JP2011168228A - タイヤ空気圧制御機構付軸受ユニット、当該タイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットに対するセンサ機構の電気系及びタイヤ空気圧制御機構の供給系の接続構造、並びに圧縮空気供給用パイプ - Google Patents

タイヤ空気圧制御機構付軸受ユニット、当該タイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットに対するセンサ機構の電気系及びタイヤ空気圧制御機構の供給系の接続構造、並びに圧縮空気供給用パイプ Download PDF

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Abstract

【課題】速度センサ機構の電気系とタイヤ空気圧制御機構の供給系を統合し、配管や配線の簡略化が可能なタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットを提供する。
【解決手段】複列の外輪軌道面20a,20bを有する外輪2、内輪16とハブ輪12を備えて複列の内輪軌道面40a,40bを有して使用時に車輪とともに回転するハブ4、複列の軌道面間に転動可能に配設される転動体6a,6b、インボード側を封止するエンドキャップ26、内輪に固定されて回転する被検出体(センサロータ)32、被検出体に対向し、保持部材(ソケット)36によってエンドキャップに一体保持され、被検出体の回転状態を検出する検出体(センサ)34、圧縮空気をタイヤに供給する圧縮空気供給路を備え、圧縮空気供給路は、検出体の保持部材からエンドキャップの内部に通じる第一の流路52と、ハブ輪を貫通する第二の流路54より形成し、圧縮空気を第一の流路、第二の流路の順で圧縮空気供給路を通過し、タイヤまで供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットにおける圧縮空気供給技術に関し、より詳細には、走行中において、自動車の従動輪のタイヤ空気圧を路面状況などに応じて調整できるタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットにおける圧縮空気供給技術に関する。
近年、自動車の走行安定性向上の観点から、舗装路面、凸凹路面、砂利道などの路面状況に応じて、走行中にタイヤの空気圧を最適な状態に調整する機能が求められており、従来から、圧縮空気を車体側から送出し、当該圧縮空気が軸受を介してタイヤ側まで送られるように、静止輪側から回転輪側へと圧縮空気を通過させる空気圧制御機構を備えた各種のハブユニット軸受(タイヤ空気圧制御機構付軸受ユニット)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニット(以下、単に軸受ユニットともいう)においては、圧縮空気を第1の流路、第2の流路、第3の流路でなる圧縮空気供給路をこの順番で通過させてタイヤに供給している。この場合、第1の流路は静止輪である外輪に半径方向へ延設され、第2の流路は回転輪である内輪とハブ輪の少なくとも一方に半径方向へ延設され、そして、第3の流路は一端が前記第2の流路に連通するとともに、他端がアウトボード側に開口して前記ハブ輪に軸方向へ延設されている。
圧縮空気供給路をこのような簡単な構成とすることで、当該圧縮空気供給路の加工が容易となり、タイヤ(従動輪)の空気圧を最適な状態に調整することが可能で実用的なタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットを安価に提供することを可能としている。
特開2007-125966号公報
しかしながら、特許文献1に記載された軸受ユニットにおける空気圧制御機構は、軸受ユニット内の圧縮空気の流路(圧縮空気供給路)を明確にしたものであり、軸受ユニットへの各種の配管や配線などの簡略化に配慮したものとはなっていない。
近年、ABS(Antilock Brake System)搭載車などにおいては、速度センサ機構を備えたハブユニット軸受(速度センサ機構付軸受ユニット)が一般化している。このような速度センサ機構とタイヤ空気圧制御機構の両方を備えたハブユニット軸受を構成する場合、当該速度センサ機構の信号ケーブルと圧縮空気の供給管(圧空配管)の2つの接続系をハブユニット軸受につなぐ必要がある。これら2つの接続系をハブユニット軸受につなぐ際には、配管や配線の簡略化を図らないとアクスル構造が複雑となり、その分だけ組立工数の増加などを招いてしまう虞がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされており、その目的は、速度センサ機構の電気系(例えば、速度センサの信号ケーブル)とタイヤ空気圧制御機構の供給系(同、圧縮空気を発生する圧縮空気供給源(ポンプユニット等)の圧空配管)を統合し、配管や配線の簡略化を図ることを可能とするタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットを提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明に係るタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットは、内周面に複列の外輪軌道面を有する外輪と、少なくとも1つの内輪と、ハブ輪とを備え、外周面に複列の内輪軌道面を有して使用時に車輪とともに回転するハブと、前記複列の外輪軌道面と前記複列の内輪軌道面の間に転動可能に配設される複数の転動体と、前記外輪に固定され、軸受インボード側を封止するエンドキャップと、前記内輪に固定され、当該内輪とともに回転するセンサ機構の被検出体と、前記被検出体に対向し、保持部材によって前記エンドキャップに一体保持され、当該被検出体の回転状態を検出する前記センサ機構の検出体と、圧縮空気供給源から供給された圧縮空気を前記車輪のタイヤに供給する圧縮空気供給路と、を備えている。かかるタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットにおいて、前記圧縮空気供給路は、前記検出体の保持部材から前記エンドキャップの内部に通じる第一の流路と、前記ハブ輪を貫通する第二の流路より形成され、圧縮空気は、当該第一の流路、当該第二の流路の順で前記圧縮空気供給路を通過し、前記タイヤまで供給される。
また、かかるタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットにおいて、前記センサ機構における検出体からの出力信号を送信する電気系、及び前記タイヤ空気圧制御機構における圧縮空気を供給する供給系を前記軸受ユニットに接続するための接続構造は、前記電気系を前記検出体の保持部材へ接続すると同時に、前記供給系を前記圧縮空気供給路へ接続する。
このような接続構造において、前記タイヤ空気圧制御機構における圧縮空気の供給系を構成する圧縮空気供給用パイプは、その外周壁部に補強用の複数のワイヤが埋め込まれており、当該ワイヤのうちの少なくとも2本は、いずれも他のワイヤとは絶縁され、前記センサ機構における出力信号を送信する電気系を構成する信号ケーブルを兼ねる。
本発明のタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットによれば、速度センサ機構の電気系(例えば、速度センサの信号ケーブル)とタイヤ空気圧制御機構の供給系(同、圧縮空気を発生する圧縮空気供給源(ポンプユニット等)の圧空配管)を統合し、1つの接続手段(同、カプラ構造)で軸受ユニットに接続することができ、配管や配線の簡略化を図ることができる。この結果、速度センサ機構を備えるとともに、車両の走行中、タイヤの空気圧を最適な状態に調整することが可能で実用的なタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットを安価に提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係るタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットの構成を示す断面図である。 速度センサ機構の電気系とタイヤ空気圧制御機構の供給系の軸受ユニットへの接続構造(カプラ構造)を示す図であって、(a)は、カプラ構造のソケット(カプラソケット)の構成を示す斜視図、(b)は、カプラソケットにカプラ構造のプラグ(カプラプラグ)を接続した状態を示す概略機構図、(c)は、カプラプラグの圧縮空気供給用パイプの構成を示す概略図である。 本発明の第2実施形態に係るタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットの構成を示す要部断面図である。 本発明の第3実施形態に係るタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットの構成を示す要部断面図である。 本発明の第4実施形態に係る速度センサ機構の電気系とタイヤ空気圧制御機構の供給系の軸受ユニットへの接続構造(カプラ構造)を示す概略機構図である。 本発明の第5実施形態に係る速度センサ機構の電気系とタイヤ空気圧制御機構の供給系の軸受ユニットへの接続構造(カプラ構造)を示す概略機構図である。
以下、本発明のタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニット(以下、単に軸受ユニットともいう)について、添付図面を参照して説明する。なお、本発明に係る軸受ユニットは、例えば、自動車や鉄道車両など、タイヤを装着して走行する各種車両において、その車輪(タイヤ及びホイール)を回転自在に支持する軸受ユニットとして適用することができるが、ここでは、自動車の車輪を支持するハブユニット軸受として適用されている場合を一例として想定する。その際、かかるハブユニット軸受が自動車に装着された場合に当該自動車の車体外方に相当する側(車輪側(図1の左側))をアウトボード側といい、その反対側、すなわち自動車の車体内方に相当する側(同図の右側)をインボード側という。
図1には、本発明の第1実施形態に係るタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットの構成が示されている。この場合、軸受ユニットとしては、自動車の従動輪(前置エンジン後輪駆動(FR)車及び後置エンジン後輪駆動(RR)車の前輪、前置エンジン前輪駆動(FF)車の後輪)を支持するハブユニット軸受を想定している。
かかる軸受ユニットには、車体構成部材(一例として、懸架装置のナックル(図示しない))に固定される外輪2と、車輪構成部材(一例として、車輪のディスクホイール(図示しない))に固定され、使用時に当該車輪とともに回転するハブ4と、外輪2の内周面及びハブ4の外周面にそれぞれ形成されて相互に対向する複列(2列)の軌道面(外輪軌道面20a,20bと内輪軌道面40a,40b)間へ転動可能に組み込まれた複数の転動体(一例として、玉)6a,6bが備えられている。転動体(玉)6a,6bは、環状を成す保持器8a,8bに形成されたポケット内に1つずつ回転自在に保持された状態で、外輪軌道面20a,20bと内輪軌道面40a,40bの間を転動している。
外輪2には、その外周面から外方(拡径方向)に向かって突出した固定フランジ2fが一体成形されており、当該固定フランジ2fを貫通する固定孔2hに固定用ボルト(図示しない)を挿通し、これを車体側に締結することで、外輪2を図示しない懸架装置(サスペンション)のナックルに固定することができる。
一方、ハブ4には、外輪2の一方(アウトボード側)の外輪軌道面20aと対向する内輪軌道面40aが周方向に沿って連続して形成されたハブ輪12と、他方(インボード側)の外輪軌道面20bと対向する内輪軌道面40bが形成された少なくとも1つの内輪16が備えられている。図1には、1つの内輪16を備えた軸受ユニットの構成(ハブ構成)を例示しているが、例えば、外輪2の2つの外輪軌道面20a,20bとそれぞれ対向する内輪軌道面が1つずつ形成された2つの内輪を備えた軸受ユニットの構成とすることも可能である。
ハブ輪12は、ブレーキのブレーキロータ(図示しない)を介して車輪のディスクホイール(図示しない)に固定され、当該ディスクホイールとともに回転するように構成されている。かかるハブ輪12には、アウトボード側に前記ブレーキロータ及びディスクホイールを固定(外嵌)するためのハブフランジ12fが周方向に沿って連続して突設されている。
この場合、ハブフランジ12fは、外輪2を越えて外方(ハブ輪12の拡径方向)に向かって延出しており、その延出縁付近には、周方向に沿って複数の貫通孔(ボルト孔)12hが設けられている。また、図示しないブレーキロータ及びディスクホイールにも、それぞれ当該ボルト孔12hと連通可能な貫通孔が周方向に沿って複数個(一例として、ボルト孔12hと同数個)設けられている。そして、ハブボルト12bをボルト孔12hから前記貫通孔へ挿通し、ハブナット(図示しない)で締結(供締め)することにより、ブレーキロータ及びディスクホイールをハブフランジ12fに対して位置決めして固定することができる。
内輪16は、ハブ輪12のインボード側に外嵌されている。この場合、外輪軌道面20a,20bと内輪軌道面40a,40bの間に複数の転動体6a,6bを保持器8a,8bで保持した状態で、内輪16をハブ輪12に形成された段部まで外嵌した後、ハブ輪12のインボード側端部を加締めることにより、内輪16がハブ輪12のインボード側に固定されているとともに、軸受ユニット(より具体的には、転動体(玉)6a,6b)に対して所定の予圧が与えられている。なお、このような加締固定に代えて、例えば、内輪16をハブ輪12に形成された段部まで外嵌した後、インボード側からナットなどの締結部材で締め付けることによって当該ハブ輪12のインボード側に固定することも可能である。
転動体6a,6bは、保持器8a,8bにより保持された状態で、外輪軌道面20a,20bと内輪軌道面40a,40bの間を転動させることで、その転動面が相互に接触することなく転動し、結果として、各転動体6a,6bが相互に接触して摩擦が生じることによる回転抵抗の増大や、焼付きなどを防止することができる。なお、軸受ユニットには、このような回転抵抗の増大や焼付きなどをさらに効果的に防止すべく、内部に潤滑剤(一例として、グリース)を封入することが好ましい。
転動体6a,6bは、図1に示すような玉であってもよいし、各種のころ(円筒ころ、円すいころ及び球面ころなど)であっても構わない。また、保持器8a,8bは、転動体6a,6bの種類に応じて任意のタイプを適用すればよい。例えば、転動体が玉である場合、傾斜型(図1)、冠型及び波型などのタイプを適用することができ、転動体が各種のころ(円錐ころ、円筒ころ及び球面ころなど)である場合、もみ抜き型、くし型及びかご型などのタイプを適用することができる。
また、軸受ユニットには、ユニットの内部(外輪2及びハブ4(ハブ輪12と内輪16)で囲まれた空間)を外部から封止して密封状態(気密状態、及び液密状態)に保つために各種の密封装置が設けられており、当該密封装置を設けることで、軸受ユニットの外部から異物(例えば、泥水や塵埃など)が内部に侵入することを防止しているとともに、内部に封入された潤滑剤(例えば、グリースや潤滑油など)が外部へ漏洩することを防止している。
一例として、図1に示す構成においては、軸受ユニットのインボード側に円板状のカバー部材(以下、エンドキャップという)26が設けられているのに対し、アウトボード側にはシール部材(以下、アウトボードシールという)24が設けられており、これらのエンドキャップ26及びアウトボードシール24を設けることで、ユニット内部の密封性(気密性及び液密性)を保っている。エンドキャップ26は外輪2に固定、具体的には、外輪2のインボード側端部に内嵌され、ユニット内部のインボード側を封止している。一方、アウトボードシール24は、外輪2とハブ輪12間のアウトボード側端部に嵌入され、ユニット内部のアウトボード側を封止している。
軸受ユニットには、その回転状態(回転速度や回転方向など)を検出するためのセンサ機構が備えられており、当該センサ機構は、内輪16に固定され、当該内輪16とともに回転する被検出体(以下、センサロータという)32と、被検出体(センサロータ)32に対向しエンドキャップ26に一体保持され、当該センサロータ32の回転状態を検出する検出体(以下、センサという)34で構成されている。
センサ機構としては、例えば、磁気状態の変化(磁界の強弱や向き(具体的には、磁束密度の変化)など)を検出する磁気センサ、あるいは照射光に対する反射光の状態変化を検出する光学センサなどを任意に選択して用いることができる。例えば、センサ機構が磁気センサである場合、多極に着磁された環状を成す磁石(いわゆるエンコーダ)をセンサロータ32とし、当該エンコーダが回転することにより生じる磁気状態の変化(一例として、磁束密度の変化)を検出する磁気検出体、具体的にはホールIC(Integrated Circuit)やMR(Magneto Resistance)素子などをセンサ34として構成することができる。また、例えば、センサ機構が光学センサである場合、反射板をセンサロータ32とし、回転する反射板へ向けて光を照射する発光素子と当該反射板から反射される光を集光する受光素子などをセンサ34として構成することができる。
なお、センサ機構は、演算部(CPU等)や記憶部(メモリ等)などを備えた制御手段に所定の接続部材(コネクタ及びケーブルなど)を介して接続されており、当該制御手段によってセンサ34に所定の電源装置(図示しない)から電力が供給されるとともに、当該センサ34から出力された信号(センサロータ32の回転状態を示す電気信号)が前記演算部へ送信されて処理されるセンサ構造となっている。
図1において、センサロータ32は、環状をなす円板部32aと、当該円板部32aの外周縁に連続して軸受ユニットの内方へ(同図の右方)へ延出された円筒部32bにより構成されている。円筒部32bは、アウトボード側端部の内径寸法が内輪16のインボード側端部の外径寸法と略同一寸法に設定されており、当該円筒部32bのアウトボード側端部をインボード側から内輪16へ圧入させることで、センサロータ32が内輪16に外嵌固定されている。なお、センサロータ32の固定方法は、このような嵌合のほか、円筒部32bを加締めることにより固定してもよいし、各種接着剤による接着や各種締結部材による締結、あるいはこれらの各種の方法を任意に組み合わせた固定など、特に限定されない。
これにより、軸受ユニットを回転させた場合、内輪16とともに当該内輪16と同一の回転状態(回転速度や回転方向など)でセンサロータ32を回転可能な構造とすることができる。
一方、センサ34は、保持部材(以下、ソケットという)36に保持されており、当該ソケット36は、エンドキャップ26に固定されている。すなわち、センサ34は、ソケット36によってエンドキャップ26と一体化され、当該エンドキャップ26に保持される構造となっている。その際、センサ34は、エンドキャップ26に一体保持された状態において、センサロータ32(具体的には、その円板部32a)と所定間隔を空けて対向して位置付けられるように、ソケット36を介してエンドキャップ26に位置決め固定される。センサ34とセンサロータ32(円板部32a)との対向間隔は、可能な限り狭めて設定することが軸受ユニットのコンパクト化に寄与するが、その具体的な間隔は、センサ34の検出精度などに応じて任意に設定すればよいため、特に限定されない。
ソケット36は、速度センサ機構の電気系、例えば、上記制御手段によってセンサ34に所定の電源装置(図示しない)から電力を供給するための電源ケーブルやセンサ34から出力された信号(センサロータ32の回転状態を示す電気信号)を当該制御手段の演算部へ送信するための信号ケーブルなどが接続される部位(以下、コネクタ部という)36aがエンドキャップ26から露出し、軸受ユニット外部へ臨んでいる。すなわち、本実施形態に係る速度センサ機構においては、ソケット36のコネクタ部36aに上記のような電気系を接続することにより、センサ34を駆動し、当該センサ34によってセンサロータ32の回転状態(回転速度や回転方向など)を検出するとともに、その出力信号(センサロータ32の回転状態を示す電気信号)を上記制御手段へ送信して演算処理することが可能となっている。これに対し、センサ34を保持し、エンドキャップ26から露出することなく、その内側(軸受ユニット内部)に位置付けられるソケット36の部位(コネクタ部36a以外の部位)を、以下の説明においては保持部36bという。
ここで、センサ34の数は、例えば、軸受ユニットの回転状態(回転速度や回転方向など)の計測に対して要求される精度などに応じて任意に設定すればよい。すなわち、1つのセンサ34でのみ軸受ユニットの回転状態を計測する構成であってもよいし、2つ以上のセンサ34で軸受ユニットの回転状態を計測する構成であってもよい。また、ソケット36のエンドキャップ26への固定方法は特に限定されず、各種接着剤による接着や各種締結部材による締結、あるいはこれらの組み合わせなど、任意の方法で構わない。ソケット36のエンドキャップ26への固定位置も特に限定されず、図1に示すようにエンドキャップ26の周縁部近傍に固定してもよいし、エンドキャップ26の中心部近傍に固定してもよい。
以上のようにセンサロータ32及びセンサ34を内輪16及びエンドキャップ26に対して位置付けることで、センサロータ32がセンサ34と対向した状態で内輪16とともに回転可能な構造とすることができる。
すなわち、軸受ユニットにおいて、内輪16が回転すると、これとともにセンサロータ32も回転し、例えば、センサ34に対するエンコーダ(磁石)の位置が連続して変化する。このとき、エンコーダ(磁石)によって発生され、センサ34を通過する磁束(具体的には、磁束密度)がエンコーダの磁石配置(磁極配置)によって連続的に変化し、かかる変化を当該センサ34により検出することで、センサロータ32(すなわち、内輪16)の位置や角度などを検知することができる。
そして、上記制御手段において、センサ34が検出した磁束密度の変化を示す電気信号(データ)に基づいて単位時間当たりのセンサロータ32の位置などの変動量を演算処理することで、当該センサロータ32が固定された内輪16、すなわち軸受ユニットの回転状態(例えば、回転速度や回転方向など)を計測することが可能となる。
軸受ユニットには、自動車の走行中に路面状況に応じて車体側から送出した圧縮空気を車輪のタイヤへ供給し、当該タイヤの空気圧を常に最適な状態に調整するためのタイヤ空気圧制御機構が備えられている。タイヤ空気圧制御機構においては、圧縮空気供給源(例えば、ポンプユニットなど)によって圧縮空気を発生させた後、当該圧縮空気が所定の供給経路を通してタイヤまで送られている。
圧縮空気供給源によって発生された圧縮空気は、当該圧縮空気供給源とつながる供給管(圧空配管)によって軸受ユニットまで送られ、軸受ユニットに備えられて当該圧空配管と接続する流路(圧縮空気供給路)を通ってユニット内部を抜け、タイヤまで送られている。図1に示すように、圧縮空気供給路は、検出体(センサ)34のソケット部36からエンドキャップ26の内部に通じる第一の流路52と、ハブ輪12を貫通する第二の流路54より形成されている。圧縮空気供給源から圧空配管によって軸受ユニットまで送られた圧縮空気は、当該圧空配管と第一の流路52が接続されて連通することにより、第一の流路52、第二の流路54の順に圧縮空気供給路を通過し、タイヤまで供給されている。
第一の流路52は、ソケット36のコネクタ部36aに開口され(図1の開口52a)、当該開口52aからコネクタ部36aを軸方向(同図の左右方向)へ穿孔するとともに、これに連続して当該ソケット36の保持部36bを径方向(同図の上下方向)へ穿孔し、当該保持部36bに開口されている(同図の開口52b)。すなわち、第一の流路52は、エンドキャップ26を介して軸受ユニット外部(具体的には、インボード側外部)へ臨む開口52aと、軸受ユニット内部(同、図1に示すエンドキャップ26と、ハブ輪12及び内輪16のインボード側端部とで囲まれた空間S)へ臨む開口52bを両端部に有し、ソケット36(コネクタ部36aと保持部36b)を貫通する貫通孔となっている。したがって、軸受ユニットは、その内部(空間S)と外部(インボード側外部)が第一の流路52を介して連通される。
第二の流路54は、ハブ輪12のインボード側端部に開口され(図1の開口54a)、当該開口54aからハブ輪12を軸方向(同図の左右方向)へ穿孔し、アウトボード側端部に開口されている(同図の開口54b)。すなわち、第二の流路54は、ハブ輪12のインボード側端部で軸受ユニット内部(具体的には、空間S)へ臨む開口54aと、アウトボード側端部で軸受ユニット外部(同、アウトボード側外部)へ臨む開口54bを両端部に有し、ハブ輪12を貫通する貫通孔となっている。したがって、軸受ユニットは、その内部(空間S)と外部(アウトボード側外部)が第二の流路54を介して連通される。
これにより、軸受ユニットは、第一の流路52と第二の流路54を介して(別の捉え方をすれば、空間Sを含む軸受ユニット内部を経由して)インボード側外部とアウトボード側外部が相互に連通される構造となる。
なお、第一の流路52のソケット36(コネクタ部36aと保持部36b)に対する穿孔位置や孔径、第二の流路54のハブ輪12に対する穿孔位置や孔径などは、特に限定されない。例えば、図1には、穿孔加工のし易さを考慮して、ハブ輪12の中心部に沿って第二の流路54を穿孔した構成を示しているが、その中心部からずらした位置に第二の流路54を穿孔した構成とすることも可能である。また、図1には、第一の流路52と第二の流路54が空間Sを介して相互に接続された圧縮空気供給路の構成を示しているが、第一の流路52と第二の流路54を空間Sに配した所定の管材などで相互に接続させて圧縮空気供給路を構成してもよい。
上述したように、圧縮空気供給路の第一の流路52は、ソケット36に形成されており、そのコネクタ部36aに開口52aを有している。すなわち、タイヤ空気圧制御機構の供給系、例えば、圧縮空気供給源とつながり、当該圧縮空気供給源によって発生された圧縮空気を送るための供給管(圧空配管)と接続される第一の流路52(開口52a)は、エンドキャップ26から露出し、軸受ユニット外部へ臨んでいる。このように、本実施形態に係るタイヤ空気圧制御機構においては、速度センサ機構のソケット36(コネクタ部36a)に上記のような供給系を接続することにより、圧縮空気供給路(第一の流路52及び第二の流路54)が圧空配管と連通され、圧縮空気供給源によって発生された圧縮空気をこれらの圧空配管と圧縮空気供給路で供給することにより、車輪のタイヤまで送ることが可能となっている。
したがって、本実施形態に係るタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットによれば、速度センサ機構の電気系(例えば、速度センサの信号ケーブル)とタイヤ空気圧制御機構の供給系(同、圧縮空気を発生する圧縮空気供給源(ポンプユニット等)の圧空配管)を統合することができる。これにより、速度センサ機構の電気系とタイヤ空気圧制御機構の供給系を1つの接続手段(同、カプラのプラグ)で同時に軸受ユニットに接続することが可能となり、配管や配線の簡略化を図ることができる。
図2(a),(b)には、このように速度センサ機構の電気系とタイヤ空気圧制御機構の供給系を同時に軸受ユニットに接続することが可能な接続手段の一例であるカプラ構造を示す。なお、以下の説明においては、速度センサ機構の電気系とタイヤ空気圧制御機構の供給系をまとめて接続系という。
図2(a)には、軸受ユニットの速度センサ機構のソケット36(コネクタ部36a)に設け、速度センサ機構の電気系(一例として、ABS速度センサの信号ケーブル)とタイヤ空気圧制御機構の供給系(同、圧縮空気を発生する圧縮空気供給源(ポンプユニット等)の圧空配管)を同時に軸受ユニットに接続することを可能とする接続構造(カプラ構造のソケット70)を示しており、同図(b)には、当該カプラ構造のソケット70に接続系側の接続手段(カプラ構造のプラグ90)を接続した状態を示している。
カプラ構造のソケット(以下、カプラソケットという)70は、速度センサ機構におけるセンサ34からの出力信号(センサロータ32の回転状態を示す電気信号)を上記制御手段へ送信する電気系、及びタイヤ空気圧制御機構における圧縮空気を車輪のタイヤへ供給する供給系を当該カプラ構造のプラグ(以下、カプラプラグという)90を介して軸受ユニットに接続する。具体的には、速度センサ機構の電気系(ABS速度センサの信号ケーブル)をソケット36(コネクタ部36a)へ接続すると同時に、タイヤ空気圧制御機構の供給系(圧縮空気供給源(ポンプユニット等)の圧空配管)を圧縮空気供給路(第一の流路52)へ接続している。
カプラソケット70は、カプラプラグ90を挿し込むべく、当該カプラプラグ90の形状に合わせた挿込部72を備えており、当該挿込部72に上記接続系と接続するための連結部(以下、ソケット連結部という)74が設けられている。
図2(a)には、挿込部72を矩形状に凹設するとともに、当該挿込部72の底部にソケット連結部74が凸設されたカプラソケット70の構成が一例として示されており、この場合、ソケット連結部74として、速度センサ機構の電気系(ABS速度センサの信号ケーブル)と接続するための突起(ピン)74aが2つ設けられ、タイヤ空気圧制御機構の供給系(圧縮空気を発生する圧縮空気供給源(ポンプユニット等)の圧空配管)と接続するための環状突起(エア口ジョイント)74bが1つ設けられている。これに対し、カプラプラグ90には、カプラソケット72のソケット連結部74と連結するための連結部(以下、プラグ連結部という)94が設けられている。図2(b)には、挿込部72に挿し込まれる矩形状の先端部92を有するカプラプラグ90の構成が一例として示されており、この場合、プラグ連結部94として、速度センサ機構の電気系(ABS速度センサの信号ケーブル)とつなげられた穴(ピン穴)94aが2つ設けられ、タイヤ空気圧制御機構の供給系(圧縮空気を発生する圧縮空気供給源(ポンプユニット等)の圧空配管)とつなげられた孔(エア口)94bが1つ設けられている。
これにより、カプラソケット70にカプラプラグ90を挿し込むことで、ソケット連結部74とプラグ連結部94、具体的にはピン74aとピン穴94aが連結されるとともに、エア口ジョイント74bがエア口94bと連結される。この結果、カプラソケット70及びカプラプラグ90を介し、速度センサ機構の電気系(一例として、ABS速度センサの信号ケーブル)とタイヤ空気圧制御機構の供給系(同、圧縮空気を発生する圧縮空気供給源(ポンプユニット等)の圧空配管)が同時に軸受ユニットに接続される。
なお、このようなカプラ構造においては、カプラソケット70とカプラプラグ90を緊密に連結させるとともに、カプラソケット70に挿し込んだカプラプラグ90の抜け止めを図る必要がある。
図2(a),(b)には、カプラソケット70に回動式のクリップ76を設け、カプラプラグ90を挿し込んだ際、クリップ76を回動させて当該カプラプラグ90に係止させることで、カプラプラグ90の挿込方向(同図(b)の左方向)へ押圧力を作用させ、カプラソケット70とカプラプラグ90の緊密な連結と、カプラプラグ90の抜け止めを図った構成を一例として示している。また、カプラソケット70のエア口ジョイント74bには、Oリング78が取り付けられており、カプラプラグ90のエア口94bを連結した際、これらの連結部分からの圧縮空気の漏れ防止を図るとともに、クリップ76に反力を与えている。
また、図2(a),(b)には、ソケット連結部74(ピン74a及びエア口ジョイント74b)を凸側(オス)、プラグ連結部94(ピン穴94a及びエア口94b)を凹側(メス)とした構成を示しているが、これらの凹凸関係(オスメス関係)は逆であってもよいし、混在させても構わない。相互に連結可能であれば、ソケット連結部74(ピン74a及びエア口ジョイント74b)とプラグ連結部94(ピン穴94a及びエア口94b)の配設位置も特に限定されない。
ここで、軸受ユニットは、その外輪2が車体構成部材(懸架装置のナックル)に固定されており、当該懸架装置のスプリングの下方に位置付けられる。一方、速度センサ機構(一例として、ABS速度センサ機構)の制御手段やタイヤ空気圧制御機構の圧縮空気供給源(ポンプユニット等)やその制御手段などは、懸架装置のスプリングの上方に位置付けられる。したがって、これらの制御手段などと軸受ユニットは弾性体で接続される必要がある。つまり、速度センサ機構の電気系(一例として、ABS速度センサの信号ケーブル)とタイヤ空気圧制御機構の供給系(同、圧縮空気を発生する圧縮空気供給源(ポンプユニット等)の圧空配管)は所定の弾性を有するとともに、当該弾性に耐え得る強度を有していることが必要となる。
このため、タイヤ空気圧制御機構の供給系を構成する圧縮空気供給源の圧空配管(以下、圧縮空気供給用パイプという)は、その外周壁部に補強用の複数のワイヤが埋め込まれ、かかる弾性に対する耐久性アップが図られている。図2(c)には、このような圧縮空気供給用パイプ96を備えたカプラプラグ90の構成を一例として示している。
かかる圧縮空気供給用パイプ96は、その外周壁部96aに補強用の複数のワイヤ98(98a,98b)が巻回された状態で埋め込まれており、当該ワイヤ98のうちの少なくとも2本は、いずれも他のワイヤ98(98a)とは絶縁され、速度センサ機構における出力信号を送信する電気系を構成する信号ケーブル(ABS速度センサの信号ケーブル)98bを兼ねている。圧縮空気供給用パイプ96をこのような構成とすることで、補強による前記弾性への耐久性アップを図ることができるとともに、軸受ユニットと速度センサ機構の電気系及びタイヤ空気圧制御機構の供給系と軸受ユニットとの接続に要する配線や配管を減少させることができる。この結果、かかる接続時における工数の削減を図ることが可能となり、カプラプラグ90の構造を単純化させることも可能となる。
以上、本実施形態によれば、速度センサ機構の電気系(一例として、ABS速度センサの信号ケーブル98b)とタイヤ空気圧制御機構の供給系(同、圧縮空気供給用パイプ96)を統合し、1つの接続手段(同、カプラソケット70及びカプラプラグ90)で軸受ユニットに接続することで、配管や配線の簡略化を図ることができる。この結果、速度センサ機構を備えるとともに、自動車の走行中に路面状況に応じて、タイヤの空気圧を最適な状態に調整することが可能で実用的な軸受ユニット(タイヤ空気圧制御機構付軸受ユニット)を安価に提供することが可能となる。
なお、本発明に係るタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットの構成、並びに速度センサ機構の電気系とタイヤ空気圧制御機構の供給系を同時に接続するカプラ構造は、上述した図示形態(図1、図2(a),(b))には特に限定されず、例えば、図3から図6に示すような形態(第2実施形態から第5実施形態)とすることも可能である。以下、これらの実施形態について説明する。その際、上述した図示形態(図1、図2(a),(b))と同一もしくは類似する構成部材については、図面上で同一の符号を付してその説明を省略もしくは簡略化し、各実施形態に特徴的な構成について詳述する。
図3には、第2実施形態に係るタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットの構成が示されている。かかる軸受ユニットには、そのインボード側を封止するための密封装置として、エンドキャップ26に加えてパッケージ型のシール(パックシール)28を設けている。パックシール28は、シール28a、スリンガ28b及び芯金28cを組み合わせたパッケージ構造を成しており、外輪2と内輪16の間のインボード側端部に嵌入されている。具体的には、スリンガ28bが内輪16に固定されるとともに、シール28aと一体化された芯金28cが外輪2に固定され、スリンガ28bがシール28aを摺接させた状態で、内輪16とともに回転する構造となっている。
スリンガ28bには、センサ34と所定間隔を空けて対向するようにエンコーダ33(例えば、多極に着磁された環状をなす磁石など)が取り付けられている。これにより、軸受ユニットを回転させた場合、内輪16とともに当該内輪16と同一の回転状態(回転速度や回転方向など)でエンコーダ33が回転し、当該エンコーダ33をセンサ34の被検出体として機能させることができる。すなわち、本実施形態においては、上述した第1実施形態におけるセンサロータ32(図1)の代わりにパックシール28(具体的には、スリンガ28b及びエンコーダ33)を設けることで、センサ34とともに軸受ユニットの回転状態(回転速度や回転方向など)を検出するためのセンサ機構を実現させている。
これにより、本実施形態によれば、パックシール28がセンサロータ32(図1)を兼ねるとともに、パックシール28自体で第一の流路52の開口52bが臨む空間Sとユニット内部(外輪2及びハブ4(ハブ輪12と内輪16)で囲まれた空間)との間を封止することができる。この結果、前記ユニット内部から漏洩した潤滑剤(一例として、グリース)による圧縮空気供給路(第一の流路52、第二の流路54、空間S)の閉塞や、エンドキャップ26に破損等が生じた場合における軸受ユニット周辺のブレーキ部品などへの潤滑剤(グリース)の飛散を有効に防止することができる。なお、このようにパックシール28を設けた場合であっても、上述した特許文献1に記載された軸受ユニットと比較して密封装置(シールや封止部材など)の数が少なく、低トルク化や低コスト化を図ることができる上に、密封装置を転動体8a,8bの列間に設ける必要がない(通常の従動輪支持用のハブユニット軸受と同じ構造である)ため、軸受の組み付け性がよい。
図4には、第3実施形態に係るタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットの構成が示されている。かかる軸受ユニットは、自動車の駆動輪を支持するためのハブユニット軸受となっており、ハブ輪12の中心部に等速ジョイントのスプライン軸(図示しない)が挿通されるスプライン孔12tを有している。
本実施形態において、圧縮空気供給路を構成する第二の流路54は、内輪径方向孔54c、内輪内径溝54d、内輪面取部54e、及びハブ輪段部軸方向貫通孔54fがひとつに連通されて構成されている。この場合、内輪径方向孔54cは、内輪16のインボード側を外周部側から内周部側へ貫通し、内輪内径溝54dは、当該内輪径方向孔54cの内周部側の開口に連通し、当該開口から内輪16のアウトボード側内周縁に形成された面取部(内輪面取部54e)まで軸方向(図4の左右方向)に沿って凹状に連続している。そして、ハブ輪段部軸方向貫通孔54fは、内輪面取部54eと連通し、内輪16を保持するためにハブ輪12の外周部に形成された段部12dからハブ輪12のアウトボード側端部までを、軸方向(図4の左右方向)に沿って貫通している。
これにより、本実施形態に係る軸受ユニット(駆動輪支持用ハブユニット軸受)は、第一の流路52、空間S、第二の流路54(内輪径方向孔54c、内輪内径溝54d、内輪面取部54e、及びハブ輪段部軸方向貫通孔54f)を介して、インボード側外部とアウトボード側外部が相互に連通される構造となる。
内輪16がハブ輪12に固定される際、当該内輪16が圧入により嵌合されるとともに、突き当てられる段部12dの近傍(突き当て部や嵌合面)は、研削仕上げが施され、フープストレスや軸力で押し付けられた状態になっている。このため、第二の流路54(例えば、内輪径方向孔54cと内輪内径溝54dの連通部位や、内輪面取部54eとハブ輪段部軸方向貫通孔54fとの連通部位など)に対し、圧縮空気の漏れを防止するための特別の手段(例えば、シーリング材の配設など)を備える必要がない。
なお、本実施形態においても、上述した第2実施形態(図3)のように、パックシール28にエンコーダ33(同図)を設けることで、当該パックシール28がセンサロータ32(図1)を兼ねるように構成すればよい。
図5には、第4実施形態に係るカプラ構造が示されている。かかるカプラ構造において、カプラソケット70には、センサ34(図1)からの出力信号をセンサ機構の電気系へ伝達する(一例として、前記センサ34からの出力ケーブル34cを前記制御手段への送信ケーブルCに接続する)ためのソケット連結部74として、ピン60が設けられており、当該ピン60は、エアシリンダ62内にピストン状に配され、引き込み方向(図5の左方向)へバネ64によって付勢されている。エアシリンダ62は、その引き側(ピン60の位置を基準として図5の右側)が開放孔66を介してカプラ内(カプラソケット70と当該カプラソケット70に挿し込まれたカプラプラグ90との間の空間領域)で大気開放され、その押し側(ピン60の位置を基準として同図の左側)は、連通孔68を介してタイヤ空気圧制御機構の供給系(圧縮空気供給用パイプ96)と連通している。
このようなカプラ構造とすることで、圧縮空気供給用パイプ96が所定以上の圧力になった時、当該圧縮空気供給用パイプ96と連通孔68を介して連通するエアシリンダ62の押し側へ空圧が作用され、ピン60をバネ64の付勢力に抗して当該エアシリンダ62の引き側へ押し込む。そして、ピン60がエアシリンダ62から押し出されると、当該ピン60がプラグ連結部(ピン穴)94aと連結される。これにより、センサ34からの出力ケーブル34cと前記制御手段への送信ケーブルCが接続され、センサ機構の電気系が通電する。したがって、圧縮空気供給用パイプ96が所定圧以上に維持されている場合にのみ、ピン60がプラグ連結部(ピン穴)94aと連結されてセンサ機構の電気系が通電し、センサ34(図1)からの出力信号が当該電気系を介して上記制御手段へ送信される。
すなわち、センサ34(図1)からの出力信号が上記制御手段へ送信されない場合には、ピン60がエアシリンダ62から押し出されていない状態(引き込まれた状態)となっており、圧縮空気供給用パイプ96の圧力、換言すればタイヤの空気圧が低下していることを検出することができる。
なお、図5に示す構成においては、ピン60、エアシリンダ62、バネ64、開放孔66及び連通孔68でなるエアシリンダ機構をカプラソケット70側に設けているが、当該エアシリンダ機構は、カプラプラグ90側に設けることも可能である。また、ピン60は、センサ34からの出力ケーブル34c上に配する場合を想定しているが、これに限定されない。
図6には、第5実施形態に係るカプラ構造が示されている。本実施形態においては、図6に示すように、エアシリンダ62は、その引き側(ピン60の位置を基準として図6の右側)、及び押し側(ピン60の位置を基準として同図の左側)の双方が連通孔68a,68bを介してタイヤ空気圧制御機構の供給系(圧縮空気供給用パイプ96)と連通している。
このようなカプラ構造であっても、かかる引き側と押し側の面積差(容積差)により、上述した第4実施形態に係るカプラ構造(図5)と同様のタイヤ空気圧低下の検出効果を奏することができる。加えて、圧縮空気の漏れやタイヤ空気圧制御機構の供給系(圧縮空気供給用パイプ96)への異物の侵入をより確実に防止することができる。
2 外輪
4 ハブ
6a,6b 転動体
12 ハブ輪
16 内輪
20a,20b 外輪軌道面
26 エンドキャップ
32 被検出体(センサロータ)
34 検出体(センサ)
36 保持部材(ソケット)
40a,40b 内輪軌道面
52 第一の流路
54 第二の流路

Claims (3)

  1. 内周面に複列の外輪軌道面を有する外輪と、
    少なくとも1つの内輪と、ハブ輪とを備え、外周面に複列の内輪軌道面を有して使用時に車輪とともに回転するハブと、
    前記複列の外輪軌道面と前記複列の内輪軌道面の間に転動可能に配設される複数の転動体と、
    前記外輪に固定され、軸受インボード側を封止するエンドキャップと、
    前記内輪に固定され、当該内輪とともに回転するセンサ機構の被検出体と、
    前記被検出体に対向し、保持部材によって前記エンドキャップに一体保持され、当該被検出体の回転状態を検出する前記センサ機構の検出体と、
    圧縮空気供給源から供給された圧縮空気を前記車輪のタイヤに供給する圧縮空気供給路と、
    を備えたタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットであって、
    前記圧縮空気供給路は、前記検出体の保持部材から前記エンドキャップの内部に通じる第一の流路と、前記ハブ輪を貫通する第二の流路より形成され、圧縮空気は、当該第一の流路、当該第二の流路の順で前記圧縮空気供給路を通過し、前記タイヤまで供給されることを特徴とするタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニット。
  2. 請求項1に記載のタイヤ空気圧制御機構付軸受ユニットにおいて、前記センサ機構における検出体からの出力信号を送信する電気系、及び前記タイヤ空気圧制御機構における圧縮空気を供給する供給系を前記軸受ユニットに接続するための接続構造であって、前記電気系を前記検出体の保持部材へ接続すると同時に、前記供給系を前記圧縮空気供給路へ接続することを特徴とする接続構造。
  3. 請求項2に記載の接続構造において、前記タイヤ空気圧制御機構における圧縮空気の供給系を構成する圧縮空気供給用パイプであって、その外周壁部には補強用の複数のワイヤが埋め込まれており、当該ワイヤのうちの少なくとも2本は、いずれも他のワイヤとは絶縁され、前記センサ機構における出力信号を送信する電気系を構成する信号ケーブルを兼ねることを特徴とする圧縮空気供給用パイプ。
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