JP2011168861A - 高強度熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

高強度熱延鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】590MPa以上の強度(TS)を有し、かつ、伸びおよび伸びフランジ性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】成分組成は、質量%で、C:0.05〜0.3%、Si:0.3〜2.5%、Mn:0.5〜3.5%、P:0.003〜0.100%、S:0.020%以下、Al:0.010〜0.5%を含み、残部が鉄および不可避的不純物からなる。組織は、フェライト相の面積率が20%以上、焼戻しマルテンサイト相の面積率が10〜60%、マルテンサイト相の面積率が0〜10%、残留オーステナイト相の体積率が3〜15%である。
【選択図】なし

Description

本発明は、主に自動車、電気等の産業分野で使用される部材として好適な加工性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法に関する。
近年、地球環境保全の見地から、自動車の燃費向上が重要な課題となっている。これに伴い、車体材料の高強度化により薄肉化を図り、車体そのものを軽量化しようとする動きが活発となってきている。しかしながら、鋼板の高強度化は延性の低下、即ち成形加工性の低下を招く。このため、高強度と高加工性を併せ持つ材料の開発が望まれているのが現状である。
さらに製造コスト等の経済性に対する配慮も必要とされ、この点から冷延鋼板よりも熱延鋼板の方が有利である。
このような要求に対して、これまでに成形性を考慮した高強度熱延鋼板が種々開発されている。強度−延性バランスの優れた鋼として、特許文献1〜3には、残留オーステナイトを活用した高加工性高強度熱延鋼板の製造方法が開示されている。しかし、これらの所謂TRIP鋼は伸び特性には優れるものの穴拡げ性が劣るという問題がある。穴拡げ性は加工穴部を拡張してフランジ成形させるときの加工性を示す指標で、伸び特性と共に高強度鋼板に要求される重要な特性である。
特公平6-41617号公報 特公平5-65566号公報 特公平5-67682号公報
上述したように、特許文献1〜3では、優れた伸び特性および伸びフランジ性を兼ね備える熱延鋼板は得られていない。
本発明は、かかる事情に鑑み、590MPa以上の強度(TS)を有し、かつ、伸びおよび伸びフランジ性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した課題を達成し、伸びおよび伸びフランジ性に優れた高強度熱延鋼板を製造するため、鋼板の成分組成およびミクロ組織の観点から鋭意研究を重ねた。
その結果、フェライト相の面積率が20%以上、焼戻しマルテンサイト相の面積率が10〜60%、マルテンサイト相の面積率が0〜10%、残留オーステナイト相の体積率が3〜15%である組織を有することにより、伸びと伸びフランジ性を両立できることが分かった。
一般的に残留オーステナイト相が存在すると残留オーステナイト相のTRIP(変態誘起塑性)効果により延性が向上する。しかし、歪の付加により残留オーステナイト相が変態して生成するマルテンサイト相は非常に硬質なものとなり、その結果、主相であるフェライト相との硬度差が大きくなり伸びフランジ性が低下することが知られている。これに対し、本発明の成分および組織構成とすることで、高い伸びと高い伸びフランジ性が両立可能となる。残留オーステナイト相が存在しても高い伸びフランジ性が可能となる理由について詳細は不明であるが、残留オーステナイト相が焼戻しマルテンサイト相と共存することにより、残留オーステナイト相の穴拡げ性(伸びフランジ性)への悪影響が低減されるためと考えられる。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
[1]成分組成は、質量%で、C:0.05〜0.3%、Si:0.3〜2.5%、Mn:0.5〜3.5%、P:0.003〜0.100%、S:0.020%以下、Al:0.010〜0.5%を含み、残部が鉄および不可避的不純物からなり、組織は、フェライト相の面積率が20%以上、焼戻しマルテンサイト相の面積率が10〜60%、マルテンサイト相の面積率が0〜10%、残留オーステナイト相の体積率が3〜15%であることを特徴とする高強度熱延鋼板。
[2]さらに、成分組成として、質量%で、Cr:0.005〜2.00%、Mo:0.005〜2.00%、V:0.005〜2.00%、Ni:0.005〜2.00%、Cu:0.005〜2.00%から選ばれる1種または2種以上の元素を含有することを特徴とする前記[1]に記載の高強度熱延鋼板。
[3]さらに、成分組成として、質量%で、Ti:0.01〜0.20%、Nb:0.01〜0.20%から選ばれる1種または2種の元素を含有することを特徴とする前記[1]または前記[2]に記載の高強度熱延鋼板。
[4]さらに、成分組成として、質量%で、B:0.0002〜0.005%を含有することを特徴とする前記[1]〜前記[3]のいずれかに記載の高強度熱延鋼板。
[5]さらに、成分組成として、質量%で、Ca:0.001〜0.005%、REM:0.001〜0.005%から選ばれる1種または2種の元素を含有することを特徴とする前記[1]〜前記[4]のいずれかに記載の高強度熱延鋼板。
[6]前記[1]〜前記[5]のいずれかに記載の成分組成を有するスラブに、熱間圧延を施したのち、800〜600℃の温度範囲を10〜100℃/sの平均冷却速度で1回目の冷却を行い、次いで100〜300℃まで2回目の冷却を行い、100〜300℃の巻取り温度で巻取った後、300〜450℃の温度に再加熱し、該再加熱温度域で1〜600min保持し、次いで、冷却することを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。
なお、本明細書において、鋼の成分を示す%は、すべて質量%である。また、本発明において、「高強度熱延鋼板」とは、引張強度TSが590MPa以上である熱延鋼板である。
本発明によれば、590MPa以上の引張強度TSを有し、かつ、伸びおよび伸びフランジ性に優れた高強度熱延鋼板が得られる。本発明の高強度熱延鋼板を例えば自動車構造部材に適用することにより、自動車の軽量化と衝突安全性向上の両立を可能とし、自動車車体の高性能化に大きく寄与するという優れた効果を奏する。
以下に、本発明の詳細を説明する。
1)成分組成
C:0.05〜0.3%
Cはオーステナイト相を安定化させる元素であり、フェライト相以外の相を生成しやすくする。また、鋼板強度を上昇させ、組織を複合化して強度と伸びのバランス(以下、TS×ELと称することもある)を向上させる。これらの効果を得るためには、C量は0.05%以上とする。C量が0.05%未満では製造条件の最適化を図ったとしてもフェライト相以外の相の確保が難しく、TS×ELが低下する。一方、C量が0.3%を超えると、溶接部および熱影響部の硬化が著しく、溶接部の機械的特性が劣化する。こうした観点からC量は0.05%以上0.3%以下の範囲とする。好ましくは0.08%以上0.15%以下である。
Si:0.3〜2.5%
Siは鋼の強化に有効な元素である。また、フェライト相生成元素であり、オーステナイト相中へのCの濃化促進および炭化物の生成を抑制することから、残留オーステナイト相の生成を促進する働きを有する。Si量が0.3%に満たないとその添加効果に乏しくなるので、下限は0.3%とする。ただし過剰な添加は、表面性状、溶接性を劣化させるので、上限は2.5%とする。好ましくは0.7%以上2.0%以下である。
Mn:0.5〜3.5%
Mnは鋼の強化に有効な元素であり、焼戻しマルテンサイト相等の低温変態相の生成を促進する。このような作用は、Mn含有量が0.5%以上で認められる。ただし、Mnを3.5%を超えて過剰に添加すると、第二相分率の過剰な増加や固溶強化によるフェライト相の延性劣化が著しくなり成形性が低下する。従って、Mn量は0.5%以上3.5%以下とする。好ましくは1.5%以上3.0%以下である。
P:0.003〜0.100%
Pは鋼の強化に有効な元素であり、この効果は0.003%以上で得られる。しかし、0.100%を超えて過剰に添加すると粒界偏析により脆化を引き起こし、耐衝撃性を劣化させる。従って、P量は0.003%以上0.100%以下とする。
S:0.020%以下
SはMnSなどの介在物となって、耐衝撃特性の劣化や溶接部のメタルフローに沿った割れの原因になるので極力低い方が良いが、製造コストの面から0.020%以下とする。
Al:0.010〜0.5%
Alは脱酸剤として用いられ、脱酸工程で添加する。Al量が0.010%に満たないとその添加効果が乏しくなる。よって、下限は0.010%とする。一方、多量に添加すると連続鋳造時の鋼片割れ発生の危険性が高まり製造性を低下させる。よって、上限は0.5%とする。
残部はFeおよび不可避的不純物である。
ただし、これらの成分元素に加えて、以下の合金元素を必要に応じて添加することができる。
Cr:0.005〜2.00%、Mo:0.005〜2.00%、V:0.005〜2.00%、Ni:0.005〜2.00%、Cu:0.005〜2.00%から選ばれる1種または2種以上
Cr、Mo、V、Ni、Cuは焼鈍温度からの冷却時にパーライト相の生成を抑制し、低温変態相の生成を促進し鋼の強化に有効に働く。この効果は、Cr、Mo、V、Ni、Cu の少なくとも1種を0.005%以上含有させることで得られる。しかし、Cr、Mo、V、Ni、Cu のそれぞれの成分が2.00%を超えるとその効果は飽和し、コストアップの要因となる。従ってCr、Mo、V、Ni、Cu量を添加する場合は、それぞれ0.005%以上2.00%以下とする。
Ti:0.01〜0.20%、Nb:0.01〜0.20%から選ばれる1種または2種
Ti、Nbは炭窒化物を形成し、鋼を析出強化により高強度化する作用を有する。このような効果は少なくとも1種を0.01%以上添加することで認められる。一方、それぞれの成分が0.20%を超えて含有しても、過度に高強度化し、延性が低下する。従って、Ti、Nbを添加する場合は、それぞれ0.01%以上0.20%以下とする。
B:0.0002〜0.005%
Bはオーステナイト相粒界からのフェライト相の生成を抑制し強度を上昇させる作用を有する。その効果は0.0002%以上の添加で得られる。しかし、B量が0.005%を超えるとその効果は飽和し、コストアップの要因となる。従って、B量は0.0002%以上0.005%以下とする。
Ca:0.001〜0.005%、REM:0.001〜0.005%から選ばれる1種または2種
Ca、REMはいずれも硫化物の形態制御により加工性を改善する効果を有しており、必要に応じてCa、REMの1種または2種を0.001%以上含有させることができる。しかしながら過剰な添加は成形性を低下させる恐れがあるため、Ca、REMを添加する場合は、それぞれ0.005%以下とする。
2)ミクロ組織
フェライト相の面積率が20%以上
フェライト相の面積率が20%未満だとTS×ELが低下するため20%以上とする。好ましくは50%以上である。一方、フェライト相の面積率が87%を超えると必要量の焼戻しマルテンサイト相および残留オーステナイト相の確保ができなくなる。よって、フェライト相の面積率は87%以下が好ましい。
焼戻しマルテンサイト相の面積率が10〜60%
焼戻しマルテンサイト相とはマルテンサイト相をAc1変態点以下の温度に加熱して得られる、転位密度の高いフェライト相とセメンタイト相との複合組織を示し、鋼の強化に有効に働く。また、焼戻しマルテンサイト相はマルテンサイト相に比べて穴拡げ性(伸びフランジ性)への悪影響が小さく、顕著な穴拡げ性(伸びフランジ性)の低下なしに強度を確保するのに有効な相である。以上の理由により、焼戻しマルテンサイト相の面積率は10%以上とする。焼戻しマルテンサイト相の面積率が10%未満では強度確保が困難となる。一方、その面積率が60%を超えるとTS×ELが低下するため、焼戻しマルテンサイト相の面積率は60%以下とする。
マルテンサイト相の面積率が0〜10%
マルテンサイト相の面積率が10%を超えると穴拡げ率(以下、λと称することがある)が顕著に低下するので、面積率の上限を10%とする。また、マルテンサイト相の面積率の下限は0%である。従って、マルテンサイト相の面積率は0%以上10%以下とする。
残留オーステナイト相の体積率が3〜15%
残留オーステナイト相は鋼の強化に寄与するだけでなく、鋼のTS×ELの向上にも有効に働く。このような効果は体積率で3%以上で得られる。一方、残留オーステナイト相の体積率が15%超えとなると穴拡げ性(伸びフランジ性)が低下する。従って、残留オーステナイト相の体積率は3%以上15%以下とする。
なお、上記ミクロ組織の構成が満足されれば本発明の目的を達成できるため、フェライト相、焼戻しマルテンサイト相、マルテンサイト相、残留オーステナイト相以外の相として、パーライト相およびベイナイト相を含むことができる。ただし、延性(伸び)および穴拡げ性(伸びフランジ性)確保の観点からパーライトおよびベイナイトはそれぞれ面積率で3%以下とすることが望ましい。
なお、本発明におけるフェライト相、焼戻しマルテンサイト相およびマルテンサイト相の面積率とは、観察面積に占める各相の面積の割合のことである。上記各面積率は、例えば、鋼板の圧延方向に平行な板厚断面を研磨後、3%ナイタールで腐食し、SEM(走査電子顕微鏡)を用いて2000倍の倍率で10視野観察し、市販の画像処理ソフトを用いて求めることができる。また、残留オーステナイト相の体積率とは、板厚1/4面における残留オーステナイト相の{111}、{200}、{220}、{311}面とフェライト相の{110}、{200}、{211}面の全ての組合せについて求めたX線回折積分強度比の平均値である。
3)製造条件
本発明の高強度熱延鋼板は、例えば、上記の成分組成を有するスラブに、熱間圧延を施したのち、800〜600℃の温度範囲を10〜100℃/sの平均冷却速度で1回目の冷却を行い、次いで100〜300℃まで2回目の冷却を行い、100〜300℃の巻取り温度で巻取った後、300〜450℃の温度に再加熱し、該再加熱温度域で1〜600min保持し、次いで、冷却する。
以下、詳細に説明する。
上記の成分組成に調整した鋼を転炉などで溶製し、連続鋳造法等でスラブとし、熱間圧延を行う。
使用する鋼スラブは、成分のマクロ偏析を防止するために連続鋳造法で製造するのが好ましいが、造塊法、薄スラブ鋳造法で製造してもよい。また、鋼スラブを製造したのち、いったん室温まで冷却し、その後再度加熱する従来法に加え、室温まで冷却しないで、温片のままで加熱炉に挿入する、あるいはわずかの保熱をおこなった後に直ちに圧延する直送圧延・直接圧延などの省エネルギープロセスも問題なく適用できる。
スラブ加熱温度:1100℃以上(好適条件)
スラブ加熱温度は、低温加熱がエネルギー的には好ましいが、加熱温度が1100℃未満では、炭化物が十分に固溶できなかったり、圧延荷重の増大による熱間圧延時のトラブル発生の危険が増大するなどの問題が生じる。そのため、スラブ加熱温度は1100℃以上が好ましい。なお、酸化の増加にともなうスケールロスの増大などから、スラブ加熱温度は1300℃以下とすることが好ましい。
なお、スラブ加熱温度を低くしても熱間圧延時のトラブルを防止するといった観点から、シートバーを加熱する、いわゆるシートバーヒーターを活用してもよい。
仕上圧延終了温度:A3点以上(好適条件)
仕上圧延終了温度がA3点未満では、圧延中にα(フェライト)とγ(オーステナイト)が生成して、鋼板にバンド状組織が生成し易くなり、材料特性に異方性を生じさせたり、加工性を低下させる原因となる場合がある。このため、仕上圧延終了温度はA3変態点以上とすることが好ましい。
次いで、800〜600℃の温度範囲を10〜100℃/sの平均冷却速度で1回目の冷却を行い、次いで100〜300℃まで2回目の冷却を行い、100〜300℃の巻取り温度で巻取る。
800〜600℃の温度範囲の平均冷却速度:10〜100℃/s
800〜600℃の温度範囲における平均冷却速度が10℃/s未満ではパーライト相が生成し、TS×ELおよび穴拡げ性(伸びフランジ性)が低下する。従って、平均冷却速度は10℃/s以上とする。一方、平均冷却速度が100℃/sを超えるとフェライト相の生成が抑制され、面積率が20%以上のフェライト相が得られなくなる。以上より、800〜600℃の温度範囲における平均冷却速度は10〜100℃/sとする。
100〜300℃まで2回目の冷却、すなわち、600℃から巻取り温度までの冷却の平均冷却速度は特に規定しない。冷却ゾーンのライン長の制約などから、好ましくは5℃/s以上とする。
巻取り温度:100〜300℃
巻取り温度は本発明において最も重要な要件の一つである。巻取り時にオーステナイト相の一部がマルテンサイト相に変態し、残りは未変態のオーステナイト相となる。そこから再加熱・保持後、室温まで冷却することで、マルテンサイト相は焼戻しマルテンサイト相となり、未変態オーステナイト相は残留オーステナイト相またはマルテンサイト相となる。巻取り温度が300℃より高い温度では、冷却停止時のマルテンサイト変態が不十分で未変態オーステナイト相の量が多くなり、最終的なマルテンサイト相または残留オーステナイト相が過剰に生成し、穴拡げ性(伸びフランジ性)を低下させる。また、巻取り温度が100℃より低くなると、オーステナイト相がほとんどマルテンサイト相に変態し未変態オーステナイト量が減少し、体積率が3%以上の残留オーステナイト相が得られない。このため、巻取り温度は100〜300℃とする。
なお、本発明における熱間圧延工程では、熱間圧延時の圧延荷重を低減するために仕上圧延の一部または全部を潤滑圧延としてもよい。潤滑圧延を行うことは、鋼板形状の均一化、材質の均一化の観点からも有効である。なお、潤滑圧延の際の摩擦係数は0.25〜0.10の範囲とすることが好ましい。また、相前後するシートバー同士を接合し、連続的に仕上圧延する連続圧延プロセスとすることが好ましい。連続圧延プロセスを適用することは、熱間圧延の操業安定性の観点からも好ましい。
巻取り後、300〜450℃の温度に再加熱し、該再加熱温度域で1〜600min保持する。
巻取り後、300〜450℃の温度範囲で1min以上600min以下保持することで、巻取り時に生成したマルテンサイト相が焼戻され焼戻しマルテンサイト相となり、穴拡げ性(伸びフランジ性)が向上し、さらに巻取り時にマルテンサイト相に変態しなかった未変態オーステナイト相が安定化され、最終的に体積率が3%以上の残留オーステナイト相が得られ、伸びが向上する。再加熱温度が300℃未満または保持時間が1min未満ではマルテンサイト相の焼戻しおよびオーステナイト相の安定化が不十分となり穴拡げ性(伸びフランジ性)および伸びが低下する。また再加熱温度が450℃を超える、あるいは保持時間が600minを超えると巻取り時の未変態オーステナイト相から炭化物が析出し、最終的に体積率が3%以上の残留オーステナイト相が得られなくなる。また、再加熱の方法は誘導加熱あるいはBAF焼鈍などいかなる方法を用いても良い。
次いで、室温まで冷却する。室温までの冷却速度および冷却方法は特に規定せず、放冷、ガス冷却、水冷却およびその組合せ等、いかなる方法でも構わない。
なお、熱間圧延後の鋼板には、形状矯正、表面粗度等の調整のため調質圧延を加えてもよい。また、亜鉛めっきなどの各種めっき処理および樹脂あるいは油脂コーティング、各種塗装等の処理を施しても何ら不都合はない。
以上により、本発明の伸びおよび伸びフランジ性に優れた高強度熱延鋼板が得られる。
表1に示す成分組成を有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる鋼(成分組成:Nは不可避的不純物)を転炉にて溶製し、連続鋳造法にて鋳片(スラブ)とした。得られた鋳片を表2に示す条件で板厚2.9mmまで熱間圧延した。
Figure 2011168861
Figure 2011168861
以上により得られた熱延鋼板について、断面ミクロ組織、引張特性および穴拡げ性(伸びフランジ性)を調査した。得られた結果を表3に示す。
なお、鋼板の断面ミクロ組織は3%ナイタール溶液(3%硝酸+エタノール)で組織を現出し、走査型電子顕微鏡(SEM)で2000倍の倍率で深さ方向板厚1/4位置を10視野観察して、撮影した組織写真を用いて、画像解析処理を行ない、フェライト相の分率(面積率)を定量化した(なお、画像解析処理は市販の画像処理ソフトを用いることができる)。
マルテンサイト相の面積率、焼戻しマルテンサイト相の面積率は、組織の細かさに応じて1000〜3000倍の適切な倍率でSEM写真を撮影し、画像処理ソフトで定量化した。
残留オーステナイト相の体積率は、鋼板を板厚方向の1/4面まで研磨し、この板厚1/4面の回折X線強度により求めた。入射X線にはMoKα線を使用し、残留オーステナイト相の{111}、{200}、{220}、{311}面とフェライト相の{110}、{200}、{211}面のピークの積分強度の全ての組み合わせについて強度比を求め、これらの平均値を残留オーステナイト相の体積率とした。
また、引張特性は、引張方向が鋼板の圧延方向と直角方向となるようサンプル採取したJIS5号試験片を用いて、JISZ2241に準拠した引張試験を行ない、TS(引張強さ)、EL(伸び)を測定し、強度と伸びの積(TS×EL)で表される強度と伸びのバランスの値を求めた。
さらに、λ(穴拡げ率)は日本鉄鋼連盟規格JFST1001に準じた穴拡げ試験を行い、測定した。
Figure 2011168861
表3より、本発明例の鋼板はTSとELのバランス(TS×EL)が21000MPa・%以上、穴拡げ率(λ)が75%以上であり、高強度と、優れた伸びおよび伸びフランジ性を示している。
一方、本発明の範囲をはずれる比較例の鋼板はTSとELのバランス(TS×EL)が21000MPa・%未満および(または)λが75%未満となり、強度、伸びおよび伸びフランジ性のいずれかが劣っている。

Claims (6)

  1. 成分組成は、質量%で、C:0.05〜0.3%、Si:0.3〜2.5%、Mn:0.5〜3.5%、P:0.003〜0.100%、S:0.020%以下、Al:0.010〜0.5%を含み、残部が鉄および不可避的不純物からなり、組織は、フェライト相の面積率が20%以上、焼戻しマルテンサイト相の面積率が10〜60%、マルテンサイト相の面積率が0〜10%、残留オーステナイト相の体積率が3〜15%であることを特徴とする高強度熱延鋼板。
  2. さらに、成分組成として、質量%で、Cr:0.005〜2.00%、Mo:0.005〜2.00%、V:0.005〜2.00%、Ni:0.005〜2.00%、Cu:0.005〜2.00%から選ばれる1種または2種以上の元素を含有することを特徴とする請求項1に記載の高強度熱延鋼板。
  3. さらに、成分組成として、質量%で、Ti:0.01〜0.20%、Nb:0.01〜0.20%から選ばれる1種または2種の元素を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の高強度熱延鋼板。
  4. さらに、成分組成として、質量%で、B:0.0002〜0.005%を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高強度熱延鋼板。
  5. さらに、成分組成として、質量%で、Ca:0.001〜0.005%、REM:0.001〜0.005%から選ばれる1種または2種の元素を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高強度熱延鋼板。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の成分組成を有するスラブに、熱間圧延を施したのち、800〜600℃の温度範囲を10〜100℃/sの平均冷却速度で1回目の冷却を行い、次いで100〜300℃まで2回目の冷却を行い、100〜300℃の巻取り温度で巻取った後、300〜450℃の温度に再加熱し、該再加熱温度域で1〜600min保持し、次いで、冷却することを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。
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