以下に、本発明の実施の形態に係る画像投影装置および画像表示装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像投影装置の構成例を示すブロック図である。図1に示す実施の形態1の画像投影装置81は、画像光をスクリーン7に投影させる装置であり、光路上(例えばスクリーン7上)で不具合が発生した場合に、不具合(意図しない不適切な光)を速やかに検知して画像の表示を停止させる。画像投影装置81は、発光量指令値生成部1、発光量指令値変換部2、光源3、レンズ部4、スキャナ(光走査部)5、光量センサ6を含んで構成されている。
発光量指令値生成部1は、映像信号の出力装置(図示せず)から送られてくる映像信号IMGを外部から入力(受信)し、外部入力した映像信号IMGに基づいて基準発光量指令値LAを生成する。基準発光量指令値LAは、発光量指令値変換部2で生成される発光量指令値LBの基準値(変換前データ)である。光路上で不具合が発生していない場合には、例えば基準発光量指令値LAが、そのまま光源3を駆動させるための指令値(電圧指令値または電流指令値)としての発光量指令値LBとなる。換言すると、基準発光量指令値LAは、映像信号IMGに応じて生成される指令値(光源3への発光量の指令値)であり、発光量指令値LBの生成に用いる指令基準値である。また、発光量指令値LBは、光路上での不具合に応じて基準発光量指令値LAを補正した指令値である。発光量指令値生成部1は、生成した基準発光量指令値LAを発光量指令値変換部2に出力する。
発光量指令値変換部2は、光量センサ6から出力される受光量RAを入力(受信)するとともに、画像投影装置81の外部から送られてくるリセット信号RSTを入力(受信)する。発光量指令値変換部2は、受光量RAおよびリセット信号RSTに基づいて、光路上の不具合を判定し、基準発光量指令値LAを不具合の有無に応じた発光量指令値LBに変換する。発光量指令値変換部2は、基準発光量指令値LAを、基準発光量指令値LAおよび受光量RAに応じた値に変換することによって発光量指令値LBを生成する。発光量指令値変換部2は、生成した発光量指令値LBを光源3に出力する。
光源3は、出射する光の光量を発光量指令値LBに従って変調し、光量を変調した光をレンズ部4に出射する。換言すると、光源3は、出射する光量(発光光量)が発光量指令値LBによって制御される。
レンズ部4は、光源3から出射された光をスキャナ5に適した形状に整形し、スキャナ5に出射する。スキャナ5は、レンズ部4から出射された光を、画像投影装置81の外側に設置されたスクリーン7に対して2次元に走査投影する。スクリーン7は、スキャナ5から出射された光を受光して画像(映像)を表示する。
光量センサ6は、スクリーン7側から送られてくる光の一部の光量を受光し、受光量(受光光量)を検出する。光量センサ6は、例えば、スキャナ5から出射されスクリーン7上の照射部8にて反射された光の一部を受光して受光量を検出する。光量センサ6は、検出した受光量に対応する信号として受光量RAを生成し、発光量指令値変換部2に出力する。
図2は、実施の形態1に係る発光量指令値生成部の構成例を示すブロック図である。発光量指令値生成部1は、映像信号変換部9とルックアップテーブル(以下、LUTと呼ぶ)10とを含んで構成されている。ここでは、発光量指令値生成部1に入力される映像信号IMGがR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の色毎に分かれており、それぞれIMG_r、IMG_g、IMG_bである場合について説明する。
発光量指令値生成部1に入力される映像信号IMG_r、IMG_g、IMG_bは、それぞれ映像信号変換部9に入力される。映像信号変換部9は、LUT10に予め与えておいた関係(変換式)に従って、映像信号IMG_r、IMG_g、IMG_bを、それぞれ基準発光量指令値LA_r,LA_g,LA_bに変換して出力する。ここでの基準発光量指令値LA_r,LA_g,LA_bは、光源3が電圧駆動方式の場合は光源3への電圧の指令値であり、光源3が電流駆動方式の場合は光源3への電流の指令値である。以下では、光源3が電流駆動方式の場合を例にして説明を行う。
図3は、LUTに予め設定しておく映像信号IMGと基準発光量指令値LAとの関係の一例を示す図である。図3のグラフでは、映像信号IMGから基準発光量指令値LAへの変換関係を示している。図3の横軸は、映像信号変換部9に入力される映像信号IMGの階調レベル(IMG_x)であり、縦軸は映像信号IMGに対応する基準発光量指令値LA(LA_x)である。
Icは、光源3の仕様によって決まるカットオフ電流値であり、入力する映像信号IMGの階調レベルが0である場合、LA=Ic_xとなる。そして、映像信号IMGの階調レベルが大きくなるにつれ、基準発光量指令値LAも徐々に大きくなる。なお、ここでは説明を簡単にするために、映像信号IMGと基準発光量指令値LAの関係が線形である場合を示しているが、両者の関係は光源3の特性や使用環境によって変化するものであり、線形関係に限ったものではない。
図4は、発光量指令値変換部の構成例を示すブロック図である。発光量指令値変換部2は、受光輝度補正部11、発光輝度推定部12、遅延補償部13、数値比較部14、指令信号変換部15を含んで構成されている。
受光輝度補正部11は、光量センサ6から入力する受光量RAを補正することによって補正受光量RBを生成し、数値比較部14に出力する。受光輝度補正部11は、例えば光量センサ6から出力された受光量RAがアナログ量であるならば受光量RAをデジタル化する。また、受光輝度補正部11は、必要に応じてローパスフィルタ等を用いて受光量RAのノイズ除去を行い、これにより補正受光量RBを生成し数値比較部14に出力する。
発光輝度推定部12は、発光量指令値生成部1からの基準発光量指令値LA_r,LA_g,LA_bに基づいて、光源3から出射される光量(発光光量)を算出する。発光輝度推定部12は、光源3から出射される光量の算出結果として推定発光輝度LYを生成し、遅延補償部13に出力する。推定発光輝度LYは、光源3から出射させる光量を予測した値であり、基準発光量指令値LA_r,LA_g,LA_bに基づいて算出される。遅延補償部13は、推定発光輝度LYを所定の時間(後述の遅延補償量dt2)だけ遅延させた基準反射光量LYdを生成し、数値比較部14に出力する。
数値比較部14は、補正受光量RB、基準反射光量LYd、閾値THに基づいて、発光量変換ゲイン値LGを生成し、指令信号変換部15に出力する。発光量変換ゲイン値LGは、光路上に不具合が発生しているか否かを示す情報である。発光量変換ゲイン値LGは、映像信号の出力装置から画像投影装置81に送られてくる光の輝度で、スクリーン7から画像投影装置81に送られてくる光の輝度を割った値である(光量比)(利得)に基づいて導出される値である。発光量変換ゲイン値LGは、例えば光路上に不具合が発生している場合に「0」を示し、不具合が発生していない場合に「1」を示す。
閾値THは、光路上に不具合が発生しているか否かの判定基準となる値であり、前記光の輝度の比と比較される値である。数値比較部14は、光の輝度の比が閾値THより小さい場合に、発光量変換ゲイン値LGとして光路上の不具合発生を示す「0」を出力する。また、数値比較部14は、光の輝度の比が閾値TH以上の場合に、発光量変換ゲイン値LGとして光路上の正常状態を示す「1」を出力する。
指令信号変換部15は、発光量変換ゲイン値LGおよび画像投影装置81の外部から入力するリセット信号RSTに基づいて、基準発光量指令値LA_r,LA_g,LA_bをそれぞれ発光量指令値LB_r,LB_g,LB_bに変換し光源3に出力する。リセット信号RSTは、光源3の出射停止を解除させるための信号(解除指示)である。リセット信号RSTは、例えば、光路上が正常な状態であることが確認された場合に、使用者やマイクロコンピュータによって外部入力される。
図5は、遅延補償部での遅延補償量を説明するための図である。図5のチャートでは、基準発光量指令値LA、発光量指令値LB、補正受光量RB、推定発光輝度LY、基準反射光量LYdの各送出タイミングを示している。
発光量指令値変換部2内では、基準発光量指令値LAとして基準発光量指令値LA0〜LAn(nは自然数)が入力される。また、発光量指令値LBとして各基準発光量指令値LA0〜LAnに対応する発光量指令値LB0〜LBnが出力され、補正受光量RBとして各発光量指令値LB0〜LBnに対応する補正受光量RB0〜RBnが出力される。
具体的には、発光量指令値生成部1から出力された基準発光量指令値LA_r,LA_g,LA_bは、指令信号変換部15において発光量指令値LB_r,LB_g,LB_bに変換される。光源3は、発光量指令値LB_r,LB_g,LB_bに基づいて、スクリーン7に対して光を出射する。そして、スクリーン7上の照射部8で反射された光は光量センサ6で受光され、光量センサ6から受光量RAが出力される。光量センサ6から出力される受光量RAは、受光輝度補正部11で補正されて補正受光量RBとして出力される。
例えば、基準発光量指令値LA0が入力された後、所定の時間だけ遅延して基準発光量指令値LA0に対応する発光量指令値LB0が出力される。さらに、発光量指令値LB0が出力された後、所定の時間だけ遅延して発光量指令値LB0に対応する補正受光量RB0が出力される。同様に、基準発光量指令値LAnが入力された後、所定の時間だけ遅延して基準発光量指令値LAnに対応する発光量指令値LBnが出力される。さらに、発光量指令値LBnが出力された後、所定の時間だけ遅延して発光量指令値LBnに対応する補正受光量RBnが出力される。この基準発光量指令値LA_r,LA_g,LA_bの入力から、補正受光量RBの出力までの一連の動作に要する時間をフィードバック系の遅延量Dtとする。
また、発光量指令値変換部2内では、推定発光輝度LYとして推定発光輝度LY0〜LYnが出力される。具体的には、発光輝度推定部12は、基準発光量指令値LA_r,LA_g,LA_bに基づいて光源3から出射する光量を計算し、計算結果を推定発光輝度LYとして生成し出力する。
例えば、基準発光量指令値LA0が入力された後、所定の時間だけ遅延して基準発光量指令値LA0に対応する推定発光輝度LY0が出力される。同様に、基準発光量指令値LAnが出力された後、所定の時間だけ遅延して基準発光量指令値LAnに対応する推定発光輝度LYnが出力される。この基準発光量指令値LA_r,LA_g,LA_bの入力から、推定発光輝度LYnの出力までの一連の動作に要する時間を遅延量dt1(発光輝度推定部12での遅延量)とすると、遅延補償量dt2=Dt−dt1となる。
換言すると、遅延補償部13は、推定発光輝度LYを遅延補償量dt2だけ遅延させた基準反射光量LYdを出力する。そして、受光輝度補正部11から出力された補正受光量RBと、遅延補償部13から出力された基準反射光量LYdは、ともに数値比較部14に入力される。これにより、遅延補償部13から出力される推定発光輝度LYに対応する基準反射光量LYd0〜LYdnは、補正受光量RB0〜RBnと同じタイミングで数値比較部14に入力される。
例えば、数値比較部14へは、基準反射光量LYd0と補正受光量RB0とが同時に入力される。同様に、数値比較部14へは、基準反射光量LYdnと補正受光量RBnとが同時に入力される。数値比較部14では、入力した補正受光量RBと基準反射光量LYdとを比較した結果に基づいて、発光量変換ゲイン値LGを出力する。
図6は、実施の形態1に係る数値比較部での入力信号と出力信号の関係の一例を説明するための図である。数値比較部14への入力信号が基準反射光量LYdと補正発光量RBであり、数値比較部14からの出力信号が発光量変換ゲイン値LGである。図6に示すグラフは、横軸が基準反射光量LYdと補正発光量RBの比(RB/LYd)であり、縦軸が数値比較部14から出力する発光量変換ゲイン値LGである。発光量変換ゲイン値LGは、基準反射光量LYdと補正受光量RBの比であるRB/LYdが閾値THより小さい場合は0とし、閾値TH以上の場合に1とする。
光量センサ6が受光する光の受光量RAは、光源3から出射されスクリーン7上の照射部8で反射された光の一部と外光である。外光の影響が少ない基準の状態において、RB/LYdは、主にスクリーン7上の照射部8の位置等の影響によって決まり、画像投影装置81やスクリーン7を備えた画像表示装置の構造等の知見から予想される変動範囲(予測変動範囲s)内の値をとりうる。予想変動範囲sの下限値を閾値THとした場合、RB/LYdが閾値THより小さくなれば、光路上の不具合が原因で光源3から出射された光のうちスクリーン7で反射され光量センサ6に入射する光量が少なくなったと判断できる。
したがって、RB/LYdが閾値THより小さい場合、数値比較部14は、光路上に不具合が発生していると判断する。そして、光源3からの発光を停止させるために、数値比較部14は、発光量変換ゲイン値LGを0として出力する。また、RB/LYdが閾値THよりも大きい場合、数値比較部14は、発光量変換ゲイン値LGを1として出力する。なお、閾値THは、システムの設計時にレンズ光学系(レンズ部4など)の透過率、スクリーン7の反射率、スキャナ5の最大振れ角などの知見より予め定めておいてもよいし、例えば装置セットアップ時毎にキャリブレーションを行い、その都度閾値THを決定してもよい。
発光量指令値生成部1から出力された基準発光量指令値LA_r,LA_g,LA_b、数値比較部14から出力された発光量変換ゲイン値LG、および画像投影装置81の外部から入力されたリセット信号RSTは、それぞれ指令信号変換部15に入力される。
図7は、実施の形態1に係る指令信号変換部の構成例を示すブロック図である。指令信号変換部15は、ゼロゲイン保持部16と、乗算部17を含んで構成されている。数値比較部14から出力された発光量変換ゲイン値LGと、画像投影装置81の外部から入力されたリセット信号RSTは、ゼロゲイン保持部16に入力される。ゼロゲイン保持部16は、入力された発光量変換ゲイン値LGおよびリセット信号RSTに基づいて、発光量変換ゲインリセット値RGを生成し、乗算部17に出力する。発光量変換ゲインリセット値RGは、光源3から光を出射させるか停止させるかを指示する情報である。ゼロゲイン保持部16は、例えば光源3から光を出射させる場合には、発光量変換ゲインリセット値RGとして「1」を出力し、光源3からの光を停止させる場合には、発光量変換ゲインリセット値RGとして「0」を出力する。
乗算部17は、発光量変換ゲインリセット値RGに基づいて、発光量指令値生成部1から出力された基準発光量指令値LA_r,LA_g,LA_bを発光量指令値LB_r,LB_g,LB_bに変換して光源3に出力する。
図8は、ゼロゲイン保持部の動作を説明するための図である。図8では、クロック信号(Clock)、発光量変換ゲイン値LG、発光量変換ゲインリセット値RG、リセット信号RSTの各出力タイミングチャートを示している。ここでは、数値比較部14から出力される発光量変換ゲイン値LGが「0」または「1」の2値の場合を例として説明を行う。
Clockは、映像信号の画素クロックである。発光量指令値変換部2は、画素クロックに従って動作する。数値比較部14から出力された発光量変換ゲイン値LGが「1」の場合、発光量変換ゲインリセット値RGとしては「1」が出力される。発光量変換ゲイン値LGが「1」から「0」に変化すると、発光量変換ゲインリセット値RGとして「0」が出力される。この後、発光量変換ゲイン値LGが「0」から「1」に変化しても、発光量変換ゲインリセット値RGとしては「0」が出力され続ける。
発光量変換ゲインリセット値RGが「0」である場合に、数値比較部14から出力された発光量変換ゲイン値LGが「1」であり、かつ画像投影装置81の外部から入力されるリセット信号RSTが「1」(アクティブ)であれば、発光量変換ゲインリセット値RGは「1」に変化する。言い換えれば、一旦、発光量変換ゲインリセット値RGが「0」になると、アクティブなリセット信号RSTが入力されない限り、発光量変換ゲインリセット値RGとしては「0」が出力され続ける。
ゼロゲイン保持部16から出力された発光量変換ゲインリセット値RGと、発光量指令値生成部1から出力された基準発光量指令値LA_r,LA_g,LA_bは、乗算部17に入力される。乗算部17では、入力した基準発光量指令値LA_r,LA_g,LA_bに対して、発光量変換ゲインリセット値RGを乗算することで、発光量指令値LB_r,LB_g,LB_bを生成し出力する。このとき、発光量変換ゲインリセット値RGが「0」であれば、発光量指令値LB_r,LB_g,LB_bは全て「0」になり、光源3は光の出射を停止する。一方、発光量変換ゲインリセット値RGが「1」であれば、光源3は発光量指令値LB_r,LB_g,LB_bに応じた光量の光を出射する。
図9は、実施の形態1に係る光源の構成例を示すブロック図である。光源3は、電源部18、電流変調部19a,19b,19c、LD_r20、LD_g21、LD_bを含んで構成されている。
電源部18は、光源3を光らせるためのエネルギー(電流I_r,I_g,I_b)を電流変調部19a,19b,19cに供給する。電流変調部19a,19b,19cは、例えば定電流回路を備えて構成されている。電流変調部19a,19b,19cは、発光量指令値変換部2から出力された、発光量指令値LB_r,LB_g,LB_bに基づいて、LD_r20、LD_g21、LD_b22に供給する電流I_r,I_g,I_bを変調し、それぞれLD_r20、LD_g21、LD_b22に出力する。
LD_r20、LD_g21、LD_b22は、それぞれ波長の異なる可視光領域の光を出射するレーザダイオード(以下、LDとよぶ)である。具体的には、LD_r20は赤色、LD_g21は緑色、LD_b22は青色をそれぞれ出射する。なお、LD_g21は、例えば赤外発光のレーザを半波長板で波長変換したものを用いてもよい。
図10は、LDのI−P特性を説明するための図である。図10は、横軸が電流量I_xであり、縦軸が光出力P_xである。LD_r20、LD_g21、LD_b22からの光出力P_xを、それぞれ光出力P_r,P_g,P_bとする。図10では、電流量I_x(xはr、g、bのいずれか)に対する、光出力P_x(xはr、g、bのいずれか)の大きさを示している。光出力P_xは、カットオフ電流Ic_x以上の電流量I_xで発光を開始し、電流量I_xが増加するに従って、光出力P_xも増加する。
画像投影装置81のスキャナ5が、DMD(登録商標)、HTPS、LCOSといった空間変調素子を利用しない場合、各画素の階調は光源3から出射する光量をアナログ制御(以下、光源変調とよぶ)して生成する必要がある。このとき、光源変調の周波数は、入力する映像信号IMGの画素クロック(ドットクロック)相当の速さが求められる。光源変調の周波数特性を向上させるためには、変調振幅を小さくしておくほうが良く、入力する映像信号IMGのレベルが0の場合でも、電流量I_xを0にせず、カットオフ電流Ic_xにしておくことが望ましい。
光源3のLD_r20、LD_g21、LD_b22から出射された光は、レンズ部4に入射する。図11は、実施の形態1に係るレンズ部の構成例を示す図である。レンズ部4は、集光レンズ23a,23b,23c、光合成部26、投射レンズ27を含んで構成されている。
LD_r20から出射された光は、集光レンズ23aを介して光合成部26に入射する。また、LD_g21から出射された光は、集光レンズ23bを介して光合成部26に入射し、LD_b22から出射された光は、集光レンズ23cを介して光合成部26に入射する。光合成部26では、入射してくる波長の異なる3つの光を合成し、投射レンズ27に出射する。投射レンズ27は、光合成部26から出射された光を集め、スキャナ5に出射する。
図12は、実施の形態1に係る光合成部の構成例を示す図である。光合成部26は、ミラー31、ハーフミラー32,33を有している。集光レンズ23aから出射された赤色光は、ミラー31で光軸を曲げられた後、ハーフミラー32にて、集光レンズ23cから出射された青色光と重ね合わされる。ハーフミラー32で生成された、赤と青の混合光はハーフミラー33によって、集光レンズ23bから出射された緑色光と重ね合わされて投射レンズ27に出射される。なお、光の合成する順番は図12に示した順番に限らず、何れの順番で合成してもよい。
スキャナ5は、レンズ部4から出射された光を、スクリーン7に対して2次元にスキャン(走査投影)する。スキャナ5は、プリンタや露光装置などに用いられているスキャナと同様の構造を有している。スキャナ5としては、例えば、特開2006−116696号公報(段落0009〜0010、図1)などで開示されているような、MEMSを利用した2軸スキャンの技術を用いて構成しておく。
図13は、スキャナの動作の一例を説明するための図であり、スキャナから出射される光の軌跡を示している。図13では、スクリーン7を映像の観察者側がら見た場合の一例を示している。図13中の破線は、映像のブランキング期間におけるスキャナ5のスキャン軌跡36を示したものである。また、実線は、有効映像期間34におけるスキャナ5のスキャン軌跡35を示したものであり、照射部8が移動する軌跡でもある。照射部8は、スキャナ5によるスキャン位置と同じ位置になるよう、スキャン位置に従ってスキャン軌跡35,36上を移動する。
有効映像期間34は、表示対象となる有効な映像をスクリーン7にスキャンする期間である。有効映像期間34は、映像の表示領域であり、有効映像期間34にスキャン軌跡35でスキャンされた映像がスクリーン7に映し出される。映像のブランキング期間は、表示対象とならない無効な映像(ブランク)をスクリーン7にスキャンする期間であり、この間にスキャン軌跡36でスキャンされた映像はスクリーン7に映像が映し出されない。
スキャナ5のスキャン軌跡35,36は、一般的な映像信号フォーマットに従って、スクリーン7の画面左上から開始され、上のラインから下のラインに向けて順次スキャンされ、かつ各ラインをスキャンする際には、各ラインを左から右に向けてスキャンされる。そして、最終ライン(最下段のライン)のスキャンが終了すると、スキャナ5のスキャン軌跡36は、左上のスタート位置に戻る。
図14は、スキャナの動作の別の例を説明するための図であり、スキャナから出射される光の軌跡の別の例を示している。図13のスキャン軌跡35,36と異なる点は、奇数番目のラインである奇数ラインは、左から右にスキャンされ、偶数番目のラインである偶数ラインは、右から左にスキャンされる点である。このスキャン方式の利点は、スキャナの駆動周波数を図13に示した方式の半分にすることができる点である。
また、最終ラインのスキャン終了後に、スクリーン7の画面左上に戻るのでなく、左上から右下への軌跡を逆に辿ってもよい。この場合、スキャナ5のスキャン軌跡36を右下から左上に戻す時間が不要になるので、スキャナ5の駆動周波数を低くすることが可能となる。
図15は、前面投射型の画像表示装置の配置例を示す図である。図15では、スキャナ5から出射された光を、スクリーン7の照射部8側から見る場合の画像表示装置90の断面図を示している。前面投射型の画像表示装置90は、画像投影装置81とスクリーン7とを備えている。
前面投射型の画像表示装置90では、画像投影装置81内のスキャナ5からスクリーン7に投射された光が、スクリーン7上で適度に散乱され、反射散乱光が観察者40に観察される。このとき、光路上に不具合がある場合(例えばスクリーン7に異常がある場合)や、スクリーン7に異常がある場合や、画像投影装置81からスクリーン7、またはスクリーン7から観察者40の間に障害がある場合、観察者40は適正に画像を観察できない。
例えば、スクリーン7に孔が開いている場合、画像投影装置81内のスキャナ5から出射された光は、スクリーン7の孔の開いている箇所では拡散反射されることはない。このため、観察者40は、スクリーン7の背面から差込む外光を観察することとなる。
また、画像投影装置81からスクリーン7までの間の空間は、外部と遮蔽されていないので、例えば光路上に障害物が侵入した場合、スクリーン7上には影が出現する。さらに、障害物は、画像投影装置81内のスキャナ5から出射され光を予期せぬ方向へ反射するので、観察者40の瞳孔に直接反射光が入射してしまう場合がある。これらは全て観察者40にとって不快な映像として観察されることとなる。
図16は、背面投射型の画像表示装置の配置例を示す図である。図16では、スキャナ5から出射された光を、観察者40がスクリーン7越しに見る場合の画像表示装置91の断面図を示している。例えば、背面投射型の画像表示装置91は、画像投影装置81と、スクリーン7と、筐体24と、を含んで構成されている。画像投影装置81内のスキャナ5から出射された光は、スクリーン7を透過することで適度に拡散され、拡散透過光が観察者40に観察される。
画像表示装置91は、図15に示した画像表示装置90と異なり、画像投影装置81が筐体24内に収められている。画像表示装置91の場合、画像投影装置81内の光源3にLDを用いることで、レーザの優れた収束性により、他種光源を用いた場合と比較して投射光学系の小型化が可能になる。また、光源3にLDを用いることで、スクリーン7上の照射部8でのビームスポット径を小径化することが可能となるので、解像感が向上する。
また、画像表示装置91は、画像投影装置81が筐体24内に収められているので、画像投影装置81内のスキャナ5から出射された光がスクリーン7に入射するまでに、障害物が侵入してくることはない。さらに、光量センサ6が外光に直接暴露されることがないので、光量検出時のノイズを低減できる。
一方、スクリーン7に異常がある場合、特にスクリーン7に孔が開いていた場合、画像表示装置91では、孔の位置によっては、スキャナ5から出射した光がスクリーン7で拡散されることなく直接観察者40の網膜に入るので、非常に不快な映像として認識されることとなる。特に、光源にLDを用いる場合、たとえパワーの低い光でも、直接光を網膜に長時間照射することは好ましくない。そこで、本実施の形態では、スキャナ5から出射した光が直接観察者40の網膜に入らないよう、光源3からの光の出射を停止させる。
前面投射型の画像表示装置90、背面投射型の画像表示装置91ともに、光路上の障害物や、スクリーン7の異常といった光路上の不具合が無い場合、スクリーン7上の照射部8で反射された光の一部は、光源3以外からの光である外光とともに光量センサ6に入射する。しかし、例えば光路上に障害物が侵入した場合や、スクリーン7に穴が開いていた場合、スキャナ5から出射された光はスクリーン7で反射されず、光量センサ6には外光のみが入射する。特に、光源3にLDを用いた場合、レーザの優れた収束性によりビームスポット径は小さくできるので、スクリーン7上の微小な孔でも、光量センサ6に入射する光量に差が生じる。
図17は、光量センサの構成例を示すブロック図である。光量センサ6は、集光レンズ37、バンドパスフィルタ38、フォトセンサ39を含んで構成されている。スクリーン7上の照射部8で反射された一部の光は集光レンズ37で集められ、バンドパスフィルタ38に入射する。バンドパスフィルタ38は、入射する光の特定の波長を選択的に透過(濾波)させ、フォトセンサ39に出力する。フォトセンサ39では入射する光を光電変換し、受光量RAを出力する。
図18は、実施の形態1に係るバンドパスフィルタの透過率曲線の例を示す図である。図18中には、破線でLD_r20、LD_g21、LD_b22から出射される光のスペクトルを併記してある。バンドパスフィルタ38の透過率曲線L1は、光源3から出射される光の波長(LD_r20は640nm付近、LD_g21は530nm付近、LD_b22は450nm付近)を透過中心波長とする透過率曲線になっている。
バンドパスフィルタ38は、光量センサ6に入射する光として、光源3から出射されてスクリーン7で反射された光を精度良く検出するために用いられる。言い換えれば、バンドパスフィルタ38は、光源3以外からの外光の影響を低減するために用いている。このため、バンドパスフィルタ38は、光源3から出射される波長の光を出来るだけ透過させ、光源3から出射されていない波長の光を出来るだけ遮蔽することが望ましい。
図18に示した透過率曲線L1では、透過領域の半値幅を10nm程度で示しているが、光量センサ6の受光感度やバンドパスフィルタ38の製造コストが許す限り、透過領域の半値幅は少しでも狭いほうが良い。透過領域の半値幅を狭くできるのは、光源3にスペクトルが急峻なLDを用いていることの利点でもある。
バンドパスフィルタ38を透過した光はフォトセンサ39に入射する。フォトセンサ39は、サンプリング時間tの期間に入射する光の積分値を光電変換することによって受光量RAを生成し、発光量指令値変換部2に出力する。サンプリング時間tが、例えば入力する映像信号IMGのドットクロック周期の時間であれば、1画素幅の微小なスクリーン7上の孔も検出可能になる。
このように、数値比較部14は、基準反射光量LYdと補正受光量RBとの比RB/LYdを閾値THと比較することによって、観察者40側への意図しない光として、光路上への障害物の侵入、スクリーン7上の不具合(例えば、スクリーン7に孔が開いていること)を検出している。したがって、簡易な構成で容易かつ正確に光路上の不具合を検出することが可能となる。
また、RB/LYdと閾値THとの比較結果として出力する発光量変換ゲイン値LGが一旦「0」になると、数値比較部14は、アクティブなリセット信号RSTが入力されない限り発光量変換ゲイン値LGを再び「1」にはしない。このため、光路上の不具合が発生した場合には、光源3から光が出射されることはなく、観察者40が不快な映像を見続けることはない。
また、光源3にLDを用いることで、レーザの優れた収束性により他種光源を用いた場合と比較して、投射光学系の小型化が可能なうえ、ビームスポット径も小さくでき、高精細な画像表示が可能になる。また、ビームスポット径が小さくできるので、スクリーン7上の微小な孔も検出することが可能となる。
また、光量センサ6に搭載しているバンドパスフィルタ38の透過率曲線L1は、光源3から出射される光の波長を透過中心波長とする透過率曲線になっているので、余分な外光をフォトセンサ39に入射させることを防止できる。したがって、光量センサ6は、スクリーン7上の照射部8で反射された一部の光を効率良く検出することが可能になる。
なお、本実施の形態では、RB/LYdが閾値THより小さい場合に光源3を光らせない場合について説明をしたが、光路上にスクリーン7以外の反射物が侵入した場合(例えば、意図せずに光路上に鏡などが侵入した場合)、受光センサ6が受光する光量が極端に大きくなることも想定される。このため、RB/LYdが閾値THよりも極端に大きい場合にも光源3を光らせないような処理を行ってよい。
このように、実施の形態1によれば、光路上での不具合の発生に起因する意図しない光(不適切な光)(スクリーン7で拡散されなかった光など)を受光量RAに基づいて速やかに検知して光源3からの発光を停止させるので、スクリーン7からの意図しない光の出射を停止することが可能となる。したがって、光路上に不具合がある場合、光源3から光が出射されることはなく、スクリーン7で拡散されなかった光や光路上の障害物の影、また障害物により予期せぬ方向へ反射された光を含む不快な映像を見続けることはない。
実施の形態2.
つぎに、図19および図20を用いてこの発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、複数の位置に配置した各光量センサを用いてスクリーン7からの反射光の一部を検出する。
図19は、実施の形態2に係る画像投影装置の構成例を示すブロック図である。なお、図19の各構成要素のうち図1に示す実施の形態1の画像投影装置81と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
実施の形態2に係る画像投影装置82が、図1に示す画像投影装置81と異なる点は、画像投影装置82が、2つの光量センサ6a、6bを有する点と、画像投影装置82に、新たに累積部(加算部)41が追加されている点などである。
映像信号IMGは、発光量指令値生成部1に入力される。発光量指令値生成部1は、入力した映像信号IMGに基づいて、基準発光量指令値LAを生成し、発光量指令値変換部2に出力する。
発光量指令値変換部2は、累積部41から出力される受光量RAを入力するとともに、画像投影装置82の外部から送られてくるリセット信号RSTを入力する。発光量指令値変換部2は、受光量RAおよびリセット信号RSTに基づいて、基準発光量指令値LAを発光量指令値LBに変換し、光源3に出力する。
光量センサ6a,6bは、スキャナ5から出射されスクリーン7上の照射部8にて反射された光の一部を受光し、受光量を検出する。本実施の形態の光量センサ6a,6bは、それぞれスクリーン7上の異なる位置での照射部8から受光量を検出する。光量センサ6a,6bは、それぞれ検出した受光量に対応する信号として受光量RAa,RAbを生成し、累積部41に出力する。累積部41は、光量センサ6a,6bから入力した受光量RAa、RAbをそれぞれ加算することによって受光量RAを生成し、発光量指令値変換部2に出力する。
図20は、スキャナと光量センサの配置例を示す斜視図である。スキャナ5を用いた投影方法では、スキャナ5をスクリーン7の中心軸25上に配置する場合が、スキャナ5の振幅量を最も少なくでき、かつスキャンにより発生するスクリーン7上の歪も少なくなる。実際には、他機器との干渉や、例えば前面投射型の場合は観察者との交錯等の問題があるので、スキャナ5は、中心軸25に対して、上下方向にオフセットして配置される場合が多い。本実施の形態では、スキャナ5をスクリーン7の中心軸25上に配置してもよいし、スキャナ5を中心軸25に対して上下方向にオフセットして配置してもよい。
照射部8がスクリーン7の周辺部に移動するに従って、スキャナ5から出射された光のスクリーン7に対する入射角φが大きくなる。このため、任意の場所に固定された1つの光量センサ6のみでは十分にスクリーン7全面からの反射光の一部を受光できない場合が発生する。そこで、本実施の形態では、光量センサを光量センサ6aと光量センサ6bとの2個配置しておく。そして、光量センサ6aは、光量センサ6aに対応する照射部8からの反射光の一部を受光して受光量を検出し、光量センサ6bは、光量センサ6bに対応する照射部8からの反射光の一部を受光して受光量を検出する。2個の光量センサ6a,6bから出力される受光量RAa、RAbは、累積部41で加算され受光量RAが生成される。
なお、照射部8からの反射光の検出精度を高めるためには、2つの光量センサ6a,6bが、スクリーン7の中心軸25とスキャナ5を含む仮想面に対して左右対称に配置されていることが望ましい。
また、図19、図20では、光量センサとして光量センサ6a,6bの2つを配置した例で説明したが、配置する光量センサの個数は2つに限ったものではなく、3つ以上の光量センサを配置してもよい。この場合も、スクリーン7の中心軸に対して軸対称に光量センサを配置することで検出精度が向上する。
また、本実施の形態では、画像投影装置82が累積部41を備える構成としたが、画像投影装置82は累積部41を有していなくてもよい。この場合、光量センサ6a,6bか出力される受光量RAa、RAbは、それぞれ発光量指令値変換部2に入力される。画像投影装置82が累積部41を有していない場合、発光量指令値変換部52は、検出部8の位置に基づいて、光量センサ6a,6bの何れが検出部8から光量を検出したかの情報を取得する。そして、検出部8の位置毎に光路上での不具合を検出する。
このように、実施の形態2によれば、複数の光量センサ6a,6bで分担して、スクリーン7からの反射光の受光量を検出するので、スキャナ5から出射された光の照射部8がスクリーン7の周辺部(周縁部近傍)にある場合であっても、スクリーン7からの反射光の一部を精度良く検出することが可能となる。
実施の形態3.
つぎに、図21および図22を用いてこの発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3では、スキャナ5からスクリーン7に対して送出する光の出射角(後述の出射角信号dθ)の大きさに応じた増幅率で受光量RAa、RAbを増幅する。
図21は、実施の形態3に係る画像投影装置の構成例を示すブロック図である。なお、図21の各構成要素のうち図1に示す実施の形態1の画像投影装置81や図19に示す実施の形態2の画像投影装置82と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
画像投影装置83が、画像投影装置81,82と異なる点は、画像投影装置83が、新たな構成要素として角度補正部(受光量補正部)42a,42bを有し、且つスキャナ5から角度補正部42a,42bに出射角信号dθが送られる点などである。出射角信号dθは、スキャナ5からスクリーン7に対して送出する光の出射角を示す情報であり、スキャナ5によって検出される。光の出射角信号dθは、スクリーン7に対する光の走査方向の角度であり光を走査する際のスキャナ5の走査角である。スキャナ5は、角度検出部55を備えており、角度検出部55が光の出射角信号dθを検出する。
映像信号IMGは、発光量指令値生成部1に入力される。発光量指令値生成部1は、入力する映像信号IMGに基づいて、基準発光量指令値LAを生成し、発光量指令値変換部2に出力する。
発光量指令値変換部2は、累積部41から出力される受光量RAを入力するとともに、画像投影装置83の外部から送られてくるリセット信号RSTを入力する。発光量指令値変換部2は、受光量RAおよびリセット信号RSTに基づいて、基準発光量指令値LAを発光量指令値LBに変換し、光源3に出力する。
スキャナ5は、レンズ部4から出射された光をスクリーン7に対して2次元に走査するとともに、角度検出部55によって光の出射角信号dθを検出し角度補正部42a,42bに出力する。光量センサ6a,6bは、スキャナ5から出射されスクリーン7上の照射部8にて反射された光の一部を受光し、受光量を検出する。光量センサ6a,6bは、それぞれ検出した受光量に対応する信号として受光量RAa、RAbを生成し、角度補正部42a,42bにそれぞれ出力する。
角度補正部42a,42bは、スキャナ5から出力される出射角信号dθに基づいて、それぞれ受光量RAa,RAbを正規化して補正し、これにより角度補正受光量RAA、RABを生成して累積部41に出力する。累積部41は、角度補正部42a,42bから入力した角度補正受光量RAA、RABをそれぞれ加算することによって受光量RAを生成し、発光量指令値変換部2に出力する。
スキャナ5における光の出射角θの検出方法としては、例えば特開2007−183264号公報(段落0023、図3)で開示されているような、位置感知素子を用いてスキャニングミラーの回転角の変化を直接検知する方法などを用いる。また、スキャナ5は、入力する映像信号IMGの同期信号に同期した振動運動であるので、カウンタを用いて映像信号IMGの解析を行い、光の出射角θを計算してもよい。
つぎに、角度補正部42a,42bについて詳しく説明する。図22は、角度補正部での入力信号と出力信号の関係例を示す図である。図22の横軸が出射角信号dθであり、縦軸が角度補正受光量RAA/受光量RAaである。なお、図22では、出射角信号dθに対する角度補正受光量RAA/受光量RAaを示しているが、出射角信号dθに対する角度補正受光量RAB/受光量RAbも同様の関係を有している。
画像投射装置83は、スクリーン7のスクリーン面に正対して配置されるので、光の出射角θ=スクリーン入射角φとなる。したがって、スキャナ5からの光の出射角θが大きいほど、スクリーン7への入射角が大きくなり、スクリーン7への入射角が大きくなるにしたがって光量センサ6a,6bで受光可能なスクリーン7からの反射光は減少する。
そこで、本実施の形態では、角度補正部42a,42bは、スキャナ5から出力される出射角信号dθが大きいほど、光量センサ6a,6bから出力される受光量RAa、RAbを大きく増幅し、角度補正受光量RAA,RABとして出力する。換言すると、角度補正部42a,42bは、スキャナ5から出力される出射角信号dθの大きさに応じた増幅率で受光量RAa、RAbを増幅(補正)する。
具体的には、角度補正部42aは、出射角信号dθと角度補正受光量RAA/受光量RAaとの関係が、図22に示す関係となるよう、受光量RAaを角度補正受光量RAAに増幅する。同様に、角度補正部42bは、出射角信号dθと角度補正受光量RAB/受光量RAbとの関係が、図22に示す関係と同様の関係となるよう、受光量RAbを角度補正受光量RABに増幅する。
このように、実施の形態3によれば、出射角信号dθが大きいほど、光量センサ6a,6bから出力される受光量RAa,RAbを大きく増幅するように補正するので、スクリーン7上の照射部8が、スクリーン7の周辺部にある場合であっても、スクリーン7からの反射光を精度良く検出することが可能となる。
実施の形態4.
つぎに、図23〜図26を用いてこの発明の実施の形態4について説明する。実施の形態4では、レンズ部に入射する光の発光輝度と、スクリーン7から受光する光の輝度とを用いて、光路上の不具合を検出する。
図23は、実施の形態4に係る画像投影装置の構成例を示すブロック図である。なお、図23の各構成要素のうち図1に示す実施の形態1の画像投影装置81と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
画像投影装置84が、画像投影装置81と異なる点は、画像投影装置84が、新たな構成要素として光量センサ(光源光量検出部)56を有している点などである。また、画像投影装置84は、発光量指令値変換部2の代わりに発光量指令値変換部52を有し、レンズ部4の代わりにレンズ部54を有している。
映像信号IMGは、発光量指令値生成部1に入力される。発光量指令値生成部1は、入力する映像信号IMGに基づいて、基準発光量指令値LAを生成し、発光量指令値変換部52に出力する。
発光量指令値変換部52は、光量センサ6から出力される受光量RA、画像投影装置82の外部から送られてくるリセット信号RST、光量センサ56から出力される発光量EAに基づいて、基準発光量指令値LAを発光量指令値LBに変換し、光源3に出力する。
光量センサ56は、光源3とスキャナ5との間に配置されている。光量センサ56は、レンズ部54へ入射して合成された光の一部を受光し、受光量を検出する。光量センサ56は、検出した受光量に対応する信号として発光量EAを生成し、発光量指令値変換部52に出力する。
図24は、実施の形態4に係るレンズ部の構成例を示すブロック図である。なお、図24の各構成要素のうち図11に示す実施の形態1のレンズ部4と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
実施の形態4に係るレンズ部54が、図11に示す実施の形態1のレンズ部4と異なる点は、レンズ部54が、光合成部26と投射レンズ27との間にハーフミラー46を有している点などである。ハーフミラー46は、光合成部26で合成された光の一部を投射レンズ27に出射するとともに、光の一部を反射して光量センサ56に出射する。
図25は、実施の形態4に係る発光量指令値変換部の構成例を示すブロック図である。
なお、図25の各構成要素のうち図4に示す実施の形態1の発光量指令値変換部2と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
発光量指令値変換部52が、発光量指令値変換部2と異なる点は、発光量指令値変換部52が、発光輝度推定部12、遅延補償部13の代わりに、発光輝度補正部47を有している点などである。
受光輝度補正部11は、光量センサ6から入力する受光量RAを補正することによって補正受光量RBを生成し、数値比較部14に出力する。発光輝度補正部47は、光量センサ56から入力する発光量EAを補正することによって補正発光量EBを生成し、数値比較部14に出力する。発光輝度補正部47は、例えば光量センサ56から出力された発光量EAがアナログ量であるならば発光量EAをデジタル化するとともに、必要に応じてローパスフィルタ等を用いてノイズ除去を行い、これにより補正発光量EBを生成し数値比較部14に出力する。
数値比較部14は、補正受光量RB、補正発光量EB、閾値THに基づいて、発光量変換ゲイン値LGを生成し、指令信号変換部15に出力する。ここでの発光量変換ゲイン値LGは、スクリーン7に送られる光の輝度と、スクリーン7から画像投影装置81に送られてくる光の輝度と、の比(利得)に基づいて導出される値である。本実施の形態の数値比較部14は、入力した補正受光量RBと補正発光量EBの比と、閾値THと、を比較した結果に基づいて、発光量変換ゲイン値LGを出力する。
指令信号変換部15は、発光量変換ゲイン値LGおよび画像投影装置84の外部から入力するリセット信号RSTに基づいて、基準発光量指令値LA_r,LA_g,LA_bをそれぞれ発光量指令値LB_r,LB_g,LB_bに変換し光源3に出力する。
図26は、実施の形態4に係る数値比較部での入力信号と出力信号の関係の一例を説明するための図である。図26に示すグラフは、横軸が補正発光量EBと補正受光量RBの比(RB/EB)であり、縦軸が数値比較部14から出力する発光量変換ゲイン値LGである。発光量変換ゲイン値LGは、補正発光量EBと補正受光量RBの比であるRB/EBが閾値THより小さい場合は0とし、閾値TH以上の場合に1とする。なお、ここでの閾値THは、実施の形態1の数値比較部14が用いる閾値THと異なる値であってもよい。
光量センサ6が受光する光の受光量RAは、光源3から出射されスクリーン7上の照射部8で反射された光の一部と外光である。外光の影響が少ない基準の状態において、RB/EBは、主にスクリーン7上の照射部8の位置等の影響によって決まり、画像投影装置84やスクリーン7を備えた画像表示装置の構造等の知見から予想される予測変動範囲s内の値をとりうる。予想変動範囲sの下限値を閾値THとしたとき、RB/EBが閾値THより小さくなれば、光路上の不具合が原因で光源3から出射された光のうちスクリーン7で反射され光量センサ6に入射する光量が少なくなったと判断できる。
したがって、RB/EBが閾値THより小さい場合、数値比較部14は、光路上に不具合が発生していると判断する。そして、光源3からの発光を停止させるために、数値比較部14は、発光量変換ゲイン値LGを0として出力する。また、RB/EBが閾値THよりも大きい場合、数値比較部14は、発光量変換ゲイン値LGを1として出力する。なお、閾値THは、システムの設計時にレンズ光学系の透過率、スクリーン7の反射率、スキャナ5の最大振れ角などの知見より予め定めておいてもよいし、例えば装置セットアップ時毎にキャリブレーションを行い、その都度閾値THを決定してもよい。
発光量指令値生成部1から出力された基準発光量指令値LA_r,LA_g,LA_b、数値比較部14から出力された発光量変換ゲイン値LG、および画像投影装置84の外部から入力されたリセット信号RSTは、それぞれ指令信号変換部15に入力される。
なお、指令信号変換部15は、実施の形態1の指令信号変換部15と同様の機能を有しており、同様の動作を行なう。また、ゼロゲイン保持部16、乗算部17は、実施の形態1のゼロゲイン保持部16、乗算部17と同様の機能を有しており、同様の動作を行なう。
なお、本実施の形態の画像投影装置84と実施の形態2,3の画像投影装置82,83を組み合わせて画像投影装置を構成してもよい。例えば、本実施の形態では、スクリーン7からの反射光を受光する光量センサ6が1つである場合について説明したが、光量センサを複数個用いてもよい。また、画像投影装置84が角度補正部42a,42bを有する構成としてもよい。
このように、実施の形態4によれば、レンズ部54に入射した光を光量センサ56で受光して発光量EAを生成し、発光量EAと補正発光量EBに基づいて、基準発光量指令値LA_r,LA_g,LA_bを発光量指令値LB_r,LB_g,LB_bに変換するので、光源3から出射される光の輝度を計算によって推定する必要が無い。このため、出力が経時変化するデバイスを光源3に用いる場合であっても、光路への障害物の侵入や、スクリーン7上の不具合を精度良く検出することが可能になる。
実施の形態5.
つぎに、図27〜図31を用いてこの発明の実施の形態5について説明する。実施の形態5では、光源から赤、緑、青とともに、不可視光を出射させ、不可視光の輝度に基づいて、光路上の不具合を検出する。本実施の形態では、画像投影装置81〜84の何れかに対して、光源3の代わりに実施の形態5の光源(後述する光源53)を配置することによって本実施の形態の画像投影装置を構成する。以下では、本実施の形態の画像投影装置の一例として、画像投影装置81に実施の形態5の光源53を配置した場合について説明する。
図27は、実施の形態5に係る光源の構成例を示すブロック図である。なお、図27の各構成要素のうち図9に示す実施の形態1の光源3と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
実施の形態5に係る光源53が、実施の形態1の光源3と異なる点は、光源53が、新たな構成要素として少なくとも1つのLD_Ir49を有している点などである。電源部18は、光源を光らせるためのエネルギーを電流変調部19a,19b,19c、およびLD_Ir49に供給する。LD_Ir49は、LD_r20、LD_g21、LD_b22とは波長の異なる不可視光(例えば、赤外光)を出射するLDである。
電流変調部19a,19b,19cは、例えば定電流回路を備えて構成されている。電流変調部19a,19b,19cは、発光量指令値変換部2から出力された、発光量指令値LB_r,LB_g,LB_bに基づいて、LD_r20、LD_g21、LD_b22に供給する電流I_r,I_g,I_bを変調し、それぞれLD_r20、LD_g21、LD_b22に出力する。
一方、LD_Ir49は、発光量指令値変換部2から出力される発光量指令値LB_r,LB_g,LB_bとは接続されていない。このため、LD_Ir49は、電源部18から光源3を光らせるためのエネルギーが供給されている間は、入力する映像信号IMGに関係なく、常時、赤外光などの不可視光を出力する。
図28は、実施の形態5に係るレンズ部の構成例を示すブロック図である。なお、図28の各構成要素のうち図11に示す実施の形態1のレンズ部4と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
実施の形態5に係るレンズ部64が、図11に示すレンズ部4と異なる点は、レンズ部64が新たな構成要素として集光レンズ23dを有している点、光合成部26の代わりに光合成部66を有している点などである。LD_r20、LD_g21、LD_b22から出射された光は、それぞれ集光レンズ23a、集光レンズ23b、集光レンズ23cを介して光合成部66に入射する。また、LD_Ir49から出射された光は、集光レンズ23dを介して光合成部66に入射する。光合成部66では、入射してくる波長の異なる4つの光を合成し、投射レンズ27に出射する。投射レンズ27は、光合成部66から出射された光を集め、スキャナ5に出射する。
図29は、実施の形態5に係る光合成部の構成例を示す図である。なお、図29の各構成要素のうち図12に示す実施の形態1の光合成部26と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
実施の形態5に係る光合成部66が、図12に示す光合成部26と異なる点は、光合成部66が、新たな構成要素としてハーフミラー30を有している点などである。集光レンズ23aから出射された赤色光は、ミラー31で光軸を曲げられた後、ハーフミラー32にて、集光レンズ23cから出射された青色光と重ね合わされる。ハーフミラー32で生成された、赤と青の混合光はハーフミラー33によって、集光レンズ23bから出射された緑色光と重ね合わされる。ハーフミラー33で生成された、赤と青と緑の混合光はハーフミラー30によって、集光レンズ23dから出射された赤色光と重ね合わされる。ハーフミラー30から出射された、赤、青、緑、赤外の混合光は、投射レンズ27に出射される。なお、光の合成する順番は図29に示した順番に限らず、何れの順番で合成してもよい。
レンズ部64から出射された光はスキャナ5を介してスクリーン7に投射される。LD_Ir49は不可視の赤外光であるので、前面投射型、背面投射型とも、LD_Irが追加されたことによる観察者40からの映像の見え方に差が生じるわけではない。
本実施の形態の光量センサ6は、図17に示した光量センサ6とほぼ同様の構成を有している。本実施の形態の光量センサ6は、バンドパスフィルタ38として、LD_Ir49からの不可視光(赤外光)を透過させ、赤、青、緑の光は透過させない。
図30は、実施の形態5に係るバンドパスフィルタの透過率曲線の例を示す図である。実施の形態5に係るバンドパスフィルタ38と図18に示すバンドパスフィルタ38とが異なる点は、実施の形態5に係るバンドパスフィルタ38では、可視光領域の波長を全てカットオフし、新たにLD_Ir49から出射される光の波長(この例では1060nm付近)のみを透過させる透過率曲線L2になっている点などである。
光量センサ6は、内蔵するバンドパスフィルタ38によって、入射してくる光の特定の波長を選択的に透過させ、フォトセンサ39に出力する。フォトセンサ39は、入射する光を光電変換し、受光量RAを出力する。このように、本実施の形態光量センサ6では、不可視光領域の一部のみを透過するバンドパスフィルタ38(透過率曲線L2)を用いているので、フォトセンサ39に外光がほとんど入射することがない。光量センサ6から出力された受光量RAは、例えば図1に示すように発光量指令値変換部2に出力される。
図31は、実施の形態5に係る発光量指令値変換部の構成例を示すブロック図である。なお、図29の各構成要素のうち図4に示す実施の形態1の発光量指令値変換部2や図25に示す実施の形態4の発光量指令値変換部52と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
実施の形態5に係る発光量指令値変換部62が、図2に示す発光量指令値変換部2と異なる点は、発光量指令値変換部62が発光輝度推定部12や遅延補償部13を有していない点などである。また、発光量指令値変換部62が、図25に示す発光量指令値変換部52と異なる点は、発光量指令値変換部62が発光輝度補正部47を有していない点である。
受光輝度補正部11は、光量センサ6から入力する受光量RAを補正することによって補正受光量RBを生成し、数値比較部14に出力する。数値比較部14は、補正受光量RB、予め設定しておいた発光輝度YIr、閾値THに基づいて、発光量変換ゲイン値LGを生成し、指令信号変換部15に出力する。発光輝度YIrは、LD_Ir49から出射される光の発光輝度(予測値)である。ここでの発光量変換ゲイン値LGは、スクリーン7に送られるLD_Ir49からの光の輝度(予測値)と、スクリーン7から画像投影装置81に送られてくるLD_Ir49からの光の輝度(測定値)と、の比に基づいて導出される。本実施の形態の数値比較部14は、入力した補正受光量RBと発光輝度YIrの比と、閾値THと、を比較した結果に基づいて、発光量変換ゲイン値LGを出力する。
なお、発光輝度YIrは、光量センサ6から入力されて生成される補正受光量RBの予測値であってもよいし、補正受光量RBと比較するための値であってもよい。この場合も、発光輝度YIrの大きさに応じた閾値THを設定しておく。また、補正受光量RBと閾値THとを、直接比較してもよい。
指令信号変換部15は、発光量変換ゲイン値LGおよび画像投影装置81の外部から入力するリセット信号RSTに基づいて、基準発光量指令値LA_r,LA_g,LA_bを、それぞれ発光量指令値LB_r,LB_g,LB_bに変換し光源3に出力する。
本実施の形態では、光源53を構成するLD_r20、LD_g21、LD_b22は入力する映像信号IMGのレベルによって出射する光の強度を変化させているが、LD_Ir49は、入力する映像信号IMGのレベルによらず常に発光輝度YIrの光を出射している。そのため、光量センサ6から出力される受光量RAは、たとえ映像信号IMGが黒色であっても、光路への障害物の侵入、またはスクリーン7上に異常が無い限り、常にLD_Irが出射する光の一部を受光している。
数値比較部14では、映像信号IMGに基づいて、光源3が出射した光量を推定する必要が無く、補正受光量RBと予め設定しておいた発光輝度YIrの比の値RB/YIrに基づいて発光量変換ゲイン値LGを生成し出力する。例えば、RB/YIrは、通常1以下の値を示すが、RB/YIrが極端に小さな値(所定値よりも小さな値)をとる場合は、スクリーン7上から反射光が得られないと判断することができる。したがって、この場合、数値比較部14は、スクリーン7にピンホール等の欠陥が生じていると判断することができる。
数値比較部14は、少なくともRB/YIrが閾値THよりも大きい場合は、スクリーン7からの反射光が得られなかったと判断し、発光量変換ゲイン値LGを0として指令信号変換部15に出力する。一方、数値比較部14は、RB/YIrが閾値THより小さい場合は、スクリーン7からの反射光が適切であったと判断し、発光量変換ゲイン値LGを1として指令信号変換部15に出力する。指令信号変換部15の動作は、図7や図8などで説明した動作と同様の動作であるので重複する説明は省略する。
なお、本実施の形態では、バンドパスフィルタ38が、LD_Ir49から出射される光の波長のみを透過させる場合について説明したが、バンドパスフィルタ38は、LD_Ir49から出射される光の波長以外の波長を透過させてもよい。
また、本実施の形態では、光源53から受光量測定用の不可視光を出射させる場合について説明したが、受光量測定用の光としては、可視光の波長(波長領域)であってもよい。この場合、受光量測定用の可視光と、映像表示用の光(赤、緑、青)の各波長とを、それぞれ異なる波長としておく。
このように、数値比較部14は、比RB/YIrと閾値THとを比較することによって、観察者40側への意図しない光として、光路上への障害物の侵入、スクリーン7上の不具合を検出している。したがって、簡易な構成で容易かつ正確に光路上の不具合を検出することが可能となる。また、意図しない光を検出した場合には、意図しない光の出射を停止させるので、光源53から光が出射されることはなく、観察者40が不快な映像を見続けることはない。
本実施の形態の画像投影装置81は、以上のように構成されているので、光路への障害物の侵入、またはスクリーン7上に異常が無い限り光量センサ6は常にLD_Ir49が出射する光を受光することができる。このため、たとえ映像信号IMGが黒レベルであっても、光路状の不具合(例えば、スクリーン7の破れなど)を早期に発見することができる。
また、LD_Ir49から出射される光量は、映像信号IMGによらず一定出力が可能であるので、正常時には、スクリーン7から光量センサ6に入射する反射光を常に一定光量確保することが可能となる。したがって、光量センサ6に入射するスクリーン7からの光が、光量センサ6に入射する外光と比較して十分に強くなるように、LD_Ir49からの反射光または透過光の出力を調整することができる。これにより、光量センサ6で受光するLD_Ir49からの光が外光から受ける影響を少なくすることが可能となる。
また、受光センサ6に用いるバンドパスフィルタ38は、LD_Ir49を透過中心波長とする一部の赤外光しか透過させない。このため、LD_r20、LD_g21、LD_b22の各波長帯を透過するバンドパスフィルタ38を用いる場合と比較して、反射光の検出において、外光の影響を少なくすることが可能になる。
このように、実施の形態4によれば、光源から出射させた不可視光を用いて光路上の不具合を検出するので、光量センサ6が外光から受ける影響を少なくすることが可能となる。したがって、光路への障害物の侵入や、スクリーン7上の不具合を精度良く検出することが可能になる。
なお、上述した実施の形態1〜5では、画像表示に用いる映像信号IMGがIMG_r、IMG_g、IMG_bの3色の信号から構成され、光源3,53が異なる波長の可視光を3つ出射する場合について説明したが、画像表示に用いる映像信号IMGは、2色以下の信号または4色以上の信号であってもよい。また、光源が出射する可視光は、1つの波長の可視光、異なる2つの波長の可視光、異なる4つ以上の波長の可視光であってもよい。