイオード)
OA:差動増幅回路(オペアンプ)
M1、M2、M5、M6:PMOSトランジスタ
M3、M4:NMOSトランジスタ
Cs1、Cs2、C3、C4:容量
Itail:電流源
Inoise:ノイズ電流
Cgs:PMOSトランジスタM1(図6参照)のゲートソース間容量
Vgs:PMOSトランジスタM1のゲートソース間電圧
gm:PMOSトランジスタM1のコンダクタンス
gmVgs:PMOSトランジスタM1のゲートソース間に流れる電流
Cgd:PMOSトランジスタM1のゲートドレイン間容量
Cgb:PMOSトランジスタM1のゲートバルク(バルクはバックゲート、基板)間の容量
Csd:PMOSトランジスタM1のソースドレイン間容量
Co:ノードVn(図6参照)から基準電位(GND)を見たときの容量
r0:ノードVnから基準電位(GND)を見たときの抵抗
R:ノードVo(図3参照)から抵抗R3のパス及び差動増幅回路OAを差動出力端子から見たときの抵抗
Claims (7)
- それぞれカソードが基準電位に接続された第1、第2のダイオードと、
前記第2のダイオードのアノードに一端が接続された第1の抵抗素子と、
第2の抵抗素子と、
前記第1の抵抗素子の他端に一端が接続された第3の抵抗素子と、
前記第1のダイオードのアノードに一端が接続された第4の抵抗素子と、
第1、第2の差動入力端子と差動出力端子とを有する差動増幅回路と、
を備え、
前記第1の差動入力端子に前記第1の抵抗素子の他端が接続され、
前記第2の差動入力端子に前記第2の抵抗素子を介して前記第1のダイオードのアノードが接続され、
前記差動出力端子に前記第3の抵抗素子の他端と第4の抵抗素子の他端とが接続されていることを特徴とする基準電圧生成回路。 - それぞれカソードが基準電位に接続された第1、第2のダイオードと、
前記第2のダイオードのアノードに一端が接続された第1の抵抗素子と、
前記第1の抵抗素子の他端の電圧と前記第1のダイオードのアノード電圧とがそれぞれ第1及び第2の差動入力端子に入力し、差動出力端子から出力する電圧により前記第1のダイオードのアノードから前記基準電位に流れる第1の電流と、前記第1の抵抗素子から前記第1の第1のダイオードを介して前記基準電位に流れる第2の電流を制御する差動増幅回路と、
前記第1のダイオードのアノードと前記第2の差動入力端子との間に接続された第2の抵抗素子と、を備え、
前記第1のダイオードのアノード電圧と同一の電圧が前記第2の抵抗素子を介して前記第2の差動入力端子に入力するように構成されていることを特徴とする基準電圧生成回路。 - 前記差動出力端子から出力される電圧によって制御され、前記第1、第2の電流を供給する第1及び第2の電流源回路をさらに備え、
前記第1及び第2の電流源回路の出力が前記第1のダイオードのアノードと、前記第1の抵抗素子の他端と、に接続されることを特徴とする請求項2記載の基準電圧生成回路。 - 前記第1の抵抗素子の他端と前記第1の差動入力端子との間に接続された第5の抵抗素子をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の基準電圧生成回路。
- 前記第2の差動入力端子と前記基準電位との間に接続された第1の容量素子をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の基準電圧生成回路。
- 前記第2の差動入力端子と前記基準電位との間に接続された第1の容量素子と、
前記第1の差動入力端子と前記基準電位との間に接続された第2の容量素子と、
をさらに備えることを特徴とする請求項4記載の基準電圧生成回路。 - 請求項1乃至6いずれか1項記載の基準電圧生成回路と、前記差動出力端子から出力する基準電圧が供給される回路と、が同一の半導体基板上に形成されていることを特徴とする半導体装置。
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