JP2011167652A - 比重選別方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】比重が異なり、かつ比重差の小さい2種以上の物体を効率的に低コストで選別する。
【解決手段】鉱石Mから大塊を除去する篩装置2と、鉱石Mを水洗して付着している粉分Pを除去する水洗装置3と、水洗後の鉱石M1に付着した水分を除去するエアーブロー装置4を備えたメッシュコンベア5と、水分除去後の篩上物M2を比重選別するための流動層式選別装置6と、流動層式選別装置に流動用及び乾燥用の熱風又は冷風(空気)を吹き込むブロワー7と、洗浄後の水W1に含まれる粉分Pから生じたSSの量を測定するためのSS測定装置8等を備えた比重選別装置1。流動層式選別装置の投入口6aから投入した篩上物M2のうち、固気流動層の見掛け比重より比重の小さい物(低比重品L)を固気流動層内で浮遊させ、固気流動層の見掛け比重より比重の大きい物(高比重品H)を固気流動層内で沈降させて両者を選別する。
【選択図】図1
【解決手段】鉱石Mから大塊を除去する篩装置2と、鉱石Mを水洗して付着している粉分Pを除去する水洗装置3と、水洗後の鉱石M1に付着した水分を除去するエアーブロー装置4を備えたメッシュコンベア5と、水分除去後の篩上物M2を比重選別するための流動層式選別装置6と、流動層式選別装置に流動用及び乾燥用の熱風又は冷風(空気)を吹き込むブロワー7と、洗浄後の水W1に含まれる粉分Pから生じたSSの量を測定するためのSS測定装置8等を備えた比重選別装置1。流動層式選別装置の投入口6aから投入した篩上物M2のうち、固気流動層の見掛け比重より比重の小さい物(低比重品L)を固気流動層内で浮遊させ、固気流動層の見掛け比重より比重の大きい物(高比重品H)を固気流動層内で沈降させて両者を選別する。
【選択図】図1
Description
本発明は、比重選別方法及び装置に関し、特に、鉱石等の物体を固気混合層中に浮遊又は沈降させることによって比重選別する方法等に関する。
鉱山より採掘された鉱石中には有用鉱物以外の不用鉱物が多く含まれるため、そのままでは利用できず、選鉱作業によって有用鉱物の品位を高める必要がある。また、ドロマイトや珪石等の鉱石については、主要成分の含有率等によって用途が異なり、適切に選別することで選別後の鉱石の利用価値が高まる。従来、これらの選別には、手選、比重選別、磁力選別、浮遊選別等の方法が用いられていた。
また、近年、環境保全や資源の有効利用の観点から、廃棄物に含まれる金属類やプラスチック類の再利用が注目されている。金属の例としては、自動車シュレッダーダストに含まれる鉄やアルミニウムがあり、プラスチックの例としては、産業廃棄物及び家庭用廃棄物に含まれるポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)などがあるが、これらの再利用には、比重差によって選別を行う重液比重選別法や乾式比重選別法が用いられる。
重液比重選別法は、ミックスメタルと呼ばれる、アルミニウム、銅、ステンレス、亜鉛等の非鉄金属類の混合物等を分離する際に用いられ、一例として、特許文献1には、自動車等を破砕したダストから有価金属を回収する重液選別設備であって、処理原料を軽量物と重量物とに効率よく選別でき、重液循環系の重液の詰まりを防止できる重液選別設備が記載されている。
また、乾式比重選別法は、単純な装置で種々の材料を選別することを特徴とし、特許文献2には、送風によって粉体を流動化させた固気流動層にプラスチック類を投入し、固気流動層との比重差を利用してプラスチック類を成分毎に分離する方法が開示されている。
しかし、特許文献1等に記載の重液選別法は、比重選別に使用する重液コスト、選別された物体に付着している重液や不純物を除去するための水洗コスト、及び水洗した選別物の乾燥コストと、各工程毎にかかるコストが高いため、普及が進んでいない。
また、特許文献2等に記載の乾式比重選別法は、分離する物体が乾燥していなければ媒体の流動性が低下して詰まりが生じるのに加え、物体の付着物が固気流動層内に混入すると、固気流動層の見掛けの比重が小さくなり、選別目標の比重差にずれが生じ、分離精度が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、比重が異なり、かつ比重差の小さい2種以上の物体を効率的に低コストで選別することのできる比重選別方法及び装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、比重選別方法であって、物体を水洗して付着物を除去し、該水洗後の物体に付着した水分を除去し、該水分除去後の物体を乾式比重選別することを特徴とする。
そして、本発明によれば、水洗して付着物を除去するため、乾式比重選別を行う際に物体の付着物の影響がなく、選別目標の比重差にずれが生じることがないため、分離精度の低下を防止することができる。また、水洗後に付着水分を除去するため、乾式比重選別時に媒体の流動性が低下することがなく、詰まりを回避することができる。これにより、比重差の小さい2種以上の物体を効率的に低コストで選別することが可能となる。
また、本発明は、比重選別方法であって、粒径を300mm以下に調整した物体を水洗して付着物を除去し、該水洗した物体の粒径を20mm超に調整しながら、該物体に付着した水分を除去して該物体の水分含有率を0.2質量%以上5質量%以下とし、該水分除去後の物体を乾式比重選別することを特徴とする。
本発明によれば、水洗前に大塊を除去し、水洗後の水分除去と同時に粒径を調整して所定の粒度の物体を得るため、選別目標の比重差にずれが生じて分離精度の低下を防止することができる。また、水分含有率が0.2質量%以上5質量%以下となるように物体に付着した水分を除去するため、乾式比重選別時における媒体の流動性の低下によって生ずる虞のある詰まりを回避することができる。これにより、粉砕や篩分けがなされ、大塊、砂等の粉分及び水分を多く含む鉱石等の比重選別を効率的に低コストで行うことが可能となる。
上記比重選別方法において、前記水洗工程における洗浄水量を、該物体の付着物と洗浄水とを混合して生成したスラリー中の固形分量に基づいて調整することができる。スラリー中の固形分量に基づき、付着物の多い物体の水洗は水洗水量を多く、付着物の少ない物体の水洗は水洗水量を少なくすることで、洗浄水量を適切に維持し、運転コストを低下させることができる。
また、前記水分除去後の物体の乾式比重選別を該物体の乾燥と同時に行うこともできる。これにより、設備コスト及び運転コストを削減することができるとともに、乾燥により水分がさらに低下するため、比重選別の精度を上げることも可能となる。
さらに、本発明は、比重選別装置であって、物体を水洗して付着物を除去する水洗装置と、該水洗後の物体に付着した水分を除去する水分除去装置と、該水分除去後の物体を乾式比重選別する選別装置とを備えることを特徴とする。本発明によれば、上記発明と同様に、分離精度の低下を防止し、乾式比重選別時の詰まりを回避し、比重差の小さい2種以上の物体を効率的に低コストで選別することが可能となる。
また、本発明は、比重選別装置であって、物体を水洗して付着物を除去する水洗装置と、該水洗後の物体に付着した水分を除去するエアーブロー装置を備えた、目開きが10mm以上200mm以下のメッシュコンベア又は振動スクリーンと、該メッシュコンベア又は振動スクリーンの篩上物を乾式比重選別する流動層式選別装置とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、エアーブロー装置を備えたメッシュコンベア又は振動スクリーンによって、物体の粒径の調整と、物体に付着した水分の除去とを同時に行うことができるため、1台の装置で効率よく乾式比重選別の前処理を行うことができ、砂等の粉分や水分を多く含む鉱石等の比重選別を効率的に低コストで行うことができる。
以上のように、本発明によれば、比重が異なり、かつ比重差の小さい2種以上の物体を効率的に低コストで選別することのできる比重選別方法及び装置を提供することが可能となる。
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明においては、本発明によって、ドロマイトや珪石等の鉱石を比重に基づいて選別する場合を例にとって説明する。
図1は、本発明にかかる比重選別装置の一実施の形態を示し、この比重選別装置1は、大別して、ドロマイト等の鉱石Mから大塊を除去する篩装置2と、鉱石Mの表面の付着物を洗い流すための水洗装置3と、水洗した鉱石M1に付着した水分を除去しながら篩分けするエアーブロー装置4を備えたメッシュコンベア5と、メッシュコンベア5の篩上物M2を乾式選別するための流動層式選別装置6と、この流動層式選別装置6に流動用及び乾燥用の熱風又は冷風(空気)を吹き込むブロワー7と、水洗装置3で洗浄した後の水W1中のSS(suspended substance:浮遊物質)量を測定するためのSS測定装置8等を備える。
篩装置2は、受け入れた鉱石Mに含まれる大塊を除去するために備えられ、目開きが300mm程度の格子状の固定篩や、300mm程度の間隔を開けて多数の平行バーが配置されたグリズリ、振動篩等が用いられる。
水洗装置3は、鉱石Mの表面に付着している砂等の粉分Pを水Wで洗浄除去するために備えられ、回転する円筒状網体を備え、その中を通過する鉱石Mに上方から水を噴射して鉱石Mの表面を洗浄する。
エアーブロー装置4は、複数個のエアーノズル4aと、各々のエアーノズル4aに熱風又は冷風(空気)を供給するブロワー4bとで構成される。エアーノズル4aは、噴出空気を用いて余剰な水分等を除去する装置であり、噴出空気にブロワー4bからの熱風又は冷風(空気)を用いることで、乾燥と水分の吹き飛ばしを同時に行うことができる。このエアーブロー装置4には、ソニック社製のSonic70(Sonicブロワー付きXEエアーナイフ)等を用いることができる。
メッシュコンベア5は、上記エアーブロー装置4と、目開きが10mm以上200mm以下の篩5aを備える。尚、以下の説明では、篩5aの目開きが20mmであるものとする。また、メッシュコンベア5に代えて、振動スクリーンを用いることもできる。
流動層式選別装置6は、流動層部6cの両端部に投入口6aと、排出口6bとを備える。流動層部6cは、投入する鉱石Mの大きさや量によって寸法が適宜決定され、流動層部6c内には、流動化媒体であるガラスビーズ、ジルコンサンド、ポリスチレン粒子等の粉体類からなる固体層が備えられ、流動層部6cの下面からブロワー7によって熱風又は冷風(空気)(流動用エアー)を流動層部6c内に導入して固体層を流動化させた固気流動層を形成する。
SS測定装置8は、洗浄後の水W1中のSS量を測定するために備えられ、WTW社製のViSolid 700IQ型のようなオンライン濁度センサーを使用することができる。
次に、上記構成を有する比重選別装置1の動作について、図1を参照しながら説明する。
まず、受け入れた鉱石Mを篩装置2に投入し、鉱石Mに含まれる粒径が300mmを超える大塊を除去する。その後、篩装置2を通過した鉱石Mを水洗装置3に投入し、鉱石Mの表面に付着している砂等の粉分Pを洗浄除去する。
次に、洗浄された鉱石M1をメッシュコンベア5に供給し、各エアーノズル4aにブロワー4bから熱風又は冷風(空気)を供給し、鉱石M1の表面に付着した水分を吹き飛ばしながら鉱石M1を乾燥させ、鉱石M1の水分含有量を0.2%以上5%以下にすると同時に、メッシュコンベア5の目開きが20mmの篩5aによって、鉱石M1を、粒径が20mm超300mm以下の篩上物M2と、粒径が20mm以下の篩下物M3とに篩い分ける。
次に、流動層式選別装置6の流動層部6c内にブロワー7から熱風又は冷風(空気)を吹き込んで固体層を流動化させて固気流動層を形成し、篩上物M2を投入口6aから流動層部6c内に導入する。これにより、篩上物M2は、流動層部6c内で乾燥するとともに、流動層部6c内の固気流動層において、篩上物M2のうち、固気流動層の見掛け比重より比重の小さい物(低比重品L)は、固気流動層内で浮遊し、固気流動層の見掛け比重より比重の大きい物(高比重品H)は、固気流動層内で沈降する。選別された高比重品Hと低比重品Lは、排出口6bから各々別々に回収される。
ここで、SS測定装置8によって、洗浄後の水W1中の粉分Pより生じたSSの量を測定し、洗浄後の水W1の中のSS量が多い場合には、鉱石Mの洗浄水量を多く、SS量が少ない場合には、洗浄水量を少なくすることで、洗浄水量を適切に維持し、運転コストを低下させることができる。
尚、洗浄後の水W1と、水洗装置3で除去された粉分Pと、メッシュコンベア5の篩下物M3とからなるスラリーSを回収し、固形分はセメント製造原料等に、水分は洗浄用に再利用することもできる。
以上のように、本発明によれば、鉱石Mを水洗した後、エアーブロー装置4を用いて水洗後の鉱石M1の表面に付着している水分を除去して流動層式選別装置6で乾式比重選別を行うため、選別目標の比重差にずれが生じることがなく、分離精度の低下を防止することができる。また、水洗後の鉱石M1から水分を除去するため、乾式比重選別時に媒体の流動性が低下することがなく、詰まりを回避することができ、比重差の小さい2種以上の物体を効率的に低コストで選別することが可能となる。
1 比重選別装置
2 篩装置
3 水洗装置
4 エアーブロー装置
4a エアーノズル
4b ブロワー
5 メッシュコンベア
5a 篩
6 流動層式選別装置
6a 投入口
6b 排出口
6c 流動層部
7 ブロワー
8 SS測定装置
H 高比重品
L 低比重品
M 鉱石
M1 水洗後の鉱石
M2 篩上物
M3 篩下物
P 粉分
S(W1+P+M3) スラリー
W 洗浄水
W1 洗浄後の水
2 篩装置
3 水洗装置
4 エアーブロー装置
4a エアーノズル
4b ブロワー
5 メッシュコンベア
5a 篩
6 流動層式選別装置
6a 投入口
6b 排出口
6c 流動層部
7 ブロワー
8 SS測定装置
H 高比重品
L 低比重品
M 鉱石
M1 水洗後の鉱石
M2 篩上物
M3 篩下物
P 粉分
S(W1+P+M3) スラリー
W 洗浄水
W1 洗浄後の水
Claims (6)
- 物体を水洗して付着物を除去し、
該水洗後の物体に付着した水分を除去し、
該水分除去後の物体を乾式比重選別することを特徴とする比重選別方法。 - 粒径を300mm以下に調整した物体を水洗して付着物を除去し、
該水洗した物体の粒径を20mm超に調整しながら、該物体に付着した水分を除去して該物体の水分含有率を0.2質量%以上5質量%以下とし、
該水分除去後の物体を乾式比重選別することを特徴とする比重選別方法。 - 前記水洗工程における洗浄水量を、該物体の付着物と洗浄水とを混合して生成したスラリー中の固形分量に基づいて調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の比重選別方法。
- 前記水分除去後の物体の乾式比重選別を該物体の乾燥と同時に行うことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の比重選別方法。
- 物体を水洗して付着物を除去する水洗装置と、
該水洗後の物体に付着した水分を除去する水分除去装置と、
該水分除去後の物体を乾式比重選別する選別装置とを備えることを特徴とする比重選別装置。 - 物体を水洗して付着物を除去する水洗装置と、
該水洗後の物体に付着した水分を除去するエアーノズルを備えた、目開きが10mm以上200mm以下のメッシュコンベア又は振動スクリーンと、
該メッシュコンベア又は振動スクリーンの篩上物を乾式比重選別する流動層式選別装置とを備えることを特徴とする比重選別装置。
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JP2010035519A JP2011167652A (ja) | 2010-02-22 | 2010-02-22 | 比重選別方法及び装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2010
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